JPH1014283A - 誘導電動機の制御装置、及びその制御方法 - Google Patents
誘導電動機の制御装置、及びその制御方法Info
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- JPH1014283A JPH1014283A JP8162234A JP16223496A JPH1014283A JP H1014283 A JPH1014283 A JP H1014283A JP 8162234 A JP8162234 A JP 8162234A JP 16223496 A JP16223496 A JP 16223496A JP H1014283 A JPH1014283 A JP H1014283A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 誘導電動機を停止することなく、誘導電動機
の運転状況に応じて常に最大のトルクを誘導電動機から
出力すること。 【解決手段】 制御装置に用いられている電力半導体デ
バイスの温度、あるいは誘導電動機の固定子巻線の温度
を検知し、検知した各温度に基づいて算出した許容最大
電流値よりも大きくならないように、誘導電動機へ供給
する一次電流を制限し、かつトルク指令値通りの所望の
トルクが誘導電動機から出力されているかどうかについ
て判別し、所望のトルクが出力されていない場合に、新
たなトルク指令値である補助トルク指令値を演算し、か
つトルク指令値と誘導電動機の角速度とに基づいて誘導
電動機の端子間への印加電圧を最小とする励磁電流指令
値を算出する。
の運転状況に応じて常に最大のトルクを誘導電動機から
出力すること。 【解決手段】 制御装置に用いられている電力半導体デ
バイスの温度、あるいは誘導電動機の固定子巻線の温度
を検知し、検知した各温度に基づいて算出した許容最大
電流値よりも大きくならないように、誘導電動機へ供給
する一次電流を制限し、かつトルク指令値通りの所望の
トルクが誘導電動機から出力されているかどうかについ
て判別し、所望のトルクが出力されていない場合に、新
たなトルク指令値である補助トルク指令値を演算し、か
つトルク指令値と誘導電動機の角速度とに基づいて誘導
電動機の端子間への印加電圧を最小とする励磁電流指令
値を算出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の電動式パ
ワーステアリングなどに使用される誘導電動機の制御装
置、及びその制御方法に関する。
ワーステアリングなどに使用される誘導電動機の制御装
置、及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機を制御する制御方法として、
誘導電動機への供給電流を磁束発生のための励磁電流成
分と、トルク発生のためのトルク電流成分とに分け、そ
れらの電流成分をそれぞれ独立して制御するベクトル制
御が知られている。このベクトル制御では、例えば励磁
電流成分を一定にしてトルク電流成分を制御することに
より、誘導電動機の出力トルクを制御している。このよ
うなベクトル制御を用いた従来の誘導電動機の制御装置
について、図9を参照して説明する。図9は、従来の誘
導電動機の制御装置を示すブロック図である。図9にお
いて、従来の誘導電動機の制御装置は、トルク指令値τ
etに基づいてトルク電流指令値I2'tを出力するトルク
制御手段21、前記トルク電流指令値I2'tと励磁電流
指令値I0'tとに基づいてすべり角周波数ωsを出力する
すべり角周波数演算手段22、及び回転磁界の角速度指
令値ω1tに基づいて位相θを出力する積分器23を有す
る。トルク指令値τet及び励磁電流指令値I0'tは、オ
ペレータなどにより、当該制御装置に入力されるもので
あり、励磁電流指令値I0'tは、誘導電動機29の仕様
に応じて定められる一定の値である。また、回転磁界の
角速度指令値ω1tは、上記すべり角周波数ωsに、速度
センサ30で検出した誘導電動機29の角速度ωmを加
算することにより、算出されるものである。尚、角速度
ωmは、速度センサ30を用いずに、誘導電動機29の
駆動電圧と実測した三相電流とで算出・推定したものを
用いてもよい。また、従来の制御装置には、上述のトル
ク電流指令値I2't、励磁電流指令値I0't、及び位相θ
に基づいて二相電流指令値を算出する回転/静止座標変
換器24、前記二相電流指令値を三相電流指令値I1tに
変換する二相/三相変換器25、前記三相電流指令値I
1tに基づいてPWM(Pulse Width Modulation)信号を
作成する電流制御手段26、及び前記PWM信号に基づ
いて駆動電圧及び駆動周波数を出力し誘導電動機29を
駆動する駆動手段27が設けられている。また、誘導電
動機29に供給される一次電流I1は、電流制御手段2
6にフィードバックされて、三相電流指令値I1tに追従
するように制御される。さらに、従来の制御装置には、
駆動手段27に用いられているパワートランジスタなど
の電力半導体デバイス(図示せず)あるいは誘導電動機
29の固定子巻線(図示せず)の焼損を防止するため
に、サーミスタなどで構成された温度検知手段28を用
いた保護機構が設けられている。すなわち、温度検知手
段28が電力半導体デバイスの温度あるいは固定子巻線
の温度を検知し、それらの温度が予め駆動手段27に設
定された温度以上になると、電力半導体デバイスのゲー
ト信号を遮断し固定子巻線への一次電流I1を遮断する
ことにより、誘導電動機29を停止する。従来の誘導電
動機の制御装置は、上述の方法で電力半導体デバイスあ
るいは固定子巻線の焼損を防止して、誘導電動機29を
駆動・制御する。
誘導電動機への供給電流を磁束発生のための励磁電流成
分と、トルク発生のためのトルク電流成分とに分け、そ
れらの電流成分をそれぞれ独立して制御するベクトル制
御が知られている。このベクトル制御では、例えば励磁
電流成分を一定にしてトルク電流成分を制御することに
より、誘導電動機の出力トルクを制御している。このよ
うなベクトル制御を用いた従来の誘導電動機の制御装置
について、図9を参照して説明する。図9は、従来の誘
導電動機の制御装置を示すブロック図である。図9にお
いて、従来の誘導電動機の制御装置は、トルク指令値τ
etに基づいてトルク電流指令値I2'tを出力するトルク
制御手段21、前記トルク電流指令値I2'tと励磁電流
指令値I0'tとに基づいてすべり角周波数ωsを出力する
すべり角周波数演算手段22、及び回転磁界の角速度指
令値ω1tに基づいて位相θを出力する積分器23を有す
る。トルク指令値τet及び励磁電流指令値I0'tは、オ
ペレータなどにより、当該制御装置に入力されるもので
あり、励磁電流指令値I0'tは、誘導電動機29の仕様
に応じて定められる一定の値である。また、回転磁界の
角速度指令値ω1tは、上記すべり角周波数ωsに、速度
センサ30で検出した誘導電動機29の角速度ωmを加
算することにより、算出されるものである。尚、角速度
ωmは、速度センサ30を用いずに、誘導電動機29の
駆動電圧と実測した三相電流とで算出・推定したものを
用いてもよい。また、従来の制御装置には、上述のトル
ク電流指令値I2't、励磁電流指令値I0't、及び位相θ
に基づいて二相電流指令値を算出する回転/静止座標変
換器24、前記二相電流指令値を三相電流指令値I1tに
変換する二相/三相変換器25、前記三相電流指令値I
1tに基づいてPWM(Pulse Width Modulation)信号を
作成する電流制御手段26、及び前記PWM信号に基づ
いて駆動電圧及び駆動周波数を出力し誘導電動機29を
駆動する駆動手段27が設けられている。また、誘導電
動機29に供給される一次電流I1は、電流制御手段2
6にフィードバックされて、三相電流指令値I1tに追従
するように制御される。さらに、従来の制御装置には、
駆動手段27に用いられているパワートランジスタなど
の電力半導体デバイス(図示せず)あるいは誘導電動機
29の固定子巻線(図示せず)の焼損を防止するため
に、サーミスタなどで構成された温度検知手段28を用
いた保護機構が設けられている。すなわち、温度検知手
段28が電力半導体デバイスの温度あるいは固定子巻線
の温度を検知し、それらの温度が予め駆動手段27に設
定された温度以上になると、電力半導体デバイスのゲー
ト信号を遮断し固定子巻線への一次電流I1を遮断する
ことにより、誘導電動機29を停止する。従来の誘導電
動機の制御装置は、上述の方法で電力半導体デバイスあ
るいは固定子巻線の焼損を防止して、誘導電動機29を
駆動・制御する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の誘
導電動機の制御装置では、例えば誘導電動機を自動車の
電動式パワーステアリングなどに使用する場合、下記3
つの問題点が顕著に現れる。第1の問題点は、電力半導
体デバイスの温度あるいは固定子巻線の温度が予め設定
された温度以上に上昇した場合、従来の制御装置は電動
機を停止し当該電動式パワーステアリングへのパワーア
シスト(トルクの出力)を中断することであった。この
ため、電動式パワーステアリングが、全く機能しないと
いう事態を招く。第2の問題点は、誘導電動機の回転数
を大きくしてベクトル制御の条件を満足せずに運転した
場合、トルク指令値通りのトルク出力を得るためには、
トルク検出器を用いたフィードバック制御を行う必要が
ある。ここで、この第2の問題点について、図10を参
照して具体的に説明する。図10は、従来の制御装置に
より制御された誘導電動機の回転数に対するトルク特性
を示すグラフの一例である。図10において、実線41
は、トルク指令値として最大のトルク出力3.5Nmを制御
装置に与えたときの回転数とトルク出力との関係を示し
ている。また、実線42は、トルク指令値として2.0Nm
を制御装置に与えた時の回転数とトルク出力との関係を
示している。2.0Nmのトルク指令値を制御装置に与え回
転数を変化した場合、誘導電動機の運転状況は、図のA
0、A1及びA2で示す3つの領域に分けられる。すなわ
ち、領域A0においては、誘導電動機は、トルク指令値
通りの2.0Nmのトルクを出力し、ベクトル制御の条件を
満足して運転している。また、領域A1においては、誘
導電動機は、ベクトル制御の条件を満足しておらず、ト
ルク指令値通りの2.0Nmのトルクを出力していない。し
かしながら、トルク検出器を使用してフィードバック制
御を行い誘導電動機への印加電圧を大きくすることによ
り、トルク指令値である2.0Nmのトルクを出力すること
ができる。また、領域A2では、2.0Nmのトルクを出力す
るために必要な誘導電動機への印加電圧は、制御装置の
電源によって定まる印加可能な最大電圧よりも高くな
る。すなわち、領域A2は、誘導電動機が2.0Nmのトルク
を実質的に出力できない領域である。このように、従来
の制御装置では、領域A1においてトルク指令値通りの
トルクの出力を得るには、トルク検出器を用いたフィー
ドバック制御を行う必要があった。第3の問題点は、例
えば回転数を大きくするために、誘導電動機への印加電
圧を大きくする場合、特に制御装置の電源の容量が比較
的小さい場合には、配線、あるいは駆動手段の電力半導
体デバイスでの電圧降下、またはその電源自身の電圧降
下の影響等が無視できなくなり、必要な電圧が誘導電動
