JP6260433B2 - 窒素の分析方法 - Google Patents

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本発明は、窒素の分析方法に関するものであり、詳しくは、食品などに含まれる窒素化合物をデュマ法により定量分析する方法であって、還元剤の消耗を減らすことができ且つ一層効率的に分析できるようにした窒素の分析方法に関するものである。
食品中の粗タンパク質等、窒素化合物含有試料中の窒素の定量分析においては、試料の燃焼分解により窒素を抽出する所謂デュマ法が多く利用されている。デュマ法による分析においては、先ず、加熱装置(加熱炉)において、酸素(O)を供給しながら加熱することにより試料を燃焼分解し、試料ガスとして窒素酸化物(NO)を生成する。次いで、還元装置において、銅(Cu)等の還元剤に窒素酸化物(NO)を接触させてこれを窒素(N)に還元する。また、同時に、上記の還元装置において、加熱装置で燃焼に費やされなかった余剰酸素(O)を銅(Cu)と反応させて除去する。そして、得られた窒素(N)をヘリウムや炭酸ガス等のキャリアガスと共に熱伝導度検出器に導入して濃度を測定する(特許文献1,2参照)。
また、本発明者等は、上記のデュマ法による窒素分析において、還元剤である銅の消耗を低減し、還元装置における銅充填カラム等の交換の労力を軽減するため、改良デュマ法として、「窒素分析用試料の処理方法および処理装置」を提案している。斯かる処理方法および処理装置では、窒素酸化物(NO)と余剰酸素(O)とを含む試料ガスから窒素(N)を抽出するに当たり、予め、試料ガスをグラファイト(C)に接触させ、余剰酸素(O)を一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)に変換した後、これを金属銅(Cu)に接触させることにより、窒素酸化物を還元して窒素(N)を生成し、同時に、還元反応で生成される酸化銅(CuO)を一酸化炭素(CO)で還元することにより銅(Cu)を再生し且つ一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に変換することにより、試料ガスの成分を窒素(N)と二酸化炭素(CO)とし、そして、還元剤としての銅(Cu)の消耗を無くすようにしている(特許文献3参照)。
特開2003−107071号公報 特開2005−300550号公報 特開2012−137381号公報
ところで、上記のようなデュマ法による分析では、グラファイト等を使用するにせよ、加熱装置で燃焼に費やされなかった余剰酸素を還元剤によって除去するため、余剰酸素の発生量が多くなると還元剤の消耗も早くなる。そこで、通常は、余剰酸素の発生量を出来る限り少なくするため、試料の燃焼に必要な酸素量を予め実験で解析してデータ化しておき、データに基づき且つ試料の量に応じて計算された量の酸素を供給することにより、加熱装置へ余分な酸素を供給しないようにしている。しかしながら、試料によっては燃焼酸化に必要な酸素量が大幅に異なるため、種々の試料を分析しようとすると、さらに幅広くデータを準備する必要があり、また、未知の試料を分析する場合は、燃焼酸化に必要な酸素量を新たに解析する必要があり、多大な労力を必要とする。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、デュマ法による窒素の分析方法であって、系内での余剰酸素の発生量を低減して還元剤の消耗を減らすことができ、しかも、未知の試料を分析する場合でも燃焼酸化に必要な酸素量の解析を事前に行う必要がなく、酸素の供給量を的確にコントロールでき、一層効率的に分析することができる窒素の分析方法を提供することにある。
本発明では、デュマ法による窒素の分析方法において、熱伝導度検出器よりも上流側の系内に圧力センサーを付設し、加熱装置において酸素を供給しながら試料を燃焼させると共に、圧力センサーによって系内の圧力変化を監視し、燃焼時に上昇した系内の圧力が常態圧力に戻った際、加熱装置における燃焼の終了点として酸素の供給を停止するようにした。
