JP5017982B2 - 注射器 - Google Patents
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Description
このような注射器として、筒状のバレルと、バレル内に移動可能に設けられてカヌラを保持する内ハブと、上記内ハブをバレルの後方に向けて付勢するばねとを備え、注射器の使用時にはばねの弾性力に抗して内ハブを前進位置に保持し、注射器の使用後にはこの保持状態を解除して、上記ばねの弾性力によって内ハブを後退させ、上記カヌラを内ハブごとバレル内に収納するものが知られている。(特許文献1〜5)
このような問題に鑑み、本発明は注射器の使用後にカヌラをバレル内に収納することができ、かつ安価な注射器を提供するものである。
上記係合部材は、把持部と、該把持部の先端に形成されて上記貫通孔に挿入される2本の係合ピンとを備え、上記被係合部を上記内ハブの外周面に形成されて上記2本の係合ピンが係合する凹部とし、
さらに上記内ハブの上記凹部の後方に、環状溝を形成するとともに該環状溝にリングシールを装着し、また内ハブの先端を上記外ハブの先端に形成したテーパ部と嵌合可能とし、
弾性部材の弾性力に抗して内ハブを前進させてカヌラの先端部を外ハブから突出させるとともに、上記係合部材の係合ピンを貫通孔に挿入して内ハブの凹部に係合させて該内ハブを前進位置に保持するとともに、上記リングシールによりバレルの後方に形成された薬液室と上記係合部材及び弾性部材の位置する空間とを区画し、かつ上記内ハブの先端を上記外ハブのテーパ部に嵌合させ、
使用後に上記プランジャを後退させた状態で上記係合ピンと上記凹部との係合を解除して、上記弾性部材の付勢力により内ハブを後退させて上記カヌラを内ハブごとバレル内に収納し、さらに上記プランジャを上記脆弱部の位置で破断させることを特徴としている。
また請求項2の発明は、筒状のバレルと、バレルの先端に設けられた筒状の外ハブと、外ハブ内に移動可能に設けられてカヌラを保持する内ハブと、上記外ハブと内ハブとの間に弾装されて内ハブをバレルの後方に向けて付勢する弾性部材と、外ハブの外周面から内周面に貫通する貫通孔と、該貫通孔に挿入されて上記内ハブに形成された被係合部に係合する係合部材と、上記バレル内を進退動するプランジャと、該プランジャの先端に連結されて上記バレルを気密を守った状態で進退動するガスケットと、上記プランジャにおける上記ガスケットの後方に形成した脆弱部とを備え、
上記被係合部を上記内ハブの外周面に対して縮径された凹部とし、上記係合部材は上記貫通孔に進退動可能に挿入された板状を有し、該係合部材には上記凹部と略同径の小径孔と、内ハブの外周面と略同径の大径孔とを隣接して穿設し、
さらに上記内ハブの上記凹部の後方に、環状溝を形成するとともに該環状溝にリングシールを装着し、また内ハブの先端を上記外ハブの先端に形成したテーパ部と嵌合可能とし、
弾性部材の弾性力に抗して内ハブを前進させてカヌラの先端部を外ハブから突出させるとともに、上記小径孔の中心と内ハブの中心軸とを一致させて小径孔と内ハブの凹部とを係合させて該内ハブを前進位置に保持するとともに、上記リングシールによりバレルの後方に形成された薬液室と上記係合部材及び弾性部材の位置する空間とを区画し、かつ上記内ハブの先端を上記外ハブのテーパ部に嵌合させ、
使用後に上記プランジャを後退させた状態で係合部材を移動させて上記大径孔の中心と内ハブの中心軸とを一致させると、上記弾性部材の付勢力により内ハブが大径孔を通過してバレル内部に後退して、上記カヌラを内ハブごとバレル内に収納し、さらに上記プランジャを上記脆弱部の位置で破断させることを特徴としている。
また、外ハブに形成された貫通孔に係合部材を挿入し、該係合部材を内ハブの被係合部とを係合させるという構成により、内ハブを前進位置に保持することができるので、構成が容易で安価な注射器を得ることができる。
上記注射器1は、血液や薬品などを貯溜する筒状のバレル2と、該バレル2内を進退動するプランジャ3と、該プランジャ3の先端に連結されて上記バレル2を気密を守った状態で進退動するガスケット4と、バレル2の先端に連結された筒状の外ハブ5と、外ハブ5内に移動可能に設けられてカヌラ6を保持する内ハブ7とから構成されている。
また上記外ハブ5と内ハブ7との間には内ハブ7をバレル2の後方に向けて付勢する弾性部材としてのばね8が弾装され、図1の使用状態においては、上記内ハブ7はばね8の付勢力に抗して外ハブ5に接近した前進位置に位置している。
