JP5025176B2 - 電気推進船の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は電気推進船の制御装置に係り、特に制動特性を改善した電気推進船の制御装置に関する。
交流可変速駆動技術の進歩により、船舶への電気推進の適用が増加している。船舶の電気推進を行うと、従来の原動機推進に比べて、融通性のある推進トルク特性の実現が可能となる。
電気推進船においては、減速時に船体の持つ慣性エネルギーにより、プロペラが遊転(水流によりプロペラが回される現象)する場合があり、電動機に制動トルクを与えなければ減速に時間を要し、操縦性能が悪化する。制動トルクを与えるためには、プロペラから電動機に伝えられる慣性エネルギーを電力変換器で電気エネルギーへ変換し、電源系統へ回生する方法が一般的である。このような回生制動を行なう場合、電動機容量に対して電源容量が十分大きい場合には特に問題はないが、電動機容量と電源容量が比較的近接している場合、回生される電力によって電源系統の電力変動が大きくなるという問題が生じる。このため、電源系統や電力変換器内部に制動抵抗器を接続し、回生電力を吸収させる様にしている。ところが、高圧大容量システムになると、制動抵抗器やその付属装置が大型化し、設置スペースの確保が困難となる。
上記の問題に対応すべく、制動時に電動機の電機子磁化電流成分と界磁電流成分を故意に増加させ、電動機、電力変換器及びケーブルの損失の合計値を増大させて電源系統への回生電力をゼロとする提案が為されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−333898号公報(第4−5頁、図1)
特許文献1に示された手法によれば、回生電力を電源系統に戻すことなく、また制動抵抗器を使用することなく電気推進船の制動が可能となる。しかしながら、回生電力を電源系統に戻さないように最大化する制御は極めて複雑であり、電力変換器のコンバータとしてダイオードコンバータを使用した場合、例えば制御が不安定になったとき、電力変換器が過電圧となって運転不能になるという問題があった。
本発明はこれらの問題を克服するために為されたもので、電源系統へ電力を回生させることなく、安全にダイオードコンバータを使用することができ、且つ制動抵抗器を使用せずに制動力が得られる電気推進船の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の電気推進船の制御装置は、原動機と発電機から成る交流電源から受電した電力により船舶推進用の交流電動機を可変速駆動する電力変換器を制御する電気推進船の制御装置であって、速度基準とフィードバック速度の偏差に応じてトルク電流基準を生成する速度制御手段と、フィードバック速度から演算によって磁束基準及び励磁電流基準を得る励磁演算手段と、前記トルク電流基準と前記磁束基準から滑り周波数を演算する滑り周波数演算手段と、前記滑り周波数から滑り角を演算し、これに前記フィードバック速度から得られる回転子位置角を加算して2次磁束の基準位相を演算する基準位相演算手段と、前記電力変換器の出力電流から、前記基準位相に基づいてトルク軸電流と励磁軸電流を検出する2軸電流検出手段と、前記トルク電流基準及び前記励磁電流基準の夫々と前記トルク軸電流及び前記励磁軸電流の夫々の偏差に応じてトルク軸電圧基準及び励磁軸電圧基準を夫々生成する電流制御手段と、前記トルク軸電圧基準及び励磁軸電圧基準を前記基準位相に基づいて3相の電圧基準に変換してPWM制御用のゲートパルスを生成し、前記電力変換器に供給するPWM制御手段と、前記速度基準と前記フィードバック速度と運転停止条件を入力とし、運転モードが通常運転モードか逆相制動モードかを自動的に判定する逆相制動制御手段と、
前記トルク電流基準、前記励磁電流基準及び前記滑り周波数を夫々所定の逆相制動用トルク電流基準、逆相制動用励磁電流基準及び逆相制動用滑り周波数に切替える切替え手段とを具備し、前記逆相制動制御手段は、前記トルク電流基準が所定値以下となったとき逆相制動モードと判定するようにし、前記逆相制動制御手段が逆相制動モードと判定したとき、前記切替え手段を逆相制動側に切替えるようにしたことを特徴としている。
