JP3336260B2 - 消失模型鋳造法 - Google Patents

消失模型鋳造法

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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22CFOUNDRY MOULDING
    • B22C7/00Patterns; Manufacture thereof so far as not provided for in other classes
    • B22C7/02Lost patterns
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B22CFOUNDRY MOULDING
    • B22C3/00Selection of compositions for coating the surfaces of moulds, cores, or patterns

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mold Materials And Core Materials (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融金属の鋳造法で
ある消失模型鋳造法の鋳造に際して燃焼する消失模型か
ら鋳造品への炭素侵入を排除する鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】消失模型鋳造法は、有機物の発泡体であ
る発泡ポリスチレン(EPS)、または分解能力を改善
した発泡ポリメタ・クリル酸エステル(EPMMA)で
目的とする形状の模型を製作し、その発泡体模型を水ガ
ラス、フラン樹脂等の粘結剤を添加した鋳物砂(自硬性
砂)や、粘結剤を入れない鋳物砂やショット(微細鉄
粒)(以下鋳型材という)中に埋め込み、模型を取り去
らず、そのまま溶鋼を注湯し、その熱で模型を分解・置
換せしめ、目的の形状の鋳物製品を得る鋳造法である。
【0003】消失模型鋳造法は、鋳物製品の空洞を形成
する中子が不要であり、またその組み立ても不要とな
り、極めて高能率の鋳造法である。この鋳造法は数gr
から数Tonまでの製品が鋳造できるので、鋳造品の重
量、寸法的には制限が無い利点を備えている。
【0004】一方、レプリキャストCS法(例えば、J
ACT NEWS 第332号,第4版鋳型造型法)
は、精密鋳造のロウ模型の代わりに消失模型鋳造用の発
泡体模型の上に精密鋳造用泥しょう(スラリ)を重ね塗
りし、固化乾燥させる。次いで、そのスラリを塗布した
模型全体を約1000℃の焼成炉中に入れ、スラリを焼
成すると同時に発泡体模型を燃焼消失させ、内部が空洞
になった薄いセラミックシェルを製作し、これをあらた
めて鋳物砂叉はショット中に埋め、鋳型を形成し鋳造す
る鋳造法である。
【0005】このレプリキャストCS法の特徴は、鋳込
み前の段階で発泡体模型を燃焼消失させてしまうため、
発泡体模型の分解による炭素分の製品への浸入が防止で
きる点である。このレプリキャストCS法は炭素成分が
厳しく制限されている低炭素ステンレス鋼も問題なく鋳
造可能とされている。しかし、この方法は、基本的に精
密鋳造法であり、精密な小物が鋳造出来るが、コストの
点から比較的大型の鋳造品には適用できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般の消失模型鋳造法
は、重量、寸法的には制限が無いという利点があるが、
注入される溶融金属、例えば溶鋼の熱で直接的に発泡体
模型を燃焼消失させるため、燃焼消失する過程で発生す
る分解ガスから炭素、その他のガス成分の溶鋼への浸
入、溶鋼側から見れば吸収は避けられない。
【0007】その為、完成した鋳造品には、元の溶鋼に
対し0.05〜0.45wt%の不安定な炭素分の上昇
が起こる。したがつて溶鋼の炭素分が元々多く、この発
