以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳述する。尚、以下に説明する幾つかの実施形態において互いに共通する部材については同一符号を付しており、それらについて繰り返しとなる説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態における画像形成システムの全体的な概略構成を示す図である。この画像形成システムは、複合機やMFPなどと呼ばれる画像形成装置1が有線又は無線LANなどのネットワーク2に接続された構成である。画像形成装置1は、コピー、ネットワークプリンタ、スキャナ、FAX、ウェブページ印刷などの複数の機能を備えており、このうち例えばコピー、ネットワークプリンタ、スキャナおよびFAXに関する機能は、初期状態で有効に稼働するように設定された基本機能となっている。またウェブページ印刷などのその他の機能は、初期状態で無効に設定されたオプション機能となっている。ユーザがオプション機能の使用を望む場合、例えば所定のライセンス購入手続を行ってメーカーなどから正規に発行されるライセンスコードを取得し、そのライセンスコードを画像形成装置1に入力することで、画像形成装置1において当該オプション機能が有効化されるようになっている。
また画像形成システムは、上述の画像形成装置1の他、ネットワーク2に接続されたサーバコンピュータ(以下、単に「サーバ」という。)3と、クライアントコンピュータ(以下、単に「クライアント」という。)6とを備えている。画像形成装置1はこれらサーバ3およびクライアント6とネットワーク2を介してデータの送受信を行うことができる。サーバ3は画像形成装置1の各種機能を管理するためのものであり、内蔵タイプ若しくは外付けタイプのハードディスク4を備え、このハードディスク4には上述のライセンス購入手続によって発行されるライセンスコード5が格納保存される。クライアント6は、例えばネットワーク2を介して画像形成装置1にプリントジョブなどを送信するコンピュータであり、この場合、画像形成装置1はクライアント6から受信するプリントジョブを実行して画像形成を行う。また画像形成装置1のスキャナ機能においては、原稿などを読み取って得られる画像データを、ネットワーク2を介してクライアント6に出力することができるようになっている。
また画像形成装置1は、公衆電話網などの通信網7にも接続されており、この通信網7を介して外部の画像形成装置8(FAX専用装置でも良い。)とFAXの送受信を行うことができるように構成されている。
画像形成装置1の前面には、ユーザが操作可能な操作パネル20が設けられている。この操作パネル20は、ユーザが画像形成装置1に対して各種指示を与えるための指示手段であり、例えばユーザが画像形成装置1を使用する際には、上述した複数の機能のうちから一の機能を選択し、画像形成装置1に対してジョブを実行させることを指示できるようになっている。このとき、ユーザによって選択される一の機能が、初期状態で有効に稼働する基本機能である場合には画像形成装置1において直ちに指示されたジョブが実行される。これに対し、ユーザによって選択される一の機能が、無効に設定されているオプション機能である場合には、後述するようにライセンスコードの入力が必要となる。
図2は画像形成装置1のハードウェア構成および機能構成の一例を示す図である。画像形成装置1は上述した操作パネル20の他、その内部に、CPU10、ROM31、RAM32、原稿搬送部33、スキャナ部34、給紙部35、プリンタ部36、通信インタフェース37および記憶部40を備えている。
CPU10は、記憶部40に格納される各種プログラム(制御プログラム41、基本機能プログラム42、オプション機能プログラム43など)を読み出して実行することにより画像形成装置1としての各種機能を実現する。ROM31はCPU10がプログラムを実行する際に参照する各種パラメータなどを記憶しており、RAM32はCPU10が使用する一時的なデータやユーザによって入力された一時的な設定データなどを記憶する。
原稿搬送部33は、コピー、スキャナ、FAXなどの機能が使用される際に原稿がセットされる部分であり、原稿搬送部33が1枚ずつ原稿をスキャナ部34に自動搬送することにより、スキャナ部34が原稿に記録された文字、記号、画像などを光学的に読み取るように構成されている。給紙部35は、画像形成装置1においてプリント出力などの画像形成が行われる際、画像形成媒体となる用紙を1枚ずつプリンタ部36に自動供給するものである。プリンタ部36はコピー、ネットワークプリンタ、FAX、ウェブページ印刷などに関するジョブを実行する際に機能し、給紙部24から供給される用紙に画像形成を行うように構成される。通信インタフェース37は、ネットワーク2や通信網7を介して、サーバ3、クライアント6または他の画像形成装置8などとデータ通信を行うための通信手段であり、例えばNIC(ネットワークインタフェースカード)、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、無線通信手段などによって構成される。
操作パネル20は、ユーザに対して各種情報を表示するための液晶ディスプレイなどで構成される表示部21と、表示部21の前面側に配置されるタッチパネル22と、表示部21の周囲に配置されたテンキーなどの複数の操作ボタン23とを備えている。したがって、ユーザは表示部21に表示される画面を参照しながら、画像形成装置1に対する各種設定や入力操作を行うことができるようになっている。
記憶部40は、制御プログラム41、基本機能プログラム42、オプション機能プログラム43、機能管理データ44、デモ用サンプルデータ45などを記憶する記憶手段であり、例えば画像形成装置1に内蔵されたハードディスクや不揮発性メモリなどによって構成される。
制御プログラム41は画像形成装置1における基本プログラムであり、画像形成装置1が起動すると、CPU10はこの制御プログラム41を読み出して実行する。基本機能プログラム42は、制御プログラム41の実行中に更に読み出されて実行されるプログラムであり、コピー、ネットワークプリンタ、スキャナ、FAXなどの基本機能に対応するジョブを実行するためのプログラムである。CPU41が制御プログラム41に基づく実行環境下において更にこの基本機能プログラム42を読み出して実行することにより、画像形成装置1においてコピーなどの指定されたジョブが実行される。またオプション機能プログラム43も、制御プログラム41の実行中に更に読み出されて実行されるプログラムである。このオプション機能プログラム43は、ウェブページ印刷やその他のオプション機能に対応しており、それらオプション機能に関するジョブを実行するためのプログラムである。記憶部40には、画像形成装置1に搭載される複数のオプション機能のそれぞれに対応して複数のオプション機能プログラム43が予め格納されている。
