JP5135993B2 - 液状接着剤の塗布方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents

液状接着剤の塗布方法および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液状接着剤の塗布方法および半導体装置の製造方法に関する。
近年の携帯電話、携帯情報端末、DVC(Digital Video Camera)等の高機能化、小型化、軽量化の進展は著しいものがあり、半導体パッケージの高機能化、小型化、軽量化が強く求められている。そこで半導体パッケージを高機能化するために、機能の異なる複数の半導体素子または同一機能の複数の半導体素子を1つのパッケージに搭載する、小型化・軽量化のために半導体素子の大きさとパッケージの大きさを可能な限り近づけるといった試みがなされてきている。このため半導体素子の薄型化がより進み、半導体素子と金属または有機基板等の支持体とのワイヤボンドパッドの距離は益々近くなってきている。
従来の半導体の組立工程におけるダイアタッチ工程では、支持体に液状接着剤を塗布して、半導体素子を搭載した後に、液状接着剤を加熱硬化することで半導体素子を支持体に接着していた。しかし、半導体素子の表面やワイヤボンドパッドへの液状接着剤が付着する問題、液状接着剤のブリード(液状接着剤の液状成分のみ毛細管現象で伝わる現象)による汚染問題が無視できなくなってきている。
そこで液状の接着剤の替わりにフィルム状の接着剤を用い、フィルム状の接着剤を支持体に貼り付けた後、加熱しながら半導体素子を搭載する方法、半導体用ウエハの裏面にフィルム状接着剤を貼り付けた状態でダイシングシートに貼り付けた後で個片化することで得られた接着剤付き半導体素子を加熱しながら支持体に搭載する方法、ダイシングシート機能を有するダイアタッチフィルムに半導体用ウエハを貼り付け個片化することで得られた接着剤付き半導体素子を加熱しながら支持体に搭載する方法などが採用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかし、フィルム状の接着剤を用いる場合、必要とされる接着剤層の厚さに応じてフィルムの厚さを変える必要があり、種々の厚さのフィルム状接着剤を用意する必要があった。
また、液状接着剤を塗布する方法としてスピンコート法の検討も行われているが、液状接着剤の飛散量が多いために、廃棄される原料が多くなってしまう問題もあった。
特開2002−294177号公報 特開2003−347321号公報
本発明の目的は、異なる接着剤層の厚さへの対応が容易な液状接着剤においてブリード等の汚染問題を低減することができ、かつ廃棄される液状接着剤の量を低減することができる液状接着剤の塗布方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上述の液状接着剤の塗布方法を有する半導体装置の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1)半導体用ウエハに液状接着剤をノズルの吐出孔より吐出して塗布する方法であって、
前記半導体用ウエハを回転させた状態で、前記半導体用ウエハの半径方向に前記ノズルを移動しつつ、前記ノズルの吐出孔より前記液状接着剤を線状に吐出して、該液状接着剤を前記半導体用ウエハの一方の面に、前記半導体用ウエハの中心部近傍での前記液状接着剤の塗布量が前記半導体用ウエハの外周部近傍の塗布量よりも少なくなるように塗布し、
前記ノズルの移動速度は、前記半導体用ウエハが一回転する間に、前記ノズルの吐出孔から吐出された前記液状接着剤の幅分だけ移動する速度に設定されていることを特徴とする液状接着剤の塗布方法。
)前記ノズルで前記液状接着剤を吐出する際に、前記半導体用ウエハを回転させた状態で、前記半導体用ウエハの半径方向に前記ノズルを移動しつつ、該ノズルから前記液状接着剤を吐出するものである上記()に記載の液状接着剤の塗布方法。
)前記液状接着剤が、室温で固形のエポキシ樹脂(A)と溶剤(B)とを含む樹脂組成物で構成されているものである上記()に記載の液状接着剤の塗布方法。
)前記液状接着剤をE型粘度計で25℃において測定した回転数2.5rpmでの粘度Aが、1Pa・s以上、40Pa・s以下である上記()に記載の液状接着剤の塗布方法。
)前記液状接着剤をE型粘度計で25℃において測定した回転数0.5rpmでの粘度Bと、前記粘度Aとの比(粘度B/粘度A)が、1.0以上、1.5以下である上記()に記載の液状接着剤の塗布方法。
)上記(1)ないし()のいずれかに記載の液状接着剤の塗布方法を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
)前記液状接着剤を塗布した後に、前記液状接着剤を乾燥させ、接着剤層を形成する乾燥工程を有しているものである上記()に記載の半導体装置の製造方法。
)前記乾燥工程後の接着剤層が、25℃でのタック力を0.05N以下とし、かつ80℃でのタック力を1N以上となるものである上記()に記載の半導体装置の製造方法。
)前記乾燥工程後の接着剤層の揮発分が1重量%以下である上記()に記載の半導体装置の製造方法。
