JP5025344B2 - 現像ローラー、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像ローラー、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、現像ローラー、これを用いた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
複写機や光プリンタ等の電子写真装置の画像形成装置において、感光体に形成された静電潜像を現像(可視化)する方法として、導電性弾性体ローラーを使用した非磁性一成分接触現像法が知られている(特許文献1)。
非磁性一成分接触現像法は、以下のようなプロセスによる現像法である。回転可能な感光体を帯電ローラー等の帯電手段により一様に帯電し、一様に帯電した感光体表面に、レーザー光等の露光により静電潜像を形成する。静電潜像を担持した感光体に、現像ローラー表面に薄膜状に形成された現像剤を接触させながら、感光体と現像ローラーを相互に回転させる。このとき、現像ローラーに現像バイアスを印加すると、現像剤は現像ローラー上から感光体上の静電潜像へ移動し、静電潜像はトナー像として現像(可視化)される。
このような電子写真装置の画像形成装置の現像装置には、図9に示すように、現像剤を収納する現像剤容器29の開口を閉塞し、且つ、一部を容器外に露出させ、この露出部分において感光体25に対向するように現像ローラー24が設けられる。現像剤容器内には、現像ローラーに現像剤を供給する現像剤塗布用ローラー26、現像ローラー上の現像剤を薄膜に形成する現像ブレード27が設けられる。現像剤塗布用ローラーは、現像ローラー表面に接して設けられる場合も、接触せずにその近傍に設けられる場合もある。また、現像ブレードは、その先端近傍、例えば、先端から0.1〜5.0mmの位置において、現像ローラーに当接するように設置され、現像剤塗布用ローラーによって供給された現像ローラー上の現像剤を均一な厚さの薄膜状に形成する。
非磁性一成分接触現像法では、画像の出力を反復して行うと、現像ローラー表面に現像剤が融着し、現像剤の融着部分において、いわゆる融着スジと呼ばれる画像不良が発生する場合がある。現像剤の融着を抑制するためには、現像ローラーを低硬度材料で形成する方法が有効である。
しかしながら、低硬度材料で形成した現像ローラーにおいては、画像形成装置を作動させずに長時間放置すると、現像ブレードや感光体等とその一定位置が長時間当接することになり、この部分に塑性変形が生じる。その後、画像形成装置を作動して、画像出力を行うと、画像上にセット跡画像と称する画像不良が発生する傾向が高くなる。セット跡画像は、現像ローラーと感光体や現像ブレードとが当接していた部分に対応して発生する横線状の画像不良で、ハーフトーン画像やベタ画像に、濃い横線状のスジとして現れるものである。このような感光体等の当接圧力によって、現像ローラーに生じる塑性変形は、現像ローラーの硬度を高くすることによって抑制することができ、セット跡画像の抑制を図ることができる。
以上のように、一般的には、現像剤の融着の抑制と、塑性変形によるセット跡画像の抑制に対する対応策は、相反しており、低硬度でありながら、塑性変形しにくい、両者を高次元で両立可能な現像ローラーが求められている。
この要求に応えるべく、現像ローラーの材料改良が様々に試みられている。例えば、導電性円筒体と、両端を密閉する軸受けを有し、円筒内部をイオン導電性溶液で満たしたOA用ロール(特許文献2)が報告されている。また、導電性軸体からローラー表面への給電媒体として、導電性液体ではなく、導電性粉体を封入した帯電ローラー(特許文献3)が報告されている。
しかしながら、特許文献2に記載される現像ローラーでは、現像ローラーの内部に導電性の液体を注入し、該液体を通じて、導電性軸体(芯金)からローラー表面への給電を可能にしている。このローラーは、確かに、低硬度であって塑性変形を受けにくいものの、中空部に注入した液体がローラーの外に漏れ出す懸念がある。
また、本発明者らは、特許文献3に記載される帯電ローラーを、現像ローラーに適用することを試みたが、導電性粉体の封入量が少ないと、導電性軸体からローラー表面への給電が不安定となって、均一な画像を得ることができない。反対に、導電性粉体の封入量が多いと、隣り合う導電性粉体粒子の摩擦力によって、筒形基体の変形の復元が阻害され、ローラーの塑性変形が悪化する。
ところで、プリンタ等の帯電装置に用いられる帯電ローラーにおいて、印加される交流電圧により表層が振動することに起因する帯電音の発生を抑制するため、その内部を中空ないしスポンジ状の柔軟な材料で構成したことが報告されている(特許文献4)。しかしながら、このような中空ローラーを現像ローラーに適用し、低硬度でありながら塑性変形しにくいという相反する特性を両立可能とした現像ローラーは知られていない。
また、現像ローラーには、使用環境によらず、一定の濃度で現像できる現像ローラーも求められている。
特開昭52−125340号公報 特開2004−70166号公報 特開2003−140426号公報 特開平06−208278号公報
本発明の課題は、現像剤の融着を抑制し、塑性変形を抑制し、出力画像においてセット跡画像や融着スジ画像を抑制し、長期に亘り高品位の画像を得ることができ、液漏れのおそれがなく、部材としても安定性が高い現像ローラーを提供することにある。更に、使用環境により生じる画像濃度の変動を抑制し、一定の濃度の画像の現像を行うことができる現像ローラーや、電子写真プロセスカートリッジや、画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは、現像ローラーの表面への現像バイアス電源の供給を、導電性軸体から導電性の液体や粉体を介して給電するのではなく、導電性軸体から、ローラー端面を通じて給電することを考えた。そして、内部に気体層を有する現像ローラーにおいて、所望の低硬度を有するものであっても、感光体等と一定位置において長期間当接後に生じた変形は気体の圧力により復元され、塑性変形を抑制することができることの知見を得た。このため、現像剤の融着と塑性変形とを抑制し、融着スジ画像やセット跡画像を抑制し、長期に亘って高品位な画像を得ることができることの知見を得た。このような気体層は、密閉空間を形成し、この密閉空間に気体を封入することにより形成することができることを見い出した。
更に、本発明者らの検討の結果、気体層を有する現像ローラーにおいて、環境変化に対する画像濃度の変動を低減することができるという予期せぬ効果が得られることが分かった。つまり、現像ローラーにおいては、気温15℃、相対湿度10%等の低温低湿環境(L/L環境)と、気温30℃、相対湿度80%等の高温高湿環境(H/H環境)において、得られる画像の濃度差が小さいという効果が得られることの知見を得た。これは以下のような理由によることが分かった。
一成分接触現像方式において、画像の濃度を決定する重要な因子の一つに、現像ローラー上に薄膜状に形成された現像剤の量、即ち薄膜の厚さを挙げることができる。つまり、薄膜状の現像剤の厚さが厚ければ画像は濃くなり、厚さが薄ければ画像は薄くなる。したがって、画像の濃度を一定に保つためには、現像ローラー上の現像剤の膜厚を一定に保つ必要があり、これは現像ローラーに当接する現像ブレードの重要な機能である。現像ローラー上の現像剤の膜厚を厚くするためには、現像ブレードの先端から、現像ローラーとの当接位置までの距離(ニップエンド長さ)を長くして、現像ブレードの先端と現像ローラー表面間の距離を長くし、トナーの取り込み量の増量を図ればよい。反対に、現像ローラー上の現像剤の膜厚を薄くするには、ニップエンド長さを短くして、現像ブレードの先端と現像ローラー表面間の距離を短くし、トナーの取り込み量の減量を図ればよい。画像濃度は、経験上、L/L環境で上昇し、H/H環境で低下することが分かっており、現像ブレードの位置をこの環境に応じて適宜設定することで、現像剤量を調整し画像濃度の調節を行うことができる。しかしながら、現状の画像形成装置においては、現像ブレードと現像ローラーとを相対的に移動させる機構を備えたものはなく、使用環境によって画像濃度が変化しても、これを補正することはできない。
これに対して、気体を封入した気体層を有する現像ローラーにおいては、H/H環境では、気体層の体積が膨張し樹脂層を押し上げ、現像ローラーの外径を増大させる。これにより、図1に示すように、ニップエンド長さが長くなり、現像ローラー上に形成する現像剤の薄膜の厚さが厚くなる。反対に、L/L環境では、気体層の体積が減縮し現像ローラーの外径を縮小させる。このため、図2に示すように、ニップエンド長さが短くなり、現像ローラー上に形成する現像剤の薄膜の厚さが薄くなる。このように、気体層を有する現像ローラーでは、使用環境に伴ない直径が変化し、この変化が、ニップエンド長さを変化させる。これにより、現像ローラー上の現像剤の薄膜の厚さを変化させ、使用環境により生じる画像濃度の変動を相殺するような作用を有すると考えられる。かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、導電性軸体上に、気体が封入された気体層と樹脂層とを順次有する現像ローラーであって、樹脂層が、導電性軸体の外径より大きい内径を有するチューブにより形成され、気体層が、導電性軸体と、樹脂層を形成するチューブと、該チューブの両端の開口を閉塞する1対の導電性軸受けとにより形成される気密空間に形成されたことを特徴とする現像ローラーに関する。
また、本発明は、導電性軸体上に、気体が封入された気体層と樹脂層とを順次有する現像ローラーであって、樹脂層が、導電性軸体の長手方向の両端部の近傍において軸体の外径と同じ内径を有し、導電性軸体の長手方向の中央部において導電性軸体の外径より大きい内径を有するチューブにより形成され、気体層が、導電性軸体と、樹脂層を形成するチューブとにより形成される気密空間に形成されたことを特徴とする現像ローラーに関する。
また、本発明は、電子写真装置に着脱自在に設けられ、感光体へ薄膜状に形成した現像剤を供給し感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有する電子写真プロセスカートリッジにおいて、現像ローラーが上記現像ローラーであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジに関する。
また、本発明は、静電潜像を担持する感光体と、該感光体へ薄膜状に形成した現像剤を供給し感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有する画像形成装置において、現像ローラーが上記現像ローラーであることを特徴とする画像形成装置に関する。