機の端子間に印加されないことがあるということであっ
た。その結果、誘導電動機は、トルク指令値通りのトル
クを出力しなかった。
導電動機の制御装置では、例えば誘導電動機を自動車の
電動式パワーステアリングなどに使用する場合、下記3
つの問題点が顕著に現れる。第1の問題点は、電力半導
体デバイスの温度あるいは固定子巻線の温度が予め設定
された温度以上に上昇した場合、従来の制御装置は電動
機を停止し当該電動式パワーステアリングへのパワーア
シスト(トルクの出力)を中断することであった。この
ため、電動式パワーステアリングが、全く機能しないと
いう事態を招く。第2の問題点は、誘導電動機の回転数
を大きくしてベクトル制御の条件を満足せずに運転した
場合、トルク指令値通りのトルク出力を得るためには、
トルク検出器を用いたフィードバック制御を行う必要が
ある。ここで、この第2の問題点について、図10を参
照して具体的に説明する。図10は、従来の制御装置に
より制御された誘導電動機の回転数に対するトルク特性
を示すグラフの一例である。図10において、実線41
は、トルク指令値として最大のトルク出力3.5Nmを制御
装置に与えたときの回転数とトルク出力との関係を示し
ている。また、実線42は、トルク指令値として2.0Nm
を制御装置に与えた時の回転数とトルク出力との関係を
示している。2.0Nmのトルク指令値を制御装置に与え回
転数を変化した場合、誘導電動機の運転状況は、図のA
0、A1及びA2で示す3つの領域に分けられる。すなわ
ち、領域A0においては、誘導電動機は、トルク指令値
通りの2.0Nmのトルクを出力し、ベクトル制御の条件を
満足して運転している。また、領域A1においては、誘
導電動機は、ベクトル制御の条件を満足しておらず、ト
ルク指令値通りの2.0Nmのトルクを出力していない。し
かしながら、トルク検出器を使用してフィードバック制
御を行い誘導電動機への印加電圧を大きくすることによ
り、トルク指令値である2.0Nmのトルクを出力すること
ができる。また、領域A2では、2.0Nmのトルクを出力す
るために必要な誘導電動機への印加電圧は、制御装置の
電源によって定まる印加可能な最大電圧よりも高くな
る。すなわち、領域A2は、誘導電動機が2.0Nmのトルク
を実質的に出力できない領域である。このように、従来
の制御装置では、領域A1においてトルク指令値通りの
トルクの出力を得るには、トルク検出器を用いたフィー
ドバック制御を行う必要があった。第3の問題点は、例
えば回転数を大きくするために、誘導電動機への印加電
圧を大きくする場合、特に制御装置の電源の容量が比較
的小さい場合には、配線、あるいは駆動手段の電力半導
体デバイスでの電圧降下、またはその電源自身の電圧降
下の影響等が無視できなくなり、必要な電圧が誘導電動
機の端子間に印加されないことがあるということであっ
た。その結果、誘導電動機は、トルク指令値通りのトル
クを出力しなかった。
【0004】この発明は、以上のような問題点を解決す
るためになされたものであり、誘導電動機を停止するこ
となく、誘導電動機の運転状況に応じて常に最大のトル
クを誘導電動機から出力することができる誘導電動機の
制御装置、及びその制御方法を提供することを目的とす
る。
るためになされたものであり、誘導電動機を停止するこ
となく、誘導電動機の運転状況に応じて常に最大のトル
クを誘導電動機から出力することができる誘導電動機の
制御装置、及びその制御方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の誘導電動機の制
御装置またはその制御方法は、制御装置に用いられてい
る電力半導体デバイスの温度、あるいは誘導電動機の固
定子巻線の温度を検知し、検知した各温度に基づいて算
出した許容最大電流値よりも大きくならないように、誘
導電動機へ供給する一次電流を制限し、かつトルク指令
値通りの所望のトルクが誘導電動機から出力されている
かどうかについて判別し、所望のトルクが出力されてい
ない場合に、新たなトルク指令値である補助トルク指令
値を演算し、かつトルク指令値と誘導電動機の角速度と
に基づいて誘導電動機の端子間への印加電圧を最小とす
る励磁電流指令値を算出する。このように構成すること
により、誘導電動機を停止することなく、誘導電動機の
運転状況に応じて常に最大のトルクを誘導電動機から出
力することができる。
御装置またはその制御方法は、制御装置に用いられてい
る電力半導体デバイスの温度、あるいは誘導電動機の固
定子巻線の温度を検知し、検知した各温度に基づいて算
出した許容最大電流値よりも大きくならないように、誘
導電動機へ供給する一次電流を制限し、かつトルク指令
値通りの所望のトルクが誘導電動機から出力されている
かどうかについて判別し、所望のトルクが出力されてい
ない場合に、新たなトルク指令値である補助トルク指令
値を演算し、かつトルク指令値と誘導電動機の角速度と
に基づいて誘導電動機の端子間への印加電圧を最小とす
る励磁電流指令値を算出する。このように構成すること
により、誘導電動機を停止することなく、誘導電動機の
運転状況に応じて常に最大のトルクを誘導電動機から出
力することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の誘導電動機の制御装置
は、一次電流を制御する電力半導体デバイスを有し、誘
導電動機を駆動する駆動手段、トルク指令値に基づいて
トルク電流指令値を出力するトルク制御手段、前記トル
ク電流指令値と励磁電流指令値とに基づいて電流指令値
を算出し、前記電流指令値に基づいて動作指令を前記駆
動手段に出力する動作指令出力手段、前記電力半導体デ
バイスの温度を検出または推定して検知する温度検知手
段、前記温度検知手段により検知された前記電力半導体
デバイスの温度と予め与えられた前記電力半導体デバイ
スの許容温度とを比較する温度比較手段、前記温度比較
手段の比較結果に基づいて前記電流指令値の許容最大電
流値を算出する最大電流算出手段、及び前記許容電流指
令値が前記許容最大電流値よりも大きくならないように
制限する電流制限手段を備える。上記のように構成した
ことにより、電力半導体デバイスの焼損を防止すると同
時にその条件での最大のトルクを誘導電動機から出力さ
せることができる。
は、一次電流を制御する電力半導体デバイスを有し、誘
導電動機を駆動する駆動手段、トルク指令値に基づいて
トルク電流指令値を出力するトルク制御手段、前記トル
ク電流指令値と励磁電流指令値とに基づいて電流指令値
を算出し、前記電流指令値に基づいて動作指令を前記駆
動手段に出力する動作指令出力手段、前記電力半導体デ
バイスの温度を検出または推定して検知する温度検知手
段、前記温度検知手段により検知された前記電力半導体
デバイスの温度と予め与えられた前記電力半導体デバイ
スの許容温度とを比較する温度比較手段、前記温度比較
手段の比較結果に基づいて前記電流指令値の許容最大電
流値を算出する最大電流算出手段、及び前記許容電流指
令値が前記許容最大電流値よりも大きくならないように
制限する電流制限手段を備える。上記のように構成した
ことにより、電力半導体デバイスの焼損を防止すると同
時にその条件での最大のトルクを誘導電動機から出力さ
せることができる。
【0007】さらに、他の発明の誘導電動機の制御装置
は、一次電流を制御して誘導電動機を駆動する駆動手
段、トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を出力す
るトルク制御手段、前記トルク電流指令値と励磁電流指
令値とに基づいて電流指令値を算出し、前記電流指令値
に基づいて動作指令を前記駆動手段に出力する動作指令
出力手段、前記誘導電動機の固定子巻線の温度を検出ま
たは推定して検知する温度検知手段、前記温度検知手段
により検知された前記固定子巻線の温度と予め与えられ
た前記固定子巻線の許容温度とを比較する温度比較手
段、前記温度比較手段の比較結果に基づいて前記電流指
令値の許容最大電流値を算出する最大電流算出手段、及
び前記電流指令値が前記許容最大電流値よりも大きくな
らないように制限する電流制限手段を備える。上記のよ
うに構成したことにより、固定子巻線の焼損を防止する
と同時にその条件での最大のトルクを誘導電動機から出
力させることができる。
は、一次電流を制御して誘導電動機を駆動する駆動手
段、トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を出力す
るトルク制御手段、前記トルク電流指令値と励磁電流指
令値とに基づいて電流指令値を算出し、前記電流指令値
に基づいて動作指令を前記駆動手段に出力する動作指令
出力手段、前記誘導電動機の固定子巻線の温度を検出ま
たは推定して検知する温度検知手段、前記温度検知手段
により検知された前記固定子巻線の温度と予め与えられ
た前記固定子巻線の許容温度とを比較する温度比較手
段、前記温度比較手段の比較結果に基づいて前記電流指
令値の許容最大電流値を算出する最大電流算出手段、及
び前記電流指令値が前記許容最大電流値よりも大きくな
らないように制限する電流制限手段を備える。上記のよ
うに構成したことにより、固定子巻線の焼損を防止する
と同時にその条件での最大のトルクを誘導電動機から出
力させることができる。
【0008】さらに、他の発明の誘導電動機の制御装置
は、一次電流を制御して誘導電動機を駆動する駆動手
段、トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を出力す
るトルク制御手段、前記トルク電流指令値と励磁電流指
令値とに基づいて電流指令値を算出し、前記電流指令値
に基づいて動作指令を前記駆動手段に出力する動作指令
出力手段、前記電流指令値と前記誘導電動機の一次電流
とを比較して、前記トルク指令値通りの所望のトルクが
前記誘導電動機から出力されているか否かを判別するベ
クトル制御判別手段、前記電流指令値と一次電流との差
等に対応した補助トルク指令値を演算する補助トルク指
令演算手段、及び前記所望のトルクが前記誘導電動機か
ら出力されている場合に、前記トルク指令値を前記トル
ク制御手段に出力し、前記所望のトルクが前記誘導電動
機から出力されていない場合に、前記補助トルク指令値
を新たなトルク指令値として前記トルク制御手段に出力
するトルク制御補助手段を備える。上記のように構成し
たことにより、誘導電動機がベクトル制御の条件を満足
せずに駆動される場合でも、トルク指令値通りの所望の
トルクを誘導電動機から出力させることができる。
は、一次電流を制御して誘導電動機を駆動する駆動手
段、トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を出力す
るトルク制御手段、前記トルク電流指令値と励磁電流指
令値とに基づいて電流指令値を算出し、前記電流指令値
に基づいて動作指令を前記駆動手段に出力する動作指令
出力手段、前記電流指令値と前記誘導電動機の一次電流
とを比較して、前記トルク指令値通りの所望のトルクが
前記誘導電動機から出力されているか否かを判別するベ
クトル制御判別手段、前記電流指令値と一次電流との差
等に対応した補助トルク指令値を演算する補助トルク指
令演算手段、及び前記所望のトルクが前記誘導電動機か
ら出力されている場合に、前記トルク指令値を前記トル