すなわち、本発明の要旨は、窒素含有試料中の窒素を定量分析する方法であって、加熱装置において、一定流量で酸素を供給しながら試料を燃焼分解することにより、窒素酸化物および余剰酸素を含む試料ガスを生成した後、還元装置において、還元剤により窒素酸化物を窒素に還元し且つ余剰酸素を除去し、次いで、得られた窒素をキャリアガスと共に熱伝導度検出器に導入して窒素の濃度を測定するに当たり、熱伝導度検出器よりも上流側に付設された圧力センサーで系内の圧力を検出すると共に、加熱装置に酸素を供給して燃焼を開始した後、系内の圧力が常態圧力から上昇して再び常態圧力まで下降した際、酸素の供給を停止することを特徴とする窒素の分析方法に存する。
本発明によれば、加熱装置における試料の燃焼の終了を検出して酸素の供給を停止するため、系内での余剰酸素の発生量を低減して還元剤の消耗を減らすことができる。しかも、未知の試料を分析する場合でも、燃焼に必要な酸素量の解析を事前に行う必要がなく、試料の燃焼に必要なだけの酸素の供給量をコントロールすることができる。従って、種々の試料を幅広く分析でき、未知の試料についても一層効率的に分析することができる。
本発明に係る窒素の分析方法を実施するための分析装置の主要な構成を示すフロー図である。 本発明に係る窒素の分析方法を実施するための分析装置の他の例を示すフロー図である。 加熱装置において試料を燃焼させた場合の系内の圧力変化を示すグラフである。
本発明に係る窒素の分析方法(以下、「分析方法」と言う。)の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の分析方法は、窒素化合物含有試料に含まれる窒素をデュマ法によって定量分析する方法であり、食品や飼料中の粗タンパク質の定量、肥料中の全窒素の定量などに適用される。
先ず、本発明の分析方法を実施するために使用される窒素の分析装置の基本的な構造について説明する。本発明に使用される分析装置は、図1に示すように、酸素を供給可能に構成され且つ試料を燃焼分解して試料ガスを生成する加熱装置1と、当該加熱装置から導入される試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換し且つ余剰酸素を除去する還元装置2と、キャリアガスと窒素ガス以外のガスを取り除くための不要物除去剤充填カラム82と、還元装置2から導入される試料ガスの熱伝導度の変化を検出する熱伝導度検出器5とから主として構成される。
加熱装置1は、試料を燃焼分解して窒素酸化物が含まれる試料ガスを生成する装置であり、試料が装入され且つ酸素およびキャリアガスが供給される燃焼管を加熱炉内に配置して構成される。燃焼管は、試料が収容される例えば有底円筒状の金属製または石英製の内管を外管に挿入した二重管構造に構成される。燃焼管の外管と内管との間に通気用の隙間を確保するため、例えば、外管の内径は20〜50mm程度、内管の外径は15〜40mm程度とされる。
加熱装置1の燃焼管の上流側端部には、キャリアガス容器41から当該燃焼管へキャリアガスとして例えば二酸化炭素を供給する流路62が接続される。更に、斯かる流路62には、酸素容器42から燃焼管へ燃焼用の酸素を供給するための流路61が繋ぎ込まれる。そして、燃焼管は、キャリアガス容器41に付設された減圧調整器(図示省略)及び流路62に配置された減圧弁72を介して、例えば0.1MPaのゲージ圧でキャリアガスが供給されるように構成される。
また、燃焼管は、燃焼操作の際、酸素容器42に付設された減圧調整器(図示省略)及び流路61に配置された流量コントローラー71及び電磁開閉弁73の制御により、例えば0.3〜0.5MPaの圧力で且つ100〜1000ml/minの流量で酸素が供給されるように構成される。なお、燃焼管は、電磁開閉弁73を開操作した場合、流路61と流路62の圧力差により、キャリアガスから切り替わって酸素が供給されるようになされている。そして、加熱装置1の燃焼管の下流側端部には、燃焼によって得られた試料ガスを取り出して還元装置2へ供給するための流路64が接続され、加熱装置1から還元装置2へ窒素酸化物、キャリアガス及び余剰酸素が含まれる試料ガスが供給されるようになされている。
