JP2012092225A - 接着フィルム、ダイシングテープ付接着フィルム及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温ウェハ裏面ラミネート性、良好なピックアップ性、及び、支持部材表面凹凸埋め込み性を併せ持つ接着フィルム、ダイシングテープ付接着フィルム、並びに、これを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】一方の面と他方の面とを有する接着フィルムであって、前記一方の面の25℃における半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度をAA、前記他方の面の25℃における半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度をABとした場合、AA>AB及びAA≧200N/mの関係を満たし、前記一方の面は第1接着剤樹脂組成物を含み、前記他方の面は第1接着剤樹脂組成物とは異なる第2接着剤樹脂組成物を含み、前記第2接着剤樹脂組成物の硬化物の250℃における貯蔵粘弾性が20MPa以下である接着フィルム。
【選択図】図1
【解決手段】一方の面と他方の面とを有する接着フィルムであって、前記一方の面の25℃における半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度をAA、前記他方の面の25℃における半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度をABとした場合、AA>AB及びAA≧200N/mの関係を満たし、前記一方の面は第1接着剤樹脂組成物を含み、前記他方の面は第1接着剤樹脂組成物とは異なる第2接着剤樹脂組成物を含み、前記第2接着剤樹脂組成物の硬化物の250℃における貯蔵粘弾性が20MPa以下である接着フィルム。
【選択図】図1
Description
本発明は、IC、LSI等の半導体素子とリードフレームや絶縁性支持基板等の支持部材の接合材料又は半導体素子とを接着するための接着フィルム、ダイシングテープ付接着フィルム及びこれを用いた半導体装置に関する。
従来、ICやLSIとリードフレームとの接合にはAu−Si共晶合金、半田あるいは銀ペースト等が用いられている。Au−Si共晶合金は、耐熱性及び耐湿性は高いが、弾性率が高いため大型チップへ適用した場合に割れやすいほか、高価であるといった難点がある。半田は安価であるものの、耐熱性が劣り、更に弾性率はAu−Si共晶合金と同様に高く、大型チップへの適用が困難である。一方、銀ペーストは安価で、耐湿性が高く、弾性率も上記3者の中では最も低く、350℃の熱圧着型ワイヤボンダーに適用できる耐熱性も有するので、現在はICやLSIとリードフレームとの接着用材料の主流となっている。しかし、近年、ICやLSIの高集積化が進み、それに伴ってチップが大型化しているなかで、ICやLSIとリードフレームとを銀ペーストで接合しようとする場合、銀ペーストをチップ全面に広げ塗布するには困難を伴う。
そこで、下記非特許文献1には、導電性フィラーを熱可塑性樹脂に充填したダイボンド用の接着フィルムが報告されている。この接着フィルムは、熱可塑性樹脂の融点付近まで温度を上げ、加圧接着するものである。また、特定のポリイミド樹脂を用いた接着フィルム、及び、これに導電性フィラー若しくは無機フィラーを含有させたダイボンド用接着フィルムについても提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
下記非特許文献1で報告されている接着フィルムは、融点の低い熱可塑性樹脂を選んで用いると接着温度を低くすることができ、リードフレームの酸化等、チップに与えるダメージを少なくすることができる。しかし、その反面、熱時接着力が低いのでダイボンド後の熱処理(例えばワイヤボンド、封止工程等)に耐えられないという問題が生じる。一方、熱処理に耐えられる融点の高い熱可塑性樹脂を用いると、接着温度が高くなり、リードフレームが酸化等のダメージを受けやすいという問題が生じる。
また、下記特許文献1及び2に記載された接着フィルムは、比較的低温で接着でき、かつ良好な熱時接着力を有している。しかし、近年使われ始めている銅リードフレーム(酸化を受けやすい)や熱伝導性の低い絶縁性支持基板(熱膨張が大きいため、加熱接合時に反りやすい)への接合には、更に低い温度で接着できる接着フィルムが強く望まれている。
かかる要求を満足するために、下記特許文献3及び4には、ダイボンド用として42アロイリードフレーム(酸化を受けにくい)に用いられるばかりでなく、上記の銅リードフレームや絶縁性支持基板にも好適に使用できる低温接着性の接着フィルムが提案されている。
「マイクロエレクトロニック マニュファクチャリング アンドテスティング(MICROELECTRONIC MANUFACTURING AND TESTING)」、1985年10月