本発明によれば、電源系統へ電力を回生させることなく、安全にダイオードコンバータを使用することができ、且つ制動抵抗器を使用せずに制動力が得られる電気推進船の制御装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本発明の実施例を図1乃至図5を参照して説明する。図1は本発明の実施例1に係る電気推進装置の制御装置のブロック構成図である。
電源1は原動機1aと交流発電機1bを直結して構成され、交流発電機1bの出力は、配電機器2を介して電力変換器3に与えられる。電力変換器3の出力は推進器4の交流電動機4aを駆動し、交流電動機4aの機械出力はプロペラ4bを回転させることにより、推進力を発生する。
配電機器2は電源1から電源系統への出力用の遮断器2aと電源系統から電力変換器3への入力用の遮断器2bとから構成されている、電力変換器3は、変圧器3aを介して受電した交流電力をコンバータ3bで直流電力に変換し、更にインバータ3cで交流電動機4aの速度制御に必要な電圧、周波数の交流電力に変換する。インバータ3cは図示しない複数個のスイッチング素子をブリッジ接続して構成されており、これ等の複数個のスイッチング素子は、制御装置5の出力によってオンオフ制御されている。
インバータ3cの出力電流は電流検出器31によって検出され、制御装置5に与えられる。また、交流電動機4aには速度検出器41が取り付けられ、交流電動機4aの回転子位置を検出して制御装置5に与える。
次に、本発明の対象となるインバータ3cの制御装置5について説明する。
制御装置5は、交流電動機4aの入力電流をトルク電流と励磁電流に分解して制御を行う所謂ベクトル制御という技術を使用している。以下このベクトル制御を中心として制御装置5の構成を説明する。
速度制御器5aは、速度設定器51からの速度基準信号ωr*(以下*は目標値を示す)と、回転子位置検出器41からの回転子位置θrを速度演算器5bによって積分して得られる速度フィードバック信号ωrの偏差を入力として、この偏差がゼロとなるようにトルク基準信号Tm*を演算して出力する。磁束演算器5cは、速度フィードバック信号ωrより、交流電動機4aの2次磁束基準信号φ2 *を演算する。トルク基準信号Tm*を2次磁束基準信号φ2 *で除算することにより、トルク電流基準信号iq*が得られる。磁化電流演算器5dは、2次磁束基準信号φ2 *より、励磁電流基準信号id*を演算する。トルク成分の電流基準信号iq*と2次磁束基準信号φ2 *を入力として、滑り周波数演算器5eは滑り周波数信号ωsを演算する。
このようにして得られたトルク電流基準信号iq*、励磁電流基準信号id*及び滑り周波数信号ωsは、逆相制動制御回路6に与えられる。逆相制動制御回路6においては、その詳細は後述するが、逆相制動制御器6aが通常運転モードか逆相制動運転モードかを判定して切換回路6bを動作させる。通常運転モードであれば、切換回路6bは上記トルク電流基準信号iq*、励磁電流基準信号id*及び滑り周波数信号ωsをそのまま逆相制動制御回路6の出力とする。
滑り角演算器5fは、すべり周波数信号ωsより、滑り角θsを演算する。回転子位置θrと滑り角θsを加算することにより、2次磁束位置θ0が得られる。ここで、速度検出器41の出力が回転子位置でなく回転速度である場合は、回転速度を積分してこの回転子位置θrを求めれば良い。そしてこの2次磁束位置θ0を基準位相として3相/2相座標変換器5gは、電流検出器31からの電流信号をトルク電流フィードバック信号iqとこれと直交する励磁電流フィードバック信号idに分解してこれらを出力する。トルク電流基準信号iq*とトルク電流フィードバック信号iqの偏差、及び励磁電流基準信号id*と励磁電流フィードバック信号idの偏差の夫々がゼロになるように、電流制御器5hは、トルク電圧基準信号Eq*と励磁電圧基準信号Ed*を夫々演算して出力する。トルク電圧基準信号Eq*と励磁電圧基準信号Ed*及び2次磁束位置θ0より、2相/3相変換器5iは、3相電圧基準信号Vu*、Vv*、Vw*を演算して出力する。ここで得られた3相電圧基準信号Vu*、Vv*、Vw*に基づき、PWM制御器5jはパルス幅変調されたゲートパルス信号を出力する。このゲートパルス信号をゲート回路5kによって絶縁・増幅し、インバータ3cの主回路スイッチングデバイスにゲートパルスを与え、これらの主回路スイッチングデバイスをオンオフさせることにより、所望の電力変換を行う。
