JP5382484B2 - 接着剤層付き半導体素子の製造方法および半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

接着剤層付き半導体素子の製造方法および半導体パッケージの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液状樹脂組成物から構成される接着剤を用いた接着剤層付き半導体素子の製造方法および半導体パッケージの製造方法に関するものである。
近年の携帯電話、携帯情報端末、DVC(デジタルビデオカメラ)などの高機能化、小型化、軽量化の進展は著しいものがあり、半導体パッケージの高機能化、小型化、軽量化が強く求められている。そこで半導体パッケージの高機能化のため機能の異なる複数の半導体素子、または同一機能の複数の半導体素子を1つのパッケージに搭載する、小型化、軽量化のため半導体素子の大きさとパッケージの大きさを可能な限り近づけるといった試みがなされてきている。このため半導体素子の薄型化はより進み、半導体素子と金属または有機基板などの支持体とのワイヤボンドパッドの距離は益々近くなってきている。
従来の半導体組立工程におけるダイアタッチ工程では、支持体に液状のダイアタッチ材を塗布して室温で半導体素子を搭載後加熱硬化することで半導体素子を支持体に接着していたが、半導体素子表面やワイヤボンドパッドへのダイアタッチ材の付着の問題、ダイアタッチ材のブリード(ダイアタッチ材の液状成分のみ毛細管現象で伝わる現象)による汚染問題が無視できなくなってきている。
そこで液状のダイアタッチ材の替わりにフィルム状のダイアタッチ材を用い、フィルム状のダイアタッチ材を支持体に貼り付けた後、加熱しながら半導体素子を搭載する方法、半導体ウエハ裏面にフィルム状ダイアタッチ材を貼り付けた状態でダイシングシートに貼り付けた後個片化することで得られたダイアタッチ材付き半導体素子を加熱しながら支持体に搭載する方法、ダイシングシート機能を有するダイアタッチフィルムに半導体ウエハを貼り付け個片化することで得られたダイアタッチ材付き半導体素子を加熱しながら支持体に搭載する方法などが採用されている。(例えば、特許文献1、2参照。)
一方、半導体素子の更なる多層化、半導体パッケージの更なる薄型化のため半導体素子のみならず支持体の薄型化も進んでいる。薄型の支持体を用いた場合、半導体構成材料の熱膨張率の差に基づくパッケージの反りがより顕著になる。また半導体デバイスの高速化のため配線間の寄生容量に起因する信号伝搬速度の低下による伝送遅延を少なくする目的で層間絶縁膜に低誘電率の絶縁膜の適用が行われているが一般に低誘電率の絶縁膜は機械的強度が弱く、半導体素子の反りは時には絶縁膜の破壊の原因となる場合がでてきた。
ここで半導体パッケージまたは半導体素子の反りは、各構成部材の熱膨張率の差により生じるので、フィルム状のダイアタッチ材を使用する場合に半導体素子を搭載する温度を下げることが望まれる。フィルム状のダイアタッチ材の半導体素子搭載温度を下げるためにはガラス転移温度の低い熱可塑成分を使用するか、低分子量の成分を増やす必要があり、その結果室温付近においてもタック(べたつき)が発生してしまう。
室温付近のべたつきはしばしばピックアップ性(半導体素子をダイシングシートから取る工程)の悪化の原因となり、またピックアップした半導体素子を一旦別のステージに置く工程(例えば、特許文献3、4、5参照。)でステージに張り付く原因となる。
ここで室温においてタックのない材料については、ウエハレベルチップサイズパッケージの封止材としていくつかの試みが提案されている。(例えば、特許文献6、7、8参照。)これらの発明では半田等のバンプの付いたウエハに樹脂組成物を塗布し加熱処理することで室温においてタックのない状態にした後、個片化しているが、次の工程で封止と半田接合を同時に行うため半田の融点以上の温度で接合する必要があった。
このように低温で搭載可能ながらも室温ではべたつきのない接着剤層付き半導体素子の要求に対し満足のいく接着剤層として用いる液状樹脂組成物はなかった。
特開2002−294177号公報 特開2003−347321号公報 特開平6−132327号公報 特開平7−201897号公報 特開2000−252303号公報 特開2000−174044号公報 特開2001−093940号公報 特開2003−212964号公報
本発明は、支持体への搭載を低温で行うことが可能で、かつ室温ではべたつきのない接着剤層付き半導体素子の製造方法及び該接着剤層付き半導体素子を用いた半導体パッケージの製造方法を提供するものである。
このような目的は、下記[1]〜[]に記載の本発明により達成される。
[1]少なくとも、半導体ウェハに液状樹脂組成物からなる接着剤を塗布する工程と、前記の塗布された液状樹脂組成物から前記溶剤を揮発し接着剤層を形成する揮発工程と、半導体ウェハをダイシングして半導体素子を切り出す工程とを備える半導体素子の製造方法であって、該半導体ウェハに液状樹脂組成物からなる接着剤を塗布する工程において使用される液状樹脂組成物が、グリシジル基を有する化合物(A)、フェノール性水酸基を有する化合物(B)、化合物(A)と化合物(B)の反応を促進する化合物(C)及び溶剤(D)を含み、前記化合物(B)が、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物で、分子量が1000以下である化合物(B1)とフェノール性水酸基を2個以上有する化合物で、分子量が1500以上5000以下の化合物(B2)との両方を含有し、化合物(C)が溶剤(D)に溶解する下記の一般式(1)で示される化合物であり、前記塗布工程における液状樹脂組成物のGPC測定における分子量200以上の面積(a)に対する分子量200以上5000以下の面積(b)の割合(b/a)が、
(b/a)>0.6
の関係を満たし、
前記揮発工程後の接着剤層のGPC測定における分子量200以上の面積(a’)に対する、分子量200以上5000以下の面積(b’)の割合(b’/a’)と、前記(b/a)との割合[(b’/a’)/(b/a)]が
[(b’/a’)/(b/a)]>0.7
の関係を満たすことを特徴とする接着剤層付き半導体素子の製造方法。
Figure 0005382484
(式中、Pはりん原子、R はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の芳香族基、又はアルキル基、Xは置換もしくは無置換の芳香族基、Yは単結合であるか、単結合でない場合はエーテル基、スルホン基、スルフィド基、カルボニル基から選ばれる置換基又は炭素原子数1〜13で構成される有機基を表す。nおよびmは、0≦n≦1、0≦m≦1を示す。)
[2]前記液状樹脂組成物が、密閉した容器中で、25℃、72時間放置する前後での粘度変化率が20%以下である上記[1]に記載の接着剤層付き半導体素子の製造方法。
[3]上記[1]又は[2]に記載の製造方法で得られた接着剤層付き半導体素子を支持体に搭載する工程と、搭載後すぐにワイヤボンドを行う工程の順に半導体パッケージを組み立てることを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
本発明により、支持体に低温で搭載可能かつ室温でべたつきのない接着剤層付き半導体素子の製造方法及び該接着剤層付き半導体素子を用いた半導体パッケージの製造方法を提供することが可能となる。
