JPH0866099A - 誘導電動機制御装置 - Google Patents

誘導電動機制御装置

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JPH0866099A
JPH0866099A JP6191400A JP19140094A JPH0866099A JP H0866099 A JPH0866099 A JP H0866099A JP 6191400 A JP6191400 A JP 6191400A JP 19140094 A JP19140094 A JP 19140094A JP H0866099 A JPH0866099 A JP H0866099A
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貞裕 松浦
Shigeru Sato
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常に精度よく回転速度を制御可能な、誘導電
動機制御装置を提供する。 【構成】 誘導電動機100のd軸及びq軸二次磁束を
推定する二次磁束推定器124を有しており、誘導電動
機の回転速度を、d軸一次電流とd軸二次磁束と誘導電
動機固有の定数から算出した推定速度分子部Aをq軸二
次磁束で除算して推定する速度推定器A126と、q軸
一次電流とq軸二次磁束と誘導電動機固有の定数から算
出した推定速度分子部Bをd軸二次磁束で除算して推定
する速度推定器B128とを、速度推定器130で切り
替えて制御する誘導電動器制御装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は誘導電動機の回転速度を
制御可能とする誘導電動機制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機は構造が簡単なため、安価で
保守が容易である反面、制御性が悪いため、精密な位置
・速度制御には不向きとされていたが、近年のエレクト
ロニクスの進歩に伴い、机上の理論であったベクトル制
御が実現レベルとなり脚光を浴び始めている。
【0003】しかし、ベクトル制御で誘導電動機の回転
速度制御を行おうとすると、エンコーダ等の速度センサ
が必要であり、従来の汎用インバータの置き換えは容易
ではない。そこで、電流値等から誘導電動機の回転速度
を推定する必要があった。
【0004】以下、従来の誘導電動機制御装置の一例に
ついて説明する。誘導電動機のベクトル制御方式におけ
る、誘導電動機の回転速度を推定する方式として、例え
ば、特開平1−214287号公報で示されている様
に、誘導電動機の一次電流と一次電圧から二次磁束を求
め、この二次磁束及び二次磁束の積分値に定数を乗じて
回転速度を簡便に推定する方式があった。
【0005】また、二相モデルにおける誘導電動機の基
礎式は次式の(数1)様に書ける。
【0006】
【数1】
【0007】ここで、i1d、i1qはそれぞれ固定子側に
流れる一次側のd軸及びq軸電流であり、v1d、v1q
その電圧、i2d、i2qはそれぞれ回転子側に流れる二次
側のd軸及びq軸電流である.また、Rj、Ljはそれぞ
れj次側の抵抗及びインダクタンス、Mは相互インダク
タンス、θはモータの回転角度、pは極対数である.こ
の基礎式から、温度変化による変動が大きい二次抵抗R
2を排除して、
【0008】
【数2】
【0009】という式から回転速度を推定する方式が知
られており、二次抵抗の変化の影響もなく、理論的に回
転速度を厳密に求めることが可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
1−214287号公報に記載の方式では、簡単な構造
で実現可能であるが、乗ずる定数に依存したり、回転速
度の推定精度が悪いといった問題点を有していた。
【0011】また、2つめの二次抵抗を排除する方式で
は(数2)の分母が0となる点で、推定回転速度が無限
大となってしまうため、分母が0となる近傍で推定精度
