JP5019154B2 - 半導体素子の製造方法および半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

半導体素子の製造方法および半導体パッケージの製造方法 Download PDF

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本発明は、接着剤層付き半導体素子の製造方法に関し、特に低温で半導体素子を支持体に搭載することが可能な半導体素子の製造方法に関するものである。
近年の携帯電話、携帯情報端末、DVC(Digital Video Camera)等の高機能化、小型化、軽量化の進展は著しいものがあり、半導体パッケージの高機能化、小型化、軽量化が強く求められている。そこで半導体パッケージの高機能化のため機能の異なる複数の半導体素子、あるいは同一機能の複数の半導体素子を1つのパッケージに搭載する、小型化・軽量化のため半導体素子の大きさとパッケージの大きさを可能な限り近づけるといった試みがなされてきている。このため半導体素子の薄型化はより進み、半導体素子と金属または有機基板といった支持体のワイヤボンドパッドの距離は益々近くなってきている。
従来の半導体組立工程におけるダイアタッチ工程では、支持体に液状のダイアタッチ材を塗布して室温で半導体素子を搭載後加熱硬化することで半導体素子を支持体に接着していたが、半導体素子表面やワイヤボンドパッドへのダイアタッチ材の付着の問題、ダイアタッチ材のブリード(ダイアタッチ材の液状成分のみ毛細管現象で伝わる現象)による汚染問題が無視できなくなってきている。
そこで液状のダイアタッチ材の替わりにフィルム状のダイアタッチ材を用い、フィルム状のダイアタッチ材を支持体に貼り付けた後、加熱しながら半導体素子を搭載する方法、半導体ウエハ裏面にフィルム状ダイアタッチ材を貼り付けた状態でダイシングシートに貼り付けた後個片化することで得られたダイアタッチ材付き半導体素子を加熱しながら支持体に搭載する方法、ダイシングシート機能を有するダイアタッチフィルムに半導体ウエハを貼り付け個片化することで得られたダイアタッチ材付き半導体素子を加熱しながら支持体に搭載する方法などが採用されている。(例えば、特許文献1、2参照。)
一方、半導体素子の更なる多層化、半導体パッケージの更なる薄型化のため半導体素子のみならず支持体の薄型化も進んでいる。薄型の支持体を用いた場合、半導体構成材料の熱膨張率の差に基づくパッケージの反りがより顕著になる。また半導体デバイスの高速化のため配線間の寄生容量に起因する信号伝搬速度の低下による伝送遅延を少なくする目的で層間絶縁膜に低誘電率の絶縁膜の適用が行われているが一般に低誘電率の絶縁膜は機械的強度が弱く、半導体素子の反りは時には絶縁膜の破壊の原因となる場合がでてきた。
ここで半導体パッケージまたは半導体素子の反りは、各構成部材の熱膨張率の差により生じるので、フィルム状のダイアタッチ材を使用する場合に半導体素子を搭載する温度を下げることが望まれる。フィルム状のダイアタッチ材の半導体素子搭載温度を下げるためにはガラス転移温度の低い熱可塑成分を使用するか、低分子量の成分を増やす必要があり、その結果室温付近においてもタック(べたつき)が発生してしまう。
室温付近のべたつきはしばしば半導体素子をダイシングシートから剥がす工程においてピックアップ性の悪化の原因となり、またピックアップした半導体素子を一旦別のステージに置く工程(例えば、特許文献3〜5参照。)でステージに貼り付く原因となる。
ここで室温においてタックのない材料については、ウエハレベルチップサイズパッケージの封止材としていくつかの試みが提案されている。(例えば、特許文献6〜8参照。)これらの発明では半田等のバンプの付いたウエハに樹脂組成物を塗布し加熱処理することで室温においてタックのない状態にした後、個片化しているが、次の工程で封止と半田接合を同時に行うため半田の融点以上の温度で接合する必要があった。
このように低温で搭載可能ながらも室温ではべたつきのない接着剤層付き半導体素子の要求に対し満足のいくものはなかった。
特開2002−294177号公報 特開2003−347321号公報 特開平6−132327号公報 特開平7−201897号公報 特開2000−252303号公報 特開2000−174044号公報 特開2001−93940号公報 特開2003−212964号公報
本発明は、支持体への搭載を低温で行うことが可能で、かつ室温ではべたつきのない接着剤層付き半導体素子の作製方法を提供し、さらには該半導体素子を用いた半導体パッケージの製造方法を提供するものである。
このような目的は、下記[1]〜[]に記載の本発明により達成される。
[1]本発明は、ウエハの一方面側に熱硬化性樹脂と溶剤とを含む液状樹脂組成物で構成される接着剤を塗布する塗布工程と、前記の塗布された液状樹脂組成物から前記溶剤を揮発し接着剤層を形成する揮発工程と、前記ウエハの一方面側にダイシングシートを貼着する貼着工程と、前記ウエハを個片化する個片化工程と、を有し、前記揮発工程後の接着剤層のGPCで測定して得られる分子量200以上の面積(A’)に対する、分子量200以上5000以下の面積(B’)の割合(B’/A’)と、前記塗布工程における液状樹脂組成物のGPCで測定して得られる分子量200以上の面積(A)に対する、分子量200以上5000以下の面積(B)の割合(B/A)との割合[(B’/A’)/(B/A)]を0.7以上とし、前記揮発工程後の接着剤層の、25℃でのタック力を0.05N以下とし、かつ80℃でのタック力を1N以上とすることを特徴とする半導体素子の製造方法である。
]本発明は、前記揮発工程後の接着剤層の揮発分が1重量%以下であることを特徴とする上記[1]に記載された半導体素子の製造方法である。
]本発明は、前記塗布工程が、スピンコートであることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の半導体素子の製造方法である。
]本発明は、上記[1]〜[]のいずれか一に記載された方法によって製造された半導体素子を支持体に搭載する工程を有することを特徴とする半導体パッケージの製造方法である。
]本発明は、前記半導体素子を支持体に搭載する工程が200℃以下で行われることを特徴とする上記[]に記載された半導体パッケージの製造方法である。
本発明により、支持体に低温で搭載可能かつ室温でべたつきのない接着剤層付き半導体素子の作製方法を提供し、さらには該半導体素子を用いた半導体パッケージを提供することが可能となる。
[塗布工程]
本発明に用いる液状樹脂組成物は、ワイヤボンド用のボンディングパッド等を有する半導体ウエハの裏面(回路面の裏)に塗布して使用する。ここで、半導体ウエハとしては、表面に回路が形成されていないものを使用する場合もある。通常半導体ウエハは厚みを制御する目的でダイシング工程前に裏面研削を行い、液状樹脂組成物の塗布は裏面研削の後に行う。液状樹脂組成物の塗布方法としてはスクリーン印刷、ステンシル印刷、スピンコートなどが可能であるが、塗布厚みの安定性、表面の平滑性の観点からスピンコート法により塗布されることが好ましい。スピンコート法は公知の方法にて行うことが可能である。すなわちバックグラインドテープ(裏面研削時にウエハの回路面を保護する目的で回路面に貼り付けるテープ)を貼り付けた状態のウエハをウエハ裏面が上になるようにスピンコーターにセットし15℃以上40℃以下で液状樹脂組成物をウエハの中央部に供給しウエハを回転させることで液状樹脂組成物をウエハ裏面全体に均一に塗布する方法である。