泡体模型の分解による炭素成分の浸入が問題とならない
鋳鉄(一般にC=2.5〜3.5wt%)に多く使用さ
れる。しかし、溶鋼の炭素量が少なく、有機発泡体模型
の分解から炭素量の増加があり、そのため組織の不均
一、硬度のバラツキい等が問題となる鋳鋼には適用され
ない。
【0008】このような鋳鋼としては、例えば炭素鋼鋳
鋼品(JIS G 5101)、溶接構造用鋳鋼品(J
IS G 5102)、構造用高張力炭素鋼および低合
金鋼鋳鋼品(JIS G 5111)、ステンレス鋼鋳
鋼品(JIS G 5121),耐熱鋼鋳鋼品(JIS
G 5122)、高マンガン鋼鋳鋼品(JIS G5
131)、高温高圧用鋳鋼品(JIS G 515
1)、低温高圧用鋳鋼品(JIS G 5152)等が
ある。
【0009】また、一般の消失模型鋳造法は、発泡体模
型の構成元素である炭素以外の水素、酸素、及び窒素成
分の溶鋼への吸収と凝固時のガス排出によるガスブロー
欠陥の発生が多い。
【0010】この炭素浸入及びガスブロー欠陥の発生を
防止、軽減するため、製品体積と表面積との比(ガス発
生量とガス排出面積の比)と使用する模型の発泡スチレ
ン/メタクリル酸エステルの重合割合との関係を論じた
特開平10−76347号公報等の研究が開示されてい
るが未だ完全に解決されていない。これらの方法は基本
的に溶鋼の熱で直接的に発泡体模型を分解消失させよう
としている為である。
【0011】従来のレプリキャストCS法は強度を有す
る発泡体模型を燃焼消失させると同時に2〜3mm厚さ
ののセラミックセルを焼成し、それをあらためて鋳物砂
あるいはショット中に埋め鋳型を形成するため、その薄
い2〜3mmの脆弱なシェルを運搬、埋め込みをしなく
てはならず破損の恐れが有り、又焼成炉に入る寸法では
なくてはならず、大型の物は鋳造出来ない。前述の文献
に見るよう100Kg程度まである。
【0012】溶湯への炭素吸収を解決しょうとして鋳込
み前に発泡体模型を燃焼消失させればよいが、通常の塗
型材を塗布した消失模型を鋳込み前の段階で湯口等より
空気、酸素を供給し燃焼消失させてしまうと、溶鋼と鋳
型骨材との反応を防止し鋳物製品の品質を保証するため
の塗型材層は、鋳型骨材側には何ら固定されていないた
め、支持を失い燃焼時の熱応力により容易に破壊、落下
し、鋳型空間内に堆積する。
【0013】また、非粘結剤鋳物砂を利用する消失模型
鋳造法においては、鋳型空間は破壊され、製品形状を保
ち得ない。このような状態の鋳型に溶湯を鋳込み鋳造製
品を得ようとしても満足な製品を得ることは出来ない。
【0014】
【課題を解決する手段】そこで、市販されている消失模
型鋳造用塗型材にガラス繊維等の繊維補強材を混入させ
た繊維補強塗型を使用すれば、乾燥状態で強固な塗型材
層を消失模型の外面に形成させることができ、この繊維
補強塗型を塗布した模型をガスバーナ等で赤熱し、その
消失模型を燃焼消失させ、その後、放置し常温まで温度
を下げても、更に2〜3回加熱・冷却を繰り返しても熱
応力により破壊されることなく、その形状を充分に保ち
得ることを発見するに至り、下記の発明をするに至っ
た。
【0015】発明の第1の態様は、下記の工程を備えた
消失模型鋳造法である。 (a)予め繊維補強材を混入させた塗型を消失模型に塗
布し、乾燥固化または自硬後乾燥する工程と、(b)前
記乾燥させた模型を鋳型材に埋め込んで鋳型を作成する
工程と、(c)前記鋳型内にある消失模型を燃焼させる
工程と、(d)前記燃焼で形成された空間内に溶融金属
を注入して鋳造する工程。本発明においては、塗型に繊
維補強材を混入してあるので消失模型を燃焼させても強
固なシェルを形成しているので破損せず、良好な鋳物を
鋳造できる。
【0016】発明の第2の態様は、前記繊維補強材が金
属繊維、アスベスト、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミ
ナ繊維の1種又は2種以上の混合繊維であり、かつその