が著しく悪い上、フィルタ等を用いて平滑化すると応答
性が悪くなるといった問題点を有していた。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の誘導電動機制御装置は、三相誘導電動機の
固定子に供給する一次交流電流群のそれぞれを測定ある
いは推定する電流検出器と、前記電流検出器の出力を予
め定めたd軸方向のd軸一次電流と、前記d軸方向との
位相差が90度であるq軸方向のq軸一次電流との二相
交流電流に変換するdq軸電流変換器と、前記三相誘導
電動機の回転子側の前記d軸方向のd軸二次磁束と前記
q軸方向のq軸二次磁束を推定する二次磁束推定器を有
しており、前記d軸一次電流と前記d軸二次磁束と前記
三相誘導電動機固有の定数から推定速度分子部Aを算出
し、前記推定速度分子部Aを前記q軸二次磁束で除算し
て前記三相誘導電動機の回転速度を推定する速度推定器
Aと、前記q軸一次電流と前記q軸二次磁束と前記三相
誘導電動機固有の定数から推定速度分子部Bを算出し、
前記推定速度分子部Bを前記d軸二次磁束で除算して前
記三相誘導電動機の回転速度を推定する速度推定器B
と、前記速度推定器Aと前記速度推定器Bとの出力値を
切り換えて前記三相誘導電動機の回転速度と定める推定
速度切換器と、前記三相誘導電動機の指令速度と前記推
定速度切換器の出力とを比較して前記トルク電流成分の
大きさを変化させ、前記トルク電流成分の大きさと予め
定めた前記励磁電流成分の大きさと前記推定速度切換器
の出力から前記一次交流電流群のそれぞれの位相を変化
させて前記三相誘導電動機の回転速度を制御する回転速
度制御手段を具備することを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明は上記した構成によって、フィルタ等も
不要となり、常に精度よく誘導電動機の回転速度が制御
可能で、かつ、応答性のよい誘導電動機制御装置を実現
することができる。
【0014】
【実施例】以下本発明の実施例の誘導電動機制御装置に
ついて、図面を参照しながら説明する。
【0015】(第1実施例)図1は本発明の第1の実施
例における誘導電動機制御装置の構成を示す全体図であ
る。
【0016】図1において、100は三相誘導電動機、
102はPWMインバータ、104は速度制御器、10
6は回転/静止座標変換器、108は二相/三相変換
器、110はすべり周波数演算器、112は加算器、1
14は積分器、116は電流制御器、118a、118
b、118cはそれぞれ電流検出器、120、122は
三相/二相変換器、124は二次磁束推定器、126は
速度推定器A、128は速度推定器B、130は推定速
度切換器である。
【0017】図2は誘導電動機の二次磁束の時間変化を
示す概念図である。図3は本発明の第1の実施例におけ
る速度推定器の切換方式を示す概念図である。
【0018】以上のように構成された誘導電動機制御装
置について、以下図1、図2、図3を用いてその動作を
説明する。
【0019】従来の誘導電動機制御装置と同様に、PW
Mインバータ102は電流制御器116からの制御信号
である電圧指令値に従ったパルス幅の信号を三相誘導電
動機100に供給する。
【0020】この時、三相誘導電動機100に供給され
た三相のそれぞれの一次交流電流i1a、i1b、i1cを電
流検出器118a、118b、118cでそれぞれ検出
する。ここで、一次交流電流を足しあわせると0、即
ち、
【0021】
【数3】
【0022】という関係であるので、三相のうちのいず
れか2つを検出し、残りの1つは検出した2つの電流値
から計算してもよい。
【0023】次に速度制御器104は、誘導電動機の回
転速度指令値ωm *と誘導電動機の回転速度推定値ωme
ら、トルク電流指令値I1q *を、例えば次式の、
【0024】
【数4】
【0025】のように与えると、回転速度推定値の推定
精度が高ければ、誘導電動機の回転速度を回転速度指令
値に追従させることが可能となり、任意の速度制御が可
能となる。
【0026】そして、すべり周波数演算器110は、予