10)前記乾燥工程後の接着剤層をGPCで測定して得られる分子量200以上の面積(A’)、分子量200以上、5,000以下の面積(B’)とし、前記液状接着剤を塗布後にGPCで測定して得られる分子量200以上の面積(A)、分子量200以上、5,000以下の面積(B)としたとき、[(B’/A’)/(B/A)]が、0.7以上である上記()に記載の半導体装置の製造方法。
本発明によれば、異なる接着剤層の厚さへの対応が容易な液状接着剤においてブリード等の汚染問題を低減することができ、かつ廃棄される液状接着剤の量を低減することができる液状接着剤の塗布方法を提供することができる。
また、本発明によれば、ブリード等の汚染問題を低減することでき、かつ廃棄される液状接着剤の量を低減することができる半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の液状接着剤の塗布方法および半導体装置の製造方法について、簡単に説明する。
本発明の液状接着剤の塗布方法は、例えば図1に示すような塗布装置を用いて半導体用ウエハに液状接着剤を塗布するものである。
塗布装置100は、テーブル1と、テーブル1に液状接着剤を供給可能なノズル22を備えたヘッド2とを有している。
テーブル1は、図1に示すように基台11の上側に、基台11に対して回転可能に配置されており、基台11を貫通して設けられる軸部(不図示)と接合されている。軸部には、ギア(不図示)が設けられ、このギアを介してモータ(不図示)で駆動することにより、テーブル1は図1中のA方向に回転する。
基台11の幅方向の端部には、支持柱3が設置されており、支持柱3の上側(図1中の上側)には、基台11の後方向(図1中の奥側方向)に延出するレール31を有している。支持柱3の上端部には箱体32と、箱体32の先端側にはヘッド2が設置されている。箱体32は、レール31に沿って駆動するプーリーワイヤーやラック&ピニオン機構等により、図1中のC方向に移動可能となっている。
ヘッド2は、ヘッド部21と、ヘッド部21の下部に下方向に向かって延出するノズル22とを有している。ヘッド部21とノズル22には、図示しないチューブが設置されており、液状接着剤が供給可能となっている。
ヘッド部21は、B方向に箱体32の内部へ移動可能となっている。箱体32の内部は、例えばラック&ピニオン機構のピニオンギアを駆動するモータが内蔵されている。このモータが正逆のいずれにも回転可能となっており、これによりヘッド部21がB方向に進退自在に移動可能となっている。
また、箱体32は上述したようにC方向に移動可能となっているので、ヘッド2もC方向に移動可能となっている。
したがって、ノズル22が基台11の面方向で、任意の位置に配置可能となっている。
このような塗布装置100を用いることにより、テーブル1上に半導体用ウエハを搭載し、半導体用ウエハと、ノズルとを相対的に移動しつつ、ノズルより前記液状接着剤を吐出して、該液状接着剤を前記半導体用ウエハの一方の面に塗布することができる。例えば、半導体用ウエハを回転させながらノズル22を図1の矢印B方向に移動させる方法、半導体用ウエハを固定した状態で、ノズル22を図1の矢印C方向に移動させながら、B方向にも移動する方法等により液状接着剤を塗布することができるようになる。
液状接着剤の塗布方法について、好適な実施形態に基づいて説明する。
本発明の液状接着剤の塗布方法では、図2に示すようにテーブル1の回転中心と、半導体用ウエハ12の回転中心とが一致するように、テーブル1面上に半導体用ウエハ12をテーブル1面側から例えば吸引しながら固定する。
次に、ヘッド部21を箱体32から延出させ、ノズル22の先端部を半導体用ウエハ12の中心軸上に配置させる。この際、半導体用ウエハ12の回転中心と、ノズル22の軸線とが一致(この位置を基準位置とする)するようにする。
そして、半導体用ウエハ12を後述するような条件で一定方向に回転させる。回転が安定したらヘッド2を前記基準位置からB1方向へ移動させると共にノズル22から液状接着剤4を、例えば線上に吐出する。これにより、半導体用ウエハ12に液状接着剤4が、らせん状に塗布されていくようになる。そして、液状接着剤4は、その粘度が比較的小さいことにより広がり平坦化される。なお、ここで液状接着剤4は、半導体用ウエハ12の回転の遠心力で若干の広がりがあるものの、スピンコート法のように遠心力のみで製膜化されるものではない。したがって、飛散する原料が低減され、液状接着剤の廃棄の問題を低減することができる。
そして、ノズル22が半導体用ウエハ12の外周部に到達すると、液状接着剤4の吐出を停止する。このように、本発明では半導体用ウエハ12と、ノズル22とを相対的に移動しつつ、ノズル22より液状接着剤4を吐出して、液状接着剤4を半導体用ウエハ12の一方の面に塗布することを特徴とする。これにより、半導体用ウエハ12に最適な厚さの液状接着剤4を塗布することができる。また、これにより、必要な量だけの液状接着剤4を塗布することが可能となり、スピンコート法で問題となるような無駄な原料を低減することができる。
