JP5024733B2 - 鋳包まれた砂中子の砂落し方法 - Google Patents

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Description

本発明は、砂中子の砂落し方法に係わるもので、特に複雑形状をなす鋳物から短時間で完全な砂落しが達成できる鋳包まれた砂中子の砂落し方法に関する。
従来、鋳包まれた砂中子、特にフェノール樹脂を用いたシェル中子を鋳物から除去、つまり砂落しするためには、鋳物に衝撃を与え、砂中子を崩壊・除去、砂落しする方法、あるいは約400〜500℃の砂焼炉内に鋳物をいれ、砂中子を加熱崩壊させる砂焼方法が利用されてきている。前者の場合に、鋳造時の熱が充分に中子砂に伝わって中子バインダが熱分解している場合には有利に適用できるが、多くの場合には衝撃によって鋳物が割れたり変形する。後者の砂焼法はアルミ鋳物の場合のように時効処理T6を兼ねて行うことが多いが、砂こぼれによる炉の損傷や鋳包まれた砂の加熱のための熱量が必要となり、過剰なエネルギを浪費しているのが実情である。
また、砂中子除去、つまり砂落しの簡便化をはかるために、鋳物内の砂中子に高温の燃焼用ガスを流通させ、有機系バインダ、一般的にはシェル鋳型のフェノール樹脂の燃焼を利用する方法が以下のように提案されている。鋳型の上下型のいずれにガス流通孔を設け、一方から巾木を通じてガスを給気し、他方の巾木からガス孔を介して排気する方法では、流通孔と巾木との間からガス漏れが発生するために粘結材が完全に燃焼しないので鋳物に砂中子が残留する問題点があった(特許文献1参照)。
砂中子の成形時に巾木部からガス給気管を埋設しておき、注湯後に同給気管からガスを給気する方法では、製品の取り出しが容易でない問題点があった(特許文献2参照)。
さらに、ガス給気管を鋳物で鋳包むことでガス漏れを防止する方法だが、装置が複雑で消耗品を使用する問題点があった(特許文献3参照)。
さらに、一旦取り出した鋳物を砂焼き炉中で高圧空気の吹き付け手段を設ける方法(特許文献4参照)が提案されている。
これらの砂中子に用いられるバインダはフェノール系の有機バインダが主流で、耐熱強度は高いが、分解・酸化しがたくタール分の発生や炭化する欠点があるために、前記の特許文献1〜4の方法では不十分であり、所定の目的を充分には達成できない問題点があった。
けい砂に水溶性バインダと水を添加して混合器で攪拌混合して発泡させた混合物を加熱した砂中子造型用金型にシリンダ加圧充填して、固化させる方式(特許文献5参照)では、複雑形状の成形が容易であり、水溶性バインダはより低温で分解し、環境に悪影響を及ぼす窒素を含まない炭化水素系多糖類系が開発されているが、その運用はいまだ未適用段階である(非特許文献1参照)。
特開昭58−141844号公報 特開昭63−224862号公報 特開平1−154862号公報 実開昭56−18464号公報 WO2005089984A1号公報 新東技報No.22(2004)p34-38
本発明は、上記の問題に鑑みて成されたもので、シェル鋳型を構成するフェノール樹脂より容易に分解する水溶性バインダを用いた砂中子を鋳包んだ鋳物が金型から取り出される前に、助燃ガスを通じることによってバインダの分解酸化反応を促進して反応生成ガスとして除去して、鋳物に砂中子が残留しない除去方法、つまり鋳包まれた砂中子の砂落し方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明の鋳包まれた砂中子の砂落し方法は、易分解性バインダを用いた砂中子を鋳包んだ鋳物から砂中子を除去する、砂落とし方法であって、鋳造後に型内に保持された鋳物内部の砂中子に助燃ガスを給気する工程と、砂中子のバインダと助燃ガスとを反応させる工程と、生成した反応生成ガスを鋳物外に排気する工程と、単粒化させた砂を鋳物内部から排出する工程とを含むことを特徴とする。
また、前記助燃ガスが酸素もしくはオゾンなどの酸化性成分を含むガス体、または空気とするのが好ましい。
また、前記砂鋳包まれた中子の砂落し方法において、鋳型内を吸引、減圧後に助燃ガスの給気することを繰り返すのが好ましい。
