JP3938106B2 - レンズフード及び撮像装置 - Google Patents

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  • Studio Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズの前方に取り付けて不要な光がレンズに入射するのを遮断するレンズフード、並びにそのようなレンズフードが取り付けられた撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置には、撮影時に不要な光がレンズに入射するのを遮断するために、レンズの前方にレンズフードを取り付けることがある(例えば、特許文献1を参照。)。また、撮像装置では、撮影後にレンズを覆うレンズカバーを取り付けることで、レンズが傷付いたり、レンズに塵埃等が付着したりすることがないようレンズを保護している(例えば、特許文献2を参照。)。
【0003】
例えば図17に示すカメラ一体型ビデオレコーダ(以下、ビデオカメラという。)200は、本体部201と、本体部201の前面に撮像レンズが臨むレンズ部202と、このレンズ部202と対向する背面側の上部にビューファインダ203とを有し、撮影者が本体部201の一側面に設けられた把持部204を把持しながら、ビューファインダ203を覗いて撮影を行うものである。また、レンズ部202の前方には、レンズフード205が取り付けられており、このレンズフード205に対してレンズカバー206が着脱可能となっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−180918号公報
【特許文献2】
特開平4−94271号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した撮像装置では、撮影前後にレンズカバーを着脱するといった手間がかかり、非常に面倒であった。特に、上述したビデオカメラ200の場合、撮影者が本体部201の把持部204を把持しビューファインダ203を覗いた状態では、レンズフード205の前方にあるレンズカバー206を取り外すことは困難である。このため、撮影者は、ビデオカメラ200を一旦持ち替えてレンズフード205を手前に向けた状態で、レンズカバー206を着脱しなければならず、レンズカバー206が取り付けてあるか否かを確認する場合も含めて、わざわざビデオカメラ1を持ち替えることは非常に面倒なことであった。
【0006】
また、上述したビデオカメラ200では、図17に示すように、取り外したレンズカバー206の紛失を防ぐために、レンズカバー206を本体部201に紐207で繋いでいるが、撮影時に取り外したレンズカバー206が本体部201にぶら下がった状態となるため、撮影者にとっては邪魔であり、煩わしく感じることがあった。
【0007】
一方、レンズの小さい小型の撮像装置の中には、例えばレンズカバーが自動的にスライドしてレンズの外側に待避するものや、レンズカバーが外側に開くものがある。しかしながら、上述したビデオカメラ200のように、レンズ部202が前方に大きく突き出たタイプや、前方にレンズフード205を取り付けるタイプには、このようなレンズカバー206を開閉するための機構を設けることは、前方部分の更なる大型化を招くことから従来行われておらず、不便でありながらレンズカバー206を着脱するタイプがほとんどであった。
【0008】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、レンズカバーの着脱を不要とすると共に、レンズカバーの開閉操作を容易に行うことを可能としたレンズカバー付きレンズフードを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、そのようなレンズカバー付きレンズフードを備えることによって、更なる利便性の向上を可能とした撮像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係るレンズフードは、レンズの前方に着脱自在に取り付けられ、不要な光がレンズに入射するのを遮断するフード本体と、フード本体の内側に収納された状態で、レンズの光軸と直交する軸回りに回動可能に取り付けられることによって、レンズを覆う閉塞位置と、レンズの視野の外側へと退避される開放位置との間で開閉可能とされた一対のレンズカバーと、フード本体にスライド可能に取り付けられた操作部のスライド操作に連動して