このように、半導体用ウエハ12を回転させた状態で、半導体用ウエハ12の半径方向にヘッド2(ノズル22)を移動するので液状接着剤4は円周状に塗布されていることになる。ここで、液状接着剤4の塗布量は、半導体用ウエハ12の中心部から半径方向において、一定でも良いが、ノズル22の位置が半導体用ウエハ12の中心部から半径方向に移動するにつれて、周速が変化する為、この周速の変化に合わせて塗布量を調整することが好ましい。すなわち、半導体用ウエハ12の中心部近傍での液状接着剤4の塗布量を、半導体用ウエハ12の外周部近傍のそれよりも少なくなるように液状接着剤4を塗布することが好ましい。これにより、液状接着剤4を半導体用ウエハ12に均一の厚さで塗布できるようになる。より具体的には、RC(レジン含有量)38%の液状接着剤4を半導体用ウエハ12(6インチウエハ上のφ140mm)の範囲に、平均塗布量0.45cc/min、半導体用ウエハ12の回転速度25rpm、ノズル22の移動速度0.5mm/sec、ノズル22の先端と半導体用ウエハ12の表面との距離(ギャップ)100μmの条件で塗布する。これにより、乾燥後に厚さが24〜28μm(膜厚バラツキ4μm)となるような接着剤層を得ることができる。
また、半導体用ウエハ12の回転速度は、一定の速度でも良いが、塗布位置での周速が一定になるように回転速度を変化させても良い。しかし、半導体用ウエハ12の回転速度を速めると、ノズル22の先端から吐出された液状接着剤4に大きなせん断力が働き、この力の作用によって液状接着剤4が途切れてしまうことがある。すなわち回転速度にはその上限値がある。
ノズル22の移動速度は、半導体用ウエハ12が一回転する間にノズル22の吐出孔から吐出された液状接着剤4の幅分だけ移動する速度が良い。しかし液状接着剤4の性状(例えば、液状接着剤4の粘度が低い場合)や半導体用ウエハ12の表面性状(例えば、液状接着剤4に対する濡れ性が大きい場合)により、吐出された液状接着剤4の幅より広い距離を移動しても良い。
ノズル22の先端と半導体用ウエハ12表面との距離(ギャップ)は、液状接着剤4の膜厚(液状膜の厚さ)の高さより高くし、ノズル22の先端部と液状膜が乖離する距離未満とする必要がある。液状膜の厚さよりノズル22の先端が低いとノズル22が液状膜を削り取ってしまう場合があり、液状膜の厚さより大き過ぎる場合には、ノズル22の先端と液状膜が乖離してしまう場合がある。
ノズル22からの液状接着剤4の吐出量は、半導体用ウエハ12の中心部から半径方向において、一定でも良いが、ノズル22の位置が半導体用ウエハ12の中心部から半径方向に移動するにつれて、周速が変化する為、この周速の変化に合わせて吐出量を調整することが好ましい。すなわち、半導体用ウエハ12の中心部近傍での液状接着剤4の吐出量を、半導体用ウエハ12の外周部近傍のそれよりも少なくなるように液状接着剤4を吐出することが好ましい。これにより、液状接着剤4を半導体用ウエハ12に均一の厚さで塗布できるようになる。
このようにしてノズル22から液状接着剤4を吐出して半導体用ウエハ12の一方の面側へ、液状接着剤4を塗布する際の塗布厚さ(塗布後、乾燥前の厚さ)は、特に限定されないが、10〜200μmが好ましく、特に20〜120μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に安定して液状接着剤4を塗布することができる。
このような塗布方法に用いる液状接着剤4としては、特に限定されないが、室温で固形のエポキシ樹脂(A)と溶剤(B)とを含む樹脂組成物で構成されていることが好ましい。これにより、ノズル22から安定した吐出が可能となり、後述する乾燥工程後に平滑な表面を得ることが可能となる。
前記室温で固形のエポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するもので、軟化点が40℃以上、80℃以下のものが好ましく、特に軟化点が45℃以上、75℃以下であるものが好ましい。軟化点が前記下限値未満であると、液状接着剤4を塗布後に乾燥した後の粘着力が高くなりすぎる場合があり、作業性が低下する場合がある。また、軟化点が前記上限値を超えると、液状接着剤4を塗布後に乾燥した後の粘着力が低くなりすぎる場合があり、接着性が低下する場合がある。
前記軟化点は、例えばJIS K7234に準じて環球法にて測定することができる。
このような室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、その他トリフェニルメチン骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、アントラセン骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の中から選ばれる1種以上が好ましい。これにより、後述する乾燥工程後に吸水しにくい接着剤層を得ることが可能となる。
前記溶剤としては、前記室温で固形のエポキシ樹脂への溶解性が十分であれば特に限定されないが、半導体用途であるためハロゲン系の希釈剤は好ましくない。また第1アミン、第2アミンを含むアミン系希釈剤など液状接着剤4の保存性を悪化させるような希釈剤は好ましくない。使用可能な希釈剤は以下のようなものでこれらは単独での使用も複数種を併用することも可能である。
