JPH116007A - 転炉スラグカット用の耐火性、成形性に優れた耐火物及びこの耐火物を使用したスラグカット用ダーツ - Google Patents
転炉スラグカット用の耐火性、成形性に優れた耐火物及びこの耐火物を使用したスラグカット用ダーツInfo
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- JPH116007A JPH116007A JP9161540A JP16154097A JPH116007A JP H116007 A JPH116007 A JP H116007A JP 9161540 A JP9161540 A JP 9161540A JP 16154097 A JP16154097 A JP 16154097A JP H116007 A JPH116007 A JP H116007A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 乾燥工程が不要で、広い範囲で密度が調整で
き、製造原価を低減したスラグカット用耐火物を提供す
る。 【解決手段】 質量%で、主成分がCr2O3:45%以上、Fe
2O3:32%以下、Al2O3:20%以下、MgO:11%以下であるク
ロマイト砂を90〜20%、主成分がSiO2:95 %以上である
珪砂を10〜80%含有するブレンド砂に、バインダーとし
てブレンド砂に対して 4〜7 %の珪酸ソーダと 0.4〜0.
7 %の有機酸エステルを混合・混練してなる転炉スラグ
カット用の耐火性、成形性に優れた耐火物である。ま
た、この耐火物を使用したスラグカット用ダーツであ
る。
き、製造原価を低減したスラグカット用耐火物を提供す
る。 【解決手段】 質量%で、主成分がCr2O3:45%以上、Fe
2O3:32%以下、Al2O3:20%以下、MgO:11%以下であるク
ロマイト砂を90〜20%、主成分がSiO2:95 %以上である
珪砂を10〜80%含有するブレンド砂に、バインダーとし
てブレンド砂に対して 4〜7 %の珪酸ソーダと 0.4〜0.
7 %の有機酸エステルを混合・混練してなる転炉スラグ
カット用の耐火性、成形性に優れた耐火物である。ま
た、この耐火物を使用したスラグカット用ダーツであ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精錬後、溶鋼を転
炉から出鋼する際の最終段階における、転炉内スラグの
取鍋内への流出を防止するスラグカット用耐火物の技術
分野に属し、さらに詳しくはダーツ法のスラグカット用
耐火物の技術分野に属するものである。
炉から出鋼する際の最終段階における、転炉内スラグの
取鍋内への流出を防止するスラグカット用耐火物の技術
分野に属し、さらに詳しくはダーツ法のスラグカット用
耐火物の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】転炉のスラグカット技術は、出鋼時の最
終段階で転炉の出鋼口から炉内のスラグが取鍋内に流出
するのを防止する技術で、スラグカットすることによっ
て、復リンや再酸化と呼ばれる反応による溶鋼品質の低
下を防止するとともに、また、脱酸剤であるAlとスラグ
との反応を防止し、Alの歩留り向上などによって製鋼原
価を低減することができる。
終段階で転炉の出鋼口から炉内のスラグが取鍋内に流出
するのを防止する技術で、スラグカットすることによっ
て、復リンや再酸化と呼ばれる反応による溶鋼品質の低
下を防止するとともに、また、脱酸剤であるAlとスラグ
との反応を防止し、Alの歩留り向上などによって製鋼原
価を低減することができる。
【0003】転炉のスラグカット法には、ダーツ法、フ
ェースト法等の方法がある。ダーツ法は、図2に示すよ
うに、耐火物で成形された投げ矢遊びの投げ矢の形状を
したダーツ10を、出鋼時の最終段階で転炉11の出鋼口12
に挿入しスラグ13中に浮遊させ、溶鋼14が流出した後に
スラグ13が出鋼口12から流出する段階で、スラグ中に浮
遊していたダーツ10が転炉の出鋼口12を塞ぎ、スラグ13
が取鍋(図示せず)内に流出するのを防止する。このた
め、ダーツの耐火物はスラグや溶鋼による溶損や磨耗が
あってはならず、またダーツには高い寸法精度も要求さ
れる。さらにダーツは1回の出鋼に1本使用する消耗品
であるため、経済的にも安価な材料であることが必要で