本発明の現像ローラーは、現像剤の融着を抑制し、塑性変形を抑制し、出力画像においてセット跡画像や融着スジ画像を抑制し、長期に亘り高品位の画像を得ることができ、液漏れ等のおそれがなく、部材としても安定性が高い。本発明の電子写真プロセスカートリッジや画像形成装置は、出力画像においてセット跡画像や融着スジ画像を抑制し、長期に亘り高品位の画像を得ることができ、液漏れ等のおそれがなく、装置の安定性が高い。しかも、使用環境により生じる画像濃度の変動を抑制し、一定の濃度の画像の現像を行うことができる。
本発明の現像ローラーは、導電性軸体上に、気体が封入された気体層と樹脂層とを順次有する現像ローラーである。そして、樹脂層が、導電性軸体の外径より大きい内径を有するチューブにより形成され、気体層が、導電性軸体と、樹脂層を形成するチューブと、該チューブの両端の開口を閉塞する1対の導電性軸受けとにより形成される気密空間に形成されたことを特徴とする。
本発明の現像ローラーにおける軸体は、上層の気体層、樹脂層を支持可能な強度を有し、導電性を有するものである。軸体の材質としては、金属や導電性樹脂を用いることができるが、強度の観点から、金属が好ましい。かかる金属としては、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブテン鋼、クロム鋼、クロムモリブテン鋼、Al、Cr、Mo及びVを添加した窒化用鋼合金などを挙げることができる。
更に、軸体は防錆処理をしたものが好ましく、具体的には、軸体にめっき処理や、酸化処理を施すことが好ましい。めっき処理の種類としては、電気めっき、無電解めっきなどいずれも使用することができるが、めっき厚の均一性に優れる無電解めっきが好ましい。ここで使用される無電解めっきとしては、具体的には、ニッケルめっき、銅めっき、金めっき、カニゼンめっき、その他各種合金めっき等を挙げることができる。ニッケルめっきとしては、Ni−P、Ni−B、Ni−W−P、Ni−P−PTFE複合めっきなどを挙げることができる。めっき厚みは、0.05μm以上であることが好ましいが、防錆効果、作業効率、価格の点から、より好ましくは0.1〜30μmである。
軸体の外径は、4.5〜10mmが好ましい。軸体の外径が4.5mm以上であれば、軸体が充分な剛性を有し、画像形成における現像ローラーの撓みを抑制し、ローラー長手方向に亘って均一な画像濃度を得ることができる。軸体の外径が10mm以下であれば、全体の体積を低く抑え、充分な体積の気体層を確保することができる。
本発明の現像ローラーにおける気体層は、気密空間に空気、窒素等の気体を封入した層である。気体層に封入する気体として、いずれであってもよいが、窒素又は空気が好ましい。窒素又は空気が好適であることの理由として、窒素は、酸素や二酸化炭素等に比べ、ポリマーを透過しにくいので、樹脂層を介して気体層からの漏洩を抑制し、気体層内圧を長期間に亘って維持することができることが挙げられる。また、気体層から漏洩した窒素は、環境汚染への影響もなく、無害であり、更に、不燃性であるので、火災を誘発することもなく、他の不燃性ガス等と比較して、安価であるということを挙げることができる。
気体層の体積V1としては、現像ローラー全体の体積V2に対して、30%から80%であることが好ましい。ここで、現像ローラー全体の体積V2とは、両端から突出した軸体部分を除いた現像ローラーの有効部分の体積、即ち、現像ローラーの両端から突出した軸体部分を除いた軸体、気体層及び樹脂層の合計の体積を意味する。気体層の体積V1が現像ローラー全体の体積V2に対して、30%以上であれば、封入する気体の体積の変化によって、ニップエンド長さを、H/H環境とL/L環境において生じる画像濃度差を相殺できる変化量に調整することができる。このため、環境変化により生じる画像濃度差の低減を図ることができる。また、気体層の体積V1が現像ローラー全体の体積V2に対して、80%以下であれば、気密空間からの気体の漏洩を、より抑制できるように樹脂層を形成するチューブの厚みを設定することができるため、現像ローラーの長寿命化を図ることができる。また、ローラー全体の体積を増加させることなく導電性軸体の外径を、軸体の強度を保持する大きさとすることができ、軸体の撓みの増加を抑制することができる。このため、現像ブレードの当接圧力が現像ローラーの端部に集中して端部に生じる現像剤の融着の誘発を抑制することができる。気体層の体積V1としては、現像ローラー全体の合計の体積V2に対して、70〜80%がより好ましい。上記気体層の体積V1は、23℃における体積をいう。
上記気体層の体積は以下の方法により測定した測定値を採用することができる。気体層の体積の測定は、測定に先立って、現像ローラーを23℃の環境に12時間以上放置し、23℃において測定する。
次に、現像ローラーを軸方向を垂直方向にして配置し、気体層の上端部に直径1.0〜2.0mmの穴を開ける。穴を開けた後に、現像ローラーの質量W1(g)を測定する。
次に、現像ローラーの軸体の両端部を掴んで、現像ローラーの軸体が垂直方向となるように把持する。このとき、上記軸体以外のローラー部には何も触れないようにする。その後、先に開けた穴から、水面が気体層上端面と同じ高さになるまで純水を注入する。注水後、現像ローラーの質量W2(g)を測定する。注入した水の質量(W2−W1)を求め、23℃における水の比容積(1.002cm3/g)から、気体層の体積V1[(W2−W1)×1.002](cm3)を求める。
また、現像ローラー全体の体積V2としては、以下の方法による測定値に基づいて算出した値を採用することができる。
現像ローラーの両端部、中央部、及び両端部と中央部との中間部分(中点)の合計5箇所について、外径を、レーザー測長機等の非接触測定で測定し、測定結果の平均値を、現像ローラーの外径:D(cm)とする。また、現像ローラーの有効部分の左端面から右端面までの距離:L(cm)をノギス等で測定する。現像ローラー全体の体積V2は、以下の式によって求められる。
V2=D×D÷4×π×L(cm3
上記気体層内の圧力(絶対圧力)としては、0.12MPaから0.50MPaであることが好ましい。気体層内の圧力が、0.12MPa以上であれば、現像ローラーと現像ブレード等との当接部における塑性変形を抑制し、セット跡画像の発生を抑制することができる。これは、封入した気体の圧力により、現像ローラーの変形を押し戻す力を十分に得ることができるためであると考えられる。また、気体層内の圧力が0.50MPa以下であれば、現像ローラーの硬度が上昇することによる融着スジ画像の発生を抑制することができる。気体層内の圧力としては、0.15MPaから0.40MPaであることがより好ましい。ここで気体層内の圧力は23℃における絶対圧力とすることができる。
気体層内の圧力としては以下の測定装置を用いて測定して得られる測定値を採用することができる。
気体層内の圧力の測定に用いる測定装置には、図3に示すように、ゲージ圧力センサ(JP261−GCJ:横河電機株式会社製)100が、先端に、外径1.00mmの中空針103を有するシリンダー状のセンサーホルダ102に支持されて設けられる。圧力センサはその先端部周囲に、センサーホルダとの間隙を、0.5MPa以上の圧力が負荷されても完全にシール可能なガスケット101を有し、ゲージ圧力センサーホルダ内を後退して生じる空間に0.5MPa以上の気体を漏洩せずに導入可能に設置されている。
測定に先立って、現像ローラーを23±1℃の環境に12時間以上放置後、23±1℃の環境下において測定する。
次に、現像ローラーの軸体の両端部を掴んで、現像ローラーの軸体が垂直方向となるように把持する。このとき、上記軸体以外のローラー部には、何も触れないようにする。その後、中空針103をその先端が気体層内に位置するように突き刺し、圧力センサを後退させ、ゲージ圧力センサとセンサーホルダ間の空間内へ、気体層に封入されていた気体を導く。ゲージ圧力センサがセンサーホルダ内の最下位にあるときの、図3における斜線で示す空間の体積VS(cm3)が、気体層の体積と比較して無視できる程度に小さい場合には、測定圧力P1(MPa)を、そのままチューブ内のゲージ圧力とみなす。そして、該ゲージ圧力に大気圧力0.1(MPa)を加算することで、気体層の内圧(絶対圧力)を求めることができる。しかし、実際には、体積VSを、気体層の体積VRと比較して充分に小さくすることは困難であるので、大気圧力を0.1(MPa)と仮定して以下の補正を行う。
気体層の内圧(絶対圧力)(MPa)=P1(MPa)×(VR(cm3)+VS(cm3)÷VR(cm3)
+0.1(MPa)
上記補正は、大気圧を0.1MPaと仮定しているため、補正精度の観点から、体積VSが、体積VRの10%以下であることが好ましい。なお、補正精度を維持するために、上記の測定は、大気圧力(絶対圧力)が99(kPa)〜102(kPa)の環境にて行なうものとする。
上記気体層を作成するには、導電性軸体と、軸体の外径より大きい内径を有し、樹脂層を形成するチューブと、該チューブの両端の開口を閉塞する1対の導電性軸受けとにより形成される気密空間に気体を封入して形成することができる。
上記気体層となる気密空間を形成するチューブは、本発明の現像ローラーにおける樹脂層となるものである。チューブの材質としては、樹脂、エラストマー、ゴムや、これらの複合材料等いずれのものであってもよいが、気体の透過率が低いものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアミドを好ましいものとして挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、チューブは単層でも、多層構造でもよく、上記樹脂の1種又は2種以上からなる層を2層以上組み合わせた多層構造体として用いることができる。更に、樹脂と、アルミニウム蒸着等の金属層との多層構造とすると、樹脂層への導電性付与と共に、気体の透過率を低減することができるため、好ましい。
上記チューブは導電性を有することが好ましく、具体的には、体積抵抗値として、1×105〜1×1012Ωcmを有することが好ましい。チューブを導電性にするためには、チューブを構成する樹脂等に導電剤を混合することができる。かかる導電剤としては、カーボンブラック、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、アンチモンをドープした酸化錫で酸化チタンを被覆した金属酸化物を挙げることができる。その他、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル等の高分子型の帯電防止剤、カチオン系、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤などを用いることができる。これらの中でも、カーボンブラック、金属酸化物、高分子型の帯電防止剤は、チューブのべたつきを増加させることから、好ましい。
