JP5019327B2 - 排ガスの処理設備および排ガスの処理方法 - Google Patents

排ガスの処理設備および排ガスの処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃焼式の金属溶解炉(例えば、シャフト炉)から排出されるダイオキシン、高発火性ダストなどを含む排ガスの処理設備および処理方法に関する。
金属溶解炉は燃焼式のものと電気式のものとがある。燃焼式の代表としては、シャフト炉があり、溶解能力が大きいことから量産用の主力溶解炉として使用されている。近年、地球温暖化防止の観点からの要求もあって、銅の溶解鋳造の分野においてもエネルギー効率の高いシャフト炉が広く使用されている。
ところで、この金属溶解炉から排出される排ガス中にはダイオキシン類などの有害物質が含まれており、排ガス処理設備にてこれらを除去する必要がある。
この種の排ガス処理設備としては、例えば電気炉から排出される排ガス中の未燃分を燃焼させる2次燃焼炉、この2次燃焼炉から排出された排ガスを導き水を噴霧して冷却を行う冷却塔と、この冷却塔から出た排ガス中のダスト・有機成分などを除去する前段バグフィルタおよび後段バグフィルタと、これら両バグフィルタ間に配置されて排ガス中にダイオキシンの吸着剤を投入する吸着剤投入装置と、ダイオキシン・ダストなどが除去された排ガスを大気に放出する煙突とから構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、上述したように、排ガスを燃焼・加熱する2次燃焼方式ではバーナでの燃料が多量に必要となり、ランニングコストが嵩むことから、熱交換器を用いて2次燃焼後の排ガスから熱回収することによって2次燃焼炉に入る排ガスを予熱する方法、さらには2次燃焼炉で排ガスをバーナにより加熱する方法などが提案されている(特許文献2参照)。
特開平11−183051号公報 特開平6−117780号公報
ところで、燃焼式の金属溶解炉から排出される排ガスを処理する場合には、上述した2次燃焼を伴う排ガス処理方法は採算性の点で得策ではない。しかしながら、このような排ガスを2次燃焼させずに冷却塔に導き冷却した後、バグフィルタにてダストを除去し、さらにダイオキシンを吸着して除去しようとすると、安定した処理ができなくなる。
例えば、銅溶解炉(シャフト炉)から排出される排ガスを処理する場合、排ガス中に、高濃度のダイオキシン類、および発火性の高いカーボンを主体とするダスト(つまり、発火性の高いダスト)が含まれることがあり、また(詳しくは後述するが)溶解炉の操業によって排ガスの流量および温度がともに大きく変動し、このため、下流側にて、ダイオキシンの再合成が生じやすく、さらにバグフィルタなどでダストが発火する惧れがあり、したがって安定した状態で排ガスを処理するのが困難になるという問題があった。
なお、ダイオキシンの再合成に関しては、銅溶解炉を出た排ガスが温度降下するに従い、銅溶解炉で気化した銅がカーボンを主体とするダストの表面に凝縮して、その触媒的作用によりダイオキシンを生成しやすい状況を作ることから、いかにして、排ガスの流量および温度の大きな変動に迅速に且つ的確に対処するかが問題になっている。
そこで、本発明は、流量および温度ともに変動が大きく且つダイオキシンおよび発火性の高いダストを含む金属溶解炉から排出される排ガスを安定してしかも迅速に且つ的確に処理し得る排ガスの処理設備および排ガスの処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る排ガスの処理設備は、金属溶解炉から排出された排ガスを第1排出管路を介して導きダストを捕集するサイクロン、およびこのサイクロンから排出された排ガスを第2排出管路を介して導きさらにダストを捕集するバグフィルタを有する排ガス処理設備であって、
上記第1排出管路の途中に水噴霧ノズルを配置するとともに、当該水噴霧ノズルの下流側に外気導入管を接続し、
上記第2排出管路の途中に少なくともダイオキシンの吸着機能を有する薬剤を供給する薬剤供給管を接続し、
上記第1排出管路に設けられた各水噴霧ノズルからの噴霧水量を、金属溶解炉から排出される排ガス量および当該第1排出管路における排ガスの計測温度および設定温度に基づき制御する制御装置を設けるとともに、
この制御装置に、金属溶解炉に設けられた加熱用のバーナの燃料量および金属溶解炉の炉内頂部圧力に基づき上記排ガス量を演算により予測する排ガス量予測部を具備させたものである。
また、請求項2に係る排ガスの処理設備は、請求項1に記載の処理設備における水噴霧ノズルを、上流側に配置される第1水噴霧ノズルと下流側に配置される第2水噴霧ノズルとから構成したものである。
また、請求項3に係る排ガスの処理設備は、請求項2に記載の処理設備における制御装置に、
ガス量予測部にて予測された排ガス量および第1排出管路における第1水噴霧ノズルの上流側位置での第1計測温度と下流側位置での第1設定温度との温度差に基づき第1水噴霧ノズルでの噴霧水量を演算する第1噴霧水量演算部と、
