JP3017026B2 - 注湯装置の耐火内張層 - Google Patents
注湯装置の耐火内張層Info
- Publication number
- JP3017026B2 JP3017026B2 JP6243688A JP24368894A JP3017026B2 JP 3017026 B2 JP3017026 B2 JP 3017026B2 JP 6243688 A JP6243688 A JP 6243688A JP 24368894 A JP24368894 A JP 24368894A JP 3017026 B2 JP3017026 B2 JP 3017026B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ladle
- refractory
- molten metal
- lining layer
- refractory lining
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高融点のCr含有合金
溶湯等の注湯装置として使用される取鍋等の耐火内張層
の改良に関する。
溶湯等の注湯装置として使用される取鍋等の耐火内張層
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術および発明の課題】溶解炉で溶製した合金
溶湯の注湯に使用される取鍋等の注湯装置の内張層には
各種の耐火材が知られている。珪砂系耐火材は最も一般
的な内張層耐火材の1つである。しかし、合金溶湯とし
て、例えば高周波溶解炉で溶製した高融点のCr−Fe
合金溶湯の注湯に、珪砂系内張層を設けた取鍋を使用す
ると、溶湯面上に著しく流動性の高いスラグが生成す
る。このため、傾動式の取鍋では、取鍋内の溶湯を鋳込
みホッパに注入する際に、溶湯と共に多量のスラグが流
出し、鋳造操業が困難となり、また溶湯にスラグが混入
することにより、製品鋳物に重大な品質欠陥が生じる。
溶湯の注湯に使用される取鍋等の注湯装置の内張層には
各種の耐火材が知られている。珪砂系耐火材は最も一般
的な内張層耐火材の1つである。しかし、合金溶湯とし
て、例えば高周波溶解炉で溶製した高融点のCr−Fe
合金溶湯の注湯に、珪砂系内張層を設けた取鍋を使用す
ると、溶湯面上に著しく流動性の高いスラグが生成す
る。このため、傾動式の取鍋では、取鍋内の溶湯を鋳込
みホッパに注入する際に、溶湯と共に多量のスラグが流
出し、鋳造操業が困難となり、また溶湯にスラグが混入
することにより、製品鋳物に重大な品質欠陥が生じる。
【0003】この不具合は、内張耐火物として珪砂系に
代え、海水マグネシア等のマグネシア系スタンプ材を使
用することにより解消できるが、マグネシア系の内張層
は熱伝導率が高いので、高Cr含有(Cr約70%以
上)のCr−Fe合金(融点約1670℃以上)のよう
な高融点合金の溶湯の場合には、内張層の表面に溶湯や
スラグの凝着を生じ易い。そのため、鋳造終了後、取鍋
内に残留した溶湯やスラグ等の凝固ないし半凝固物(ス
カル)を掻き出す作業が必要となる。その掻き出し作業
の反復実施は内張層の損傷を早める原因ともなる。しか
も、マグネシア系内張層の取鍋においては、上記不具合
の他に、六価クロムのヒュームが発生するという問題が
付随する。この六価クロムの発生は、溶湯の湯面近傍に
おける溶湯中のCrと雰囲気中の酸素との反応(Cr+
3O2 →Cr+6+3O-2)が、マグネシア系内張層(ア
ルカリ性である)を触媒として促進されることによる。
代え、海水マグネシア等のマグネシア系スタンプ材を使
用することにより解消できるが、マグネシア系の内張層
は熱伝導率が高いので、高Cr含有(Cr約70%以
上)のCr−Fe合金(融点約1670℃以上)のよう
な高融点合金の溶湯の場合には、内張層の表面に溶湯や
スラグの凝着を生じ易い。そのため、鋳造終了後、取鍋
内に残留した溶湯やスラグ等の凝固ないし半凝固物(ス
カル)を掻き出す作業が必要となる。その掻き出し作業
の反復実施は内張層の損傷を早める原因ともなる。しか
も、マグネシア系内張層の取鍋においては、上記不具合
の他に、六価クロムのヒュームが発生するという問題が
付随する。この六価クロムの発生は、溶湯の湯面近傍に
おける溶湯中のCrと雰囲気中の酸素との反応(Cr+
3O2 →Cr+6+3O-2)が、マグネシア系内張層(ア
ルカリ性である)を触媒として促進されることによる。