使用するバックグラインドテープは後述する加熱処理工程に耐える耐熱性に優れるものが好ましく、ウエハサポート機能(裏面研磨後に薄くなったウエハの反り、変形を抑制する機能)を有するものも好ましい。スピンコートの温度がこれより低い場合には液状樹脂組成物の粘度が高くなり塗布後の厚みが均一にならない場合があるので好ましくなく、これより高い場合には液状樹脂組成物の揮発による粘度変化が塗布厚みの不均一性の原因となりうるので好ましくない。より好ましい温度範囲は20℃以上30℃以下で、より安定した塗布厚みを得るためには±2℃に制御した環境での塗布が好ましい。ウエハの回転数は使用する液状樹脂組成物の粘度、塗布する温度、目的とする塗布厚みに依存するが、通常300rpm以上10000rpm以下で行う。液状樹脂組成物の供給はウエハ停止状態で行い徐々に回転数を上げる方法や、300rpmといった低回転で供給し必要であればさらに回転数を上げていく方法も可能である。
[揮発工程]
次に液状樹脂組成物を塗布した半導体ウエハの加熱処理を行う。加熱処理は熱板上での処理、オーブン中での処理、リフロー炉での処理等が可能であり、処理温度は200℃以下が好ましく、より好ましいのは150℃以下である。処理温度を低温にした方が処理後の反りが小さいからである。また処理時間に関しては30分以下が好ましい。処理時間がこれより長い場合には、生産性が悪くなると共に処理後の反りの面でも不利になる。特に好ましい加熱処理条件は150℃以下、15分以下である。
加熱処理後の接着剤層の厚みは200μm以下が好ましく、より好ましい厚みは5μm以上50μm以下である。厚みの制御は塗布条件の調整および液状樹脂組成物の粘度の調整により可能である。例えば低粘度の液状樹脂組成物を使用すればより薄い接着剤層を得ることが可能であるし、塗布方法としてスピンコート法を使用する場合には塗布時の回転数を上げることでより薄い接着剤層を得ることが可能となる。フィルム状のダイアタッチ材を用いる場合には目的とする厚みのフィルムを準備しなくてはならないが、塗布条件の調整および液状樹脂組成物の粘度の調整により厚みの制御が可能である。
加熱処理後に揮発分が多量に接着剤層に含まれる場合には、後述する接着剤層のべたつきの原因、ピックアップ性の悪化の原因、支持体への搭載時のボイドの原因となりうるので、液状樹脂組成物をウエハ裏面に50μmの厚みで塗布し120℃で10分間加熱処理した後の接着剤層の揮発分が1重量%以下であることが好ましい。ここで塗布後の液状樹脂組成物の厚みは非接触の厚み計にて測定した値であり、揮発分とは液状樹脂組成物が5
0±5μmに塗布されたウエハを120±5℃に制御した乾燥機中で10±1分間加熱処理した後、取り出したウエハが冷却される前にスパチュラにてサンプリングした接着剤層5〜30mgを、熱天秤法(TGA)で室温から300℃まで10℃/分で昇温して測定した重量減少曲線における200℃での重量減少率である。より好ましい重量減少率は0.5重量%以下であり、特に好ましいのは0.1重量%以下である。
また接着剤層は室温でタック(べたつき)がないことが好ましい。べたつきがある場合にはダイシングシートに貼り付けるウエハマウント工程において搬送不良が発生する恐れがあるとともに後述するピックアップ工程においても不具合が発生する恐れがある。このため液状樹脂組成物をウエハ裏面に50μmの厚みで塗布し120℃で10分間加熱処理した後の接着剤層はべたつきの指標となる25℃でのタック力が0.05N以下であることが好ましい。タック力はタック力測定機(RHESCA社製)を用いプローブ下降速度(Immersion Speed)30mm/min、テスト速度600mm/min、密着荷重(Preload)0.2N、密着保持時間(Press Time)1.0秒、プローブ5.1mmΦ(SUS304)で測定した値である。
すなわち液状樹脂組成物が50±5μmに塗布されたウエハを120±5℃の乾燥機中で10±1分間加熱処理し冷却後、接着剤層が下になるようにダイシングシート(住友ベークライト(株)製、FSL−N4003)に貼り付けダイシングソーにて6×6mmにダイシングすることで得られた6×6mmに個片化された接着剤層付き半導体素子の一部を手でダイシングシートから剥がし上記タック力測定法にて接着剤層側のタック力を25℃にて測定したものである。
ウエハにおける接着剤層の厚み精度は、±5μm以内が好ましく、より好ましいのは±3μm以内である。ここで厚み精度とはチップ面内の凹凸の変化をレーザー粗さ計で測定した表面プロファイルの平均値からの隔たりである。厚み精度がこれより大きい場合には安定した厚みを得られないからである。
[貼着工程、個片化工程]
次に得られた接着剤層付きウエハをダイシングシートに貼り付け個片化(ダイシング)する。ここでダイシングシートとしては市販のものが使用可能である。また個片化は通常ダイシングソーなどの専用装置を用いて行い、接着剤層付き半導体素子を得る。ここで前述のように接着剤層の平滑性が十分でない場合には接着剤層とダイシングシートの間にエアが残る場合があり、このためダイシング時にチップ欠け(チップのエッジ部分が欠けてしまう現象)、チップクラック(チップのエッジ部分にクラックがはいる現象)、チップ飛び(ダイシング時にチップがダイシングシートから外れてしまう現象)などが起こり、接着剤層付き半導体素子の歩留まり悪化の原因となる場合がある。
[半導体パッケージの製造方法]
このようにして得られた接着剤層付き半導体素子はダイシングシートに貼り付いた状態で(ダイシングシートはウエハリングに貼り付けられている)ダイボンダーにセットし、ピックアップ(ダイシングシートから半導体素子を取る工程)し加熱下で支持体に搭載される。ピックアップ時には半導体素子とダイシングシートとの界面で剥がれる必要があり、接着剤層の25℃でのタック力が0.05Nより大きい場合にはピックアップできない、ピックアップ時に半導体素子がずれて正しい位置に搭載できない、接着剤層の一部がダイシングシートに残る等の問題が生じる恐れがある。
本発明に係る接着剤層付き半導体素子を搭載する支持体とはリードフレーム、有機基板などであり、半導体素子を積層する場合にはリードフレーム、有機基板などに搭載された第2の半導体素子である。半導体素子搭載温度は200℃以下が好ましく、より好ましいのは150℃以下である。高温での半導体素子搭載はしばしば反りの原因となる。また半
導体素子搭載時には荷重をかけるが、荷重はダイボンダーの種類により支配される。一部LOCボンダーのように半導体素子あたり20Nほどの荷重をかけられる機種もあるが、通常は3〜5N程度の荷重で行われる。半導体素子の薄型化、機械的強度の低い半導体素子を考慮すると5N以下、より好ましくは1〜4Nで搭載できることが好ましい。搭載時間(半導体素子を支持体に加圧している時間)は生産性の観点から10秒以下が好ましく、より好ましいのは3秒以下で、特に好ましくは1秒以下である。
