JPH11342200A - 使い捨て式注射器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 その構造が非常に単純でしかも安全な引退手
段を使用することによってニードルの引退を可能にする
使い捨て式注射器構造を提供すること。 【解決手段】 注射針４をバレル部材１１に接続し、こ
のバレル部材１１に、ピストン部分５と、注射器の筒状
本体２の先端部分の端部片３に対して接続可能な接当脚
部１５を設け、この接当脚部１５がピストン部分５に対
し接続された際に、注射針４が注射器の筒状本体２に収
納可能であるように構成し、端部片３に接当脚部１５に
対し接当するための接当部１０を設け、端部片３に対し
て固定するための構造、バレル部材１１を硬固に接続す
るためのカラー２０を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ニードルの再便用
を防止するために、格納可能なニードルを備えた使い捨
て式注射器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の使い捨て式注射器の周知の問題
は、これらの注射器は容易に再使用可能であって、これ
によって、ニードルによってその注射器の使用者が不意
に傷つけられるということにある。

【０００３】上述の問題を解決するために、従来は通
常、注射器のニ−ドルを注射器本体内に回収するための
弾性手段を設けることが提案されている。しかし、この
ような注射器に於いては、比較的にコスト高であること
に加えて、更に、注射を行う際に弾性手段の付勢力に抗
して力を加える必要があるため、通常の方法とは異なっ
た方法で注射器を使用しなければならないという問題が
あった。

【０００４】現在市販されている別のタイプの注射器に
於いては、ニードル引退用のバネを設ける代わりに、注
射器ニードルを注射器本体に接続するための非常に接続
力の弱い接続手段が設けられているが、この場合、注射
中に於いてニードルをその使用位置に安全確実に位置固
定することができないという問題がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ニードルの再使用を防止するために格納可能ニード
ルを備えたタイプの使い捨て式注射器であって、ニード
ル引退用のバネを使用せずにニードルを注射器本体内に
引退させることが可能であって、かつ、注射時に於いて
ニードルをその使用位置に確実に固定することが可能な
ものを提供することによって、上述した従来の欠点を解
決することにある。

【０００６】上記目的の範囲内に於いて、本発明の第１
の課題は、その構造が非常に単純でしかも安全な引退手
段を使用することによってニードルの引退を可能にする
使い捨て式注射器構造を提供することにある。

【０００７】本発明の第２の課題は、構造的に信頼性が
高くしかも安全な使い捨て式注射器を提供することにあ
る。

【０００８】本発明の第３の課題は、そのような使い捨
て式注射器を、人手が容易な部品および材料から容易に
製造可能で、かつ、経済的に競争力の高いものとして提
供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明による使い捨て式
注射器は、一端部に、ニードル接続用の端部片が設けら
れると共に、他方の端部がプランジャ−ピストンアセン
ブリを受け入れるべく開口されている筒状本体を備えて
おり、前記ニードルはバレル部材に接続され、前記バレ
ル部材に、前記プランジャーピストンアセンブリと、前
記端部片に対して接続可能の接当脚部が設けられ、前記
接当脚部が前記プランジャーピストンアセンブリに対し
接続された際に、前記ニードルが前記筒状本体内に収納
可能であり、前記端部片に、前記接当脚部に対し接当す
るための接当部が設けられ、前記端部片に対して固定す
るための固定手段と、前記バレル部材を硬固に接続する
ための硬接続手段とを備えるカラーが設けられているこ
とを特徴とする。

【００１０】この様な構成により、ニードルの再使用を
防止するために格納可能ニードルを備えたタイプの使い
捨て式注射器において、接当脚部を前記プランジャーピ
ストンアセンブリに対し接続し、ピストンを引くのみで
前記ニードルが前記筒状本体内に収納可能となり、ニー
ドル引退用のバネを使用せずにニードルを注射器本体内
に引退させることが可能となる。