本発明の液状樹脂組成物は、グリシジル基を有する化合物(A)、フェノール性水酸基を有する化合物(B)、化合物(A)と化合物(B)の反応を促進する化合物(C)、および溶剤(D)を含み、化合物(C)が溶剤(D)に溶解することを特徴とする液状樹脂組成物であって、支持体への接着剤層付き半導体素子の搭載を低温で行うことが可能で、かつ室温ではべたつきのない接着剤層付き半導体素子の接着剤層に用いられる液状樹脂組成物を提供するものである。ここで、支持体とは、リードフレーム、有機基板などが挙げられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するグリシジル基を有する化合物(A)としては、室温で固形のエポキシ樹脂で、1分子内にグリシジル基を2個以上有するものが好ましく、軟化点が40℃以上80℃以下のものがさらに好ましい。軟化点がこれより低い場合にはウエハの一方の面に塗布加熱処理した後の25℃でのタック力が0.05Nより高くなる恐れがあり、これより高い場合には80℃でのタック力が1Nに満たない恐れがある。このようなエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、その他トリフェニルメチン骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、アントラセン骨格を有するエポキシ樹脂などが挙げられるが、結晶性を有するものは液状樹脂組成物中であるいはウエハの一方の面に塗布加熱処理後に析出する恐れがあるので注意が必要である。
フェノール性水酸基を有する化合物(B)としては、フェノール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないが、室温で固形であるフェノール樹脂で、分子量1000以下である化合物(B1)と分子量1500以上5000以下である化合物(B2)を含むことが好ましい。ここで分子量とはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した数平均分子量(Mn)の値である。化合物(B)として分子量が1000以下である化合物(B1)のみを使用した場合には、ウエハの一方の面に塗布し加熱処理した後の、25℃でのタック力、80℃でのタック力、25℃での接着強度は優れるものの130℃での接着強度、175℃での接着強度が低くなりすぎ接着剤層付き半導体素子を支持体に搭載した後硬化を行わずにワイヤボンドを行うとワイヤボンド時に半導体素子が動いてしまいワイヤボンド不良が発生する、樹脂封止時に半導体素子が剥離するなどの不具合が発生する場合がある。また、分子量1500以上5000以下である化合物(B2)を併用することで接着剤層付き半導体素子を支持体に搭載した後の130℃、175℃での接着強度が良好になる。逆に化合物(B)として化合物(B2)のみを使用した場合には、ウエハの一方の面に塗布し加熱処理した後の80℃でのタック力が悪化し、低温での搭載ができなくなってしまう。好ましい化合物(B1)と化合物(B2)との比率は(B1)/(B2)が0.1〜9であり、より好ましくは0.6〜7であり、さらに好ましい比率は0.8〜3である。
化合物(B1)としては、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物で分子量が1000以下であればとくに限定されず、以下のような化合物が挙げられる。ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのフェノールまたはその誘導体とホルムアルデヒドとの反応により得られる化合物、フェノールまたはその誘導体とベンズアルデヒドとの反応により得られる化合物、フェノールアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、その他ナフタレン骨格を有するもの、アントラセン骨格を有するもので1分子内にフェノール性水酸基(ナフトール型水酸基など芳香族環に直接結合した水酸基を含むものとする)を2個以上有する化合物などが挙げられる。化合物(B1)の軟化点が高くてもエポキシ樹脂と混合した場合、混合物の軟化点としては下がるので例えば軟化点
が150℃位のものでも問題なく使用することが可能である。
化合物(B2)としては、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物で分子量が1500以上5000以下であればとくに限定されないが、特に好ましく用いられるものはモノマー成分としてヒドロキシスチレンを含む化合物であり、ヒドロキシスチレン単独あるいはヒドロキシスチレンと共重合可能な化合物とラジカル重合もしくはイオン重合することで得られるポリヒドロキシスチレンまたはヒドロキシスチレン共重合体で分子量が1500以上5000以下のものである。より好ましくはポリヒドロキシスチレンまたはドロキシスチレン共重合体で分子量が1500以上3000以下のものであり、なかでも分散度(GPCで求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比)が1.5以下のものは低温での搭載性と搭載後の130℃および175℃での接着強度の両立が容易にできるので特に好ましく用いられる。より好ましい分散度は1.3以下である。
化合物(A)と化合物(B)の割合は、グリシジル基1に対してフェノール性水酸基が0.7から1.3となることが好ましい。より好ましい割合はグリシジル基1に対してフェノール性水酸基が0.9から1.1である。
本発明では化合物(A)と化合物(B)の反応を促進する化合物(C)を使用する。使用可能な化合物(C)としてはイミダゾール類、リン系化合物などが挙げられ、リン系化合物が好ましい。
化合物(C)は溶剤(D)に溶解することが好ましい。化合物(C)が溶剤(D)に溶解しない場合には化合物(C)が液状樹脂組成物中に固形の状態で存在することになり、塗布後の表面が平滑にならず、個片化時に不具合が発生する(チップが飛ぶなど)恐れがあると共に、支持体に搭載する際にエアが残る恐れがある。ここで溶解するとは、化合物(C)と溶剤(D)を重量比で1:2の割合で攪拌器と冷却管を有するフラスコに投入し100℃で1時間攪拌した後室温まで冷却し、さらに密閉可能な透明なガラス容器移し−35℃から−45℃の冷凍庫にて12時間から24時間冷却した後取出し室温まで戻った状態で濁りまたは固形分が観察されないことである。
特に好ましい化合物(C)としてリン系化合物である一般式(1)で示される化合物(C1)が挙げられる。これは化合物(C1)がγ−ブチロラクトンなどの溶剤に対して良好な溶解性を示すと共に液状樹脂組成物として良好な保存性を示すからである。化合物(C1)は特開2001−278953や特開2004−231765に記載の方法にて得ることが可能である。すなわち2価フェノール化合物と、脱ハロゲン化水素を助ける塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、ピリジン、トリエチルアミンなどの有機塩基を、アルコールなどの溶媒に溶解し、続いて、適当な溶媒に溶解したテトラ置換ホスホニウムのハライドを添加して反応させ、最終的には、再結晶や再沈殿などの操作により固形分として取り出す方法や、テトラ置換ホスホニウムの水酸化物とフェノール化合物を、有機溶媒中で反応させる方法、テトラ置換ボレートとフェノール化合物を熱反応させた後、アルコールなどの溶媒中で加熱反応させる方法、フェノール化合物とテトラ置換ホスホニウムのハライドを水中で攪拌し不均一系のままアルカリ金属水酸化物の水溶液を添加する方法などである。