このように半導体素子を低温で搭載するためには、液状樹脂組成物をウエハ裏面に50μmの厚みで塗布し、120℃で10分間加熱処理した後の接着剤層の80℃でのタック力が1N以上であることが好ましい。これは加熱処理後の接着剤層の80℃でのタック力の異なる種々の接着剤付き半導体素子を用いてPBGA基板への搭載実験を行った結果、80℃でのタック力が1N以上であれば搭載後の接着面積が90%以上を確保できるのに対し、1Nに満たない場合には接着面積が90%に満たないことが多かったからである。ここで搭載後の接着面積はPBGA基板に搭載後の半導体素子を手で引き剥がし半導体素子の面積に対する接着部分の面積で確認した。接着していた部分はPBGA基板表面が多少白っぽくざらついた感じになるのに対し、非接着部分は表面が平滑で搭載前と変化がないので目視で容易に識別可能である。80℃でのタック力は、液状樹脂組成物が50±5μmに塗布されたウエハを120±5℃にした乾燥機中で10±1分間加熱処理した後冷却し、接着剤層が下になるようにダイシングシート(住友ベークライト(株)製、FSL−N4003)に貼り付けダイシングソーにて6×6mmにダイシングすることで得られた6×6mmに個片化された接着剤層付き半導体素子の一部を手でダイシングシートから剥がし上記タック力測定法にて接着剤層側のタック力を80℃にて測定したものである。
また上記6×6mmに個片化された接着剤層付き半導体素子をダイボンダー上でピックアップしボンド加重1.0N、支持体加熱温度130℃、搭載時間8秒(支持体表面の温度が130℃まで昇温する時間7秒を含む)の条件でPBGA基板(パッケージサイズ35×35mm、コア材:BT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂、ソルダーレジスト:PSR4000AUS308(太陽インキ製造(株)製)、厚み0.56mm)に搭載したサンプルの25℃での接着力が1N以上であることが好ましい。接着力の測定はダイシェアテスター(Dage社製、シリーズ4000)にて行った値である。接着力がこれより低い場合には搬送中に半導体素子が脱落する恐れがある。より好ましくは10N以上であり、さらに好ましいのは20N以上である。
半導体素子を搭載した支持体は必要に応じ加熱硬化した後、ワイヤボンドを行う。ワイヤボンドの条件は特に限定されず、通常の条件で行うことができるが前述の反りの問題を考慮すると低温で行うことが好ましい。特に好ましいワイヤボンド温度は150℃以下である。ワイヤボンド時に接着剤層の接着力が低すぎると半導体素子の脱落が生じる場合や、ワイヤボンドの強度が十分でない場合がある。そこでワイヤボンドの温度より少し高めの175℃での接着力が100N以上であることが好ましい。ここで175℃での接着力は、6×6mmに個片化された接着剤層付き半導体素子をダイボンダー上でピックアップしボンド加重1.0N、 支持体加熱温度130℃、搭載時間8秒(支持体表面の温度が
130℃まで昇温する時間7秒を含む)の条件でPBGA基板(パッケージサイズ35×35mm、コア材:BT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂、ソルダーレジスト:PSR4000AUS308(太陽インキ製造(株)製)、厚み0.56mm)に搭載し150℃60分間硬化したサンプルを用いてダイシェアテスター(Dage社製、シリーズ4000)にて測定した値である。より好ましくは200N以上であり、さらに好ましいのは500N以上である。
ワイヤボンドの次に樹脂封止工程に入る。通常はエポキシ樹脂にフィラーを分散させたトランスファー成形用封止材が使用される。使用可能なトランスファー成形用封止材は特
に限定されないが、環境問題よりアンチモン化合物、臭素化化合物を使用していないものが好ましい。より好ましいものはビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂および/またはビフェニルアラルキル型フェノール樹脂を使用した封止材でアンチモン化合物、臭素化化合物を使用していないものである。ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂および/またはビフェニルアラルキル型フェノール樹脂を使用した封止材はアンチモン化合物、臭素化化合物を使用しなくても良好な耐燃性(UL試験)を示すとともに良好な耐リフロークラック性を示すからである。
樹脂封止を行ったのち、必要に応じてポストモールド硬化を行い、支持体としてリードフレームを使用する場合には必要に応じてリード加工、外装めっきなどを施し半導体パッケージを得る。また支持体として有機基板を用いる場合には必要に応じて半田ボールアタッチ等を行い半導体パッケージを得る。
ここで本発明に係る接着剤に使用される液状樹脂組成物は、ウエハの一方面側に50μmの厚さに塗布し120℃10分間加熱処理した後の、揮発分が1重量%以下で、25℃でのタック力が0.05N以下で、80℃でのタック力が1N以上となることが好ましく、また表面粗さ(厚み精度)は、±5μm以内であることが好ましいが、このような樹脂組成物は室温で固形化する熱硬化性樹脂と該熱硬化性樹脂を溶解させる溶剤(希釈剤)を含むものであることが好ましい。かかる熱硬化性樹脂としては、室温で固形化するエポキシ樹脂、室温で固形化するアクリル樹脂、室温で固形化するマレイミド樹脂、室温で固形化するフェノール樹脂などが挙げられる。これらに限定されるものではないが、中でも耐熱性、接着性の観点からエポキシ樹脂が好ましく、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノール性水酸基を2個以上有する化合物を使用するのが好ましい。室温で固形化するエポキシ樹脂とは、1分子内にエポキシ基を2個以上有するもので、軟化点が40℃以上80℃以下のものが好ましい。軟化点がこれより低い場合にはウエハの一方面側に塗布、加熱処理した後の25℃でのタック力が0.05Nより高くなる恐れがあり、これより高い場合には80℃でのタック力が1Nに満たない恐れがある。
このようなエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、その他トリフェニルメチン骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、アントラセン骨格を有するエポキシ樹脂などが挙げられるが、結晶性を有するものは液状樹脂組成物中またはウエハの一方面側に塗布、加熱処理後に析出する恐れがあるので注意が必要である。フェノール性水酸基を2個以上有する化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどフェノールあるいはその誘導体とホルムアルデヒドとの反応により得られる化合物、フェノールあるいはその誘導体とベンズアルデヒドとの反応により得られる化合物、フェノールアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、その他ナフタレン骨格を有するもの、アントラセン骨格を有するもので1分子内にフェノール性水酸基(ナフトール型水酸基など芳香族環に直接結合した水酸基を含むものとする)を2個以上有する化合物などが挙げられる。1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物の軟化点が高くてもエポキシ樹脂と混合した場合、混合物の軟化点としては下がるので、例えば軟化点が150℃位のものでも問題なく使用することが可能である。
