以下、本発明の好ましい実施形態の一例について図面を参照しつつ詳述する。図1は、本実施形態における画像形成システムの全体的な概略構成を示す図である。この画像形成システムは、複合機やMFPなどと呼ばれる画像形成装置1が有線又は無線LANなどのネットワーク2に接続された構成である。画像形成装置1は、コピー機能、ネットワークプリンタ機能、スキャナ機能、FAX機能、アドレス管理機能、パネルカスタマイズ機能、プルプリント機能などの複数の機能を備えており、このうち例えばコピー機能、ネットワークプリンタ機能、スキャナ機能およびFAX機能は、初期状態で有効に稼働するように設定された基本機能となっている。またアドレス管理機能、パネルカスタマイズ機能、プルプリント機能などのその他の機能は、初期状態で無効に設定されたオプション機能となっている。
本実施形態では、画像形成装置1のオプション機能として、アドレス管理機能、パネルカスタマイズ機能およびプルプリント機能の3つの機能が搭載されている場合を例示する。ユーザがこれらオプション機能の使用を望む場合、オプション機能を選択して所定の試用手続を行うことにより、選択されたオプション機能は一定期間試用可能な状態となり、画像形成装置1において有効に稼働するようになる。またユーザが所定の購入手続を行って正規のライセンスを取得することにより、選択されたオプション機能は画像形成装置1において本稼働状態となり、ライセンスの有効期間中、ユーザは継続的かつ無制限に該オプション機能を使用できるようになる。
画像形成システムは、上述の画像形成装置1の他、ネットワーク2に接続されたサーバコンピュータ(以下、単に「サーバ」という。)3と、クライアントコンピュータ(以下、単に「クライアント」という。)6とを備えている。画像形成装置1はこれらサーバ3およびクライアント6とネットワーク2を介してデータの送受信を行うことができる。サーバ3は画像形成装置1の各種機能を管理するためのものであり、内蔵タイプ若しくは外付けタイプのハードディスク4を備えている。サーバ3のハードディスク4には、例えば画像形成装置1のオプション機能についてユーザから設定入力される設定情報5が格納保存される。クライアント6は、例えばネットワーク2を介して画像形成装置1にプリントジョブなどを送信するコンピュータであり、この場合、画像形成装置1はクライアント6から受信するプリントジョブを実行して画像形成を行う。また画像形成装置1のスキャナ機能においては、原稿などを読み取って得られる画像データを、ネットワーク2を介してクライアント6に出力することができるようになっている。
また画像形成装置1は、公衆電話網などの通信網7にも接続されており、この通信網7を介して外部の画像形成装置8(FAX専用装置でも良い。)とFAXの送受信を行うことができるように構成されている。
画像形成装置1の前面には、ユーザが操作可能な操作パネル20が設けられている。この操作パネル20は、ユーザが画像形成装置1に対して各種設定や指示を操作入力するための操作入力手段である。例えばユーザが画像形成装置1を使用する際には、この操作パネル20を操作することにより、上述した複数の機能のうちから一の機能を選択し、その機能に関する設定を行ったり、或いは、画像形成装置1に対してジョブを実行させることができるようになっている。
図2は画像形成装置1のハードウェア構成および機能構成の一例を示す図である。画像形成装置1は上述した操作パネル20の他、その内部に、CPU10、ROM31、RAM32、原稿搬送部33、スキャナ部34、給紙部35、プリンタ部36、通信インタフェース37および記憶部40を備えている。
CPU10は、記憶部40に格納される各種プログラム(制御プログラム41、基本機能プログラム42、オプション機能プログラム43など)を読み出して実行することにより画像形成装置1としての各種機能を実現する。ROM31はCPU10がプログラムを実行する際に参照する各種パラメータなどを記憶しており、RAM32はCPU10が使用する一時的なデータを記憶する。
原稿搬送部33は、コピー、スキャナ、FAXなどの機能が使用される際に原稿がセットされる部分であり、原稿搬送部33が1枚ずつ原稿をスキャナ部34に自動搬送することにより、スキャナ部34が原稿に記録された文字、記号、画像などを光学的に読み取るように構成されている。給紙部35は、画像形成装置1においてプリント出力などの画像形成が行われる際、画像形成媒体となる用紙を1枚ずつプリンタ部36に自動供給するものである。プリンタ部36はコピー機能、ネットワークプリンタ機能、FAX機能、プルプリント機能などに関するジョブを実行する際に動作し、給紙部24から供給される用紙に画像形成を行ってプリント出力を行うプリント手段である。通信インタフェース37は、ネットワーク2や通信網7を介して、サーバ3、クライアント6または他の画像形成装置8などとデータ通信を行うための通信手段であり、例えばNIC(ネットワークインタフェースカード)、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、無線通信手段などによって構成される。この通信インタフェース37は、指定された宛先アドレスに対してデータを送信する際のデータ送信手段となる。
操作パネル20は、ユーザに対して各種情報を表示するための液晶ディスプレイなどで構成される表示部21と、表示部21の前面側に配置されるタッチパネル22と、表示部21の周囲に配置されたテンキーなどの複数の操作ボタン23とを備えている。したがって、ユーザは表示部21に表示される画面を参照しながら、画像形成装置1に対する各種設定や入力操作を行うことができるようになっている。
記憶部40は、制御プログラム41、基本機能プログラム42、オプション機能プログラム43、機能管理データ44、設定情報45などを記憶する記憶手段であり、例えば画像形成装置1に内蔵されたハードディスクや不揮発性メモリなどによって構成される。