例えば、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカン、ドデカン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、p−シメン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ビシクロヘキシル、α−ピネン、ジペンテン、デカリン、1−ブタノール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、α−テルピネオール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、o−メトキシトルエン、m−メトキシトルエン、p−メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、1−メチルグリセリンエーテル、2−メチルグリセリンエーテル、1,2−ジメチルグリセリンエーテル、1,3−ジメチルグリセリンエーテル、トリメチルグリセリンエーテル、1−エチルグリセリンエーテル、1,3−ジエチルグリセリンエーテル、トリエチルグリセリンエーテル、アセタール、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メシチルオキシド、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ギ酸ブチル、ギ酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酢酸sec−ヘキシル、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジペンチル、マロン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、クエン酸トリブチル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールモノギ酸エステル、エチレングリコールモノ酪酸エステル、ジエチレングリコールモノアセタート、モノアセチン、炭酸ジエチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシエトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−エチルモルホリン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどが挙げられる。
これらの中でも特に好ましい希釈剤は、沸点が150℃以上、220℃以下のものであり、特に好ましいものは、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、3−メトキシブチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタートである。これらの溶剤を使用することで、ノズル22から安定した吐出が可能となり、後述する乾燥工程を短時間で行うことが可能となり、乾燥工程後に平滑な表面を得ることが可能となる。
本発明では前記室温で固形のエポキシ樹脂の硬化剤として、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物を含むことが好ましい。このようなフェノール性水酸基を2個以上有する化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどフェノールあるいはその誘導体とホルムアルデヒドとの反応により得られる化合物、フェノールあるいはその誘導体とベンズアルデヒドとの反応により得られる化合物、フェノールアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、その他ナフタレン骨格を有するもの、アントラセン骨格を有するもので1分子内にフェノール性水酸基(ナフトール型水酸基など芳香族環に直接結合した水酸基を含むものとする)を2個以上有する化合物などが挙げられる。これらの中でもフェノールアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の中から選ばれる1種以上が好ましい。これにより、後述する乾燥工程後に吸水しにくい接着剤層を得ることが可能となる。
また、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物の軟化点が高くてもエポキシ樹脂と混合した場合、混合物の軟化点としては下がるので、例えば軟化点が150℃位のものでも問題なく使用することが可能である。
室温で固形のエポキシ樹脂と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物の割合は、エポキシ基1に対してフェノール性水酸基が0.7以上、1.3以下となることが好ましい。より好ましい割合はエポキシ基1に対してフェノール性水酸基が0.9以上、1.1以下である。エポキシ樹脂とフェノール性水酸基を2個以上有する化合物との割合が前記範囲内であると、特に接着性等の硬化物特性に優れる。