室温で固形化するエポキシ樹脂と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物の割合は、エポキシ基1に対してフェノール性水酸基が0.7から1.3となることが好ましい。より好ましい割合はエポキシ基1に対してフェノール性水酸基が0.9から1.1である。エポキシ基とフェノール性水酸基の反応を促進する目的で硬化促進剤を配合することも可能である。使用可能な硬化促進剤としてはイミダゾール類、リン系化合物などが挙げられる。ここで一般に紫外線などのエネルギー線により反応を開始する光開始剤
を配合した樹脂組成物は良く知られているが、本発明では液状樹脂組成物の塗布、加熱処理、ダイシング、半導体素子搭載といった一連の作業が通常は蛍光灯による照明の下で行われるので光開始剤を含むことはできない。光開始剤を含む場合には、例えばスピンコートによる液状樹脂組成物の塗布工程において樹脂組成物の粘度が経時変化し安定した厚みの接着剤層を得ることが困難になる恐れがある。
また使用する溶剤(希釈剤)は、液状樹脂組成物をスクリーン印刷、ステンシル印刷、スピンコート法などでウエハの一方面側に塗布するので熱硬化性樹脂を溶解させるとともに沸点が100℃以上であることが好ましく、240℃以下が好ましい。熱硬化性樹脂が溶解しない場合には、塗布後の表面が平滑にならず、後述の個片化時に不具合(例えば、チップが飛ぶなど等)が発生する恐れがあると共に、支持体に搭載する際にエアが残る恐れがある。また使用する希釈剤の沸点が100℃以下の場合には塗布作業時に揮発による粘度変化が著しく厚みの不均一、かすれ等の原因となる恐れがあり、沸点が240℃より高い場合には加熱処理後の揮発分量が多くなりすぎ、べたつきが残る可能性がある。
このような溶剤(希釈剤)としては使用する熱硬化性樹脂の溶解性が十分であれば特に限定されないが、半導体用途であるためハロゲン系の希釈剤は好ましくない。また第1アミン、第2アミンを含むアミン系希釈剤など液状樹脂組成物の保存性を悪化させるような希釈剤は好ましくない。使用可能な希釈剤は以下のようなものでこれらは単独での使用も複数種を併用することも可能である。
例えば、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカン、ドデカン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、p−シメン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ビシクロヘキシル、α−ピネン、ジペンテン、デカリン、1−ブタノール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、α−テルピネオール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、o−メトキシトルエン、m−メトキシトルエン、p−メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、1−メチルグリセリンエーテル、2−メチルグリセリンエーテル、1,2−ジメチルグリセリンエーテル、1,3−ジメチルグリセリンエーテル、トリメチルグリセリンエーテル、1−エチルグリセリンエーテル、1,3−ジエチルグリセリンエーテル、トリエチルグリセリンエーテル、アセタール、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メシチルオキシド、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ギ酸ブチル、ギ酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル
、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酢酸sec−ヘキシル、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジペンチル、マロン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、クエン酸トリブチル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールモノギ酸エステル、エチレングリコールモノ酪酸エステル、ジエチレングリコールモノアセタート、モノアセチン、炭酸ジエチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシエトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−エチルモルホリン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどが挙げられる。なかでも特に好ましい希釈剤は、沸点が150℃以上220℃以下のものであり、特に好ましいものは、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、3−メトキシブチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタートである。
本発明に用いる液状樹脂組成物には、熱可塑性樹脂を使用することも可能である。熱可塑性樹脂を使用すると硬化物の架橋密度が下がり、硬化物の弾性率を低くすることが可能となる。好ましい熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル酸エステルの重合物などが挙げられ、特にエチル(メタ)アクリレートまたはブチル(メタ)アクリレートを主成分とし、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロニトリルなどを共重合した化合物は好適に用いられる。ただしこれら熱可塑性樹脂は分子量が高く使用量が多くなりすぎるとウエハの一方の面に塗布し加熱処理した後の80℃でのタック力が1Nに満たなくなる恐れがある。一方ウエハの一方の面に塗布し加熱処理した後の80℃でのタック力を良好なレベルに保つためガラス転移温度の低い熱可塑性樹脂を使用することも可能であるが、この場合にはウエハの一方の面に塗布し加熱処理した後の25℃でのタック力が0.05Nを越える恐れがある。このため熱可塑性樹脂を使用する場合には熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂の場合には、エポキシ樹脂と硬化剤、硬化促進剤を含む)と熱可塑性樹脂の合計に対して40重量%以下にする必要がある。より好ましくは25重量%以下である。