さらにまた、前記鋳包まれた砂中子の砂落し方法において、前記助燃ガスが常圧以上であることが好ましい。
さらに、前記鋳包まれた砂中子の砂落し方法において、前記易分解性バインダが低温分解性の水溶性であるのが好ましい。
本発明によれば、鋳造時に砂中子からバインダを反応によってガス化して除去できるので、中子砂が結合を解かれ流動性を有する砂粒子にまで細かく分散することができ、衝撃などの物理的な作用によらずに、容易に鋳物内部から除去、砂落しが可能である。
また、残留バインダ燃焼除去のための砂焼炉などの付帯設備が不要となるため、別途設置していた砂落し装置の省略、生産性の向上が実現できるという利点がある。
上記の目的を達成するために本発明の鋳包まれた砂中子の砂落し方法は、易分解性バインダを用いた砂中子を鋳包んだ鋳物から砂中子を除去する、砂落し方法であって、鋳造後に型内に保持された鋳物内部の砂中子に助燃ガスを給気する工程と、砂中子のバインダと助燃ガスとを反応させる工程と、生成した反応生成ガスを鋳物外に排気させる工程と、単粒化させた砂を鋳物内部から排出する工程とを含むことができる。
これにより通常の解枠装置が不要になると共に作動エネルギが低減できるという利点がある。しかも、容易に中子砂が分離できるので、砂焼工程が省かれる事でエネルギが低減できるという利点がある。
さらに、前記鋳包まれた砂中子の砂落し方法において、前記助燃ガスが酸素もしくはオゾンなどの酸化性成分を含むガス体、または空気とすることによって、空気は窒素が主体で酸素の占める割合は小さいが、これを純酸素にすれば反応率は高くなり、さらにオゾンとしてその反応性を高めると更に反応のスピードが速まる。これにより、効率的にバインダの除去ができるという利点がある。
さらに、前記鋳包まれた砂中子の砂落し方法において、前記助燃ガスの鋳型内を吸引、減圧後に前記助燃ガスを給気することを繰り返す。ただ単に加圧あるいは吸引によってガスを流した場合にはその差圧変化を最も小さくするように、最高圧部から最低圧部まで直線的にガスが流れるために、凹みや曲がり部の外側などの部分ではガスが流れにくく、結果的にこの部分の反応が遅れるので、結果的にバインダが充分に分解した部分と分解し無い部分とが生じるが、吸引、減圧した状態では鋳包まれた鋳物内の砂中子空間は平均的に圧力が下がるので、助燃ガスを給気した際に、鋳包れた鋳物中の砂中子全体に均一にながれ、砂中子間隙の隅々まで充填できるので、これによりバインダの反応が場所によるムラ無しに均一に進むという利点がある。
さらに、前記鋳包まれた砂中子の砂落し方法において、前記助燃ガスが常圧以上とすることができる。給気ガス圧が常圧より低いと鋳包まれた鋳物内の砂中子空間に流れにくいが、鋳包まれた鋳物内の砂中子空間が吸引減圧状態であれば、常圧でも差圧があるので充分流れ込んでいくし、さらに常圧より高ければ反応性は高まるという利点がある。さらに、助燃ガスとバインダとの反応によってガスが生成し、鋳物内の砂中子空間のガス圧が上昇し、その挙動を確認することが可能となるという利点がある。但し、給気ガス圧が高いとこの発生ガス圧が検知しにくくなるので、できるだけ低いほうが反応結果を検知しやすいという利点がある。
さらに、前記砂鋳包まれた中子の砂落し方法において、前記易分解性バインダが低温分解性の水溶性とすることができる。有機溶剤を含んだバインダの使用は大気汚染の元凶であり、健康被害を招くので使用は好ましくない。それに比較して水系のものは環境にやさしい。さらに、通常の砂中子に使用されているバインダはフェノール樹脂が主体で、分解時に窒素化合物が生成し、助燃ガスが無い場合には炭化しやすく、一旦炭化したものは容易に反応しがたいので、より分解特性の優れた材料、例えば炭化水素化合物、好ましくは多糖類を使用することで、付加エネルギ自体が低減できるという利点がある。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明は、易分解性バインダを用いた砂中子を鋳包んだ鋳物から砂中子を砂落しする方法であって、鋳造後に型内に保持された鋳物内部の砂中子に助燃ガスを給気する工程と、砂中子のバインダと助燃ガスとを反応させる工程と、生成した反応生成ガスを鋳物外に排気する工程と、単粒化させた砂を鋳物内部から排出する工程とを含む鋳包まれた砂中子の砂落し方法である。