加熱装置1の加熱炉は、燃焼管挿入穴が中心に設けられた円筒状の電気炉で構成される。斯かる電気炉は、円筒状のケーシングにセラミックファイバーの成形体、あるいは、セラミックファイバーとアルミナファイバーの混合繊維の成形体から成る保温材を収容し、かつ、保温材の内部に複数のヒーター、例えば、カンタル発熱体、ニクロム発熱体、シルバー発熱体などを金属管に収容して成るシーズドヒーターを埋設して構成される。加熱装置1においては、燃焼管の温度が例えば800〜1200℃となるように、燃焼管の温度を検出して加熱炉のヒーターへの通電が制御されるようになされている。
還元装置2は、加熱装置1から導入される試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換し且つ余剰酸素を除去する装置であり、還元剤である金属銅などが充填された石英ガラス製のカラムを加熱炉内に配置して構成される。還元装置2のカラムの大きさは、前述の加熱装置1の燃焼管と略同様に設計され、また、還元装置2の加熱炉も加熱装置1の加熱炉と同様に構成される。そして、還元装置2においては、カラムの温度が例えば500〜800℃となるように、当該カラムの温度を検出して加熱炉のヒーターへの通電が制御されるようになされている。
還元装置2のカラムに充填される還元剤の代表的な例としては、試料ガスとの接触効率を高める観点から、線径(φ)0.4〜1mm程度、長さ2〜5mm程度の線状の銅が使用される。還元装置2のカラムの上流側端部には、前述の加熱装置1から伸長された流路64が接続され、還元装置2のカラムの下流側端部には、当該カラムで処理された試料ガスを取り出して熱伝導度検出器5へ供給するための流路66が接続される。
すなわち、還元装置2においては、試料ガスに含まれる窒素酸化物と還元剤である例えば金属銅とを反応させて窒素酸化物を窒素に変換し、また、同時に、試料ガスに含まれる余剰酸素を還元剤である金属銅で除去し、そして、流路66を通じて、窒素及びキャリアガスが含まれる試料ガスを熱伝導度検出器5へ送出するようになされている。なお、熱伝導度検出器5へ試料ガスを常に一定流量で、例えば20〜100ml/minで導入するため、流路66には、減圧弁76及び流量調整弁78が配置される。
熱伝導度検出器5は、ガスクロマトグラフにおいて一般的に使用されるTCD(Thermal Conductivity Detector)であり、一対の加熱フィラメント及び抵抗測定用の回路を備え、キャリアガスと同様のガスを基準ガスとして一方のフィラメントに流し、キャリアガスを含む試料ガスを他方のフィラメントに流し、両方のフィラメントにおける電気抵抗の差を比較することにより、試料ガスの熱伝導度の変化を検出する測定器であり、熱伝導度の変化に基づいてコンピュータにより例えば窒素濃度を解析することができる。
本発明では、系内の圧力を検出し、加熱装置1への酸素の供給を制限するため、上記の分析装置においては、熱伝導度検出器5よりも上流側に圧力センサー3が付設される。具体的には、圧力センサー3としては、Panasonic SUNX社製の商品名「DHP−100」、キーエンス社製の「AP−30」、PISCO社製の「SEU11」として市販されている気体検知用のセンサーを使用できる。
圧力センサー3は、加熱装置1での試料の燃焼分解による系内の圧力変化を検出し得る箇所、すなわち、キャリアガス容器41下流側の減圧弁72よりも下流側で且つ熱伝導度検出器5上流側の減圧弁76よりも上流側であれば適宜配置することができる。しかしながら、加熱装置1で生成される試料ガスが腐食性ガスや水分を含んでいる場合があり、そのようなガスによって当該圧力センサーの損傷が懸念されるため、上記の圧力センサー3は、加熱装置1上流側の流路62、または、還元装置2下流側の不要物除去剤充填カラム82の下流側、すなわち、熱伝導度検出器5の上流側に付設された減圧弁76よりも上流側の流路66に配置されるのが好ましい。本発明では、上記のように、装置系内の圧力を検出して酸素の供給を制限することにより、余剰酸素の発生量を低減することができる。