エポキシ基とフェノール性水酸基の反応を促進する目的で硬化促進剤を配合することも可能である。使用可能な硬化促進剤としてはイミダゾール類、リン系化合物などが挙げられる。ここで一般に紫外線などのエネルギー線により反応を開始する光開始剤を配合した樹脂組成物は良く知られているが、本発明では液状接着剤の塗布、加熱処理、ダイシング、半導体素子搭載といった一連の作業が通常は蛍光灯による照明の下で行われるので光開始剤を含むことはできない。光開始剤を含む場合には、液状接着剤の塗布工程において樹脂組成物の粘度が経時変化し安定した厚みの接着剤層を得ることが困難になる恐れがある。
本発明に用いる液状接着剤4の樹脂組成物には、熱可塑性樹脂を使用することも可能である。熱可塑性樹脂を使用すると硬化物の架橋密度が下がり、硬化物の弾性率を低くすることが可能となる。好ましい熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル酸エステルの重合物などが挙げられ、特にエチル(メタ)アクリレートまたはブチル(メタ)アクリレートを主成分とし、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロニトリルなどを共重合した化合物は好適に用いられる。ただしこれら熱可塑性樹脂は分子量が高く使用量が多くなりすぎると半導体用ウエハ12の一方の面に塗布し加熱処理した後の80℃でのタック力が1Nに満たなくなる場合がある。一方、半導体用ウエハ12の一方の面に塗布し加熱処理した後の80℃でのタック力を良好なレベルに保つためガラス転移温度の低い熱可塑性樹脂を使用することも可能であるが、この場合には半導体用ウエハ12の一方の面に塗布し加熱処理した後の25℃でのタック力が0.05Nを超える場合がある。このため熱可塑性樹脂を使用する場合には熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂の場合には、エポキシ樹脂と硬化剤、硬化促進剤を含む)と熱可塑性樹脂の合計に対して40重量%以下にする必要がある。より好ましくは25重量%以下である。
さらに前記樹脂組成物には、必要によりカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、界面活性剤等を使用することも可能である。
このような液状接着剤4をE型粘度計(例えば東機産業(株)製、3度コーン)で25℃において測定した回転数2.5rpmでの粘度Aは、特に限定されないが、1Pa・s以上、40Pa・s以下であることが好ましく、より好ましい粘度範囲は2Pa・s以上30Pa・s以下であり、特に5Pa・s以上、15Pa・s以下であることが好ましい。粘度Aが前記範囲内であると、特にノズル22から安定した吐出(特に、図1に示すような塗布装置100を用いた塗布において安定した吐出)が可能となる。
また、液状接着剤4をE型粘度計(例えば東機産業(株)製、3度コーン)で25℃において測定した回転数0.5rpmでの粘度Bと、前記粘度Aとの比(粘度B/粘度A)も特に限定されないが、1.0以上、1.5以下であることが好ましく、特に1.0以上、1.2以下であることが好ましい。比が前記範囲内であると、特に乾燥工程後に平滑な表面の接着剤層を得ることが可能となる。
図2については、半導体用ウエハ12を回転させた状態で、半導体ウエハ12の半径方向に液状接着剤4を供給するノズル22を半導体用ウエハ12の中心部から外周端方向に直線的に移動しつつ、ノズル22から液状接着剤4を塗布する方法について説明したが、本発明の塗布方法はこれに限定されない。例えば、半導体用ウエハ12を回転させながらノズル22を半導体用ウエハ12の外周端部から中心部方向へ直線的に移動させる方法や、上述の移動(中心部から外周部または外周部から中心部への移動)を往復させる方法、半導体用ウエハ12を回転させながらノズル22を半導体用ウエハ12の中心部から外周端部へ移動させ、一度静止した後、再び外周方向へ移動させるような2段階で移動させる方法、半導体用ウエハ12を回転または固定した状態でノズル22を図2中のB方向およびC方向に移動させながら液状接着剤4を塗布する方法等が挙げられる。また、これらの方法の2種以上を組み合わせた方法であっても構わない。
次に、半導体装置の製造方法について説明する。
本発明の半導体装置の製造方法は、上述した液状接着剤4の塗布方法を有することを特徴とする。
具体的に半導体装置の製造方法は、上述の方法で液状接着剤4を塗布した半導体用ウエハ12を、乾燥させて接着剤層を形成する乾燥工程と、前記接着層にダイシングシートを貼着する工程と、ダイシングシートが貼着された半導体用ウエハ12をダイシングして半導体素子に個片化するダイシング工程と、半導体素子を基板等にマウントするマウント工程等とを有している。
前記乾燥工程では、液状接着剤4を加熱して樹脂組成物の分子量をほぼ維持した状態で、前記溶剤を揮発し接着剤層を形成する。これにより、半導体用ウエハ12レベルでの作業が可能となり、作業性が向上する。さらに、低温で半導体素子を搭載することが可能となる。
前記乾燥工程では、該乾燥工程後の接着剤層が、25℃でのタック力を0.05N以下とし、かつ80℃でのタック力を1N以上となるまで乾燥することが好ましい。前記乾燥工程後の接着剤層のタック力が前記範囲内であると、個片化後のピックアップ性と、低温で半導体素子を搭載することとのバランスに優れる。
このようなタック力は、例えばタック力測定機(RHESCA社製)を用いプローブ下降速度(Immersion Speed)30mm/min、テスト速度600mm/min、密着荷重(Preload)0.2N、密着保持時間(Press Time)1.0秒、プローブ5.1mmφ(SUS304)で評価することができる。