機能管理データ44は画像形成装置1の機能を管理するためのデータであり、特に本実施形態の場合にはオプション機能の動作モードを管理するためのデータである。本実施形態では、オプション機能の動作モードとして、初期状態である無効モードの他に、デモンストレーションモードと、試用モードと、本稼働モードとの3つのモードが用意されている。したがって、画像形成装置1が複数のオプション機能を備える場合、機能管理データ44は、各オプション機能の動作モードが、無効モード、デモンストレーションモード、試用モードおよび本稼働モードのいずれのモードであるかを示す情報を管理するためのデータとなっている。
デモンストレーションモードは、記憶部40に記憶されているデモ用サンプルデータ45を使用してオプション機能のジョブを実行することにより、ユーザに対してオプション機能を理解してもらうためのデモンストレーション(以下、単に「デモ」ともいう。)を行う動作モードである。試用モードは、ユーザにオプション機能を試用させるための動作モードであり、この試用モードにおいてはユーザが指示するデータに基づいてオプション機能のジョブが実行される。したがって、デモンストレーションモードでは画像形成装置1の記憶部40に記憶されたデモ用サンプルデータ45に基づくジョブが実行されるのに対し、試用モードではユーザが自由にジョブを指定してオプション機能を使用することができるという点で両者は異なっている。このような試用モードにおいては、当該オプション機能の一部をユーザが使用することができように制限してもよい。本実施形態では、試用モードに対して、オプション機能を試用することが可能な一定の試用期間を定めており、この試用期間は機能管理データ44で管理されている。さらに本稼働モードは、オプション機能を完全有効化し、オプション機能を正規に使用可能な状態とする動作モードである。尚、デモンストレーションモードにおいて使用されるデモ用サンプルデータ45は、画像形成装置1に搭載されたオプション機能ごとに少なくとも1つ用意されて予め記憶部40に記憶されている。
そしてCPU10は、上述の制御プログラム41を実行すると、図2に示すように、制御部11、デモ実行部12、ジョブ実行部13として機能する。制御部11は画像形成装置1の動作状態を統括的に管理・制御するものであり、その一部の機能として、オプション機能の動作モードを管理するオプション機能管理部11aと、画像形成装置1におけるジョブを管理してデモ実行部12およびジョブ実行部13を制御するジョブ管理部11bとを備えている。
オプション機能管理部11aは、機能管理データ44に基づいてオプション機能を管理するものであり、オプション機能が初期状態の無効モードのままであれば、画像形成装置1において当該オプション機能が実行されることを禁止する。またユーザによってオプション機能が選択され、画像形成装置1において当該オプション機能の有効化が指示されると、正規のライセンスコードが入力されることを条件として、オプション機能管理部11aは当該オプション機能を無効モードからデモンストレーションモードに移行させるようになっている。但し、本実施形態では、無効モードからデモンストレーションモードへの移行は、ユーザがデモンストレーションモードに移行させることを指示した場合に行うようになっており、ユーザがデモンストレーションモードに移行させることを指示しなかった場合には無効モードから試用モードに移行する。
またオプション機能管理部11aは、オプション機能がデモンストレーションモードにある場合には、ユーザがデモンストレーションモードの終了を指示するなどの所定の条件を満たした場合に、デモンストレーションモードを終了して試用モードに移行させるようになっている。さらに、このオプション機能管理部11aは、オプション機能が試用モードにある場合には、上述の試用期間が経過するなどの所定の条件を満たした場合に、試用モードを終了して本稼働モードに移行させるようになっている。
オプション機能が無効モードにあるときには、ユーザはオプション機能を全く使用することができない。またデモンストレーションモードにあるときには、ユーザはデモ用サンプルデータ45に基づくジョブを画像形成装置1に実行させて当該オプション機能の確認を行うことができるものの、ユーザ自身が所望するデータに基づいてジョブを実行させることはできない。そのため、デモンストレーションモードにおいても依然として、ユーザは当該オプション機能を自由に使用可能な状態とはなっていない。これに対して、試用モードおよび本稼働モードでは、画像形成装置1に対してユーザ自身が所望するデータに基づいてジョブを実行させることができるため、これらのモードに移行すれば、ユーザは当該オプション機能を自由に使用することができる状態となる。したがって、オプション機能管理部11aは、オプション機能の動作モードを管理してオプション機能を使用可能な状態に移行させることができるように構成されている。
ジョブ管理部11bは、操作パネル20などを介してユーザからジョブの実行が指示された場合、そのジョブを管理すると共に、そのジョブの実行を制御する。例えば、指示されたジョブがコピーなどの基本機能に関するジョブである場合、ジョブ管理部11bはジョブ実行部13を機能させ、記憶部40に記憶された基本機能プログラム42に基づいたジョブの実行処理をジョブ実行部13に行わせる。
またユーザによって選択された機能がオプション機能である場合、ジョブ管理部11bは選択されたオプション機能の動作モードに応じてデモ実行部12およびジョブ実行部13のいずれか一方を機能させる。例えば動作モードがデモンストレーションモードである場合、ジョブ管理部11bはデモ実行部12を機能させ、記憶部40に記憶されたオプション機能プログラム43に基づいたジョブの実行処理をデモ実行部12に行わせる。このとき、デモ実行部12は、オプション機能プログラム42と共にデモ用サンプルデータ45を読み出し、デモ用サンプルデータ45を使用してオプション機能に関するジョブを実行することにより、当該オプション機能に関するデモンストレーションを行う。また動作モードが試用モード又は本稼働モードである場合、ジョブ管理部11bはジョブ実行部13を機能させ、記憶部40に記憶されたオプション機能プログラム43に基づいたジョブの実行処理をジョブ実行部13に行わせる。このときジョブ実行部13は、ユーザが自由に設定したデータに基づいてジョブを実行する。