ク制御手段に出力し、前記所望のトルクが前記誘導電動
機から出力されていない場合に、前記補助トルク指令値
を新たなトルク指令値として前記トルク制御手段に出力
するトルク制御補助手段を備える。上記のように構成し
たことにより、誘導電動機がベクトル制御の条件を満足
せずに駆動される場合でも、トルク指令値通りの所望の
トルクを誘導電動機から出力させることができる。
【0009】さらに、他の発明の誘導電動機の制御装置
は、一次電流を制御して誘導電動機を駆動する駆動手
段、トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を出力す
るトルク制御手段、前記誘導電動機の端子間への印加電
圧を最小とする励磁電流指令値を前記トルク指令値と前
記誘導電動機の角速度とに基づいて算出する励磁電流算
出手段、及び前記トルク電流指令値と前記励磁電流指令
値とに基づいて電流指令値を算出し、前記電流指令値に
基づいて動作指令を前記駆動手段に出力する動作指令出
力手段を備える。上記のように構成したことにより、制
御装置内の配線、電力半導体デバイス、あるいは電源な
どの部材での電圧降下の影響を低減することができ、誘
導電動機が所望のトルクを出力するのに必要な印加電圧
をその端子間に供給することができる。
は、一次電流を制御して誘導電動機を駆動する駆動手
段、トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を出力す
るトルク制御手段、前記誘導電動機の端子間への印加電
圧を最小とする励磁電流指令値を前記トルク指令値と前
記誘導電動機の角速度とに基づいて算出する励磁電流算
出手段、及び前記トルク電流指令値と前記励磁電流指令
値とに基づいて電流指令値を算出し、前記電流指令値に
基づいて動作指令を前記駆動手段に出力する動作指令出
力手段を備える。上記のように構成したことにより、制
御装置内の配線、電力半導体デバイス、あるいは電源な
どの部材での電圧降下の影響を低減することができ、誘
導電動機が所望のトルクを出力するのに必要な印加電圧
をその端子間に供給することができる。
【0010】本発明の誘導電動機の制御方法では、誘導
電動機を駆動する制御装置の制御方法において、前記制
御装置に用いられている電力半導体デバイスの温度を検
出または推定して検知する温度検知ステップ、前記温度
検知ステップで検知された前記電力半導体デバイスの温
度と予め与えられた前記電力半導体デバイスの許容温度
とを比較する温度比較ステップ、前記温度比較ステップ
の比較結果に基づいて前記誘導電動機に供給される電流
指令値の許容最大電流値を算出する最大電流算出ステッ
プ、及び前記電流指令値が前記許容最大電流値よりも大
きくならないように制限する電流制限ステップを備え
る。上記のような誘導電動機の制御方法により、電力半
導体デバイスの焼損を防止すると同時にその条件での最
大のトルクを誘導電動機から出力させることができる。
電動機を駆動する制御装置の制御方法において、前記制
御装置に用いられている電力半導体デバイスの温度を検
出または推定して検知する温度検知ステップ、前記温度
検知ステップで検知された前記電力半導体デバイスの温
度と予め与えられた前記電力半導体デバイスの許容温度
とを比較する温度比較ステップ、前記温度比較ステップ
の比較結果に基づいて前記誘導電動機に供給される電流
指令値の許容最大電流値を算出する最大電流算出ステッ
プ、及び前記電流指令値が前記許容最大電流値よりも大
きくならないように制限する電流制限ステップを備え
る。上記のような誘導電動機の制御方法により、電力半
導体デバイスの焼損を防止すると同時にその条件での最
大のトルクを誘導電動機から出力させることができる。
【0011】さらに、他の発明の誘導電動機の制御方法
では、誘導電動機を駆動する制御装置の制御方法におい
て、前記誘導電動機の固定子巻線の温度を検出または推
定して検知する温度検知ステップ、前記温度検知ステッ
プで検知された前記固定子巻線の温度と予め与えられた
前記固定子巻線の許容温度とを比較する温度比較ステッ
プ、前記温度比較ステップの比較結果に基づいて前記誘
導電動機に供給される電流指令値の許容最大電流値を算
出する最大電流算出ステップ、及び前記電流指令値が前
記許容最大電流値よりも大きくならないように制限する
電流制限ステップを備える。上記のような誘導電動機の
制御方法により、固定子巻線の焼損を防止すると同時に
その条件での最大のトルクを誘導電動機から出力させる
ことができる。
では、誘導電動機を駆動する制御装置の制御方法におい
て、前記誘導電動機の固定子巻線の温度を検出または推
定して検知する温度検知ステップ、前記温度検知ステッ
プで検知された前記固定子巻線の温度と予め与えられた
前記固定子巻線の許容温度とを比較する温度比較ステッ
プ、前記温度比較ステップの比較結果に基づいて前記誘
導電動機に供給される電流指令値の許容最大電流値を算
出する最大電流算出ステップ、及び前記電流指令値が前
記許容最大電流値よりも大きくならないように制限する
電流制限ステップを備える。上記のような誘導電動機の
制御方法により、固定子巻線の焼損を防止すると同時に
その条件での最大のトルクを誘導電動機から出力させる
ことができる。
【0012】さらに、他の発明の誘導電動機の制御方法
では、誘導電動機を駆動する制御装置の制御方法におい
て、前記誘導電動機に供給される電流指令値と前記誘導
電動機の一次電流とを比較して、トルク指令値通りの所
望のトルクが前記誘導電動機から出力されているか否か
を判別するベクトル制御判別ステップ、前記所望のトル
クが前記誘導電動機から出力されていない場合に、前記
電流指令値と一次電流との差等に対応した補助トルク指
令値を演算する補助トルク指令演算ステップ、及び前記
補助トルク指令演算ステップで演算された前記補助トル
ク指令値と励磁電流指令値とに基づいて電流指令値を算
出し、前記電流指令値に基づいて前記誘導電動機を駆動
するステップを備える。上記のような誘導電動機の制御
方法により、誘導電動機がベクトル制御の条件を満足せ
ずに駆動される場合でも、トルク指令値通りの所望のト
ルクを誘導電動機から出力させることができる。
では、誘導電動機を駆動する制御装置の制御方法におい
て、前記誘導電動機に供給される電流指令値と前記誘導
電動機の一次電流とを比較して、トルク指令値通りの所
望のトルクが前記誘導電動機から出力されているか否か
を判別するベクトル制御判別ステップ、前記所望のトル
クが前記誘導電動機から出力されていない場合に、前記
電流指令値と一次電流との差等に対応した補助トルク指
令値を演算する補助トルク指令演算ステップ、及び前記
補助トルク指令演算ステップで演算された前記補助トル
ク指令値と励磁電流指令値とに基づいて電流指令値を算
出し、前記電流指令値に基づいて前記誘導電動機を駆動
するステップを備える。上記のような誘導電動機の制御
方法により、誘導電動機がベクトル制御の条件を満足せ
ずに駆動される場合でも、トルク指令値通りの所望のト
ルクを誘導電動機から出力させることができる。
【0013】さらに、他の発明の誘導電動機の制御方法
では、誘導電動機を駆動する制御装置の制御方法におい
て、前記誘導電動機の端子間への印加電圧を最小とする
励磁電流指令値をトルク指令値と前記誘導電動機の角速
度とに基づいて算出する励磁電流算出ステップ、及び前
記トルク指令値に基づいて算出されたトルク電流指令値
と前記励磁電流指令値とに基づいて電流指令値を算出
し、前記電流指令値に基づいて前記誘導電動機を駆動す
るステップを備える。上記のような誘導電動機の制御方
法により、制御装置内の配線、電力半導体デバイス、あ
るいは電源などの部材での電圧降下の影響を低減するこ
とができ、誘導電動機が所望のトルクを出力するのに必
要な印加電圧をその端子間に供給することができる。
では、誘導電動機を駆動する制御装置の制御方法におい
て、前記誘導電動機の端子間への印加電圧を最小とする
励磁電流指令値をトルク指令値と前記誘導電動機の角速
度とに基づいて算出する励磁電流算出ステップ、及び前
記トルク指令値に基づいて算出されたトルク電流指令値
と前記励磁電流指令値とに基づいて電流指令値を算出
し、前記電流指令値に基づいて前記誘導電動機を駆動す
るステップを備える。上記のような誘導電動機の制御方
法により、制御装置内の配線、電力半導体デバイス、あ
るいは電源などの部材での電圧降下の影響を低減するこ
とができ、誘導電動機が所望のトルクを出力するのに必
要な印加電圧をその端子間に供給することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の誘導電動機の制御装置の好ま
しい実施例について、図面を参照して説明する。
しい実施例について、図面を参照して説明する。
【0015】《実施例1》図1は、本発明の実施例1で
ある誘導電動機の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。図1において、本実施例の誘導電動機の制御装置
は、トルク指令値τetに基づいてトルク電流成分の指令
値であるトルク電流指令値I2'tを出力するトルク制御
手段1、前記トルク電流指令値I2'tと励磁電流成分の
指令値である励磁電流指令値I0'tとに基づいてすべり
角周波数ωs(Rad/秒)を出力するすべり角周波数演算
手段2、及び回転磁界の角速度指令値ω1t(Rad/秒)に
基づいて位相θを出力する積分器3を有する。トルク指
令値τet及び励磁電流指令値I0'tは、オペレータなど
により、当該制御装置に入力されるものであり、励磁電
流指令値I0'tは、誘導電動機9の仕様に応じて定めら
れる一定の値である。また、回転磁界の角速度指令値ω
1tは、上記すべり角周波数ωsに、速度センサ10で検
出した誘導電動機9の角速度ωm(Rad/秒)を加算する
ことにより、算出されるものである。尚、角速度ω
mは、速度センサ10を用いずに、誘導電動機9の駆動
電圧と実測した三相電流とで算出・推定したものを用い
てもよい。また、制御装置には、上述のトルク電流指令
値I2't、励磁電流指令値I0't、及び位相θに基づいて
二相電流指令値を算出する回転/静止座標変換器4と、
前記二相電流指令値を三相電流指令値I1tに変換する二
相/三相変換器5と、三相電流指令値I1tが後述の許容
最大電流値I1maxよりも大きくならないように制限する
電流制限手段13と、電流制限手段13からの制限され
た三相電流指令値I1'tに基づいてPWM(Pulse Width
Modulation)信号を作成する電流制御手段6と、前記P
WM信号に基づいて駆動電圧及び駆動周波数を出力し誘
導電動機9を駆動する駆動手段7とが設けられている。
尚、駆動手段7から誘導電動機9へ供給される一次電流
I1は、電流制御手段6にフィードバックされて、制限
された三相電流指令値I1'tに追従するように制御され
る。また、制御装置の動作指令出力手段は、回転/静止
座標変換器4、二相/三相変換器5、及び電流制御手段
6により構成されている。
ある誘導電動機の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。図1において、本実施例の誘導電動機の制御装置
は、トルク指令値τetに基づいてトルク電流成分の指令
値であるトルク電流指令値I2'tを出力するトルク制御