【0004】上記六価クロムの生成反応を抑制防止する
方法としては、取鍋の上部(溶湯面より上部領域)の内
張層耐火物として、酸性耐火物を適用することが考えら
れる。しかし、その場合、取鍋上部の酸性耐火物の内張
層と、その下部領域のマグネシア系内張層との接合部に
溶損反応が生じ、溶湯の目差しが生じ易くなるという不
都合が生じる。本発明は、高融点の高Cr含有合金溶湯
等の注湯関する上記問題を解決するための注湯装置の改
良された耐火内張層を提供するものである。
方法としては、取鍋の上部(溶湯面より上部領域)の内
張層耐火物として、酸性耐火物を適用することが考えら
れる。しかし、その場合、取鍋上部の酸性耐火物の内張
層と、その下部領域のマグネシア系内張層との接合部に
溶損反応が生じ、溶湯の目差しが生じ易くなるという不
都合が生じる。本発明は、高融点の高Cr含有合金溶湯
等の注湯関する上記問題を解決するための注湯装置の改
良された耐火内張層を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の高Cr合金注湯
装置用耐火内張層は、ジルコン系耐火物からなることを
特徴としている。
装置用耐火内張層は、ジルコン系耐火物からなることを
特徴としている。
【0006】
【作用】本発明の注湯装置の内張層を形成するジルコン
系耐火物層は、珪砂系内張層の場合のような高流動性の
スラグの発生がなく、またマグネシア系内張層に比べ
て、熱伝導率および熱容量が小さい〔熱伝導率(cal/se
c ℃ cm -1):マグネシア約0.025, ジルコン 約0.00
5 。比熱(cal/g ℃)マグネシア 約0.025,ジルコン
約0.13,at700 ℃)。このため、鋳造時の溶湯の鋳込み
に付随するスラグの流出が抑制防止され、また溶湯の降
温粘稠化とそれに伴うスカルの発生も抑制防止される。
更に、その内張層は耐熱性および高強度が高く、溶損・
崩れに対する抵抗性を備えていると共に、溶湯との反応
性がないので、鋳造終了後の残留溶湯・スラグの除去の
困難が回避される。しかも酸性耐火物であることによ
り、六価クロムの生成反応も抑制防止される。
系耐火物層は、珪砂系内張層の場合のような高流動性の
スラグの発生がなく、またマグネシア系内張層に比べ
て、熱伝導率および熱容量が小さい〔熱伝導率(cal/se
c ℃ cm -1):マグネシア約0.025, ジルコン 約0.00
5 。比熱(cal/g ℃)マグネシア 約0.025,ジルコン
約0.13,at700 ℃)。このため、鋳造時の溶湯の鋳込み
に付随するスラグの流出が抑制防止され、また溶湯の降
温粘稠化とそれに伴うスカルの発生も抑制防止される。
更に、その内張層は耐熱性および高強度が高く、溶損・
崩れに対する抵抗性を備えていると共に、溶湯との反応
性がないので、鋳造終了後の残留溶湯・スラグの除去の
困難が回避される。しかも酸性耐火物であることによ
り、六価クロムの生成反応も抑制防止される。
【0007】本発明の注湯装置の耐火内張層の形成は、
ジルコン系耐火物を使用する点以外は、常法に従って施
工される。ジルコン系耐火物は、例えばジルコン系鋳型
材として公知のジルコンサンド(ZrO2 ・SiO2 )
が使用され、これを骨材とし、第一燐酸アルミニウムを
バインダとして添加し、スタンプ施工することにより取
鍋内に所定の層厚に成形し、加熱処理を加えて固結させ
る。ジルコンサンド/バインダの配合比(重量比)は、
約100/3 〜100/10の範囲が適当であり、加熱処理は、バ
ーナ等により、約700 〜1000℃に加熱することにより達
成される。
ジルコン系耐火物を使用する点以外は、常法に従って施
工される。ジルコン系耐火物は、例えばジルコン系鋳型
材として公知のジルコンサンド(ZrO2 ・SiO2 )
が使用され、これを骨材とし、第一燐酸アルミニウムを
バインダとして添加し、スタンプ施工することにより取
鍋内に所定の層厚に成形し、加熱処理を加えて固結させ
る。ジルコンサンド/バインダの配合比(重量比)は、
約100/3 〜100/10の範囲が適当であり、加熱処理は、バ
ーナ等により、約700 〜1000℃に加熱することにより達
成される。
【0008】本発明の耐火内張構造は、取鍋のみなら
ず、取鍋から供給される溶湯を鋳型内に案内する鋳込み
ホッパの内張層等としても適用される。
ず、取鍋から供給される溶湯を鋳型内に案内する鋳込み
ホッパの内張層等としても適用される。
【0009】