一般式(1)のPはりん原子、Rとしては、置換もしくは無置換の芳香族基、またはアルキル基が好ましく、Xとしては、置換もしくは無置換の芳香族基が好ましく、Yは単結合であるか、単結合でない場合はエーテル基、スルホン基、スルフィド基、カルボニル基から選ばれる置換基または炭素原子数1〜13で構成される有機基が好ましい。最も好ましいのは一般式(1)のYがスルホン基の場合である。具体的には、テトラホスフォニウムと4,4−ビスフェノールSとの錯体などが挙げられる。

また使用する溶剤(D)は、液状樹脂組成物をスクリーン印刷、ステンシル印刷、スピンコートなどでウエハの一方の面に塗布するので熱硬化性樹脂を溶解させるとともに沸点
が100℃以上であることが好ましく、240℃以下が好ましい。熱硬化性樹脂が溶解しない場合には、塗布後の表面が平滑にならず、個片化時に不具合が発生する(チップが飛ぶなど)恐れがあると共に、支持体に搭載する際にエアが残る恐れがある。また使用する溶剤の沸点が100℃以下の場合には塗布作業時に揮発による粘度変化が著しく厚みの不均一、かすれ等の原因となる恐れがあり、沸点が240℃より高い場合には加熱処理後の揮発分量が多くなりすぎ、べたつきが残る可能性がある。
このような溶剤(D)としては使用する熱硬化性樹脂の溶解性が十分であれば特に限定されないが、半導体用途であるためハロゲン系の溶剤は好ましくない。また第1アミン、第2アミンを含むアミン系溶剤などの液状樹脂組成物の保存性を悪化させるようなものは好ましくない。使用可能な溶剤(D)は以下のようなものでこれらは単独での使用も複数種を併用することも可能である。
例えば、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカン、ドデカン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、p−シメン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ビシクロヘキシル、α−ピネン、ジペンテン、デカリン、1−ブタノール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、α−テルピネオール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、o−メトキシトルエン、m−メトキシトルエン、p−メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、1−メチルグリセリンエーテル、2−メチルグリセリンエーテル、1,2−ジメチルグリセリンエーテル、1,3−ジメチルグリセリンエーテル、トリメチルグリセリンエーテル、1−エチルグリセリンエーテル、1,3−ジエチルグリセリンエーテル、トリエチルグリセリンエーテル、アセタール、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メシチルオキシド、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ギ酸ブチル、ギ酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酢酸sec−ヘキシル、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジペンチル、マロン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、クエン酸トリブチル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールモノギ酸エステル、エチレングリコールモノ酪酸エステル、ジエチレングリコールモノアセタート、モノアセ
チン、炭酸ジエチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシエトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−エチルモルホリン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル。なかでも好ましい溶剤(D)は、沸点が150℃以上220℃以下のものであり、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、3−メトキシブチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタートなどが挙げられる。特に好ましいものは、γ−ブチロラクトンを主成分とするものである。
本発明の液状樹脂組成物には、熱可塑性樹脂を使用することも可能である。熱可塑性樹脂を使用すると硬化物の架橋密度が下がり、硬化物の弾性率を低くすることが可能となる。好ましい熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル酸エステルの重合物などが挙げられ、特にエチル(メタ)アクリレートまたはブチル(メタ)アクリレートを主成分とし、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロニトリルなどを共重合した化合物は好適に用いられる。ただしこれら熱可塑性樹脂は分子量が高く使用量が多くなりすぎるとウエハの一方の面に塗布し加熱処理した後の80℃でのタック力が1Nに満たなくなる恐れがある。また、ウエハの一方の面に塗布し加熱処理した後の80℃でのタック力を良好なレベルに保つためガラス転移温度の低い熱可塑性樹脂を使用することも可能であるが、この場合にはウエハの一方の面に塗布し加熱処理した後の25℃でのタック力が0.05Nを越えたり、支持体に搭載した接着剤層付き半導体素子の130℃および175℃での接着力が低くなりすぎたりする恐れがある。このため熱可塑性樹脂を使用する場合には化合物(A)と化合物(B)と熱可塑性樹脂の合計に対して40重量%以下にする必要がある。より好ましくは30重量%以下である。
ここで一般に紫外線などのエネルギー線により反応を開始する光開始剤を配合した樹脂組成物は良く知られているが、本発明では液状樹脂組成物の塗布、加熱処理、ダイシング、半導体素子搭載といった一連の作業が通常は蛍光灯による照明の下で行われるので光開始剤を含むことはできない。光開始剤を含む場合には、例えばスピンコートによる液状樹脂組成物塗布の工程において樹脂組成物の粘度が経時変化し安定した厚みの接着剤層を得ることが困難になる恐れがある。
すなわち本発明で用いる液状樹脂組成物は、GPC測定における分子量200以上の面積(a)に対する分子量200以上5000以下の面積(b)の割合(b/a)が、(b/a)>0.6を満たす液状樹脂組成物である。好ましくは(b/a)>0.7であり、より好ましくは(b/a)>0.8である。(b/a)がこれよりも小さいと加熱処理の80℃でのタック力が不十分になり、接着剤層付き半導体素子のマウント性が悪くなる可
能性がある。ここでGPCの測定はWaters社製アライアンス(2695セパレーションズモデュール、2414リフラクティブインデックスディテクター、TSKゲルGMHHR−Lx2+TSKガードカラムHHR−Lx1、移動相:THF、1.0ml/分)を用い、カラム温度40.0℃、示差屈折率計内温度40.0℃、サンプル注入量100μl、サンプル濃度1〜5mg/mlにて行った。分子量の検量線はショーデックススタンダードSL−105[昭和電工(株)製]を用いて作成した。