め一定値に定めた励磁電流指令値I1d *とトルク電流指
令値I1q *とを用いて、すべり速度ωs を、
【0027】
【数5】
【0028】の関係式で計算する。このすべり速度ωs
と誘導電動機の回転速度推定値ωmeを加算器112で足
しあわせ、積分器114で積分することにより、電気的
位相角θ0 が求められる。
【0029】更に回転/静止座標変換器106により、
先ほどの励磁電流指令値I1d *とトルク電流指令値I1q *
と電気的位相角θ0 から、
【0030】
【数6】
【0031】に従い、位相差が90度の二相の一次交流
電流指令値に変換される。その後、二相/三相変換器1
08により、
【0032】
【数7】
【0033】に従って三相の一次交流電流指令値
1a *、i1b *、i1c *に変換される。更に、実際の一次
交流電流がそれぞれこの一次交流電流指令値に追従する
様に電流制御器116で電流フィードバック制御を行
う。
【0034】これは、例えば、電流検出器118a、1
18b、118cの出力を用いて、
【0035】
【数8】
【0036】という電圧指令値v1z(z=a、b、c)
を出力する。これにより、誘導電動機に供給される一次
交流電流が、望みの指令値にするように制御できる。こ
こまでは、従来の速度センサ付きのベクトル制御装置と
同じ構成である。
【0037】次に、誘導電動機の回転速度を推定する構
成について説明する。三相/二相変換器120で、電流
検出器118a、118b、118cの出力から、
【0038】
【数9】
【0039】で、二相の交流電流i1d、i1qに変換し、
三相/二相変換器122で、三相の電圧指令値v1z(z
=a、b、c)から、
【0040】
【数10】
【0041】で、二相の交流電圧v1d、v1qに変換し、
これらの二相交流電流及び二相交流電圧から、二次磁束
推定器124により、
【0042】
【数11】
【0043】
【数12】
【0044】に従って、二次磁束ψ2d、ψ2qが推定でき
る。ここで、従来例と同様に、二相モデルにおける誘導
電動機の基礎式(数1)から、誘導電動機の回転速度ω
meを推定する次の2つの式が求められる。
【0045】
【数13】
【0046】
【数14】
【0047】これらの2つの式ともに、従来例と同様に
分母が0となる場合があり、その近傍で推定精度が悪
い。
【0048】しかし、(数13)の分母である二次磁束
ψ2qと(数14)の分母である二次磁束ψ2dが両方とも
0になることは、誘導電動機に電流が全く流れていない
場合すなわち停止している場合、あるいは速度制御をし
ていないフリーランの場合しかない。つまり誘導電動機
が駆動されている場合は、二次磁束は図2の様になる。
【0049】そこで、速度推定器A126が(数13)
に従って、まず分子に当たる推定速度分子部Aを算出
し、これを分母である二次磁束ψ2qで除算して誘導電動
機の回転速度を推定し、速度推定器B128が(数1
4)に従って、まず分子に当たる推定速度分子部Bを算
出し、これを分母である二次磁束ψ2dで除算して誘導電
動機の回転速度を推定し、推定速度切換器130により
二次磁束ψ2d、ψ2qの大きさを検査し、これらが0近傍
でない方、即ち、分母が0近傍でない方を選択すれば、
常に精度よく誘導電動機の回転速度を推定できることに
なる。
【0050】例えば、図3に示したように、二次磁束ψ
2dの絶対値がある閾値より小さい場合は速度推定器Aの
出力に切り換え、二次磁束ψ2dの絶対値が閾値より大き
い場合は速度推定器Bの出力に切り換えて誘導電動機の
回転速度と定めればよい。
【0051】なお、ここでは二相/三相変換器108
で、三相の一次交流電流指令値を構成して、三相の一次
交流電流と比較して、電流制御器116で、三相の一次
交流電流をそれぞれ制御したが、電流検出器で検出した
三相一次交流電流を三相/二相変換器で二相の一次交流
電流とし、この二相電流と、二相/三相変換器108に
入る前の二相の一次交流電流指令値と比較して電流制御
を行い、その後二相の電圧指令値を二相/三相変換器で