近年、半導体装置の小型化、薄型化を達成するために、ウェハの薄型化が進んでおり、低温でウェハ裏面ラミネートできる接着フィルムが強く望まれている。しかしながら、上記特許文献1〜4及び非特許文献1に記載された接着フィルムでは、ウェハ裏面ラミネート温度を十分低温にできなかったり、できたとしても、ピックアップ性や、支持部材表面凹凸埋め込み性に劣る傾向があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、低温ウェハ裏面ラミネート性、良好なピックアップ性、及び、支持部材表面凹凸埋め込み性を併せ持つ接着フィルム、ダイシングテープ付接着フィルム、並びに、これを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、一方の面と他方の面とを有する接着フィルムであって、前記一方の面の25℃における半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度をAA、前記他方の面の25℃における半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度をABとした場合、AA>AB及びAA≧200N/mの関係を満たし、前記一方の面は第1接着剤樹脂組成物を含み、前記他方の面は第1接着剤樹脂組成物とは異なる第2接着剤樹脂組成物を含み、前記第2接着剤樹脂組成物の硬化物の250℃における貯蔵粘弾性が20MPa以下である接着フィルムに関する。
なお、ドライポリッシュとは、一般的に、パッケージを小さく、薄くするためにチップの薄化技術であり、ケミカルやスラリーを使用しない乾式加工で、研削ダメージが少なく、加工面は鏡面となる。
なお、ドライポリッシュとは、一般的に、パッケージを小さく、薄くするためにチップの薄化技術であり、ケミカルやスラリーを使用しない乾式加工で、研削ダメージが少なく、加工面は鏡面となる。
本発明の接着フィルムによれば、AAが大きいので、接着フィルムの一方の面(高密着強度面)を例えば半導体ウェハ等の部材に低温で貼り付けることが出来る。また、接着フィルムの他方の面(低密着強度面)を例えばダイシングテープに貼り合せた場合、ダイシング工程後のピックアップ工程で、容易に接着フィルム付チップをダイシングテープから剥離することが出来る。更に、同じく他方の面(低密着強度面)を例えば支持部材に貼り付けて、接着フィルムを硬化させた場合、第2接着剤樹脂組成物の硬化物の貯蔵弾性率が小さいので、接着フィルムが支持部材表面凹凸を十分に埋め込むことができる。
なお、前記半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度は、60℃で接着フィルムを半導体ウェハドライポリッシュ面に貼り付け、25℃においてウェハ面から90度方向に接着フィルムを引き剥がした際の強度であることが好ましい。
また、上記接着フィルムは、前記第1接着剤樹脂組成物を含む第1ワニスと前記第2接着剤樹脂組成物を含む第2ワニスとを基材上に重ねて塗布した後、乾燥することによって前記基材上に形成されることが望ましい。
これにより、主として第1接着剤樹脂組成物を含む第1層と、主として第2接着剤樹脂組成物を含む第2層とが一体化され、第1層と第2層の界面をなくすことができるので、第1層と第2層とが分離し難くなる。更に、第1ワニスと第2ワニスとを同時に乾燥させるので、接着フィルムの製造コストを大幅に低減できる。
なお、第1ワニス上に第2ワニスを重ねて塗布してもよいし、第2ワニス上に第1ワニスを重ねて塗布してもよい。
また、本発明の接着フィルムは、第1接着剤樹脂組成物又は第2接着剤樹脂組成物が、(A)官能基を有する重量平均分子量10万以上である高分子量成分と、(B)熱硬化性樹脂と、(C)フィラーとを含有する、前記の接着フィルムに関する。
また、本発明のダイシングテープ付接着フィルムは、ダイシングテープと、前記ダイシングテープに積層された前記の接着フィルムと、を備える。
かかる接着フィルムは、一方の面と他方の面とを有する接着フィルムであって、前記一方の面の25℃における半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度をAA、前記他方の面の25℃における半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度をABとした場合、AA>AB及びAA≧200N/mの関係を満たし、前記一方の面は第1接着剤樹脂組成物を含み、前記他方の面は第1接着剤樹脂組成物とは異なる第2接着剤樹脂組成物を含み、前記第2接着剤樹脂組成物の硬化物の250℃における貯蔵粘弾性が20MPa以下である接着フィルムであることから、低温ウェハ裏面ラミネート性、ピックアップ性、及び、基板表面凹凸埋め込み性を高水準で達成することができる。
本発明の半導体装置は、半導体素子と、前記半導体素子に接続される被着体と、本発明の接着フィルムの硬化物からなり、前記半導体素子と前記半導体被着体との間に配置され、前記半導体素子と前記半導体被着体とを接続する接続層(接着フィルムの硬化物)と、を備える。
半導体装置の製造方法によれば、接着フィルムの一方の面(高密着強度面)を例えば半導体ウェハ等の部材に低温で貼り付けることが出来る。また、接着フィルムの他方の面(低密着強度面)を例えばダイシングテープと貼り合せた場合、ダイシング工程後のピックアップ工程で、容易に接着フィルム付チップをダイシングテープから剥離することが出来る。更に、同じく他方の面を例えば支持部材に貼り付けて、接着フィルムを硬化させた場合、第2接着剤樹脂組成物硬化物の貯蔵弾性率が小さいので、接着フィルムが支持部材表面凹凸を十分に埋め込むことができる。
本発明は、また、上記本発明の接着フィルムを用いて作製した半導体装置に関する。