制御プログラム41は画像形成装置1における基本プログラムであり、画像形成装置1が起動すると、CPU10はこの制御プログラム41を読み出して実行する。これによりCPU10は、オプション機能管理部11、データ管理部12および機能実行部13として機能する。オプション機能管理部11は、アドレス管理機能、パネルカスタマイズ機能およびプルプリント機能のそれぞれの動作状態を管理する手段であり、各オプション機能の試用期間などを管理して各オプション機能の動作状態を他の状態に移行させると共に、データ管理部12と機能実行部13とを制御するように構成されている。データ管理部12は、オプション機能の稼働中にユーザが該オプション機能に対して設定する設定情報を所定の記憶手段に格納して保存することにより設定情報を管理する手段である。また機能実行部13は、基本機能プログラムまたはオプション機能プログラムを実行することによって画像形成装置1において各種機能を稼働させる手段である。
基本機能プログラム42は、制御プログラム41の実行中に更に読み出されて実行されるプログラムであり、コピー、ネットワークプリンタ、スキャナ、FAXなどの基本機能に対応するジョブを実行するためのプログラムである。CPU41が制御プログラム41を実行しているときに更にこの基本機能プログラム42を読み出して実行することにより、画像形成装置1においてコピーなどの指定されたジョブが実行されるようになっている。またオプション機能プログラム43も、制御プログラム41の実行中に更に読み出されて実行されるプログラムである。このオプション機能プログラム43は、アドレス管理機能、パネルカスタマイズ機能およびプルプリント機能のそれぞれに対応して設けられており、画像形成装置1においてそれら各オプション機能を実現するためのプログラムである。尚、図例では、制御プログラム41、基本機能プログラム42およびオプション機能プログラム43がそれぞれ別のプログラムとして構成されている場合を示しているが、これらをひとつのプログラムとして構成してもよい。
機能管理データ44は、オプション機能管理部11が各オプション機能の動作状態を管理するためのデータである。したがって、機能管理データ44はオプション機能管理部11によって管理され、各項目の書き換えなどはオプション機能管理部11によって行われる。図3は機能管理データ44の一例を示す図である。機能管理データ44は、オプション機能ごとに個別のオプション番号が付与されており、図例の場合、アドレス管理機能は1番、パネルカスタマイズ機能は2番、プルプリント機能は3番が付与されている。また機能管理データ44には、オプション機能ごとに、ステータス(動作状態)、試用期間、設定情報保持/破棄、設定情報保持期間、ライセンス有効期間、サーバアドレス、ポート、SSLなどの情報が格納されている。
機能管理データ44のステータスは、オプション機能の動作状態を示す情報である。図4はオプション機能のステータス(動作状態)の遷移を示す図である。図4に示すように、オプション機能は、初期状態でステータスが「未購入」となっており、この状態では画像形成装置1においてオプション機能の実行は不可である(状態ST1)。当該オプション機能について所定の試用手続が行われ、画像形成装置1に対して試用開始が指示されると、ステータスは「未購入」から「試用中」に書き換えられ、画像形成装置1において一定の試用期間が終了するまでオプション機能を試用することが可能な試用状態となる(状態ST2)。またステータスが「未購入」のとき、当該オプション機能について所定の購入手続が行われ、画像形成装置1に対して正規のライセンスが入力されると、ステータスは「購入済」に移行し、画像形成装置1においてオプション機能を正規に使用することが可能な本稼働状態となる(状態ST5)。
ステータスが「試用中」である場合(状態ST2)、機能管理データ44の試用期間の項目には、試用期間の最終日を示す情報が格納される。そして試用期間が終了すると、ステータスは「試用中」から「試用完データ未削除」および「試用完了」のいずれか一方に書き換えられる(状態ST3又はST4)。
「試用完データ未削除」は、オプション機能を試用可能な状態が終了し、画像形成装置1においてオプション機能の実行が不可となるが、試用期間中にユーザが設定入力したオプション機能に関する設定情報は削除せず、試用期間終了後の所定期間(例えば1ヶ月間)そのまま保持し続ける状態である。「試用完了」は、画像形成装置1においてオプション機能の実行が不可となり、かつ、試用期間中にユーザが設定入力したオプション機能に関する設定情報を削除する状態である。機能管理データ44の設定情報保持/破棄の項目には、試用期間中にユーザが設定入力したオプション機能に関する設定情報を試用期間終了時に保持するか、或いは破棄するかの情報が格納されており、この項目が「保持」の場合には試用期間終了後、ステータスが「試用中」から「試用完データ未削除」に移行する。そしてステータスが「試用完データ未削除」である場合、機能管理データ44の設定情報保持期間の項目には、試用期間中に設定入力された設定情報の保持期間の最終日を示す情報が格納されており、この保持期間が経過するまでの間、試用期間中にユーザが設定入力したオプション機能に関する設定情報はそのまま保持される。これに対し、設定情報保持/破棄の項目が「破棄」の場合には試用期間終了後、ステータスが「試用中」から「試用完了」に移行する。またステータスが「試用完データ未削除」のとき、設定情報保持期間が経過した場合には、ステータスは「試用完データ未削除」から「試用完了」に移行し、試用期間中にユーザが設定入力したオプション機能に関する設定情報は削除される。
またステータスが「試用完データ未削除」または「試用完了」のとき、当該オプション機能について所定の購入手続が行われ、画像形成装置1に対して正規のライセンスが入力されると、ステータスは「購入済」に移行し、画像形成装置1においてオプション機能を正規に使用することが可能な本稼働状態となる(状態ST5)。本実施形態では、オプション機能を本稼働状態とすることができるライセンスに有効期間が定められており、例えばその有効期間の最終日を示す情報が機能管理データ44のライセンス有効期間の項目に格納される。そしてライセンス有効期間が終了すると、ステータスは「購入済」から「ライセンス切れ」に書き換えられ、画像形成装置1においてオプション機能の実行が不可となる(状態ST6)。この「ライセンス切れ」では、ユーザが設定入力したオプション機能に対する設定情報は削除されず、ライセンス有効期間終了後も継続的に保持される。またステータスが「ライセンス切れ」であるときに、所定のライセンス更新手続が行われ、画像形成装置1に対してライセンスの更新が指示されると、ステータスは「ライセンス切れ」から「購入済」に書き換えられ、オプション機能は再度本稼働状態となる(状態ST5)。このとき、機能管理データ44のライセンス有効期間には、更新された有効期間の最終日を示す情報が格納される。