三相の電圧指令値として構成してもよい。
【0052】また、ここでは実際の電圧の代わりに電圧
指令値を用いているが、これにより電圧を検出する電圧
検出器が不要となる利点がある。
【0053】(第2実施例)次に、第1の実施例では、
推定速度切換器が速度推定器を切り換える際に、二次磁
束が0近傍かどうかを判断していたが、実際に0近傍か
どうかを判断するために、適当な閾値を導入しなければ
ならない。
【0054】しかし、目標とする回転速度指令値により
この閾値を変動させる必要が生ずる可能性があるため、
回転速度指令値が大きく変動する場合には更に工夫を要
する。
【0055】そこで、誘導電動機の回転速度指令値が大
きく変動しても、自動的に速度推定器を切り換えて、精
度よく誘導電動機の回転速度を推定することを可能とす
る誘導電動機制御装置の発明について、実施例と共に説
明する。
【0056】図4は、かかる実施例における誘導電動機
制御装置の構成を示す全体図である。
【0057】図4において、100は三相誘導電動機、
102はPWMインバータ、104は速度制御器、10
6は回転/静止座標変換器、108は二相/三相変換
器、110はすべり周波数演算器、112は加算器、1
14は積分器、116は電流制御器、118a、118
b、118cはそれぞれ電流検出器、120、122は
三相/二相変換器、124は二次磁束推定器、126は
速度推定器A、128は速度推定器Bである。
【0058】200、202は絶対値変換器、204は
比較器、206は推定速度切換器である。また、図5は
本実施例における速度推定器の切換方式を示す概念図で
ある。 以上のように構成された誘導電動機制御装置に
ついて、以下図4、図5を用いてその動作を説明する。
【0059】第1の実施例の誘導電動機制御装置と同様
に、速度制御器114、回転/静止座標変換器106、
二相/三相変換器108、すべり周波数演算器110、
電流制御器116の動作は、従来の速度センサ付きベク
トル制御装置と同じであり、三相/二相変換器120、
122及び二次磁束推定器124の動作も第1の実施例
と同様である。
【0060】第1の実施例では、回転速度切換器が、単
に二次磁束の大きさが0近傍でない方を選択していた
が、本実施例では、まず、二次磁束推定器124からの
出力である二次磁束ψ2d、ψ2qを、それぞれ絶対値変換
器200、202で絶対値に変換し、比較器204でど
ちらが大きいかを検査する。
【0061】そして、図5に示したように、
【0062】
【数15】
【0063】の場合は、回転速度切換器206が、速度
推定器A126を選択して実行させ、
【0064】
【数16】
【0065】の場合は、回転速度切換器206が、速度
推定器B128を選択して実行させて速度推定時に0で
割ることを回避することにより、精度の良い回転速度推
定を容易に実現可能となる。
【0066】(第3実施例)次に、第1及び第2の実施
例では、二次磁束の絶対値の大きさで速度推定器を切り
換えていた。
【0067】本発明の第3の実施例として、二次磁束の
大きさではなく、一次交流電流の電気的位相角から速度
推定器を切り換えることを可能とする誘導電動機制御装
置を提供する。
【0068】以下本発明の第3の実施例の誘導電動機制
御装置について、図面を参照しながら説明する。
【0069】図6は本実施例における誘導電動機制御装
置の構成を示す全体図である。図6において、100は
三相誘導電動機、102はPWMインバータ、104は
速度制御器、106は回転/静止座標変換器、108は
二相/三相変換器、110はすべり周波数演算器、11
2は加算器、114は積分器、116は電流制御器、1
18a、118b、118cはそれぞれ電流検出器、1
20、122は三相/二相変換器、124は二次磁束推
定器、126は速度推定器A、128は速度推定器Bで
ある。
【0070】300は位相検査器、302は推定速度切
換器である。また、図7は本実施例における速度推定器
の切換方式を示す概念図である。
【0071】以上のように構成された誘導電動機制御装