第1計測温度を入力するとともに当該第1計測温度が第1設定温度以下である場合には第1水噴霧ノズルからの水噴霧を行わず、第1計測温度が第1設定温度を超えて当該第1設定温度よりも高く設定された比較温度以下の範囲にある場合には、第1噴霧水量および設定された限界噴霧水量のうち、少ない噴霧水量でもって水噴霧を行い、第1計測温度が比較温度を超えている場合には、上記第1噴霧水量演算部で求められた噴霧水量でもって水噴霧を行う第1制御部と、
上記排ガス量予測部にて予測された排ガス量および第1排出管路における第2水噴霧ノズルの上流側位置での第2計測温度と上記第1設定温度よりも低く設定された下流側位置での第2設定温度との温度差に基づき第2水噴霧ノズルでの噴霧水量を演算する第2噴霧水量演算部と、
第2計測温度を入力するとともに当該第2計測温度が第2設定温度以下である場合には第2水噴霧ノズルから水噴霧を行わず、第2計測温度が第2設定温度を超えている場合には、上記第2噴霧水量演算部で求められた噴霧水量でもって水噴霧を行う第2制御部とを具備させたものである。
また、請求項4に係る排ガスの処理設備は、請求項2または3に記載の処理設備におけるサイクロンで捕集されたダストを冷却する水槽を具備したものである。
また、請求項5に係る排ガスの処理設備は、請求項2乃至4のいずれかに記載の処理設備における第1水噴霧ノズルより下流側の第1排出管路途中またはサイクロンの入口部に、ダストの発火抑制剤を供給する発火抑制剤供給管を接続したものである。
また、請求項6に係る排ガスの処理設備は、請求項5に記載の処理設備において、発火抑制剤として炭酸カルシウム粉末を用いるとともに、その供給量をダストに対して略30%(質量%)以上としたものである。
また、請求項7に係る排ガスの処理設備は、請求項1乃至6のいずれかに記載の処理設備におけるバグフィルタで捕集されたダストを第1排出管路途中に戻すダスト戻し管を設けたものである。
また、請求項8に係る排ガスの処理方法は、金属溶解炉から排出された排ガスを第1排出管路を介して導きダストを捕集するサイクロン、およびこのサイクロンから排出された排ガスを第2排出管路を介して導きさらにダストを捕集するバグフィルタを有する排ガス処理設備における排ガスの処理方法であって、
金属溶解炉から排出された排ガスを第1排出管路途中に上流側から下流側に向かって配置された第1水噴霧ノズルおよび第2水噴霧ノズルにより水を噴霧して減温させるとともに、上記第2水噴霧ノズルの下流側位置にて大気を供給してさらに減温させ、
次にこの減温された排ガスをサイクロンに導きダストを捕集し、
次に第2排出管路の排ガス中に少なくともダイオキシンの吸着機能を有する薬剤を供給した後、バグフィルタに導きダイオキシンを含むダストを捕集し、
且つ上記第1排出管路に設けられた各水噴霧ノズルからの噴霧水量を金属溶解炉から排出される排ガス量および当該第1排出管路における排ガスの計測温度および設定温度に基づき制御するとともに、
且つ上記排ガス量を、金属溶解炉に設けられた加熱用バーナの燃料量および金属溶解炉の炉内頂部圧力に基づき予測する方法である。
また、請求項9に係る排ガスの処理方法は、請求項8に記載の処理方法において、サイクロンより上流側の第1排出管路またはサイクロンの入口部に、発火抑制剤を供給する方法である。
さらに、請求項10に係る排ガスの処理方法は、請求項8または9に記載の処理方法において、バグフィルタで捕集されたダストを第1排出管路途中に戻す方法である。
上記排ガスの処理設備および処理方法によると、排ガスを第1排出管路で水噴霧により冷却する際に、噴霧水量を、金属溶解炉の運転状態を示す排ガス量、並びに排ガスの計測温度および設定温度に基づき求めるとともに、排ガス量については、バーナ燃料量および炉内頂部圧力に基づき求めるようにしたので、排ガスの流量および温度が大きく変動した場合でも、排ガスを、迅速に且つ的確に所定温度以下に減温することができ、したがってダイオキシンの二次生成を安定して抑制することができるとともに、サイクロンでの自然発火も防止してダイオキシンを含むダストを安全に捕集することができる。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1に係る排ガスの処理設備および排ガスの処理方法を、金属溶解炉、例えば銅の溶解炉で発生する排ガスの処理設備および処理方法として説明する。
ところで、銅の溶解炉で加熱用バーナ(例えば、ガスバーナが用いられる)により銅(原料)を溶解(溶融)して、主に電線などに利用されるタフピッチ銅を製造するプロセスでは、炉内の温度コントロールが難しく[具体的には、溶解した銅の排出量(出湯量)を一定にするために、原料投入時においてはバーナでの燃焼量がアップされるなどの温度の変動要因が大きいため]、また銅の酸化を抑えるために低酸素比で加熱用バーナを燃焼させるので、不完全燃焼によるカーボンやダイオキシンが生成しやすい。さらに、資源再利用の観点から銅原料として、被覆銅などの銅屑を用いる場合には、温度コントロールがさらに難しくなるとともに、カーボンやダイオキシンの生成量も多くなる。また、溶解炉で気化した銅の一部が排ガスの温度降下過程でカーボンダストの表面に凝縮し、この触媒的作用によりダイオキシンが二次生成しやすくなる。すなわち、溶解炉での排ガスは、加熱用バーナでの燃焼量の増減に伴い、常に流量、温度ともに変動しているとともに、その温度降下過程にてダイオキシンの二次生成がしやすくなっている。