長さが5mm以上である繊維補強材であることを特徴と
する消失模型鋳造法である。金属繊維、アスベスト、ガ
ラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維は模型を燃焼した
際乾燥した塗型材に強度を与え、形状を保持し、その後
の鋳造においても破損することがない。また、鋳造作業
上繊維の長さが5mm以上であることが望ましく、通常
50mm以下が適当である。
【0017】発明の第3の態様は、前記繊維補強材が複
数の単繊維を束にした繊維、又は複数の単繊維を撚り合
わせた繊維であることを特徴とする消失模型鋳造法であ
る。複数の単繊維を束にした繊維、または複数の単繊維
を撚り合わせた繊維は塗型材との密着性がよいので繊維
として好適である。
【0018】発明の第4の態様は、前記消失模型が発泡
性樹脂からなる模型であることを特徴とする消失模型鋳
造法である。発泡性樹脂は容易に燃焼するので模型とし
て好適である。
【0019】発明の第5の態様は、前記発泡性樹脂が、
ポリスチレン(EPS)、または分解能力を改善したポ
リメタクリル酸エステル(EPMMA)のいずれかであ
ることを特徴とする消失模型鋳造法である。上記発泡性
樹脂は通常市販されているので、本発明に係る模型材と
して好適である。
【0020】発明の第6の態様は、前記鋳型が砂型鋳
型、またはショット鋳型であることを特徴とする消失模
型鋳造法である。通常の砂型鋳型材びショット鋳型に本
発明は適用できる。
【0021】発明の第7の態様は、前記消失模型の燃焼
が、前記模型内に空気及び/または酸素を供給しなが
ら、模型に点火することにより行われることを特徴とす
る消失模型鋳造法である。消失模型を充分燃焼させ炭素
分を残留させないためには模型内に補助燃料用の配管を
設けて空気または酸素を供給することが望ましい。
【0022】発明の第8の態様は、前記溶融金属が、炭
素量が規定されている鋳鉄・鋳鋼であることを特徴とす
る消失模型鋳造法である。本発明は消失模型を利用して
鋳造する溶融金属のいずれにも適用できるが、溶融金属
に炭素を与えないという点から、炭素量が規格等により
規定されている鋳鉄・鋳鋼に対して特に好適に適用でき
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、基本的に下記の工程を
備えた消失模型鋳造法である。 (a)予め繊維補強材を混入させた塗型を消失模型に塗
布し、乾燥固化または自硬後乾燥する工程と、(b)前
記乾燥させた模型を鋳型材に埋め込んで鋳型を作成する
工程と、(c)前記鋳型内にある消失模型を燃焼させる
工程と、(d)前記燃焼で形成された空間内に溶融金属
を注入して鋳造する工程。本発明においては、塗型に繊
維補強材を混入してあるので溶融金属を注入する前の段
階で消失性模型を燃焼させても強固なシェルを形成して
いるので破損せず、良好な鋳物を鋳造できる。
【0024】上記繊維状補強材としては金属繊維、アス
ベスト、ガラス繊維、シリカ95wt%のシリカ繊維、
シリカ99.8wt%の石英繊維等のシリカ繊維、純度
70〜99.5wt%のアルミナ繊維の1種又は2種以
上の混合繊維が望ましく、またその長さが少なくとも5
mm以上であり、最大50mm以内が望ましい。5mm
未満では塗型の保持力がなく、50mmを超えると取り
扱いが不便である。上記の通り無機質の繊維が望まし
い。有機質の繊維は模型の燃焼時に燃焼して残存しない
ため塗型材の層の強度が低下し塗型材の層が破壊するの
で望ましくない。
【0025】繊維補強材としては複数の単繊維を束にし
た繊維、または複数の単繊維を撚り合わせた繊維は塗型
材との密着性がよいので繊維として好適である。また、
塗型としては、通常市販されている塗型材であれば使用
できるが、上記繊維とのなじみからヤマシロコートS−
98F(商品名)等が望ましい。
【0026】消失模型としては容易に燃焼する材質であ
ればよく、発泡性でなくともよいが、発泡性樹脂からな