次に逆相制動を行なう場合の逆相制動制御回路6の内部構成について説明する。
逆相制動制御器6aは、運転停止条件回路7から与えられる運転/停止信号、トルク電流基準信号iq*、滑り周波数信号ωs、速度フィードバック信号ωr及び速度基準信号ωr*を監視し、これ等の信号の条件に従って、トルク電流基準信号iq*、励磁電流基準信号id*及び滑り周波数信号ωsを切替える。逆相制動制御器6aが逆相制動モードを検出したとき、切換回路6bを逆相制動側に選択し、トルク電流基準信号iq*を電流設定器6cで設定された逆相トルク電流io*に切替える。同様に、励磁電流基準信号id*を電流調節器6dで設定された逆相励磁電流ip*に切替え、また、すべり周波数信号ωsを逆相制動時すべり周波数に切替える。この逆相制動時すべり周波数は、逆相制動周波数基準ωp*から速度フィードバック信号ωrを減算して求める。ここで逆相制動周波数基準ωp*は、周波数設定器6eで設定された逆相制動周波数を、速度フィードバック信号ωrを入力とする回転方向切替器6fに従い反転選択器6gを動作させ、そのまま出力するか、極性を変えて出力する。通常、速度フィードバック信号ωrが正のときには反転選択器6gで極性を反転させ、負のときには反転させない。
本発明の動作原理について説明する。図2は、誘導電動機のトルクと滑りの関係を示した特性曲線である。誘導電動機は、滑りが0<S<1で電動機動作(回転子が同期速度より遅く回転磁界と同方向に回転)、0>Sで発電機動作(回転子が同期速度より速く回転磁界と同方向に回転)、そして1<Sで逆相制動(回転子が同期速度より遅く回転磁界と反対方向に回転)状態となる。
ここで、回転磁界と同方向に発生する力が正トルクであるので、回転磁界と反対方向(回転子とは同方向)に発生する力は負トルクとなる。つまり、電動機の滑りが1<Sとなる様に電力変換器を制御すると、制動トルクを得ることができる。
この時、電動機の1次側から供給される電気的エネルギーと回転子側から供給される機械的エネルギーは、主として電動機内部の2次抵抗で熱として消費されるため、インバータにより直流回路側には回生されない。
次に、逆相制動を行うための逆相制動制御器6aの動作について図3乃至図5のフローチャートを用いて説明する。
図3は停止時の逆相制動動作のフローチャートである。
交流電動機4aを運転中に運転停止条件回路7から停止指令が与えられる(ST1)。このとき、速度フィードバック信号ωrが制動不能回転数以下かどうかチェックする(ST2)。制動不能回転数以下であれば、トルク電流基準信号iq*が所定値以下であるかどうかチェックする(ST3)。また、ステップST2で制動不能回転数以下であれば、逆相制動を行うことが好ましくないので、速度基準信号ωr*の値に拘わらず、所定の減速レートで減速する(ST4)。
ステップST3において、トルク電流基準信号iq*が所定値以下であれば、逆相制動を行う条件が整備されたと見做し、逆相制動制御器6aはゲートブロック指令をゲート回路5kに出力し、交流電動機4aをフリーラン状態とする(ST5)。このステップST5の動作は少なくとも交流電動機4aの逆起電圧が適度に低下するだけの所定の時間は継続する。この所定の時間は、交流電動機4aを逆相で再起動した時にインバータ出力電圧と電動機誘起電圧の位相差により、過電流とならないようにするため、交流電動機4aの誘起電圧が低下する時定数の2倍程度に設定するのが好ましい。