次に、図1に示すような分析装置を使用した本発明の分析方法について説明する。窒素の定量分析では、先ず、加熱装置1において、燃焼管の内管に試料を収容した後、電磁開閉弁73を開操作し、燃焼管に酸素(O)を100〜1000ml/minの流量で供給しながら、加熱炉によって燃焼管を800〜1000℃に加熱することにより、試料を燃焼分解して試料ガスを生成する。得られる試料ガスは、試料中の窒素化合物から生じた窒素酸化物(NO)、消費されなかった余剰酸素(O)、ならびに、図示しないが、二酸化炭素(CO)と水(HO)等を含んでいる。
次いで、試料の燃焼分解により得られた上記の試料ガスを還元装置2の銅充填カラムに導入し、金属銅(Cu)に接触させる。その際、銅充填カラムは、加熱炉によって500〜800℃に加熱した状態に保持しておく。これにより、試料ガス中の窒素酸化物(NO)を銅(Cu)で還元し、窒素(N)を生成する。また、同時に、加熱装置1で燃焼に費やされなかった試料ガス中の余剰酸素(O)を金属銅(Cu)と反応させて除去する。そして、加熱装置1での燃焼分解が終了した場合には、電磁開閉弁73を閉操作することにより、系内への酸素(O)の供給を停止し且つキャリアガスである例えば炭酸ガス(CO)を100〜1000ml/minの流量で供給し、還元装置2で得られた窒素(N)をキャリアガスと共に熱伝導度検出器5に導入して濃度を測定する。
本発明においては、上記の一連の操作を行う際、圧力センサー3を使用し、熱伝導度検出器5上流側の減圧弁76よりも上流側の系内、例えば、流路66において圧力変化を監視する。流路66における圧力は、例えば、図3に示すように、加熱装置1に酸素を供給開始した時点では約0.10MPaであるが、燃焼が始まると約0.19MPaまで急激に上昇した後、燃焼の終息に伴い再び約0.10MPaまで下降する。そこで、燃焼の終了点と判断して、加熱装置1への酸素(O)の供給を停止する。
すなわち、本発明では、加熱装置1に酸素を供給しながら試料を燃焼させると共に、圧力センサー3によって系内の圧力変化を監視し、燃焼を開始した後、系内の圧力が常態圧力から上昇して再び常態圧力まで下降した際、酸素の供給を停止する。換言すれば、加熱装置1における試料の燃焼の終了を検出して酸素の供給を停止する。これにより、系内での余剰酸素の発生量を低減でき、還元剤である銅の消耗を減らすことができる。しかも、未知の試料を分析する場合でも、燃焼に必要な酸素量の解析を事前に行う必要がなく、圧力センサー3で系内の圧力変化を監視するだけで試料の燃焼に必要なだけの酸素の供給量をコントロールすることができる。従って、種々の試料を幅広く分析でき、未知の試料についても一層効率的に分析することができる。
また、本発明は、図2に示すような改良された窒素の分析装置によっても実施することができる。図2に示す分析装置は、特開2012−137381号公報にその基本構造が開示されたものであり、斯かる分析装置は、前述の還元装置2において、還元用の銅を再生するようにした点が図1に示す装置と異なる。
図2に示す分析装置は、酸素を供給可能に構成され且つ試料を燃焼分解して試料ガスを生成する加熱装置1と、当該加熱装置から導入される試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換し且つ余剰酸素を除去する還元装置2と、当該還元装置から導入される試料ガスの熱伝導度の変化を検出する熱伝導度検出器5とから主として構成される。そして、還元装置2は、グラファイトが充填され且つ加熱装置1で得られた試料ガスから余剰酸素を除去する酸素除去装置22と、銅が充填され且つ酸素除去装置22で処理された試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換する還元反応装置23とから構成される。
加熱装置1の構成は、図1に示す分析装置におけるのと同様であるが、図2に示すように、加熱装置1の燃焼管には、燃焼を促進するための粒状の酸化銅(CuO)等が酸化触媒として内管よりも下流側(内管の下端側)に充填されていてもよい。
還元装置2の酸素除去装置22は、試料ガスに含まれる酸素、すなわち、加熱装置1に供給され且つ消費されなかった余剰酸素を予め除去するために配置される。酸素除去装置22は、余剰酸素を一酸化炭素および二酸化炭素に変換する装置であり、グラファイトが充填された石英ガラス製のグラファイト充填カラムと、当該グラファイト充填カラムを加熱する加熱炉とから構成される。