ある。
ェースト法等の方法がある。ダーツ法は、図2に示すよ
うに、耐火物で成形された投げ矢遊びの投げ矢の形状を
したダーツ10を、出鋼時の最終段階で転炉11の出鋼口12
に挿入しスラグ13中に浮遊させ、溶鋼14が流出した後に
スラグ13が出鋼口12から流出する段階で、スラグ中に浮
遊していたダーツ10が転炉の出鋼口12を塞ぎ、スラグ13
が取鍋(図示せず)内に流出するのを防止する。このた
め、ダーツの耐火物はスラグや溶鋼による溶損や磨耗が
あってはならず、またダーツには高い寸法精度も要求さ
れる。さらにダーツは1回の出鋼に1本使用する消耗品
であるため、経済的にも安価な材料であることが必要で
ある。
【0004】上記の使用条件を満たす耐火物としては、
ダーツの頭部には安価なクロム鉱石を、胴部には蝋石質
の耐火物を使用していた。耐火物をダーツの形状に成形
する際は、頭部はクロム鉱石、マグネシア、ベントナイ
ト、珪酸ソーダに水分を加え混練し、型枠に流し込みラ
ンマーにて均一に充填する。一方、胴部は蝋石質キャス
タブルを型枠に流し込み24時間養生する。その後、頭部
と胴部を型抜きし、 200℃×10h の乾燥を行い、その後
頭部と胴部を組み立て、つなぎ目にモルタルを塗布して
結合する。なお、ダーツの芯には、ダーツを転炉の出鋼
口に挿入する際に、挿入設備がダーツを捕捉するための
鉄筋が通してある。
ダーツの頭部には安価なクロム鉱石を、胴部には蝋石質
の耐火物を使用していた。耐火物をダーツの形状に成形
する際は、頭部はクロム鉱石、マグネシア、ベントナイ
ト、珪酸ソーダに水分を加え混練し、型枠に流し込みラ
ンマーにて均一に充填する。一方、胴部は蝋石質キャス
タブルを型枠に流し込み24時間養生する。その後、頭部
と胴部を型抜きし、 200℃×10h の乾燥を行い、その後
頭部と胴部を組み立て、つなぎ目にモルタルを塗布して
結合する。なお、ダーツの芯には、ダーツを転炉の出鋼
口に挿入する際に、挿入設備がダーツを捕捉するための
鉄筋が通してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】クロム鉱石や蝋石質キ
ャスタブルの成形には、水分の添加が不可欠であるた
め、クロム鉱石や蝋石質キャスタブルでのダーツの製造
時には乾燥工程が必要であり、この乾燥工程は、乾燥時
の耐火物の割れを防止するために急激な乾燥は行えず、
乾燥に長時間を要していた。さらに乾燥が不十分な場合
は、使用する温度が高温であるため、残存水分の急激な
蒸発により溶鋼が突沸し耐火物が壊れ、ダーツがスラグ
カットの目的を果たすことができなくなるとともに、作
業員が火傷するなどの安全上の問題点も発生している。
ャスタブルの成形には、水分の添加が不可欠であるた
め、クロム鉱石や蝋石質キャスタブルでのダーツの製造
時には乾燥工程が必要であり、この乾燥工程は、乾燥時
の耐火物の割れを防止するために急激な乾燥は行えず、
乾燥に長時間を要していた。さらに乾燥が不十分な場合
は、使用する温度が高温であるため、残存水分の急激な
蒸発により溶鋼が突沸し耐火物が壊れ、ダーツがスラグ
カットの目的を果たすことができなくなるとともに、作
業員が火傷するなどの安全上の問題点も発生している。
【0006】また、ダーツの頭部はクロム鉱石が主体で
あるため密度の調整幅(捕捉用鉄筋を含めて2600〜2900
kg/m3 )が狭いため、鋼種によって密度がかわるスラグ
に対しては、従来のダーツは使用しづらい面がある。ま
た、ダーツは1回限りの使用であるため製造原価は低い
ほどよいが、従来の胴部は高価な蝋石質キャスタブルを
使用しているため製造原価が高い。このため、ダーツの
製造原価低減も大きな課題である。
あるため密度の調整幅(捕捉用鉄筋を含めて2600〜2900
kg/m3 )が狭いため、鋼種によって密度がかわるスラグ
に対しては、従来のダーツは使用しづらい面がある。ま
た、ダーツは1回限りの使用であるため製造原価は低い
ほどよいが、従来の胴部は高価な蝋石質キャスタブルを
使用しているため製造原価が高い。このため、ダーツの
製造原価低減も大きな課題である。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、ダーツに使用する耐火物に、クロマイ
ト砂と珪砂を混合したブレンド砂を用い、バインダーに
珪酸ソーダと有機酸エステルを用いることによって、乾