本発明で使用される易分解性バインダ、つまり、従来のシェル鋳型に使用されるフェノー樹脂等に比較して低温で分解するバインダ、特に新東技報NO.22(2004)p34−38に示されるような水溶性多糖類バインダは従来のフェノール樹脂に比較して低温で分解が促進される特性がある、小さい衝撃で崩壊する特性があるが、通常の鋳込み条件では砂中子は鋳包まれたままである。また、炭水化物であるので、燃焼有害な窒素を含まないため、助燃ガスによって不活性な水と炭酸ガスになるので大気汚染の無い、環境にやさしいバインダといえる。炭水化物としては、たとえば、ポリビニールアルコール、澱粉などが用いられる。
一般的に砂中子は鋳物砂にバインダを加えた混練後に型に入れた後で硬化させるが、注湯時のバインダの熱分解によるガス欠陥防止のため、そのバインダ量は鋳造時の形状維持に必要なまでに低減されているため、砂粒間に空隙を含む多孔体となり、空気を含んでいる。この砂中子を金型(図示していない)にセットし、金属溶湯を注入して、砂中子の周囲を溶湯で包み込むと、図1に示すように、この溶湯が凝固して鋳物1となり、鋳包みが完了する。溶湯の凝固時に放出される熱によって、砂中子2のバインダは一部砂中子粒子間の空気中の酸素と化合してガス化するが、その空気量が限定されているために反応するバインダ量は制限され殆どが未反応で残留する。その際、通常はバインダの多くは不活性の反応生成ガスに接しているため、蒸し焼き状態となり炭化して残留する傾向にある。
したがって、助燃ガスを通気することで熱分解を促進する試みが特許文献1〜4のように行われたが、ガス流を利用する場合にはその流気経路が最短距離をとるため、屈曲部(図示せず)や凹部2b(図2)については助燃ガスが流入しがたく、注湯後には反応生成ガスによって砂粒間の空隙は充満され、残留バインダの更なる減少はすすまない。したがって、この反応を砂粒間の全バインダに作用させるには、助燃ガスの給気と不活性な反応生成ガスの排気をバインダの分解が充分すすむようにする必要がある。
なお、前記助燃ガスとして利用できるのは空気が一般的だが、大気中には助燃効果のある酸素は約20%と少なく、更に反応を促進するには酸化性成分である酸素、オゾンを単独あるいは複合して大量に含む空気を用いたときには反応効率が大きくなる。
また、助燃ガスの給気前に鋳型内を吸引、減圧することで、屈曲部や凹部などのガスの助燃ガスが流れ難い箇所であっても、滞留してバインダの反応を阻害していた反応生成ガスが砂中子間から強制的に排気・除去されるので、給気助燃ガスの回り込みが促進される効果がある。この際、砂中子の気圧が高くなるか否かによって、バインダの残留が推定できる。つまり、残留バインダがなくなった場合には助燃ガスを加えても反応によるガスの圧力変動は生じなくなるので、この状態になるまで上記の工程を繰り返すことで、配管に装着した圧力計(図示せず)によってバインダの燃焼によるガス圧のモニタリングが可能となり、反応終了の判定およびそれによる操業停止、つまり装置の運転終了が制御可能となる。
また、砂中子は球形あるいは塊状の細粒砂を使っているため、粒子間には微細な間隙があるものの通常では助燃ガスの通気には通常加圧を必要とするが、吸引、減圧されるので、前記助燃ガスは常圧であっても流入することになる。
また、前記易分解性バインダとして低温分解性の水溶性多糖類を用いた場合には、最終的には水と炭酸ガスに分解され、有害なガスが発生しない。
なお、このバインダに発泡成分を用いた砂中子用混合物は発泡混合流動体状態として多量の気泡を包含したまま加熱した金型に圧入して造型するので、造形時に砂中子は金型に接する表面部分から順次乾燥・固化・硬化し、その過程での泡の減少によってバインダ及び砂が最終子固化部である中心が多孔となる構造を呈するため、砂中子内部では固体の量が少なく空間が大きいため通気しやすく、バインダの分解が容易となる。
さらに、本発明で使用している砂中子の易分解性バインダAは、図5のように燃焼分解温度が低く、反応熱が小さく、分解し易いという利点がある。フェノール樹脂Bを用いたシェル鋳型の場合には過度に助燃ガスを通気すると反応熱が大きいため、局部的にアルミの融点を越えてしまい、鋳物の一部が熔融変形することがあるが、こうしたことが起こらないという効果がある。