上記内ハブ7を上記前進位置に保持するため、本実施例では上記外ハブ5に係合手段9を着脱自在に設けており、上記内ハブ7と係合手段9とを係合させることで、内ハブ7を前進位置に保持するようになっている。
そして注射器1の使用後に当該係合手段9を除去すると、内ハブ7はばね8の付勢力によって後退し、図2に示すように上記カヌラ6を内ハブ7ごとバレル2内に収納することができる。
上記薬液室2aの外周面には薬品や血液量を測定するための目盛が印刷され、上記結合部2bは上記内ハブ7を収容可能な径に製造されるとともに、先端に向けて縮径するテーパ形状を有している。
また薬液室2aの後端には医療従事者の指をかけるためのバレル側フランジ2cが形成され、薬液室2aの内周面後端には内周に向けて膨出部2dが形成されている。
上記各板状部材3aにおける上記押圧部3bの後方には、同じ位置に切欠き状の脆弱部3eが形成されており、この脆弱部3eを支点にプランジャ3全体を折り曲げると、該脆弱部3eの位置で板状部材3aが破断し、プランジャ3を脆弱部3eの位置で分離することが可能となっている。
上記押圧部3bは上記バレル2の薬液室2aの内径と略同径に製造されており、プランジャ3を後方に移動させると上記薬液室2aの膨出部2dに係合して、プランジャ3がバレル2より脱落するのが防止されるようになっている。
上記ガスケット4はゴムなどの樹脂製であって、後端部において上記プランジャ3の係合突起3cに係合すると共に、プランジャ3の進退動に伴って薬液室2aの気密を保持しながら進退動するようになっている。
上記収容部5aとテーパ部5cとの間には上記ばね8が弾接する段差状のばね受け部5dが形成され、また収容部5aの後端には後端側に向けて拡径するテーパ状のシール部5fが形成されている。
上記テーパ部5cは先端側に向けて縮径するテーパ形状を有しており、上記内ハブ7が前進位置に位置するときには、内ハブ7の先端とテーパ部5cとが嵌合し、液漏れ等を防止するようになっている。
内ハブ7の外周面には、上記外ハブ5の収容部5aの径と略同径の大径部7aと、該大径部7aよりも前方に形成されて上記ばね8が装着される小径部7bとから構成されている。
上記大径部7aと小径部7bとの間には上記ばね8の後端が弾接する段差状のばね受け部7cが形成され、上記外ハブ5に形成された上記ばね受け部5dとの間にばね8を弾装することで、内ハブ7が後方に付勢されるようになっている。
上記小径部7bの先端はテーパ状に加工されており、内ハブ7が前進位置に位置するときには上記外ハブ5のテーパ部5cに嵌合して、内ハブ7の前進を阻止すると共に、薬液等の漏出を防止するようになっている。
また上記大径部7aの後方には環状溝7dが形成されており、該環状溝7dにはシール部材としての樹脂製のリングシール10が装着されている。このリングシール10は、内ハブ7が前進位置に位置すると上記外ハブ5のシール部5fに弾性変形しながら相互に密着し、該リングシール10の前後の空間を気密を保った状態に区画するようになっている。
まず上記内ハブ7のばね受け部7cと環状溝7dとの間には、上記大径部7aよりも内周面側にむけて被係合部としての凹部7eが形成され、該凹部7eは上記内ハブ7の中心軸を挟むように2ヶ所に形成されている。
また上記外ハブ5には、内ハブ7が前進位置に位置したときの上記凹部7eの位置に、外周面から内周面にかけて貫通する2つの貫通孔5fが穿設されており、該貫通孔5fの幅と上記内ハブ7の凹部7eの形成された幅とは略同一となっている。
そして上記係合手段9は、医療従事者が把持する把持部9aと、把持部9aの先端に形成された係合部材としての2本の係合ピン9bとから構成され、上記係合ピン9bはそれぞれ上記外ハブ5の貫通孔5fに挿入されて、外ハブ5の内周面に突出するようになっている。
外ハブ5の内周面に突出した係合ピン9bは、それぞれ上記内ハブ7の凹部7eに係合し、その結果内ハブ7はばね8の付勢力に抗して前進位置に保持されることとなる。
一方、係合手段9を外ハブ5から除去して、上記係合ピン9bと凹部7eとの係合状態が解除されると、内ハブ7はばね8の付勢力により後退し、カヌラ6ごとバレル2内に収納されることとなる。
なお、本実施例では上記凹部7eを内ハブ7の中心軸を挟んだ両側に形成しているが、これを内ハブ7を囲繞するような環状溝とすることも可能であり、また凹部7eおよび貫通孔5fを内ハブ7および外ハブ5の片側にだけ設けて、上記係合ピン9bを1本とすることも可能である。
注射器1には、予め搬送中におけるカヌラ6の保護および上記係合手段9の脱落を防止するため、注射器1の先端には図示しないキャップが装着されており、使用時にはこのキャップを外すようになっている。