手段1、前記トルク電流指令値I2'tと励磁電流成分の
指令値である励磁電流指令値I0'tとに基づいてすべり
角周波数ωs(Rad/秒)を出力するすべり角周波数演算
手段2、及び回転磁界の角速度指令値ω1t(Rad/秒)に
基づいて位相θを出力する積分器3を有する。トルク指
令値τet及び励磁電流指令値I0'tは、オペレータなど
により、当該制御装置に入力されるものであり、励磁電
流指令値I0'tは、誘導電動機9の仕様に応じて定めら
れる一定の値である。また、回転磁界の角速度指令値ω
1tは、上記すべり角周波数ωsに、速度センサ10で検
出した誘導電動機9の角速度ωm(Rad/秒)を加算する
ことにより、算出されるものである。尚、角速度ω
mは、速度センサ10を用いずに、誘導電動機9の駆動
電圧と実測した三相電流とで算出・推定したものを用い
てもよい。また、制御装置には、上述のトルク電流指令
値I2't、励磁電流指令値I0't、及び位相θに基づいて
二相電流指令値を算出する回転/静止座標変換器4と、
前記二相電流指令値を三相電流指令値I1tに変換する二
相/三相変換器5と、三相電流指令値I1tが後述の許容
最大電流値I1maxよりも大きくならないように制限する
電流制限手段13と、電流制限手段13からの制限され
た三相電流指令値I1'tに基づいてPWM(Pulse Width
Modulation)信号を作成する電流制御手段6と、前記P
WM信号に基づいて駆動電圧及び駆動周波数を出力し誘
導電動機9を駆動する駆動手段7とが設けられている。
尚、駆動手段7から誘導電動機9へ供給される一次電流
I1は、電流制御手段6にフィードバックされて、制限
された三相電流指令値I1'tに追従するように制御され
る。また、制御装置の動作指令出力手段は、回転/静止
座標変換器4、二相/三相変換器5、及び電流制御手段
6により構成されている。
【0016】また、制御装置には、上記許容最大電流値
I1maxを算出するために、駆動手段7に用いられている
パワートランジスタなどの電力半導体デバイス(図示せ
ず)の温度Tcを検出もしくは推定して検知する温度検
知手段8、前記電力半導体デバイスを焼損しない許容温
度の上限値Tmaxが予め設定され、当該上限値Tmaxと温
度Tcとを比較する温度比較手段11、及び前記温度比
較手段11からの比較結果に基づいて上記許容最大電流
値I1maxを算出する最大電流算出手段12が設けられて
いる。温度検知手段8は、サーミスタなどの温度センサ
で構成されている。また、温度比較手段11及び最大電
流算出手段12は、マイクロプロセッサで構成されてい
る。
I1maxを算出するために、駆動手段7に用いられている
パワートランジスタなどの電力半導体デバイス(図示せ
ず)の温度Tcを検出もしくは推定して検知する温度検
知手段8、前記電力半導体デバイスを焼損しない許容温
度の上限値Tmaxが予め設定され、当該上限値Tmaxと温
度Tcとを比較する温度比較手段11、及び前記温度比
較手段11からの比較結果に基づいて上記許容最大電流
値I1maxを算出する最大電流算出手段12が設けられて
いる。温度検知手段8は、サーミスタなどの温度センサ
で構成されている。また、温度比較手段11及び最大電
流算出手段12は、マイクロプロセッサで構成されてい
る。
【0017】ここで、許容最大電流値I1maxの具体的な
算出方法について、以下に説明する。上述の電力半導体
デバイスでの温度上昇は、そこで発生する損失に比例す
るものである。それ故、周囲温度をTR、電力半導体デ
バイスの仕様により定まる係数をK1、K2とすると、次
の(1)式及び(2)式が成立する。
算出方法について、以下に説明する。上述の電力半導体
デバイスでの温度上昇は、そこで発生する損失に比例す
るものである。それ故、周囲温度をTR、電力半導体デ
バイスの仕様により定まる係数をK1、K2とすると、次
の(1)式及び(2)式が成立する。
【0018】
【数1】
【0019】
【数2】
【0020】許容最大電流値I1maxは、(1)式及び
(2)式を下記(3)式に変形して求められる。
(2)式を下記(3)式に変形して求められる。
【0021】
【数3】
【0022】以上のように、本実施例の制御装置では、
最大電流算出手段12が、温度比較手段11により算出
された(Tmax−Tc)を用い、電力半導体デバイスの現
在の温度に応じた許容最大電流値I1maxを算出する。そ
して、電流制限手段13が、電力半導体デバイスに流れ
る電流をその許容最大電流値I1maxよりも大きくならな
いように、三相電流指令値I1tを制限する。このことに
より、本実施例の制御装置は、電力半導体デバイスの焼
損を防止すると同時にその条件での最大のトルクを誘導
電動機9から出力させることが可能となる。このため、
例えば自動車の電動式パワーステアリングの駆動に誘電
電動機9を用いた場合、常に誘導電動機9から電動式パ
ワーステアリングにトルクを出力する(パワーアシスト
する)ことができる。
最大電流算出手段12が、温度比較手段11により算出
された(Tmax−Tc)を用い、電力半導体デバイスの現
在の温度に応じた許容最大電流値I1maxを算出する。そ
して、電流制限手段13が、電力半導体デバイスに流れ
る電流をその許容最大電流値I1maxよりも大きくならな
いように、三相電流指令値I1tを制限する。このことに
より、本実施例の制御装置は、電力半導体デバイスの焼
損を防止すると同時にその条件での最大のトルクを誘導
電動機9から出力させることが可能となる。このため、
例えば自動車の電動式パワーステアリングの駆動に誘電
電動機9を用いた場合、常に誘導電動機9から電動式パ
ワーステアリングにトルクを出力する(パワーアシスト
する)ことができる。
【0023】また、制御装置がベクトル制御の条件を満
足して誘導電動機9を駆動している場合、一次電流I1
とその励磁電流成分I0'及びトルク電流成分I2'との間
には、下記(4)式に示す関係式が成立する。
足して誘導電動機9を駆動している場合、一次電流I1
とその励磁電流成分I0'及びトルク電流成分I2'との間
には、下記(4)式に示す関係式が成立する。
【0024】
【数4】
【0025】このため、温度Tcの電力半導体デバイス
を焼損しないトルク電流成分I2'の最大値I2'maxは、
次の(5)式から求めることができる。
を焼損しないトルク電流成分I2'の最大値I2'maxは、
次の(5)式から求めることができる。
【0026】
【数5】
【0027】そして、許容最大電流値I1maxを(4)式
に代入することにより、トルク電流成分I2'の最大値I
2'maxが(5)式から算出される。この最大値I2'maxを
用いて、トルク電流成分I2'を制限してもよい。すなわ
ち、回転/静止座標変換器4と二相/三相変換器5との
間に、トルク電流成分I2'を制限する電流制限手段を設
け、最大値I2'maxよりも大きくならないようにトルク
電流成分I2'を制限してもよい。同様に、(4)式と許
容最大電流値I1maxとにより、励磁電流成分I0'の最大
値I0'maxを算出し、励磁電流成分I0'を制限する電流
制限手段を回転/静止座標変換器4と二相/三相変換器
5との間に設け、最大値I0'maxより大きくならないよ
うに励磁電流成分I0'を制限してもよい。
に代入することにより、トルク電流成分I2'の最大値I
2'maxが(5)式から算出される。この最大値I2'maxを
用いて、トルク電流成分I2'を制限してもよい。すなわ
ち、回転/静止座標変換器4と二相/三相変換器5との
間に、トルク電流成分I2'を制限する電流制限手段を設
け、最大値I2'maxよりも大きくならないようにトルク
電流成分I2'を制限してもよい。同様に、(4)式と許
容最大電流値I1maxとにより、励磁電流成分I0'の最大
値I0'maxを算出し、励磁電流成分I0'を制限する電流
制限手段を回転/静止座標変換器4と二相/三相変換器
5との間に設け、最大値I0'maxより大きくならないよ
うに励磁電流成分I0'を制限してもよい。
【0028】《実施例2》図2は、本発明の実施例2で
ある誘導電動機の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。この実施例では、誘導電動機の制御装置の構成にお
いて、実施例1の電力半導体デバイスの温度を検知する
温度検知手段の代わりに、誘導電動機の固定子巻線(図
示せず)の温度を検知する温度検知手段8’を設けた。
それ以外の点は、実施例1に示すものと同様であるので
それらの重複した説明は省略する。実施例1との主な違
いは、温度検知手段8’により固定子巻線の温度Tc'を
検出もしくは推定して検知し、電流制限手段13により
三相電流指令値I1tを制限して固定子巻線の焼損を防止
することである。すなわち、図2に示すように、本実施
例の制御装置には、固定子巻線の温度Tc'を検知する温
度検知手段8’と、固定子巻線の許容温度の上限値T
max'が予め設定され、当該上限値Tmax'と検知された温
度Tc'とを比較する温度比較手段11と、温度比較手段
11からの比較結果(Tmax'−Tc')と(3)式とによ
り許容最大電流値I1max'を算出する最大電流算出手段
12とが設けられている。そして、本実施例の制御装置
は、電流制限手段13が算出された許容最大電流値I1m
ax'よりも大きくならないように三相電流指令値I1tを
制限する。このことにより、本実施例の制御装置は、固
定子巻線の焼損を防止すると同時にその条件での最大の
トルクを誘電電動機9から出力させることが可能とな
る。
ある誘導電動機の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。この実施例では、誘導電動機の制御装置の構成にお
いて、実施例1の電力半導体デバイスの温度を検知する
温度検知手段の代わりに、誘導電動機の固定子巻線(図
示せず)の温度を検知する温度検知手段8’を設けた。
それ以外の点は、実施例1に示すものと同様であるので
それらの重複した説明は省略する。実施例1との主な違
いは、温度検知手段8’により固定子巻線の温度Tc'を
検出もしくは推定して検知し、電流制限手段13により
三相電流指令値I1tを制限して固定子巻線の焼損を防止
することである。すなわち、図2に示すように、本実施
例の制御装置には、固定子巻線の温度Tc'を検知する温
度検知手段8’と、固定子巻線の許容温度の上限値T
max'が予め設定され、当該上限値Tmax'と検知された温
度Tc'とを比較する温度比較手段11と、温度比較手段
11からの比較結果(Tmax'−Tc')と(3)式とによ
り許容最大電流値I1max'を算出する最大電流算出手段
12とが設けられている。そして、本実施例の制御装置
は、電流制限手段13が算出された許容最大電流値I1m
ax'よりも大きくならないように三相電流指令値I1tを
制限する。このことにより、本実施例の制御装置は、固
定子巻線の焼損を防止すると同時にその条件での最大の
トルクを誘電電動機9から出力させることが可能とな
る。
【0029】また、 温度tでの抵抗値Rtは、 温度t1
での抵抗値Rt1、定質量温度係数αt1とすると、下記
(6)式で一般に表される。 Rt=Rt1×{1+αt1(t−t1)} ・・・(6) それ故、誘導電動機9の一次抵抗の値(固定子巻線の抵
抗値)を抵抗測定器などで検知し、検知した抵抗値と