燥工程が不要で、広い範囲で密度が調整でき、製造原価
を低減したスラグカット用耐火物及びダーツを提供する
ことを目的とする。
なされたもので、ダーツに使用する耐火物に、クロマイ
ト砂と珪砂を混合したブレンド砂を用い、バインダーに
珪酸ソーダと有機酸エステルを用いることによって、乾
燥工程が不要で、広い範囲で密度が調整でき、製造原価
を低減したスラグカット用耐火物及びダーツを提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】その要旨は、質量%で、
クロマイト砂を90〜20%、珪砂を10〜80%含有するブレ
ンド砂に、バインダーとしてブレンド砂に対して 4〜7
%の珪酸ソーダと 0.4〜0.7 %の有機酸エステルを混合
・混練してなる転炉スラグカット用の耐火性、成形性に
優れた耐火物である。
クロマイト砂を90〜20%、珪砂を10〜80%含有するブレ
ンド砂に、バインダーとしてブレンド砂に対して 4〜7
%の珪酸ソーダと 0.4〜0.7 %の有機酸エステルを混合
・混練してなる転炉スラグカット用の耐火性、成形性に
優れた耐火物である。
【0009】質量%で、上記クロマイト砂の主成分がCr
2O3:45%以上、Fe2O3:32%以下、Al 2O3:20%以下、MgO:
11%以下で、上記珪砂の主成分がSiO2:95 %以上である
上記の転炉スラグカット用の耐火性、成形性に優れた耐
火物である。
2O3:45%以上、Fe2O3:32%以下、Al 2O3:20%以下、MgO:
11%以下で、上記珪砂の主成分がSiO2:95 %以上である
上記の転炉スラグカット用の耐火性、成形性に優れた耐
火物である。
【0010】上記の転炉スラグカット用の耐火性、成形
性に優れた耐火物を使用したスラグカット用ダーツであ
る。
性に優れた耐火物を使用したスラグカット用ダーツであ
る。
【0011】本発明の耐火物は、クロマイト砂と珪砂と
を混合したブレンド砂を用いるが、両者を混合する比率
は使用する転炉内のスラグ密度により決定される。クロ
マイト砂と珪砂は単体で高い耐火度を有するが、請求項
1の範囲内で両者の混合比率を変えても、本発明の耐火
物は溶鋼による溶損に十分に耐えうる耐火度を保持す
る。また、転炉スラグは塩基度(3〜4)の低いスラグを形
成させるため、ほぼ中性のクロマイト砂及び弱酸性の珪
砂は転炉スラグとの反応による溶損や磨耗を生じること
がないため、本発明のダーツは高い精度で転炉内のスラ
グをカットすることができる。このため、ブレンド砂の
混合割合はクロマイト砂を90〜20%、珪砂を10〜80%の
範囲に限定する。また、クロマイト砂と珪砂との混合割
合を変えたブレンド砂を用いるため、耐火物の密度を広
い範囲で選ぶことができる。このため、捕捉用鉄筋を含
めたダーツの密度を2000〜3000kg/m3 の範囲で調整する
ことができる。従って、転炉スラグの密度に応じて適切
な浮沈度を有するダーツを選択使用できる。
を混合したブレンド砂を用いるが、両者を混合する比率
は使用する転炉内のスラグ密度により決定される。クロ
マイト砂と珪砂は単体で高い耐火度を有するが、請求項
1の範囲内で両者の混合比率を変えても、本発明の耐火
物は溶鋼による溶損に十分に耐えうる耐火度を保持す
る。また、転炉スラグは塩基度(3〜4)の低いスラグを形
成させるため、ほぼ中性のクロマイト砂及び弱酸性の珪
砂は転炉スラグとの反応による溶損や磨耗を生じること
がないため、本発明のダーツは高い精度で転炉内のスラ
グをカットすることができる。このため、ブレンド砂の
混合割合はクロマイト砂を90〜20%、珪砂を10〜80%の
範囲に限定する。また、クロマイト砂と珪砂との混合割
合を変えたブレンド砂を用いるため、耐火物の密度を広
い範囲で選ぶことができる。このため、捕捉用鉄筋を含
めたダーツの密度を2000〜3000kg/m3 の範囲で調整する
ことができる。従って、転炉スラグの密度に応じて適切
な浮沈度を有するダーツを選択使用できる。
【0012】クロマイト砂には Cr2O3、 Fe2O3、 Al
2O3、 MgO、SiO2等が含まれているが、耐火物の転炉ス
ラグとの反応を避けるために、 Cr2O3は45%以上とし、
他の成分はそれぞれ、Fe2O3:32%以下、Al2O3:20%以
下、MgO:11%以下に限定する。また、珪砂は耐火物の性