ここで上記体積抵抗値は、以下の方法で求めた値を採用することができる。抵抗計として、超高抵抗計R8340A(アドバンテスト社製)を用い、以下の条件で測定を行う。
測定モード:プログラムモード5
(チャージ及びメジャー30秒、ディスチャージ10秒)
印加電圧:100(V)
試料箱:超高抵抗計測定用試料箱TR42(アドバンテスト社製)、主電極は口径10mm厚さ10mmの金属、ガードリング電極は内径20mm、外径28mm厚さ10mmの金属とする。
試験片:被測定物から直径30mmのシートを切り出す。切り出した試験片の片面には、その全面にPt−Pd蒸着を行うことで蒸着膜電極(裏面電極)を設け、もう一方の面には同じくPt−Pd蒸着膜により、直径15mmの主電極膜と、内径18mm、外径28mmのガードリング電極膜を同心状に設ける。なお、Pt−Pd蒸着膜は、マイルドスパッタE1030(日立製作所製)を用い、電流値15mAにて蒸着操作を2分間行って得る。蒸着操作を終了したものを測定サンプルとする。
測定時には、口径10mmの主電極を口径15mmの主電極膜からはみ出さないように置く。また、内径20mmのガードリング電極を、内径18mmのガードリング電極膜からはみ出さないように、電極膜の上に置いて測定する。測定は、気温23℃、相対湿度50%の環境で行うが、測定に先立って、測定サンプルを、該環境に12時間以上放置しておく。
以上の状態で、サンプルの体積抵抗(Ω)を測定する。次に、測定した体積抵抗値をRM(Ω)、チューブの厚さをt(cm)とするとき、チューブの体積抵抗率RR(Ωcm)を、以下の式によって求める。
RR(Ωcm)=π×0.75×0.75×RM(Ω)÷(4×t(cm))
上記チューブは、温度25℃における窒素透過度として、0.1〜20.0fm/(s/Pa)を有することが好ましい。チューブが後述する厚さを有する場合、窒素透過度として0.1fm/(s・Pa)以上のチューブを容易に作製することができる。チューブの窒素透過度が20.0fm/(s/Pa)以下であれば、封入した気体の漏洩を長時間に亘って抑制することができる。チューブの窒素透過度の、より好ましい範囲としては0.2〜2.0fm/(s/Pa)を挙げることができる。また、チューブの外周面に、後述するウレタン樹脂層を有する場合、チューブの窒素透過度としては、ウレタン樹脂層を含めたチューブの気体透過度とすることができる。
なお、封入した気体の漏洩を考えると、チューブの窒素透過度は小さいほど好ましい。しかし、現時点で容易に入手できるゴム・樹脂材料からなるフィルム(該フィルムに金属の蒸着処理をしたものを含む。)で、窒素透過度を0.1(fm/(s/Pa))より小さくすることは困難である。このため、チューブの窒素透過度の現実的な下限値として0.1(fm/(s/Pa))を設定しているが、より低透過度の樹脂が上市されれば、より低透過度のチュ−ブを採用することができる。
ここで、チューブの温度25℃における窒素透過率としては、該チューブを直径30mmの円盤形状に切り抜いたものを試験片として、以下の方法により測定した測定値を採用することができる。JIS K7126:1987に記載のA法(差圧法)に基いて、窒素ガス(JIS K1107:2005に記載の2級窒素)を試験気体として測定する。
チューブの厚さとしては、25μm〜1500μmが好ましい。チューブの厚さが25μm以上であると、機械強度を有し、現像ローラーにおいて優れた耐久性を有し、窒素透過率を上記の範囲とすることができる。チューブの厚さが1500μm以下であると、チューブの剛性が過大となり現像ローラーにおいて変形に対する復元力が低下するのを抑制し、セット跡画像の出力を抑制することができる。
上記チューブの製法としては、押し出し成形法、インフレーション成形法、射出成形法、浸漬法等の塗工法を挙げることができる。浸漬法としては、具体的には、チューブの原料を分散溶解させた塗工液を調製し、チューブ内径と同一の外径を有する軸体を、塗工液に浸漬し、得られた塗膜を乾燥/硬化させた後に、軸体から抜き取る方法等を挙げることができる。これらの中でも、折り目もなく連続生産が可能な押し出し成形法が、好ましい。
チューブを押し出し成形法によって製造する場合、環状ダイスを用いることになるが、該ダイスと押し出し材料が接触する面(流路)は、クロムめっき加工にて平滑にすると、押し出しスジのない平滑なチューブが得られる。これを用いた現像ローラーにおいてスジのない良好な画像を得ることができる。
上記チューブの両端の開口を閉塞する1対の導電性軸受けは、軸体を貫通させチューブの端部を密着させて気密空間を形成するものである。かかる軸受けの材質としては、気体の透過率が低く導電性を有するものが好ましく、樹脂、ゴム、エラストマー等いずれの材質であってもよいが、具体的には、上記チューブとして例示したものと同様のものを例示することができる。更に、アルミニウム蒸着等の金属層を有するものであってもよい。これらの材料の中で、ポリアミドが最も好適である。その理由として、ポリアミドは、窒素透過度が小さい材料であるため、封入した気体が軸受けを透過するのを抑制することができる。更に、ポリアミドは、潤滑性、柔軟性、強靭性を備えているので、軸受けを軸体に容易に圧入することができ、軸受けと軸体間からの気体の漏洩を抑制することができる。
上記軸受けの導電性としては、電気抵抗値が1〜1×105Ωの範囲であることが好ましい。このような導電性を軸受けに付与するためには、導電剤を添加することができる。導電剤としては、具体的には、上記チューブに用いる導電剤として、例示したものと同様のものを挙げることができる。これらの中でも、1〜1×105(Ωcm)の抵抗値に調節することが容易な、カーボンブラック、金属酸化物が好適である。
ここで軸受けの電気抵抗値の測定は、抵抗計:超高抵抗計R8340A(アドバンテスト社製)を用いて以下の条件により測定した測定値を採用することができる。
測定モード:プログラムモード5(チャージ及びメジャー30秒、ディスチャージ10秒)
印加電圧:0.01(V)
試料箱:超高抵抗計測定用試料箱TR42(アドバンテスト社製)主電極は直径12mm、厚さ10mmの金属、ガードリング電極は使用しない。
試験片:現像ローラーから軸受けを切り出して、そのまま試験片とする。
測定は、23℃/50%RHの環境で行うが、測定に先立って、測定サンプルを、該環境に12時間以上放置しておく。試験片を、試料箱の電極の上に水平に置き、その上に口径12mmの主電極を、試験片からはみ出さないように置いて、軸受けの厚み方向の抵抗値を測定する。体積抵抗率への換算は行わない。したがって、単位はΩである。
上記軸受けは、上記チューブの端部と接着するため、チューブの内径と略同一の外径を有し、軸体を貫通する貫通孔とを有する。軸受けの貫通孔の直径(d4c)は、軸体の外径(D4a)に対して、−50μmから+30μmの範囲(D4a−50μm≦d4c≦D4a+30μm)であることが好ましい。軸受けの貫通孔の直径が軸体外径に30μmを加えた長さ以下であれば、軸受けの中心と軸体の中心とのズレの発生を抑制し、得られる現像ローラーの真円度を高精度に得ることができ、画像濃度ムラの発生を抑制することができる。また、軸受けの貫通孔と軸体外周面間の距離(間隙)が充分に短く、気体の漏洩を抑制することができる。一方、軸受けの貫通孔の直径が軸体外径から50μmを除した長さ以上であれば、軸受けの軸体への圧入を容易に行うことができる。
上記軸受けの外径D4cは、チューブの内径d4bに対して、−30μmから+30μmの範囲(d4b−30μm≦D4c≦d4b+30μm)であることが好ましい。軸受けの外径がチューブ内径に30μmを加えた長さ以下であれば、軸受けをチューブに嵌合し容易に接着することができる。軸受けの外径がチューブ内径から30μmを除した長さ以上であれば、軸受けの中心とチューブの中心とのズレの発生を抑制し、得られる現像ローラーの真円度を高精度に得ることができ、画像濃度ムラの発生を抑制することができる。
上記軸受けの厚さとしては、2〜10mm程度が好ましい。軸受けの厚さが2mm以上であれば、軸受けと軸体との対向面積、軸受けとチューブとの対向面積として、気密空間を形成するための充分な接着面積を確保することができる。軸受けの厚さが10mm以下であれば、現像ローラーの長尺化を抑制し、装置の大型化を抑制することができる。
軸受けの製法としては、射出成形法、切削法等を挙げることができるが、射出成形法は、簡便な工法で、低コストであることから好ましい。射出成形法により軸受けを製造する場合には、ゲート位置を、軸受けとチューブが接触する面(軸受けの外周面)及び、軸受けと軸体が接触する面(軸受けの貫通孔面)以外の位置にすることが好ましい。軸受けの外周面又は貫通孔面以外をゲート位置とすることにより、軸受けの外周面又は貫通孔面から気体が漏洩するのを抑制することができる。
上記気体層を形成するには、例えば、軸体に軸受けを圧入し、これらを接着する。このとき、必要に応じて接着剤を用いることもできる。その後、目的とする気体層の内圧と同じ圧力の気体、例えば、空気、あるいは窒素等が充填された圧力室内において、軸体に圧入した軸受けとチューブの接着を行う。チューブと軸受けとの接着は接着剤を用いることができる。接着剤の硬化により、目的とする内圧の気体が封入された気体層と、樹脂層を有する現像ローラーを得ることができる。
また、気体層の別途の成形方法としては、軸受けに封止用の小穴を開けておき、この軸受けと、軸体と、チューブとを大気圧下で接着してローラーを組み立てる。次に、目的とする気体層の圧力と同程度の圧力を有する圧力室内において、軸受けの小穴を封止する方法を挙げることができる。軸受けの小穴の封止方法としては、接着剤を注入する方法、穴の内径よりも若干太い外径を有する金属棒を小穴に圧入する方法、これらを併用する方法、ネジを螺着する方法等を挙げることができる。以上の方法によって、目的とする内圧の気体が封入された気体層と、樹脂層を有する現像ローラーを得ることができる。
本発明の現像ローラーにおける気体層の気密空間を形成するために用いるチューブとしては、以下のものを使用することができる。