画像形成装置1においてオプション機能の動作状態は上記のように遷移する。そして画像形成装置1においてオプション機能が実行可能となるのは、試用状態であるときの「試用中」と、本稼働状態であるときの「購入済」の2つの場合である。また本実施形態では、機能管理データ44の設定情報保持/破棄の項目が「保持」である場合、試用期間中にユーザが設定入力したオプション機能に関する設定情報は試用期間終了後もそのまま保持され、オプション機能の本稼働時には、ユーザが試用期間中に入力したオプション機能に関する設定情報を読み出して、これを本稼働用の設定情報として使用することができるようになっている。また機能管理データ44の設定情報保持/破棄の項目が「破棄」である場合、試用期間終了に伴って、試用期間中にユーザが設定入力したオプション機能に関する設定情報を削除することにより、その他のデータを記憶することができる領域を確保するようになっている。
機能管理データ44の設定情報保持/破棄の項目は、画像形成装置1の出荷時にオプション機能ごとに「保持」又は「破棄」のいずれか一方がデフォルト値として格納されており、このデフォルト値をユーザが後に設定変更できるようになっている。例えばユーザは操作パネル20を操作することにより、オプション機能管理部11を機能させ、表示部21に図5のようなオプション機能設定画面G1を表示させる。そしてユーザはこのオプション機能設定画面G1に対して、オプション機能ごとに表示される保持ボタンB1及び破棄ボタンB2のいずれか一方を選択して設定ボタンB3を操作することにより、オプション機能管理部11が機能管理データ44の設定情報保持/破棄の項目を書き換えるようになっている。したがって、ユーザは試用期間中に設定入力する設定情報を試用期間終了後も保持しておくかどうかを選択して設定することができ、ユーザが必要と考えるオプション機能に関する設定情報だけを試用期間終了後も継続して保持することが可能である。尚、このようなユーザによる設定操作は、少なくともオプション機能が試用状態に移行する前に予め行っておくことが好ましい。
機能管理データ44に含まれるサーバアドレスには、オプション機能に対する設定情報5をサーバ3のハードディスク4に格納保存する際のアドレス情報が格納される。したがって、データ管理部12がオプション機能に対する設定情報を格納保存する際、機能管理データ44に含まれるサーバアドレスを参照する。またポートにはオプション機能において使用するポート番号が格納され、SSLにはデータ通信時の暗号化の要否に関する情報が格納される。
オプション機能管理部11は、上記のような機能管理データ44を、画像形成装置1の起動時に記憶部40から読み込み、各オプション機能の動作状態を把握するようになっている。
記憶部40に記憶される設定情報45は、画像形成装置1の各オプション機能に対してユーザが設定する設定情報である。本実施形態では、画像形成装置1のオプション機能に対する設定情報は、主としてサーバ3のハードディスク4に保存される。そして画像形成装置1においてオプション機能の実行が指示されたときに、データ管理部12は機能管理データ44に基づいてサーバ3にアクセスし、ハードディスク4に格納された設定情報5のうちから必要な設定情報のみを読み出してこれを一時的に記憶部40に格納する。そしてオプション機能の実行中、機能実行部13は記憶部40に格納した設定情報45を使用してその設定内容を反映させると共に、設定情報45の追加・変更・削除などが行われた場合には記憶部40の設定情報45のみを更新する。そしてオプション機能の実行終了時に、記憶部40の設定情報45が更新されている場合、データ管理部12がその設定情報45に基づいてサーバ3のハードディスク4に格納されている設定情報5を更新する。尚、画像形成装置1において設定情報45を格納する記憶手段は記憶部40に限られず、上述のRAM32であってもよい。
このようにオプション機能に対する設定情報を画像形成装置1の外部の記憶手段に格納しておき、画像形成装置1においてオプション機能を実行する際に該記憶手段から必要な設定情報のみを読み出して使用する形態とすることにより、画像形成装置1において記憶部40の記憶領域を有効に活用することができるという利点がある。但し、このような態様に限定するものではなく、画像形成装置1の全てのオプション機能に対する設定情報(サーバ3のハードディスク4に格納される設定情報5)を記憶部40又はRAM32に常時保存しておくようにしてもよい。
つぎに、本実施形態におけるオプション機能とその設定情報の一例について説明する。アドレス管理機能は、通信インタフェース37を介してデータを送信する宛先アドレスを、ユーザ毎に登録して管理する機能である。このアドレス管理機能に関する設定情報は、例えば図6のようになっている。図6(a)は、画像形成装置1がサーバ3のハードディスク4から取得して記憶部40に一時的に格納した設定情報45であり、図6(b)は、サーバ3のハードディスク4に格納されている設定情報5である。例えば、画像形成装置1に対してユーザ名「abc」のユーザがログインし、画像形成装置1からデータの送信を行う場合、画像形成装置1は、サーバ3のハードディスク4に格納されている設定情報5(図6(b))から、ユーザ名「abc」のユーザが予め設定した設定情報のみを抽出し、その抽出した設定情報45を記憶部40に格納する(図6(a))。そして記憶部40に格納した設定情報45に基づいて、操作パネル20に対して宛先の一覧表示を行う。これにより、ユーザ自身が予め設定したアドレス情報のみが操作パネル20に表示されるため、宛先を選択する際の操作性が向上する。このようなアドレス管理機能を利用するためにユーザが予めアドレス情報を設定入力する場合、例えば操作パネル20を介して登録名を1文字ずつ入力し、宛先種別や宛先情報なども個別に入力していく必要があるため、1件のアドレス情報を入力だけでもかなりの工数がかかることになる。