能を確保するために、不純物の混入をさけ、SiO2を95%
以上に限定する。
2O3、 MgO、SiO2等が含まれているが、耐火物の転炉ス
ラグとの反応を避けるために、 Cr2O3は45%以上とし、
他の成分はそれぞれ、Fe2O3:32%以下、Al2O3:20%以
下、MgO:11%以下に限定する。また、珪砂は耐火物の性
能を確保するために、不純物の混入をさけ、SiO2を95%
以上に限定する。
【0013】また、珪酸ソーダと有機酸エステルをバイ
ンダーとして配合・混練されたブレンド砂は、未固化の
状態で若干の粘性を有しているため、スタンピングによ
る突き固め効果が大きく成形性に優れている。また、混
練されたブレンド砂は適度の流動性も有しており、間隙
の狭い形状部分も振動を与えることにより簡単に充填成
形することが可能である。
ンダーとして配合・混練されたブレンド砂は、未固化の
状態で若干の粘性を有しているため、スタンピングによ
る突き固め効果が大きく成形性に優れている。また、混
練されたブレンド砂は適度の流動性も有しており、間隙
の狭い形状部分も振動を与えることにより簡単に充填成
形することが可能である。
【0014】また、バインダーとしてブレンド砂に対し
て 4〜7 %の珪酸ソーダと 0.4〜0.7 %の有機酸エステ
ルを混合・混練している。珪酸ソーダに有機酸エステル
を加えることで、混練直後から徐々に固化反応が進行
し、耐火物は 4〜5 時間でハンドリング可能な強度に到
達するため、この時点で、次の製品を成形するため固化
した耐火物を型枠から取り出して放置しても、水分を使
用して製造する従来の耐火物のように、自然乾燥中ある
いは加熱乾燥中に生じる変形は発生せず、寸法精度の高
いダーツを製造することができる。
て 4〜7 %の珪酸ソーダと 0.4〜0.7 %の有機酸エステ
ルを混合・混練している。珪酸ソーダに有機酸エステル
を加えることで、混練直後から徐々に固化反応が進行
し、耐火物は 4〜5 時間でハンドリング可能な強度に到
達するため、この時点で、次の製品を成形するため固化
した耐火物を型枠から取り出して放置しても、水分を使
用して製造する従来の耐火物のように、自然乾燥中ある
いは加熱乾燥中に生じる変形は発生せず、寸法精度の高
いダーツを製造することができる。
【0015】また、上記の珪酸ソーダに有機酸エステル
を加えたバインダーに替えて、公知の珪酸ソーダにFe-S
i 粉末を加えたバインダーを用いることで、常温で固化
し、水分を含まない耐火物を得ることができる。すなわ
ち、バインダーは発熱反応を起こし、水素と水分を蒸発
させながら耐火物を常温で固化する。このときの珪酸ソ
ーダはブレンド砂に対して 3〜6 %、Fe-Si 粉末は 0.5
〜2.5 %である。なお、Fe-Si 粉末の粒度は40μm 以下
が好ましい。
を加えたバインダーに替えて、公知の珪酸ソーダにFe-S
i 粉末を加えたバインダーを用いることで、常温で固化
し、水分を含まない耐火物を得ることができる。すなわ
ち、バインダーは発熱反応を起こし、水素と水分を蒸発
させながら耐火物を常温で固化する。このときの珪酸ソ
ーダはブレンド砂に対して 3〜6 %、Fe-Si 粉末は 0.5
〜2.5 %である。なお、Fe-Si 粉末の粒度は40μm 以下
が好ましい。
【0016】以上のように、本発明ではバインダーとし
て珪酸ソーダに有機酸エステルを、または珪酸ソーダに
Fe-Si 粉末を加えたバインダーを用いるため、高温での
乾燥工程は不要である。すなわち、本発明で用いるバイ
ンダーは、混合・混練直後から反応が始まり、耐火物は
時間の経過とともに固化が進み、同時に強度も上昇す
る。
て珪酸ソーダに有機酸エステルを、または珪酸ソーダに
Fe-Si 粉末を加えたバインダーを用いるため、高温での
乾燥工程は不要である。すなわち、本発明で用いるバイ
ンダーは、混合・混練直後から反応が始まり、耐火物は
時間の経過とともに固化が進み、同時に強度も上昇す
る。
【0017】珪酸ソーダに有機酸エステルを加えたバイ
ンダーの固化機構は次式で示される。
ンダーの固化機構は次式で示される。
【化1】
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態例に
ついて説明する。クロマイト砂を73%、珪砂を27%混合
した表1に示す成分のブレンド砂にバインダーとしてブ