以上のように構成された画像形成装置1において、ユーザがオプション機能の使用を望む場合、上述した所定のライセンス購入手続を行うことによってライセンスコードを取得する。ここで取得するライセンスコードは、サーバ3のハードディスク4に格納保存されるライセンスコード5と同じである。図3は、ライセンスコード5の一構成例を示す図である。ライセンスコード5は、複数の英数字および記号などを含む文字列となっており、その上位複数桁が試用期間などを示す有効期間情報であり、下位複数桁がライセンス情報となっている。有効期間情報は、例えば「1ヶ月」という期間をコード化した情報である。そしてユーザはこのようなライセンスコード5を画像形成装置1に入力することにより、画像形成装置1においてオプション機能が無効モードから他のモードへと移行する。このとき、ユーザがデモンストレーションを行うことを指示すれば、オプション機能は無効モードからデモンストレーションモードへと移行する。そしてデモンストレーションモードが終了すると、オプション機能はデモンストレーションモードから試用モードへと移行する。そして本実施形態では、オプション機能がデモンストレーションモードから試用モードへ移行した時点で、試用モードにおける試用期間のカウントを開始するように構成されている。以下、このような本実施形態における画像形成装置1の動作について説明する。
図4は、本実施形態における画像形成装置1の処理シーケンスの一例を示すフローチャートであり、オプション機能を無効状態からデモンストレーションモードを経て試用モードに移行させるための処理手順を示している。この処理シーケンスは、上述のCPU10が記憶部40に記憶されている各種プログラムを実行することによって行われる。尚、以下においてはオプション機能の一例として、ウェブページ印刷機能が選択されて機能有効化が指示される場合を例示する。
ユーザが操作パネル20を介してウェブページ印刷に関するオプション機能の選択操作を行うと、制御部11はオプション機能選択操作ありと判断し(ステップS100でYES)、操作パネル20に対して選択されたオプション機能を有効化するか否かの確認操作画面(図示省略)を表示する。ユーザはオプション機能を使用することを希望する場合、この確認操作画面において機能有効化を指示する。これに対し、ユーザはオプション機能を使用しない場合、この確認操作画面において機能有効化を指示しないので、この処理シーケンスは終了する。
ユーザによって選択されたオプション機能の機能有効化が指示された場合、制御部11はステップS101からS102に処理を進め、操作パネル20に対してライセンスコード入力画面を表示する。図5は、このライセンスコード入力画面G1の一例を示す図である。この画面G1のほぼ中央の領域R1にはキーボード態様の操作画面が表示され、画面上部の領域R2にはユーザが操作入力した入力コードを表示する入力コード表示欄が設けられている。また画面下部には、ユーザが入力した入力コードを確定させるためのOKボタンB1と入力操作を中止するための中止ボタンB2が設けられている。ユーザはこのようなライセンスコード入力画面G1に基づいてキーボード態様の操作画面をタッチ操作することなどにより、ライセンスコードを入力し、入力が完了すればOKボタンB1を操作する。ここで入力されるライセンスコードは、図3に例示したライセンスコードであり、有効期間情報とライセンス情報の双方を含んでいる。尚、本実施形態では、ライセンスコードを付与する際、数字と英文字の互いに区別し難い文字はライセンスコードに採用しないこととしており、図例のキーボード態様の表示においてもそのような区別し難い文字を非表示としてライセンスコードの誤入力を防止している。
そしてユーザによってOKボタンB1が操作され、入力コードが確定すると、制御部103はステップS103からS104に処理を進め、確定した入力コードに基づいてライセンスコード認証処理を行う。このライセンスコード認証処理(ステップS104)では、制御部11がネットワーク2を介してサーバ3にアクセスし、サーバ3のハードディスク4に格納されたライセンスコード5と入力されたライセンスコードとが一致するか否かの判定を行う。具体的には入力されたライセンスコードに含まれる有効期間情報とライセンス情報の双方が、サーバ3のハードディスク4に格納されているライセンスコード5のそれらと一致するか否かの判断を行う。このように有効期間情報とライセンス情報の双方について判断を行うことにより、例えば有効期間を不当に延長しようとするライセンスコードが入力された場合に、そのような入力コードを異常と判断することができる。尚、このような認証判断は、サーバ3において行うものであっても構わない。この場合、制御部11は、サーバ3に対して入力されたライセンスコードの認証要求を行い、サーバ3によって判断された認証結果を得ることになる。
入力されたライセンスコードの認証結果が得られると、制御部11はその認証結果が正常であるか或いは異常であるかを判断する(ステップS105)。認証結果が異常であった場合、制御部11は、操作パネル20に対して入力されたライセンスコードが正しいライセンスコードでない旨を表示するなど、所定の警告処理(ステップS106)を行ってこの処理シーケンスを終了する。これに対し、認証結果が正常であった場合、制御部11は、ステップS105からS107に処理を進める。
そして制御部11は、操作パネル20に対してデモ実行確認画面を表示する(ステップS107)。図6は、操作パネル20に表示されるデモ実行確認画面G2の一例を示す図である。この画面G2では、選択されたオプション機能の名称が表示されると共に、「デモンストレーションモードで動作しますか?」などといった確認表示が行われる。また画面G2の下部には、デモンストレーションモードで動作するか否かを択一的に選択するためのボタンB4,B5が表示される。ユーザはデモンストレーションモードでの動作を希望する場合にはボタンB4を操作し、希望しない場合にはボタンB5を操作する。例えば、ウェブページ印刷機能などのオプション機能についてユーザが十分に理解していない場合、このデモ実行確認画面G2においてデモンストレーションモードでの動作を指示することになる。一方、画像形成装置1とは異なる他の画像形成装置においてウェブページ印刷機能などのオプション機能を既に本稼働モードで使用しているような場合には、ユーザは当該オプション機能について十分に理解していると考えられることから、そのような場合、デモ実行確認画面G2においてデモンストレーションモードでの動作を指示しないことになる。
そして制御部11は、デモ実行確認画面G2においてデモンストレーションモードでの動作が指示されたか否かを判断する(ステップS108)。そしてデモンストレーションモードでの動作が指示された場合には、ステップS109に進む。ステップS109では、オプション機能管理部11aが、記憶部40に記憶されている機能管理データ44の当該オプション機能に対応する動作モードをデモンストレーションモードに書き換えることによって、当該オプション機能の動作モードを無効モードからデモンストレーションモードに移行させる。