このような前提条件を踏まえて、まず排ガスの処理設備について説明する。
この処理設備は、図1に示すように、銅の溶解炉1(例えば、シャフト炉である)から排出される排ガス[勿論、上述したように、流量、温度ともに変動が大きく、また高濃度のダイオキシンおよびカーボンを主体とするダスト(塵埃で、所謂、カーボンダストである)が含まれている]を第1排ガスダクト(第1排出管路)11を介して排ガスの温度を低下させつつ導きダストを捕集(除去)するサイクロン2と、このサイクロン2から出た排ガスを第2排ガスダクト(第2排出管路)12を介して導きさらに残存するダストを捕集(除去)するバグフィルタ3と、このバグフィルタ3から出た排ガス(ダイオキシン、ダストなどが除去されたもの)を誘引送風機4が設けられた第3排ガスダクト(第3排出管路ともいえる)13を介して導き大気に放出するための煙突5とが具備されている。なお、溶解炉1の下部(なお、図1には、分かりやすいように溶解炉の上部に示している)には加熱用バーナ6が設けられている。
また、上記サイクロン2の底部には接続管7を介して水槽8が接続されており、当該サイクロン2で捕集されたダストを水槽8に導き冷却するようにされている。
さらに、上記第2排ガスダクト12には、少なくともダイオキシンの吸着機能を有する、すなわちダイオキシンの吸着剤を含む薬剤(例えば、ダイオキシンの吸着剤にろ過助剤を混合したもの、つまりダイオキシンの吸着剤の機能およびろ過助剤の機能を併せ持つものが用いられている)を供給する薬剤供給管15が接続されている。この薬剤としては、ダイオキシンの吸着剤の機能およびろ過助剤の機能を併せ持つもの(少なくともダイオキシンの吸着機能を有すものであればよい)が用いられる。また、ダイオキシンの吸着剤としては、活性白土、活性炭、またはこれらの混合物が用いられる。上記活性白土は発火性がなく、高発火性ダストの発火抑制に効果的である。勿論、薬剤供給管15の先端には薬剤供給装置16が配置されている。
そして、上記第1排ガスダクト11の上壁部(ダクトが水平である場合には上壁部であるが、ダクトが鉛直である場合には側壁部となる)には、所定容量(適度な容量ともいえる)の水噴霧ノズルが複数個、例えば2個直列に配置され、且つそれぞれの噴霧水量が溶解炉1の運転状態に応じて(リンクして)供給されて、排ガスの温度が所定値以下になるように制御されている。
すなわち、第1排ガスダクト11の上流側には第1水噴霧ノズル21が配置されるとともに、その下流側には第2水噴霧ノズル22が配置され、また第1水噴霧ノズル21には途中に第1開閉弁23が設けられた第1水供給管24が接続されるとともに、第2水噴霧ノズル22には、途中に第2開閉弁25が設けられた第2水供給管26が接続されている。
そして、上記両水噴霧ノズル21,22からの噴霧水量を調節(オン・オフも含む)するために各開閉弁23,25の開度を制御する制御装置27が具備されている。
そして、制御を行うために、上記加熱用バーナ6における燃料量(以下、バーナ燃料量という)を検出する燃料量検出器31、溶解炉1の頂部圧力(炉内頂部圧力、または炉頂圧ともいう)を計測する炉頂圧計測器32、第1排ガスダクト11における第1水噴霧ノズル21の上流側および下流側並びに第2水噴霧ノズル22の下流側にて排ガス温度を計測する第1温度計測器(Th1)33、第2温度計測器(Th2)34および第3温度計測器(Th3)35が具備されるとともに、これらの計測機器(検出器、計測器)31〜35からの検出値および計測値は制御装置27にそれぞれ入力されている。
そして、本発明に係る水噴霧の制御を簡単に言うと、溶解炉1から排出される排ガス量(流量)および温度がランダムに変動しており、これらの変動に迅速且つ的確に対処して、第1排ガスダクト11の下流側(つまり、サイクロンの入口近傍)での排ガス温度が所定値以下となるように、第1排ガスダクト11に配置される第1水噴霧ノズル21および第2水噴霧ノズル22での噴霧水量を、フィードフォワード制御およびフィードバック制御に基づき制御するようにしたものである。
ここで、制御装置27について説明する。
この制御装置27は、溶解炉1の運転状態(バーナ燃料量および炉内頂部圧力)から予測した排ガス量および計測した排ガス温度に基づき、第1排ガスダクト11に設けられた第1水噴霧ノズル21および第2水噴霧ノズル22それぞれの噴霧水量を自動制御するためのもので、図2に示すように、排ガス量をバーナ燃料量qおよび炉内頂部圧力pに基づき排ガス量Qを演算により予測する排ガス量予測部41と、この排ガス量予測部41にて予測された排ガス量Qおよび第1排ガスダクト11における第1水噴霧ノズル21の上流側位置における排ガスの第1計測温度T1Pと同じくその下流側位置における排ガスの第1設定温度T2Sとの温度差つまり偏差(T1P−T2S)に基づき第1水噴霧ノズル21から噴霧される第1基準噴霧水量G1を演算する第1噴霧水量演算部51と、第1排ガスダクト11における第1