本発明によれば、低温ウェハ裏面ラミネート性、良好なピックアップ性、及び、基板表面凹凸埋め込み性の全てに優れた接着フィルム、ダイシングテープ付接着フィルム並びに、これを用いた半導体装置を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の接着フィルム1は、高密着強度面A(一方の面)と低密着強度B(他方の面)とを有する。高密着強度面Aは第1接着剤樹脂組成物を含んでおり、低密着強度面Bは第1接着剤樹脂組成物とは異なる第2接着剤樹脂組成物を含んでいる。すなわち、接着フィルム1は2種類の接着剤樹脂組成物を含有する。
本発明の接着フィルム1は、高密着強度面A(一方の面)と低密着強度B(他方の面)とを有する。高密着強度面Aは第1接着剤樹脂組成物を含んでおり、低密着強度面Bは第1接着剤樹脂組成物とは異なる第2接着剤樹脂組成物を含んでいる。すなわち、接着フィルム1は2種類の接着剤樹脂組成物を含有する。
接着フィルム1は、高密着強度面Aを60℃で半導体ウェハドライポリッシュ面に貼り付け、25℃で半導体ウェハより接着フィルムを90度方向に引き剥がした際の強度をAA、低密着強度面Bを同強度をABとした場合、以下の関係を満たす。
AA>AB
AA≧200N/m
AA>AB
AA≧200N/m
ここで、引き剥がし強度(AA及びAB)は、ピール強度試験機(テスター産業株式会社)を用い、引き上げ速度50mm/minの条件にて測定される。
さらに、AA≧250N/mであることが好ましく、AA≧300N/mであることがより好ましい。AA<200N/mであると、接着フィルム1を半導体ウェハへ貼り付ける温度が高温となる可能性が高くなる傾向にある。また、半導体ウェハ貼付後のダイシング工程やピックアップ工程で、接着フィルムの一部が半導体ウェハから剥れる可能性が高くなる傾向がある。また、半導体ウェハへの貼り付け温度は半導体ウェハの保護テープ及びダイシングシートの軟化温度以下であることが好ましく、一般に、同貼り付け温度は20〜90℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。
また、第2の接着剤樹脂組成物の硬化物の250℃における貯蔵弾性率は20MPa以下であり、好ましくは0.1〜15MPaである。貯蔵弾性率が0.1MPa未満の場合は、接着フィルム1が柔らかいため、半導体パッケージを吸湿処理後にリフローの高温にさらしたときに、接着フィルム1が支持部材から剥離し易くなる。貯蔵弾性率が20MPaを超える場合、半導体装置の組立工程熱履歴により接着フィルム1が硬化し、支持部材表面凹凸を埋め込みにくくなる。貯蔵弾性率を大きくするには、第2接着剤樹脂組成物中の熱硬化性樹脂やフィラーの含有量を増量することが有効である。また、貯蔵弾性率を小さくするには、第2接着剤樹脂組成物中の熱硬化性樹脂やフィラーの含有量を減量することが有効である。
接着フィルム1は、(A)官能基を有する重量平均分子量10万以上である高分子量成分、(B)熱硬化性樹脂、(C)フィラーを含有することが好ましい。
(A)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分としては、エポキシ樹脂と非相溶であるグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート0.5〜6質量%を含む重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリル共重合体であることが好ましい。
グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート0.5〜6質量%を含む重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有アクリル共重合体としては、特に制限が無く、ナガセケムテックス株式会社製 HTR―860P等を用いることができる。官能基モノマーが、カルボン酸タイプのアクリル酸や、水酸基タイプのヒドロキシメチル(メタ)アクリレートを用いると、橋架け反応が進行しやすく、ワニス状態でのゲル化、Bステージ状態での硬化度の上昇による接着力の低下等の問題があるため好ましくない。また、官能基モノマーとして用いるグリシジル(メタ)アクリレートの量は、0.5〜6質量%の共重合体比とする。0.5質量%以下だと接着力が低下する可能性があり、6質量%以上だとゲル化する可能性がある。残部はエチル(メタ)アクリレートやブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物を用いることができるが、混合比率は、共重合体のガラス転移温度(以下Tgと略す)を考慮して決定し、Tgは−10℃以上であることが好ましい。Tgが−10℃未満であるとBステージ状態での接着剤層のタック性が大きくなり取り扱い性が悪化する可能性がある。
重合方法は特に制限が無く、パール重合、溶液重合等を使用することができる。
重合方法は特に制限が無く、パール重合、溶液重合等を使用することができる。
エポキシ基含有アクリル共重合体の重量平均分子量は、10万以上であることが好ましく、20万〜300万であることがより好ましく、30万〜200万であることが特に好ましい。重量平均分子量が10万未満だと、高温接着性が低下する傾向がある。
樹脂組成物における各材料の含有量は、(A)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分100質量部に対して、(B)熱硬化性樹脂を1〜300質量部、(C)フィラーを1〜300質量部とすることが好ましい。