すなわち本発明で用いる液状樹脂組成物は、塗布工程における液状樹脂組成物のGPC測定で得られる分子量200以上の面積(A)に対する分子量200以上5000以下の面積(B)の割合(B/A)が0.6以上であることを満たす液状樹脂組成物が好ましい
。より好ましくは0.7以上であり、更に好ましくは0.8以上である。(B/A)がこれよりも小さいと揮発後の接着剤層の80℃でのタック力が不十分になり、接着剤層付き半導体素子のマウント性が悪くなる可能性がある。ここでGPCの測定はWaters社製アライアンス(2695セパレーションズモデュール、2414リフラクティブインデックスディテクター、TSKゲルGMHHR−Lx2+TSKガードカラムHHR−Lx1、移動相:THF、1.0ml/分)を用い、カラム温度40.0℃、示差屈折率計内温度40.0℃、サンプル注入量100μl、サンプル濃度3〜4mg/mlにて行った。分子量の検量線はショーデックススタンダードSL−105(昭和電工(株)製)を用いて行った。
さらに本発明で用いる液状樹脂組成物は、ウエハの一方の面に50μmの厚さに塗布し120℃10分間加熱処理した後の接着剤層のGPC測定で得られる分子量200以上の面積(A’)に対する分子量200以上5000以下の面積(B’)の割合(B’/A’)と、塗布工程における液状樹脂組成物のGPC測定で得られる分子量200以上の面積(A)に対する分子量200以上5000以下の面積(B)の割合(B/A)と、の割合[(B’/A’)/(B/A)]が0.7以上であることが好ましい。0.7よりも小さいと加熱処理後の接着剤層の80℃でのタック力が不十分になり、接着剤層付き半導体素子のマウント性が悪くなる可能性があるからである。
また液状樹脂組成物をスピンコート法によりウエハの一方面側に塗布する場合には、液状樹脂組成物中にミクロンサイズの固形物が存在すると加熱処理後の接着剤層表面の平滑性が悪化、ピンホールやボイドの発生などの原因となるので好ましくない。このため液状樹脂組成物に使用する熱硬化性樹脂、硬化促進剤の析出には十分注意する必要がある。液状樹脂組成物作製時には10μmのフィルターによりろ過することが好ましく、より好ましくは10μmのフィルターによりろ過した後に3μmのフィルターによりろ過することであり、特に好ましいのは、1μmのフィルターによりろ過することである。またフィラーを使用するのは好ましくない。
また液状樹脂組成物の粘度は1Pa・s以上40Pa・s以下が好ましい。これより低くても高くてもスピンコート後に良好な厚みの接着剤層を得ることができないためである。ここで粘度の値はE型粘度計(東機産業(株)製、3度コーン)を用いて25℃、2.5rpmで測定した値である。より好ましい粘度範囲は2Pa・s以上30Pa・s以下であり、さらに好ましいのは5Pa・s以上15Pa・s以下である。
さらに本発明で用いる液状樹脂組成物には、必要によりカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、界面活性剤等を使用することも可能である。
以下、実施例を用いて本発明の説明を行うが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[液状樹脂組成物]
・液状樹脂組成物A
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、
エポキシ当量210) 97.6g
フェノールアラルキル樹脂(軟化点75℃、水酸基当量175)81.3g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 120g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Aを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.81g
2−フェニルイミダゾール 0.27g
得られた液状樹脂組成物Aの粘度は3Pa・sであった。なお粘度の測定はE型粘度計(東機産業(株)製、3度コーン)を用いて25℃、2.5rpmでの値である(以下に示す粘度も同様に測定した)。
・液状樹脂組成物B
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、
エポキシ当量210) 16.5g
フェノールアラルキル樹脂(軟化点75℃、水酸基当量175)13.8g
アクリル系ポリマー(エチルアクリレート/アクリロニトリル
/グリシジルアクリレート/N,N−ジメチルアクリルアミド
=74/20/1/5の共重合体、分子量:49万、Tg:15℃)7.6g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 62g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Bを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.14g
2−フェニルイミダゾール 0.05g
得られた液状樹脂組成物Bの粘度は8Pa・sであった。
・液状樹脂組成物C
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、
エポキシ当量210) 16.5g
フェノールアラルキル樹脂(軟化点75℃、水酸基当量175)13.7g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 62g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Cを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.14g
リン系の触媒 0.09g
ここで使用したリン系の触媒は以下のようにして作製したものである。
攪拌装置付きのセパラプルフラスコに4,4’−ビスフェノールS(日華化学工業(株)製BPS−N)3 7.5g(0.15モル)、テトラフェニルホスホニウムプロマイ
ド41.9g(0.1モル)、イオン交換水100mlを仕込み100℃で攪拌した。さらに内部が不溶なまま、攪拌しなから水酸化ナトリウム4.0g(0.1モル)を予め、50mlのイオン交換水で溶解した溶液を添加した。しばらく攪拌を継続した後、白色沈殿を得た。沈殿を濾過、乾燥し、得られた白色結晶(68.5g)を触媒として用いた。
得られた液状樹脂組成物Cの粘度は8Pa・sであった。
・液状樹脂組成物D
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(室温で液状、
エポキシ当量185) 30.6g
フェノールアラルキル樹脂(軟化点75℃、水酸基当量175)29.0g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 40g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Dを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.27g