【００１１】更に、本発明の使い捨て式注射器の構造が
非常に単純でしかも安全な引退手段を使用することによ
ってニードルの引退が可能となる。

【００１２】本発明の好適実施形態において、前記接当
脚部は、ー対の対向する弾性脚として構成され、これら
の弾性脚は、前記ニードルの不意の引退を防止するべ
く、前記当接部と係合可能な当接歯部材を有する様に構
成することが望ましい。この構造により注討時に於いて
ニードルをその使用位置に確実に固定することが可能と
なる。

【００１３】また、好適実施形態において、前記バレル
部材は、そのニードルに隣接する部分に、前記カラ−に
形成された筒状座と硬固に係合可能な筒状本体部を形成
する筒状本体を備えることが望ましい。この筒状本体
と、筒状座との係止により簡単な構造でありながら、バ
レル部材とカラーの連結を行うことが出来る構造が提供
できる。

【００１４】更に、本発明の好適実施形態において、前
記固定手段が、前記端部片の外面に対して連結するため
に、前記カラーの内面に形成されるとともに前記端部片
の外面に形成された対応の環状歯部材とスナップ係合可
能な環状リムを備える様構成することが好ましい。この
様なスナップ係合による連結を行う構造により、必要で
あれば、カラーに連結された注射針を、ある程度の力を
用いて、引き抜くことが出来るように構成することが可
能である。

【００１５】更に、好適実施形態において、前記接当脚
部は、その白由端部に形成されたテーパ部と、前記白由
端とは反対側に位置する接当歯部材と、前記テーパ部と
前記接当歯部材の間に形成された切り欠き部を有し、前
記テーパ部は、前記プランジャーピストンアセンブリの
プランジャー部に形成された固定カラーと係合した時
に、前記接当脚部を弾性収縮させるように構成され、前
記固定カラーは、前記バレル部材の前記切り欠き部に係
合可能な環状固定歯部材を備えていることが望ましい。
この様な構造により、プランジャー部の固定カラーと係
合する際に、固定カラーと最初に接当し、接当脚部を弾
性収縮させるテーパ部と、固定カラーの環状固定歯部材
と係合する切り欠き部と、更に、接当歯部材を有する構
造が非常に効率よく形成することができる。

【００１６】更に、前記切り欠き部の内の一つは、前記
ニードルを前記筒状本体内に引退させる時に、前記ニー
ドルが傾斜姿勢をとることを容易にするように構成され
た湾曲底部を備えていることが望ましい。この様な構造
にすることにより、簡単な構造で、ニードルを筒状本体
内に引退後、傾斜姿勢にさせることができ、結果とし
て、ニードルが再度、筒状本体より突出してしまう可能
性を低くすることが出来る。

【００１７】また、好適実施形態において、前記筒状本
体は、その開放側に、ピストンの離脱を防止するための
縮径部を有することが望ましい。この特徴により、特
に、注射器の使用後、プランジャーピストンアセンブリ
にニードルが連結された状態で、プランジャ−ピストン
アセンブリ、或いはその一部がニードルと共に注射器の
筒状本体より出てしまう可能性を低くすることが出来
る。

【００１８】更に、前記プランジャーピストンアセンブ
リのピストンは、ピストン折断用ノッチを有しているこ
とが望ましい。このノッチとは、ピストン部分の途中に
設けられ、ピストン部分を折り曲げて切断することを容
易にする構造であり、この様な構造により、ピストンの
筒状本体より突出する部分を少なくし、ニードルが筒状
本体の開口より出てしまう可能性を少なくするものであ
る。

【００１９】本発明のその他の作用効果は、以下に説明
される発明の実施の形態及び、特許請求の範囲及び図面
における開示より、当業者にとって容易に推測が出来る
ものである。

【００２０】

【発明の実施の形態】次に図を参照して本発明による使
い捨て注射器に関する説明を行う。

【００２１】その全体を参照番号１（図２）によって示
す本発明に依る使い捨て注射器は、その一端部に、注射
器ニードル４を接続可能な端部片３を形成する筒状本体
２を有する。