そして医療従事者は上記係合手段9が装着された状態を維持したまま、注射器1を使用する。このときの注射器1の操作は従来公知の注射器1と何ら変わることはなく、医療従事者が特別な操作を行う必要はない。
この注射器1の使用時において、上記内ハブ7に装着されたリングシール10は、リングシール10の後部に位置するバレル2の薬液室2aと、係合手段9およびばね8の位置する空間とを気密を保った状態で区画している。
このため、薬液や血液がばね8に触れて変質するのを防止することができ、また外ハブ5に形成された貫通孔5fより薬液や血液が漏出するのを防止することができる。
最初に、医療従事者はプランジャ3を後退させて上記プランジャ3の押圧部3bとバレル2の膨出部2dとを係合させ、上記脆弱部3eを支点にプランジャ3を折り曲げて、プランジャ3を脆弱部3eの位置で分離する。
これによりバレル2内のプランジャ3が前進してカヌラ6がバレル2より飛び出してしまうのを防止することができ、また分離したプランジャ3を医療用廃棄物としてでなく、通常の廃棄物として廃棄することができる。
次に、医療従事者は上記係合手段9を外ハブ5から離脱させる。その結果、係合手段9の係合ピン9bと内ハブ7の凹部7eとの係合状態が解除されるので、内ハブ7はばね8の付勢力によって後退し、内ハブ7ごとカヌラ6がバレル2内に収納される。
ここで図2に示すように、上記ばね8の自然長はバレル2内に収納されたカヌラ6の先端よりも先端側に突出するように設定されている。
このため、カヌラ6がバレル2内に収納された後は、ばね8の付勢力により内ハブ7が後方に付勢された状態が維持されるので、カヌラ6が外ハブ5より突出することはなく、誤穿刺等の事故を防止することができる。
なお、上記係合手段9を離脱させてカヌラ6がバレル2内に収納されてから、プランジャ3を脆弱部3eの位置で分離するようにしても良い。
また、上記バレル2の結合部2bの形状と、外ハブ5の連結部5bとの形状が一致すれば、容量の異なるバレル2にも装着することができ、多種の注射器1として利用することができる。
この第2実施例の注射器101は、上記第1実施例の注射器1に比べ、内ハブ107を前進位置に保持する機構が異なるだけであるので、同様の形状を有している個所については説明を省略し、また図において共通する部材には第1実施例で使用した符号に100を加算した符号を付すものとする。
図5は本実施例の注射器101の先端側の拡大断面図であり、外ハブ105には軸方向に対して直交方向に貫通する貫通孔105fが穿設され、該貫通孔105fには進退動可能に板状の係合部材109が挿入されている。
また本実施例の内ハブ107のばね受け部107cと環状溝107dとの中間には、大径部107aよりも縮径された被係合部としての凹部107eが環状に形成されている。
なお、本実施例においても、上記第1実施例の凹部7eと同様、上記凹部107eを内ハブ107の中心軸を挟むような位置に形成してもよい。
上記係合部材109には、上記内ハブ107の凹部107eと略同径の小径孔109aと、内ハブ107の大径部107aと略同径の大径孔109bとが穿設されており、これら小径孔109aおよび大径孔109bは係合部材109の長手方向に隣接して設けられるとともに、小径孔109aの径と同一幅のガイド溝109cによって相互に連続するようになっている。
そして上記小径孔109aの中心と内ハブ107の中心軸とを一致させると、小径孔109aと内ハブ107の凹部107eとが係合するため、上記内ハブ107はばね108の付勢力に抗して前進位置に保持されるようになっている。
なお、本実施例では凹部107eと上記ガイド溝109cは略同一幅となっているので、ガイド溝109cによっても内ハブ107を前進位置に保持することができるようになっている。
一方、使用後に係合部材109を貫通孔105fに沿って移動させると、上記大径孔109bの中心と内ハブ107の中心軸とが一致し、これにより係合部材109と凹部107eとの係合状態が解除されるので、内ハブ107はばね108の付勢力により大径孔109bを通過してバレル102の内部に後退することとなる。
また注射器101の使用後には、係合部材109を外ハブ105の貫通孔105fに沿って移動させることで、係合部材109と内ハブ107との係合状態が解除されるので、内ハブ107ごとカヌラ106をバレル102内に収納することができる。
この場合においても、上記ばね108の自然長がバレル2内に収納されたカヌラ6の先端よりも先端側に突出するように設定することで、カヌラ6がバレル2内に収納された後は、ばね108の弾性力によりカヌラ6が外部に突出するのを防止することができる。