接着フィルムは、例えば、上記(A)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分:100質量部、エポキシ樹脂:1〜200質量部、フェノール樹脂:エポキシ樹脂100質量部に対して1〜200質量部を有機溶媒に溶解し、(C)フィラーを更に分散させて塗布液(樹脂組成物)を調製し、この塗布液を基材上に塗布し、加熱することにより製造することができる。
なお、ここで、(B)熱硬化性樹脂とは、加熱により3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂のことである。
(B)熱硬化性樹脂としては例えばエポキシ樹脂がある。用いられるエポキシ樹脂としては特に制限はないが、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含むもので、硬化性や硬化物特性の点からフェノールのグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂が好ましい。例えばビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールF若しくはハロゲン化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン・フェノール重合物のポリグリシジルエーテル、α−ヒドロキシフェニル−ω−ヒドロポリ(n=1〜7)(ビフェニルジメチレン−ヒドロキシフェニル)と1―クロロ−2,3−エポキシプロパンとの重縮合物、クレゾール・ナフトール・ホルムアルデヒド重縮合物のポリグリシジルエーテル化物、α−2,3−エポキシプロキシフェニル−ω−ヒドロポリ(n=1〜7){2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2,3−エポキシプロポキシフェニレン}等が挙げられる。
上記樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の含有量は、(A)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましく、1〜150質量部であることがより好ましい。この含有量が200質量部を超えると基板凹凸埋め込み性が悪くなる傾向がある。また、エポキシ当量50〜500のエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂を使用する場合は、必要に応じて硬化剤を使用することができる。硬化剤としては、例えばフェノール樹脂がある。使用できるフェノール樹脂としては特に制限はないが、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するもので、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールキシリレン樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ポリ−p−ビニルフェノール、フェノールアラルキル樹脂、フェノール・ビフェニレン樹脂、フェノール・ヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、トリスフェノール類、ビスフェノールA・ホルムアルデヒド重縮合物、アミノトリアジンノボラック樹脂等が挙げられる。
その他に使用できる硬化剤としては、例えばナフトール樹脂がある。使用できるナフトール樹脂としては特に制限はないが、クレゾール・ナフトール・ホルムアルデヒド重縮合物等が挙げられる。
フェノール樹脂、ナフトール樹脂を用いる場合、その配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜200質量部である。200質量部を超えると硬化性が不十分となる傾向がある。また、水酸基当量50〜500g/eqのフェノール樹脂が好ましい。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂を硬化させるために用いられるものであれば特に制限はない。このような硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。硬化促進剤の量は、エポキシ樹脂100質量部に対して好ましくは1〜50質量部、より好ましくは1〜40質量部、更に好ましくは1〜30質量部である。50質量部を超えると保存安定性が悪くなる傾向がある。
(C)フィラーとしては特に制限は無いが、株式会社トクヤマ製シリカ(製品名:REOLOSIL QS−09、10、102、QP−102、QS−20、20L、30、30C、40、MT−10、10C、DM−10、10C、30、30S、KS−20SC、HM−20L、30S、PM−20、20L、BET比表面積:約50〜500m2/g)、日本アエロジル株式会社製シリカ(製品名:AEROSIL50、90G、130、200、200V、200CF、200FAD、300、300CF、380、R972、R972V、R972CF、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812、R812S、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、BET比表面積:約50〜380m2/g)、日本アエロジル株式会社製酸化アルミニウム(製品名:AEROXIDE Alu C、BET比表面積:約100m2/g)、日本アエロジル株式会社製酸化チタン(製品名:AEROXIDE TiO2 T805、P25、BET比表面積:約45〜50m2/g)、電気化学工業株式会社製窒化ホウ素(BN−SGP、BN−MGP、BN−GP、BN−HGP、BET比表面積:約1〜20m2/g)、株式会社アドマッテックス製シリカ(SO−C1、C2、C3、C4、C5、C6、SC−E1、E2、E3、E4、E5、E6、SC−G1、G2、G3、G4、G5、G6、BET比表面積:約1〜20m2/g)等を挙げることができる。