また、シェル鋳型用に通気する場合には、100L/minのオーダであるが、本発明では10L/minのオーダ以下でよいため使用する助燃ガス量が小さくできるという効果がある。100L/minオーダの給気の場合には、バインダが除去され個々に解離した砂粒は吹き飛ばされる効果が期待できる。この吹き飛ばし効果が働くと、図4に示されるように、砂中子の鋳物内部からの除去、つまり砂落しが促進され、鋳物内部に砂粒が残留せずに空洞6になるために、後処理工程の簡略化が容易となる効果も生まれる。
また、シェル鋳型のバインダは高度に乖離しがたい為、鋳造時の過程でタールが発生し易すく炭化するので除去しにくいが、本発明で使用している鋳型は分解し易いバインダを使用しているため容易に不活性の反応生成ガスとなるので、このガスを積極的に除去することがバインダの分解を促進するという利点がある。
なお、助燃ガスの給気・排気は鋳包まれた砂中子の、鋳包まれない部分、例えば、巾木などに鋳型外部と連絡する通気孔を設けて実施すると効率的である。但し、一ヶ所で給気・排気する場合には、専用のアダプターを必要とする。
[比較例1]
まず、本発明を分かりやすく説明するために、ガスを給気しない場合の砂落しについて述べる。
けい砂(フラタリーサンド)100wt.%、ポリビニルアルコール(JP−05、日本酢ビ・ポバール製)0.2wt.%、澱粉(デキストリンNSD−L、ニツシ製)0.8wt.%、クエン酸(扶桑化学製)0.4wt.%と水5wt.%を混合機(愛工舎卓上ミキサ)で約200rpmにおいて約3分間攪拝混合し発泡させ、前記骨材混合物をシリンダ内に投入し、シリンダ面圧0.5MPaのエアシリンダで、電気カートリッジヒータにより250℃に保持された、水道蛇口バルブ形状鋳物用中子造型用金型のキャビティ内に加圧充填し、15分間綱保持し、骨材混合物中の水分を蒸発させ、固化、架橋反応させた後、中子造型用金型のキャビティ内から造型砂中子2を取り出した。
この砂中子を300℃に保持された金型に装着し、鋳込み温度750℃で鋳造用アルミ合金AC4C溶湯を鋳造し、1分後に金型を開いて図1に示されるような砂中子2を鋳包んだ鋳物1を取り出す。室温までは冷却していないこの鋳物を個別に放置すると、鋳物が全体的に冷却してしまい、外観的には巾木に接する面あるいは鋳物の端面の巾木部分はバインダが炭化したと想像される黒色へと変化するものの、砂中子形状は保持されたままである。
しかし、スペース確保のため鋳物同上を密着させて放置すると、互いに放熱が少なくなり、鋳物端部に露出した部分の砂中子のバインダがガス化消滅し、結合を解かれた中子砂粒子が白色化して自然に落下し鋳物から分離する現象が認められた。ちなみに、落下した砂のバインダ量(イグロス(ignition loss)で測定)は0.04%と、鋳物中に残留する熱影響を受けた、いわゆる焼砂の0.3%に比較してはるかに小さな値となっていた。
ここで、イグロスとは、鋳物業界で灼熱減量あるいは強熱減量といわれているで、鋳物砂を1000℃1時間加熱し、その際の重量変化から夾雑物(有機系バインダ量)を測定する指標(JIS Z2601付属書5)である。
本発明の発端はこのように金型鋳造したアルミ鋳物の冷却方法を変えると中子砂の分解挙動が異なることが認められたからである。
そこで、鋳物を金型内で保持することにより加熱を促進した。金型温度を通常の300℃とし、型内での鋳物の保持時間を30分まで変化させると、鋳包まれた焼き砂のイグロスは変化しないが、通気孔を通じて雰囲気とつながっている巾木部分の砂量は減少する。また、金型温度を400℃に上げると、焼け砂よりも低いイグロス量となる。金型を開いたとたんに鋳物に接する巾木の外周部の黒色領域は急速に分解燃焼し内部と同様に白色化して流れ落ちていく。このことから金型に接する部分では温度が高くても、十分な酸素の補給がなされない為に分解・燃焼されない物と判断される。それに比較して、シェル砂は同様な保持によっても変化は認められず、イグロス低下は認められない。こうしたバインダの熱的特性の基本的な違いは図5に示されている。