パネルカスタマイズ機能は、ユーザ毎に操作パネル20の表示画面をカスタマイズする機能である。このパネルカスタマイズ機能に関する設定情報は、例えば図7のようになっている。図7(a)は、画像形成装置1がサーバ3のハードディスク4から取得して記憶部40に一時的に格納した設定情報45であり、図7(b)は、サーバ3のハードディスク4に格納されている設定情報5である。例えば、画像形成装置1に対してユーザ名「abc」のユーザがログインした場合、画像形成装置1は、サーバ3のハードディスク4に格納されている設定情報5(図7(b))から、ユーザ名「abc」のユーザが予め設定した設定情報のみを抽出し、その抽出した設定情報45を記憶部40に格納する(図7(a))。そして記憶部40に格納した設定情報45に基づいて、操作パネル20の表示画面を構成し、表示する。これにより、ユーザ自身が予め設定した表示画面が操作パネル20に表示されるため、操作性が向上する。このようなパネルカスタマイズ機能を利用するためにユーザが予め表示画面のカスタマイズ情報を設定入力する場合、例えば操作パネル20を操作しながら、環境設定やトップメニュー設定、コピー設定などの1画面ごとの画面構成を設定していく必要があるため、かなりの工数がかかることになる。
プルプリント機能は、例えば画像形成装置1の記憶部40やサーバ3のハードディスク4などの所定の記憶手段の特定の記憶領域に記憶されたデータを読み出してプリンタ部36にプリント出力を行わせる機能である。このプルプリント機能に関する設定情報は、例えば図8のようになっている。すなわち、プルプリント機能の場合、所定の記憶手段の特定の記憶領域に記憶されたデータにアクセスするために必要となるアドレスやユーザ名、パスワードなどが予め設定情報として記憶されている。プルプリント機能を実行する場合、画像形成装置1は、ユーザによって指定された記憶領域に基づいて設定情報45を参照することにより、その記憶領域に対してアクセスすることが可能となり、指定されたデータを読み出してプリンタ部36にプリント出力を行わせることができるようになる。尚、図8の例では、サーバ3のハードディスク4に格納される設定情報と、記憶部40に記憶される設定情報とが同じであるが、上述した他のオプション機能の場合と同様に、例えばユーザ名「abc」のユーザがログインした場合、そのユーザが予め設定した設定情報のみをサーバ3から取得して記憶部40に格納するようにしてもよい。またプルプリント機能を利用するためにユーザが予め特定の記憶領域にアクセスするための情報を設定入力する場合、例えば操作パネル20を操作しながら、サーバアドレスやユーザ名、パスワードなどを1文字ずつ入力していく必要があるため、かなりの工数がかかることになる。
つぎに上記のように構成された画像形成装置1の動作について説明する。図9〜図12は、画像形成装置1においてオプション機能の試用期間、設定情報保持期間およびライセンス有効期間を管理するための期間管理処理を示すフローチャートである。尚、この処理は、例えば制御プログラム41に組み込まれている一部のプログラムを、CPU10が1日1回予め設定された時刻に実行することによって行われる処理である。この処理が開始すると、CPU10においてオプション機能管理部11が機能し、オプション番号に対応する値Nを「1」に初期化する(ステップS100)。そしてオプション番号N番のオプション機能が存在するか否かを判断する(ステップS101)。ここでは図3で示したオプション機能が3つある例で説明する。ステップS101の判断は、機能管理データ44のオプション番号に基づいて行われる。オプション番号N番のオプション機能が存在する場合、ステップS102に進んで、N番のオプション機能に関する機能管理データ44の読み出しが行われる。例えばN=1の場合、アドレス管理機能に関する機能管理データ44が読み出される(図3参照)。そしてオプション機能管理部11は、機能管理データ44から更にステータスを読み出し、オプション機能のステータスを判定する(ステップS103)。ステータス判定の結果、オプション機能のステータスが「試用中」であった場合、ステップS104においてYESとなり、試用期間判定処理(ステップS105)を行った後、ステップS110に進む。またオプション機能のステータスが「試用完データ未削除」であった場合、ステップS106においてYESとなり、設定情報保持期間判定処理(ステップS107)を行った後、ステップS110に進む。さらにオプション機能のステータスが「購入済」であった場合、ステップS108においてYESとなり、ライセンス有効期間判定処理(ステップS109)を行った後、ステップS110に進む。尚、ステータスが上記のいずれにも該当しなかった場合(例えば「ライセンス切れ」などの場合)には、ステップS104,S106,S108の全てにおいてNOとなり、ステップS110に進む。そしてステップS110においてオプション番号の値Nを1つインクリメントしてステップS101に戻る。したがって、ステップS101〜S110の処理がオプション機能ごとに実行されることとなり、オプション機能のステータスが「試用中」であれば試用期間判定処理(ステップS105)が、「試用完データ未削除」であれば設定情報保持期間判定処理(ステップS107)が、「購入済」であればライセンス有効期間判定処理(ステップS109)が実行されるようになっている。
図10は、試用期間判定処理(ステップS105)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。オプション機能管理部11は、試用期間判定処理(ステップS105)に進むと、機能管理データ44から当該オプション機能の試用期間を読み出し、試用期間の判定処理を行う(ステップS120)。すなわち、試用期間が経過しているか否かの判定を行うのである。そして試用期間が経過していない場合には、ステップS121でNOとなり、その後は何も行わずに試用期間判定処理(ステップS105)を終了する。これに対して、既に試用期間が経過している場合、ステップS121でYESとなり、ステップS122に進む。そしてオプション機能管理部11は、機能管理データ44から設定情報保持/破棄の項目を読み出して判定する(ステップS122)。