(C)フィラーの量は、(A)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分100質量部に対して好ましくは1〜300質量部、より好ましくは1〜250質量部、更に好ましくは1〜200量部の範囲である。300質量部よりも多いとフィルム成形性が低下する傾向がある
その他に用いることができる(C)フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、金、銀、銅、マンガン、ニッケル、鉄、アルミニウム、ステンレスの単独もしくは合金である金属フィラー、半田フィラー、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、シリカ、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機フィラー、カーボン、ゴム系フィラー、ポリマー系フィラー等の有機フィラー、金属、半田、無機物質及び有機物質等の2種以上からなる複合材料フィラー等が挙げられる。
これらのフィラーを用いた場合の混合・混練は、通常の攪拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミルなどの分散機を適宜組み合せて行うことができる。
また、接着フィルムの接着力を向上させるため、上記樹脂組成物には、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系添加剤等を適宜加えてもよい。
上記接着フィルムの製造の際に用いる有機溶媒は、材料を均一に溶解、混練又は分散できるものであれば制限はなく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
こうして得たワニス状又はペースト状の樹脂組成物をベースフィルム上に均一に塗布した後、使用した溶媒が充分に揮散する条件、すなわち、おおむね50〜200℃の温度で、0.1〜90分間加熱して接着フィルムを作製する。
ベースフィルムとしては、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられる。接着フィルムの厚みは、特に制限はないが、通常、1〜200μmとすることが好ましく、1〜100μmとすることがより好ましい。
また、必要に応じてベースフィルム上の接着フィルムの上に、更に保護フィルムを設けることができる。保護フィルムとしては、ベースフィルムと同様のものの他、ポリエチレン等が用いられる。
本発明の接着フィルムは、IC、LSI等の半導体素子間、あるいは、半導体素子と、42アロイリードフレーム、銅リードフレーム等のリードフレーム、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、マレイミド系樹脂等のプラスチックフィルム、ガラス不織布等基材にポリイミド、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、マレイミド系樹脂等のプラスチックを含浸・硬化させたもの、アルミナ等のセラミックス等の絶縁性支持基板などの支持部材の接合に用いることができる。すなわち、前記したような半導体素子間、あるいは半導体素子と支持部材との間に本発明の接着フィルムを挟み、加熱圧着して両者を接着させる。加熱温度は、通常、室温(25℃)〜300℃、圧着時間は、通常、0.1〜300秒間である。
本発明の半導体装置は、上述した本発明の接着フィルムを用いて製造されたものであれば特にその構造に制限はなく、例えば、上記のような半導体素子、半導体素子の支持部材、半導体素子と支持部材とを接合している本発明の接着フィルムを含有する半導体装置が挙げられる。
図1に一般的な構造の半導体装置を示す。図1において、半導体素子4は本発明の接着フィルム1を介して半導体素子支持部材5に接着され、半導体素子4の接続端子(図示せず)はワイヤ6を介して外部接続端子(図示せず)と電気的に接続され、封止材7によって封止されている。近年は様々な構造の半導体装置が提案されており、本発明の接着フィルムの用途は、半導体素子が接着フィルムと接触していればこの構造に限定されるものではない。
また、図2に半導体素子同士を接着した構造を有する半導体装置の一例を示す。図2において、一段目の半導体素子4は本発明の接着フィルム1を介して半導体素子支持部材5に接着され、一段目の半導体素子4の上に更に本発明の接着フィルム1’を介して二段目の半導体素子4’が接着されている。一段目の半導体素子4及び二段目の半導体素子4’の接続端子(図示せず)は、ワイヤ6を介して外部接続端子(図示せず)と電気的に接続され、封止材(図示せず)によって封止されている。このように、本発明の接着フィルムは、半導体素子を複数重ねる構造の半導体装置にも好適に使用できる。