軸体の長手方向の両端部の近傍において軸体の外径と同じ内径を有し、軸体の長手方向の中央部において軸体の外径より大きい内径を有するもの(以下、小径開口チューブという。)である。この小径開口チューブは、内径が軸体の長手方向の両端部近傍において軸体の外径と同じ内径を有し、両端部を、直接、軸体に接着する。このため、上記軸受けを使用せず、チューブと軸体で、気体を封入する密閉空間を形成することができる。具体的には、両端部と中央部が同寸状の上記チューブ(以下、円筒状チューブという。)において、両端の内径を軸体の外径と同じ小径に形成したものを使用することができる。ここで、軸体の長手方向の両端部の近傍とは、具体的には、チューブの一方の小径開口から、例えば、1〜15mm程度の範囲を挙げることができ、この両端部の範囲を除いた部分を、軸体の長手方向の中央部とすることができる。
この小径開口チューブの成形方法として、以下の方法を挙げることができる。(1)チューブを押し出し成形した後に、チューブの両端を熱収縮によって細くする方法。(2)射出成形法。(3)回転成形法(回転した型に粉末原料を遠心力によって付着させ、型を加熱して粉末原料を溶融させた後に、型から成形物を取り外す方法)。
このような小径開口チューブの材質としては、具体的には、上記チューブにおいて例示したものと同様の材質を挙げることができる。
小径開口チューブを用いて気体層を形成する方法としては、具体的には、目的とする気体層内の圧力に保たれた圧力室内で、小径開口チューブと軸体とを接着することにより、所定の内圧を有する気体層を備えた現像ローラーを得ることができる。小径開口チューブと軸体との接着方法としては、上記軸体と軸受けとの接着方法を挙げることができる。
本発明の現像ローラーにおける樹脂層は、上記チューブからなるものであってもよいが、ウレタン樹脂層を有することが好ましい。ウレタン樹脂層を有することにより、トナーの融着をより抑制することができ、気体層からの気体の漏洩を抑制することができる。かかるウレタン樹脂層に含まれるウレタン樹脂としては、エステル結合を有するウレタン、エーテル結合を有するウレタン等のウレタン樹脂を使用することができる。現像ローラー表面へのトナーの融着を抑制する観点から、ガラス転移温度(Tg)が40℃以下の、柔らかいウレタン樹脂を用いることが好ましい。
ウレタン樹脂層には、カーボンブラックや、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、アンチモンをドープした酸化錫で酸化チタンを被覆した金属酸化物等の導電剤が含まれていてもよい。またポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル等の高分子型の帯電防止剤、カチオン系、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤が含まれていてもよい。
上記ウレタン樹脂層は、表面粗さRaとして、0.8〜2.0μmの範囲であることが、現像剤の担持を容易にすることから、好ましい。
表面粗さRaはJIS BO601:1982に準拠した測定方法により得られた測定値を採用することができる。具体的には、接触式表面粗さ計(商品名:サーフコム480A;東京精密製)を用いた。また、測定は、半径2μmの触針を用い、押し付け圧0.7mN、測定速度0.3mm/sec、測定倍率5000倍、カットオフ波長0.8mm、測定長さ2.5mmの条件で行う。測定箇所は、軸方向3点(軸方向に対して現像ローラーの両端部からそれぞれ3cmの位置と中央部)に対して周方向3点の測定を行い、合計9点の相加平均値を表面粗さRaとする。なお、周方向の位置は任意とする。
このような表面粗さを得るために、ウレタン樹脂層に、面積相当径(投影面積と等しい面積を持つ円の直径)による平均粒子径が1〜10μmの微粒子を含有することが好ましい。このような微粒子を含有することにより、樹脂層表面粗さが大きくなり、現像ローラー表面において現像剤の搬送を容易にすることができる。微粒子の材質としては、例えば、ポリメチルメタクリル酸メチル微粒子、シリコーンゴム微粒子、ポリウレタン微粒子、フェノール樹脂微粒子等を挙げることができる。これらの微粒子は、ウレタン樹脂100質量部に対して、10〜100質量部の範囲で添加することが好ましい。微粒子の添加量が10質量部以上であれば現像剤の搬送を容易とする表面を形成することができ、100質量部以下であればウレタン樹脂層が脆弱になるのを抑制することができる。
ウレタン樹脂層の厚さは、3〜50μmが好ましい。厚さが3μm以上であれば、現像ローラー表面へのトナーの融着を抑制することができ、50μm以下であればウレタン樹脂層の剛性が過大になるのを抑制し、環境変化に追従する現像ローラーの外径変動の阻害を抑制することができる。
上記ウレタン樹脂層を成形する方法としては、上記ウレタン樹脂を含有する塗工液を調製する。塗工液の調製には、ウレタン樹脂と必要に応じて各種添加剤や微粒子、溶剤を、例えば、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビースを利用した分散装置等を用いて得られる分散液を使用できる。この塗工液を用いて、スプレー法、ディッピング法等により、チューブ表面上に塗膜を形成し、これを硬化して成形する方法を挙げることができる。
上記チューブ表面上にウレタン樹脂層を成形する時期としては、軸体とチューブとの接着を行い、気体の封入後であっても、また、軸体との接着を行う前の部材としてのチューブに成形することもできる。
本発明の現像ローラーにおいては、気体層を有するため、環境変化に伴い、外径が変動する。現像ローラーの外径の変動範囲としては、式(1)の範囲で変化することが好ましい。
0.20≦(D1−D2)÷D2×100≦1.00 (1)
式中、D1は温度30℃相対湿度80%(H/H環境)時の外径、D2は温度15℃相対湿度10%(L/L環境)時の外径を表す。より好ましい(D1−D2)÷D2×100の範囲は、0.20〜0.60である。(D1−D2)÷D2×100が上記の範囲であると、H/H環境とL/L環境とで得られる画像の濃度の変動を抑制し、環境変化によらず一定の濃度の画像を得ることができる。
このような本発明の現像ローラーの一例として、図4、図5に示すものを挙げることができる。図4に示す現像ローラーは、導電性軸体4aと、樹脂層を形成する円筒状チューブ4bと、左右一対の軸受け4cとを有する。軸受け4cと円筒状チューブ4bとが接する面は、例えば、導電性の接着剤によって接着するなど、気密に接着されている。また、図5に示す現像ローラーは、軸体4aと、樹脂層を形成する小径開口チューブ4dとを有する。軸体4aと小径開口チューブ4dとが接する面は、同様に、導電性の接着剤を用いるなど、気密に接着されている。
本発明の電子写真プロセスカートリッジは、電子写真装置に着脱自在に設けられ、感光体へ薄膜状に形成した現像剤を供給し感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有し、現像ローラーが上記現像ローラーであることを特徴とする。
本発明の電子写真プロセスカートリッジは、電子写真装置の画像形成装置に着脱自在に設けられ、交換可能なものである。その一例として、図6に示すものを挙げることができる。図6に示す電子写真プロセスカートリッジには、主として、矢印の方向に回転可能な静電潜像を担持する感光体5が設けられる。感光体に対向して、上記本発明の現像ローラー4と、帯電ローラー8とが配置され、現像剤を収納する現像剤容器9内に現像剤塗布用ローラー6が設けられ、現像剤容器9の端部に現像ブレード7とが一体化されて設けられている。
本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持する感光体と、該感光体へ薄膜状に形成した現像剤を供給し感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有し、現像ローラーが上記現像ローラーであることを特徴とする。
本発明の画像形成装置の一例として、図7に示すタンデム方式のカラー画像形成装置を挙げることができる。図7の概略構成図に示す画像形成装置には、イエロートナー、マゼンダトナー、シアントナー、ブラックトナー等各色トナー毎に設けられる画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kが設けられる。各画像形成ユニットは上記電子写真プロセスカートリッジを適用することができる。この、画像形成装置には、帯電ローラー8によって一様に帯電された感光体に静電潜像を形成する露光手段(図示せず)が設けられる。更に、記録材を搬送する搬送ベルト1を介して、各画像形成ユニットの感光体に対向して設けられる転写ローラー2、記録材上の画像の定着を行う定着装置3等が備えられる。その他、転写後に感光体上に残留する現像剤の除去を行うクリーニング部材等が設けられる。
このような画像形成装置による画像形成は、以下のようにして行う。
感光体5を帯電ローラー8によって均一に帯電する。次に、露光手段によって感光体上に、潜像を形成する。現像剤を、現像剤塗布用ローラー6によって、現像ローラー4の表面に送り、現像ブレード7によって現像ローラー4の表面上に均一の厚さの薄膜に整える。その状態で現像ローラーと感光体を接触させ現像を行う。感光体上に形成したトナー剤は、搬送ベルト2によって搬送される記録材の裏面から転写ローラーによって押圧され、転写ローラーに印加した転写バイアス電荷によって記録材へ移動する。搬送ベルトは各画像形成ユニットと同期して移動して記録材を搬送するため、各画像形成ユニットにおいて形成されたトナー像は記録材に重畳して転写される。記録材上の重畳トナー像が、定着装置3において熱と圧力によって、記録材上に定着されることにより、画像形成が完了する。
本発明の電子写真プロセスカートリッジは、上記の他、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写ローラーや、クリーニング部材等を上記の部材と共に、又は上記の部材のいずれか一個又は二個以上と交換して一体的に設けたものであってもよい。
以下に、本発明の現像ローラー、電子写真プロセスカートリッジ、電子写真画像形成装置を具体的に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
[軸体の作製]
硫黄複合快削鋼(SUM24L)を、直径6.00mm、長さ270mmの丸棒に加工し、該丸棒の片端に、Dカット加工を施した。Dカットは、現像ローラーを駆動するためのギアを嵌合するためのものである。次に、厚さ4μmの化学ニッケルめっき(カニゼンめっき)を施し、軸体を完成した。
[チューブの調製]
以下の材料を溶融混練し、押し出し機と環状ダイスを用いて押し出し成形し、長さ240mmにカットして、厚さ60μm、内径11.84mmのチューブを得た。
エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(ソアノールDT2903:日本合成化学工業株式会社製)100質量部。