グラファイト充填カラムの大きさは、前述の加熱装置1の燃焼管と略同様に設計され、また、加熱炉も前述の加熱装置1の加熱炉と同様に構成される。そして、酸素除去装置22においては、グラファイト充填カラムの温度が例えば500〜1000℃となるように、当該グラファイト充填カラムの温度を検出して加熱炉のヒーターへの通電が制御されるようになされている。なお、酸素除去装置22のグラファイト充填カラムに充填されるグラファイトとしては、酸素との接触効率を高める観点から、粒径1〜2mm程度の粒状のグラファイトが使用される。
酸素除去装置22の上流側端部には、前述の加熱装置1から伸長された流路64が接続され、酸素除去装置22の下流側端部には、当該酸素除去装置で処理された試料ガスを取り出して還元反応装置23へ供給するための流路65が接続される。すなわち、酸素除去装置22においては、試料ガスに含まれる余剰酸素とグラファイトとを反応させ、酸素を一酸化炭素および二酸化炭素に変換し、流路65を通じて、窒素酸化物、一酸化炭素及び二酸化炭素が含まれる試料ガスを還元反応装置23に供給するようになされている。
還元反応装置23は、酸素除去装置22で処理された試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換し、生成される酸化銅を試料ガス中の一酸化炭素で再生して当該一酸化炭素を二酸化炭素に変換する装置であり、銅が充填された石英ガラス製の銅充填カラムと、当該銅充填カラムを加熱する加熱炉とから構成される。銅充填カラムの金属銅としては、図1の分析装置における還元装置2の銅充填カラムと同様の線状の銅が充填される。
還元反応装置23の銅充填カラムの上流側端部には、前述の酸素除去装置22から伸長された流路65が接続され、銅充填カラムの下流側端部には、銅充填カラムで処理された試料ガスを取り出して熱伝導度検出器5へ供給するための流路66が接続される。すなわち、還元反応装置23においては、試料ガスに含まれる窒素酸化物と還元剤である金属銅とを反応させて窒素酸化物を窒素に変換し、また、同時に、生成される酸化銅を試料ガス中の一酸化炭素で銅に再生し且つこれにより試料ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、そして、流路66を通じて、窒素及び二酸化炭素が含まれる試料ガスを熱伝導度検出器5に送出するようになされている。
また、図2に示す分析装置では、酸素除去装置22において試料ガス中の余剰酸素をグラファイトと反応させて一酸化炭素および二酸化炭素に変換するが、最初に加熱装置1に導入される酸素の量、および、加熱装置1で生成される試料ガス中の窒素酸化物の量、すなわち、還元反応装置23における酸化銅の生成量によっては、還元反応装置23から余剰の一酸化炭素が排出され、これにより、後段の熱伝導度検出器5において窒素を正確に定量できなくなる虞がある。そこで、還元反応装置23において一酸化炭素を確実に二酸化炭素に変換するため、還元反応装置23の銅充填カラムの下流側、すなわち、還元剤としての銅よりも後段側には、過剰の一酸化炭素を二酸化炭素に変換する酸化剤としての酸化銅が充填される。なお、酸化銅としては、前述の銅と同様の線状のものが使用される。
更に、上記のように、酸化銅による一酸化炭素の酸化処理を続けた場合、酸化銅が銅に変化し、酸化銅が漸次減少する。そこで、図2に示す装置においては、メンテナンスや回分の分析処理の間など、分析を停止している際、酸化剤としての酸化銅を再生するため、還元反応装置23の銅充填カラムには、酸素導入用の流路69が付設される。流路69は、通常、銅充填カラムの銅の収容部と酸化銅の収容部との境界部分に対して接続され、これにより、銅充填カラムは、流量コントローラー71による制御により、酸素容器42から酸素を一定流量で供給可能に構成される。
また、流路66には、水分を除去するための除湿器81、ハロゲン等の腐食性ガスを除去するための不要物除去剤充填カラム82が配置されていてもよい。そして前述の分析装置と同様に、図2に示す装置においても、窒素および二酸化炭素が含まれる試料ガスを例えば20〜100ml/minで熱伝導度検出器5へ導入するため、流路66には、流量調整弁75及び減圧弁76が配置される。そして、キャリアガスとして例えば二酸化炭素の一部が流路63を通じて熱伝導度検出器5のフィラメントに供給されるように構成される。