(6)式とにより固定子巻線の温度Tc'を推定すること
も可能である。また、固定子巻線の温度上昇は、回転子
の温度上昇に比例すると近似できるので、同様に二次抵
抗の値を検知し固定子巻線の温度Tc'を推定することも
可能である。これらの推定した温度Tc'を用いて電流制
限手段13により三相電流指令値I1tを制限してもよ
い。
での抵抗値Rt1、定質量温度係数αt1とすると、下記
(6)式で一般に表される。 Rt=Rt1×{1+αt1(t−t1)} ・・・(6) それ故、誘導電動機9の一次抵抗の値(固定子巻線の抵
抗値)を抵抗測定器などで検知し、検知した抵抗値と
(6)式とにより固定子巻線の温度Tc'を推定すること
も可能である。また、固定子巻線の温度上昇は、回転子
の温度上昇に比例すると近似できるので、同様に二次抵
抗の値を検知し固定子巻線の温度Tc'を推定することも
可能である。これらの推定した温度Tc'を用いて電流制
限手段13により三相電流指令値I1tを制限してもよ
い。
【0030】《実施例3》図3は、本発明の実施例3で
ある誘導電動機の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。この実施例では、誘導電動機の制御装置の構成にお
いて、実施例1の電流制限手段の代わりに、ベクトル制
御判別手段14、トルク制御補助手段15、及び補助ト
ルク指令演算手段16を設けた。それ以外の点は、実施
例1のものと同様であるのでそれらの重複した説明は省
略する。実施例1との主な違いは、トルク指令値τet通
りの所望のトルクτe1が誘導電動機9から出力されてい
るかどうかについてベクトル制御判別手段14により判
別し、所望のトルクτe1が出力されていない場合に、補
助トルク指令演算手段16により演算した補助トルク指
令値τe'tをトルク指令値τetの代わりにトルク制御補
助手段15からトルク制御手段1に出力し、ベクトル制
御の条件を満たして常に所望のトルクτe1を誘導電動機
9から出力させることである。すなわち、図3に示すよ
うに、ベクトル制御判別手段14には、二相/三相変換
器5からの三相電流指令値I1tと誘導電動機9の一次電
流I1(実測値)とが入力される。そして、ベクトル制
御判別手段14は、それらの三相分の電流値のうち少な
くとも一相分の電流値に関して、振幅、周波数、及び位
相の少なくとも一つについて比較し、三相電流指令値I
1tと一次電流I1との差が予め設定した所定量より大き
い状態が、予め定められた所定時間以上に継続した場合
に、トルク指令値τet通りの所望のトルクτe1が誘導電
動機9から出力されていないと判別する。続いて、ベク
トル制御判別手段14は、その判別結果をトルク制御補
助手段15に出力する。トルク制御補助手段15は、所
望のトルクτe1が出力されている場合には、オペレータ
から与えられたトルク指令値τetをトルク制御手段1に
出力し、所望のトルクτe1が出力されていない場合に
は、補助トルク指令演算手段16により演算された補助
トルク指令値τe'tをトルク制御手段1に出力する。
尚、所望のトルクτe1が出力されている場合及び出力さ
れていない場合は、[発明が解決しようとする課題]の
欄で示した図10の領域A0及びA1でそれぞれ誘導電動
機が駆動されている場合に相当する。
ある誘導電動機の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。この実施例では、誘導電動機の制御装置の構成にお
いて、実施例1の電流制限手段の代わりに、ベクトル制
御判別手段14、トルク制御補助手段15、及び補助ト
ルク指令演算手段16を設けた。それ以外の点は、実施
例1のものと同様であるのでそれらの重複した説明は省
略する。実施例1との主な違いは、トルク指令値τet通
りの所望のトルクτe1が誘導電動機9から出力されてい
るかどうかについてベクトル制御判別手段14により判
別し、所望のトルクτe1が出力されていない場合に、補
助トルク指令演算手段16により演算した補助トルク指
令値τe'tをトルク指令値τetの代わりにトルク制御補
助手段15からトルク制御手段1に出力し、ベクトル制
御の条件を満たして常に所望のトルクτe1を誘導電動機
9から出力させることである。すなわち、図3に示すよ
うに、ベクトル制御判別手段14には、二相/三相変換
器5からの三相電流指令値I1tと誘導電動機9の一次電
流I1(実測値)とが入力される。そして、ベクトル制
御判別手段14は、それらの三相分の電流値のうち少な
くとも一相分の電流値に関して、振幅、周波数、及び位
相の少なくとも一つについて比較し、三相電流指令値I
1tと一次電流I1との差が予め設定した所定量より大き
い状態が、予め定められた所定時間以上に継続した場合
に、トルク指令値τet通りの所望のトルクτe1が誘導電
動機9から出力されていないと判別する。続いて、ベク
トル制御判別手段14は、その判別結果をトルク制御補
助手段15に出力する。トルク制御補助手段15は、所
望のトルクτe1が出力されている場合には、オペレータ
から与えられたトルク指令値τetをトルク制御手段1に
出力し、所望のトルクτe1が出力されていない場合に
は、補助トルク指令演算手段16により演算された補助
トルク指令値τe'tをトルク制御手段1に出力する。
尚、所望のトルクτe1が出力されている場合及び出力さ
れていない場合は、[発明が解決しようとする課題]の
欄で示した図10の領域A0及びA1でそれぞれ誘導電動
機が駆動されている場合に相当する。
【0031】この補助トルク指令演算手段16における
補助トルク指令値τe'tの演算方法について説明する。
まず、トルク制御手段1における、トルク指令値τetま
たは補助トルク指令値τe'tに基づいてトルク電流指令
値I2'tを算出する算出方法について、図4の誘導電動
機9の等価回路を参照して説明する。尚、図4に示す誘
導電動機9の等価回路は、説明の簡略化のために、一次
電流I1の励磁電流成分I0'とトルク電流成分I2'とが
常に直交する理想的な誘導電動機9の一相当たりの等価
回路を用いる。図4において、V1は一次相電圧、E0'
は励磁電圧、R1は一次抵抗、Lσは漏れインダクタン
ス、M'は相互インダクタンス、R2'は二次抵抗(一次
換算値)、sはすべりをそれぞれ表している。ここで、
二次入力をP2、一次相電圧V1の角周波数ω1、誘導電
動機9の相数をm1、及び誘導電動機9の極対数をpと
すると、誘導電動機9から出力されるトルクτeは、次
の(7)式で表される。 τe=P2/ω1=m1pE0'I2'/ω1 ・・・ (7) 尚、上記角周波数ω1は、周知のように、一次相電圧V1
の周波数をf1とすると、ω1=2πf1で表され、回転
磁界の角速度に等しいものである。また、図4におい
て、励磁電圧E0'は相互インダクタンスM'の両端子間
の電圧に等しいので、E0'=ω1M'I0'が成立し、
(7)式は以下の(8)式に書き直すことができる。 τe=m1pM'I0'I2' ・・・ (8) さらに、(8)式をトルク電流成分I2'について解く
と、次の(9)式が得られる。
補助トルク指令値τe'tの演算方法について説明する。
まず、トルク制御手段1における、トルク指令値τetま
たは補助トルク指令値τe'tに基づいてトルク電流指令
値I2'tを算出する算出方法について、図4の誘導電動
機9の等価回路を参照して説明する。尚、図4に示す誘
導電動機9の等価回路は、説明の簡略化のために、一次
電流I1の励磁電流成分I0'とトルク電流成分I2'とが
常に直交する理想的な誘導電動機9の一相当たりの等価
回路を用いる。図4において、V1は一次相電圧、E0'
は励磁電圧、R1は一次抵抗、Lσは漏れインダクタン
ス、M'は相互インダクタンス、R2'は二次抵抗(一次
換算値)、sはすべりをそれぞれ表している。ここで、
二次入力をP2、一次相電圧V1の角周波数ω1、誘導電
動機9の相数をm1、及び誘導電動機9の極対数をpと
すると、誘導電動機9から出力されるトルクτeは、次
の(7)式で表される。 τe=P2/ω1=m1pE0'I2'/ω1 ・・・ (7) 尚、上記角周波数ω1は、周知のように、一次相電圧V1
の周波数をf1とすると、ω1=2πf1で表され、回転
磁界の角速度に等しいものである。また、図4におい
て、励磁電圧E0'は相互インダクタンスM'の両端子間
の電圧に等しいので、E0'=ω1M'I0'が成立し、
(7)式は以下の(8)式に書き直すことができる。 τe=m1pM'I0'I2' ・・・ (8) さらに、(8)式をトルク電流成分I2'について解く
と、次の(9)式が得られる。
【0032】
【数9】
【0033】この(9)式を用いて、トルク制御手段1
は、ベクトル制御の条件が満足され所望のトルクτe1が
出力されている場合では、トルク指令値τetを(9)式
に代入することにより、トルク電流指令値I2'を算出す
る。また、トルク制御手段1は、ベクトル制御の条件が
満足されずに所望のトルクτe1が出力されていない場合
では、補助トルク指令値τe'tを(9)式に代入するこ
とにより、トルク電流指令値I2'を算出する。
は、ベクトル制御の条件が満足され所望のトルクτe1が
出力されている場合では、トルク指令値τetを(9)式
に代入することにより、トルク電流指令値I2'を算出す
る。また、トルク制御手段1は、ベクトル制御の条件が
満足されずに所望のトルクτe1が出力されていない場合
では、補助トルク指令値τe'tを(9)式に代入するこ
とにより、トルク電流指令値I2'を算出する。
【0034】次に、補助トルク指令演算手段16におけ
る補助トルク指令値τe'tの演算方法について、図5及
び図6を参照して説明する。図5は誘導電動機のトルク
に対するすべりと回転磁界の角速度との比の特性の一例
を示す特性図であり、図6は誘導電動機のトルク指令値
に対するすべりと回転磁界の角速度との積の特性の一例
を示す特性図である。誘導電動機9がベクトル制御の条
件を満足せずに駆動されている場合、図5の実線50に
示すように、すべりsと回転磁界の角速度ω1との比s
/ω1は、誘導電動機9から出力されるトルクτeに対し
てほぼ一意的に定まる。この実線50は、誘導電動機9
から出力されるトルクτeに関して一般的に成立する下
記(10)式、または実験により求めることができる。
る補助トルク指令値τe'tの演算方法について、図5及
び図6を参照して説明する。図5は誘導電動機のトルク
に対するすべりと回転磁界の角速度との比の特性の一例
を示す特性図であり、図6は誘導電動機のトルク指令値
に対するすべりと回転磁界の角速度との積の特性の一例
を示す特性図である。誘導電動機9がベクトル制御の条
件を満足せずに駆動されている場合、図5の実線50に
示すように、すべりsと回転磁界の角速度ω1との比s
/ω1は、誘導電動機9から出力されるトルクτeに対し
てほぼ一意的に定まる。この実線50は、誘導電動機9
から出力されるトルクτeに関して一般的に成立する下
記(10)式、または実験により求めることができる。
【0035】
【数10】
【0036】また、トルク指令値τet通りの所望のトル
クτe1が出力されているか否かにかかわらず、すべり速
度ωs、すなわちすべりsと回転磁界の角速度ω1との積
sω1は、図6の実線51に示すように、トルク指令値
τetに対してほぼ一意的に定まる。この実線51は、ト
ルク指令値τetに関する下記(11)式、または実験に