【００２２】前記注射器の筒状本体２内には、ピストン
５が挿入可能であって、このピストン５には、シーリン
グ用ガスケットで成るプランジャー部６が設けられてい
る。このプランジャー部６とピストン５は、プランジャ
ーピストンアセンブリの少なくとも一部を構成してい
る。本発明の第ｌの特徴構成によれば、図２，３，４，
６で示される通り、前記端部片３は、内側接当部１０を
形成し、これは、前記ニードル４の後方端部に接続され
たバレル部材ｌ１に対して接当し、係合する。この内側
接当部ｌ０は図３で示される通り、前記端部片３の内面
において、他の部分より径方向内側に突出したリング状
接当部として形成されている。

【００２３】更に詳しく説明すると、図３で示される通
り、前記バレル部材１１は、その―端部が前記ニードル
４に接続された円筒状のバレル部材本体ｌ２を備え、こ
のバレル部材本体１２は、その他端部に、離間拡張可能
で、がつ、そのそれぞれの自由端部にテーパ部１６を形
成する接当脚部ｌ５を備えている。前記テーパ部１６
は、径方向外側に向いて開口する切り欠き部１７を形成
し、この切り欠き部ｌ７の他端部には、前述したように
前記接当脚部１５が離間拡張された時に、前記接当部ｌ
０と共に係合して、これによって注射器ニードルの使用
時に於ける不意の引退を防止する接当歯部材１８が形成
されている。

【００２４】前記切り欠き部１７の内の一つ１７ａは、
ニードルが注射器本体内に引退される時に、このニード
ルを傾斜姿勢にすることを許容するべく曲線形状に形成
されている。

【００２５】図４に示されるように、内側接当部１０は
端部片３の内壁面となす角度θが、θ＝９０゜±１０゜
に設定することにより所望の係合力を達成することがで
きる。

【００２６】前記ニードル４を注射器に接続するため
に、カラー２０が設けられ、このカラー２０は、ニード
ルの離脱を規制するべく前記端部片３の外側部分に形成
されたリム２２（図ｌ）にスナップ係合するように構成
された内側環状係合縁部２１を備えている。内側環状係
合縁部２ｌのように、前記カラー２０を、前記端部片３
に対して設定の強さで係合させるための手段を固定手段
と呼ぶが、この固定手段は、必ずしもスナップ係合用の
内側環状係合縁部２ｌでなくともよく、単に、カラー２
０の内面を前記端部片３に対して摩擦係合させることに
より構成してもよい。

【００２７】更に、前記カラー２０には、そのニ−ドル
４用の接続端部に於いて、前記バレル部材１１の筒状本
体１２に強固に接続可能で、これによってその完全な封
止を提供する筒状部２５が設けられている。更に詳しく
説明すると、バレル部材１１のニードル４に近傍する部
分は、カラー２０の筒状部２５として形成された筒状座
に対してしっかりと固定される筒状をしており、バレル
部材ｌ１の部分と、この筒状座が摩擦係合することで強
固な接続が可能となっている。

【００２８】先ほど説明した内側接当部１０の設定角度
θの大きさと相俟って、バレル部材１１が取り付けられ
る係合力（注射作業を行うときにバレル部材１１が不用
意に端部片３から飛び出したりしないようにするための
取付強度は２０〜９０Ｎになるように設定される。

【００２９】前記プランジャー部６内には、前記接当歯
部材１８を前記接当部１０から外し、かつ、前記バレル
部材１１を前記端部片３から外すための固定部材 (固定
カラー) ３０が設けられている。この固定部材３０に
は、前記接続用歯部材３１が形成されており、この接続
用歯部材３１が、前記テーパ部１６によって前記接頭脚
部１５の切り欠き部１７と係合し、前記接頭脚部１５が
径方向に収縮されて前記接当歯部材１８が前記接当部１
０から外される。