以下、実施例に基づき発明を説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。第1の例は助燃ガスを給気した場合の易分解性バインダ使用の実験例である。
けい砂(フラタリーサンド)100wt.%、ポリビニルアルコール(JP−05、日木酢ピ・ポバール製)0.2wt.%、澱粉(デキストリンNSD−L、ニッシ製)0.8wt.%、クエン酸(扶桑化学製)0.4wt.%と水5wt.%を混合機(愛工舎卓上ミキサ)で約200rpmにおいて約3分間攪枠混合し発泡させ、シリンダ内に投入し、シリンダ面圧0.5MPaのエアシリンダで、電気カートリッジヒータにより250℃に保持された、水道蛇口バルブ形状鋳物用の砂中子造型用金型のキャビティ内に加圧充填し、1.5分間保持し、骨材混合物中の水分を蒸発させ、固化、架橋反応させた後、砂中子造型用金型のキャビティ内から造型中子を取り出した。
この砂中子を300℃に保持された金型に装着し、鋳込み温度750℃でアルミ合金鋳物4種C合金AC4C溶湯を鋳造し、鋳物の表面が凝固した15秒後に巾木に連結された、金型通気孔(図示せず)より、常温の酸素を元圧力0.1MPa、流量30L/minで45秒通気すると、アルミで鋳包まれ酸素が流れた部分の中子2aの中子砂は酸素の給気が十分であったため、のバインダは酸素と結合して反応ガスを生成し遊離するため、砂中子の結合力が大幅に低下し、図2に示されるように、給気されなかった凹み部分の中子2b以外の中子砂2aはほぼ全量イグロスゼロの白色砂へと変化した。
第2の例は助燃ガスを給気する前にブロアーで吸引、減圧した場合の易分解性バインダ使用の実験例である。
けい砂(フラタリーサンド)100wt.%、ポリビニルアルコール(JP−05、日木酢ピ・ポバール製)0.2wt.%、澱粉(デキストリンNSD−L、ニッシ製)0.8wt.%、クエン酸(扶桑化学製)0.4wt.%と水5wt.%を混合機(愛工舎卓上ミキサ)で約200rpmにおいて約3分間攪枠混合し発泡させ、シリンダ内に投入し、シリンダ面圧0.5MPaのエアシリンダで、電気カートリッジヒータにより250℃に保持された、水道蛇口バルブ形状鋳物用の砂中子造型用金型のキャビティ内に加圧充填し、1.5分間保持し、骨材混合物中の水分を蒸発させ、同化、架橋反応させた後、砂中子造型用金型のキャビティ内から造型中子を取り出した。
この砂中子を300℃に保持された金型に装着し、鋳込み温度750℃でアルミアルミ合金鋳物4種C合金AC4C溶湯を鋳造し、鋳物の表面が凝固した15秒後に巾木に連結された、金型通気孔(図示せず)より、ブローアによってガス吸引したのち、もう一方の金型通気孔(図示せず)より、常温の酸素を元圧力0.1MPa、流量30L/minで45秒給気すると、アルミで鋳包まれた部分の中子砂は助燃ガスの補給が十分であったためバインダは酸化性ガスと結合・分離するため中子の結合力が大幅に低下し、図3に示されるように、全ての中子砂5はほぼ全量イグロスゼロの白色砂へと変化した。
[比較例2]
給気する条件下でのバインダが分解し難いフェノール樹脂(シェル型)の場合の事例を示す。
1.4wt.%フェノール樹脂をバインダとして作製したシェル中子を実施例1と同様に300℃に保持された金型に装着し、鋳込み温度750でアルミアルミ合金鋳物4種C合金AC4C溶湯を鋳造し、鋳物の表面が凝固した15秒後に巾木に連結された、金型通気孔より常温の酸素を元圧力0.1MPa、流量30L/minで45秒給気すると、通気穴に近い巾木のバインダは分解するが、前述の鋳型とは異なり、吹き込み口に近い部分の半分の中子が反応ガス化して残留した砂粒が流動化するのみであって、全量のバインダを分解することは出来なかった。
第3の例は助燃ガスの給気量を変化させた場合の易分解性バインダ使用の実験例である。けい砂(フラタリーサンド)100wt.%、ポリビニルアルコール(JP−05、日本酢ピ・ポバール製)0.2wt.%、澱粉(デキストリンNSD−L、ニツシ製)0.8wt.%、クエン酸(扶桑化学製)0.4wt.%と水5wt.%を混合機(愛工舎卓上ミキサ)で約200rpmにおいて約3分間攪枠混合し発泡させ、シリンダ内に投入 し、シリンダ面圧0.5MPaのエアシリンダで、電気カートリッジヒータにより250℃に保持された、水道蛇口バルブ形状鋳物用の砂中子造型用金型のキャビティ内に加圧充填し、1.5分間保持し、骨材混合物巾の水分を蒸発させ、固化、架橋反応させた後、砂中子造型用金型のキャビティ内から造型砂中子を取り出した。