水噴霧ノズル21の下流側位置における排ガスの第2計測温度T2Pおよび下流側位置における排ガスの第1設定温度T2Sを入力して温度差つまり偏差(T2P−T2S)を求める第1減算部52と、この第1減算部52で求められた偏差を入力するとともに所定の補正量演算式(後述する)により第1水噴霧ノズル21での第1補正噴霧水量ΔG1を演算する第1補正量演算部53と、この第1補正量演算部53で求められた第1補正噴霧水量ΔG1および第1噴霧水量演算部51で求められた第1基準噴霧水量G1を入力するとともに両者を加算して第1噴霧水量(第1実噴霧水量ともいえる)G1′を求める第1加算部54と、この第1加算部54で求められた第1噴霧水量G1′を入力して第1水噴霧ノズル21に接続された第1水供給管24に設けられた第1開閉弁23の弁開度を制御する、つまり開度指令を出力する第1制御部55と、上記排ガス量予測部41にて予測された排ガス量Qおよび第1排ガスダクト11における第2水噴霧ノズル22の上流側位置における排ガスの第2計測温度T2Pとその下流側位置における排ガスの第2設定温度T3Sとの温度差つまり偏差(T2P−T3S)に基づき第2水噴霧ノズル22から噴霧される第2基準噴霧水量G2を演算する第2噴霧水量演算部61と、第1排ガスダクト11における第2水噴霧ノズル22の下流側位置における排ガスの第3計測温度T3Pおよび下流側位置における排ガスの第2設定温度T3Sを入力して温度差つまり偏差(T3P−T3S)を求める第2減算部62と、この第2減算部62で求められた偏差を入力するとともに所定の補正量演算式(後述する)により第2水噴霧ノズル22での第2補正噴霧水量ΔG2を演算する第2補正量演算部63と、この第2補正量演算部63で求められた第2補正噴霧水量ΔG2および第2噴霧水量演算部61で求められた第2基準噴霧水量G2を入力するとともに両者を加算して第2噴霧水量(第2実噴霧水量ともいえる)G2′を求める第2加算部64と、この第2加算部64で求められた第2噴霧水量G2′を入力して第2水噴霧ノズル22に接続された第2水供給管26に設けられた第2開閉弁25の弁開度を制御する、つまり開度指令を出力する第2制御部65とが具備されている。
ここで、上記各制御部55,65について詳しく説明する。
これら各制御部55,65においては、上述したように、第1排ガスダクト11の第2水噴霧ノズル22の上流側および下流側位置における第1設定温度T2Sおよび第2設定温度T3Sの他に、この第1設定温度T2Sよりも少し高い比較温度TR、および第1設定温度T2Sと比較温度TRとの間の温度域において、第1水噴霧ノズル21から噴射される第1噴霧水量の上限値として限界噴霧水量G1Lを必要とするため、これらの具体的な数値(勿論、例示である)について説明しておく。なお、第1設定温度T2Sおよび第2設定温度T3Sは、溶解炉1における予想される最大の排ガス量および最高温度の条件で、サイクロン2の入口側での排ガスの温度が250℃となるように求められる第1噴霧ノズル21および第2噴霧ノズル22での噴霧水量から決められる。勿論、これらの噴霧水量は、ダクト11内で噴射された場合、完全蒸発し得る値である。また、比較温度TRは、上記のように決められる噴霧水量ではあるが、溶解炉1の操業状態によっては、排ガスの流量および温度が大きく変化し、例えばバーナ燃料量が少ないとき、つまり燃焼ガスが少ないとき、原料の供給口などから外気が漏れ込むことで、溶解炉1からの排ガスに、その流量が多い割りには温度が高くないという状態が起こり得るので、このような場合に備えて第1噴霧ノズル21での噴霧水量を抑えるために、第1設定温度T2Sよりも少し高い温度(例えば、1割程度)が設けられた(設定された)ものである。
第1設定温度T2Sとしては320℃に、第2設定温度T3Sとしては250℃に、また比較温度TRとしては上記第1設定温度T2Sよりも少し高い350℃にされている。
ところで、限界噴霧水量G1Lを設けたのは、上述したように、第1水噴霧ノズル21からの噴霧水量が多すぎた場合、第1排ガスダクト11内が濡れてしまうので、第1計測温度T1Pがあまり高くない場合には、すなわち第1計測温度T1Pが第1設定温度T2Sと比較温度TRとの間(320〜350℃の範囲)にある場合でしかも排ガス量が多い場合には、演算による噴霧水量が多くなって完全に蒸発し得ない事態が生じる、つまり第1排ガスダクト11内が濡れる惧れが生じるからである。
これらの設定温度および限界噴霧水量を踏まえて、以下、各制御部55,65について説明する。
すなわち、第1制御部55においては、第1計測温度T1Pおよび第1設定温度T2Sが入力されるとともに、第1計測温度T1Pが第1設定温度T2S(320℃)以下である場合には、第1開閉弁23には開度指令は出力されず、また第1計測温度T1Pが第1設定温度T2S(320℃)を超えて比較温度TR(350℃)以下の範囲にある場合には、第1噴霧水量G1′および限界噴霧水量G1Lのうち、少ない方を噴霧水量として出力するようにされ、一方、第1計測温度T1Pが比較温度TRを超えている場合には、第1噴霧水量G1′をそのまま出力するようにされている。