次に、速度フィードバック信号ωrが制動最大回転数以下になったかどうかチェックする(ST6)。このステップST6は、或る回転速度領域においては、逆相制動によって減速させるよりフリーランによる減速の方がより減速効率が良い場合があるので設けているステップである。
そして、速度フィードバック信号ωrが制動最大回転数以下になったとき、上記のゲートブロックを解除すると共に切換回路6bを逆相制動側に選択し、トルク電流基準信号iq*を電流設定器6cで設定された逆相トルク電流io*に切替え、励磁電流基準信号id*を電流調節器6dで設定された逆相励磁電流ip*に切替え、またすべり周波数信号ωsを逆相制動時すべり周波数に切替える(ST7)。ここで、逆相トルク電流io*は通常0%に設定する。これは、コンバータ3bにダイオードコンバータを使用した場合、直流回路に電力を回生することができないためである。そして逆相励磁電流ip*は、実施例1においては通常電動機定格電流相当の励磁電流に設定する。
上記の逆相制動時に速度フィードバック信号ωrをチェックし、制動最小回転数以下になったかどうかチェックする(ST8)。そして制動最小回転数以下になったとき、切換回路6bを通常運転側に選択し、トルク電流基準信号iq*を、励磁電流基準信号id*及びすべり周波数信号ωsを元の値に切替える(ST9)。そしてこの状態で運転停止する(ST10)。
以上の説明においては、交流電動機4aが制動最小回転数以上で回転中に停止指令が与えられたものとして説明したが、制動最小回転数未満で回転中においては、ステップST5によるフリーラン動作を行う必要はないので直接ステップST10の運転停止を行うようにすれば良い。また、ステップST3のトルク電流基準の判定は省略しても良い。尚、このステップST3のトルク電流基準の判定を行ったとき、トルク電流基準信号iq*が所定値を超えている場合は異常状態としてアラームを発するようにすることが好ましい。
次に図4に従って、減速中における逆相制動モードの適用について説明する。
通常運転中(ST1A)において、制動不能回転数以下になったかどうかチェックする(ST2)。そして逆相制動制御器6aは速度基準信号ωr*の変化の状態をチェックし、減速モードにあるかどうかチェックする(ST2A)。更に、トルク電流基準信号iq*が所定値以下であるかどうかチェックする(ST3)。
上記ステップST2、ST2A及びST3の何れかにおいてNOである場合は、通常の速度基準に従った制御を行い(ST4A)、逆相制動は行わない。
そしてステップST3においてトルク電流基準信号iq*が所定値以下であれば、ゲートブロックによるフリーラン(ST5)を行い、図3の停止時のフローチャートと同様に逆相制動を行う(ST7)。
そして逆相制動期間中、速度基準信号ωr*と速度フィードバック信号ωrを比較する(ST7A)。ステップST7Aにおける偏差が所定値未満となったときは逆相制動を終了する(ST9)。ステップST7Aにおける偏差が所定値以上であれば、速度フィードバック信号ωrをチェックし、制動最小回転数以下になったかどうかチェックする(ST8)。そして制動最小回転数以下になったとき、切換回路6bを通常運転側に選択し、トルク電流基準信号iq*を、励磁電流基準信号id*及びすべり周波数信号ωsを元の値に切替えて逆相制動を終了する(ST9)。
上記においてステップST3のトルク電流基準の判定を省略しても良いことは、停止時の場合と同様である。
次に図5に従って、起動時の逆相制動モードの適用について説明する。
交流電動機4aが停止中に運転停止条件回路7から起動指令が与えられる(ST11)。このとき、速度フィードバック信号ωrが逆転で且つ制動最大回転数以下かどうかチェックする(ST12)。逆転で且つ制動最大回転数を超える場合は制動最大回転数以下になるまで待つ。制動最大回転数以下であれば、逆転で且つ制動最小回転数以上かどうかチェックする(ST13)。ステップST13において、逆転であっても制動最小回転数未満であるか、または正転のときには、逆相制動は用いず、速度基準に従い制御する(ST4A)。