レンド砂に対して 5.5%の珪酸ソーダと 0.5%の有機酸
エステル(多価アルコール系有機酸エステル)を混合・
混練して図1に示す製造工程でスラグカット用ダーツを
製造した。このとき用いたクロマイト砂、珪砂及びブレ
ンド砂の粒度分布を表2に示す。
ついて説明する。クロマイト砂を73%、珪砂を27%混合
した表1に示す成分のブレンド砂にバインダーとしてブ
レンド砂に対して 5.5%の珪酸ソーダと 0.5%の有機酸
エステル(多価アルコール系有機酸エステル)を混合・
混練して図1に示す製造工程でスラグカット用ダーツを
製造した。このとき用いたクロマイト砂、珪砂及びブレ
ンド砂の粒度分布を表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表1及び表2示す成分と粒度分布のブレン
ド砂に上記のバインダーを混合し、ミキサーで混練した
のち、未固化の耐火物を図1に示す製造工程に従ってス
ラグカット用ダーツに成形した。
ド砂に上記のバインダーを混合し、ミキサーで混練した
のち、未固化の耐火物を図1に示す製造工程に従ってス
ラグカット用ダーツに成形した。
【0022】図1(a) に示すように、振動造型機1の上
に設置した紙管固定用金物2に紙管3を挿入して立設
し、紙管3内に捕捉用鉄筋4を配した状態で、紙管3の
上部から紙管3と捕捉用鉄筋4との間に上記混練した耐
火物5を流し込み、振動造型機1を作動させて所定の密
度になるまで耐火物5を紙管3内に充填する。このよう
にしてダーツの胴部8を製造する。なお、紙管3はダー
ツの胴部8に付けたままである。
に設置した紙管固定用金物2に紙管3を挿入して立設
し、紙管3内に捕捉用鉄筋4を配した状態で、紙管3の
上部から紙管3と捕捉用鉄筋4との間に上記混練した耐
火物5を流し込み、振動造型機1を作動させて所定の密
度になるまで耐火物5を紙管3内に充填する。このよう
にしてダーツの胴部8を製造する。なお、紙管3はダー
ツの胴部8に付けたままである。
【0023】次に、胴部の製造が終わると、図1(b) に
示すように、作業台6の下部床面上に設置した胴部固定
用金物7に製造が終わった胴部8を挿入して立設し(図
1(b) の向かって左側)、立設した胴部8の位置に合わ
せて作業台6上に頭部成形用木型9を設置し、この状態
で頭部成形用木型9に上記混練した耐火物5を流し込
み、スタンピングを用いて耐火物5を突き固める(図1
(b) の向かって右側)。耐火物5は突き固め後、徐々に
固化を始め、 4〜5 時間経過後には80N/cm2 程度の強度
となりハンドリングが可能となるので、この時点で胴部
と頭部が一体成形されたダーツを頭部成形用木型9から
取り外す。このようにしてスラグカット用ダーツ10が製
造される。その後、耐火物5は更に固化が進み、24時間
後の抗圧強度は290N/cm2以上になる。
示すように、作業台6の下部床面上に設置した胴部固定
用金物7に製造が終わった胴部8を挿入して立設し(図
1(b) の向かって左側)、立設した胴部8の位置に合わ
せて作業台6上に頭部成形用木型9を設置し、この状態
で頭部成形用木型9に上記混練した耐火物5を流し込
み、スタンピングを用いて耐火物5を突き固める(図1
(b) の向かって右側)。耐火物5は突き固め後、徐々に
固化を始め、 4〜5 時間経過後には80N/cm2 程度の強度
となりハンドリングが可能となるので、この時点で胴部
と頭部が一体成形されたダーツを頭部成形用木型9から
取り外す。このようにしてスラグカット用ダーツ10が製
造される。その後、耐火物5は更に固化が進み、24時間
後の抗圧強度は290N/cm2以上になる。
【0024】なお、図1に示す紙管3は内径40mm、厚さ
2mm 、長さ800mm で、頭部成形用木型9は深さ(ダーツ
頭部の高さに対応) 210mm、上部の内径(ダーツ上部の
外径に対応) 280mmである。捕捉用鉄筋4には16mm径の
鉄筋を使用した。製造されたダーツの密度は2660kg/m3
で、形状不良率は 0%であった。なお、従来のダーツの
形状不良率の一例は耐火物の強度不足、乾燥時の割れ等
を含めて 9.7%である。
2mm 、長さ800mm で、頭部成形用木型9は深さ(ダーツ
頭部の高さに対応) 210mm、上部の内径(ダーツ上部の
外径に対応) 280mmである。捕捉用鉄筋4には16mm径の