そしてジョブ管理部11bがデモ実行部12を機能させ、デモ用サンプルデータ45に基づくデモンストレーションを行うためのデモ実行処理を開始させる(ステップS110)。デモ実行部12によってデモ実行処理が開始されると、操作パネル20には、例えば図7に示すようなデモ実行画面G3が表示される。このデモ実行画面G3には、デモンストレーションモードで動作していることを示す表示欄R3と、デモ用サンプルデータ45に基づいて実行可能な複数のジョブが一覧メニュー形式で表示されるメニュー表示欄R4とが設けられている。ユーザはこのようなデモ実行画面G3のメニュー表示欄R4から所望するジョブを選択することにより、デモ実行部12は選択されたデモ用サンプルデータ45に基づいてジョブを実行する。例えば、ウェブページ印刷機能の場合、デモ実行部12は、ネットワーク2などを介してインターネットにアクセスし、さらにデモ用サンプルデータ45に設定されたURL(Uniform Resource Locator)にアクセスする。そしてそのURLに公開されているウェブページを取得して操作パネル20に表示する。そしてユーザが操作ボタン23に含まれる印刷開始ボタンを操作した場合、デモ実行部12は、プリンタ部36を駆動してそのウェブページをプリントするプリントジョブを実行する。すなわち、ウェブページ印刷機能は、パソコンなどを介することなく、画像形成装置1を直接操作してインターネット上のウェブページにアクセスし、そのウェブページを印刷するという機能であり、デモンストレーションモードでは、デモ用サンプルデータ45を用いたデモンストレーションを行うことによって、ユーザは実際にウェブページ印刷機能を体験することができるのである。そして、このようなデモンストレーションにより、ユーザは当該オプション機能でどのようなことができるかを容易に把握することができる。
ステップS110において例えば1回のデモンストレーションが終了すると、デモ実行部12は、操作パネル20に対して例えば図8に示すようなデモ終了確認画面G4を表示する。このデモ終了確認画面G4には、デモンストレーションモードで動作していることを示す表示欄R5と、デモンストレーションモードを継続するか否かの確認を促す表示欄R6とが表示される。また画面G4の下部には、デモンストレーションモードを継続して図7のデモ実行画面G3に戻るための操作ボタンB6と、デモンストレーションモードを終了させるための終了ボタンB7とが表示される。ユーザはデモンストレーションモードの継続を希望する場合、操作ボタンB6を操作する。このとき、デモ実行部12はステップS111においてNOと判断し、ステップS110に戻ってデモ実行処理を継続し、当該オプション機能に関するデモンストレーションを繰り返す。
またユーザは、少なくとも1回のデモンストレーションによって、当該オプション機能でどのようなことができるかを十分に理解することができた場合には、図8のデモ終了確認画面G4で終了ボタンB7を操作する。すると、デモンストレーションモードでの動作は終了し、デモ実行部12はその機能を終了する。そしてステップS111からS112に進み、オプション機能管理部11aは試用モードにおける試用期間のカウント動作を開始する。例えばライセンスコードの有効期間情報に「1ヶ月」という試用期間が設定されている場合には、ステップS112において「1ヶ月」の試用期間のカウント動作を開始するのである。そしてオプション機能管理部11aは、記憶部40に記憶されている機能管理データ44の当該オプション機能に対応する動作モードを試用モードに書き換えることによって、当該オプション機能の動作モードをデモンストレーションモードから試用モードに移行させる(ステップS113)。これにより、画像形成装置1において当該オプション機能は試用モードとして一定期間試用可能な状態となる。またこの試用モードへの移行に伴い、ユーザは自身の所望するデータを用いて当該オプション機能を自由に使用することが可能な状態となる。
尚、ステップS107で操作パネル20にデモ実行確認画面G2が表示されているとき、ユーザによってデモンストレーションモードでの動作が指示されなかった場合には、ステップS108でNOとなり、上述のデモンストレーションモードでの動作は行われることなく、処理はステップS112に進む。この場合、オプション機能管理部11aは、試用モードにおける試用期間のカウント動作を開始した後(ステップS112)、記憶部40に記憶されている機能管理データ44の当該オプション機能に対応する動作モードを試用モードに書き換えることによって、当該オプション機能の動作モードを無効モードから試用モードに移行させることになる(ステップS113)。
以上のように、本実施形態の画像形成装置1は、ユーザが操作パネル20を介してオプション機能の有効化を指示した場合、当該オプション機能のデモンストレーションを行うことができる構成であり、当該オプション機能のデモンストレーションを行う場合には、デモンストレーションが終了した後に、当該オプション機能を試用モードに移行させるように構成されている。デモンストレーションを行うことによって、ユーザは当該オプション機能がどのような機能であるかを十分に理解することができるようになるため、試用モードに移行した後においては当該オプション機能の使用頻度も上がり、ユーザは比較的早い段階で当該オプション機能を十分に使いこなすことができるようになる。
また本実施形態の画像形成装置1は、デモンストレーションを行う場合、そのデモンストレーションが終了した後に、試用モードにおける試用期間のカウント動作を開始するように構成されているため、デモンストレーションが長期間に亘って行われる場合であっても、デモンストレーションが行われる期間が試用期間に何ら影響を与えるものではない。そのため、試用モードに移行した後にも十分な試用期間が確保されるようになっている。また、従来と同様に、ユーザは試用期間中に試用するオプション機能の設定方法や操作方法を習得していくことになるが、本実施形態の場合にはデモンストレーションにより当該オプション機能を理解した上での設定方法や操作方法の習得となるため、それらを習得する際の効率がよいという利点がある。
尚、本実施形態では、試用モードにおける試用期間が終了すると、当該オプション機能は本稼働モードに移行するが、このとき、上述したライセンスコード5とは別の本稼働用ライセンスコードを入力することを条件としてもよい。この場合、試用期間の終了時点で、本稼働用のライセンスコードが入力されていない場合には、当該オプション機能は再び無効モードに戻ることになる。
(第2の実施の形態)
次に、第2に実施の形態について説明する。上述のネットワーク構成において、例えば画像形成装置1がデモンストレーションを実行しているときに、クライアント6から画像形成装置1に対してプリントジョブなどの他のジョブが送信された場合、画像形成装置1においてそのジョブを直ちに実行すると、デモンストレーションを行っているユーザに対して混乱を生じさせることがある。例えば、ユーザがウェブページ印刷機能のデモンストレーションを行っているとき、画像形成装置1がネットワーク2を介してクライアント6から受信したプリントジョブを実行すると、そのプリント出力は、操作パネル20に表示されているウェブページとは異なった内容になるため、ユーザに混乱を生じさせることとなる。そこで、本実施形態では、オプション機能のデモンストレーション実行中はネットワーク2を介して受信するジョブを実行せず、デモンストレーションが終了した後に、そのジョブを実行する形態について説明する。尚、本実施形態においても、上述のネットワーク構成並びに画像形成装置1のハードウェア構成及び機能構成は第1の実施の形態と同様であり、また図4のフローチャートに基づく処理が行われる点においても第1の実施の形態と同様である。