、一対のレンズカバーを互いに逆向きに回動させることによって、一対のレンズカバーを開放位置と閉塞位置との間で開閉操作するカバー開閉機構とを備え、フード本体の前面側には、撮像レンズに対して不要な光を遮断するため、矩形状の開口部が形成された遮光板を有し、レンズカバーは、上側レンズカバーと下側レンズカバーからなり、上側レンズカバーは上側に、下側レンズカバーは下側に、回動可能に支持されると共に、それぞれにトグル機構を有していて、開放位置においては、レンズカバーは前面側に大きな開口部を有するように略ハの字型に開口され、開口されたレンズカバーの回動可能に支持される側と反対側の先端部は、遮光板の背面に位置するようにされ、トグル機構によりそれぞれ開放方向に付勢されると共に、フード本体の内側には、レンズカバーを受ける受け部が形成されていて、操作部は、レンズフードの背面側から視認可能に構成されていることを特徴としている。
【0011】
以上のように、本発明に係るレンズフードでは、フード本体に設けられたカバー開閉機構の操作部をスライド操作することで、フード本体の内側に収納された一対のレンズカバーを容易に開閉操作することができる。そして、開放時には、フード本体が不要な光がレンズに入射するのを遮断すると共に、閉塞時には、一対のレンズカバーがレンズを覆うことで当該レンズを保護する。
また、レンズカバーは、受け部とトグル機構により開放位置に確実に維持されると共に、レンズカバーが開放位置にあるとき、レンズカバーの先端部は遮光板の背面に位置することから、外部に露出することがなく、当該レンズカバーの先端部は遮光板により保護される。
【0012】
また、本発明に係る撮像装置は、本体部と、本体部の前面からレンズが臨むレンズ部と、レンズ部の前方に着脱自在に取り付けられるレンズフードとを備える。レンズフードは、不要な光がレンズに入射するのを遮断するフード本体と、フード本体の内側に収納された状態で、レンズの光軸と直交する軸回りに回動可能に取り付けられることによって、レンズを覆う閉塞位置と、レンズの視野の外側へと退避される開放位置との間で開閉可能とされた一対のレンズカバーと、フード本体にスライド可能に取り付けられた操作部のスライド操作に連動して、一対のレンズカバーを互いに逆向きに回動させることによって、一対のレンズカバーを開放位置と閉塞位置との間で開閉操作するカバー開閉機構とを備え、フード本体の前面側には、撮像レンズに対して不要な光を遮断するため、矩形状の開口部が形成された遮光板を有し、レンズカバーは、上側レンズカバーと下側レンズカバーからなり、上側レンズカバーは上側に、下側レンズカバーは下側に、回動可能に支持されると共に、それぞれにトグル機構を有していて、開放位置においては、レンズカバーは前面側に大きな開口部を有するように略ハの字型に開口され、開口されたレンズカバーの回動可能に支持される側と反対側の先端部は、遮光板の背面に位置するようにされ、トグル機構によりそれぞれ開放方向に付勢されると共に、フード本体の内側には、レンズカバーを受ける受け部が形成されているレンズフードを有していて、操作部は、レンズフードの背面側から視認可能に構成されていることを特徴とする。
【0013】
以上のように、本発明に係る撮像装置では、本体部のレンズ部の前方に上記レンズフードが取り付けられており、フード本体に設けられたカバー開閉機構の操作部をスライド操作することで、フード本体の内側に収納された一対のレンズカバーを容易に開閉操作することができる。したがって、この撮像装置では、撮影前後にレンズカバーを着脱するといった手間を省くことができ、撮影時には、フード本体が不要な光がレンズに入射するのを遮断すると共に、撮影後には、一対のレンズカバーがレンズを覆うことで当該レンズを保護することができる。
また、撮影時には、レンズカバーは受け部とトグル機構により開放位置に確実に維持されるので、不用意にレンズカバーが閉塞されることがなく、そして、レンズカバーが開放位置にあるときはレンズカバーの先端部が遮光板の背面に位置し外部に露出されないので、撮影中や移動中に物に衝突してもレンズカバーの先端部は遮光板により保護される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したレンズフード及び撮像装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
先ず、本発明を適用したレンズフードが取り付けられる撮像装置について説明する。
【0016】