そして、ステップST13において制動最小回転数以上であれば、逆相制動を開始する(ST7)。逆相制動を行うことによって回転速度は低下し、制動最小回転数以下となったとき(ST8A)、逆相制動を終了し(ST9)速度基準に従い制御する(ST4A)。このようにすれば、起動時に所定の回転数範囲で逆転していたとき、逆相制動を用いて電動機速度をほぼゼロに減速させたあと起動することが可能となる。
上記図3及び図4の説明において、トルク電流基準が所定値以下になったかどうかのチェックは、逆相制動を必要とするレベルまでトルク電流基準が低下したかどうかのチェックである。通常、ダイオードコンバータ3bを使用した場合、誤動作防止のために力行と回生トルクの閾値にヒステリシスを設ける必要があるため、この所定値は電動機定格トルクの0.1%程度に設定する。
また、逆相制動最大回転数は、電動機の速度制御範囲中、逆相制動が可能となる最大回転速度を示す。通常、逆相制動トルクから負荷トルクを減じて得られる制動トルクが、電動機の負荷トルクより大きい範囲での最大回転数を設定する。この時、誤差分を見越して制動トルクが負荷トルクより1%乃至10%程度大きくなる様に最大回転数を設定することが好ましい。
通常運転時の逆相制動終了条件は、図4に示したように、速度基準信号ωr*と速度フィードバック信号ωrの偏差が、交流電動機4aの定格速度の1%未満になったとき、逆相制動モードが解除される様に設定するのが好ましい。
逆相制動周波数基準ωp*は、交流電動機4aの特性を考慮し、交流電動機4aの定格速度に見合う定格周波数の1%乃至10%の範囲に設定することが好ましい。例えば、定格周波数が商用周波数であれば通常2〜3Hzの周波数に設定する。回転方向切替器6fは、逆相制動時に速度フィードバック信号ωrより、逆相制動周波数基準ωp*の極性を切り替える。通常、電動機正転時に負側、反転時に正側に設定する。
以上の結果より明らかな様に、本発明は図1に示す逆相制動制御器6aにて、トルク電流基準信号iq*と速度フィードバック信号ωrから逆相制動モードの判別を行い、条件が成立するとゲートブロック信号GBをゲート回路5kへ出力して交流電動機4aをフリーラン状態とし、交流電動機4aの誘起電圧が低下したら制御信号切替スイッチ6bより、トルク電流基準信号iq*と励磁電流基準信号id*と滑り周波数基準信号ωs*を、電流設定器6cの出力信号io*と電流調節器6dの出力信号ip*と周波数調節器6eの出力信号ωp*と速度フィードバック信号ωrの偏差に切替え、ゲートブロック解除後に電動機を再起動して回転子の回転方向とは逆方向に回転磁界を作る様に低周波の電動機定格電流相当の励磁電流を流し、逆相制動終了と同時に制御信号切替スイッチ6bを元に戻して通常の速度制御状態に復帰させる。そうすることにより、直流回路へ電力を回生させることなく、制動抵抗器を使用せずに制動トルクを得ることができる。
図6は、本発明の実施例2に係る電気推進装置の制御装置のブロック構成図である。この実施例2の各部について、図1の実施例1に係る電気推進装置の制御装置のブロック構成図の各部と同一部分は同一符号で示し、その説明は省略する。この実施例2が実施例1と異なる点は、交流電動機4aの巻線温度を検出するための温度検出器42を交流電動機4aの巻線部分に取り付け、この温度信号を逆相制動制御器6aに与えるようにした点、また逆相制動制御器6aからの信号Lipによって電流調節器6dが出力する逆相励磁電流ip*を変化させるように構成した点である。
電動機保護のため、巻線温度twが警報レベル以上になったとき、逆相制動制御器6aより電流制限信号Lipを出力し、これにより励磁電流基準信号ip*を制限する。このように構成すれば、巻線温度twの上昇を抑制しながら逆相制動を行うことが可能となる。
本発明の実施例1に係る電気推進装置の制御装置のブロック構成図 。 誘導電動機のトルクと滑りの関係を示した特性曲線。 停止時の逆相制動動作のフローチャート 減速時の逆相制動動作のフローチャート 起動時の逆相制動動作のフローチャート 本発明の実施例2に係る電気推進装置の制御装置のブロック構成図 。
符号の説明