より求めることができる。
クτe1が出力されているか否かにかかわらず、すべり速
度ωs、すなわちすべりsと回転磁界の角速度ω1との積
sω1は、図6の実線51に示すように、トルク指令値
τetに対してほぼ一意的に定まる。この実線51は、ト
ルク指令値τetに関する下記(11)式、または実験に
より求めることができる。
【0037】
【数11】
【0038】所望のトルクτe1に対するs1/ω11は、
図5の実線50からもとめることができる。また、その
回転磁界の角速度ω11は、三相電流指令値I1'tもしく
は検出された一次電流I1より求めることが可能なもの
である。それ故、所望のトルクτe 1を実現するためのす
べりs1も求めることができる。このように得られたす
べりs1及び角速度ω11の積s1ω11を用いて、図6の実
線51から補助トルク指令値τe'tを得ることができ
る。すなわち、所望のトルクτe1としてオペレータから
与えられたトルク指令値τetを用い、 これに対応した
s1/ω11、 s1ω11を順次求め、これに対応する補助
トルク指令値τe'tを求める。逆に、このように求めた
補助トルク指令値τe'tを新たなトルク指令値として与
えることで、誘導電動機9がベクトル制御の条件を満足
せずに駆動されている場合でも、オペレータから与えら
れたトルク指令値τet通りの所望のトルクτe1を出力さ
せることが可能となる。
図5の実線50からもとめることができる。また、その
回転磁界の角速度ω11は、三相電流指令値I1'tもしく
は検出された一次電流I1より求めることが可能なもの
である。それ故、所望のトルクτe 1を実現するためのす
べりs1も求めることができる。このように得られたす
べりs1及び角速度ω11の積s1ω11を用いて、図6の実
線51から補助トルク指令値τe'tを得ることができ
る。すなわち、所望のトルクτe1としてオペレータから
与えられたトルク指令値τetを用い、 これに対応した
s1/ω11、 s1ω11を順次求め、これに対応する補助
トルク指令値τe'tを求める。逆に、このように求めた
補助トルク指令値τe'tを新たなトルク指令値として与
えることで、誘導電動機9がベクトル制御の条件を満足
せずに駆動されている場合でも、オペレータから与えら
れたトルク指令値τet通りの所望のトルクτe1を出力さ
せることが可能となる。
【0039】以上のように本実施例の制御装置では、ト
ルク制御補助手段15は、ベクトル制御判別手段14が
トルク指令値τet通りの所望のトルクτe1が出力されて
いると判断した場合はオペレータにから与えられたトル
ク指令値τetをトルク制御手段1へ出力する。また、ト
ルク制御補助手段15は、ベクトル制御判別手段14が
トルク指令値τet通りの所望のトルクτe1が出力されて
いないと判断した場合は、補助トルク指令演算手段16
により演算された補助トルク指令値τe'tをトルク制御
手段1へ出力する。そして、 トルク制御手段1では、
トルク指令値τet、及び補助トルク指令値τe'tのいず
れか一方と(9)式によりトルク電流指令値I2'tを演
算する。このため、例えば誘導電動機9の回転数を大き
くしてベクトル制御の条件を満足せずに運転した場合で
も、トルク検出器を用いたフィードバック制御を行うこ
となく、所望のトルクτe1を誘導電動機9から出力させ
ることができる。
ルク制御補助手段15は、ベクトル制御判別手段14が
トルク指令値τet通りの所望のトルクτe1が出力されて
いると判断した場合はオペレータにから与えられたトル
ク指令値τetをトルク制御手段1へ出力する。また、ト
ルク制御補助手段15は、ベクトル制御判別手段14が
トルク指令値τet通りの所望のトルクτe1が出力されて
いないと判断した場合は、補助トルク指令演算手段16
により演算された補助トルク指令値τe'tをトルク制御
手段1へ出力する。そして、 トルク制御手段1では、
トルク指令値τet、及び補助トルク指令値τe'tのいず
れか一方と(9)式によりトルク電流指令値I2'tを演
算する。このため、例えば誘導電動機9の回転数を大き
くしてベクトル制御の条件を満足せずに運転した場合で
も、トルク検出器を用いたフィードバック制御を行うこ
となく、所望のトルクτe1を誘導電動機9から出力させ
ることができる。
【0040】尚、上記説明では、補助トルク指令値τ
e'tを補助トルク指令演算手段16により演算すること
を説明したが、代表的な誘導電動機9の角速度ωm、ト
ルク指令値τetについて補助トルク指令値τe'tを予め
演算し、角速度ωm、補助トルク指令値τe't、及びオペ
レータから与えられるトルク指令値τetの対応マップ図
を作成して、当該対応マップ図により誘導電動機9の回
転速度、トルク指令値の変化などに素早く対応するよう
にしてもよい。
e'tを補助トルク指令演算手段16により演算すること
を説明したが、代表的な誘導電動機9の角速度ωm、ト
ルク指令値τetについて補助トルク指令値τe'tを予め
演算し、角速度ωm、補助トルク指令値τe't、及びオペ
レータから与えられるトルク指令値τetの対応マップ図
を作成して、当該対応マップ図により誘導電動機9の回
転速度、トルク指令値の変化などに素早く対応するよう
にしてもよい。
【0041】《実施例4》図7は、本発明の実施例4で
ある誘導電動機の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。この実施例では、誘導電動機の制御装置の構成にお
いて、実施例1の電流制限手段の代わりに、励磁電流指
令値I0'tを演算する励磁電流算出手段17を設けた。
それ以外の点は、実施例1のものと同様であるのでそれ
らの重複した説明は省略する。実施例1との主な違い
は、誘導電動機9の端子間への印加電圧E1を最小とす
る励磁電流指令値I0'tを励磁電流算出手段17により
演算して回転/静止座標変換器4に出力させたことであ
る。すなわち、図7に示すように、 励磁電流算出手段
17には、 トルク指令値τet、及び速度センサ10か
ら誘導電動機の角速度ωmが入力される。そして、励磁
電流算出手段17は、これらのトルク指令値τet及び角
速度ωmに基づいて誘導電動機9の端子(図示せず)間
への印加電圧E1を最小とする励磁電流指令値I0'tを算
出する。
ある誘導電動機の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。この実施例では、誘導電動機の制御装置の構成にお
いて、実施例1の電流制限手段の代わりに、励磁電流指
令値I0'tを演算する励磁電流算出手段17を設けた。
それ以外の点は、実施例1のものと同様であるのでそれ
らの重複した説明は省略する。実施例1との主な違い
は、誘導電動機9の端子間への印加電圧E1を最小とす
る励磁電流指令値I0'tを励磁電流算出手段17により
演算して回転/静止座標変換器4に出力させたことであ
る。すなわち、図7に示すように、 励磁電流算出手段
17には、 トルク指令値τet、及び速度センサ10か
ら誘導電動機の角速度ωmが入力される。そして、励磁
電流算出手段17は、これらのトルク指令値τet及び角
速度ωmに基づいて誘導電動機9の端子(図示せず)間
への印加電圧E1を最小とする励磁電流指令値I0'tを算
出する。
【0042】ここで、励磁電流算出手段17における、
誘導電動機9の端子間への印加電圧E1(線間電圧)を
最小とする励磁電流指令値I0'tの演算方法を説明す
る。尚、前記励磁電流指令値I0'tの演算は、励磁電流
成分I0'と印加電圧E1の特性曲線を求めることにより
行われる。まず、上述の(8)式において、τeにトル
ク指令値τetを代入する。また、誘導電動機9の相数m
1、極対数p、及び相互インダクタンスM'(以下、モー
タパラメータという)、及び励磁電流成分I0'の各値
は、誘導電動機9の仕様に応じた既知の値でありそれら
の各値も(8)式に代入する。このことにより、トルク
電流成分I2'が(8)式から求まる。次に、 図4に示
す等価回路において、 励磁電流成分I0'とトルク電流
成分I2'との間には、それらがベクトル的に直交するこ
とにより下記(12)式が成立する。
誘導電動機9の端子間への印加電圧E1(線間電圧)を
最小とする励磁電流指令値I0'tの演算方法を説明す
る。尚、前記励磁電流指令値I0'tの演算は、励磁電流
成分I0'と印加電圧E1の特性曲線を求めることにより
行われる。まず、上述の(8)式において、τeにトル
ク指令値τetを代入する。また、誘導電動機9の相数m
1、極対数p、及び相互インダクタンスM'(以下、モー
タパラメータという)、及び励磁電流成分I0'の各値
は、誘導電動機9の仕様に応じた既知の値でありそれら
の各値も(8)式に代入する。このことにより、トルク
電流成分I2'が(8)式から求まる。次に、 図4に示
す等価回路において、 励磁電流成分I0'とトルク電流
成分I2'との間には、それらがベクトル的に直交するこ
とにより下記(12)式が成立する。
【0043】
【数12】
【0044】また、誘導電動機9の回転時に生ずるすべ
りs、回転磁界の角速度ω1、及び誘導電動機9の角速
度ωmの間には、次の(13)式が成立する。
りs、回転磁界の角速度ω1、及び誘導電動機9の角速
度ωmの間には、次の(13)式が成立する。
【0045】
【数13】
【0046】これらの(12)式及び(13)式におい
て、すべりsを消去すると以下の(14)式が得られ
る。
て、すべりsを消去すると以下の(14)式が得られ
る。
【0047】
【数14】
【0048】その結果、回転磁界の角速度ω1が、(1
4)式から算出することができる。また、(12)式を
下記(15)式に変形することにより、すべりsを求め
ることができる。
4)式から算出することができる。また、(12)式を
下記(15)式に変形することにより、すべりsを求め
ることができる。
【0049】
【数15】
【0050】また、一次相電圧V1と誘導電動機9の端
子間への印加電圧E1には、下記(16)式が成立する
ので、(16)式の一次相電圧V1を上述の(10)式
に代入すると次の(17)式が得られる。
子間への印加電圧E1には、下記(16)式が成立する
ので、(16)式の一次相電圧V1を上述の(10)式
に代入すると次の(17)式が得られる。
【0051】
【数16】
【0052】
【数17】
【0053】3相の誘導電動機9からの出力されるトル
クτeは、(17)式の相数m1に3を代入した次の(1
8)式により求められる。
クτeは、(17)式の相数m1に3を代入した次の(1
8)式により求められる。
【0054】
【数18】
【0055】以上のように、励磁電流算出手段17で
は、オペレータから与えられるトルク指令値τet、及び
モータパラメータの相数m1、極対数p、及び相互イン
ダクタンスM'と、演算して求めた回転磁界の角速度ω1
及びすべりsとを用いて誘導電動機9の端子間への印加
電圧E1を演算する。このことにより、励磁電流成分I
0'と印加電圧E1との特性曲線を得ることができる。そ
して、励磁電流算出手段17は、誘導電動機9の端子間
への印加電圧E1を最小とする励磁電流成分I0'を励磁
電流指令値I0'tとして回転/静止座標変換器4へ出力
する。
は、オペレータから与えられるトルク指令値τet、及び
モータパラメータの相数m1、極対数p、及び相互イン