また、第2制御部65においては、第2計測温度T2Pおよび第2設定温度T3S(250℃)が入力されるとともに、当該第2計測温度T2Pが第2設定温度T3S以下である場合には、第2開閉弁25には開度指令は出力されず、第2設定温度T3Sを超えている場合には、第2噴霧水量G2′をそのまま出力するようにされている。
なお、上記の説明においては、各制御部55,65に設定温度T2S,T3Sを入力するようにしたが、各制御部55,56に予め記憶させておいてもよい。
次に、上記排ガス量予測部41および各補正量演算部53,63での演算式、つまり排ガス量演算式、噴霧水量演算式および補正量演算式について説明する。
排ガス量予測部41において、排ガス量Qは下記(1)式にて求められる。
Q=Q1+Q2・・・(1)
但し、Q1=K1・q,Q2=K2・abs(p)^aであり、
またqは溶解炉でのバーナ燃料量、pは炉内頂部圧力、K1およびK2は定数、abs(p)はpの絶対値、aは指数(概ね「1」であるが、実際の運転時に調整される)である。
各水噴霧ノズル21,22から噴射される噴霧水量G1,G2は下記(2)式および(3)式にて求められる。
G1=Q・C・(T1P−T2S)/(T2S・C・22.4/18+600)・・・(2)
但し、(2)式中;
は排ガスの平均定圧比熱、T1Pは第1水噴霧ノズルの上流側(噴霧個所前方)における排ガスの第1計測温度(第1温度計測器による計測値)、T2Sは第1水噴霧ノズルの下流側(噴霧個所後方)での第1設定温度である。
G2=Q・C・(T2P−T3S)/(T3S・C・22.4/18+600)・・・(3)
但し、(3)式中;
は排ガスの平均定圧比熱、T2Pは第2水噴霧ノズルの上流側(噴霧箇所前方)における排ガスの第2計測温度(第2温度計測器による計測値)、T3Sは第2噴霧ノズルの下流側(噴霧箇所後方)での第2設定温度である。
排ガス温度の設定値は以下に示す考えに基づき設定される。
すなわち、ダイオキシン類の再合成を抑えるために、水噴霧と外気(大気)の吸引混合とを経て排ガス温度を最終的に150℃以下とする。
そして、水噴霧によって得られる排ガスの設定温度(T2S,T3S)は、予想される排ガス条件(流量、温度ともに大きく変動)と排ガスダクト(内径、長さなど)から、ダクト内壁を濡らすことなく噴霧し得る水量(シミュレーション結果による)に基づき決定される。
本実施の形態では、例えば計測温度T1Pの予想最大値は400℃であり、上述したように、第1設定温度T2Sは320℃、第2設定温度T3Sは250℃にされる。
次に、各補正量演算部53,63での演算式について説明する。
各補正噴霧水量ΔG1,ΔG2は、各水噴霧ノズル21,22の下流側における排ガスの計測温度と下流側での設定温度との偏差に基づき決定され、第1補正量演算部53では下記(4)式により、また第2補正量演算部63では下記(5)式により求められる。
ΔG1=K3(T2S−T2P)・・・(4)
ΔG2=K4(T3S−T3P)・・・(5)
但し、K3およびK4はゲイン定数である。
なお、上記第1排ガスダクト11に配置される各水噴霧ノズル21,22は、圧縮空気を用いて多量の水を噴霧するように構成されており(所謂、二流体噴霧)、噴霧水が速やかに蒸発するように考慮されている。
また、溶解炉1では、出湯量に応じて加熱用バーナの燃料量が自動抑制され、また炉頂に向かう燃焼ガスが原料を予熱するように構成されており、さらに当該溶解炉1は、炉頂に至る途中で外気が入り込む(洩れ込むともいう)構造にされており、これらの要因により、溶解炉1を出る排ガスは流量および温度ともにランダムに大きく変動している。
次に、上述した処理設備における排ガスの処理方法を概略的に説明する。
まず、溶解炉1において、加熱用バーナにて銅が多く含まれた基板や銅を含む産業廃棄物が溶融されて銅が取り出され(銅の溶解が行われる)、このとき発生した排ガスが第1排ガスダクト11を介してサイクロン2に導かれる。サイクロン2に導かれる排ガスは、第1および第2水噴霧ノズル21,22からの水噴霧および外気導入ダクト14からの外気導入により100〜150℃程度に減温される。
上述したように、溶解炉1で発生した排ガスには、高濃度のダイオキシンおよび発火性の高いカーボンを主体とするダストが含まれるとともに、その流量および温度の変動が大きいものである。
そして、第1排ガスダクト11においては、流入する排ガスの流量および温度に応じた冷却水が噴霧されることにより、急激に排ガスの温度が低下するとともに、続く外気導入ダクト14から導入された外気の導入すなわち外気の吸引混合によってさらに排ガス温度が低下する。
この排ガスは、最終的には100〜150℃程度にまで減温された後、サイクロン2に導かれる。
サイクロン2では、排ガス中の発火性の強いダストの粗捕集が行われる。捕集したダストは接続管7を介して水槽8に導かれて急冷される。水槽8を用いない場合には、密閉容器にて受けられる。