また、本発明の接着フィルムは、図3に示すように、基材フィルム3及びダイシングテープ8と貼り合わせて、1枚のシートとすることもできる。更に、必要に応じて前記のように保護フィルム9を付けることもできる。このように予めダイシングテープ8と接着フィルム1とを積層しておくことによって、半導体装置製造工程を簡略化することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示す組成で、ワニス1〜3を調整した。なお、表1において、種々の記号は下記の意味である。また、表1において、「部」は質量部を意味する。
調整したワニス1〜3をそれぞれポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した後に、120℃で60分間加熱し、厚み25μmの基材付接着フィルム及び厚み80μmの基材付接着フィルムを作製した。
表1に示す組成で、ワニス1〜3を調整した。なお、表1において、種々の記号は下記の意味である。また、表1において、「部」は質量部を意味する。
調整したワニス1〜3をそれぞれポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した後に、120℃で60分間加熱し、厚み25μmの基材付接着フィルム及び厚み80μmの基材付接着フィルムを作製した。
HTR−860P:ナガセケムテックス株式会社製、高分子量成分
ESCN−195:日本化薬株式会社製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
YDF−8170C:東都化成株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂
HXL−3L:日立化成工業株式会社製、フェノール・キシリレン樹脂
LF−4871:大日本インキ化学工業株式会社製、フェノール樹脂
AEROSIL200:日本アエロジル株式会社製、シリカ(BET比表面積:約200m2/g)
SO−C2:株式会社アドマテックス製、シリカ(BET比表面積:約6m2/g)
ESCN−195:日本化薬株式会社製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
YDF−8170C:東都化成株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂
HXL−3L:日立化成工業株式会社製、フェノール・キシリレン樹脂
LF−4871:大日本インキ化学工業株式会社製、フェノール樹脂
AEROSIL200:日本アエロジル株式会社製、シリカ(BET比表面積:約200m2/g)
SO−C2:株式会社アドマテックス製、シリカ(BET比表面積:約6m2/g)
(半導体ウェハ密着強度測定試験)
90度ピール試験機(テスター産業株式会社)を用いて25℃にて密着強度試験を行った。60℃で前記基材付接着フィルムの接着フィルム面を半導体ウェハドライポリッシュ面に貼り付けた。基材を除去した後、接着フィルムにサポートテープを貼り付け、10mm幅にサポートテープ付接着フィルムを切断し、サポートテープ付接着フィルムを50mm/minの速度でウェハに対して90度方向に引き上げ、半導体ウェハドライポリッシュ面と接着フィルムの密着強度を測定した。結果を表1に示した。
90度ピール試験機(テスター産業株式会社)を用いて25℃にて密着強度試験を行った。60℃で前記基材付接着フィルムの接着フィルム面を半導体ウェハドライポリッシュ面に貼り付けた。基材を除去した後、接着フィルムにサポートテープを貼り付け、10mm幅にサポートテープ付接着フィルムを切断し、サポートテープ付接着フィルムを50mm/minの速度でウェハに対して90度方向に引き上げ、半導体ウェハドライポリッシュ面と接着フィルムの密着強度を測定した。結果を表1に示した。
(貯蔵粘弾性)
動的粘弾性測定装置DVE レオスペクトラ(レオロジ株式会社製)を用いて以下の手順にて測定した。前記基材付接着フィルムを用い、長さ20mm、幅4mm、厚さ80μmの接着フィルム試験片を作製し、170℃3時間硬化させ、昇温速度5℃/分で、室温(25℃)から270℃までの粘弾性測定を行った。結果を表1に示した。
動的粘弾性測定装置DVE レオスペクトラ(レオロジ株式会社製)を用いて以下の手順にて測定した。前記基材付接着フィルムを用い、長さ20mm、幅4mm、厚さ80μmの接着フィルム試験片を作製し、170℃3時間硬化させ、昇温速度5℃/分で、室温(25℃)から270℃までの粘弾性測定を行った。結果を表1に示した。
(実施例1)
調整したワニス3をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した後にワニス1を塗布した。その後、120℃で60分間加熱し、総厚25μmの実施例1の接着フィルムを作製した。なお、乾燥後の膜厚が8μmとなるようにワニス3の塗布量を調整し、乾燥後の膜厚が17μmとなるようにワニス1の塗布量を調整した。
調整したワニス3をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した後にワニス1を塗布した。その後、120℃で60分間加熱し、総厚25μmの実施例1の接着フィルムを作製した。なお、乾燥後の膜厚が8μmとなるようにワニス3の塗布量を調整し、乾燥後の膜厚が17μmとなるようにワニス1の塗布量を調整した。
(実施例2)
調整したワニス3をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した後にワニス2を塗布した。その後、120℃で60分間加熱し、総厚25μmの実施例2の接着フィルムを作製した。なお、乾燥後の膜厚が8μmとなるようにワニス3の塗布量を調整し、乾燥後の膜厚が17μmとなるようにワニス2の塗布量を調整した。