また、前記乾燥工程では、該乾燥工程後の接着剤層の揮発分が1重量%以下となるまで乾燥することが好ましく、特に0.5重量%以下となるまで乾燥することが好ましい。さらに好ましいのは0.1重量%以下となるまで乾燥することである。前記乾燥工程後の接着剤層の揮発分が前記範囲内であると、特にマウント後のボイドの発生を抑制することが可能となる。
また、前記乾燥工程では、前記乾燥工程後の接着剤層をGPCで測定して得られる分子量200以上の面積(A')、分子量200以上、5,000以下の面積(B')とし、液状接着剤4を塗布後、乾燥前にGPCで測定して得られる分子量200以上の面積(A)、分子量200以上、5,000以下の面積(B)としたとき、[(B'/A')/(B/A)]が、0.7以上となるように乾燥することが好ましく、特に0.8以上となるように乾燥することが好ましい。前記乾燥工程前後での接着剤層のGPCの面積比が前記範囲内であると、特に低温でのマウント性に優れる。
また、前記乾燥工程後の前記接着剤層の厚さは、特に限定されないが、5〜100μmが好ましく、より10〜60μmが好ましく、最も15〜50μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に生産性に優れる。
上述のような条件となるまで前記接着剤層を乾燥した後、例えば住友ベークライト社製、FSL−N4003等のダイシングシートを接着剤層に貼着し、ダイシングソーを用いて、半導体用ウエハを個片化する。個片化して得られた半導体素子を、ダイボンダーを用いて支持体(例えばリードフレームや有機基板等)に搭載する。
そして、ワイヤーボンディング工程、封止樹脂のモールド工程等を経て、最終的に半導体装置を得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
1.液状接着剤の調製
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、エポキシ当量210)65.9gと、フェノールアラルキル樹脂(軟化点75℃、水酸基当量175)54.9gと、アクリル系ポリマー(エチルアクリレート/アクリロニトリル/グリシジルアクリレート/N,N−ジメチルアクリルアミド=74/20/1/5の共重合体、分子量:49万、Tg:15℃)30.2gと、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)248gとを、セパラブルフラスコに配合し、120℃、1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.54gと、後述するリン系触媒0.36gとを添加し、室温で30分攪拌後、3μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Aを得た。
なお、リン系触媒は、次のようにして得た。攪拌装置付きのセパラプルフラスコに4,4’−ビスフェノールS(日華化学工業社製 BPS−N)37.5g(0.15モル)と、テトラフェニルホスホニウムプロマイド41.9g(0.1モル)と、イオン交換水100mlとを仕込み、100℃で攪拌した。さらに内部が不溶なまま、攪拌しながら水酸化ナトリウム4.0g(0.1モル)を予め、50mlのイオン交換水で溶解した溶液を添加した。しばらく攪拌を継続した後、白色沈殿を得た。沈殿を濾過、乾燥し、得られた白色結晶(68.5g)を触媒として用いた。
この液状樹脂組成物Aの粘度は、25℃、回転数2.5rpmでの粘度Aが4.9Pa・s、25℃、回転数0.5rpmでの粘度Bが5.0Pa・sであった(粘度比B/A=1.020)。
2.液状接着剤の塗布
図2に示す塗布装置100を用いて、液状樹脂組成物Aを半導体用ウエハ(6インチ)の直径140mmの範囲に、平均塗布量0.45cc/min、ウエハ回転速度25rpm、ノズル22の移動速度0.5mm/sec、ノズル22の先端と半導体用ウエハ12の表面との距離(ギャップ)100μmの条件で、ノズル22から線状に塗布した。塗布後のウェット状態での平均の膜厚hは66μm、表面のうねり波長λは1.2mmであり、外観は良好であった。次いで、120℃の乾燥機中で10分間加熱処理し、接着剤層を有する半導体用ウエハを得た。乾燥後の接着剤層の膜厚は、24〜28μm(膜厚バラツキ4μm)であった。接着剤層の25℃でのタック力0.04N、80℃でのタック力2.9Nであった。
3.半導体装置の製造
得られた接着剤層を有する半導体用ウエハ、ダイシングシート(住友ベークライト社製、FSL−N4003)を貼り付け、ダイシングソーを用いて個片化した。
次に、個片化した半導体用ウエハをダイボンダーに取り付けイジェクターピン高さ350μm(ダイシングフィルム下面を0)、ピックアップタイム500msの条件でピックアップしボンド加重2.9N、支持体加熱温度130℃、8秒(昇温時間を含む)の条件でPBGA基板(パッケージサイズ35×35mm、コア材:BT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂、ソルダーレジスト:PSR4000AUS308(太陽インキ製造社製)、厚み0.56mm)に搭載し150℃で60分間硬化した。その後、ビフェニルアラルキルエポキシを使用したエポキシ系封止樹脂(住友ベークライト社製 EME−G770)にて封止し175℃で4時間ポストモールド硬化を行って半導体装置を得た。