そして、サイクロン2を出た排ガスは、第2排ガスダクト12の途中で、薬剤供給管15よりダイオキシンの吸着剤を含む薬剤が供給されて、ダイオキシンのダストへの吸着が効率的に行われた後、バグフィルタ3にてダストが捕集される。すなわち、サイクロン2によるダストの粗捕集と、薬剤供給管15からのダイオキシンの吸着剤を含む薬剤の供給により、下流側に設けられたバグフィルタ3でのダストの細捕集(サイクロンの粗捕集より細かいダストの捕集)により、ダイオキシン除去が効率的に行われることになる。
なお、ダイオキシンの吸着剤としては、活性白土、活性炭、またはこれらの混合物が用いられる。上記活性白土は発火性がなく、高発火性ダストの発火抑制に効果的である。
また、バグフィルタ3の運転温度は、結露する惧れのない程度に、できるだけ低く設定されており(例えば、100〜150℃程度)、高発火性ダストが堆積して酸化または蓄熱して発火する惧れはない。
このように、流量および温度ともに変動が大きい溶解炉1からの排ガスを、当該溶解炉1の運転状態から予測した排ガス量と計測した排ガス温度から必要な噴霧水量を求めて効率的(合理的)な減温を行うとともに、引き続いて外気を吸引混合して排ガスを充分に低い温度(100〜150℃)まで低下させるようにしているので、ダイオキシンの二次生成を抑制し、併せて、それ以降でのダストの自然発火を防止することができる。また、サイクロン2では、その捕集ダストを直接に接続管7を介して水槽8に投入するようにしているので、たとえ排ガスが高温の状態にてサイクロン2に導入された場合でも、ダストの発火を確実に防止することができる。
簡単に言えば、溶解炉1における運転状態、すなわちバーナの燃料量および溶解炉1の頂部圧力に基づき排ガス量の変化を常に予測しながら、排ガス温度の設定温度(目標温度でもある)に対する偏差でもって、各水噴霧ノズル21,22における必要な噴霧水量を演算しつつ、排ガス温度を当該設定温度に近づけるように制御が行われる。
別な言い方をすれば、溶解炉1の運転状態(運転データまたはプロセスデータともいえる)に基づき、排ガス量の変化を常に予測しながら第1水噴霧ノズル21を「主」にするとともに第2水噴霧ノズル22を「従」として、それぞれの噴霧水量を調節することにより、排ガスの減温を迅速に且つ確実にしかも安定して行うことができる。
また、第2水噴霧ノズル22を通過した排ガス中に、外気導入ダクト14から外気を吸引混合することによって、排ガス温度を十分に低くし得るとともに下流のサイクロン2におけるダストの慣性分離を安定して行わせることができる。なお、この慣性分離を安定して行い得るという意味は、排ガスの流量が大きく変動すると、サイクロンでのダストの慣性力による分離性能つまり除去性能が変動するが、外気を導入してダストにある程度以上の慣性力を作用させることにより、つまり、排ガス流量と同程度の外気を導入してダクト内の排ガス流量をサイクロンでの慣性分離に必要な流量にさせることにより、除去性能が安定するということである。
より具体的に説明すると、入口側の排ガスの第1計測温度(T1P)が第1設定温度(T2S,320℃)を超えるとともにそれよりも少し高い比較温度(TR,350℃)以下の範囲にある場合には、第1水噴霧ノズル21からの第1噴霧水量G1′により第1設定温度に近づけられるが、噴霧水量が蒸発負荷の限界噴霧水量(これを超えるとダクト壁面を濡らす惧れがある噴霧水量である)を上回る惧れがあるため、第1水噴霧ノズル21からの噴霧水量を限界噴霧水量に抑えるとともに、第2水噴霧ノズル22からの第2噴霧水量G2′により、その不足分が補われることになる。これに対し、入口側の排ガスの第1計測温度(T1P)が比較温度(TR,350℃)を超える場合には、ダクト壁面を濡らす惧れがなくなるため、両水噴霧ノズル21,22から、演算により求められた、第1噴霧水量G1′および第2噴霧水量G2′が噴射される。
そして、ダクトのような空間においては、水の噴霧だけで充分に低い温度(例えば、150℃以下)を得ることは難しいので、第2噴霧ノズル22を通過した排ガス中に外気導入ダクト14から外気が吸引混合される。
このようにして、溶解炉1の運転状態に拘わらず、排ガスを安定して充分に低い温度にまで低下させることができる。また、排ガス量が少ない場合でも、外気の吸引混合によって下流のサイクロン2において安定したダストの慣性分離を維持することができる。
また、上述したように、第1水噴霧ノズル21および第2水噴霧ノズル22より水を噴霧する際に、圧縮空気を用いるのは、水つまり冷却水を微細な水滴として流量および温度が大きく変動する排ガス中に噴霧して冷却水の完全蒸発を図るためである。もし、排ガスに微細な水滴(ミスト)が同伴されると、この水滴により発火性の高いまた触媒作用のあるダストがダクトや機器に付着し、長時間滞留することになり、したがってダイオキシンの二次生成や場合によっては発火を引き起こす惧れが生じる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る排ガスの処理設備および排ガスの処理方法について説明する。
上記実施の形態1においては、第1排ガスダクト11に外気導入ダクト14を接続して外気だけを供給するようにしたが、外気とともに発火抑制剤を供給するようにしてもよく、さらにバグフィルタ3にて捕集されたダストをサイクロン2の入口側に戻すようにしてもよい。