この中子を300℃に保持された金型に装着し、鋳込み温度750℃でアルミアルミ合金鋳物4種C合金AC4C溶揚を鋳造し、鋳物の表面が凝固した15秒後に巾木に連結された、金型通気孔より常温(25℃)で元圧力0.3MPa、流量を50、 40、30、20、10L/minで45秒空気を給気すると、巾木以外の焼き砂は15〜4%の砂が鋳物を傾けるだけで落下するが、イグロスは0.14程度と大幅には低下しなくなり、残りは0.3のイグロスの鋳物内残留砂となるが、容易に分離できる。しかし、酸素を給気した場合に比較すると、その効率は低い。
第4の例は砂型を主型として使用した鋳造において助燃ガスを給気した場合の易分解性バインダ使用の実験例である。
けい砂(フラタリーサンド)100wt.%、ポリビニルアルコール(JP−05、日本酢ビ・ポバール製)0.2wt.%、澱粉(デキストリン、ニツシ製)0.8wt.%、クエン酸(扶桑化学製)0.4wt.%と水5wt.%を混合機(愛工舎製卓上ミキサ)で約200rpmにおいて約3分間攪絆混合し発泡させ、シリンダ内に投入し、シリンダ面圧0.5MPaのエアシリンダで、電気カートリッジヒータにより250℃に保持された、シリンダーヘッド用ウオータジャケットに使用する砂中子造型用金型のキャビティ内に加圧充填し、1.5分間保持し、骨材混合物中の水分を蒸発させ、固化、架橋反応させた後、砂中子造型用金型のキャビティ内から造型中子を取り出した。
この砂中子を巾木部にガス孔を開けたレゾール型アルカリフェノールバインダ1.5%添加(硬化剤20%)の三河けい砂(7号)で成形した砂型(主型)に装着し、鋳込み温度750℃でアルミ合金鋳物4種C合金AC4C溶揚を鋳造した。巾木に通じるガス穴から、元圧力0.1MPa、流量60L/minで45秒給気すると、金型に比較して断熱効果が大きい砂型を用いた本例では、鋳物の冷却が遅れ、アルミで鋳包まれた部分の中子砂は十二分に保温された状態で、さらに助燃ガスの補給が十分であったため、中子のバインダは空気中の酸素と結合し、反応生成ガスとなって分離するため中子の結合力が大幅に低下し、巾木以外の焼き砂はほぼ100%の砂が鋳物を傾けるだけで落下した。
実施例1から4によれば、易分解性バインダを用いた給気による砂落しにおいては、主型は金型、砂型いずれでも有効であることが示されている。
砂中子を含む鋳物断面図である。 通常のガス流気の場合の鋳物断面図である。 本発明の砂中子のガス流気工程での鋳物断面図である。 中子砂が除去された鋳物断面図である。 バインダの分解挙動の図である。
符号の説明
1 鋳物
2 砂中子
3 給気
4 排気(吸引)
5 バインダが反応除去された後の残留中子砂
6 砂粒が除去された空洞
A 水溶性易分解性バインダ

Claims (5)

  1. 易分解性バインダを用いた砂中子を鋳包んだ鋳物から砂中子を除去する、砂落し方法であって、
    注湯凝固後に型内に保持されたままの鋳物内部の砂中子に助燃ガスを給気する工程と、
    砂中子のバインダと助燃ガスとを反応させる工程と、
    生成した反応生成ガスを鋳物外に排気する工程と、
    単粒化させた砂を鋳物内部から排出する工程とを
    含むことを特徴とする鋳包まれた砂中子の砂落し方法。


  2. 前記助燃ガスが、酸素もしくはオゾンの酸化性成分を含むガス体、または空気である請求項1に記載の鋳包まれた砂中子の砂落し方法。
  3. 鋳型内を吸引、減圧後に前記助燃ガスを給気することを繰り返す請求項2に記載の鋳包まれた砂中子の砂落し方法。
  4. 前記助燃ガスが常圧以上である請求項3に記載の鋳包まれた砂中子の砂落し方法。
  5. 前記易分解性バインダが低温分解性の水溶性である請求項1から4に記載の鋳包まれた砂中子の砂落し方法。

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