カーボンブラック(デンカブラック粒状品:電気化学工業製)30質量部。
該チューブ外周面の表面粗さはRa=0.15μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)であった。
次に、ウレタン樹脂を含む塗料を調製した。まず、ウレタン塗料(ニッポランN5033:日本ポリウレタン社製)に、カーボンブラック(MA230:三菱化学社製)と微粒子としてPMMA粒子(MX−1000:綜研化学社製)とを添加した。カーボンブラックとPMMA粒子は各々、ウレタン樹脂固形分100質量部に対して15質量部添加した。次いで、これを、全固形分が10質量%になるように、メチルエチルケトンで希釈した。更に、これを、ボールミルで攪拌分散した後、硬化剤(コロネートL:日本ポリウレタン工業社製)を希釈前のウレタン塗料(すなわちニッポランN5033)100質量部に対して10質量部添加して攪拌し、ウレタン樹脂層用塗料を調製した。
得られたウレタン樹脂層用塗料をチューブにディッピング塗工し、60℃のオーブンで15分乾燥後、80℃のオーブンで4時間硬化し、ウレタン樹脂層を有するチューブを成形した。ウレタン樹脂層(塗膜)の厚さは20μm、ウレタン樹脂層を含めたチューブの厚さは80μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)、Raは1.00μmであった。ウレタン樹脂層を含むチューブの窒素透過度を測定した。結果を、表1に示す。
[軸受けの調製]
層状珪酸塩を分散させたナノコンポジットポリアミド6樹脂(M1030DH:ユニチカ社製)100質量部と、カーボンブラック(デンカブラック粒状品:電気化学工業製)40質量部を溶融混練し、射出成形によって、軸受けを調製した。軸受けの形状は、外径11.83mm、厚み3mmであり、中央に直径5.87mmの穴Aを開けた。また、軸受けの中心から4.5mm離れた位置に、直径1.75mmの穴Bを開けた。穴Aは、軸体を圧入するためのものである。穴Bは、後に述べるように、M2のセットビスを螺着するための下穴である。軸受けの厚み抵抗は、1×104(Ω)であった。
[現像ローラーの組み立て]
まず、大気圧下で、一対の軸受けを、軸体に圧入し、軸受けと軸体とが接する部分に、導電性接着剤(ドータイトXA910:藤倉化成株式会社製)を塗布して100℃のオーブンで30分硬化させた。
次に、チューブの内周面の両端に、幅3mmで導電性接着剤(ドータイトXA910:藤倉化成株式会社製)を塗布し、軸受けを圧入し接着した軸体を挿入し、軸受けの外周面と、チューブの両端部内周面とを接触させた。この状態で、100℃のオーブンに60分間入れて、軸体、チューブ、一対の軸受けを接着させ一体化した。
一体化した軸体、チューブ、一対の軸受けを、温度23℃、JIS K1107:2005に記載の2級窒素ガスを充満した圧力室に配置し、軸受けに開けた穴Bからチューブ内に窒素ガスが流入した。上記導電性接着剤をねじ溝に塗布したクロムモリブデン鋼(SCM435)製のセットビス(外周面にM2のおねじ溝が刻まれており、セットビスの長さ3mm)を、軸受けの穴Bにねじ込んで、封止した。穴Bは単なる丸穴であり、めねじ溝を加工していないが、軸受けが樹脂製であるので、金属製のセットビスを容易に螺合できた。穴Bを左右の軸受けの両方に設けた場合は、双方とも封止し、窒素を封入した現像ローラーを得た。
得られた現像ローラーの23℃における外径は、12.141mmであった。H/H(温度30℃相対湿度80%)とL/L(温度15℃相対湿度10%)における現像ローラーの外径、封入した気体の圧力、気体の透過度、中空比率を測定した。中空比率は、現像ローラー全体の体積V2に対するチューブ内の体積V1の割合を示す。結果を表1に示す。
[電子写真プロセスカートリッジ]
得られた現像ローラーを図4に示す電子写真プロセスカートリッジに組み込んだ。現像剤には、スチレンモノマー、n−ブチルアクリレートモノマー、ポリエステル樹脂、帯電制御剤、ワックス、着色剤、重合開始剤等を公知の重合法によって重合(造粒)・濾過・洗浄・乾燥し、更にシリカ微粉末を外添混合した重合トナーを用いた。重合トナーのガラス転移温度63℃、重量平均粒径6.8μmであった。
現像ブレードは、厚さ100μm、りん青銅製の板(縦弾性係数=9.8×104N/mm)を用いた。現像ローラー上の現像剤の薄層の量(コート量)が0.35mg/cm2)となるように、現像ローラーに対する現像ブレードの位置を調整して取り付けた。現像ブレードの現像ローラーと接触しない側の端部を、プロセスカートリッジの枠体に取り付けた。固定端から、現像ローラーと現像ブレードとの接触部までの距離は10mmに設定した。このため、現像ブレードは、現像ローラーと当接することによって、支点から荷重点までの距離が10mmの片持ち梁の要領で変形を受ける(図1および図2)。
[画像形成]
作製した電子写真プロセスカートリッジを、図5に示す画像形成装置に組み込み、H/H環境及びL/L環境で、7000枚の連続出力を行い、耐久試験を行った。H/H環境及びL/L環境共に、5000枚出力後、ベタ画像(シアン色)の濃度を測定した。画像濃度の測定には、マクベス濃度計RD918(マクベス社製)を用いた。
また、耐久試験前のプロセスカートリッジを、気温40℃、相対湿度95%の環境に10日間放置した後、気温23℃、相対湿度50%の環境に24時間放置した。そして、気温23℃、相対湿度50%の環境で、ベタ画像(シアン色)の出力を行った。
画像評価は、現像ローラーと現像ブレードとが当接していた部分に現れる横スジ状の画像不良(セット跡画像)と、トナー融着部分に表れる縦スジ状の画像不良(トナー融着画像)を、以下の基準により行った。結果を表1に示す。
A:画像不良は全く認められない。
B:軽微な画像不良が認められるが、実用上支障がない。
C:画像不良が明確に認められる。
[実施例2]
[チューブの調製]
エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(ソアノールDT2903:日本合成化学工業株式会社製)100質量部に替えた。また、ポリエチレンナフタレート樹脂(テオネックスTN8056S:帝人化成製)100質量部を用いた。その他は、実施例1と同様にして、厚さ25μm、内径11.91mmのチューブを得た。該チューブ外周面の表面粗さはRa=0.25μm、体積抵抗率は5×109(Ωcm)であった。
次に、実施例1と同様にして、ウレタン樹脂層を有するチューブを成形した。ウレタン樹脂層の厚さは20μmであった。
次に、チューブの内周面に、厚さ500オングストロームのアルミニウム蒸着膜を設け、チューブを調製した。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、45μm、体積抵抗率は5×109(Ωcm)、Raは1.20μmであった。なお、体積抵抗率の測定にあたっては、ウレタン樹脂を含む層の側に主電極を設け、アルミニウム蒸着膜を設けた層の側に裏面電極を設けた(以下同じ。)。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径を11.90mmにした他は、実施例1と同様にして作製した軸受けを用い、上記チューブを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.166mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
[チューブの調製]
押出機からの押出し厚さ25μm、内径11.91mmとし、実施例2と同様にしてアルミニウム蒸着膜を作製した他は、実施例1と同様にチューブを作製した。ウレタン樹脂層成形前のチューブ外周面の表面粗さはRa=0.15μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)であった。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、45μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)、Raは1.00μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径を11.90mmにした他は、実施例1と同様にして作製した軸受けを用い、上記チューブを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.166mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(ソアノールDT2903:日本合成化学工業株式会社製)100質量部に替えポリエチレンテレフタレート樹脂(TR8550:帝人化成製)100質量部を用いた。また、押出機からの押出し厚さ40μm、内径11.88mmとし、実施例2と同様にしてアルミニウム蒸着膜を作製した他は、実施例1と同様にチューブを作製した。ウレタン樹脂層成形前のチューブ外周面の表面粗さはRa=0.05μm、体積抵抗率は1×1010(Ωcm)であった。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、60μm、体積抵抗率は8×109(Ωcm)、Raは0.80μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径を11.87mmにした他は、実施例1と同様にして作製した軸受けを用い、上記チューブを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.265mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
圧力室の窒素ガス圧を高くした他は、実施例3と同様に現像ローラーを作製し、これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
[チューブの調製]
エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(ソアノールDT2903:日本合成化学工業株式会社製)100質量部に替えて、ポリアミド6樹脂(M1040:ユニチカ製)100質量部を用いた。また、押出機からの押出し厚さ25μm、内径11.91mmとし、実施例2と同様にしてアルミニウム蒸着膜を作製した他は、実施例1と同様にチューブを作製した。ウレタン樹脂層成形前のチューブ外周面の表面粗さはRa=0.25μm、体積抵抗率は1×108(Ωcm)であった。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、45μm、体積抵抗率は9×108(Ωcm)、Raは1.10μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径を11.87mmにした他は、実施例1と同様にして作製した軸受けを用い、上記チューブを用い、圧力室の窒素ガス圧を高くした他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.196mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