本発明を適用した撮像装置は、例えば図1及び図2に示すカメラ一体型ビデオレコーダ(以下、ビデオカメラという。)1である。このビデオカメラ1は、全体略直方体状の本体部2を備え、この本体部2には、被写体を撮影するための撮像ユニットや、撮影された映像を表示する表示ユニット、音声を収録するための音声収録ユニット、これら撮像ユニット及び音声収録ユニットからの画像信号及び音声信号等を記録再生するための記録再生ユニット、各種操作を行うための操作ボタン及びスイッチ等が設けられている。
【0017】
このうち、本体部2の前面には、撮像レンズが臨むレンズ部3が設けられており、このレンズ部3の前面には、後述する本発明を適用したレンズフード50が着脱可能に取り付けられている。本体部2の背面側には、撮影者が撮像レンズを通して撮像された画像を覗き見るためのビューファインダ部4が設けられている。本体部2の一側面には、このビデオカメラ1を撮影者が把持するためのグリップベルト5が取り付けられた把持部6が設けられている。この把持部6とは反対側の本体部2の他側面には、図2及び図3に示すように、表示部7が開閉可能に取り付けられている。この表示部7は、図2に示す閉じた状態では、本体部2の側面を切り欠いて形成されたパネル収納部8に収納され、図3に示す開いた状態では、パネル収納部8と対向する主面に設けられた液晶表示パネル(LCD)9によって、上述した背面側のビューファインダ部4以外にも、撮像レンズを通して撮像された画像を表示することが可能となっている。
【0018】
したがって、撮影者は、本体部2の一側面に設けられた把持部6を片手で把持した状態で、背面側のビューファインダ部4を片目で覗きながら、或いは、本体部2の他側面に設けられた表示部7を開いた状態で、液晶表示パネル9を見ながら、撮影を行うことが可能となっている。
【0019】
次に、本発明を適用したレンズカバー付きレンズフード50について説明する。
【0020】
このレンズフード50は、図4及び図5に示すように、上記レンズ部3の前面に着脱可能に取り付けられるフード本体51と、フード本体51の内側に収納された状態で開閉可能とされた一対の上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53と、フード本体51に形成されたスライド孔54から外部に臨む操作突部55をスライド操作することで、一対の上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53を開閉操作するカバー開閉機構56とを備えている。
【0021】
フード本体51は、上記レンズ部3の撮像レンズの前方に位置して、この撮像レンズに対して斜め方向から入射する不要な光を遮断するためのものであり、前面フード部材57と背面カバー部材58とが組み合わされてなる。
【0022】
前面フード部材57は、上記レンズ部3の撮像レンズが臨む円形状の開口部57aが形成された基端部から先端部に向かって拡径された形状を有している。前面フード部材57の前面側には、撮像レンズに対して前方から入射する不要な光を遮断するため、矩形状の開口部59aが形成された遮光板が59が取り付けられている。前面フード部材57の背面側には、開口部57aを形成する平面略円形状の内周壁57bと、この内周壁57bの外側にフード本体51の側面部を形成する平面略矩形状の外周壁57cとがそれぞれ立上り形成されている。また、前面フード部材57の背面側には、内周壁57bと外周壁57cとの間の3つのコーナ部に位置して、位置決めピン60が突出形成されており、これら位置決めピン60の中心部には、ネジ孔60aが形成されている。
【0023】
背面カバー部材58は、全体略矩形箱状に形成されており、その底面略中央部には、前面フード部材57の開口部57aに対応した円形状の開口部58aが形成されている。この背面カバー部材58の底面部からは、開口部58aを形成する平面略円形状の内周壁58bと、この内周壁58bの外側にフード本体51の側面部を形成する平面略矩形状の外周壁58cとがそれぞれ立上り形成されている。また、背面カバー部材58の底面部には、内周壁58bと外周壁58cとの間の3つのコーナ部に位置して、上述した前面フード部材57の位置決めピン60に対応した位置決めキャップ(図示せず。)が突出形成されており、この位置決めキャップの底面部には、ネジ62を貫通させるための貫通孔61が形成されている。また、背面カバー部材58の外周壁58cには、上記スライド孔54となる切欠き部が形成されている。
【0024】