ダクタンスM'と、演算して求めた回転磁界の角速度ω1
及びすべりsとを用いて誘導電動機9の端子間への印加
電圧E1を演算する。このことにより、励磁電流成分I
0'と印加電圧E1との特性曲線を得ることができる。そ
して、励磁電流算出手段17は、誘導電動機9の端子間
への印加電圧E1を最小とする励磁電流成分I0'を励磁
電流指令値I0'tとして回転/静止座標変換器4へ出力
する。
【0056】ここで、励磁電流成分I0'をパラメータと
して、例えば誘導電動機9の回転数が一定の場合でのト
ルク指令値τetに対する印加電圧E1の特性曲線を図8
に示す。尚、図8において、説明の簡略化のために、励
磁電流成分I0'は実線52及び53でそれぞれ示す励磁
電流成分I0'1及びI0'2の二つの値とする。図8におい
て、励磁電流算出手段17は、トルク指令値τetがτ
et2より大きい値の場合は励磁電流指令値I0'tとして実
線52で示す励磁電流成分I0'1を選択し、トルク指令
値τetがτet2より小さい場合は励磁電流指令値I0'tと
して実線53で示す励磁電流成分I0'2を選択する。
して、例えば誘導電動機9の回転数が一定の場合でのト
ルク指令値τetに対する印加電圧E1の特性曲線を図8
に示す。尚、図8において、説明の簡略化のために、励
磁電流成分I0'は実線52及び53でそれぞれ示す励磁
電流成分I0'1及びI0'2の二つの値とする。図8におい
て、励磁電流算出手段17は、トルク指令値τetがτ
et2より大きい値の場合は励磁電流指令値I0'tとして実
線52で示す励磁電流成分I0'1を選択し、トルク指令
値τetがτet2より小さい場合は励磁電流指令値I0'tと
して実線53で示す励磁電流成分I0'2を選択する。
【0057】以上のように、本実施例の制御装置では、
励磁電流算出手段17がトルク指令値τet及び角速度ω
mに基づいて誘導電動機9の端子間への印加電圧E1を最
小にする励磁電流成分I0'を算出し、励磁電流指令値I
0'tとして回転/静止座標変換器4に与える。このこと
により、制御装置内の配線、電力半導体デバイス、ある
いは電源などの部材での電圧降下の影響を低減すること
ができ、誘導電動機9が所望のトルクτe1を出力するの
に必要な印加電圧を誘導電動機9の端子間に供給するこ
とができる。その結果、ベクトル制御が可能で、一定ト
ルクを出力する速度領域が拡大し、電動パワーステアリ
ングの場合には、安定したアシスト力を確保できる。
励磁電流算出手段17がトルク指令値τet及び角速度ω
mに基づいて誘導電動機9の端子間への印加電圧E1を最
小にする励磁電流成分I0'を算出し、励磁電流指令値I
0'tとして回転/静止座標変換器4に与える。このこと
により、制御装置内の配線、電力半導体デバイス、ある
いは電源などの部材での電圧降下の影響を低減すること
ができ、誘導電動機9が所望のトルクτe1を出力するの
に必要な印加電圧を誘導電動機9の端子間に供給するこ
とができる。その結果、ベクトル制御が可能で、一定ト
ルクを出力する速度領域が拡大し、電動パワーステアリ
ングの場合には、安定したアシスト力を確保できる。
【0058】尚、上記説明では、励磁電流指令値I0't
を励磁電流算出手段17により演算することを説明した
が、代表的な誘導電動機9の角速度ωm、トルク指令値
τetについて励磁電流指令値I0'tを予め求めて、励磁
電流成分I0'と印加電圧E1との対応マップ図を作成し
て、当該対応マップ図により誘導電動機9の回転速度、
トルク指令値の変化などに素早く対応するようにしても
よい。
を励磁電流算出手段17により演算することを説明した
が、代表的な誘導電動機9の角速度ωm、トルク指令値
τetについて励磁電流指令値I0'tを予め求めて、励磁
電流成分I0'と印加電圧E1との対応マップ図を作成し
て、当該対応マップ図により誘導電動機9の回転速度、
トルク指令値の変化などに素早く対応するようにしても
よい。
【0059】
【発明の効果】本発明の誘導電動機の制御装置またはそ
の制御方法によれば、制御装置に用いられている電力半
導体デバイスの温度を温度検知手段により検出もしくは
推定して検知し、この検知した温度と予め与えられた前
記電力半導体デバイスの許容温度とを温度比較手段によ
り比較する。そして、最大電流算出手段が、温度比較手
段の比較結果に基づいて電力半導体デバイスに供給され
る電流の許容最大電流値を算出し、電流制限手段が、前
記電流が許容最大電流値よりも大きくならないように制
限する。このことにより、電力半導体デバイスの焼損を
防止すると同時にその条件での最大のトルクを誘導電動
機から出力させることができる。
の制御方法によれば、制御装置に用いられている電力半
導体デバイスの温度を温度検知手段により検出もしくは
推定して検知し、この検知した温度と予め与えられた前
記電力半導体デバイスの許容温度とを温度比較手段によ
り比較する。そして、最大電流算出手段が、温度比較手
段の比較結果に基づいて電力半導体デバイスに供給され
る電流の許容最大電流値を算出し、電流制限手段が、前
記電流が許容最大電流値よりも大きくならないように制
限する。このことにより、電力半導体デバイスの焼損を
防止すると同時にその条件での最大のトルクを誘導電動
機から出力させることができる。
【0060】また、他の発明の誘導電動機の制御装置ま
たはその制御方法によれば、誘導電動機の固定子巻線の
温度を温度検知手段により検出もしくは推定して検知
し、この検知した温度と予め与えられた前記固定子巻線
の許容温度とを温度比較手段により比較する。そして、
最大電流算出手段が、温度比較手段の比較結果に基づい
て固定子巻線に供給される電流の許容最大電流値を算出
し、電流制限手段が、前記電流が許容最大電流値よりも
大きくならないように制限する。このことにより、固定
子巻線の焼損を防止すると同時にその条件での最大のト
ルクを誘導電動機から出力させることができる。
たはその制御方法によれば、誘導電動機の固定子巻線の
温度を温度検知手段により検出もしくは推定して検知
し、この検知した温度と予め与えられた前記固定子巻線
の許容温度とを温度比較手段により比較する。そして、
最大電流算出手段が、温度比較手段の比較結果に基づい
て固定子巻線に供給される電流の許容最大電流値を算出
し、電流制限手段が、前記電流が許容最大電流値よりも
大きくならないように制限する。このことにより、固定
子巻線の焼損を防止すると同時にその条件での最大のト
ルクを誘導電動機から出力させることができる。
【0061】また、他の発明の誘導電動機の制御装置ま
たはその制御方法によれば、ベクトル制御判別手段が、
トルク電流指令値と励磁電流指令値とに基づいて算出さ
れた電流指令値と誘導電動機の一次電流と比較し、所望
のトルクが誘導電動機から出力されているか否かを判別
する。そして、所望のトルクが誘導電動機から出力され
ていない場合に、補助トルク指令演算手段が補助トルク
指令値を演算し、トルク制御補助手段が前記補助トルク
指令値を新たなトルク指令値として出力し、このトルク
指令値と励磁電流指令値とにより誘導電動機を駆動す
る。このことにより、誘導電動機がベクトル制御の条件
を満足せずに駆動される場合でも、トルク指令値通りの
所望のトルクを誘導電動機から出力させることができ
る。
たはその制御方法によれば、ベクトル制御判別手段が、
トルク電流指令値と励磁電流指令値とに基づいて算出さ
れた電流指令値と誘導電動機の一次電流と比較し、所望
のトルクが誘導電動機から出力されているか否かを判別
する。そして、所望のトルクが誘導電動機から出力され
ていない場合に、補助トルク指令演算手段が補助トルク
指令値を演算し、トルク制御補助手段が前記補助トルク
指令値を新たなトルク指令値として出力し、このトルク
指令値と励磁電流指令値とにより誘導電動機を駆動す
る。このことにより、誘導電動機がベクトル制御の条件
を満足せずに駆動される場合でも、トルク指令値通りの
所望のトルクを誘導電動機から出力させることができ
る。
【0062】また、他の発明の誘導電動機の制御装置ま
たはその制御方法によれば、励磁電流算出手段が、誘導
電動機の端子間への印加電圧を最小とする励磁電流指令
値をトルク指令値と誘導電動機の角速度とに基づいて算
出する。そして、この励磁電流指令値とトルク電流指令
値とに基づいて電流指令値を算出し、この電流指令値に
基づいて誘導電動機を駆動する。このことにより、制御
装置内の配線、電力半導体デバイス、あるいは電源など
の部材での電圧降下の影響を低減することができ、誘導
電動機が所望のトルクを出力するのに必要な印加電圧を
その端子間に供給することができる。
たはその制御方法によれば、励磁電流算出手段が、誘導
電動機の端子間への印加電圧を最小とする励磁電流指令
値をトルク指令値と誘導電動機の角速度とに基づいて算
出する。そして、この励磁電流指令値とトルク電流指令
値とに基づいて電流指令値を算出し、この電流指令値に
基づいて誘導電動機を駆動する。このことにより、制御
装置内の配線、電力半導体デバイス、あるいは電源など
の部材での電圧降下の影響を低減することができ、誘導
電動機が所望のトルクを出力するのに必要な印加電圧を
その端子間に供給することができる。
【図1】本発明の実施例1である誘導電動機の制御装置
の構成を示すブロック図。
の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例2である誘導電動機の制御装置
の構成を示すブロック図。
の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例3である誘導電動機の制御装置
の構成を示すブロック図。
の構成を示すブロック図。
【図4】誘導電動機の等価回路を示す回路図。
【図5】誘導電動機のトルクに対するすべりと回転磁界
の角速度との比の特性を示すグラフ。
の角速度との比の特性を示すグラフ。
【図6】誘導電動機のトルク指令値に対するすべりと回
転磁界の角速度との積の特性を示すグラフ。
転磁界の角速度との積の特性を示すグラフ。
【図7】本発明の実施例4である誘導電動機の制御装置
の構成を示すブロック図。
の構成を示すブロック図。
【図8】トルク指令値に対する誘導電動機の端子間への
印加電圧の特性を示すグラフ。
印加電圧の特性を示すグラフ。
【図9】従来の誘導電動機の制御装置の構成を示すブロ
ック図。
ック図。
【図10】従来の制御装置により制御された誘導電動機
の回転数に対するトルク特性を示すグラフ。
の回転数に対するトルク特性を示すグラフ。
1 トルク制御手段 4 回転/静止座標変換器 5 二相/三相変換器 6 電流制御手段 7 駆動手段 8、8’ 温度検知手段 9 誘導電動機 10 速度センサ 11 温度比較手段 12 最大電流算出手段 13 電流制限手段 14 ベクトル制御判別手段 15 トルク制御補助手段 16 補助トルク指令値演算手段 17 励磁電流算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田澤 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (15)
- 【請求項1】 一次電流を制御する電力半導体デバイス
を有し、誘導電動機を駆動する駆動手段、 トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を出力するト