なお、流路66には、試料ガスから水分を除去するためのガスドライヤー43が配置され、斯かるガスドライヤー43には、酸素容器42から流路60を通じて除湿用の酸素が供給されるようになされている。一方、流路63には、キャリアガスを例えば試料ガスと同様に0.03MPaで熱伝導度検出器5に供給するために減圧弁79が配置され、更に、キャリアガス中の水分を除去するための除湿剤カラム44が配置される。除湿剤カラム44に収容される除湿剤としては、例えば、水分量に応じて変色する指示薬を五酸化二燐の粒子に混合したものが使用される。
本発明では、系内の圧力を検出し、加熱装置1への酸素の供給を制限するため、図2に示す分析装置においても、図1に示す分析装置と同様に、熱伝導度検出器5よりも上流側に圧力センサー3が付設される。好ましくは、圧力センサー3は、不要物除去剤充填カラム82の下流側で且つ熱伝導度検出器5の上流側に付設された減圧弁76よりも上流側の流路66に配置される。圧力センサー3としては、図1に示す分析装置におけるのと同様のものが使用される。
次に、図2に示す分析装置を使用した本発明の分析方法について説明する。図2に示す分析装置においても、先ず、加熱装置1の燃焼管の内管に試料を収容した後、電磁開閉弁73を開操作し、燃焼管に酸素(O)を100〜1000ml/minの流量で供給しながら、加熱炉によって燃焼管を800〜1200℃に加熱することにより、試料を燃焼分解して,窒素酸化物(NO)、二酸化炭素(CO)、および、消費されなかった余剰酸素(O)が含まれる試料ガスを生成する。
次いで、試料の燃焼分解により得られた上記の試料ガスを還元装置2の酸素除去装置22のグラファイト充填カラムに導入し、グラファイト(C)に接触させる。その際、グラファイト充填カラムは、加熱炉によって500〜1000℃に加熱した状態に保持しておく。これにより、試料ガス中の余剰酸素(O)を一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)に変換する。
続いて、酸素除去装置22から送出される試料ガス、すなわち、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)が含まれるガスを還元装置2の還元反応装置23に導入し、還元剤である金属銅(Cu)に接触させ、窒素酸化物(NO)を窒素(N)に変換する。その際、還元反応装置23の銅充填カラムは、加熱炉によって500〜800℃に加熱した状態に保持しておく。すなわち、還元反応装置23においては、図2に示すように、銅(Cu)に試料ガスを接触させることにより、試料ガス中の窒素酸化物(NO)を銅(Cu)で還元し、窒素(N)を生成する。
また、還元反応装置23においては、窒素酸化物の還元処理で生じる酸化銅を銅に再生する。すなわち、還元反応装置23においては、窒素酸化物(NO)の還元によって酸化銅(CuO)が生成されるが、試料ガスには前段の酸素除去装置22で生成された一酸化炭素(CO)が含まれているため、斯かる一酸化炭素(CO)と酸化銅(CuO)を反応させ、酸化銅(CuO)を銅(Cu)に還元、再生することができる。そして、銅(Cu)の再生により、換言すれば、生成される酸化銅(CuO)によって試料ガス中の一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に変換することができる。
更に、還元反応装置23においては、銅充填カラムに酸化銅(CuO)が酸化剤として充填されており、酸素除去装置22で過剰に一酸化炭素が生成された場合には、酸化銅(CuO)によって試料ガス中の一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に変換できる。その結果、還元反応装置23では、窒素(N)及び二酸化炭素(CO)からなる試料ガスを得ることができる。そして、加熱装置1での燃焼分解が終了した場合には、電磁開閉弁73を閉操作することにより、系内への酸素(O)の供給を停止し且つキャリアガスである例えば炭酸ガス(CO)を100〜1000ml/minの流量で供給し、還元装置2で得られた窒素(N)をキャリアガスと共に熱伝導度検出器5に導入して濃度を測定する。