更に、現像ローラーを組立てた後、温度30℃、相対湿度80%の環境に4ヶ月間放置した後、実施例1と同様に電子写真プロセスカートリッジに組み込み、環境に放置した後、同様に画像の出力を行った。セット跡画像のレベルは、4ヶ月間放置前と変わらないレベルであった。
[実施例7]
[チューブの調製]
エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(ソアノールDT2903:日本合成化学工業株式会社製)100質量部と、カーボンブラック(デンカブラック粒状品:電気化学工業製)30質量部を溶融混練しペレット1を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂(LF128:日本ポリエチレン製)100質量部と、カーボンブラック(デンカブラック粒状品:電気化学工業製)30質量部を溶融混練しペレット2を得た。2台の押し出し機と、多層成形用の環状ダイスを準備して、ペレット2によって形成される層が外層に、ペレット1によって形成される層が内層になるように、多層チューブを押し出した。これを、長さ240mmにカットして、厚さ50μm、内径11.82mmのチューブを得た。該チューブ外周面の表面粗さはRa=0.15μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)であった。なお、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂を含む層の厚さは25μm、低密度ポリエチレン樹脂を含む層の厚さも25μmとした。
実施例1と同様にしてウレタン樹脂層を含むチューブを得た。ウレタン樹脂層の厚さは20μmであった。得られたチューブに実施例2と同様にして、厚さ1000オングストロームのアルミニウム蒸着層を設けた。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、70μm、体積抵抗率は9×108(Ωcm)、Raは1.10μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径を11.85mmにした他は、実施例1と同様にして作製した軸受けを用い、上記チューブを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.155mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
アルミニウム蒸着膜を50オングストロームに変更した他は、実施例4と同様にチューブを作製した。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、60μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)、Raは0.80μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
上記チューブを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.326mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例9]
[チューブの調製]
押出機からの押出し厚さ50μm、内径11.86mmとし、実施例2と同様にして1000オングストロームのアルミニウム蒸着膜を作製した他は、実施例1と同様にチューブを作製した。ウレタン樹脂層成形前のチューブ外周面の表面粗さはRa=0.15μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)であった。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、70μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)、Raは1.00μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径を11.85mmにした他は、実施例1と同様にして作製した軸受けを用い、上記チューブを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.265mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例10]
[チューブの調製]
エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(ソアノールDT2903:日本合成化学工業株式会社製)100質量部に替えて、低密度ポリエチレン樹脂(LF128:日本ポリエチレン製)100質量部を用いた。押出機からの押出し厚さ240μm、内径15.52mmとし、実施例2と同様にして200オングストロームのアルミニウム蒸着膜を作製した他は、実施例1と同様にチューブを作製した。ウレタン樹脂層成形前のチューブ外周面の表面粗さはRa=0.15μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)であった。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、260μm、体積抵抗率は9×108(Ωcm)、Raは1.10μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径8.00mmにした他は実施例1と同様の軸体を用いた。また、外径を15.51mmにした他は、実施例1と同様にして作製した軸受けを用いた。そして、上記チューブを用い、圧力室の窒素ガス圧を高くした以外は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径16.180mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例11]
[チューブの調製]
ポリカーボネート樹脂(パンライトK1300Y:帝人化学製)100質量部を、クロロベンゼン1000質量部に溶解させた後、カーボンブラック(デンカブラック粒状品:電気化学工業製)50質量部を添加した。ボールミルで攪拌分散し、ポリカーボネート塗料を作成した。該塗料を、直径12mmの芯金の外周面にスプレーコーティングし、100℃で30分乾燥させた後、140℃で1時間乾燥させることにより、芯金の外周面に厚さ2μmの半導電性ポリカーボネート皮膜を形成した。
次に、以下の物質を混練しブチルゴムコンパウンドを製作した。
ブチルゴム(ブチル365:エクソンモービル社製) 100質量部
カーボンブラック(デンカブラック粒状品:電気化学工業製) 35質量部
酸化亜鉛(酸化亜鉛1号:堺化学製) 10質量部
ステアリン酸(ルナックS70:花王製) 1質量部
硫黄(金華印微紛硫黄:鶴見化学工業製) 2質量部
テトラメチルチウラムジスルフィド 2質量部
(ノクセラーTT−P:大内新興化学工業製)
該ブチルゴムコンパウンドを環状ダイスからチューブ状に押し出すと同時に、ポリカーボネートをコーティングした芯金をクロスヘッド押し出し法で押し出し、ブチルゴムコンパウンドを、半導電性ポリカーボネート皮膜の周囲に密着させた。この状態で、160℃で45分間加硫し、ブチルゴムを研摩した。
その後、実施例1と同様にしてウレタン樹脂を含む塗料を、ブチルゴム上にディッピング塗工し、60℃のオーブンで15分乾燥後、80℃のオーブンで4時間硬化した。その後、半導電ポリカーボネート皮膜を芯金から剥がして、厚さ2μmの半導電性ポリカーボネート皮膜を内層に、厚さ1348μmの半導電性のブチルゴムを中間層に、厚さ20μmのウレタン樹脂を含む層(塗膜)を有する3層のチューブを得た。最後に、該チューブの内周面に、厚さ50オングストロームのアルミニウム蒸着膜を設けた。
得られたチューブの内径は9.26mm、厚さ1370μm、体積抵抗率は5×109(Ωcm)、Raは2.00μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径を9.25mmにし、穴Bを中心から3.7mm離れた位置に、直径0.47mmとした他は、実施例1と同様にして作製した軸受けを用いた。そして、上記チューブを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径13.372mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
更に、現像ローラーを組立てた後、温度30℃、相対湿度80%の環境に4ヶ月間放置した後、実施例1と同様に電子写真プロセスカートリッジに組み込み、環境に放置した後、同様に画像の出力を行った。その結果、実用上支障はないが、軽微なセット跡が発生した画像が得られた。これは、本実施例のチューブの気体透過率が66.7(fm/(s・Pa)と大きいために、4ヶ月の放置期間中に、気体がチューブを透過して、現像ローラーの気体層の圧力が低下したためと考えられる。結果を表1に示す。
[実施例12]
[チューブの調製]
半導電性ブチルゴム層の厚さを1498μmとし、アルミニウム蒸着膜の厚さを20オングストロームに変更した以外は、実施例11と同様にチューブを作製した。
チューブの内径は8.96mm、ポリカーボネート樹脂層(内層)、ブチルゴム層(中間層)と、ウレタン樹脂層(塗膜)と、アルミニウム蒸着膜とを含むチューブの総厚は、1520μm、体積抵抗率は5×109(Ωcm)、Raは2.00μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。本実施例では、中空比率が23%と低いので、中空比率が30%である実施例11よりも、セット跡画像レベルが、相対的に不利であった。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径8.25mmにした他は実施例11と同様の軸受けを用い、上記チューブを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径13.372mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例13]