ルク制御手段、 前記トルク電流指令値と励磁電流指令値とに基づいて電
流指令値を算出し、前記電流指令値に基づいて動作指令
を前記駆動手段に出力する動作指令出力手段、 前記電力半導体デバイスの温度を検出または推定して検
知する温度検知手段、 前記温度検知手段により検知された前記電力半導体デバ
イスの温度と予め与えられた前記電力半導体デバイスの
許容温度とを比較する温度比較手段、 前記温度比較手段の比較結果に基づいて前記電流指令値
の許容最大電流値を算出する最大電流算出手段、及び前
記許容電流指令値が前記最大電流値よりも大きくならな
いように制限する電流制限手段を具備することを特徴と
する誘導電動機の制御装置。 - 【請求項2】 前記電流制限手段が、前記電流指令値の
トルク電流成分もしくは励磁電流成分のいずれか一方を
制限することを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機
の制御装置。 - 【請求項3】 一次電流を制御して誘導電動機を駆動す
る駆動手段、 トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を出力するト
ルク制御手段、 前記トルク電流指令値と励磁電流指令値とに基づいて電
流指令値を算出し、前記電流指令値に基づいて動作指令
を前記駆動手段に出力する動作指令出力手段、 前記誘導電動機の固定子巻線の温度を検出または推定し
て検知する温度検知手段、 前記温度検知手段により検知された前記固定子巻線の温
度と予め与えられた前記固定子巻線の許容温度とを比較
する温度比較手段、 前記温度比較手段の比較結果に基づいて前記電流指令値
の許容最大電流値を算出する最大電流算出手段、及び前
記電流指令値が前記許容最大電流値よりも大きくならな
いように制限する電流制限手段を具備することを特徴と
する誘導電動機の制御装置。 - 【請求項4】 前記電流制限手段が、前記電流指令値の
トルク電流成分もしくは励磁電流成分のいずれか一方を
制限することを特徴とする請求項3に記載の誘導電動機
の制御装置。 - 【請求項5】 前記誘導電動機の一次抵抗の値から前記
固定子巻線の温度を検知することを特徴とする請求項3
に記載の誘導電動機の制御装置。 - 【請求項6】 前記誘導電動機の二次抵抗の値から前記
固定子巻線温度を検知することを特徴とする請求項3に
記載の誘導電動機の制御装置。 - 【請求項7】 一次電流を制御して誘導電動機を駆動す
る駆動手段、 トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を出力するト
ルク制御手段、 前記トルク電流指令値と励磁電流指令値とに基づいて電
流指令値を算出し、前記電流指令値に基づいて動作指令
を前記駆動手段に出力する動作指令出力手段、 前記電流指令値と前記誘導電動機の一次電流とを比較し
て、前記トルク指令値通りの所望のトルクが前記誘導電
動機から出力されているか否かを判別するベクトル制御
判別手段、 前記電流指令値と一次電流との差等に対応した補助トル
ク指令値を演算する補助トルク指令演算手段、及び前記
所望のトルクが前記誘導電動機から出力されている場合
に、前記トルク指令値を前記トルク制御手段に出力し、
前記所望のトルクが前記誘導電動機から出力されていな
い場合に、前記補助トルク指令値を新たなトルク指令値
として前記トルク制御手段に出力するトルク制御補助手
段を具備することを特徴とする誘導電動機の制御装置。 - 【請求項8】 前記補助トルク指令値が、すべりと回転
磁界の角速度とにより演算されることを特徴とする請求
項7に記載の誘導電動機の制御装置。 - 【請求項9】 前記所望のトルクに対する前記すべりと
前記角速度の比から前記すべりを算出し、前記すべりと
前記角速度の積から前記補助トルク指令値が演算される
ことを特徴とする請求項8に記載の誘導電動機の制御装
置。 - 【請求項10】 前記誘導電動機の角速度、前記補助ト
ルク指令値、及び前記トルク指令値の対応マップ図を予
め作成し、前記補助トルク指令値を前記対応マップ図か
ら求めることを特徴とする請求項7に記載の誘導電動機
の制御装置。 - 【請求項11】 一次電流を制御して誘導電動機を駆動
する駆動手段、 トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を出力するト
ルク制御手段、 前記誘導電動機の端子間への印加電圧を最小とする励磁
電流指令値を前記トルク指令値と前記誘導電動機の角速
度とに基づいて算出する励磁電流算出手段、及び前記ト
ルク電流指令値と前記励磁電流指令値とに基づいて電流
指令値を算出し、前記電流指令値に基づいて動作指令を
前記駆動手段に出力する動作指令出力手段 を具備する
ことを特徴とする誘導電動機の制御装置。 - 【請求項12】 誘導電動機を駆動する制御装置の制御
方法において、 前記制御装置に用いられている電力半導体デバイスの温
度を検出または推定して検知する温度検知ステップ、 前記温度検知ステップで検知された前記電力半導体デバ
イスの温度と予め与えられた前記電力半導体デバイスの
許容温度とを比較する温度比較ステップ、 前記温度比較ステップの比較結果に基づいて前記誘導電
動機に供給される電流指令値の最大電流値を算出する最
大電流算出ステップ、及び前記電流指令値が前記許容最
大電流値よりも大きくならないように制限する電流制限
ステップを具備することを特徴とする誘導電動機の制御
方法。 - 【請求項13】 誘導電動機を駆動する制御装置の制御
方法において、 前記誘導電動機の固定子巻線の温度を検出または推定し
て検知する温度検知ステップ、 前記温度検知ステップで検知された前記固定子巻線の温
度と予め与えられた前記固定子巻線の許容温度とを比較
する温度比較ステップ、 前記温度比較ステップの比較結果に基づいて前記誘導電
動機に供給される電流指令値の最大電流値を算出する最
大電流算出ステップ、及び前記電流指令値が前記最大電
流値よりも大きくならないように制限する電流制限ステ
ップを具備することを特徴とする誘導電動機の制御方
法。 - 【請求項14】 誘導電動機を駆動する制御装置の制御
方法において、 前記誘導電動機に供給される電流指令値と前記誘導電動
機の一次電流とを比較して、トルク指令値通りの所望の
トルクが前記誘導電動機から出力されているか否かを判
別するベクトル制御判別ステップ、 前記所望のトルクが前記誘導電動機から出力されていな
い場合に、前記電流指令値と一次電流との差等に対応し
た補助トルク指令値を演算する補助トルク指令演算ステ
ップ、及び前記補助トルク指令演算ステップで演算され
た前記補助トルク指令値と励磁電流指令値とに基づいて
電流指令値を算出し、前記電流指令値に基づいて前記誘
導電動機を駆動するステップを具備することを特徴とす
る誘導電動機の制御方法。 - 【請求項15】 誘導電動機を駆動する制御装置の制御
方法において、 前記誘導電動機の端子間への印加電圧を最小とする励磁
電流指令値をトルク指令値と前記誘導電動機の角速度と
に基づいて算出する励磁電流算出ステップ、及び前記ト
ルク指令値に基づいて算出されたトルク電流指令値と前
記励磁電流指令値とに基づいて電流指令値を算出し、前
記電流指令値に基づいて前記誘導電動機を駆動するステ
ップを具備することを特徴とする誘導電動機の制御方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8162234A JPH1014283A (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 誘導電動機の制御装置、及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8162234A JPH1014283A (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 誘導電動機の制御装置、及びその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1014283A true JPH1014283A (ja) | 1998-01-16 |
Family
ID=15750528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8162234A Pending JPH1014283A (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 誘導電動機の制御装置、及びその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1014283A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005269814A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Yaskawa Electric Corp | インバータ制御装置および制御方法 |
JP2008022660A (ja) * | 2006-07-14 | 2008-01-31 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 電気推進船の制御装置 |
JP2012143144A (ja) * | 2010-12-30 | 2012-07-26 | Ls Industrial Systems Co Ltd | 電気自動車の誘導電動機のトルク制御システム及びその方法 |
JP2013106385A (ja) * | 2011-11-10 | 2013-05-30 | Honda Motor Co Ltd | モータ制御装置、歩行補助装置及びモータ制御方法 |
CN112189304A (zh) * | 2018-05-18 | 2021-01-05 | Gkn汽车有限公司 | 用于运行电机的方法 |
-
1996
- 1996-06-21 JP JP8162234A patent/JPH1014283A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005269814A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Yaskawa Electric Corp | インバータ制御装置および制御方法 |
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US9337768B2 (en) | 2011-11-10 | 2016-05-10 | Honda Motor Co., Ltd. | Motor control device, walking assist device, and motor control method |
CN112189304A (zh) * | 2018-05-18 | 2021-01-05 | Gkn汽车有限公司 | 用于运行电机的方法 |
CN112189304B (zh) * | 2018-05-18 | 2024-05-28 | Gkn汽车有限公司 | 用于运行电机的方法 |
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