そして、これら前面フード部材57と背面カバー部材58とは、互いの内周壁57b,58b及び外周壁57c,58cを突き合わせた状態で、位置決めピン60を位置決めキャップに嵌合し、この位置決めピン60のネジ孔60aに位置決めキャップの貫通孔61を通してネジ62を螺合することで接合一体化されている。これにより、フード本体51が構成され、内周壁57b,58bと外周壁57c,58c外周壁との間には、後述するカバー開閉機構56を収納するための空間が形成されることになる。
【0025】
このフード本体51に下面には、図2及び図3に示すように、固定ネジ63が回転可能に取り付けられている。そして、レンズフード50は、この固定ネジ63を上記レンズ部3の下面に形成されたネジ孔(図示せず。)に螺合することで、上記レンズ部3の前面に装着することが可能となっている。
【0026】
上側レンズカバー52は、図5乃至図9に示すように、フード本体51の開口部57a,58aから臨む撮像レンズの上半分を覆う略半円形状を有し、その基端部には、回動軸64が一体に形成されている。一方、前面フード部材57には、回動軸64の両端部を軸支する一対の軸溝65と、回動軸64が軸線方向に移動を規制する一対の位置決め部66とが形成されている。そして、この上側レンズカバー52は、これら一対の軸溝65に回動軸64の両端部が係合されることによって、光軸と直交する方向に回動可能に支持されている。また、上側レンズカバー52の先端部には、下側レンズカバー53の先端部と重なり合う段差状のオーバーラップ部67が設けられている。また、回動軸64の一端には、この回動軸64と直交する方向に延長されたアーム部68が設けられており、このアーム部68の先端部には、外側に向かってボス69が突出形成されている。
【0027】
下側レンズカバー53は、フード本体51の開口部57a,58aから臨む撮像レンズの下半分を覆う略半円形状を有し、その基端部には、回動軸70が一体に形成されている。一方、前面フード部材57には、回動軸70の両端部を軸支する一対の軸溝71と、回動軸70が軸線方向に移動を規制する一対の位置決め部72とが形成されている。そして、この下側レンズカバー53は、これら一対の軸溝71に回動軸70の両端部が係合されることによって、光軸と直交する方向に回動可能に支持されている。また、回動軸70の一端には、この回動軸70と直交する方向に延長されたアーム部73が設けられており、このアーム部73の先端部には、外側に向かってボス74が突出形成されている。
【0028】
また、前面フード部材57と背面カバー部材58とが一体化された際には、これら上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53の回動軸64,70の背面側を、背面側カバー部材58の内周壁58bが支持することになる。これにより、上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53の回動軸64,70を確実に軸支することができ、正面からの衝撃に耐えられる構造となっている。
【0029】
カバー開閉機構56は、図5,図7及び図9に示すように、フード本体51の内部に、前面フード部材57の内周壁57bに嵌合されたリング部材75と、リング部材75と上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53のアーム部68,73との間を連結する一対の連結部材76と、上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53に対して回動する方向へと付勢力を発生させる付勢手段である一対の引張りコイルバネ77とを有している。
【0030】
リング部材75は、前面フード部材57の内周壁57bと摺接しながら、光軸回りに回動可能に取り付けられている。また、リング部材75の外周面には、互いに対向する位置から外側に向かって一対のボス78が突出形成されている。また、リング部材75の外周面には、上述したフード本体51のスライド孔54から外部に臨む操作突部55が一体に形成されている。
【0031】
連結部材76は、その長手方向の両端部に、上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53のアーム部68,73に設けられたボス69,74が係合されるボス孔79a,79bと、リング部材75のボス78が係合されるボス孔80a,80bとを有している。
【0032】