調整したワニス3をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した後にワニス2を塗布した。その後、120℃で60分間加熱し、総厚25μmの実施例2の接着フィルムを作製した。なお、乾燥後の膜厚が8μmとなるようにワニス3の塗布量を調整し、乾燥後の膜厚が17μmとなるようにワニス2の塗布量を調整した。
(比較例1)
調整したワニス1をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、その後、120℃で60分間加熱し、厚さ25μmの比較例1の接着フィルムを作製した。
調整したワニス1をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、その後、120℃で60分間加熱し、厚さ25μmの比較例1の接着フィルムを作製した。
(比較例2)
調整したワニス2をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、その後、120℃で60分間加熱し、厚さ25μmの比較例2の接着フィルムを作製した。
調整したワニス2をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、その後、120℃で60分間加熱し、厚さ25μmの比較例2の接着フィルムを作製した。
(比較例3)
調整したワニス3をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、その後、120℃で60分間加熱し、厚さ25μmの比較例3の接着フィルムを作製した。
調整したワニス3をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、その後、120℃で60分間加熱し、厚さ25μmの比較例3の接着フィルムを作製した。
(接着フィルム/ダイシングテープ剥離力)
実施例1〜2及び比較例1〜3の接着フィルムの接着フィルム/ダイシングテープ剥離力を以下の手順で評価した。日立化成工業株式会社製の感圧ダイシングテープと接着フィルムを室温(25℃)で貼り合せた後、接着フィルム側にサポートテープを貼り付けた。次に、25mm幅の短冊状サンプルを切り出し試験片とした。オートグラフにセットし、接着フィルムとダイシングテープの間の180度剥離力を300mm/minの速度で測定した。同剥離力はピックアップ性の指標であり、剥離力が低い方がピックアップ性良好である。結果を表2に示した。
実施例1〜2及び比較例1〜3の接着フィルムの接着フィルム/ダイシングテープ剥離力を以下の手順で評価した。日立化成工業株式会社製の感圧ダイシングテープと接着フィルムを室温(25℃)で貼り合せた後、接着フィルム側にサポートテープを貼り付けた。次に、25mm幅の短冊状サンプルを切り出し試験片とした。オートグラフにセットし、接着フィルムとダイシングテープの間の180度剥離力を300mm/minの速度で測定した。同剥離力はピックアップ性の指標であり、剥離力が低い方がピックアップ性良好である。結果を表2に示した。
(ウェハ裏面ラミネート性測定試験)
実施例1〜2及び比較例1〜3の接着フィルムの低温ウェハ裏面ラミネート性を以下の手順で評価した。まず、基材付接着フィルムをウェハサイズより大きめに切り、ウェハ裏面を上向きにして、接着フィルムをウェハ裏面上に載せて0.15MPaで加圧、60℃で加熱した後、基材を剥離除去し、接着剤層付きウェハを作製した。次に、接着剤層付きウェハの接着剤層側の面にダイシングテープを貼り付け、ダイシング装置で10mm×10mmのサイズにフルカットすることにより接着剤層付き半導体素子に分割した。このとき、フルカット後の半導体素子が接着剤層から剥がれなかった場合を合格(表2中、「OK」と示す)、一部でも剥がれがあった場合を不合格(表2中、「NG」と示す)とした。
実施例1〜2及び比較例1〜3の接着フィルムの低温ウェハ裏面ラミネート性を以下の手順で評価した。まず、基材付接着フィルムをウェハサイズより大きめに切り、ウェハ裏面を上向きにして、接着フィルムをウェハ裏面上に載せて0.15MPaで加圧、60℃で加熱した後、基材を剥離除去し、接着剤層付きウェハを作製した。次に、接着剤層付きウェハの接着剤層側の面にダイシングテープを貼り付け、ダイシング装置で10mm×10mmのサイズにフルカットすることにより接着剤層付き半導体素子に分割した。このとき、フルカット後の半導体素子が接着剤層から剥がれなかった場合を合格(表2中、「OK」と示す)、一部でも剥がれがあった場合を不合格(表2中、「NG」と示す)とした。
(支持部材凹凸埋め込み性及び耐リフロー性評価試験)
実施例1〜2及び比較例1〜3の接着フィルムの支持部材凹凸埋め込み性及び耐リフロー性を以下の手順で評価した。まず、接着フィルムを7.5mm×75mmの大きさに切断し、ベースフィルムを剥離した後、これを7.5mm×7.5mm×0.28mmのシリコンチップと配線を形成した銅箔(18μm)張りガラスエポキシ基板(日立化成工業株式会社製、E−679)との間に挟み、250gの荷重をかけて120℃で1秒間圧着させた。次に、ワイヤーボンド相当の熱処理を行い、モールド用封止材(日立化成工業株式会社製、CEL−9600)にてモールドし、175℃で5時間硬化させて半導体パッケージとし、接着フィルム層をSAT観察した。接着フィルム層に基板表面凹凸埋め込み不足が見られた場合不合格(表2中の基板凹凸埋め込み性に「NG」と示す)、埋め込み不足が見られなければ合格(表2中の基板凹凸埋め込み性に「OK」と示す)とした。その結果を表2に示した。