置について、以下図6、図7を用いてそ動作を説明す
る。
【0072】第1の実施例の誘導電動機制御装置と同様
に、速度制御器104、回転/静止座標変換器106、
二相/三相変換器108、すべり周波数演算器110、
電流制御器116の動作は、従来の速度センサ付きベク
トル制御装置と同じであり、三相/二相変換器120、
122及び二次磁束推定器124の動作も第1の実施例
と同様である。
【0073】第1及び第2の実施例では、二次磁束の大
きさから速度推定器を切り換えていたが、二次磁束は、
【0074】
【数17】
【0075】
【数18】
【0076】という関係があるので、位相検査器300
が積分器114の出力を検査し、例えば、図7に示した
ように、
【0077】
【数19】
【0078】の場合は、回転速度切換器302により、
速度推定器A126を選択して実行させ、
【0079】
【数20】
【0080】の場合は、回転速度切換器302により、
速度推定器B128を選択して実行させて速度推定時に
0で割ることを回避させる。これにより、精度の良い回
転速度推定を容易に実現可能となる。
【0081】(第4実施例)次に、第1及び第2及び第
3の実施例では、誘導電動機が停止状態から始動する際
に、二次磁束ψ2d、ψ2qがともに0近傍であり、速度推
定器の推定精度が悪い。
【0082】そこで、誘導電動機の始動時に速度推定器
から誤信号を出力せず、精度よく誘導電動機の回転速度
を推定することを可能とする本願発明の誘導電動機制御
装置について、実施例と共に説明する。
【0083】図8は本実施例における誘導電動機制御装
置の構成を示す全体図である。図8において、100は
三相誘導電動機、102はPWMインバータ、104は
速度制御器、106は回転/静止座標変換器、108は
二相/三相変換器、110はすべり周波数演算器、11
2は加算器、114は積分器、116は電流制御器、1
18a、118b、118cはそれぞれ電流検出器、1
20、122は三相/二相変換器、124は二次磁束推
定器、126は速度推定器A、128は速度推定器Bで
ある。
【0084】400、402は絶対値比較器、404は
停止判断器、406は推定速度切換器である。
【0085】図9は誘導電動機が停止時から駆動するま
での二次磁束の時間変化を示す概念図である。
【0086】以上のように構成された誘導電動機制御装
置について、以下図8、図9を用いてその動作を説明す
る。
【0087】第1の実施例の誘導電動機制御装置と同様
に、速度制御器104、回転/静止座標変換器106、
二相/三相変換器108、すべり周波数演算器110、
電流制御器116の動作は、従来の速度センサ付きベク
トル制御装置と同じであり、三相/二相変換器120、
122及び二次磁束推定器124、速度推定器A12
6、速度推定器B128の動作も第1の実施例と同様で
ある。
【0088】本実施例では、(数13)の分母である二
次磁束ψ2qと(数14)の分母である二次磁束ψ2dが両
方とも0になることは、図9に示したように、誘導電動
機に電流が全く流れていない場合すなわち停止している
場合、あるいは速度制御を行っていないフリーランの場
合しかないので、絶対値比較器400及び402で、そ
れぞれ二次磁束ψ2d、ψ2qの絶対値と予め定めた正の値
である適当な閾値Lと比較し、
【0089】
【数21】
【0090】かつ、
【0091】
【数22】
【0092】の場合で、誘導電動機を駆動開始する際に
は、停止判断器404が誘導電動機の回転速度は0であ
る即ち停止していると判断し、推定速度切換器406に
より回転速度が0となるよう切り換える。
【0093】これにより、誘導電動機が停止状態から始
動する際にでも、速度推定器からの誤信号を伝えること
がなくなり、安定した速度制御が可能となる。
【0094】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、常に精度
よく誘導電動機の回転速度が制御可能で、かつ、応答性