2−フェニルイミダゾール 0.09g
得られた液状樹脂組成物Dの粘度は2Pa・sであった。
・液状樹脂組成物E
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点90℃、
エポキシ当量210) 31.0g
フェノールアラルキル樹脂(軟化点75℃、水酸基当量175)
25.9g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 40g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Eを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.26g
2−メチルイミダゾール 2.84g
得られた液状樹脂組成物Eの粘度は5Pa・sであった。
・液状樹脂組成物F
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点90℃、
エポキシ当量210) 38.4g
ポリパラビニルフェノール樹脂(丸善石油化学(株)製、
マルカリンカーM) 21.2g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 40g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Fを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.27g
2−フェニルイミダゾール 0.09g
得られた液状樹脂組成物Fの粘度は6Pa・sであった。
・液状樹脂組成物G
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、
エポキシ当量210) 16.5g
フェノールアラルキル樹脂(軟化点75℃、水酸基当量175) 13.8g
アクリル系ポリマー(エチルアクリレート/アクリロニトリル
/グリシジルアクリレート/N,N−ジメチルアクリルアミド
=74/20/1/5の共重合体、分子量:49万、Tg:15℃) 7.6g
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート
(沸点247℃) 62g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Gを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.14g
2−フェニルイミダゾール 0.05g
得られた液状樹脂組成物Gの粘度は9Pa・sであった。
・液状樹脂組成物H
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、
エポキシ当量210) 12.2g
フェノキシ樹脂(InChem社製、PKHC) 12.2g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 75g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過しようとしたが目詰まりをおこしたので、ろ過は行わずに液状樹脂組成物Hを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.11g
ジシアンジアミド(試薬) 0.49g
得られた液状樹脂組成物Hの粘度は11Pa・sであった。
20mgの液状樹脂組成物A〜Hを6mlのテトラヒドロフラン(以下THF)に溶解しGPCの測定を行った。GPCの測定はWaters社製アライアンス(2695セパレーションズモデュール、2414リフラクティブインデックスディテクター、TSKゲルGMHHR−Lx2+TSKガードカラムHHR−Lx1、移動相:THF、1.0ml/分)を用い、カラム温度40.0℃、示差屈折率計内温度40.0℃、サンプル注入量100μlの条件にて行った。分子量の検量線はショーデックススタンダードSL−105(昭和電工(株)製)を用いて作成した。得られたGPCチャートの分子量200以上の面積(A)に対する分子量200以上5000以下の面積(B)の割合(B/A)を算出した。
また液状樹脂組成物A〜Hを用いて6インチウエハ2枚に塗布後の厚みが50±5μmになるようにスピンコートし、120℃の乾燥機中で10分間加熱処理することで接着剤層付きウエハを得た。スピンコートはスピンコーター(ミカサ(株)製、 1H−DX)
を用いて行った。スピンコート後の厚みは非接触の厚み計で測定し、50±5μmになっていない場合にはスピンコート条件を変更することで上記範囲に入るようにした。
1枚目のウエハは加熱処理後すぐに接着剤層の一部をスパチュラにてかき集め、揮発分の測定用サンプルとした。揮発分はTGA(示差熱天秤)にてサンプル重量10mg、室温から昇温速度10℃/分で測定した200℃における重量減少率の値である。加熱処理後すぐにサンプリングを行ったのは、室温まで冷却されると接着剤層が固形になりサンプリングが困難になる場合があるからである。またサンプリングを行った以外の部分を用いて外観チェックを目視で行った。外観チェックはピンホールボイド、異物の数をチェックした。また接着剤層の厚みは接触式厚みゲージを用いてウエハと接着剤層の合計の厚みを測定し、前もって測定しておいたウエハの厚みを差し引くことにより接着剤層の厚みを算出した。さらに厚み精度に関しては、レーザー3次元測定機(日立土浦エンジニアリング(株)製)を用い、揮発分測定用にサンプリングした部位を通らず、接着剤層付きウエハの中心を通るように150mmの長さで測定を行った。
次に接着剤層付きウエハをダイシングシート(住友ベークライト(株)製、FSL−N4003)に貼り付け個片化した。個片化した半導体素子の一部を手でダイシングシートから剥がし接着剤層の25℃および80℃でのタック力測定用に用いた。タック力の測定はタック力測定機(RHESCA社製)を用いプローブ下降速度(Immersion Speed)30mm/min、テスト速度600mm/min、密着荷重(Preload)0.2N、密着保持時間(Press Time)1.0秒、プローブ5.1mmφ(SUS304)で行った。
さらに同様に手で剥がした接着剤層付き半導体素子3個を6mlのTHFに浸漬し、25℃で60分間浸透することでGPC測定用サンプルとした。上記と同様の条件で測定したGPCチャートから分子量200以上の面積(A’)に対する分子量200以上5000以下の面積(B’)の割合(B’/A’)を算出し、((B’/A’)/(B/A))
の値を算出した。
測定結果を表1に示す。
[実施例1]
上記液状樹脂組成物Aを用いて作製した接着剤層付き半導体素子(1枚目の半導体ウエハは6×6mmに個片化されている半導体素子である。)を用いて以下の試験を行った。2枚目の半導体ウエハは、10×10mmに個片化した。