〔1〕傾動式取鍋の内張層の形成 (1)内層材組成 骨材:ジルコンサンド(オーストラリア産) ZrO22 66.7, SiO 2 32.5, TiO 2 0.1,Fe2 O 3 0.08。 バインダ:第一燐酸アルミニウム 配合比(ジルコンサンド/バインダ) 100/5(重
量比) 加熱温度:700 〜1000℃ 〔2〕注湯操業 高周波溶解炉で溶製したFe−Cr合金(Cr量80
%,融点1725℃)の溶湯を上記取鍋に受湯し、鋳造
を行った。
量比) 加熱温度:700 〜1000℃ 〔2〕注湯操業 高周波溶解炉で溶製したFe−Cr合金(Cr量80
%,融点1725℃)の溶湯を上記取鍋に受湯し、鋳造
を行った。
【0010】〔3〕操業結果 鋳型への溶湯鋳込み操業における、取鍋からのスラグの
流入および鋳造操作への支障は皆無であった。また、六
価クロムのヒュームの発生も皆無であった。更に、鋳造
終了後の取鍋中の残湯およびスラブの凝着は殆どなく、
スカルの除去は容易かつ簡単に行うことができ、その除
去作業に起因する内張層の損傷は実質的に皆無であっ
た。
流入および鋳造操作への支障は皆無であった。また、六
価クロムのヒュームの発生も皆無であった。更に、鋳造
終了後の取鍋中の残湯およびスラブの凝着は殆どなく、
スカルの除去は容易かつ簡単に行うことができ、その除
去作業に起因する内張層の損傷は実質的に皆無であっ
た。
【0011】
【発明の効果】本発明の耐火内張層を取鍋に形設するこ
とにより、高融点の高Cr含有合金の注湯においても、
鋳造操作の際に取鍋からのスラグ流出を阻止し、かつ有
害な六価クロムの発生を抑制防止し得ると共に、取鍋内
の残湯やスラグの凝着も最小限に抑制される。取鍋のほ
か、鋳込みホッパ等の内張層として適用することにより
同様の効果が得られ、鋳造操業の円滑な遂行、および鋳
造品質の向上等の効果を得ることができる。
とにより、高融点の高Cr含有合金の注湯においても、
鋳造操作の際に取鍋からのスラグ流出を阻止し、かつ有
害な六価クロムの発生を抑制防止し得ると共に、取鍋内
の残湯やスラグの凝着も最小限に抑制される。取鍋のほ
か、鋳込みホッパ等の内張層として適用することにより
同様の効果が得られ、鋳造操業の円滑な遂行、および鋳
造品質の向上等の効果を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠崎 斌 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株式会社クボタ 枚方製造所内 (56)参考文献 特開 平7−330451(JP,A) 特開 平5−322452(JP,A) 特開 昭57−188469(JP,A) 特開 昭55−85475(JP,A) 特開 昭52−100328(JP,A) 特開 昭52−93630(JP,A) 特開 昭50−4105(JP,A) 特開 昭63−225575(JP,A) 特開 平6−80477(JP,A) 特開 平7−1110(JP,A) 特開 昭59−102866(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 41/02 C04B 35/00 C04B 35/49 C04B 35/63 F27D 1/00
Claims (2)
- 【請求項1】 ジルコン系耐火物からなることを特徴と
する高融点Cr含有合金溶湯用注湯装置の耐火内張層。 - 【請求項2】 ジルコンサンドを骨材とし、これにバイ
ンダとして第一燐酸アルミニウムが添加された混練物か
らなる請求項1に記載の高融点Cr含有合金溶湯用注湯
装置の耐火内張層。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6243688A JP3017026B2 (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | 注湯装置の耐火内張層 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6243688A JP3017026B2 (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | 注湯装置の耐火内張層 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08108266A JPH08108266A (ja) | 1996-04-30 |