(実施例2)
液状接着剤として以下のものを用い、塗布条件を以下のようにした以外は実施例1と同様にした。
液状樹脂組成物Aに更にγ−ブチロラクトンを加えて、RC(固形分含有量)を24wt%に調製して、液状樹脂組成物Bを得た。この液状樹脂組成物Bの粘度は、25℃、回転数2.5rpmでの粘度Aが1.4Pa・s、25℃、回転数0.5rpmでの粘度Bが1.5Pa・sであった(粘度比B/A=1.071)。
図2に示す塗布装置100を用いて、液状樹脂組成物Bを半導体用ウエハ12(6インチ)の直径140mmの範囲に、平均塗布量0.683cc/min、ウエハ回転速度25rpm、ノズル22の移動速度0.5mm/sec、ノズル22の先端と半導体用ウエハ12表面との距離(ギャップ)150μmの条件で塗布した。塗布後のウェット状態での平均膜厚hは100μm、表面のうねり波長λは1.2mmであり、外観は良好であった。次いで、120℃の乾燥機中で10分間加熱処理した。乾燥後の膜厚は25〜30μm(膜厚バラツキ5μm)であった。接着剤層の25℃でのタック力0.04N、80℃でのタック力2.9Nであった。
(実施例3)
液状接着剤として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(軟化点52℃、エポキシ当量238)41.7gと、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点70℃、エポキシ当量210)27.8gと、フェノールアラルキル樹脂(分子量612、軟化点75℃、水酸基当量175)21.9gと、ポリヒドロキシスチレン(分子量2080、分散度1.26)21.9gと、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)86.0gとを、セパラブルフラスコに配合し、150℃、1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.51g、実施例1と同様のリン系触媒0.34gを添加し、室温で30分攪拌後、3μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Cを得た。この液状樹脂組成物Cの粘度は、25℃、回転数2.5rpmでの粘度Aが5.0Pa・s、25℃、回転数0.5rpmでの粘度Bが5.2Pa・sであった(粘度比B/A=1.040)。塗布後のウェット状態での平均の膜厚hは70μm、表面のうねり波長λは1.2mmであり、外観は良好であった。次いで、120℃の乾燥機中で10分間加熱処理し、接着剤層を有する半導体用ウエハを得た。乾燥後の接着剤層の膜厚は、42〜45μm(膜厚バラツキ3μm)であった。
また、得られた接着剤層の25℃でのタック力0.03N、80℃でのタック力3.2Nであった。
(比較例1)
液状接着剤を塗布する方法として、下記に記載のスピンコータを用いた以外は、実施例1と同様にした。
すなわち液状樹脂組成物Aを半導体用ウエハの中心に良好な塗布後の外観を得るために必要な最少量である3.5gを供給し、回転数1,800rpm、1分間処理することでスピンコートを行った。塗布後のウェット状態での平均の膜厚hは42μmであり、外観は良好であった。次いで、120℃の乾燥機中で10分間加熱処理し、接着剤層を有する半導体用ウエハを得た。乾燥後の接着剤層の膜厚は、26〜29μm(膜厚バラツキ3μm)であった。
各実施例および比較例で得られた半導体装置について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
1.液状接着剤のブリードの有無
前記半導体装置の製造時に接着剤層を有する半導体素子を搭載し、前記接着剤層を硬化後に光学顕微鏡にてPBGA基板のソルダーレジスト上へのブリードの発生具合を観察した。評価結果の各符号は、以下の通りである。
◎:ブリードが観察されなかった。
○:ブリードは観察されるが、最長のものが10μm以下であった。
△:ブリードは観察されるが、最長のものが10μmを超え、25μm以下であった。
×:ブリードが観察され、最長のものが25μmを超えた。
2.接着剤層の厚さの均一性
塗布面の中心部から半径方向に5mm間隔で塗布面を削り、ダブルスキャン高精度レーザ測定器((株)キーエンス製)の変位モードでウエハ表面と塗布面との各段差(膜厚)を測定して、膜厚のバラツキを評価した。評価結果の各符号は、以下の通りである。
◎:膜厚バラツキが、±1μm以内であった。
○:膜厚バラツキが、±1μmを超えるが、±3μm以内であった。
△:膜厚バラツキが、±3μmを超えるが、±5μm以内であった。
×:膜厚バラツキが、±5μmより大きかった。
3.半導体素子のピックアップ性