のよい誘導電動機制御装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における誘導電動機制御
装置の構成を示す全体図
【図2】誘導電動機の二次磁束の時間変化を示す概念図
【図3】図1に示す実施例における速度推定器の切換方
式を示す概念図
【図4】本発明の第2の実施例における誘導電動機制御
装置の構成を示す全体図
【図5】同実施例における速度推定器の切換方式を示す
概念図
【図6】本発明の第3の実施例における誘導電動機制御
装置の構成を示す全体図
【図7】同実施例における速度推定器の切換方式を示す
概念図
【図8】本発明の第4の実施例における誘導電動機制御
装置の構成を示す全体図
【図9】誘導電動機が停止時から駆動するまでの二次磁
束の時間変化を示す概念図
【符号の説明】
100 三相誘導電動機 102 PWMインバータ 104 速度制御器 106 回転/静止座標変換器 108 二相/三相変換器 110 すべり周波数演算器 112 加算器 114 積分器 116 電流制御器 118a 電流検出器 118b 電流検出器 118c 電流検出器 120 三相/二相変換器 122 三相/二相変換器 124 二次磁束推定器 126 速度推定器A 128 速度推定器B 130 推定速度切換器 200 絶対値変換器 202 絶対値変換器 204 比較器 206 推定速度切換器 300 位相検査器 302 推定速度切換器 400 絶対値比較器 402 絶対値比較器 404 停止判断器 406 推定速度切換器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三相誘導電動機の固定子に供給する一次交
    流電流群のトルク電流成分と励磁電流成分の各成分を独
    立に指令し、前記一次交流電流群の大きさと位相を変化
    させて前記三相誘導電動機の回転速度を制御する誘導電
    動機制御装置において、 前記一次交流電流群のそれぞれを測定あるいは推定する
    電流検出器と、前記電流検出器の出力を予め定めたd軸
    方向のd軸一次電流と、前記d軸方向との位相差が90
    度であるq軸方向のq軸一次電流との二相交流電流に変
    換するdq軸電流変換器と、前記三相誘導電動機の回転
    子側の前記d軸方向のd軸二次磁束と前記q軸方向のq
    軸二次磁束を推定する二次磁束推定器を有しており、 前記d軸一次電流と前記d軸二次磁束と前記三相誘導電
    動機固有の定数から推定速度分子部Aを算出し、前記推
    定速度分子部Aを前記q軸二次磁束で除算して前記三相
    誘導電動機の回転速度を推定する速度推定器Aと、前記
    q軸一次電流と前記q軸二次磁束と前記三相誘導電動機
    固有の定数から推定速度分子部Bを算出し、前記推定速
    度分子部Bを前記d軸二次磁束で除算して前記三相誘導
    電動機の回転速度を推定する速度推定器Bと、前記速度
    推定器Aと前記速度推定器Bとの出力値を切り換えて前
    記三相誘導電動機の回転速度と定める推定速度切換器
    と、 前記三相誘導電動機の指令速度と前記推定速度切換器の
    出力とを比較して前記トルク電流成分の大きさを変化さ
    せ、前記トルク電流成分の大きさと予め定めた前記励磁
    電流成分の大きさと前記推定速度切換器の出力から前記
    一次交流電流群のそれぞれの位相を変化させて前記三相
    誘導電動機の回転速度を制御する回転速度制御手段を具
    備していることを特徴とする誘導電動機制御装置。
  2. 【請求項2】推定速度切換器が、d軸二次磁束あるいは
    q軸二次磁束のどちらか一方の絶対値と予め定めた閾値
    を比較し、前記d軸二次磁束の絶対値が前記閾値より小
    さい場合は速度推定器Aの出力に切り換え、前記d軸二
    次磁束の絶対値が前記閾値より大きい場合は速度推定器
    Bの出力に切り換えて誘導電動機の回転速度と定めるか
    若しくは前記q軸二次磁束の絶対値が前記閾値より小さ