る模型であると、容易に燃焼するので模型として好適で
ある。このような発泡性樹脂としては、ポリスチレン
(EPS)、または分解能力を改善したポリメタクリル
酸エステル(EPMMA)等がある。上記発泡性樹脂は
通常市販されているので、本発明に係る模型材として好
適である。
【0027】鋳型としては砂型鋳型、またはショット鋳
型等通常使用されている鋳型であればよい。消失模型を
完全に燃焼させるためには、模型内の例えば鋳型湯口よ
り通じた堰部及び補助燃焼用配管部から空気または酸素
を供給しながら、模型側に設けた発火装置により点火す
る。消失模型を充分燃焼させ炭素分を残留させないため
には補助燃料用の配管を設けて空気または酸素を供給す
ることが望ましい。
【0028】本発明は消失模型を利用して鋳造する鉄系
及び非鉄系の溶融金属のいずれにも適用できるが、溶融
金属に炭素を与えないという点から、少なくとも炭素量
範囲が規格等により規定されている各種の鋳鉄・鋳鋼、
例えばJIS,ASTM、DIN等の規格に規定されて
いる鋳鉄・鋳鋼に好ましく適用される。
【0029】具体的には、炭素鋼鋳鋼品(JIS G
5101)、溶接構造用鋳鋼品(JIS G 510
2)、構造用高張力炭素鋼および低合金鋼鋳鋼品(JI
S G5111)、ステンレス鋼鋳鋼品(JIS G
5121),耐熱鋼鋳鋼品(JIS G 5122)、
高マンガン鋼鋳鋼品(JIS G 5131)、高温高
圧用鋳鋼品(JIS G 5151)、低温高圧用鋳鋼
品(JIS G 5152)等に好ましく適用される。
【0030】更に、JISハンドブック(1998年度
版)において規定する各種の鋳鉄(JIS G 550
1、5502、5503、5504、5510、551
1、5526、5527、5528、5702、570
3、5704)にも適用できる。上記はあくまで例示で
あって、炭素量に規定がある全ての鋳造用の鋳鉄・鋳鋼
に適用できる。
【0031】以上説明した通り、本発明は、消失模型鋳
造法において、繊維補強塗型を使用すると、乾燥状態の
繊維補強塗型材の層が強固であり、一般の消失模型鋳造
法と同様に重量、寸法の制限無く運搬、砂込めができ
る。
【0032】更に、溶鋼の注入の前の段階の鋳型中で塗
型材層が付着している発泡体模型を燃焼消失させ、炭素
成分を除去しても、塗型材層は、燃焼消失時及びその後
の冷却及び溶融金属の注入時の熱応力にも十分に耐える
ことができるので、消失模型鋳造法と同様な大型の鋳型
空間が確保できる。そこで、消失模型鋳造法の欠点であ
る炭素の吸収問題も同時に解決できる。
【0033】すなわち、一般の重量制限のない消失模型
鋳造用模型において繊維補強塗型材を塗布・乾燥し、寸
法的制約、取り扱い上の制約の無い普通の消失模型鋳造
法により造型し、溶鋼の注入の前の段階で発泡体模型を
燃焼消失させると、発泡体模型に含まれている炭素、水
素、窒素、酸素を鋳型内部から排除できる。このように
すると、乾燥した強固な塗型材層のシェルで囲まれた鋳
型空間が形成され、その後、溶融金属を注入すると有機
物である発泡体模型からの不安定な炭素、水素、窒素、
酸素等の吸収が発生しないので健全な鋳造品を得ること
ができる。
【0034】
【実施例】塗型として、60μmアンダーの骨材微粒子
が50〜90%と、無機または有機粘結材からなる市販
の塗型材を用いた。繊維としては、繊維径13μm、繊
維長さ13mmのガラスの単繊維を約100本束ね耐ア
ルカリ性コーティングし、幅約1mm、厚さ約0.05
mmの帯状としたものを補強材として、これを塗型1K
gあたり10g添加、混入させ、本実験用塗型材とし
た。
【0035】上記のように混入する繊維は、有る程度の
剛性を持つ繊維の方が攪拌時の絡みも発生せず塗型中に
良く分散、混練される。模型材質は、EPSとEPMM
Aの2種類を使用し、それぞれの比較を行った。
【0036】図1は、炭素吸収試験用試験片を鋳造した
場合の実施例を示す。100mm角の長さ710mmの
角柱に326mm角の厚さ40mmの板を付けた炭素吸