引張りコイルバネ77は、一端が上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53のアーム部68,73に設けられたボス69,74に掛止されると共に、他端が前面フード部材57の背面側の互いに対向するコーナ部に設けられた掛止ピン81に掛止されている。
【0033】
このカバー開閉機構56では、図6乃至図9に示すように、フード本体51のスライド孔54から外部に臨む操作突部55を光軸回りにスライド操作することで、上側レンズカバー52と下側レンズカバー53とが、それぞれ回動軸64,70を中心に互いに逆向きに回動することになる。
【0034】
ここで、カバー開閉機構56による上側レンズカバー52と下側レンズカバー53との回動動作は、互いに逆向きとなる以外は同じ動作となることから、カバー開閉機構56が下側レンズカバー53を回動させる動作を例に挙げて説明する。先ず、図10に示す下側レンズカバー53が閉塞された状態から、操作突部55を上方に向かってスライド操作すると、リング部材75が図10中反時計回りに回動することで、このリング部材75のボス78と連結部材76のボス孔80bとの係合により連結部材76が上方へと変位する。すると、この連結部材76のボス孔79bとアーム部73のボス74との係合によりアーム部73が引張りコイルバネ77の付勢に抗して上方へと押し上げられる。これにより、下側レンズカバー53が開放される方向に回動軸70が回動することになる。
【0035】
一方、図11に示す下側レンズカバー53が開放された状態から、操作突部55を下方に向かってスライド操作すると、リング部材75が図11中時計回りに回動することで、このリング部材75のボス78と連結部材76のボス孔80bとの係合により連結部材76が下方へと変位する。すると、この連結部材76のボス孔79bとアーム部73のボス74との係合によりアーム部73が引張りコイルバネ77の付勢に抗して下方へと押し下げられる。これにより、下側レンズカバー53が閉塞される方向に回動軸70が回動することになる。
【0036】
ところで、引張りコイルバネ77は、図12に模式的に示すように、トグル機構を構成しており、この引張りコイルバネ77の他端が掛止される掛止ピン81と、下側レンズカバー53の回動軸70の回動中心とを結ぶ直線Sを境にして、この引張りコイルバネ77の一端が掛止されるアーム部73のボス74がどちら側に位置するかによって、このアーム部73の先端に加わる付勢力の向きが、上記閉塞位置に向かって回動する方向と上記開放位置に向かって回動する方向とに切り替わることになる。
【0037】
そして、このカバー開閉機構56では、上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53の回動可能な角度範囲をそれぞれ100゜に設定し、上述した直線Sが光軸方向と平行となるように回動軸64,70に対するアーム部68,73の延長方向が設定されている。
【0038】
また、このカバー開閉機構56では、連結部材76のボス孔80a,80bがそれぞれ異なる長さで形成された長孔とされている。具体的に、上側レンズカバー52と連結される連結部材76のボス孔80aは、下側レンズカバー53と連結される連結部材76のボス孔80bに比べて、1.5mm程度長く形成されている。これにより、下側レンズカバー53と連結される連結部材76のボス孔80bにリング部材75のボス78が先に接触することになる。
【0039】
したがって、このカバー開閉機構56では、閉塞時に下側レンズカバー53が上側レンズカバー52よりも先に閉じることになり、下側レンズカバー53の先端部に上側レンズカバー52のオーバーラップ部67を確実に重ね合わせることができる。なお、開放時には、上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53が同時に開放されることになる。
【0040】
以上のようなレンズフード50が取り付けられたビデオカメラ1では、フード本体51に設けられたカバー開閉機構56の操作突部55をスライド操作することで、フード本体51の内側に収納された上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53を容易に開閉操作することが可能である。
【0041】
そして、図6及び図13に示す閉塞時には、上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53がレンズ部3の撮像レンズ3aを覆うことで、撮像レンズ3aが傷付いたり、撮像レンズ3aに塵埃等が付着したりすることがないよう撮像レンズ3aを確実に保護することができる。