図9は、本実施形態において画像形成装置1がネットワーク2を介してジョブを受信した場合の当該ジョブに対する処理ルーチンを示すフローチャートである。この処理シーケンスは、CPU10において第1の実施の形態で説明した図4のフローチャートと同時並行して行われる処理である。CPU10において制御部11は、ネットワーク2を介してジョブを受信すると、ステップS200においてYESと判断する。そして制御部11のジョブ管理部11bが機能し、受信したジョブを登録する(ステップS201)。ジョブ管理部11bは、ジョブを登録した後、オプション機能のデモンストレーションが実行中であるか否かを判断する(ステップS202)。例えば、第1の実施の形態で説明した図4のフローチャートにおいて、デモ実行処理(ステップS110)が実行されている場合、ジョブ管理部11bはデモンストレーションが実行中であると判断する。より具体的には、図7に示すデモ実行画面G3においてユーザがメニュー表示欄R4から所望するジョブを選択した後、画像形成装置1において当該ジョブがデモンストレーションとして実行され、操作パネル20に図8のデモ終了確認画面G4が表示されるまでの間は、デモ実行中であるとして、ステップS202でYESと判断される。
上記のような判断により、画像形成装置1においてオプション機能のデモンストレーションが実行中である場合、ジョブ管理部11bは警告処理を行う(ステップS203)。この警告処理としては、例えば画像形成装置1において警告を行う処理と、ジョブの送信元であるクライアント6などに対して警告を行う場合の2つがある。前者の警告処理としては、例えば、画像形成装置1の操作パネル20の画面隅などに数秒程度、デモとは異なるジョブを受信した旨を表示させたり、或いは画像形成装置1においてデモとは異なるジョブを受信した旨を示す警告音を発生させたりする処理がある。また後者の警告処理としては、ジョブの送信元であるクライアント6などにおいて、画像形成装置1がデモ実行中であり、送信されたジョブはデモンストレーションの実行終了後に行われることを示す警告表示を行わせる処理がある。このような警告処理を行った後、ジョブ管理部11bは、受信して登録したジョブを実行待機状態とし、そのジョブを直ちに実行することを禁止する(ステップS204)。尚、画像形成装置1がデモ実行中に複数のジョブを受信した場合、それら複数のジョブは全てステップS204において実行待機状態となる。
そしてジョブ管理部11bはデモ実行部12による1回のデモンストレーションが終了したか否かを判断する(ステップS205)。ここではデモンストレーションによるジョブの実行が終了した時点でYESと判断される。デモンストレーションが終了すると、ジョブ管理部11bはジョブ実行部13を機能させ、ジョブ実行部13に実行待機状態となっているジョブを順次実行させて処理を終了する(ステップS206)。
尚、ステップS202においてオプション機能のデモンストレーションが実行中でない場合、ステップS202からS206に進み、ジョブ管理部11bはジョブ実行部13を機能させ、受信して登録したジョブをジョブ実行部13に実行させて処理を終了する(ステップS206)。
以上のように本実施形態では、オプション機能のデモンストレーションが実行中である場合、画像形成装置1はネットワーク2を介して受信するジョブを実行せずに待機状態としておき、デモンストレーションが終了した後に、その待機状態のジョブを実行する。そのため、ユーザがウェブページ印刷機能などのオプション機能のデモンストレーションを行っているとき、画像形成装置1がネットワーク2を介して受信した他のジョブを実行するはなく、デモンストレーションを行っているユーザに対して混乱を生じさせることのないジョブの実行形態が実現される。
(第3の実施の形態)
次に、第3に実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、オプション機能の動作モードがデモンストレーションモードから試用モードに移行する際に、試用期間のカウントを開始する場合を例示した。本実施形態では、オプション機能の動作モードが無効モードからデモンストレーションモードに移行する際に、試用期間のカウントを開始する形態について説明する。尚、本実施形態においても、上述のネットワーク構成並びに画像形成装置1のハードウェア構成及び機能構成は第1の実施の形態と同様である。
図10は、本実施形態における画像形成装置1の処理シーケンスの一例を示すフローチャートであり、オプション機能を無効状態からデモンストレーションモードを経て試用モードに移行させるための処理手順を示している。すなわち、図10のフローチャートは、第1の実施の形態の図4のフローチャートに代わる処理シーケンスを示している。尚、図10のフローチャートにおいてステップS300〜S306の各処理は、図4のフローチャートのステップS100〜S106の各処理と同じであるため、ここではステップS300〜S306についての説明を省略する。
図10に示すように、ステップS305においてライセンスコードの認証結果が正常であった場合、制御部11は、操作パネル20に対してデモ実行確認画面を表示する(ステップS308)。このデモ実行確認画面は、図6に示したデモ実行確認画面G2と同様である。制御部11は、デモ実行確認画面G2においてデモンストレーションモードでの動作が指示されたか否かを判断する(ステップS309)。ここでデモンストレーションモードでの動作が指示されなかった場合には、ステップS310に進み、試用期間のカウント動作を開始し、その後、デモンストレーションモードを行うことなく、ステップS315に進んでオプション機能の動作モードを試用モードに移行させ、処理を終了する。
これに対し、デモンストレーションモードでの動作が指示された場合には、ステップS309からS311に進み、ここで試用期間のカウント動作を開始する。そしてオプション機能管理部11aが、記憶部40に記憶されている機能管理データ44の当該オプション機能に対応する動作モードをデモンストレーションモードに書き換えることによって、当該オプション機能の動作モードを無効モードからデモンストレーションモードに移行させる(ステップS312)。