さらに本発明の液状樹脂組成物は、ウエハの一方の面に50μmの厚さに塗布し120℃10分間加熱処理した後の接着剤層のGPC測定における分子量200以上の面積(a’)に対する分子量200以上5000以下の面積(b’)の割合を(b’/a’)とする時、上記(b/a)との比[(b’/a’)/(b/a)]が次の関係を満たすことが好ましい。
[(b’/a’)/(b/a)]>0.7
[(b’/a’)/(b/a)]が、これよりも小さいと加熱処理後の80℃でのタック力が不十分になり、接着剤層付き半導体素子のマウント性が悪くなる可能性がある。
また液状樹脂組成物をスピンコートによりウエハの一方の面に塗布する場合には、液状樹脂組成物中にミクロンサイズの固形物が存在すると加熱処理後の接着剤層表面の平滑性が悪化、ピンホールボイドの発生などの原因となるので好ましくない。液状樹脂組成物作製時には10μmのフィルターによりろ過することが好ましく、より好ましくは10μmのフィルターによりろ過した後に3μmのフィルターによりろ過することであり、特に好ましいのはさらに1μmのフィルターによりろ過することである。またフィラーを使用することはできない。液状樹脂組成物の粘度は1Pa・s以上40Pa・s以下が好ましい。これより低くても高くてもスピンコート後に良好な厚みの接着剤層を得ることができないためである。ここで粘度の値はE型粘度計[東機産業(株)製、3度コーン]を用いて25℃、2.5rpmで測定した値である。より好ましい粘度範囲は2Pa・s以上30Pa・s以下であり、さらに好ましいのは2Pa・s以上15Pa・s以下である。
また、液状樹脂組成物を密閉した容器中で25℃72時間放置する前後での粘度変化率が20%以下であることが好ましい。粘度変化率が20%以上となると液状樹脂組成物をウエハに塗布する作業性やスピンコート後の厚み精度に問題が生じる恐れがある。
さらに本発明の液状樹脂組成物には、必要によりカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、界面活性剤等を使用することも可能である。
本発明の液状樹脂組成物は、例えば加熱装置ならびに攪拌器を備えた混合装置内で化合物(A)、化合物(B)、溶剤(D)、必要に応じ熱可塑性樹脂を加熱混合することで均一な液体を得た後室温まで冷却し、化合物(C)と溶剤との溶液、カップリング剤などの添加剤を加え更に混合することにより製造することができる。
本発明の液状樹脂組成物は、ワイヤボンド用のボンディングパッドを有する半導体ウエハの裏面(回路面の裏)または回路の書かれていないウエハの一方の面(複数の半導体素子を積層して作製する半導体パッケージにおいて下段の半導体素子のボンディングワイヤのループ高さを確保するために回路の書かれていないチップをスペーサーとして使用する場合)に塗布して使用するが、以下、半導体ウエハを使用した場合にて説明を行う。通常半導体ウエハは厚みを制御する目的でダイシング工程前に裏面研削を行うが、液状樹脂組成物の塗布は裏面研削の後に行う。液状樹脂組成物の塗布方法としてはスクリーン印刷、ステンシル印刷、スピンコートなどによる方法が可能であるが、塗布厚みの安定性、表面の平滑性の観点からスピンコートにより塗布されることが好ましい。スピンコートは公知の方法にて行うことが可能である。すなわちバックグラインドテープ(裏面研削時にウエハの回路面を保護する目的で回路面に貼り付けるテープ)を貼り付けた状態のウエハをウエハ裏面が上になるようにスピンコーターにセットし15℃以上40℃以下で液状樹脂組成物をウエハの中央部に供給しウエハを回転させることで液状樹脂組成物をウエハ裏面全
体に均一に塗布する方法である。使用するバックグラインドテープは後述する加熱処理工程があるので耐熱性に優れるものが好ましく、ウエハサポート機能(裏面研磨後に薄くなったウエハの反り、変形を抑制する機能)を有するものも好ましい。スピンコートの温度がこれより低い場合には液状樹脂組成物の粘度が高くなり塗布後の厚みが均一にならない場合があるので好ましくなく、これより高い場合には液状樹脂組成物の揮発による粘度変化が塗布厚みの不均一性の原因となりうるので好ましくない。より好ましい温度範囲は20℃以上30℃以下で、より安定した塗布厚みを得るためには±2℃に制御した環境での塗布が好ましい。ウエハの回転数は使用する液状樹脂組成物の粘度、塗布する温度、目的とする塗布厚みに依存するが、通常300rpm以上10000rpm以下で行う。液状樹脂組成物の供給はウエハ停止状態で行い徐々に回転数を上げる方法や、300rpmといった低回転で回転している状態で供給し必要であればさらに回転数を上げていく方法も可能である。
次に液状樹脂組成物を塗布した半導体ウエハの加熱処理を行う。加熱処理は熱板上での処理、オーブン中での処理、リフロー炉での処理等が可能であり、処理温度は200℃以下が好ましく、より好ましいのは150℃以下である。低温での処理の方が処理後の反りが小さいからである。また処理時間に関しては30分以下が好ましい。処理時間がこれより長い場合には、生産性が悪くなると共に処理後の反りの面でも不利になる。特に好ましい加熱処理条件は150℃以下、15分以下である。
加熱処理後の接着剤層の厚みは200μm以下が好ましく、より好ましい厚みは5μm以上50μm以下である。厚みの制御は塗布条件の調整および液状樹脂組成物の粘度の調整により可能である。例えば低粘度の液状樹脂組成物を使用すればより薄い接着剤層を得ることが可能であるし、塗布方法としてスピンコートを使用する場合には塗布時の回転数をあげることでより薄い接着剤層を得ることが可能となる。フィルム状のダイアタッチ材を用いる場合には目的とする厚みのフィルムを準備しなくてはならないが、塗布条件の調整および液状樹脂組成物の粘度の調整により厚みの制御が可能な点は本発明の利点の一つである。
加熱処理後に揮発分が多量に接着剤層に含まれる場合には、後述する接着剤層のべたつきの原因、ピックアップ性の悪化の原因、支持体への搭載時のボイドの原因となりうるので、液状樹脂組成物をウエハ裏面に50μmの厚みで塗布した後120℃で10分間加熱処理した後の揮発分が1重量%以下であることが好ましい。ここで塗布後の液状樹脂組成物の厚みは非接触の厚み計にて測定した値であり、揮発分とは液状樹脂組成物が50±5μmに塗布されたウエハを120±5℃に制御した乾燥機中で10±1分間加熱処理した後、取り出したウエハが冷却される前にスパチュラにてサンプリングした接着剤層5〜30mgを、熱天秤法(TGA)で室温から300℃まで10℃/分で昇温して測定した重量減少曲線における200℃での重量減少率である。より好ましい重量減少率は0.5重量%以下であり、特に好ましいのは0.2重量%以下である。
また接着剤層は室温でタック(べたつき)がないことが好ましい。べたつきがある場合にはダイシングシートに貼り付けるウエハマウント工程において搬送不良が発生する恐れがあるとともに後述するピックアップ工程においても不具合が発生する恐れがある。このため液状樹脂組成物をウエハ裏面に50μmの厚みで塗布した後120℃で10分間加熱処理した後の接着剤層はべたつきの指標となる25℃でのタック力が0.05N以下であることが好ましい。タック力はタック力測定機(RHESCA社製)を用いプローブ下降速度(Immersion Speed)30mm/min、テスト速度600mm/min、密着荷重(Preload)0.2N、密着保持時間(Press Time)1.0秒、プローブ5.1mmφ(SUS304)で測定した値である。すなわち液状樹脂組成物が50±5μmに塗布されたウエハを120±5℃に制御した乾燥機中で10±1分間加熱処理し冷却後、接着剤層が下になるようにダイシングシート(住友ベークライト