1…電源
1a…原動機
1b…交流発電機
2…配電機器
2a、2b…遮断器
3…電力変換器
3a…変圧器
3b…コンバータ
3c…インバータ
31…電流検出器
4…推進器
4a…交流電動機
4b…プロペラ
41…速度検出器
42…電動機巻線温度検出器
5…制御装置
5a…速度制御器
5b…速度演算器
5c…磁束演算器
5d…磁化電流制御器
5e…滑り周波数演算器
5f…滑り角演算器
5g…3相/2相座標変換器
5h…電流制御器
5i…2相/3相座標変換器
5j…PWM制御器
5k…ゲート回路
51…速度設定器
6…逆相制動制御回路
6a…逆相制動制御器
6b…制御信号切替スイッチ
6c…電流設定器
6d…電流調節器
6e…周波数設定器
6f…回転方向切替器
6g…周波数極性切替スイッチ
7…運転停止条件回路

Claims (11)

  1. 原動機と発電機から成る交流電源から受電した電力により船舶推進用の交流電動機を可変速駆動する電力変換器を制御する電気推進船の制御装置であって、
    速度基準とフィードバック速度の偏差に応じてトルク電流基準を生成する速度制御手段と、
    フィードバック速度から演算によって磁束基準及び励磁電流基準を得る励磁演算手段と、
    前記トルク電流基準と前記磁束基準から滑り周波数を演算する滑り周波数演算手段と、
    前記滑り周波数から滑り角を演算し、これに前記フィードバック速度から得られる回転子位置角を加算して2次磁束の基準位相を演算する基準位相演算手段と、
    前記電力変換器の出力電流から、前記基準位相に基づいてトルク軸電流と励磁軸電流を検出する2軸電流検出手段と、
    前記トルク電流基準及び前記励磁電流基準の夫々と前記トルク軸電流及び前記励磁軸電流の夫々の偏差に応じてトルク軸電圧基準及び励磁軸電圧基準を夫々生成する電流制御手段と、
    前記トルク軸電圧基準及び励磁軸電圧基準を前記基準位相に基づいて3相の電圧基準に変換してPWM制御用のゲートパルスを生成し、前記電力変換器に供給するPWM制御手段と、
    前記速度基準と前記フィードバック速度と運転停止条件を入力とし、運転モードが通常運転モードか逆相制動モードかを自動的に判定する逆相制動制御手段と、
    前記トルク電流基準、前記励磁電流基準及び前記滑り周波数を夫々所定の逆相制動用トルク電流基準、逆相制動用励磁電流基準及び逆相制動用滑り周波数に切替える切替え手段と
    を具備し、
    前記逆相制動制御手段は、
    前記トルク電流基準が所定値以下となったとき逆相制動モードと判定するようにし、
    前記逆相制動制御手段が逆相制動モードと判定したとき、前記切替え手段を逆相制動側に切替えるようにしたことを特徴とする電気推進船の制御装置。
  2. 原動機と発電機から成る交流電源から受電した電力により船舶推進用の交流電動機を可変速駆動する電力変換器を制御する電気推進船の制御装置であって、
    速度基準とフィードバック速度の偏差に応じてトルク電流基準を生成する速度制御手段と、
    フィードバック速度から演算によって磁束基準及び励磁電流基準を得る励磁演算手段と、
    前記トルク電流基準と前記磁束基準から滑り周波数を演算する滑り周波数演算手段と、
    前記滑り周波数から滑り角を演算し、これに前記フィードバック速度から得られる回転子位置角を加算して2次磁束の基準位相を演算する基準位相演算手段と、
    前記電力変換器の出力電流から、前記基準位相に基づいてトルク軸電流と励磁軸電流を検出する2軸電流検出手段と、
    前記トルク電流基準及び前記励磁電流基準の夫々と前記トルク軸電流及び前記励磁軸電流の夫々の偏差に応じてトルク軸電圧基準及び励磁軸電圧基準を夫々生成する電流制御手段と、
    前記トルク軸電圧基準及び励磁軸電圧基準を前記基準位相に基づいて3相の電圧基準に変換してPWM制御用のゲートパルスを生成し、前記電力変換器に供給するPWM制御手段と、
    前記速度基準と前記フィードバック速度と運転停止条件を入力とし、運転モードが通常運転モードか逆相制動モードかを自動的に判定する逆相制動制御手段と、