JP3017026B2 true JP3017026B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=17107513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6243688A Expired - Lifetime JP3017026B2 (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | 注湯装置の耐火内張層 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3017026B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109776101B (zh) * | 2019-03-14 | 2021-05-18 | 武汉科技大学 | 一种CA6-MA-Cr2O3-Al2O3钢包内衬浇注料及其制备方法 |
-
1994
- 1994-10-07 JP JP6243688A patent/JP3017026B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08108266A (ja) | 1996-04-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4248631A (en) | Casting powder for the continuous casting of steel and method for producing the same | |
JP2567770B2 (ja) | 乾式の耐火物用組成物 | |
CN103114179A (zh) | 一种真空循环脱气精炼炉的插入管及其制备方法 | |
JP3017026B2 (ja) | 注湯装置の耐火内張層 | |
JP4786252B2 (ja) | 溶鋼保温剤 | |
WO2009062074A1 (en) | Material used to combat thermal expansion related defects in high temperature casting processes | |
JP3317258B2 (ja) | 高Mn丸断面鋳片の連続鋳造用モールドパウダ | |
JPH1034301A (ja) | 連続鋳造用初期モールドパウダー | |
JPS5844945A (ja) | 有機自硬性鋳型に用いる浸炭及び浸硫防止用塗型剤 | |
JP4855552B2 (ja) | 溶鋼表面保温方法 | |
GB2067985A (en) | Refractory Materials | |
JPH116007A (ja) | 転炉スラグカット用の耐火性、成形性に優れた耐火物及びこの耐火物を使用したスラグカット用ダーツ | |
JP3249429B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー | |
JP6701379B2 (ja) | モールドフラックス及びこれを利用した鋳造方法 | |
JPH0587469B2 (ja) | ||
JPH0985402A (ja) | 連続鋳造用モールドパウダー | |
JP4960574B2 (ja) | 連続鋳造用ノズルに用いられるアルミナ付着を防止する耐火物 | |
SU944731A1 (ru) | Защитное покрытие дл изложниц и поддонов | |
JPH0985403A (ja) | 連続鋳造開始用モールドパウダー | |
JPS61127672A (ja) | マグネシア質流し込み耐火物 | |
JPH01501536A (ja) | 底注ぎインゴットスチール製造に使用する鋳造用粉末及びそれを使用する方法 | |
JPS5830265B2 (ja) | 連続鋳造用耐火物 | |
JP3075911B2 (ja) | タンディッシュ内スラグ軟質化及び排出方法 | |
RU2118950C1 (ru) | Огнеупорный теплоизоляционный материал | |
JP3015992B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用鋳型コーティング剤およびそれを用いた鋼の連続鋳造方法 |