すなわち、本実施の形態2に係る排ガスの処理設備は、図1の仮想線にて示すように、実施の形態1にて説明した処理設備の第1排ガスダクト11に、発火抑制剤を供給する発火抑制剤供給管71を接続するとともに、バグフィルタ3にて捕集されたダストをサイクロン2の入口側の第1排ガスダクト11に戻すためのダスト戻し経路すなわちダスト戻し管72を設けたものである。勿論、発火抑制剤供給管71の先端には発火抑制剤供給装置73が配置されている。なお、第1排ガスダクト11に発火抑制剤を供給する替わりに、サイクロン2の入口部に発火抑制剤を供給するようにしてもよい。
ところで、上記発火抑制剤としては、例えば炭酸カルシウム粉末などが用いられるとともに、その供給量は、ダストの量に対して略30質量%(以下、「%」と記載する)以上、さらに好ましくは30%程度にされる。
ここで、本実施の形態2に係る排ガスの処理方法を用いた場合の具体的な効果について説明しておく。
溶解炉1から排出された排ガス中のダイオキシンの濃度が、例えば数ng-TEQ/m3N〜数10ng-TEQ/m3Nであったのが、バグフィルタ3の出口では、0.35ng-TEQ/m3Nとなり、高い除去性能が得られていることが分かった。
なお、このとき使用されたダイオキシンの吸着剤の組成は、20%活性炭+20%活性白土+60%珪藻土・パーライトであり、その供給量は、活性炭と活性白土との合計で、150mg/m3N相当量であった。
ここで、ダストに対する発火抑制剤の効果について、試料の保持時間とその温度との関係を示す図3のグラフに基づき説明しておく(実験は2回行った)。
図3(a)はダスト(灰)に対して炭酸カルシウム(CaCO)を30%添加した場合を示し(1回目と2回目とも略同じ値であるため、グラフでは1本の線で示している)、図3(b)はダスト(灰)に対して活性白土にろ過助剤を加えた混合物を30%添加した場合を示し(1回目と2回目とも略同じ値であるため、グラフでは1本の線で示す)、図3(c)は比較のために、発火抑制剤を添加しない場合すなわちダスト(灰)だけの場合を示す。また、図3(a)のグラフには示していないが、炭酸カルシウムを40%添加した場合は、30%添加した場合と同様であった。図3の(a)および(b)においては、炭酸カルシウムまたは混合物を20%添加した場合も示しておく。これについては、温度上昇が見られ発火の惧れがある。なお、図3(a)における炭酸カルシウムを20%添加したものについては、1回だけの結果を示している。
図3から分かるように、炭酸カルシウムを30%以上添加した場合、および混合物を30%以上添加した場合には、保持時間に拘わらず、試料の温度が上昇していないのが良く分かる。つまり、ダストの発火性が抑制されていることが分かる。
なお、ここで用いた発火試験装置は、島津製作所製(自然発火試験装置SIT2)のもので、簡単に言えば、断熱状態における試料の温度上昇を測定する装置である。断熱室内の温度は、試料の温度と等しくなるように制御されており、試料は擬似的に断熱状態に保たれており、このような条件下では、試料自身の酸化発熱が蓄積されて、温度上昇(=自然発火)として測定される。
このように、排ガス中に発火抑制剤を供給する(吹き込む)ことによって、サイクロン2で捕集されたダストの発火を確実に抑制(防止)することができる。
また、バグフィルタ3にて捕集されたダストの全量をサイクロン2の入口側に戻すことにより、発火抑制剤のランニングコストの低減化を図り得るとともに、捕集ダストのハンドリングに関わる設備とその運転を簡素化することができる。なお、ダストを戻すことは、バグフィルタ3の上流側で供給されるダイオキシン吸着剤として活性白土のような不燃物を使用する場合には、サイクロン捕集ダスト中の可燃物割合を下げるという意味で、好都合である。
さらに、ダスト(灰)に炭酸カルシウム(CaCO)と活性白土にろ過助剤を加えてなる混合物とを混合させることにより、その安息角を低減することができ、すなわちブリッジなどによるダストの堆積を改善できるとともに発火防止を期待し得る。
本発明の実施の形態1および2に係る排ガスの処理設備の概略構成を示すブロック図である。 同処理設備における制御器の概略構成を示すブロック図である。 同実施の形態2に係る排ガスの処理方法における発火抑制剤の効果を示すグラフで、(a)および(b)は本発明に係るもので、(c)は比較のためのものである。
符号の説明
1 溶解炉
2 サイクロン
3 バグフィルタ
8 水槽
11 第1排ガスダクト
12 第2排ガスダクト
14 外気導入ダクト
15 薬剤供給管
21 第1水噴霧ノズル
22 第2水噴霧ノズル
23 第1開閉弁
24 第1水供給管
25 第2開閉弁
26 第2水供給管
27 制御装置
31 燃料量検出器
32 炉頂圧検出器
33 第1温度計測器
34 第2温度計測器
35 第3温度計測器
41 排ガス量予測部
51 第1噴霧水量演算部
52 第1減算部
53 第1補正量演算部
54 第1加算部
55 第1制御部
61 第2噴霧水量演算部
62 第2減算部
63 第2補正量演算部
64 第2加算部
65 第2制御部
71 発火抑制剤供給管
72 ダスト戻し管
73 発火抑制剤供給装置