(株)製、FSL−N4003)に張り付けダイシングソーにて6×6mmにダイシングすることで得られた6×6mmに個片化された接着剤層付き半導体素子の一部を手でダイシングシートから剥がし上記タック力測定法にて接着剤層側のタック力を25℃にて測定したものである。
接着剤層付きウエハの接着剤層の厚み精度は、±5μm以内が好ましく、より好ましい
のは±3μm以内である。ここで厚み精度とはチップ面内の凹凸の変化をレーザー粗さ計
で測定した表面プロファイルの平均値からの隔たりである。厚み精度がこれより大きい場合には安定した厚みを得られないからである。
次に接着剤層付き半導体ウエハをダイシングシートに貼り付け個片化する。用いるダイシングシートは市販のものを使用可能である。個片化は通常ダイシングソーなどの専用装置を用いて行い、接着剤層付き半導体素子を得る。ここで前述のように接着剤層の平滑性が十分でない場合には接着剤層とダイシングシートの間にエアが残る場合があり、このためダイシング時にチップ欠け(チップのエッジ部分が欠けてしまう現象)、チップクラック(チップのエッジ部分にクラックがはいる現象)、チップ飛び(ダイシング時にチップがダイシングシートから外れてしまう現象)などが起こり、接着剤層付き半導体素子の歩留まり悪化の原因となる場合がある。
このようにして得られた接着剤層付き半導体素子はダイシングシートに張り付いた状態で(ダイシングシートはウエハリングに貼り付けられている)ダイボンダーにセットし、ピックアップ(ダイシングシートから半導体素子を取る工程)し加熱下で支持体に搭載される。ピックアップ時には接着剤層付き半導体素子とダイシングシートとの界面で剥がれる必要があり、接着剤層のタック力が0.05Nより大きい場合にはピックアップできない、ピックアップ時に半導体素子がずれて正しい位置に搭載できない、接着剤層の一部がダイシングシートに残る等の問題が生じる恐れがある。
接着剤層付き半導体素子を搭載する支持体とはリードフレーム、有機基板などであり、半導体素子を積層する場合にはリードフレーム、有機基板などに搭載された第2の半導体素子である。半導体素子搭載温度は200℃以下が好ましく、より好ましいのは150℃以下である。高温での半導体素子搭載はしばしば反りの原因となるからである。また半導体素子搭載時には荷重をかけるが、荷重はダイボンダーの種類により支配される。一部LOCボンダーのように半導体素子あたり20Nほどの荷重をかけられる機種もあるが、通常は3〜5N程度の荷重で行われる。半導体素子の薄型化、機械的強度の低い半導体素子を考慮すると5N以下、より好ましくは1〜4Nで搭載できることが好ましい。搭載時間(半導体素子を支持体に加圧している時間)は生産性の観点から10秒以下がこのましく、より好ましいのは3秒以下で、特に好ましいのは1秒以下である。このように半導体素子を低温で搭載するためには、液状樹脂組成物をウエハ裏面に50μmの厚みで塗布した後120℃で10分間加熱処理した後の接着剤層の80℃でのタック力が1N以上であることが好ましい。これは加熱処理後の接着剤層の80℃でのタック力の異なる種々の接着剤層付き半導体素子を用いてPBGA基板への搭載実験を行った結果、80℃でのタック力が1N以上であれば搭載後の接着面積が90%以上を確保できるのに対し、1Nに満たない場合には接着面積が90%に満たないことが多かったからである。ここで搭載後の接着面積はPBGA基板に搭載後の半導体素子を手で引き剥がし半導体素子の面積に対する接着部分の面積で確認した。接着していた部分はPBGA基板表面が多少白っぽくざらついた感じになるのに対し、非接着部分は表面が平滑で搭載前と変化がないので目視で容易に識別可能である。80℃でのタック力は、液状樹脂組成物が50±5μmに塗布されたウエハを120±5℃に制御した乾燥機中で10±1分間加熱処理し冷却後、接着剤層が下になるようにダイシングシート[住友ベークライト(株)製、FSL−N4003]に張り付けダイシングソーにて6×6mmにダイシングすることで得られた6×6mmに個片化された接着剤層付き半導体素子の一部を手でダイシングシートから剥がし上記タック力測定法にて樹接着剤層側のタック力を80℃にて測定したものである。
また上記6×6mmに個片化された接着剤層付き半導体素子をダイボンダー上でピックアップしボンド加重1.0N、 基板加熱温度130℃、搭載時間8秒(基板表面の温度
が130℃まで昇温する時間7秒を含む)の条件でPBGA基板(パッケージサイズ35×35mm、コア材:BT(ビスマレイミド−トリアジン)、ソルダーレジスト:PSR4000AUS308(太陽インキ製造(株)製)、厚み0.56mm)に搭載した接着力測定用サンプルの25℃での接着力が10N以上であることが好ましい。接着力の測定はダイシェアテスター(Dage社製、シリーズ4000)にて行った値である。接着力がこれより低い場合には搬送中に半導体素子が脱落する恐れがある。より好ましくは20N以上であり、さらに好ましいのは50N以上である。
次に支持体に搭載された半導体素子と支持体を電気的に接続する目的でワイヤボンドを行う。ワイヤボンドの条件は特に限定されず、市販のワイヤボンダーを用いて通常の条件で行うことができるが前述の反りの問題を考慮すると低温で行うことが好ましい。特に好ましいワイヤボンド温度は150℃以下である。ここで上記接着力測定用サンプル(6×6mmに個片化した接着剤層付き半導体素子をPBGA基板に搭載しただけで接着剤層の硬化は行っていない)の130℃での接着力が10N以上であれば、接着剤層付き半導体素子を支持体に搭載した後、接着剤の硬化を行うことなくワイヤボンドすることが可能なのでより好ましい。特に好ましい130℃での接着力は30N以上である。これ以上であればワイヤボンド工程においてワイヤボンド不良(ワイヤが着かない、ワイヤの接合強度が低いなど)が生じないためである。
ワイヤボンドの次に樹脂封止工程を行う。通常はエポキシ樹脂にフィラーを分散させたトランスファー成形用封止材が使用される。使用可能なトランスファー成形用封止材は特に限定されないが、環境問題よりアンチモン化合物、臭素化化合物を使用していないものが好ましい。より好ましいものはビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂および/またはビフェニルアラルキル型フェノール樹脂を使用した封止材でアンチモン化合物、臭素化化合物を使用していないものである。ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂および/またはビフェニルアラルキル型フェノール樹脂を使用した封止材はアンチモン化合物、臭素化化合物を使用しなくても良好な耐燃性(UL試験V−0)を示すとともに良好な耐リフロークラック性を示すからである。