    前記トルク電流基準、前記励磁電流基準及び前記滑り周波数を夫々所定の逆相制動用トルク電流基準、逆相制動用励磁電流基準及び逆相制動用滑り周波数に切替える切替え手段と
    を具備し、
    前記逆相制動制御手段が逆相制動モードと判定したとき、前記切替え手段を逆相制動側に切替えると共に、前記逆相制動用トルク電流基準は実質的にゼロとしたことを特徴とする電気推進船の制御装置。
  3. 前記逆相制動制御手段は、
    前記逆相制動モードのとき、所定の時間継続するゲートブロック信号を前記PWM制御手段に与えるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気推進船の制御装置。
  4. 前記逆相制動制御手段は、
    前記運転停止条件から停止指令が与えられ、且つ前記フィードバック速度が所定の制動最大回転数以下となったとき逆相制動モードと判断し、前記フィードバック速度が所定の制動最小回転数以下となったとき逆相制動モードを解除することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気推進船の制御装置。
  5. 前記逆相制動制御手段は、
    前記速度基準の変化率推移から減速モードであることを判定し、この減速モード状態で前記フィードバック速度が所定の制動最大回転数以下となったとき逆相制動モードと判定し、
    前記速度基準と前記フィードバック速度の偏差が所定値以下となるか、または前記フィードバック速度が所定の制動最小回転数以下となったとき逆相制動モードを解除することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気推進船の制御装置。
  6. 前記制動最大回転数は、前記逆相制動モードにおける制動トルクが前記交流電動機の負荷トルクより1%乃至10%大きくなる範囲の回転数としたことを特徴とする請求項または請求項に記載の電気推進船の制御装置。
  7. 前記逆相制動制御手段は、
    前記フィードバック速度が前制動最大回転数より大きい所定の制動不能回転数以下になったとき、ゲートブロック信号を前記PWM制御手段に与えるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の電気推進船の制御装置。
  8. 前記逆相制動制御手段は、
    前記運転停止条件から起動指令が与えられたとき、前記フィードバック速度が所定の逆転制動最大回転数以下で所定の逆転最小回転数以上であるとき逆相制動モードと判定し、前記フィードバック速度が前記逆転制動最小回転数以下となったとき逆相制動モードを解除することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気推進船の制御装置。
  9. 前記交流電動機の巻線温度を検出する温度検出器を設け、
    この温度検出器の検出温度に応じて前記逆相制動用励磁電流基準を変化させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の電気推進船の制御装置。
  10. 前記逆相制動用滑り周波数は、
    所定の値に設定した逆相制動周波数を極性切替器を介して得られる周波数から前記フィードバック速度に見合う周波数を減算して得るようにし、
    前記極性切替器は、前記フィードバック速度が正のときには前記逆相制動周波数の符号を反転させ、前記フィードバック速度が負のときには前記逆相制動用周波数の符号を反転させないようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の電気推進船の制御装置。
  11. 前記逆相制動周波数を前記交流電動機の定格周波数の1%乃至10%の範囲としたことを特徴とする請求項10に記載の電気推進船の制御装置。
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