そしてジョブ管理部11bがデモ実行部12を機能させ、デモ用サンプルデータ45に基づくデモンストレーションを行うためのデモ実行処理を開始させる(ステップS313)。デモ実行部12によって行われるデモ実行処理の詳細は、第1の実施の形態と同様である。したがって、ステップS313で行われるデモンストレーションにより、ユーザは当該オプション機能でどのようなことができるかを容易に理解することができる。そしてステップS313において例えば1回のデモンストレーションが終了すると、デモ実行部12は、操作パネル20に対して例えば図8に示したデモ終了確認画面G4を表示する。
ここでユーザがデモンストレーションモードの継続を指示した場合、ステップS314においてNOとなり、ステップS313に戻ってデモ実行部12によるデモ実行処理が継続される。またユーザがデモンストレーションモードの終了を指示した場合、ステップS314においてYESとなり、オプション機能管理部11aが、記憶部40に記憶されている機能管理データ44の当該オプション機能に対応する動作モードを試用モードに書き換えることによって、当該オプション機能の動作モードをデモンストレーションモードから試用モードに移行させる(ステップS315)。これにより、画像形成装置1において当該オプション機能は試用モードとして試用可能な状態となり、ユーザは自身の所望するデータを用いて当該オプション機能を自由に使用することが可能になる。
以上のように、本実施形態の画像形成装置1は、第1の実施の形態と同様に、ユーザが操作パネル20を介してオプション機能の有効化を指示した場合、当該オプション機能のデモンストレーションを行うことができる構成となっており、当該オプション機能のデモンストレーションを行う場合には、デモンストレーションが終了した後に、当該オプション機能を試用モードに移行させるように構成されている。そのため、本実施形態でもデモンストレーションを行うことによって、ユーザは当該オプション機能がどのような機能であるかを十分に理解することができるようになるため、試用モードに移行した後においては当該オプション機能の使用頻度も上がり、ユーザは比較的早い段階で当該オプション機能を十分に使いこなすことができるようになる。
特に、本実施形態の画像形成装置1は、デモンストレーションを行う場合、上述したようにデモンストレーションが開始する際に、試用モードにおける試用期間のカウント動作を開始するように構成されている。そのため、デモンストレーションモードの終了が指示されない場合にデモンストレーションモードで半永久的にオプション機能が使用されることを防止することができる。例えば、ユーザが意図的にデモ用サンプルデータ45を自身の所望するデータに書き換える行為を行った場合、画像形成装置1はデモンストレーションモードにおいてもユーザ自身の所望するデータに基づいてジョブを実行することになる。ところが、本実施形態は、デモンストレーションが開始する際に試用モードにおける試用期間のカウント動作を開始するので、そのような不正使用が長期間に亘って継続されることを防止することができる。すなわち、本実施形態の場合、オプション機能の動作モードがデモンストレーションモードであっても、試用期間が経過すれば当該オプション機能は再び無効モードに戻ることになる。
このように本実施形態では、画像形成装置1においてデモンストレーションが行われている期間が試用期間に含まれる。そのため、デモンストレーションモードが長期間に亘って行われる場合、試用モードに移行した後に試用できる試用期間が短くなる。しかし、デモンストレーションを長期間に亘って行うことにより、ユーザは当該オプション機能についてより十分な知識を得ていると想定することができるため、試用モードに移行した後の試用期間が短くなることが大きな問題となることはない。
(第4の実施の形態)
次に、第4に実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、オプション機能の動作モードがデモンストレーションモードから試用モードに移行する際に、試用期間のカウントを開始する場合を例示した。また第3の実施の形態では、オプション機能の動作モードが無効モードからデモンストレーションモードに移行する際に、試用期間のカウントを開始する場合を例示した。本実施形態では、オプション機能を試用することができる試用期間のカウントを開始するタイミングをユーザが選択して設定することができる形態について説明する。尚、本実施形態においても、上述のネットワーク構成並びに画像形成装置1のハードウェア構成及び機能構成は第1の実施の形態と同様である。
図11は、本実施形態における画像形成装置1の処理シーケンスの一例を示すフローチャートであり、オプション機能を無効状態からデモンストレーションモードを経て試用モードに移行させるための処理手順を示している。すなわち、図11のフローチャートは、第1の実施の形態の図4のフローチャートに代わる処理シーケンスを示している。尚、図11のフローチャートにおいてステップS400〜S406の各処理は、図4のフローチャートのステップS100〜S106の各処理と同じであるため、ここではステップS400〜S406についての説明を省略する。
図11に示すように、ステップS405においてライセンスコードの認証結果が正常であった場合、制御部11は、操作パネル20に対してデモ実行確認画面を表示する(ステップS407)。このデモ実行確認画面は、図6に示したデモ実行確認画面G2と同様である。制御部11は、デモ実行確認画面G2においてデモンストレーションモードでの動作が指示されたか否かを判断する(ステップS408)。ここでデモンストレーションモードでの動作が指示されなかった場合には、ステップS409に進み、試用期間のカウント動作を開始し、その後、デモンストレーションモードを行うことなく、ステップS417に進んでオプション機能の動作モードを試用モードに移行させ、処理を終了する。
これに対し、デモンストレーションモードでの動作が指示された場合には、ステップS408からS410に進む。そして制御部11は、操作パネル20に対して試用期間カウント設定画面を表示する(ステップS410)。図12は、操作パネル20に表示される試用期間カウント設定画面G5の一例を示す図である。この画面G5では、試用期間のカウント開始タイミングについてユーザに設定操作を促す表示R7が行われると共に、画面中央には選択操作可能な複数のカウント開始タイミングの表示R8が行われる。本実施形態では、オプション機能のデモンストレーションの開始時及び終了時のいずれか一方を選択することが可能なようになっており、画面G5にはデモンストレーション開始時を選択するためのボタンB8と、デモンストレーション終了時を選択するためのボタンB9とが表示されている。通常、ユーザは試用モードに移行してからの試用期間を長く確保することができるのでデモンストレーション終了時を選択し、ボタンB9を操作すると考えられる。しかし、例えば試用モードにおいてオプション機能の一部の試用が制限されているような場合、ユーザは試用モードを早期に終了させて本稼働モードでオプション機能を使用したいと考えることもある。このような場合、本実施形態ではデモンストレーション開始時を選択することができるようになっており、ユーザはボタンB8を操作する。