【0042】
一方、図8及び図14に示す開放時には、上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53が撮像レンズ3aの視野の外側へと退避されることになり、フード本体51が不要な光が撮像レンズ3aに入射するのを適切に遮断することができる。
【0043】
以上のように、このレンズフード50が取り付けられたビデオカメラ1では、撮影前後にレンズカバー52,53を着脱するといった手間を省くことが可能であり、撮影時にレンズカバー52,53が邪魔となるといったことも無くなり、しかもレンズカバー52,53の開閉操作が容易なことから、更なる利便性の向上を図ることが可能である。
【0044】
特に、このレンズフード50が取り付けられたビデオカメラ1の場合、撮影者が本体部2の把持部6を把持し、ビューファインダ部4を覗いた状態でも、レンズフード50の他側面側にある操作突部55をスライド操作することによって、レンズカバー52,53を容易に開閉操作することが可能であり、また、レンズカバー206の開閉確認も容易に行うことが可能である。したがって、撮影者は、ビデオカメラ1を一旦持ち替えるといった必要がなくなり、素早く撮影動作に入ることが可能である。
【0045】
また、このレンズフード50では、フード本体51の内側でレンズカバー52,53が開閉されることから、外観のデザインを損なうことなく、しかも小型軽量化が可能である。
【0046】
また、このレンズフード50では、引張りコイルバネ77のトグル機構によって、開放時にはレンズカバー52,53が開放位置に向かって回動する方向に付勢され、閉塞時にはレンズカバー52,53が閉塞位置に向かって回動する方向に付勢されることから、撮影中や移動中等に不用意にレンズカバー52,53が開閉するといったことを防止することが可能である。
【0047】
また、このレンズフード50は、ビデオカメラ1に対する着脱が容易であり、例えばコンバージョンレンズ等を取り付ける際に、レンズカバー52,53と一体に取り外すことが可能である。また、このレンズフード50を付けたまま、レンズ部3にフィルタ等を取り付けることも可能である。
【0048】
なお、本発明は、上述したレンズフード50のように、操作突部55を撮像レンズ3aの光軸回り(或いは光軸と直交する方向)にスライド操作することによって、上述した上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53を開放位置と閉塞位置との間で開閉操作するカバー開閉機構103を備えたものに限定されるものではない。
【0049】
例えば図15に示すレンズフード100のように、フード本体51に形成されたスライド孔101から外部に臨む操作突部102を撮像レンズ3aの光軸方向にスライド操作することによって、上述した上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53を開放位置と閉塞位置との間で開閉操作するカバー開閉機構103を備えた構成としてもよい。
【0050】
具体的に、このカバー開閉機構103は、図16に示すように、上記操作突部102が設けられたスライド部材104と、このスライド部材104と上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53との間を連結する一対の連結部材105とを有している。
【0051】
スライド部材104は、スライド方向の一方側に互いに平行に突出された連結部106を有し、この連結部106の先端部には、それぞれボス107が外側に向かって突出形成されている。
【0052】
一対の連結部材105は、その長手方向の両端部に、上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53の一側面から外側に向かって突出された連結ピン108が係合される連結孔109と、スライド部材104のボス107が係合されるボス孔110とを有している。
【0053】
したがって、以上のように構成されるカバー開閉機構103では、操作突部102の光軸方向のスライド操作に連動して、一対の連結部材105をボス107を中心に互いに逆向きに回動させながら、上述した上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53を互いに逆向きに回動させることによって、上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53を開放位置と閉塞位置との間で適切に開閉操作することができる。