樹脂封止は通常160℃〜180℃で行われる。このためワイヤボンド後の半導体素子の支持体への接着力が低すぎる場合には樹脂封止工程中に半導体素子の剥離が生じたり、半導体素子が流されたりする危険性がある。このため上記接着力測定用サンプル(6×6mmに個片化した接着剤層付き半導体素子をPBGA基板に搭載しただけで接着剤層の硬化は行っていない)の175℃(一般的な樹脂封止温度)での接着力が1N以上であることが好ましい。特に好ましいのは3N以上である。これ以上の接着力であれば樹脂封止中に剥離等の不具合が発生しないからである。
樹脂封止を行ったのち、必要に応じポストモールド硬化を行い、支持体としてリードフレームを使用するものの場合には必要に応じリード加工、外装めっきなどを施し半導体パッケージを得る。また支持体として有機基板を用いる場合には必要に応じ半田ボールアタッチ等を行うことにより半導体パッケージを得る。
ここで本発明において使用する液状樹脂組成物は、ウエハの一方の面に50μmの厚さに塗布し120℃10分間加熱処理した後の、揮発分が1重量%以下で、25℃でのタック力が0.05N以下で、80℃でのタック力が1N以上で、厚み精度は、±5μm以内
であり、6×6mmに個片化した後PBGA基板にボンド加重1.0N、 基板加熱温度
130℃、搭載時間8秒(基板表面の温度が130℃まで昇温する時間7秒を含む)で搭載した接着強度測定用サンプルの25℃での接着強度が10N以上、130℃での接着強度が10N以上、175℃での接着強度が1N以上であることが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明の説明を行うが、これらに限定されるものではない。
[化合物(C)の合成]
攪拌装置および冷却管付きの1リットルのセパラプルフラスコにビスフェノールS(日華化学工業(株)製 BPS−N(4,4’−ビスフェノールSを主成分とする))3
7. 5g(0.15モル)、テトラフェニルホスホニウムプロマイド4 1. 9g(0
.1モル)、イオン交換水100mlを仕込み、100℃で攪拌し、さらに内部が不溶なまま、攪拌しながら水酸化ナトリウム4.0g(0.1モル)を予め50mlのイオン交換水で溶解した溶液を添加した。しばらく攪拌を継続した後、白色沈殿を得た。沈殿を濾過、乾燥し、白色結晶68.5gを得た。(以下化合物C1)化合物C1は、NMR、元素分析の結果から、テトラフェニルホスホニウム1分子と4,4’−ピスフェノールSとが、モル比1:1.5で錯化した化合物であることが確認された。合成の収率は96.1%であった。
[促進剤溶液の調整]
攪拌装置および冷却管付きの1リットルのセパラプルフラスコに50gの化合物C1と100gのγ−ブチロラクトンを仕込み100℃で1時間攪拌した後室温まで冷却した。冷却後密閉可能な透明なガラス容器移し−40℃の冷凍庫(実温−36℃から−40℃)にて18時間保管した後室温に取り出し2時間後目視により外観を確認したところ極わずかに黄色がかった透明であった。(以下促進剤溶液1)
化合物C1のかわりにトリフェニルホスフィン[ケイ・アイ化成(株)製PP360]50gとγ−ブチロラクトン100gを用いて同様に外観を確認したところ下部3分の1程度まで白色の結晶状の化合物が観察された。(以下促進剤溶液2)
[液状樹脂組成物の調整]
・液状樹脂組成物A
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、
エポキシ当量210) 37.1g
フェノールアラルキル樹脂(分子量612、軟化点75℃、
水酸基当量175) 12.6g
ポリヒドロキシスチレン(分子量2080、分散度1.26)
12.6g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 37.0g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Aを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.28g
促進剤溶液1 0.57g
得られた液状樹脂組成物Aの粘度は4Pa・sであった。なお粘度の測定はE型粘度計[東機産業(株)製、3度コーン]を用いて25℃、2.5rpmでの値である(以下に示す粘度も同様に測定した)。
・液状樹脂組成物B
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、
エポキシ当量210) 17.4g
フェノールアラルキル樹脂(分子量612、軟化点75℃、
水酸基当量175) 5.9g
ポリヒドロキシスチレン(分子量2080、分散度1.26)
5.9g
アクリル系ポリマー(エチルアクリレート/アクリロニトリル
/グリシジルアクリレート/N,N−ジメチルアクリルアミド
=74/20/1/5の共重合体、分子量:49万、Tg:15℃)
9.6g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 60.7g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Bを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.13g
促進剤溶液1 0.27g
得られた液状樹脂組成物Bの粘度は11Pa・sであった。
・液状樹脂組成物C
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、
エポキシ当量210) 19.0g
フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(軟化点52℃、
エポキシ当量238) 19.0g
フェノールアラルキル樹脂(分子量612、軟化点75℃、
水酸基当量175) 12.1g
ポリヒドロキシスチレン(分子量2080、分散度1.26)
12.1g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 37.0g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Cを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.28g
促進剤溶液1 0.57g
得られた液状樹脂組成物Cの粘度は4Pa・sであった。
・液状樹脂組成物D
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、
エポキシ当量210) 37.1g
フェノールアラルキル樹脂(分子量612、軟化点75℃、
水酸基当量175) 12.6g
ポリヒドロキシスチレン(分子量2080、分散度1.26)
12.6g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 37.4g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Dを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.28g
得られた液状樹脂組成物Dの粘度は5Pa・sであった。
・液状樹脂組成物E
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、
エポキシ当量210) 37.1g
フェノールアラルキル樹脂(分子量612、軟化点75℃、
水酸基当量175) 12.6g
ポリヒドロキシスチレン(分子量2080、分散度1.26)