    い場合は速度推定器Bの出力に切り換え、前記q軸二次
    磁束の絶対値が前記閾値より大きい場合は速度推定器A
    の出力に切り換えて誘導電動機の回転速度と定めること
    を特徴とする請求項1記載の誘導電動機制御装置。
  3. 【請求項3】推定速度切換器が、d軸二次磁束の絶対値
    がq軸二次磁束の絶対値より小さい場合は速度推定器A
    の出力に切り換え、d軸二次磁束の絶対値がq軸二次磁
    束の絶対値より大きい場合は速度推定器Bの出力に切り
    換えて誘導電動機の回転速度と定めることを特徴とする
    請求項1記載の誘導電動機制御装置。
  4. 【請求項4】推定速度切換器が、一次交流電流群の位相
    により速度推定器Aの出力と速度推定器Bの出力とを切
    り換えて誘導電動機の回転速度と定めることを特徴とす
    る請求項1記載の誘導電動機制御装置。
  5. 【請求項5】推定速度切換器が、d軸二次磁束及びq軸
    二次磁束の絶対値と予め定めた閾値を比較し、前記d軸
    二次磁束の絶対値及び前記q軸二次磁束の絶対値がとも
    に前記閾値より小さい場合は、誘導電動機が停止してい
    るという出力とすることを特徴とする請求項1記載の誘
    導電動機制御装置。
  6. 【請求項6】回転速度制御手段が、三相誘導電動機の指
    令速度と推定速度切換器の出力とを比較してトルク電流
    成分の指令値の大きさを変化させるトルク電流指令値生
    成手段と、前記トルク電流成分の指令値の大きさと予め
    定めた励磁電流成分の指令値の大きさと前記推定速度切
    換器の出力から一次交流電流群のそれぞれの指令値の位
    相を変化させる位相変換手段と、前記トルク電流成分の
    指令値の大きさと前記励磁電流成分の指令値の大きさと
    前記位相変換手段の出力から前記一次交流電流群のそれ
    ぞれの指令値を生成する一次電流指令値生成手段と、電
    流検出器のそれぞれの出力が前記一次電流指令値生成手
    段のそれぞれ対応する指令値に一致するように制御信号
    群を出力する電流制御手段とを有しており、 二次磁束推定器が、前記電流制御手段の制御信号群をd
    軸方向のd軸制御信号とq軸方向のq軸制御信号との二
    相の制御信号に変換するdq軸制御信号変換器を有して
    おり、dq軸電流変換器の出力と、前記dq軸制御信号
    変換器の出力と、三相誘導電動機固有の定数からd軸二
    次磁束とq軸二次磁束を推定することを特徴とする請求
    項1記載の誘導電動機制御装置。
  7. 【請求項7】回転速度制御手段が、三相誘導電動機の指
    令速度と推定速度切換器の出力とを比較してトルク電流
    成分の指令値の大きさを変化させるトルク電流指令値生
    成手段と、前記トルク電流成分の指令値の大きさと予め
    定めた励磁電流成分の指令値の大きさと前記推定速度切
    換器の出力から一次交流電流群のそれぞれの指令値の位
    相を変化させる位相変換手段と、前記トルク電流成分の
    指令値の大きさと前記励磁電流成分の指令値の大きさと
    前記位相変換手段の出力からd軸一次電流とq軸一次電
    流のそれぞれの指令値を生成するdq軸電流指令値生成
    手段と、dq軸電流変換器のそれぞれの出力が前記dq
    軸電流指令値生成手段のそれぞれ対応する指令値に一致
    するようにd軸制御信号とq軸制御信号を出力する電流
    制御手段と、前記電流制御手段の出力を前記一次交流電
    流群を出力するそれぞれの一次交流電流出力器の制御信
    号に変換する制御信号分配手段を有しており、 二次磁束推定器が、dq軸電流変換器の出力と、前記電
    流制御手段の出力と、三相誘導電動機固有の定数からd
    軸二次磁束とq軸二次磁束を推定することを特徴とする
    請求項1記載の誘導電動機制御装置。
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