設定情報保持/破棄の項目が「保持」である場合、オプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のステータスを「試用中」から「試用完データ未削除」に書き換える(ステップS124)。これにより、オプション機能を試用可能な状態が終了する。またこのとき、オプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44の設定情報保持期間に対して例えば1ヶ月後の日付を書き込むことにより、設定情報保持期間として一定の期間を設定する。そしてオプション機能管理部11は、データ管理部12に対して試用期間中に設定された設定情報を継続して保持するように指令する(ステップS125)。これにより、データ管理部12は、オプション機能の試用期間終了後も試用期間中に設定された設定情報を所定の記憶手段に記憶させておくことになる。尚、データ管理部12が、オプション機能管理部11から設定情報を削除する指令を受けない限り、設定情報の保持状態を継続するように構成されている場合、ステップS125の処理を特に行わなくてもオプション機能管理部11はデータ管理部12に対して試用期間中に設定された設定情報を継続して保持させておくことができる。そして試用期間判定処理(ステップS105)を終了する。
一方、設定情報保持/破棄の項目が「破棄」である場合、ステップS123でNOとなり、オプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のステータスを「試用中」から「試用完了」に書き換える(ステップS126)。この場合も、オプション機能の試用状態が終了する。そしてオプション機能管理部11は、データ管理部12に対して試用期間中に設定された設定情報を削除するように指令する(ステップS127)。これにより、データ管理部12は、試用期間中に設定され、サーバ3のハードディスク4や画像形成装置1の記憶部40に保存されていた設定情報5,45を削除する。そして試用期間判定処理(ステップS105)を終了する。
図11は、設定情報保持期間判定処理(ステップS107)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。オプション機能管理部11は、設定情報保持期間判定処理(ステップS107)に進むと、機能管理データ44から当該オプション機能の設定情報保持期間を読み出し、設定情報保持期間の判定処理を行う(ステップS130)。すなわち、設定情報保持期間が経過している否かの判定を行うのである。そして設定情報保持期間が経過していない場合には、ステップS131でNOとなり、その後は何も行わずに設定情報保持期間判定処理(ステップS107)を終了する。これに対して、既に設定情報保持期間が経過している場合、ステップS131でYESとなり、ステップS132に進む。そしてオプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のステータスを「試用完データ未削除」から「試用完了」に書き換える(ステップS132)。そしてオプション機能管理部11は、データ管理部12に対して試用期間中に設定された設定情報を削除するように指令する(ステップS133)。これにより、データ管理部12は、サーバ3のハードディスク4や画像形成装置1の記憶部40において試用期間終了後も継続して保存されていた設定情報5,45を削除する。そして設定情報保持期間判定処理(ステップS107)を終了する。
図12は、ライセンス有効期間判定処理(ステップS109)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。オプション機能管理部11は、ライセンス有効期間判定処理(ステップS109)に進むと、機能管理データ44から当該オプション機能のライセンス有効期間を読み出し、ライセンス有効期間の判定処理を行う(ステップS140)。すなわち、ライセンスの有効期間が経過している否かの判定を行うのである。そしてライセンス有効期間が経過していない場合には、ステップS141でNOとなり、その後は何も行わずにライセンス有効期間判定処理(ステップS109)を終了する。これに対して、既にライセンス有効期間が経過している場合、ステップS141でYESとなり、ステップS142に進む。そしてオプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のステータスを「購入済」から「ライセンス切れ」に書き換える(ステップS142)。これによってオプション機能の本稼働状態が終了するが、オプション機能に対する設定情報は削除されることなく、そのまま保持される。そのため、ライセンスの更新手続が行われ、オプション機能が再び本稼働状態に移行する場合には、以前の本稼働状態で使用されていた設定情報をそのまま使用することができるようになる。そしてステータスを書き換えた後、ライセンス有効期間判定処理(ステップS109)を終了する。
図9に戻り、画像形成装置1の各オプション機能について上述のステップS101〜S110の処理が行われると、その後のステップS101の判断ではNOとなり、ステップS112に進む。そしてオプション機能管理部11は、上記ステップS101〜S110のループ処理のなかで機能管理データ44の更新が行われたか否かを判断する(ステップS112)。ここで機能管理データ44の更新が行われなかったと判断した場合、その後は何も行わずに、処理を終了する。これに対し、機能管理データ44の更新が行われた場合には、ステップS113に進み画像形成装置1をリブート処理する。このリブート処理によって画像形成装置1は自動で再起動する。そしてオプション機能管理部11は、再起動時に更新された機能管理データ44を読み込み、各オプション機能の最新の動作状態を把握して画像形成装置1の全体に反映する。