・接着力
6×6mmに個片化した接着剤層付きウエハをダイボンダーに取り付けイジェクターピン高さ350μm(ダイシングフィルム下面を0), ピックアップタイム500msの条件でピックアップしボンド加重1.0N、 支持体加熱温度130℃8秒(支持体表面の
温度が130℃まで昇温する時間7秒を含む)の条件でPBGA基板(パッケージサイズ35×35mm、コア材:BT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂、ソルダーレジスト:PSR4000AUS308(太陽インキ製造(株)製)、厚み0.56mm)に搭載し150℃60分間硬化した。搭載後(硬化前)のサンプルの接着力を室温で、硬化後のサンプルの接着力を175℃で測定した。接着力の測定はダイシェアテスター(Dage社製、シリーズ4000)にて行った。
・ボイド、初期剥離
10×10mmに個片化した接着剤付き半導体素子をダイボンダーに取り付けイジェクターピン高さ350μm(ダイシングフィルム下面を0)、ピックアップタイム500msの条件でピックアップしボンド加重2.9N、支持体加熱温度130℃8秒(昇温込み)の条件でPBGA基板(パッケージサイズ35×35mm、コア材:BT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂、ソルダーレジスト:PSR4000AUS308(太陽インキ製造(株)製)、厚み0.56mm)に搭載し150℃60分間硬化した後、ビフェニルアラルキルエポキシを使用したエポキシ系封止樹脂(住友ベークライト(株)製、EME−G770)にて封止し175℃4時間ポストモールド硬化を行った。ポストモールド硬化後のPBGAパッケージを透過型の超音波探傷装置にて観察することでボイドおよび初期剥離の発生を確認した。ボイドおよび初期剥離はチップの面積に対する超音波不透過部分(黒色部分)の面積の割合(%)で確認した。
・半田リフロー試験
ボイド、初期剥離の観察を行ったパッケージを85℃60%RHにて168時間吸湿処理を施した後、260℃以上の時間が10秒以上になるようにセッティングしたIRリフロー装置を3回通した後、透過型の超音波探傷装置にてクラックの発生具合を観察した。試験に用いたパッケージ4個中、クラックの発生しているパッケージ数で示した。
測定結果を表1に示す。
[実施例2]
上記液状樹脂組成物Bを用いて作製した接着剤層付きウエハを用いて実施例1と同様に試験を行った。
[実施例3]
上記液状樹脂組成物Cを用いて作製した接着剤層付きウエハを用いて実施例1と同様に試験を行った。
[実施例4]
液状樹脂組成物Aを用いて6インチウエハ2枚にスピンコートし、120℃10分加熱処理することで接着剤層付きウエハを得た。スピンコートは表1に示した条件で行い、評価結果を表1に示した。
[比較例1〜4]
液状樹脂組成物Aを用いて6インチウエハ2枚にスピンコートし、加熱処理することで接着剤層付きウエハを得た。スピンコートおよび加熱処理は表1に示した条件で行い、評価結果を表1に示した。
なお比較例1、2ではタック力測定のため6×6mmにダイシングした接着剤付き半導体素子を手で剥がす際に接着剤層の一部がダイシングシートに残っていた。また接着力測定用サンプルを作製する際に、実施例1の条件ではピックアップできなかったので、イジェクターピン高さ500μm,ピックアップタイム3秒の条件に変更した。ピックアップ後のダイシングシートには接着剤層の残存が確認された。さらに半田リフロー性試験用PBGAを組み立てる際にも実施例1の条件ではピックアップできなかったのでイジェクターピン高さ700μm,ピックアップタイム3秒の条件に変更した。ピックアップ後のダイシングシートには接着剤層の残存が確認された。
比較例4では、接着力測定用サンプルを作製する際に、実施例1の条件ではPBGA基板に搭載できなかったので(搭載後基板を傾けると接着剤層ごとチップが落ちた)ボンド加重10.0N、 支持体加熱温度160℃8秒(昇温込み)に変更した。さらに半田リ
フロー性試験用PBGAを組み立てる際にも実施例1の条件ではPBGA基板に搭載できなかったので(搭載後基板を傾けると接着剤層ごとチップが落ちた)ボンド加重10.0N、 支持体加熱温度160℃8秒(昇温込み)に変更したがボイド、初期剥離の観察を
行うために透過型の超音波探傷装置にて測定したところ半導体素子が流されていることが確認されたため、ボイド、初期剥離および半田リフロー性の評価はできなかった。
[比較例5]
上記液状樹脂組成物Dを用いて作製した接着剤層付きウエハを用いて実施例1同様に試験を行った。タック力測定のため6×6mmにダイシングした接着剤付き半導体素子を手で剥がす際に接着剤層の一部がダイシングシートに残っていた。また接着力測定用サンプルを作製する際に、実施例1の条件ではピックアップできなかったので、イジェクターピン高さ500μm,ピックアップタイム3秒の条件に変更した。ピックアップ後のダイシングシートには接着剤層の残存が確認された。さらに半田リフロー性試験用PBGAを組み立てる際にも実施例1の条件ではピックアップできなかったのでイジェクターピン高さ700μm,ピックアップタイム3秒の条件に変更した。ピックアップ後のダイシングシートには接着剤層の残存が確認された。
[比較例6、7]
上記液状樹脂組成物E、Fを用いて作製した接着剤層付きウエハを用いて実施例1と同様に試験を行った。
[比較例8]
上記液状樹脂組成物Gを用いて作製した接着剤層付きウエハを用いて実施例1と同様に試験を行った。タック力測定のため6×6mmにダイシングした接着剤付き半導体素子を手で剥がす際に接着剤層の一部がダイシングシートに残っていた。また接着力測定用サンプルを作製する際に、実施例1の条件ではピックアップできなかったので、イジェクターピン高さ500μm,ピックアップタイム3秒の条件に変更した。ピックアップ後のダイシングシートには接着剤層の残存が確認された。さらに半田リフロー性試験用PBGAを組み立てる際にも実施例1の条件ではピックアップできなかったのでイジェクターピン高さ700μm,ピックアップタイム3秒の条件に変更した。ピックアップ後のダイシングシートには接着剤層の残存が確認された。
[比較例9]
上記液状樹脂組成物Hを用いて作製した接着剤層付き半導体素子を用いて実施例1と同様に試験を行った。接着力測定用サンプルを作成する際に、実施例1の条件ではPBGA基板に搭載できなかったので(搭載後基板を傾けると接着剤ごとチップが落ちた)ボンド
加重10.0N、支持体加熱温度160℃8秒(昇温込み)に変更した。さらに半田リフロー性試験用PBGAを組み立てる際にも実施例1の条件ではPBGA基板に搭載できなかったので(搭載後基板を傾けると接着剤ごとチップが落ちた)ボンド加重10.0N、
支持体加熱温度160℃8秒(昇温込み)に変更したがボイド、初期剥離の観察を行う
ために透過型の超音波探傷装置にて測定したところ半導体素子が流されていることが確認されたため、ボイド、初期剥離および半田リフロー性の評価はできなかった。