12.6g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 37.0g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃、1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌することで液状樹脂組成物Eを得た。なお促進剤溶液2は前述のように白色化合物が析出しているので添加前にスパチュラにて攪拌を行い、また目詰まりするためろ過は行っていない。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.28g
促進剤溶液2 0.57g
得られた液状樹脂組成物Eの粘度は5Pa・sであった。
[実施例1]
液状樹脂組成物Aを密閉容器に入れ25℃72時間放置後粘度の測定を行った。
20mgの液状樹脂組成物Aを6mlのテトラヒドロフラン(以下THF)に溶解しGPCの測定を行った。GPCの測定はWaters社製アライアンス(2695セパレーションズモデュール、2414リフラクティブインデックスディテクター、TSKゲルGMHHR−Lx2+TSKガードカラムHHR−Lx1、移動相:THF、1.0ml/分)を用い、カラム温度40.0℃、示差屈折率計内温度40.0℃、サンプル注入量100μlの条件にて行った。分子量の検量線はショーデックススタンダードSL−105[昭和電工(株)製]を用いて作成した。得られたGPCチャートの分子量200以上の面積(a)に対する分子量200以上5000以下の面積(b)の割合(b/a)を算出した。
また液状樹脂組成物Aを用いて6インチウエハ(回路が書かれていないベアシリコン、厚み625μm)1枚および8インチウエハ(銅0.5%のアルミパッドを有しパッシベーションはSiN、厚み350μm)1枚に塗布後の厚みが50±5μmになるようにスピンコートし、120℃に調整した乾燥機中で10分間加熱処理することで接着剤層付きウエハを得た。スピンコートはスピンコーター[ミカサ(株)製、 1H−DX]を用い
て行った。スピンコート後の厚みは非接触の厚み計で測定し、50±5μmになっていない場合にはスピンコート条件を変更することで上記範囲に入るようにした。
6インチウエハは加熱処理後すぐに接着剤層の一部をスパチュラにてかき集め、揮発分の測定用サンプルとした。揮発分はTGA(示差熱天秤)にてサンプル重量10mg、室温から昇温速度10℃/分で測定し、200℃における重量減少率の値である。加熱後すぐにサンプリングを行ったのは、室温まで冷却されると接着剤層が固形になりサンプリングが困難になる場合があるからである。またサンプリングを行った以外の部分を用いて外観チェックを目視で行った。外観チェックはピンホールボイド、異物の数をチェックした。また接着剤層の厚みは接触式厚みゲージを用いてウエハと接着剤層の合計の厚みを測定し、前もって測定しておいたウエハの厚みを差し引くことにより接着剤層の厚みを算出した。さらに厚み精度に関しては、レーザー3次元測定機[日立土浦エンジニアリング(株)製]を用い、揮発分測定用にサンプリングした部位を通らず、接着剤層付きウエハの中心を通るように150mmの長さで測定を行った。
次に接着剤層付き6インチウエハおよび8インチウエハをダイシングシート[住友ベークライト(株)製、FSL−N4003]に張り付け夫々6×6mm、10.5×10.5mmに個片化した。6×6mmに個片化した6インチウエハの一部を手でダイシングシートから剥がし接着剤層の25℃および80℃でのタック力測定用に用いた。タック力の測定はタック力測定機(RHESCA社製)を用いプローブ下降速度(Immersion Speed)30mm/min、テスト速度600mm/min、密着荷重(Preload)0.2N、密着保持時間(Press Time)1.0秒、プローブ5.1mmφ(SUS304)で行った。
また同様に手で剥がした6×6mmに個片化した接着剤層付き半導体素子3個を6ml
のTHFに浸漬し、25℃で60分間浸透することでGPC測定用サンプルとした。上記と同様の条件で測定したGPCチャートから分子量200以上の面積(a’)に対する分子量200以上5000以下の面積(b’)の割合(b’/a’)を算出し、[(b’/a’)/(b/a)]の値を算出した。
さらに以下の項目についても後述のように評価を行った。
・接着力
6×6mmに個片化した接着剤層付きウエハをダイボンダーに取り付けイジェクターピン高さ350μm(ダイシングフィルム下面を0), ピックアップタイム500msの条件でピックアップしボンド加重1.0N、 基板加熱温度130℃8秒(基板表面の温度
が130℃まで昇温する時間7秒を含む)の条件でPBGA基板(パッケージサイズ35×35mm、コア材:BT(ビスマレイミド−トリアジン)、ソルダーレジスト:PSR4000AUS308[太陽インキ製造(株)製]、厚み0.56mm)に搭載した。搭載後のサンプル(硬化は行っていない)の接着力を室温、130℃、175℃で測定した。接着力の測定はダイシェアテスター(Dage社製、シリーズ4000)にて行った。・ボイド、初期剥離
10.5×10.5mmに個片化した接着剤層付きウエハをダイボンダーに取り付けイジェクターピン高さ350μm(ダイシングフィルム下面を0)、ピックアップタイム500msの条件でピックアップしボンド加重2.9N、基板加熱温度130℃8秒(昇温時間含む)の条件でPBGA基板(パッケージサイズ35×35mm、コア材:BT(ビスマレイミド−トリアジン)、ソルダーレジスト:PSR4000AUS308(太陽インキ製造(株)製)、厚み0.56mm)に搭載した後(硬化は行わずに)、以下の条件でワイヤボンドを行った。
ワイヤボンダー:Eagle60(ASM社製)
金線:SGS−H、25μm(住友金属鉱山(株)製)
ワイヤボンド温度:130℃
ボンディング荷重:45g
超音波パワー:120(128kHz)
ワイヤボンドを行った後、ビフェニルアラルキルエポキシを使用したエポキシ系封止樹脂[住友ベークライト(株)製、EME−G770]にて封止し175℃4時間ポストモールド硬化を行った。ポストモールド硬化後のPBGAパッケージを透過型の超音波探傷装置にて観察することでボイドおよび初期剥離の発生を確認した。ボイドおよび初期剥離はチップの面積に対する超音波不透過部分(黒色部分)の面積の割合(%)で確認した。・半田リフロー試験
ボイド、初期剥離の観察を行ったパッケージを85℃60%RHにて168時間吸湿処理を施した後、260℃以上の時間が10秒以上になるように設定したIRリフロー装置を3回通した後、透過型の超音波探傷装置にてクラックの発生具合を観察した。試験に用いたパッケージ4個中、クラックの発生しているパッケージ数で示した。
測定結果を表1に示す。
[実施例2]
上記液状樹脂組成物Bを用いた以外は実施例1と同様に評価を行った。
[実施例3]
上記液状樹脂組成物Cを用いた以外は実施例1と同様に評価を行った。
[比較例1〜3]
液状樹脂組成物D及びEを用いて実施例1と同様に評価を行った。
なお比較例1ではワイヤボンド時に半導体素子が動いてしまいワイヤボンドを行うことができなかったので、ワイヤなしの状態で封止を行ったがボイド、初期剥離の観察を行うために透過型の超音波探傷装置にて測定したところ封止中に半導体素子が流されているこ
とが確認されたため、ボイド、初期剥離および半田リフロー性の評価はできなかった。
比較例2ではスピンコート後に多数の筋状の欠陥が見られたが評価は継続した。