Claims (10)

  1. 金属溶解炉から排出された排ガスを第1排出管路を介して導きダストを捕集するサイクロン、およびこのサイクロンから排出された排ガスを第2排出管路を介して導きさらにダストを捕集するバグフィルタを有する排ガス処理設備であって、
    上記第1排出管路の途中に水噴霧ノズルを配置するとともに、当該水噴霧ノズルの下流側に外気導入管を接続し、
    上記第2排出管路の途中に少なくともダイオキシンの吸着機能を有する薬剤を供給する薬剤供給管を接続し、
    上記第1排出管路に設けられた各水噴霧ノズルからの噴霧水量を、金属溶解炉から排出される排ガス量および当該第1排出管路における排ガスの計測温度および設定温度に基づき制御する制御装置を設けるとともに、
    この制御装置に、金属溶解炉に設けられた加熱用のバーナの燃料量および金属溶解炉の炉内頂部圧力に基づき上記排ガス量を演算により予測する排ガス量予測部を具備させたことを特徴とする排ガスの処理設備。
  2. 水噴霧ノズルを、上流側に配置される第1水噴霧ノズルと下流側に配置される第2水噴霧ノズルとから構成したことを特徴とする請求項1に記載の排ガスの処理設備。
  3. 制御装置に、
    ガス量予測部にて予測された排ガス量および第1排出管路における第1水噴霧ノズルの上流側位置での第1計測温度と下流側位置での第1設定温度との温度差に基づき第1水噴霧ノズルでの噴霧水量を演算する第1噴霧水量演算部と、
    第1計測温度を入力するとともに当該第1計測温度が第1設定温度以下である場合には第1水噴霧ノズルからの水噴霧を行わず、第1計測温度が第1設定温度を超えて当該第1設定温度よりも高く設定された比較温度以下の範囲にある場合には、第1噴霧水量および設定された限界噴霧水量のうち、少ない噴霧水量でもって水噴霧を行い、第1計測温度が比較温度を超えている場合には、上記第1噴霧水量演算部で求められた噴霧水量でもって水噴霧を行う第1制御部と、
    上記排ガス量予測部にて予測された排ガス量および第1排出管路における第2水噴霧ノズルの上流側位置での第2計測温度と上記第1設定温度よりも低く設定された下流側位置での第2設定温度との温度差に基づき第2水噴霧ノズルでの噴霧水量を演算する第2噴霧水量演算部と、
    第2計測温度を入力するとともに当該第2計測温度が第2設定温度以下である場合には第2水噴霧ノズルから水噴霧を行わず、第2計測温度が第2設定温度を超えている場合には、上記第2噴霧水量演算部で求められた噴霧水量でもって水噴霧を行う第2制御部と
    を具備させたことを特徴とする請求項2に記載の排ガスの処理設備。
  4. サイクロンで捕集されたダストを冷却する水槽を具備したことを特徴とする請求項2または3に記載の排ガスの処理設備。
  5. 第1水噴霧ノズルより下流側の第1排出管路途中またはサイクロンの入口部に、ダストの発火抑制剤を供給する発火抑制剤供給管を接続したことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の排ガスの処理設備。
  6. 発火抑制剤として炭酸カルシウム粉末を用いるとともに、その供給量をダストに対して略30%(質量%)以上としたことを特徴とする請求項5に記載の排ガスの処理設備。
  7. バグフィルタで捕集されたダストを第1排出管路途中に戻すダスト戻し管を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の排ガスの処理設備。
  8. 金属溶解炉から排出された排ガスを第1排出管路を介して導きダストを捕集するサイクロン、およびこのサイクロンから排出された排ガスを第2排出管路を介して導きさらにダストを捕集するバグフィルタを有する排ガス処理設備における排ガスの処理方法であって、
    金属溶解炉から排出された排ガスを第1排出管路途中に上流側から下流側に向かって配置された第1水噴霧ノズルおよび第2水噴霧ノズルにより水を噴霧して減温させるとともに、上記第2水噴霧ノズルの下流側位置にて大気を供給してさらに減温させ、
    次にこの減温された排ガスをサイクロンに導きダストを捕集し、
    次に第2排出管路の排ガス中に少なくともダイオキシンの吸着機能を有する薬剤を供給した後、バグフィルタに導きダイオキシンを含むダストを捕集し、
    且つ上記第1排出管路に設けられた各水噴霧ノズルからの噴霧水量を金属溶解炉から排出される排ガス量および当該第1排出管路における排ガスの計測温度および設定温度に基づき制御するとともに、
    且つ上記排ガス量を、金属溶解炉に設けられた加熱用バーナの燃料量および金属溶解炉の炉内頂部圧力に基づき予測することを特徴とする排ガスの処理方法。
  9. サイクロンより上流側の第1排出管路またはサイクロンの入口部に、発火抑制剤を供給することを特徴とする請求項8に記載の排ガスの処理方法。
  10. バグフィルタで捕集されたダストを第1排出管路途中に戻すことを特徴とする請求項8または9に記載の排ガスの処理方法。
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