実施例1は、加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、1.8Nであり、ピックアップ性が良好で、ボイドの発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
実施例2は、加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、1.5Nであり、ピックアップ性が良好で、ボイドの発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
実施例3は、加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、1.5Nであり、ピックアップ性が良好で、ボイドの発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
実施例4は、スピンコート条件を変更することで厚めの接着剤層を得ることができた。加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、2.0Nであり、ピックアップ性が良好で、ボイドの発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
比較例1は、加熱処理条件を80℃30分に変更した。外観が良好であり、厚み精度も良好であったが揮発分は2.3重量%であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.08N、2.0Nであり、ピックアップ性が悪く、ピックアップ時に接着剤層の一部がダイシングシートにとられたためボイドが発生しており、半田リフロー後にクラックが生じていた。
比較例2は、加熱処理条件を100℃10分に変更した。外観が良好であり、厚み精度も良好であったが揮発分は1.3重量%であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.10N、2.5Nであり、ピックアップ性が悪く、ピックアップ時に接着剤層の一部がダイシングシートにとられたためボイドが発生しており、半田リフロー後にクラックが生じていた。
比較例3は、加熱処理条件を120℃60分に変更したが、加熱処理後の揮発分が少なく、また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、0.1Nであり、ピックアップ性は良好であったが、初期剥離(濡れ不足)が発生しており、半田リフロー後にクラックが生じていた。
比較例4は、加熱処理条件を150℃10分に変更したが、加熱処理後の揮発分が少なく、また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、0.02Nであり、ピックアップ性は良好であったが、PBGA基板への搭載性が悪く、搭載条件を変更したが、接着力が弱く成形時に半導体素子が流されていた。
比較例5は、加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.15N、2.3Nであり、ピックアップ性が悪く、ピックアップ時に接着剤層の一部がダイシングシートにとられたためボイドが発生しており、半田リフロー後にクラックが生じていた。
比較例6は、加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、0.5Nであり、ピックアップ性が良好であったが、初期剥離(濡れ不足)が発生しており、半田リフロー後にクラックが生じていた。
比較例7は、加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であっ
た。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、0.2Nであり、ピックアップ性が良好であったが、初期剥離(濡れ不足)が発生しており、半田リフロー後にクラックが生じていた。
比較例8は、外観が良好であり、厚み精度も良好だが加熱処理後の揮発分が2.0重量%であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.08N、2.1Nであり、ピックアップ性が悪く、ピックアップ時に接着剤層の一部がダイシングシートにとられたためおよび揮発分の影響でボイドが発生しており、半田リフロー後にクラックが生じていた。
比較例9は、固形分を含んでいるためスピンコート後の表面にぶつぶつと粒状のものが観察されると共に、粒状のものから周辺部に向かって不均一な模様が観察された。このため厚み精度が悪い。加熱処理後の揮発分が少ないが、25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、0.1Nであり、ピックアップ性は良好であったが、PBGA基板への搭載性が悪く、搭載条件を変更したが、接着力が弱く成形時に半導体素子が流されていた。
Figure 0005019154
本発明に用いる液状樹脂組成物を使用することにより、支持体に低温で搭載可能かつ室温でべたつきのない接着剤層付き半導体素子の製造方法が提供可能となり、さらには該接着剤層付き半導体素子を用いた半導体パッケージを提供することが可能となる。

Claims (5)

  1. ウエハの一方面側に熱硬化性樹脂と溶剤とを含む液状樹脂組成物で構成される接着剤を塗布する塗布工程と、
    前記の塗布された液状樹脂組成物から前記溶剤を揮発し接着剤層を形成する揮発工程と、
    前記ウエハの一方面側にダイシングシートを貼着する貼着工程と、
    前記ウエハを個片化する個片化工程と、
    を有し、
    前記揮発工程後の接着剤層のGPCで測定して得られる分子量200以上の面積(A’)に対する、分子量200以上5000以下の面積(B’)の割合(B’/A’)と、前記塗布工程における液状樹脂組成物のGPCで測定して得られる分子量200以上の面積(A)に対する、分子量200以上5000以下の面積(B)の割合(B/A)との割合[(B’/A’)/(B/A)]を0.7以上とし、
    前記揮発工程後の接着剤層の、25℃でのタック力を0.05N以下とし、かつ80℃でのタック力を1N以上とすることを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 前記揮発工程後の接着剤層の揮発分が1重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載された半導体素子の製造方法。
  3. 前記塗布工程が、スピンコートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載された方法によって半導体素子を製造した後、支持体に搭載する工程を有することを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
  5. 前記半導体素子を支持体に搭載する工程が200℃以下で行われることを特徴とする請求項に記載された半導体パッケージの製造方法。
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