JP3326031B2 - 溶融金属容器用上ノズルの補修方法 - Google Patents
溶融金属容器用上ノズルの補修方法Info
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Description
取り付けられた上ノズルの補修方法に関する。
ィッシュなどの底部には、溶融金属を注出するためのノ
ズルが取り付けられている。スライディングノズルの上
部に位置することから、上ノズルと称される。この上ノ
ズルは、スライディングノズルおよびその下方に装着さ
れる鋳造ノズルと異なり、取鍋底部に組み込まれている
ことから、交換が容易でない。そこで、使用によって損
耗が進むと補修することが行われている。例えば、特開
昭55−54261号公報で提案された方法では、上ノ
ズル内孔に円筒状耐火物をモルタルで固定している。
修方法は、ノズル内孔の下方の損耗部には有効である
が、上方に対しては十分なものではない。ノズル内孔の
上方は損耗が大きいために、円筒状耐火物と溶損面との
隙間が上方では広くなるためである。また、ノズル内孔
の溶損部が上広がりであり、充填されたモルタルが溶融
金属容器の使用中に補修面からハクリ浮上しやすい。本
発明は、溶融金属容器用上ノズルの補修において、以上
の問題を解決することを目的とする。
属容器の底部に取り付けられた上ノズルの補修におい
て、ノズル内孔に配合物全体の化学成分がAl 2 O 3 :
70wt%以上のアルミナ質円筒状耐火物を挿入し、こ
の円筒状耐火物とノズル内孔の損耗面との間に配合物全
体の化学成分がMgO:55wt%以上のマグネシア質
不定形耐火物を添加水にて調整して吹き付け充填するこ
とを特徴とする溶融金属容器用上ノズルの補修方法であ
る。
げ、溶鋼取鍋を横倒しにした状態で上ノズルを補修する
場合について示したものである。図中、点線は損耗前の
上ノズル(2)の形状である。この上ノズル(2)の下
方に装着されているスライディングノズルおよび鋳造ノ
ズルは、取り外しておく。
とする。アルミナ質耐火物は熱間での容積安定性が高
く、耐食性および耐スポーリング性に優れている。しか
し、アルミナ質がいかに高品質であったとしても、円筒
状耐火物(3)自身が容器の稼動中に補修部位から外れ
てしまうとその効果はない。また、上ノズル(2)の溶
損形態が上広がりのために、損耗部全体をこの円筒状耐
火物(3)で充填することはできない。本発明では、ア
ルミナ質円筒状耐火物(3)を例えば上ノズル(2)の
下部から挿入後、この円筒状耐火物(3)と損耗部との
隙間にマグネシア質不定形耐火物(5)を吹付け充填す
る。
ル(6)からの吐出圧力によって、隙間に密に充填され
る。そして、稼動時の溶鋼熱を受けてマグネシア質不定
形耐火物(5)からのMgO成分とアルミナ質円筒状耐
火物(3)のAl2O3成分とが反応し、界面部にMgO
・Al2O3質スピネルを生成する。このスピネル生成は
体積膨張を伴うことから、その迫り応力で不定形耐火物
(5)と円筒状耐火物(3)とは互いに強固に保持さ
れ、被補修部からの脱離が防止される。また、スピネル
はスラグ中のFeO,MgOなどの成分を固溶し、スラ
グの浸透を阻止する。これにより、不定形耐火物(5)
と円筒状耐火物(3)との界面の先行溶損が防止され、
円筒状耐火物(3)の脱離防止の効果はより大きなもの
となる。
およびマグネシア質不定形耐火物の具体的な製造方法は
特に限定されるものではない。アルミナ質円筒状耐火物
は、例えば、焼結アルミナ、電融アルミナ、合成ムライ
ト、ばん土けつ岩、シリマナイト、ボーキサイトなどの
アルミナ質原料を骨材の主材にする。必要により、さら
にマグネシア、スピネル、炭化物、炭素、ジルコン、ジ
ルコニア、窒化物、ほう化物、シリカ、クロム、繊維
類、金属粉、耐火性超微粉、焼結剤、硬化促進剤、硬化
遅延剤、解こう剤などをこれに組み合わせる。結合剤
は、成形方法などに合わせて、セメント類、リン酸塩、
ケイ酸塩、粘土、糊料、合成樹脂などを使用する。成形
方法は、例えば加圧成形または鋳込み成形とする。焼成
品、不焼成品のいずれでもよい。
合成のマグネシアを主骨材とする。必要により、さらに
ドロマイト、石灰石、スピネル、炭化物、炭素、ジルコ
ン、ジルコニア、窒化物、ほう化物、シリカ、アルミ
ナ、粘土、クロム、繊維類、金属粉、耐火性超微粉、焼
結剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、解こう剤、湿潤剤など
をこれに組み合わせる。結合剤は、例えばセメント類、
リン酸塩、ケイ酸塩などを使用し、不定形耐火物が急速
に硬化するように調整をすることが好ましい。
円筒状耐火物はAl2O3:70wt%以上、マグネシア
質不定形耐火物ではMgO:55wt%以上であること
が好ましい。Al2O3:70wt%未満のアルミナ質円
筒状耐火物あるいはMgO:55wt%未満のマグネシ
ア質不定形耐火物では、スピネル生成が不十分なことに
加え、他の成分の影響によるコ−ジ−ライト等の低融点
物質の生成量が増すため、本発明による補修効果に劣
る。
に調整して隙間の狭い個所への充填を図り、隙間の広い
ノズル内孔の上部に対しては添加水を絞って流動性を押