[チューブの調製]
押出機からの押出し厚さ100μm、内径11.76mmとした他は、実施例1と同様にチューブを作製した。ウレタン樹脂層成形前のチューブ外周面の表面粗さはRa=0.15μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)であった。
ウレタン樹脂層を含むチューブの厚さは、120μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)、Raは0.85μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径11.75mmにした他は実施例1と同様の軸受けを用い、上記チューブを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.092m(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例14]
[チューブの調製]
ウレタン樹脂層用塗料を塗工しない他は、実施例1と同様にチューブを作製した。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表1に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
上記チューブを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.096m(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例15]
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
外径4mmとした他は実施例1と同様の軸体を用い、穴Aの直径を3.87mmとした他は実施例1と同様の軸受けを用いた他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.141m(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。本実施例では、中空率を高めるために、軸体を細く(外径4mm)している。このため、H/H環境の5000枚画像出力後に、画像の両端部に軽微な融着スジ画像が発生した。これは、軸体が細く、軸体の剛性が低いために、現像ローラーが電子写真プロセスカートリッジ中で撓み、現像ローラーに対する現像ブレードの当接圧力が現像ローラーの両端部に集中し、現像ローラーの両端部で現像剤が融着した結果と考えられる。結果を表1に示す。
[実施例16]
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
圧力室の窒素ガス圧を高くした他は、実施例3と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.600m(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例17]
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
圧力室の窒素ガス圧を低くした他は、実施例10と同様にして現像ローラーを組み立て、外径16.100m(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例18]
[チューブの調製]
図8に示す内型を用いてチューブを調製した。図8に示す内型は、1対の磁石200と、磁性体からなる円筒を周方向に8分割した金属部材201から構成される。磁石200は直径8.01mm、長さ300mmの棒状を有し、金属部材201は、内径8.02mm、外径11.85mm、長さ240mmのパイプを、周方向に8分割して作製したものである。金属部材201は磁石200によって一体化され、パイプが復元されるようになっている。
エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(ソアノールDT2903:日本合成化学工業株式会社製)100質量部、カーボンブラック(デンカブラック粒状品:電気化学工業製)30質量部を溶融混練後、粉末化し粉体を得た。次に、加熱した内型の磁石の外周面、金属部材の外周面及び側面に、得られた粉体を吹き付けて、粉体を内型の表面で溶融させ、その後、内型を冷却し、両端部の内径が小さいチューブを得た。チューブの厚さは40μmであった。
その後、得られたチューブの外周の口径が大きい部分に、実施例1と同様にして、厚さ20μmのウレタン樹脂層を設けた。ウレタン樹脂層を成形後、チューブから内型を抜き取り、金属部材201の外周面によって形成された内径が11.84mm、厚さ60μm、両端の小径部分の内径が8.00mm、長さが5mmのチューブを得た。
[現像ローラーの組み立て]
外径8.00mmとした他は実施例1と同様に作製した軸体と、チューブを、温度23℃、JIS K1107:2005に記載の2級窒素ガスを充満した圧力室に導入した。チューブの両端の小径部分の内周面に、導電性接着剤(ドータイトXA910:藤倉化成株式会社製)を塗布し、軸体をチューブに挿入し、軸体の外周面と、チューブの両端部内周面とを接触させた。接触部分に、100℃に加熱した曲率4mmの曲面を有するブロックを上下方向から押し当て、接触面全体を加熱して接着を完了することにより、チューブ内に窒素ガスを封入した外径12.141m(23℃)の現像ローラーを得た。
[画像評価]
これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005025344
[実施例19]
[チューブの調製]
エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂100質量部に替えて、ポリエチレンナフタレート樹脂(テオネックスTN8056S:帝人化成製)100質量部を用いた。図9に示す内型として、外径11.91mmの金属部材を用いた他は、実施例18と同様にして、厚さ20μmのウレタン樹脂層を有するチューブを得た。
次に、チューブの内周面に、厚さ500オングストロームのアルミニウム蒸着膜を設け、チューブを調製した。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、45μm、体積抵抗率は5×109(Ωcm)、Raは1.20μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表2に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
上記チューブを用いた他は、実施例18と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.166mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表2に示す。
[実施例20]
[チューブの調製]
図9に示す内型として、外径11.91mmの金属部材を用いた他は、実施例18と同様にして、厚さ20μmのウレタン樹脂層を有するチューブを得た。
次に、チューブの内周面に、厚さ500オングストロームのアルミニウム蒸着膜を設け、チューブを調製した。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、45μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)、Raは1.00μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表2に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
上記チューブを用いた他は、実施例18と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.166mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表2に示す。
[実施例21]
[チューブの調製]
エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(ソアノールDT2903:日本合成化学工業株式会社製)100質量部に替えて、ポリエチレンナフタレート樹脂(テオネックスTN8550:帝人化成製)100質量部を用いた。図8に示す内型として、外径11.88mmの金属部材を用いた他は、実施例18と同様にして、厚さ20μmのウレタン樹脂層を有するチューブを得た。
次に、チューブの内周面に、厚さ500オングストロームのアルミニウム蒸着膜を設け、チューブを調製した。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、60μm、体積抵抗率は8×109(Ωcm)、Raは0.80μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表2に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
上記チューブを用いた他は、実施例18と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.265mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表2に示す。
[実施例22]
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
圧力室の窒素ガス圧を高くした以外は、実施例18と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.413m(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表1に示す。
[実施例23]
[チューブの調製]
エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(ソアノールDT2903:日本合成化学工業株式会社製)100質量部に替えて、ポリアミド6樹脂(M1040:ユニチカ製)100質量部を用いた。図8に示す内型として、外径11.91mmの金属部材を用いた他は、実施例18と同様にして、厚さ20μmのウレタン樹脂層を有するチューブを得た。