収試験用試験片を鋳造した場合の実施例で、塗型材の塗
布、補助燃焼配管、通気口、及び電気式発火装置を示し
たものである。模型材質は、EPS、EPMMAの2種
類について行った。
【0037】角柱の上端に径200mm、高さ200m
mの押し湯1を付け、下端の堰部2より押し湯1上面ま
で約25mmφの貫通した通気口3を開けた消失模型用
の模型4に補強繊維入り塗型材を刷毛にて塗布し50℃
にて8時間乾燥させ塗型材層5を設けた。この時の塗型
材層5は乾燥状態で1〜5mmの厚さであった。乾燥
後、下端に電気式発火装置6を付け、また、それぞれの
板状部の隅の1ケ所に補助燃焼用キリ穴7を開け、それ
に約10mmφの鋼管とビニールパイプで出来た補助燃
焼用配管8を取り付けた。
【0038】なお、空気、酸素を供給しながら燃焼消失
させるために押湯部に市販の燃焼式の押湯スリーブを使
用することは、押湯スリーブが燃焼するために良くな
い。本実施例に示すように押し湯部も発泡体模型で製作
する方が良い。
【0039】模型の準備完了後、図2に示すように鋳型
砂9中に埋め込み鋳型を造型した。、この場合、空気、
酸素を供給する湯口10、堰部2、通気口3とが、着火
前の段階で通じていることが必要であり、造型の都合上
で一部に詰め物等を行うことは良くない。
【0040】造型後、堰部2に通じた湯口10及補助燃
焼用配管8に酸素、空気を供給する為の配管11及びタ
ンク12を連結し、それぞれ6.0Kgf/平方センチ
メートルの圧縮空気と150Kgf/平方センチメート
ルの圧縮酸素ボンベよりの酸素を配管し、それらの空気
13、15及び酸素14、16の流量を調整しながら、
電気式発火装置6に通電し、堰部2より模型4に着火し
た。
【0041】着火後、その燃焼状況を見ながら適時調整
用弁17,18,19,20を使用し、空気13,15
及び酸素14,16の量を調整し模型4を燃焼させた。
その後、炎及び煙21が無くなり、完全に燃焼消失が完
了した事を確認した。なお、模型の燃焼消失時間はEP
S製模型が約17分、EPMMA模型が約10分であっ
た。
【0042】図3に示すように、空気、酸素の配管1
1、17、18、13、14と8、12、19、20、
15、16を取り去り、湯口10にC=0.22wt%
の溶鋼22で満たされた取鍋23のノズル部24を合わ
せ、ストッパー25を開け、塗型材層5で保持された鋳
型空洞部26に溶鋼22を注入し鋳込みを行った。
【0043】なお、比較のための同型模型は、普通の消
失模型鋳造法、即ち、溶融金属注入前に燃焼することな
く、下端の40mmφの堰より、それぞれ同一溶鋼を鋳
造した。同一溶鋼で同型のEPS製模型とEPMMA製
模型を用いて鋳造し、比較のため通常の消失模型鋳造法
でも鋳造した。合計EPS製2個、EPMMA製2個の
4個を鋳造した。
【0044】図4は、炭素吸収試験用試験片の各位置
(A〜D,1〜4)より試料を切り出し、炭素量を測定
した位置を示す。図5として示す表1はEPS製模型に
よる結果、図6として示す表2はEPMMA製模型によ
る結果を示す。
【0045】表1のEPS製模型の炭素分析結果を見る
と以下の様になる。従来法では、試験片中央部A,B,
C,D及び端部1,2,3,4とも上部に行くに従い炭
素分析値は増大し、特に端部の1では0.42wt%と
元の成分に対し0.20wt%も増ている。また、バラ
ッキに注目すると中央部0.03wt%、端部0.17
wt%である。
【0046】このような炭素成分のバラッキが、従来の
消失模型鋳造法による鋳鋼品の製造を困難にしている。
一方、本発明による値は、従来法のごとき明確な上下位
置による炭素成分の変化は認められない。バラッキに注
目すると中央部0.01wt%、端部0.01wt%で
あり、測定誤差程度の差しかない。
【0047】表2に示すEPMMA模型の炭素分析結果
を見ると以下の様になる。従来法では、試験片中央部
A,B,C,D及び端部1,2,3,4とも上部に行く
に従い炭素分析値は増大し、そのバラッキは中央部0.