比較例3では、接着力測定用サンプルを作成する際に、実施例1の条件ではPBGA基板に搭載できなかったので(搭載後基板を傾けると接着剤ごとチップが落ちた)ボンド加重20.0N、 基板加熱温度200℃17秒(昇温時間を含む)に変更した。さらに半
田リフロー性試験用PBGAを組み立てる際にも実施例1の条件ではPBGA基板に搭載できなかったので(搭載後基板を傾けると接着剤ごとチップが落ちた)ボンド加重20.0N、 基板加熱温度200℃17秒(昇温時間を含む)に変更した。
評価結果を表1に示す。
実施例1は、スピンコート/加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、1.8Nであり、ピックアップ性が良好で、半導体素子搭載後に硬化を行わなくてもワイヤボンド可能であった。封止後のパッケージにおいてもボイド、剥離の発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
実施例2は、スピンコート/加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、3.0Nであり、ピックアップ性が良好で、半導体素子搭載後に硬化を行わなくてもワイヤボンド可能であった。封止後のパッケージにおいてもボイド、剥離の発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
実施例3は、スピンコート/加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、1.5Nであり、ピックアップ性が良好で、半導体素子搭載後に硬化を行わなくてもワイヤボンド可能であった。封止後のパッケージにおいてもボイド、剥離の発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
実施例4は、スピンコート/加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、2.3Nであり、ピックアップ性が良好で、半導体素子搭載後に硬化を行わなくてもワイヤボンド可能であった。封止後のパッケージにおいてもボイド、剥離の発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
実施例5は、スピンコート/加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、2.5Nであり、ピックアップ性が良好で、半導体素子搭載後に硬化を行わなくてもワイヤボンド可能であった。封止後のパッケージにおいてもボイド、剥離の発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
比較例1は、スピンコート/加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、1.8Nであり、ピックアップ性は良好であったが、化合物(B2)(分子量1500以上5000以下のフェノール性水酸基を有する化合物)を含まないため130℃での接着力、175℃での接着力が低く、半導体素子搭載後に硬化を行わない場合にはワイヤボンド時に半導体素子が動いてしまいワイヤボンド不可能であった。ワイヤボンドができなかったのでワイヤボンド無しで封止を行ったが封止中に半導体素子が流されてしまいボイド、剥離の観察、半田リフロー後のクラックの観察を行うことができなかった。
比較例2は、スピンコート/加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、2.1Nであり、ピックアップ性は良好であったが、化合物(B2)(分子量1500以上50
00以下のフェノール性水酸基を有する化合物)を含まず、熱可塑性樹脂を多量に含むためGPC測定により得られた分子量200以上の面積(a)に対する分子量200以上5000以下の面積(b)の割合(b/a)が0.48であり、130℃、175℃での接着力が低く、半導体素子搭載後に硬化を行わなくてもワイヤボンドは可能であったが、封止後には半導体素子の剥離が観察され、半田リフロー後に全パッケージでクラックが生じていた。
Figure 0005382484
本発明により、支持体に低温で搭載可能かつ室温でべたつきのない接着剤層付き半導体素子が提供可能となり、さらには該接着剤層付き半導体素子を用いた半導体パッケージを提供することが可能となる。

Claims (3)

  1. 少なくとも、
    半導体ウェハに液状樹脂組成物からなる接着剤を塗布する工程と、
    前記の塗布された液状樹脂組成物から前記溶剤を揮発し接着剤層を形成する揮発工程と、
    半導体ウェハをダイシングして半導体素子を切り出す工程と、
    を備える半導体素子の製造方法であって、
    該半導体ウェハに液状樹脂組成物からなる接着剤を塗布する工程において使用される液状樹脂組成物が、
    グリシジル基を有する化合物(A)、
    フェノール性水酸基を有する化合物(B)、
    化合物(A)と化合物(B)の反応を促進する化合物(C)、
    及び
    溶剤(D)、
    を含み、
    前記化合物(B)が、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物で、分子量が1000以下である化合物(B1)とフェノール性水酸基を2個以上有する化合物で、分子量が1500以上5000以下の化合物(B2)との両方を含有し、
    化合物(C)が溶剤(D)に溶解する下記の一般式(1)で示される化合物であり、
    前記塗布工程における液状樹脂組成物のGPC測定における分子量200以上の面積(a)に対する分子量200以上5000以下の面積(b)の割合(b/a)が、
    (b/a)>0.6
    の関係を満たし、
    前記揮発工程後の接着剤層のGPC測定における分子量200以上の面積(a’)に対する、分子量200以上5000以下の面積(b’)の割合(b’/a’)と、前記(b/a)との割合[(b’/a’)/(b/a)]が
    [(b’/a’)/(b/a)]>0.7
    の関係を満たすことを特徴とする接着剤層付き半導体素子の製造方法。
    Figure 0005382484
    (式中、Pはりん原子、R はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の芳香族基、又はアルキル基、Xは置換もしくは無置換の芳香族基、Yは単結合であるか、単結合でない場合はエーテル基、スルホン基、スルフィド基、カルボニル基から選ばれる置換基又は炭素原子数1〜13で構成される有機基を表す。nおよびmは、0≦n≦1、0≦m≦1を示す。)
  2. 前記液状樹脂組成物が、密閉した容器中で、25℃、72時間放置する前後での粘度変化率が20%以下である請求項1に記載の接着剤層付き半導体素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られた接着剤層付き半導体素子を支持体に搭載する工程と、搭載後すぐにワイヤボンドを行う工程の順に半導体パッケージを組み立てることを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
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