図2に示す分析装置においても、上記の一連の操作を行う際、圧力センサー3を使用し、不要物除去剤充填カラム82よりも下流側で且つ熱伝導度検出器5の上流側に付設された減圧弁76よりも上流側の系内、すなわち、流路66において圧力変化を監視する。そして、燃焼を開始した後、系内の圧力が常態圧力から上昇して再び常態圧力まで下降した際、酸素の供給を停止する。すなわち、加熱装置1における試料の燃焼の終了点を検出して酸素の供給を停止する。これにより、系内での余剰酸素の発生量を低減でき、還元剤である銅の消耗を減らすことができる。
図2に示す分析装置では、試料ガスから窒素を抽出するに当たり、予め、還元装置2の酸素除去装置22において試料ガスをグラファイトに接触させ、余剰酸素を一酸化炭素および二酸化炭素に変換した後、これを還元反応装置23において銅に接触させることにより、窒素酸化物を還元して窒素を生成し、同時に、還元反応で生成される酸化銅を一酸化炭素で還元することにより銅を再生し且つ一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、試料ガスの成分を窒素と二酸化炭素にするため、図1に示す分析装置ほど多くの銅を補充する必要はないが、酸素除去装置22においてグラファイトを補充する必要がある。しかしながら、本発明では、上記のように酸素の供給量をコントロールするため、グラファイトの消費量も低減することができる。
そして、図2に示す分析装置においても、未知の試料を分析する場合、燃焼に必要な酸素量の解析を事前に行う必要がなく、圧力センサー3で系内の圧力変化を監視するだけで試料の燃焼に必要なだけの酸素の供給量をコントロールすることができため、種々の試料を幅広く分析でき、未知の試料についても一層効率的に分析することができる。
上記のように、本発明の分析方法によれば、加熱装置1において、一定流量で酸素を供給しながら試料を燃焼分解することにより、窒素酸化物および余剰酸素を含む試料ガスを生成した後、還元装置2において、還元剤により窒素酸化物を窒素に還元し且つ余剰酸素を除去し、次いで、得られた窒素をキャリアガスと共に熱伝導度検出器5に導入して窒素の濃度を測定するに当たり、圧力センサー3で系内の圧力を検出すると共に、加熱装置1に酸素を供給して燃焼を開始した後、系内の圧力が常態圧力から上昇して再び常態圧力まで下降した際、酸素の供給を停止する。従って、系内での余剰酸素の発生量を低減して還元剤の消耗を減らすことができる。しかも、燃焼に必要な酸素量の解析を事前に行う必要がなく、試料の燃焼に必要なだけの酸素の供給量をコントロールすることができるため、種々の試料を幅広く分析でき、未知の試料についても一層効率的に分析することができる。
1 :加熱装置
2 :還元装置
22:酸素除去装置
23:還元反応装置
3 :圧力センサー
41:キャリアガス容器
42:酸素容器
5 :熱伝導度検出器
72:減圧弁
76:減圧弁
82:不要物除去剤充填カラム

Claims (3)

  1. 窒素含有試料中の窒素を定量分析する方法であって、加熱装置において、一定流量で酸素を供給しながら試料を燃焼分解することにより、窒素酸化物および余剰酸素を含む試料ガスを生成した後、還元装置において、還元剤により窒素酸化物を窒素に還元し且つ余剰酸素を除去し、次いで、得られた窒素をキャリアガスと共に熱伝導度検出器に導入して窒素の濃度を測定するに当たり、熱伝導度検出器よりも上流側に付設された圧力センサーで系内の圧力を検出すると共に、加熱装置に酸素を供給して燃焼を開始した後、系内の圧力が常態圧力から上昇して再び常態圧力まで下降した際、酸素の供給を停止することを特徴とする窒素の分析方法。
  2. 圧力センサーが、加熱装置の上流側に付設されている請求項1に記載の分析方法。
  3. 圧力センサーが、還元装置の下流側の不要物除去剤充填カラムの下流側に付設されている請求項1に記載の分析方法。
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