鉄筋を使用した。製造されたダーツの密度は2660kg/m3
で、形状不良率は 0%であった。なお、従来のダーツの
形状不良率の一例は耐火物の強度不足、乾燥時の割れ等
を含めて 9.7%である。
【0025】また、ダーツの製造に使用した耐火物につ
いて、JIS R 2204 耐火れんがの耐火度の試験方法によ
り耐火度を調査した。その結果、耐火物の耐火度(SK)は
35で、本発明の耐火物はスラグカット用ダーツに使用で
きる耐火度を有している。
いて、JIS R 2204 耐火れんがの耐火度の試験方法によ
り耐火度を調査した。その結果、耐火物の耐火度(SK)は
35で、本発明の耐火物はスラグカット用ダーツに使用で
きる耐火度を有している。
【0026】上記のスラグカット用ダーツを容量 80tの
転炉に使用し、スラグカットの効果を調査した。その結
果、本発明によるダーツは製造時水分を添加しないた
め、使用時、残存水分の急激な蒸発による溶鋼の突沸は
発生しない。このため、耐火物が壊れることもなく、ダ
ーツはスラグカットの目的を果たすことができる。ちな
みに、従来のダーツでは 7.4%の突沸が発生していた。
また、出鋼後、容量 80tの取鍋内のスラグ厚さを測定し
た結果、従来のダーツでは60mmあったスラグ厚さが、本
発明のダーツでは45mmであった。このように取鍋内のス
ラグ厚さが薄いことは、本発明のダーツのスラグカット
効果が高いことを示している。
転炉に使用し、スラグカットの効果を調査した。その結
果、本発明によるダーツは製造時水分を添加しないた
め、使用時、残存水分の急激な蒸発による溶鋼の突沸は
発生しない。このため、耐火物が壊れることもなく、ダ
ーツはスラグカットの目的を果たすことができる。ちな
みに、従来のダーツでは 7.4%の突沸が発生していた。
また、出鋼後、容量 80tの取鍋内のスラグ厚さを測定し
た結果、従来のダーツでは60mmあったスラグ厚さが、本
発明のダーツでは45mmであった。このように取鍋内のス
ラグ厚さが薄いことは、本発明のダーツのスラグカット
効果が高いことを示している。
【0027】以上のように、本発明による耐火物は耐火
性及び成形性に優れ、また、耐火物にクロマイト砂と珪
砂を混合したブレンド砂を使用しているため、ダーツの
密度を広い範囲で調整することができ、かつダーツの製
造原価を低減することができる。また、ダーツが胴部と
頭部の一体成形であることと、高温での乾燥工程が不要
であるため、製造期間も大幅に短縮することができる。
性及び成形性に優れ、また、耐火物にクロマイト砂と珪
砂を混合したブレンド砂を使用しているため、ダーツの
密度を広い範囲で調整することができ、かつダーツの製
造原価を低減することができる。また、ダーツが胴部と
頭部の一体成形であることと、高温での乾燥工程が不要
であるため、製造期間も大幅に短縮することができる。
【0028】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば乾燥工程が不要で、広い範囲で密度が調
整でき、かつ製造原価を低減した転炉スラグカット用の
耐火性、成形性に優れた耐火物及びスラグカット用ダー
ツを得ることができる。
本発明によれば乾燥工程が不要で、広い範囲で密度が調
整でき、かつ製造原価を低減した転炉スラグカット用の
耐火性、成形性に優れた耐火物及びスラグカット用ダー
ツを得ることができる。
【図1】本発明のスラグカット用ダーツの製造工程を説
明する図で、(a) はダーツの胴部を、(b) はダーツの頭
部の製造工程を説明する図である。
明する図で、(a) はダーツの胴部を、(b) はダーツの頭
部の製造工程を説明する図である。
【図2】ダーツの使用状況を説明する図である。
1…振動造型機、2…紙管固定用金物、3…紙管、4…
捕捉用鉄筋、5…耐火物、6…作業台、7…胴部固定用
金物、8…胴部、9…頭部成形用木型、10…ダーツ、11
…転炉、12…出鋼口、13…スラグ、14…溶鋼、15…鉄
皮、16…耐火れんが。
捕捉用鉄筋、5…耐火物、6…作業台、7…胴部固定用
金物、8…胴部、9…頭部成形用木型、10…ダーツ、11
…転炉、12…出鋼口、13…スラグ、14…溶鋼、15…鉄
皮、16…耐火れんが。
Claims (3)
- 【請求項1】 質量%で、クロマイト砂を90〜20%、珪
砂を10〜80%含有するブレンド砂に、バインダーとして
ブレンド砂に対して 4〜7 %の珪酸ソーダと0.4〜0.7