そして制御部11は、試用期間カウント設定画面G5においてデモンストレーション開始時が選択されたか否かを判断する(ステップS411)。そしてYESであった場合、ステップS412に進み、ここで試用期間のカウント動作を開始する。そしてステップS413に進む。またユーザがデモンストレーション終了時を選択していた場合、ステップ412をスキップしてステップS413に進む。そしてオプション機能管理部11aが、記憶部40に記憶されている機能管理データ44の当該オプション機能に対応する動作モードをデモンストレーションモードに書き換えることによって、当該オプション機能の動作モードを無効モードからデモンストレーションモードに移行させる(ステップS413)。
その後、ジョブ管理部11bがデモ実行部12を機能させ、デモ用サンプルデータ45に基づくデモンストレーションを行うためのデモ実行処理を開始させる(ステップS414)。デモ実行部12によって行われるデモ実行処理の詳細は、第1の実施の形態と同様である。したがって、ステップS414で行われるデモンストレーションにより、ユーザは当該オプション機能でどのようなことができるかを容易に理解することができる。そしてステップS414において例えば1回のデモンストレーションが終了すると、デモ実行部12は、操作パネル20に対して例えば図8に示したデモ終了確認画面G4を表示する。
ここでユーザがデモンストレーションモードの継続を指示した場合、ステップS415においてNOとなり、ステップS414に戻ってデモ実行部12によるデモ実行処理が継続される。またユーザがデモンストレーションモードの終了を指示した場合、ステップS415においてYESとなり、制御部11は試用期間のカウント動作を既に開始しているか否かを判断する(ステップS416)。ここで試用期間のカウント動作を未だ開始していない場合には、NOと判断され、ステップS417に進み、ここで試用期間のカウント動作を開始する。そしてステップS418に進む。またステップS416において試用期間のカウント動作を既に開始している場合には、YESと判断され、ステップS416からS418に進む。そしてオプション機能管理部11aが、記憶部40に記憶されている機能管理データ44の当該オプション機能に対応する動作モードを試用モードに書き換えることによって、当該オプション機能の動作モードを試用モードに移行させる(ステップS418)。これにより、画像形成装置1において当該オプション機能は試用モードとして試用可能な状態となり、ユーザは自身の所望するデータを用いて当該オプション機能を自由に使用することが可能になる。
以上のように、本実施形態の画像形成装置1は、第1の実施の形態と同様に、ユーザが操作パネル20を介してオプション機能の有効化を指示した場合、当該オプション機能のデモンストレーションを行うことができる構成となっており、当該オプション機能のデモンストレーションを行う場合には、デモンストレーションが終了した後に、当該オプション機能を試用モードに移行させるように構成されている。そのため、本実施形態でもデモンストレーションを行うことによって、ユーザは当該オプション機能がどのような機能であるかを十分に理解することができるようになるため、試用モードに移行した後においては当該オプション機能の使用頻度も上がり、ユーザは比較的早い段階で当該オプション機能を十分に使いこなすことができるようになる。
特に、本実施形態の画像形成装置1は、デモンストレーションを行う場合、試用モードにおける試用期間のカウント動作は、ユーザによって選択される、オプション機能のデモンストレーションの開始時及び終了時のいずれか一方のタイミングで開始するように構成されている。そのため、ユーザは自身の判断で試用期間のカウント開始タイミングを設定することができ、試用モードに移行してからの試用期間の取り扱いをユーザが設定できるという点で好ましい。
(第5の実施の形態)
次に、第5に実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、デモンストレーション終了後に表示される図8のデモ終了確認画面G4でユーザが終了ボタンB4を操作することにより、当該オプション機能のデモンストレーションモードでの動作が終了する場合を例示した。しかしこの場合、ユーザがデモンストレーションモードでの動作を終了させるための操作を行わない限り、画像形成装置1においてデモンストレーションモードでの動作が継続されることとなる。本実施形態では、画像形成装置1においてデモンストレーションモードでの動作が長期に亘って継続することを防止することができる形態について説明する。尚、本実施形態においても、上述のネットワーク構成並びに画像形成装置1のハードウェア構成及び機能構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施形態において、オプション機能を無効状態からデモンストレーションモードを経て試用モードに移行させるための基本的な処理手順は、第1の実施の形態で説明した図4のフローチャートと同様である。そこで図4を参照しつつ、本実施形態における具体的な処理手順を説明すると、まず本実施形態では、ステップS109において、オプション機能管理部11aが、オプション機能の動作モードを無効モードからデモンストレーションモードに移行させる際、デモンストレーションモードへの移行日時を機能管理データ44に記録する。そしてステップS111でデモンストレーションモードでの動作を終了させるか否かを判断する際には、機能管理データ44に記録したデモンストレーションモードへの移行日時を読み出して、当該オプション機能がデモンストレーションモードに移行してから所定時間が経過したかを判断する。そして所定時間が経過している場合には、デモンストレーションモードを終了し、ステップS111からS112に処理を進めるのである。
このように本実施形態では、オプション機能のデモンストレーションモードへの移行から所定時間が経過した後にデモンストレーションモードを終了するように構成されるので、デモンストレーションモードに移行してから所定時間が経過すれば、自動的に当該オプション機能はデモンストレーションモードから試用モードに移行する。そのため、画像形成装置1においてデモンストレーションモードが長期に亘って継続されることを防止することができる。
尚、ステップS111における判断では、オプション機能がデモンストレーションモードに移行してから所定時間が経過したかを判断することに加え、さらに第1の実施の形態で説明したようにユーザがデモンストレーションモードの終了を指示したかどうかについても判断するように構成することが好ましい。これにより、オプション機能がデモンストレーションモードに移行してから所定時間が経過する前であっても、ユーザによる指示があれば、デモンストレーションモードが終了することになる。