さえることにより、吹付け時の不定形耐火物の流落を防
止することができる。補修後の乾燥は特に必要なく、直
ちに受鋼することができる。容器の稼動率向上の面から
熱間補修が好ましいが、本発明の方法は冷間、熱間のい
ずれでも可能である。
1は、各例で使用した円筒状耐火物である。表に示す配
合物を混練し、成形後、不焼成品は200℃乾燥、焼成
品はさらに1300℃で焼成した。成形体のサイズは、
補修対象の上ノズルの内孔に合わせて内径90、外径1
20、高さ350mmの円筒状とした。表2は、各例で
使用した不定形耐火物である。符号a〜eは、マグネシ
ア質である。また、符号hは、後述の比較例3で使用し
たモルタルとしての材質である。
形耐火物を使用した本発明実施例およびその比較例であ
る。補修対象は、250t溶鋼取鍋の上ノズルである。
取鍋を横倒しにし、治具を用いて円筒状耐火物をノズル
の下方から挿入し、本発明実施例1〜7および比較例1
〜2では、ノズルの損耗面と円筒状耐火物との間に不定
形耐火物を乾式ガンによって吹付け充填した。比較例3
は、円筒状耐火物の外周にモルタルを塗布した状態で、
ノズルの下方から挿入した。
れば、補修寿命が格段に向上した。円筒状耐火物と不定
形耐火物との界面の先行溶損もない。また、本発明実施
例であっても、化学成分で円筒状耐火物がAl2O3:7
0wt%以上、不定形耐火物がMgO:55wt%以上
のものを使用した場合において、補修寿命の向上がさら
に顕著である。
使用した比較例1および比較例2は使用初期に円筒状耐
火物の抜け落ち、補修寿命に劣る。外周に不定形耐火物
を塗布して円筒状耐火物を挿入した比較例3は、実質
上、ノズル内孔の下方部しか補修できず、その効果も少
ない。
上のようにきわめて効果的なものである。その結果、補
修工数の低減、ノズルの高寿命化による容器稼動率の向
上などを図ることができる。
部に取り付けられた上ノズルの補修状況を示す断面図で
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 溶融金属容器の底部に取り付けられた上
ノズルの補修において、ノズル内孔に配合物全体の化学
成分がAl 2 O 3 :70wt%以上のアルミナ質円筒状
耐火物を挿入し、この円筒状耐火物とノズル内孔の損耗
面との間に配合物全体の化学成分がMgO:55wt%
以上のマグネシア質不定形耐火物を添加水にて調整して
吹き付け充填することを特徴とする溶融金属容器用上ノ
ズルの補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27971994A JP3326031B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 溶融金属容器用上ノズルの補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27971994A JP3326031B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 溶融金属容器用上ノズルの補修方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08117988A JPH08117988A (ja) | 1996-05-14 |
JP3326031B2 true JP3326031B2 (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=17614929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27971994A Expired - Fee Related JP3326031B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 溶融金属容器用上ノズルの補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3326031B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CH710773B1 (de) * | 2015-02-20 | 2019-04-30 | Refractory Intellectual Property Gmbh & Co Kg | Verfahren und Vorrichtung zur Reparatur einer feuerfesten Hülse eines metallurgischen Gefässes. |
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1994
- 1994-10-20 JP JP27971994A patent/JP3326031B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH08117988A (ja) | 1996-05-14 |
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