次に、チューブの内周面に、厚さ100オングストロームのアルミニウム蒸着膜を設け、チューブを調製した。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、45μm、体積抵抗率は9×108(Ωcm)、Raは1.10μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表2に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
上記チューブを用いた他は、実施例18と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.196mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表2に示す。
[実施例24]
[チューブの調製]
加熱した内型に吹き付ける粉体を2種類準備した。
粉体1:エチレンユニットを29モル%含有するエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(ソアノールDT2903:日本合成化学工業株式会社製)100質量部と、カーボンブラック(デンカブラック粒状品:電気化学工業製)30質量部とを溶融混練した。これを粉末化して、粉体1を得た。
粉体2:低密度ポリエチレン樹脂(LF128:日本ポリエチレン製)100質量部と、カーボンブラック(デンカブラック粒状品:電気化学工業製)30質量部との溶融混練物を粉末化して、粉体2を得た。
図8に示す内型として、外径11.86mmの金属部材を用いた。始めに、実施例18と同様にして、内型の周囲に、粉末1を吹き付けて溶融させ、厚さ25μmになるように被覆した。その上から、粉末2を吹き付けて溶融させ、厚さ25μmになるように被覆した。更に、実施例18と同様にして、外側に、厚さ20μmのウレタン樹脂層(塗膜)を成形した。チューブの内周面に、厚さ1000オングストロームのアルミニウム蒸着膜を作製した。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、70μm、体積抵抗率は9×108(Ωcm)、Raは1.10μmμmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表2に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
上記チューブを用いた他は、実施例18と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.166mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表2に示す。
[実施例25]
[チューブの調製]
チューブの内周面に、厚さ50オングストロームのアルミニウム蒸着膜を設けた他は実施例18と、チューブを調製した。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、60μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)、Raは0.80μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表2に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
上記チューブを用いた他は、実施例18と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.166mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表2に示す。
[実施例26]
[チューブの調製]
図8に示す内型として、外径11.86mmの金属部材を用いた他は、実施例18と同様にして、厚さ20μmのウレタン樹脂層を有するチューブを得た。
次に、チューブの内周面に、厚さ1000オングストロームのアルミニウム蒸着膜を設け、チューブを調製した。
ウレタン樹脂層、アルミニウム蒸着膜を含むチューブの厚さは、70μm、体積抵抗率は1×109(Ωcm)、Raは1.00μmであった。チューブの窒素透過度を測定した。結果を表2に示す。
[現像ローラーの組み立て、画像評価]
上記チューブを用いた他は、実施例18と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.265mm(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表2に示す。
[実施例27]
外径4.6mmとした他は実施例1と同様の軸体を用い、穴Aの直径を4.49mmとした他は実施例1と同様の軸受けを用い、その他は、実施例1と同様にして現像ローラーを組み立て、外径12.141m(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。本実施例では、軸体の直径が4.6mmと太いので、実施例15で見られたような、現像ローラーの撓みに起因すると考えられる画像濃度ムラは発生しなかった。結果を表1に示す。
[実施例28]
圧力室の窒素ガス圧を0.12(MPa)に調節した以外は、実施例17と同様にして現像ローラーを組立て、外径16.198m(23℃)の現像ローラーを得た。これを実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。実施例17と本実施例のセット跡画像レベルを比較すると、中空部の圧力が0.12(MPa)である本実施例の方が、0.11(MPa)の実施例17より優れていることが分かる。結果を表1に示す。
[比較例]
実施例1と同様の軸体、軸受け、チューブを用い、これらを実施例1と同様の接着剤を用いて一体化した。一方の軸受けに開いている穴Bに、予め導電性接着剤(ドータイトXA910:藤倉化成株式会社製)を塗布し、実施例1と同様のセットビスをねじ込み、封止した。
次に、ポリエチレングリコール(PEG400:和光純薬製)100質量部と4級アンモニウム塩(エチルトリブチルアンモニウムサルフェート)1質量部とを混合し、イオン導電性溶液を調製した。セットビスで穴Bを塞いだ側を下にして、現像ローラーを垂直に保ち、上側の軸受けの穴Bから、調製したイオン導電性溶液を注ぎ込み、チューブ内をイオン導電性溶液で満たした。その後、上側の軸受けの穴Bを同様に封止した。液体の封入作業は、大気圧下で行なったため、液体の圧力は0.1MPaと推測できる。
得られた外径12.000mm(23℃)の現像ローラーを、実施例1と同様の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像形成装置を用いて、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を表2に示す。比較例では、中空部に液体が封入されているため、H/HとL/Lでの現像ローラーの外径変化率が0.10(%)と小さかった。このため、5000枚耐久後のH/HとL/Lのベタ画像濃度の差が0.10あり、実施例と比較して不利であることが分かる。
Figure 0005025344
結果から、本発明の現像ローラーにおいては、セット跡画像、現像剤の融着スジ等の画像不良の発生を抑制することができ、画像環境変化によっても一定の画像濃度の画像を得ることができることが明らかである。
本発明の現像ローラーのH/H環境における現像ブレードとの位置関係を示す図である。 本発明の現像ローラーのL/L環境における現像ブレードとの位置関係を示す図である。 本発明の現像ローラーの気体層の内圧を測定する装置を示す概略構成図である。 本発明の現像ローラーの一例を示す概略構成図である。 本発明の現像ローラーの他の一例を示す概略構成図である。 本発明の電子写真プロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の現像ローラーの製造に用いる内型を示す構成図である。 従来の電子写真プロセスカートリッジを示す図である。
符号の説明
1 転写ベルト
2 転写ローラー
3 定着装置
4 現像ローラ
4a 軸体
4b、4d チューブ
4c 軸受け
5 感光体
6 現像剤塗布用ローラー
7 現像ブレード
8 帯電ローラ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
100 ゲージ圧力センサ
101 ガスケット
102 センサーホルダ
103 中空針
200 磁石
201 金属部材

Claims (6)

  1. 導電性軸体上に、気体が封入された気体層と樹脂層とを順次有する現像ローラーであって、樹脂層が、導電性軸体の外径より大きい内径を有するチューブにより形成され、気体層が、導電性軸体と、樹脂層を形成するチューブと、該チューブの両端の開口を閉塞する1対の導電性軸受けとにより形成される気密空間に形成されたことを特徴とする現像ローラー。
  2. 導電性軸体上に、気体が封入された気体層と樹脂層とを順次有する現像ローラーであって、樹脂層が、導電性軸体の長手方向の両端部の近傍において軸体の外径と同じ内径を有し、導電性軸体の長手方向の中央部において導電性軸体の外径より大きい内径を有するチューブにより形成され、気体層が、導電性軸体と、樹脂層を形成するチューブとにより形成される気密空間に形成されたことを特徴とする現像ローラー。
  3. 気体層が、現像ローラー全体の体積V2に対して、30%から80%の体積V1を有する請求項1または2記載の現像ローラー。
  4. チューブが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアミドの少なくとも一つを含む樹脂で形成された請求項1から3のいずれか一項に記載の現像ローラー。
  5. 電子写真装置に着脱自在に設けられ、感光体へ薄膜状に形成した現像剤を供給し感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有する電子写真プロセスカートリッジにおいて、現像ローラーが請求項1から4のいずれか一項に記載の現像ローラーであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  6. 静電潜像を担持する感光体と、該感光体へ薄膜状に形成した現像剤を供給し感光体が担持する静電潜像の現像を行う現像ローラーを有する画像形成装置において、現像ローラーが請求項1から4のいずれか一項に記載の現像ローラーであることを特徴とする画像形成装置。
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