04wt%、端部0.02wt%である。
【0048】より分解性能を改善させたEPMMA製模
型でも溶鋼中への炭素の浸入が発生しているのが認めら
れる。本発明による値は、EPS製模型の結果と同様に
上下位置による炭素成分の変化は認められない。バラッ
キに注目すると中央部0.01wt%、端部0.00w
t%であり、EPSの結果と同様に測定誤差程度の差し
かない。
【0049】以上より、溶融金属の注入前に消失模型を
燃焼消失し取り除いているため、消失模型の材質の違い
にかかわらず、本発明による消失模型鋳造法は、従来法
の最大の欠点である炭素分の吸収問題を解決できる。な
を、本実施例に示した鋳込み重量250Kg程度の物で
は、塗型材に混入する繊維はガラス繊維程度の耐熱性が
有れば十分であった。
【0050】
【発明の効果】本発明の効果は次の通りである。 (1)従来の消失模型鋳造法による鋳鉄・鋳鋼品の炭素
吸収を排除できる。 (2)数Tonにも及ぶ大型の鋳造品も鋳造出来るの
で、鋳造品の寸法制限が無くなる。 (3)炭素量の規定がある鋳鉄・鋳鋼品が消失模型鋳造
法により製造出来る。 (4)低炭素ステンレス鋼鋳鋼品を含む高級鋳造品も消
失模型鋳造法により鋳造出来る。 (5)鋳造品の寸法制限なく、レプリキャストCS法と
同様な精密鋳造品の製造が可能である。 (6)有機物発泡体模型が含有する水素の溶融金属への
浸入が防止できる。 (7)従来の消失模型法の欠点である酸素ガス、炭酸ガ
ス、窒素ガスの吸収によて発生する鋳造品のガスブロー
問題も解決出来る。 (8)模型材質は、基本的に燃焼消失する物であれば、
発泡の有無、または材質の種類も問わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施した炭素吸収試験用試験片の鋳造における
塗型の塗布状況,補助燃焼配管、通気口及び電気式発火
装置の配置を示す図である。
【図2】炭素吸収試験用試験片を鋳物砂中に造型し、鋳
込み前の段階で模型を燃焼消失している状況を示す図で
ある。
【図3】燃焼消失後の鋳込み状況を示す図である。
【図4】鋳造した炭素吸収試験用試験片における炭素成
分の分析位置を示す図である。
【図5】EPS製模型を使用した鋳造における鋳物の炭
素分布を表1として示す図である。
【図6】EPMMA製模型を使用した鋳造における鋳物
中の炭素分布を表2として示す図である。
【符号の説明】
1 押湯 2 堰部 3 通気口 4 消失模型 5 塗型材層 6 電気式発火装置 7 補助燃焼用キリ穴 8 補助燃焼用配管 9 鋳型砂 10 湯口 11 配管 12 タンク 13,15 空気 14,16 酸素 17,18,19,20 調整用弁 21 炎及び煙 22 溶鋼 23 取鍋 24 ノズル部 25 ストッパー 26 鋳型空洞部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程を備えたことを特徴とする消
    失模型鋳造法。 (a)予め無機質の繊維補強材を混入させた塗型を焼失
    模型に塗布し、乾燥固化する工程と、 (b)前記乾燥させた消失模型を鋳型材に埋め込んで鋳
    型を作成する工程と、 (c)前記鋳型内にある消失模型を、前記鋳型内に空気
    及び/または酸素を供給しながら点火して燃焼させる工
    程と、 (d)前記燃焼により形成された空間内に溶融鋳鉄又は
    溶融鋳鋼を注入して鋳造する工程。
  2. 【請求項2】 前記繊維補強材が、金属繊維、アスベス
    ト、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維の1種又は
    2種以上の混合繊維であり、その長さが5mm以上であ
    って、複数の単繊維を束にした繊維、または複数の短繊
    維を撚り合わせた繊維であることを特徴とする請求項1
    に記載の消失模型鋳造法。
  3. 【請求項3】 前記消失模型が、発泡体である発泡ポリ
    スチレン(EPS)、または分解能力を改善した発泡ポ
    リメタクリル酸エステル(EPMMA)のいずれかを用
    いて作製したものであることを特徴とする請求項1又は
    2の消失模型鋳造法。
  4. 【請求項4】 前記鋳型材が砂型鋳型、またはショット
    鋳型であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の消失模型鋳造法。
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