以上のような期間管理処理では、図4に示すオプション機能の動作状態の遷移のうち、状態ST2からST3、状態ST2からST4、状態ST3からST4、および状態ST5からST6への移行が行われる。
つぎに図13〜図16は、画像形成装置1においてオプション機能の実行が指示された場合の実行管理処理を示すフローチャートである。尚、この処理もまた、例えば制御プログラム41に組み込まれている一部のプログラムを、CPU10が実行することによって行われる処理である。またこの処理は、例えばユーザが操作パネル20を操作することによってオプション機能を指定した場合、或いはユーザが画像形成装置1にログインしたことによってCPU10の内部機能がオプション機能を指定した場合に実行されるようになっている。
この実行管理処理が開始すると、CPU10においてオプション機能管理部11が機能し、記憶部40から指定されたオプション機能に対応する機能管理データ44を読み出す(ステップS200)。そしてオプション機能管理部11は、機能管理データ44から更にステータスを読み出し、指定されたオプション機能のステータスを判定する(ステップS201)。その判定の結果、オプション機能のステータスが「未購入」であった場合、ステップS202においてYESとなり、購入確認処理(ステップS203)を行った後に処理を終了する。またオプション機能のステータスが「試用中」、「試用完データ未削除」および「試用完了」のいずれかであった場合、ステップS204においてYESとなり、試用稼働判定処理(ステップS205)を行った後に処理を終了する。さらにオプション機能のステータスが上記のいずれにも該当しなかった場合(すなわち、「購入済」又は「ライセンス切れ」であった場合)には、本稼働判定処理(ステップS206)を行った後に処理を終了する。
図14は、購入確認処理(ステップS203)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。オプション機能管理部11は、購入確認処理(ステップS203)に進むと、操作パネル20に対して警告画面を表示する。図17はこの警告画面G2の一例を示す図である。この警告画面G2には、指定されたオプション機能は未購入であるため使用することができない旨が表示されると共に、ユーザが操作可能な試用ボタンB4と購入ボタンB5と不使用ボタンB6とが表示される。ユーザはこの警告画面G2に対し、オプション機能の試用を望む場合には試用ボタンB4を操作し、正規のライセンスの購入を望む場合には購入ボタンB5を操作し、オプション機能の使用を望まない場合には不使用ボタンB6を操作する。そしてオプション機能管理部11は、ユーザによって選択された項目(ボタン)がいずれであるかを判断する(ステップS211)。
ユーザが不使用ボタンB6を操作した場合には、オプション機能管理部11はその後何も行わず、購入確認処理(ステップS203)を終了する。この場合、実行管理処理は全て終了し、操作パネル20の表示画面は初期画面に戻る。
またユーザが試用ボタンB4を操作した場合には、ステップS211からS212に進み、所定の試用手続処理が行われる。例えば、オプション機能を試用するための案内画面を操作パネル20に表示する。そしてユーザによって試用手続が行われ、操作パネル20に対して試用開始を指示する入力が行われるまで待機する。そしてオプション機能管理部11はオプション機能の試用が可能であると判断した場合、ステップS212の処理を終了してステップS213に進む。オプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のステータスを「未購入」から「試用中」に書き換え(ステップS213)、オプション機能を試用状態に移行させる。このとき、オプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44の試用期間に対して例えば1ヶ月後の日付を書き込むことにより、オプション機能を試用可能な一定の期間を設定する。またこのとき、機能管理データ44の設定情報保持/破棄の項目が「保持」であった場合、オプション機能管理部11は、設定情報保持期間に対して例えば2ヶ月後の日付を書き込むことによって試用期間終了後の設定情報の保持期間を予め設定しておいてもよい。そしてステップS214に進んで、画像形成装置1をリブート処理する。このリブート処理によって画像形成装置1は自動で再起動し、オプション機能管理部11は、試用状態に移行させたオプション機能を画像形成装置1の全体に反映して試用状態として稼働できるようにする。その後、購入確認処理(ステップS203)を終了し、実行管理処理の全てを終了させる。そしてユーザはあらためてオプション機能の指定を行うことにより、当該オプション機能を試用することができるようになる。
またユーザが購入ボタンB5を操作した場合には、ステップS211からS215に進み、所定のライセンス発行手続処理(購入処理)が行われる。例えば、オプション機能を正規に使用するために必要となるライセンスの発行手続を案内する案内画面を操作パネル20に表示する。そしてユーザによってライセンス発行手続が行われ、操作パネル20に対してライセンスコードの入力が行われるまで待機する。オプション機能管理部11はライセンスコードが入力されると、そのライセンスコードを認証するための処理を行い、正規のライセンスコードであると判断した場合、ステップS215の処理を終了してステップS216に進む。そしてオプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のステータスを「未購入」から「購入済」に書き換え(ステップS216)、オプション機能を本稼働状態に移行させる。このとき、オプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のライセンス有効期間に対して例えば1年後の日付を書き込むことにより、オプション機能を本稼働状態で使用可能な一定の期間を設定する。そしてステップS217に進んで、画像形成装置1をリブート処理する。このリブート処理によって画像形成装置1は自動で再起動し、オプション機能管理部11は、本稼働状態に移行させたオプション機能を画像形成装置1の全体に反映してオプション機能を完全に使用することができる状態にする。その後、購入確認処理(ステップS203)を終了し、実行管理処理の全てを終了させる。そしてユーザはあらためてオプション機能の指定を行うことにより、当該オプション機能を本稼働状態で使用することができるようになる。