ピックアップ性は、前記半導体装置の製造時に前記条件でピックアップできた接着剤層を有する半導体素子の数で評価した。すなわち、接着剤層を有する半導体素子を10個ピックアップしたときに合格となった接着剤層を有する半導体素子の数により、評価した。各符合は、以下の通りである。なおピックアップ後に接着剤層を有する半導体素子を光学顕微鏡にて観察し、接着剤層とダイシングシートの間で剥離し接着剤層がダイシングシートに取られていないものを合格とした。
◎:10個中10個が合格であった。
○:10個中9個が合格で有り、他の1つが最初のピックアップでは取れなかったが、2度目にはピックアップ可能で、ピックアップされた接着剤層を有する半導体素子がすべて合格であった。
△:10個中8個が合格で有り、他の2つが最初のピックアップでは取れないか、1つが不合格であった。
×:上記以外であった。
4.生産性
液状樹脂組成物100ccで、何枚の半導体用ウエハ(6インチ)に接着剤層を形成できるかによって、生産性を評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:接着剤層を形成できた半導体用ウエハが、50枚以上であった。
○:接着剤層を形成できた半導体用ウエハが、40枚以上、50枚未満であった。
△:接着剤層を形成できた半導体用ウエハが、30枚以上、40枚未満であった。
×:接着剤層を形成できた半導体用ウエハが、30枚未満であった。
Figure 0005135993
表1から明らかなように、実施例1〜3では接着剤のブリード等が無く、半導体装置への汚染問題が解消されていた。
また、実施例1〜3は、生産性にも優れており、スピンコート法で課題となる原料の廃棄(ロス)の問題が解消されていた。
また、実施例2および3では、接着剤層の厚みの均一性にも特に優れていた。
また、実施例1〜3で得られた半導体装置を85℃、60%RHの条件で168時間吸湿処理し、260℃以上の時間が10秒となるように設定したIRリフロー処理を3回通した後、透過型の超音波探傷装置にて剥離の有無を確認した結果、剥離は観察されず良好な信頼性を示すことが確認された。
液状接着剤の塗布装置の一例を示す模式図である。 液状接着剤の塗布方法の一例を説明する模式図である。
符号の説明
1 テーブル
11 基台
12 半導体用ウエハ
2 ヘッド
21 ヘッド部
22 ノズル
3 支持柱
31 レール
32 箱体
4 液状接着剤
100 塗布装置

Claims (10)

  1. 半導体用ウエハに液状接着剤をノズルの吐出孔より吐出して塗布する方法であって、
    前記半導体用ウエハを回転させた状態で、前記半導体用ウエハの半径方向に前記ノズルを移動しつつ、前記ノズルの吐出孔より前記液状接着剤を線状に吐出して、該液状接着剤を前記半導体用ウエハの一方の面に、前記半導体用ウエハの中心部近傍での前記液状接着剤の塗布量が前記半導体用ウエハの外周部近傍の塗布量よりも少なくなるように塗布し、
    前記ノズルの移動速度は、前記半導体用ウエハが一回転する間に、前記ノズルの吐出孔から吐出された前記液状接着剤の幅分だけ移動する速度に設定されていることを特徴とする液状接着剤の塗布方法。
  2. 前記ノズルで前記液状接着剤を吐出する際に、前記半導体用ウエハを回転させた状態で、前記半導体用ウエハの半径方向に前記ノズルを移動しつつ、該ノズルから前記液状接着剤を吐出するものである請求項に記載の液状接着剤の塗布方法。
  3. 前記液状接着剤が、室温で固形のエポキシ樹脂(A)と溶剤(B)とを含む樹脂組成物で構成されているものである請求項に記載の液状接着剤の塗布方法。
  4. 前記液状接着剤をE型粘度計で25℃において測定した回転数2.5rpmでの粘度Aが、1Pa・s以上、40Pa・s以下である請求項に記載の液状接着剤の塗布方法。
  5. 前記液状接着剤をE型粘度計で25℃において測定した回転数0.5rpmでの粘度Bと、前記粘度Aとの比(粘度B/粘度A)が、1.0以上、1.5以下である請求項に記載の液状接着剤の塗布方法。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の液状接着剤の塗布方法を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記液状接着剤を塗布した後に、前記液状接着剤を乾燥させ、接着剤層を形成する乾燥工程を有しているものである請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記乾燥工程後の接着剤層が、25℃でのタック力を0.05N以下とし、かつ80℃でのタック力を1N以上となるものである請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記乾燥工程後の接着剤層の揮発分が1重量%以下である請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記乾燥工程後の接着剤層をGPCで測定して得られる分子量200以上の面積(A’)、分子量200以上、5,000以下の面積(B’)とし、
    前記液状接着剤を塗布後にGPCで測定して得られる分子量200以上の面積(A)、分子量200以上、5,000以下の面積(B)としたとき、
    [(B’/A’)/(B/A)]が、0.7以上である請求項に記載の半導体装置の製造方法。
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