【0054】
また、本発明では、閉塞位置にある上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53を外側に向かって開放操作する構成となっているが、それとは逆に閉塞位置にある上側レンズカバー52及び下側レンズカバー53を内側に向かって開放操作する構成であってもよい。
【0055】
なお、本発明は、場合によってはフード本体の内側に収納された1つの円形状のレンズカバーをカバー開閉機構によってレンズを覆う閉塞位置とレンズの視野の外側へと退避される開放位置との間で開閉操作する構成とすることも可能である。
【0056】
なお、本発明は、上述したビデオカメラ1に限定されず、スチルカメラ等のレンズフードが取付可能な撮像装置に広く適用可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、レンズカバーの着脱が不要且つレンズカバーの開閉操作が容易なレンズカバー付きレンズフードを提供することが可能である。そして、そのようなレンズカバー付きレンズフードを備える撮像装置では、撮影前後にレンズカバーを着脱するといった手間を省くことが可能であり、撮影時にレンズカバーが邪魔となるといったことも無くなり、しかもレンズカバーの開閉操作が容易なことから、更なる利便性の向上を図ることが可能である。
また、本発明によれば、レンズカバーはフード本体の内側に形成したレンズカバーの受け部とトグル機構により開放位置が確実に維持されるので、撮影時に不用意に閉塞されることはない。
そしてまた、レンズカバーの先端部は開放位置にあっては、フード本体の前面側に取り付けた遮光板の背面に位置して外部に露出しないので、レンズカバーの先端部自体が撮影中や移動中に物に衝突して破損することがなく、また、ビューファインダを覗いた状態でレンズカバーの開放操作をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した撮像装置を前方から見た斜視図である。
【図2】上記撮像装置を背面側から見た斜視図である。
【図3】上記撮像装置の液晶表示パネルが開放された状態を示す斜視図である。
【図4】本発明を適用したレンズフードの外観を示す斜視図である。
【図5】上記レンズフードの構成を示す分解斜視図である。
【図6】上記レンズフードのレンズカバーが閉塞された状態を示す平面図である。
【図7】上記レンズフードのレンズカバーが閉塞された状態の内部構造を示す斜視図である。
【図8】上記レンズフードのレンズカバーが開放された状態を示す平面図である。
【図9】上記レンズフードのレンズカバーが開放された状態の内部構造を示す斜視図である。
【図10】上記レンズフードのカバー開閉機構によるレンズカバーの開放動作を説明するための要部斜視図である。
【図11】上記レンズフードのカバー開閉機構によるレンズカバーの閉塞動作を説明するための要部斜視図である。
【図12】上記レンズフードのトグル機構を説明するための模式図である。
【図13】上記撮像装置に取り付けられたレンズフードのレンズカバーが閉塞された状態を示す透視側面図である。
【図14】上記撮像装置に取り付けられたレンズフードのレンズカバーが開放された状態を示す透視側面図である。
【図15】本発明を適用したレンズフードの変形例を示す斜視図である。
【図16】上記レンズフードの変形例の内部構造を示す斜視図である。
【図17】従来のレンズフード及びレンズカバーが取り付けられた撮像装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ビデオカメラ、2 本体部、3 レンズ部、3a 撮像レンズ、4 ビューファインダ部、6 把持部、7 表示部、50 レンズフード、51 フード本体、52 上側レンズカバー、53 下側レンズカバー、55 操作突部、56 カバー開閉機構、100 レンズフード、102 操作突部、103 カバー開閉機構

Claims (7)

  1. レンズの前方に着脱自在に取り付けられ、不要な光が前記レンズに入射するのを遮断するフード本体と、
    上記フード本体の内側に収納された状態で、上記レンズの光軸と直交する軸回りに回動可能に取り付けられることによって、上記レンズを覆う閉塞位置と、上記レンズの視野の外側へと退避される開放位置との間で開閉可能とされた一対のレンズカバーと、