図15は、試用稼働判定処理(ステップS205)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。オプション機能管理部11は、試用稼働判定処理(ステップS205)に進むと、オプション機能のステータス判定を行い(ステップS220)、ステータスが「試用中」であるか否かを判断する(ステップS221)。「試用中」である場合、オプション機能管理部11は試用状態でのオプション機能の実行が可能であると判断し、ステップS222に進んでオプション機能を実行させる。例えば、オプション機能管理部11が機能実行部13に対してオプション機能の実行を指示することにより、機能実行部13がオプション機能プログラムを読み出して実行する。これにより、画像形成装置1においてオプション機能が稼働した状態となり、ユーザは指定したオプション機能を試用することができる。このときユーザがオプション機能に対する設定操作を行うと、その設定情報は記憶部40に格納される。そしてオプション機能の実行が終了するときに、データ管理部12が作用して記憶部40に格納されている設定情報45をサーバ3のハードディスク4に保存する。このようにしてオプション機能の実行が終了すると、試用稼働判定処理(ステップS205)は終了し、実行管理処理の全てが終了する。
またステップS221において「試用中」でなかった場合(すなわち、「試用完データ未削除」又は「試用完了」であった場合)、ステップS223に進み、オプション機能管理部11は操作パネル20に対して警告画面を表示する。図18はこの警告画面G3の一例を示す図である。この警告画面G3には、指定されたオプション機能は試用期間が終了しているため使用することができない旨が表示されると共に、ユーザが操作可能な購入ボタンB7と不使用ボタンB8とが表示される。ユーザはこの警告画面G3に対し、正規のライセンスの購入を望む場合には購入ボタンB7を操作し、オプション機能の使用を望まない場合には不使用ボタンB8を操作する。そしてオプション機能管理部11は、ユーザによって選択された項目(ボタン)がいずれであるかを判断し(ステップS224)、不使用ボタンB8であった場合にはその後何もせずに、試用稼働判定処理(ステップS205)を終了する。この場合、実行管理処理は全て終了し、操作パネル20の表示画面は初期画面に戻る。
またユーザが購入ボタンB7を操作した場合には、ステップS224からS225に進み、所定のライセンス発行手続処理(購入処理)が行われる。このライセンス発行手続処理(ステップS225)は、上述のステップS215(図14)と同様であり、この処理が終了すると、ステップS226に進む。そしてオプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のステータスを「試用完データ未削除」又は「使用完了」から「購入済」に書き換え(ステップS226)、オプション機能を本稼働状態に移行させる。このとき、オプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のライセンス有効期間に対して例えば1年後の日付を書き込むことにより、オプション機能を本稼働状態で使用可能な一定の期間を設定する。そしてステップS227に進んで、画像形成装置1をリブート処理する。このリブート処理によって画像形成装置1は自動で再起動し、オプション機能管理部11は、本稼働状態に移行させたオプション機能を画像形成装置1の全体に反映してオプション機能を完全に使用することができる状態にする。その後、試用稼働判定処理(ステップS205)を終了し、実行管理処理の全てを終了させる。そしてユーザはあらためてオプション機能の指定を行うことにより、当該オプション機能を本稼働状態で使用することができるようになる。
図16は、本稼働判定処理(ステップS206)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。オプション機能管理部11は、本稼働判定処理(ステップS206)に進むと、オプション機能のステータス判定を行い(ステップS230)、ステータスが「購入済」であるか否かを判断する(ステップS231)。「購入済」である場合、オプション機能管理部11は本稼働状態でのオプション機能の実行が可能であると判断し、ステップS232に進んでオプション機能を実行させる。例えば、オプション機能管理部11が機能実行部13に対してオプション機能の実行を指示することにより、機能実行部13がオプション機能プログラムを読み出して実行する。このとき、データ管理部12はサーバ3のハードディスク3に当該オプション機能の設定情報5が保存されている場合、その設定情報5を読み出して記憶部40に格納する。そして機能実行部13は記憶部40に格納された設定情報45を読み出し、実行するオプション機能に反映させる。これにより、オプション機能の試用期間終了後も当該オプション機能に対する設定情報が継続して保存されている場合には、本稼働状態でのオプション機能の稼働時に、その設定情報が読み出されて画像形成装置1に反映されるようになる。したがって、ユーザは試用状態において一度設定入力した設定情報を、本稼働状態に移行した後に再度入力する必要がなくなり、操作負担が軽減する。そして画像形成装置1においてオプション機能が本稼働状態で稼働した状態となると、ユーザは当該オプション機能を正規に使用することができるようになる。その後、オプション機能の実行が終了すると、本稼働判定処理(ステップS206)は終了し、実行管理処理の全てが終了する。