%の有機酸エステルを混合・混練してなることを特徴と
する転炉スラグカット用の耐火性、成形性に優れた耐火
物。 - 【請求項2】 質量%で、上記クロマイト砂の主成分が
Cr2O3:45%以上、Fe 2O3:32%以下、Al2O3:20%以下、Mg
O:11%以下で、上記珪砂の主成分がSiO2:95%以上であ
る請求項1記載の転炉スラグカット用の耐火性、成形性
に優れた耐火物。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の転炉スラグカッ
ト用の耐火性、成形性に優れた耐火物を使用したことを
特徴とするスラグカット用ダーツ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9161540A JPH116007A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 転炉スラグカット用の耐火性、成形性に優れた耐火物及びこの耐火物を使用したスラグカット用ダーツ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9161540A JPH116007A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 転炉スラグカット用の耐火性、成形性に優れた耐火物及びこの耐火物を使用したスラグカット用ダーツ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH116007A true JPH116007A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=15737051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9161540A Withdrawn JPH116007A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 転炉スラグカット用の耐火性、成形性に優れた耐火物及びこの耐火物を使用したスラグカット用ダーツ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH116007A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030000240A (ko) * | 2001-06-22 | 2003-01-06 | 배복순 | 슬래그 유출방지용 다트 가이드의 제조방법 |
KR20030000565A (ko) * | 2001-06-26 | 2003-01-06 | 이승환 | 제강정련 슬래그 혼입방지용 슬래그 컷팅기구의 조성물 |
KR101378300B1 (ko) * | 2012-02-28 | 2014-03-27 | (주)포스코켐텍 | 고비중 및 고강도 Mg―Cr계 내화재 및 그 제조방법 |
KR101441960B1 (ko) * | 2013-04-25 | 2014-09-24 | 포항세라믹(주) | 슬래그 다트의 스템 성형장치 |
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KR20160076342A (ko) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | 주식회사 인텍 | 슬래그 다트 조성용 내화물, 이를 포함하는 슬래그 다트 및 슬래그 다트의 제조방법 |
KR20160077364A (ko) * | 2014-12-22 | 2016-07-04 | 주식회사 인텍 | 슬래그 다트 조성용 내화물 및 이를 포함하는 슬래그 다트 |
KR20190061528A (ko) * | 2017-11-28 | 2019-06-05 | 주식회사 인텍 | 작업성이 우수한 슬래그 다트용 결합제 조성물 |
-
1997
- 1997-06-18 JP JP9161540A patent/JPH116007A/ja not_active Withdrawn
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