耐リフロー性として、上記半導体パッケージを125℃/12時間オーブンで乾燥処理した後、JEDECレベル2(85℃/85%RH/168時間)吸湿後、最大温度265℃のリフロー処理を3回行った。リフロー処理には古河電気工業株式会社製のサラマンダー「XNA−645PC」を用い、リフロープロファイルはJEDEC規格J−STD−020Cに則って設定した。リフロー処理後の半導体パッケージを、超音波映像装置(SAT)を用いて観察し、はく離等の不具合が無いものを良好(OK)、はく離、クラック、等が発生したものを不良(NG)とした。その結果を表2に示した。
実施例1〜2及び比較例1〜3の接着フィルムの支持部材凹凸埋め込み性及び耐リフロー性を以下の手順で評価した。まず、接着フィルムを7.5mm×75mmの大きさに切断し、ベースフィルムを剥離した後、これを7.5mm×7.5mm×0.28mmのシリコンチップと配線を形成した銅箔(18μm)張りガラスエポキシ基板(日立化成工業株式会社製、E−679)との間に挟み、250gの荷重をかけて120℃で1秒間圧着させた。次に、ワイヤーボンド相当の熱処理を行い、モールド用封止材(日立化成工業株式会社製、CEL−9600)にてモールドし、175℃で5時間硬化させて半導体パッケージとし、接着フィルム層をSAT観察した。接着フィルム層に基板表面凹凸埋め込み不足が見られた場合不合格(表2中の基板凹凸埋め込み性に「NG」と示す)、埋め込み不足が見られなければ合格(表2中の基板凹凸埋め込み性に「OK」と示す)とした。その結果を表2に示した。
耐リフロー性として、上記半導体パッケージを125℃/12時間オーブンで乾燥処理した後、JEDECレベル2(85℃/85%RH/168時間)吸湿後、最大温度265℃のリフロー処理を3回行った。リフロー処理には古河電気工業株式会社製のサラマンダー「XNA−645PC」を用い、リフロープロファイルはJEDEC規格J−STD−020Cに則って設定した。リフロー処理後の半導体パッケージを、超音波映像装置(SAT)を用いて観察し、はく離等の不具合が無いものを良好(OK)、はく離、クラック、等が発生したものを不良(NG)とした。その結果を表2に示した。
表2に示した結果から明らかなように、本発明の接着フィルム(実施例1〜2)は、比較例1〜3の接着フィルムと比較して、低温ウェハ裏面ラミネート性、支持部材表面凹凸埋め込み性及び耐リフロー性の全てに優れていることが確認された。
1,1’…接着フィルム、2…接着剤層、3…基材フィルム、4,4’…半導体素子、5…半導体素子支持部材、6…ワイヤ、7…封止材、8…ダイシングテープ、9…保護フィルム。
Claims (6)
- 一方の面と他方の面とを有する接着フィルムであって、前記一方の面の25℃における半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度をAA、前記他方の面の25℃における半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度をABとした場合、AA>AB及びAA≧200N/mの関係を満たし、前記一方の面は第1接着剤樹脂組成物を含み、前記他方の面は第1接着剤樹脂組成物とは異なる第2接着剤樹脂組成物を含み、前記第2接着剤樹脂組成物の硬化物の250℃における貯蔵粘弾性が20MPa以下である接着フィルム。
- 半導体ウェハドライポリッシュ面密着強度が、60℃で接着フィルムをウェハドライポリッシュ面に貼り付け、25℃においてウェハ面から90度方向に接着フィルムを引き剥がした際の強度である、請求項1記載の接着フィルム。
- 第1接着剤樹脂組成物を含む第1ワニスと第2接着剤樹脂組成物を含む第2ワニスとを基材上に重ねて塗布した後、乾燥することによって前記基材上に形成される請求項1又は2に記載の接着フィルム。
- 第1接着剤樹脂組成物、又は、第2接着剤樹脂組成物が、(A)官能基を有する重量平均分子量10万以上である高分子量成分と、(B)熱硬化性樹脂と、(C)フィラーとを含有する請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の接着フィルム。
- ダイシングテープと、前記ダイシングテープに積層された請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の接着フィルムと、を備えるダイシングテープ付接着フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着フィルム又は請求項5に記載のダイシングテープ付接着フィルムを用いた半導体装置であって、半導体素子と、前記半導体素子に接続される被着体と、前記接着フィルムの硬化物からなり、前記半導体素子と前記半導体被着体との間に配置され、前記半導体素子と前記半導体被着体とを接続する接続層(接着フィルムの硬化物)と、を備える半導体装置。
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2010
- 2010-10-27 JP JP2010240885A patent/JP2012092225A/ja active Pending
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