(第6の実施の形態)
次に、第6に実施の形態について説明する。上述の各実施形態では、主としてオプション機能を試用モードに移行させるための形態について説明した。本実施形態ではオプション機能を本稼働モードに移行させるための一実施形態について説明する。尚、本実施形態においても、上述のネットワーク構成並びに画像形成装置1のハードウェア構成及び機能構成は第1の実施の形態と同様である。
図13は、本実施形態において画像形成装置1が一定時間ごとに行う処理シーケンスを示すフローチャートである。この処理シーケンスは、主としてオプション機能管理部11aによって、画像形成装置1において本稼働モードに移行していないオプション機能を対象として行われる。ステップS500においてオプション機能管理部11aは、オプション機能について正常なライセンスコードが入力されているか否かを判断する。正常なライセンスコードが入力されていない場合にはNOとなり、そのまま処理を終了する。正常なライセンスコードが既に入力されている場合にはYESとなり、ステップS500からS501に進む。
ステップS500でYESとなる場合、当該オプション機能の動作モードはデモンストレーションモードおよび試用モードのいずれか一方である。そこでオプション機能管理部11aは、まずデモンストレーションモードにおいてデモンストレーションが実行されたか否かを判断する(ステップS501)。そして既にデモンストレーションが実行されている場合にはステップS502に進み、未だデモンストレーションが実行されていない場合にはステップS503に進む。
ステップS502では、試用モードに対して設定される試用期間が既に経過したか否かを判断する。そして未だ試用期間が経過していない場合には、NOと判断し、何も行わずに処理を終了する。尚、試用期間のカウント動作が開始していない場合にもステップS502ではNOとなる。これに対し、試用期間が既に経過している場合には、YESと判断してステップS504に進み、ここでオプション機能の動作モードを本稼働モードに移行させる。
またステップS503では、オプション機能管理部11aは、試用モードにおいてオプション機能の試用が所定回数行われたか否かを判断する。所定回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。そして試用モードにおいてオプション機能の試用が所定回数行われていない場合には、NOと判断し、何も行わずに処理を終了する。これに対し、試用モードにおいて既にオプション機能の試用が所定回数行われている場合には、YESと判断してステップS504に進み、ここでオプション機能の動作モードを本稼働モードに移行させる。
尚、ステップS503の判断では、試用モードにおいてオプション機能の試用が所定回数行われたか否かを判断することに加え、オプション機能の試用期間が経過したか否かについても判断するように構成してもよい。この場合、試用モードにおいて既にオプション機能の試用が所定回数行われており、かつ試用期間が既に経過している場合に、YESとなってステップS504に進む。
以上のように本実施形態では、オプション機能に対する正常なライセンスコードが入力されていることを前提の条件とし、デモンストレーションモードにおいてデモンストレーションが実行済みであれば、試用モードの試用期間が経過した後に当該オプション機能が本稼働モードに移行する。この場合、試用モードの試用期間中、実際にユーザがオプション機能を試用していなくても本稼働モードに移行する。またデモンストレーションモードにおいてデモンストレーションが実行されていない場合には、試用モードにおいて実際にユーザが所定回数試用した後に当該オプション機能が本稼働モードに移行する。
したがって、本実施形態の画像形成装置1は、オプション機能を本稼働モードへ移行させるための条件として、ユーザがオプション機能のデモンストレーションを実行するか、或いは、ユーザが試用モードにおいて所定回数実際にオプション機能を試用することとしている。これにより、デモンストレーションモード或いは試用モードでユーザが実際に当該オプション機能を体験した後に本稼働モードに移行することになり、ユーザが当該オプション機能を全く体験していない状態での本稼働モードへの移行を防止することができるようになっている。
(変形例)
以上、本発明について幾つかの好ましい実施形態を説明したが、本発明は上述した内容に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、画像形成装置1がネットワーク2に接続されて使用される構成例について説明した。しかし、画像形成装置1のオプション機能には、ネットワーク接続環境下で使用される機能だけでなく、ネットワークに接続されていないスタンドアロン環境下でも使用することができる機能も含まれるため、本発明にかかる画像形成装置1は必ずしもネットワーク2に接続されて使用される場合に限定するものではない。
また上記実施形態において、オプション機能の一例としてウェブページ印刷機能を例示したが、画像形成装置1はウェブページ印刷機能以外にも様々なオプション機能を備えているため、本発明においてはオプション機能がどのような機能であるか特に限定するものではない。言い換えると、初期状態で無効に設定されているオプション機能であって、ユーザがそのオプション機能の有効化を指示した場合、画像形成装置1においてそのオプション機能を有効化させることができるようになっている機能であれば、どのような機能であってもよい。
また上記実施形態においては、主としてオプション機能の動作モードがデモンストレーションモードを終了すれば、その後、試用モードに移行する場合を例示したが、これに限定するものではなく、例えばデモンストレーションを実行した後に本稼働モードに移行するように構成してもよい。デモンストレーションを実行した後であれば、ユーザは当該オプション機能がどのような機能であるかを理解していると考えられるため、本稼働モードに移行しても特に問題はない。
また上記実施形態では、デモンストレーションモードにおいてデモ用サンプルデータ45に基づいてデモ実行部12がオプション機能に関するジョブを実行することにより、デモンストレーションを行う形態を例示したが、本発明におけるデモンストレーションは上述のものに限定するものではない。例えば、ジョブの実行を伴わないデモンストレーションであっても構わない。一例を挙げると、オプション機能に関する設定方法や操作方法などをユーザに教示するため、ひとつの設定例或いは操作例をデモンストレーションとして表示部21に操作案内画像(動画像表示や静止画のスライド表示など)を表示するようにしても良い。この場合、デモンストレーションを実行することにより、ユーザは表示部21に表示される操作案内画像に従って操作パネル20を操作していくことにより、オプション機能に関する設定方法や操作方法を習得することができるようになる。