    上記フード本体にスライド可能に取り付けられた操作部のスライド操作に連動して、上記一対のレンズカバーを互いに逆向きに回動させることによって、上記一対のレンズカバーを上記開放位置と上記閉塞位置との間で開閉操作するカバー開閉機構とを備えるレンズフードにおいて、
    上記フード本体の前面側には、撮像レンズに対して不要な光を遮断するため、矩形状の開口部が形成された遮光板を有し、
    上記レンズカバーは、上側レンズカバーと下側レンズカバーからなり、上記上側レンズカバーは上側に、上記下側レンズカバーは下側に、回動可能に支持されると共に、それぞれにトグル機構を有していて、
    上記開放位置においては、上記レンズカバーは前面側に大きな開口部を有するように略ハの字型に開口され、開口された上記レンズカバーの回動可能に支持される側と反対側の先端部は、上記遮光板の背面に位置するようにされ、上記トグル機構によりそれぞれ開放方向に付勢されると共に、
    上記フード本体の内側には、上記レンズカバーを受ける受け部が形成されていて、
    上記操作部は、当該レンズフードの背面側から視認可能に構成されていること
    を特徴とするレンズフード。
  2. 上記カバー開閉機構は、上記操作部を上記レンズの光軸回りにスライド操作することによって、上記一対のレンズカバーを上記開放位置と上記閉塞位置との間で開閉操作することを特徴とする請求項1記載のレンズフード。
  3. 上記カバー開閉機構は、上記操作部を上記レンズの光軸方向にスライド操作することによって、上記一対のレンズカバーを上記開放位置と上記閉塞位置との間で開閉操作することを特徴とする請求項1記載のレンズフード。
  4. 上記カバー開閉機構は、上記操作部のスライド操作に連動して、上記一対のレンズカバーに付勢される付勢手段の付勢力の向きを、上記閉塞位置に向かって回動する方向と上記開放位置に向かって回動する方向とに切り替えるトグル機構を有することを特徴とする請求項1記載のレンズフード。
  5. 上記一対のレンズカバーは、上記閉塞位置において上記レンズを覆う先端部が互いに重ね合わされることを特徴とする請求項1記載のレンズフード。
  6. 本体部と、
    上記本体部の前面からレンズが臨むレンズ部と、
    上記レンズ部の前方に着脱自在に取り付けられるレンズフードとを備え、
    上記レンズフードは、不要な光が上記レンズに入射するのを遮断するフード本体と、
    上記フード本体の内側に収納された状態で、上記レンズの光軸と直交する軸回りに回動可能に取り付けられることによって、上記レンズを覆う閉塞位置と、上記レンズの視野の外側へと退避される開放位置との間で開閉可能とされた一対のレンズカバーと、
    上記フード本体にスライド可能に取り付けられた操作部のスライド操作に連動して、上記一対のレンズカバーを互いに逆向きに回動させることによって、上記一対のレンズカバーを上記開放位置と上記閉塞位置との間で開閉操作するカバー開閉機構とを有する撮像装 置において、
    上記フード本体の前面側には、撮像レンズに対して不要な光を遮断するため、矩形状の開口部が形成された遮光板を有し、
    上記レンズカバーは、上側レンズカバーと下側レンズカバーからなり、上記上側レンズカバーは上側に、上記下側レンズカバーは下側に、回動可能に支持されると共に、それぞれにトグル機構を有していて、
    上記開放位置においては、上記レンズカバーは前面側に大きな開口部を有するように略ハの字型に開口され、開口された上記レンズカバーの回動可能に支持される側と反対側の先端部は、上記遮光板の背面に位置するようにされ、上記トグル機構によりそれぞれ開放方向に付勢されると共に、
    上記フード本体の内側には、上記レンズカバーを受ける受け部が形成されているレンズフードを有していて、
    上記操作部は、上記レンズフードの背面側から視認可能に構成されていること
    を特徴とする撮像装置。
  7. 上記本体部は、その一側面に上記本体部を把持する把持部と、その背面及び/又は一側面とは反対側の他側面に、上記レンズを通して撮影された画像を表示するファインダ部及び/又は表示部とを有し、
    上記カバー開閉機構の操作部は、上記フード本体の上記他側面側に配置されていることを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
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