そしてこのような第2実施例の注射器101においても、上記第1実施例の注射器1と同様の効果を得ることができる。
つまり、外ハブ105に貫通孔105fを形成して該貫通孔105fに係合部材109を進退動可能に挿入し、該係合部材109の小径孔109aと内ハブ107の凹部107eとを係合させるだけで内ハブ107を前進位置に保持できるので、構成が容易であり安価に注射器101を得ることができる。
また上記バレル102の先端形状と、外ハブ105の連結部105bとの形状が一致すれば、薬液室102aの容量等の異なるバレル102を使用することができ、多種の注射器101として利用することが可能である。
3、103 プランジャ 4、104 ガスケット
5、105 外ハブ 5f、105f 貫通孔
7、107 内ハブ 7e、107e 凹部
8、108 ばね 9 係合手段
9b 係合ピン 10、110 リングシール
109 係合部材 109a 小径孔
109b 大径孔
Claims (2)
- 筒状のバレルと、バレルの先端に設けられた筒状の外ハブと、外ハブ内に移動可能に設けられてカヌラを保持する内ハブと、上記外ハブと内ハブとの間に弾装されて内ハブをバレルの後方に向けて付勢する弾性部材と、外ハブの外周面から内周面に貫通する貫通孔と、該貫通孔に挿入されて上記内ハブに形成された被係合部に係合する係合部材と、上記バレル内を進退動するプランジャと、該プランジャの先端に連結されて上記バレルを気密を守った状態で進退動するガスケットと、上記プランジャにおける上記ガスケットの後方に形成した脆弱部とを備え、
上記係合部材は、把持部と、該把持部の先端に形成されて上記貫通孔に挿入される2本の係合ピンとを備え、上記被係合部を上記内ハブの外周面に形成されて上記2本の係合ピンが係合する凹部とし、
さらに上記内ハブの上記凹部の後方に、環状溝を形成するとともに該環状溝にリングシールを装着し、また内ハブの先端を上記外ハブの先端に形成したテーパ部と嵌合可能とし、
弾性部材の弾性力に抗して内ハブを前進させてカヌラの先端部を外ハブから突出させるとともに、上記係合部材の係合ピンを貫通孔に挿入して内ハブの凹部に係合させて該内ハブを前進位置に保持するとともに、上記リングシールによりバレルの後方に形成された薬液室と上記係合部材及び弾性部材の位置する空間とを区画し、かつ上記内ハブの先端を上記外ハブのテーパ部に嵌合させ、
使用後に上記プランジャを後退させた状態で上記係合ピンと上記凹部との係合を解除して、上記弾性部材の付勢力により内ハブを後退させて上記カヌラを内ハブごとバレル内に収納し、さらに上記プランジャを上記脆弱部の位置で破断させることを特徴とする注射器。 - 筒状のバレルと、バレルの先端に設けられた筒状の外ハブと、外ハブ内に移動可能に設けられてカヌラを保持する内ハブと、上記外ハブと内ハブとの間に弾装されて内ハブをバレルの後方に向けて付勢する弾性部材と、外ハブの外周面から内周面に貫通する貫通孔と、該貫通孔に挿入されて上記内ハブに形成された被係合部に係合する係合部材と、上記バレル内を進退動するプランジャと、該プランジャの先端に連結されて上記バレルを気密を守った状態で進退動するガスケットと、上記プランジャにおける上記ガスケットの後方に形成した脆弱部とを備え、
上記被係合部を上記内ハブの外周面に対して縮径された凹部とし、上記係合部材は上記貫通孔に進退動可能に挿入された板状を有し、該係合部材には上記凹部と略同径の小径孔と、内ハブの外周面と略同径の大径孔とを隣接して穿設し、
さらに上記内ハブの上記凹部の後方に、環状溝を形成するとともに該環状溝にリングシールを装着し、また内ハブの先端を上記外ハブの先端に形成したテーパ部と嵌合可能とし、
弾性部材の弾性力に抗して内ハブを前進させてカヌラの先端部を外ハブから突出させるとともに、上記小径孔の中心と内ハブの中心軸とを一致させて小径孔と内ハブの凹部とを係合させて該内ハブを前進位置に保持するとともに、上記リングシールによりバレルの後方に形成された薬液室と上記係合部材及び弾性部材の位置する空間とを区画し、かつ上記内ハブの先端を上記外ハブのテーパ部に嵌合させ、
使用後に上記プランジャを後退させた状態で係合部材を移動させて上記大径孔の中心と内ハブの中心軸とを一致させると、上記弾性部材の付勢力により内ハブが大径孔を通過してバレル内部に後退して、上記カヌラを内ハブごとバレル内に収納し、さらに上記プランジャを上記脆弱部の位置で破断させることを特徴とする注射器。
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