またステップS231において「購入済」でなかった場合(すなわち、「ライセンス切れ」であった場合)、ステップS233に進み、オプション機能管理部11は操作パネル20に対して警告画面を表示する。図19はこの警告画面G4の一例を示す図である。この警告画面G4には、指定されたオプション機能はライセンスの有効期間が終了しているため使用することができない旨が表示されると共に、ユーザが操作可能な更新ボタンB9と不使用ボタンB10とが表示される。ユーザはこの警告画面G4に対し、正規のライセンスの更新を望む場合には更新ボタンB9を操作し、オプション機能の使用を望まない場合には不使用ボタンB10を操作する。そしてオプション機能管理部11は、ユーザによって選択された項目(ボタン)がいずれであるかを判断し(ステップS234)、不使用ボタンB10であった場合にはその後何もせずに、本稼働判定処理(ステップS206)を終了する。この場合、実行管理処理は全て終了し、操作パネル20の表示画面は初期画面に戻る。
またユーザが更新ボタンB9を操作した場合には、ステップS234からS235に進み、所定のライセンス更新手続処理(更新処理)が行われる。そしてユーザが所定の更新手続を行い、操作パネル20に対して所定の入力操作を行うと、ステップS236に進む。そしてオプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のステータスを「ライセンス切れ」から「購入済」に書き換え(ステップS236)、オプション機能を再度本稼働状態に移行させる。このとき、オプション機能管理部11は、記憶部40に記憶されている機能管理データ44のライセンス有効期間を例えば1年後の日付を書き替えることにより、オプション機能を本稼働状態で使用可能な一定の期間を設定する。そしてステップS237に進んで、画像形成装置1をリブート処理する。このリブート処理によって画像形成装置1は自動で再起動し、オプション機能管理部11は、本稼働状態に移行させたオプション機能を画像形成装置1の全体に反映してオプション機能を完全に使用することができる状態にする。その後、本稼働判定処理(ステップS206)を終了し、実行管理処理の全てを終了させる。そしてユーザはあらためてオプション機能の指定を行うことにより、当該オプション機能を本稼働状態で使用することができるようになる。
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、オプション機能の試用期間中にユーザが設定入力した当該オプション機能に対する設定情報を、試用期間終了後も所定の記憶手段(サーバ3のハードディスク4又は画像形成装置1の記憶部40)に記憶させた状態で保存しておくことができるように構成されている。そのため、ユーザが試用期間終了後にオプション機能を本稼働状態に移行させた場合、本稼働状態でのオプション機能の実行時に、試用期間中にユーザが設定入力した設定情報を読み出して使用することにより、本稼働状態のオプション機能にその設定情報を反映させることができる。それ故、ユーザは、オプション機能が試用状態であるときに設定入力した設定情報を、本稼働状態に移行した後にあらためて設定入力する必要がなく、操作負担が軽減する。
またオプション機能の試用期間が終了した後、当該オプション機能を本稼働状態に移行させるか否かはユーザの意志による。そのため、例えば画像形成装置1が上述した3つのオプション機能の他にも多数のオプション機能を備えている場合、それら全てのオプション機能について試用期間中にユーザが設定入力した設定情報を保持し続けると、多量の設定情報が記憶手段の記憶領域を占有し、その他のデータを記憶することができる領域が減少する可能性がある。そのため、本実施形態では、試用期間中に設定される設定情報を試用期間終了後も保持するか否かを、オプション機能管理部11が予め機能管理データ44の設定情報保持/破棄の項目に設定しておくように構成されている。これにより、試用期間中に設定入力された設定情報を使用期間後においても保持し続けるオプション機能を選択できるようになり、設定情報を保持しておくことが必要でないオプション機能については試用期間終了と共にその設定情報を削除して記憶手段の記憶領域を確保することができるようになる。
また本実施形態の画像形成装置1は、オプション機能の試用期間終了時に試用期間中に設定入力された設定情報の保存状態を継続させた場合において、当該オプション機能が本稼働状態へ移行することなく、試用期間終了後所定期間が経過した場合には、試用期間終了から継続して保存されている設定情報を削除するように構成されている。これにより、本稼働状態に移行されないオプション機能の設定情報が長期間に亘って保存され続けることを防止することができ、所定期間経過後は記憶手段の記憶領域を有効に活用することができるようになる。
また本実施形態では、画像形成装置1のオプション機能として、アドレス管理機能、パネルカスタマイズ機能およびプルプリント機能の3つの機能を例示したが、これら3つの機能はそれぞれ、ユーザが使用する際に予め複雑な設定操作を伴うものであり、これら3つの機能のうちの少なくとも1つについてユーザが試用期間中に設定入力した設定情報を試用期間終了後も継続して保存しておくことができる構成とすることにより、本稼働に移行させた後、ユーザが本稼働状態で使用する際に再び複雑な設定操作を行う必要がなくなるという点でより好ましい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の内容に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、画像形成装置1がオプション機能として、アドレス管理機能、パネルカスタマイズ機能およびプルプリント機能の3つの機能を搭載している場合を例示したが、画像形成装置1におけるオプション機能は上記3つの機能に限定するものではなく、その他の機能であっても構わない。
また上記実施形態では、画像形成装置1がネットワーク2に接続されたネットワーク環境下で使用される形態を例示しているが、このような形態に限られるものではなく、例えば画像形成装置1がネットワークに接続されず、スタンドアロンで使用される形態であっても構わない。この場合、オプション機能に対する設定情報は画像形成装置1内部の記憶部40にて保持されることになる。