【００３０】前記筒状本体２の内部の、その開口側に
は、ピストン５の離脱を防止するための縮径部４０が設
けられている。更に、前記ピストン５には、このピスト
ンのその突出位置における折断を容易にするための複数
のノッチ４２が形成されている。即ち、注射器の使用時
においては、図２に示すように、ピストン５を従来どお
りの要領によって押し込んで注射器内に収納されている
薬剤を注射する。そして、この注射作業の終了時に、プ
ランジャー側の前記固定カラ一３０が、前記テーパ部ｌ
６を介して、弾性の接当脚部ｌ５と係合し、これによっ
て、これら弾性接当脚部ｌ５が径方向に収縮し、その結
果、前記接当部ｌ０が脱難し、更に、前記係合用歯部材
３ｌが設けられていることにより、前記カラー３０内で
これらの接当脚部１５が固定される。

【００３１】次に、図７に示される通り、ビストン５を
後ろ方向に操作すると、ニードル４が、そのバレル部材
ｌ１と共に、前記筒状本体２内に格納される。そして、
このニードル４は、完全に引退された状態に於いて、前
記切り欠き部ｌ７ａが切り欠き部ｌ０と異なる把持作用
を提供することから、図８の破線で示される通り、傾斜
姿勢とされるのである。従って、更にピストンを押して
も、ニードルが外れることがない。

【００３２】更に、図８に示すように、ピストン５を折
断することによって、この注射器の再使用を完全に防止
することができる。この状態に於いて、ニードルは筒状
本体内に於いて完全に格納された状態、即ち、完全に安
全な状態にある。

【００３３】本発明の範囲内に於いて、その他様々な改
変、改良が可能であり、更に、上述した詳細構成は、そ
の技術的均等物によって置換することが可能である。

【００３４】本発明を実施するに当たって、使用される
材料、寸法および形状は、意図される利用方法に適した
ものである限り、必要に応じてどのようなものであって
もよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に依る注射器の分解略図

【図２】本発明による前記注射器の第１操作工程を示す
略図

【図３】図２の位置に於いて、前記注射器のバレル部材
とプランジャ−との詳細を拡大して示す断面図

【図４】内側接当部の部分を拡大して示す断面図

【図５】ブランジャ−とバレル部材の脚とを接続する操
作工程中の前記注射器を示す略断面図

【図６】図５の操作位置での拡大断面図

【図７】ニードルが引退された状態を示す断面図

【図８】ニードルが完全に引退されるとともに、ピスト
ンを折断した状態の前記注射器を示す断面図

【符号の説明】

１ 注射器 ２ 筒状本体 ３ 端部片 ４ 注射器ニ−ドル ５ ピストン ６ プランジャー部 １０ 接当部 １１ バレル部材 １５ 脚部 １７ 切り欠き部 ２０ カラ− ３０ 固定部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598044431 ＶＩＡ ＣＯＬＬＥＯＮＩ， ５， 20041 ＡＧＲＡＴＥ ＢＲＩＡＮＺＡ （ＭＩＬＡＮＯ）， ＩＴＡＬＹ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端部に、ニードル接続用の端部片が設
   けられると共に、他方の端部がプランジャ−ピストンア
   センブリを受け入れるべく開口されている筒状本体を備
   えた使い捨て式注射器であって、 前記ニードルはバレル部材に接続され、 前記バレル部材に、前記プランジャーピストンアセンブ
   リと、前記端部片に対して接続可能の接当脚部が設けら
   れ、前記接当脚部が前記プランジャーピストンアセンブ
   リに対し接続された際に、前記ニードルが前記筒状本体
   内に収納可能であり、 前記端部片に、前記接当脚部に対し接当するための接当
   部が設けられ、 前記端部片に対して固定するための固定手段と、前記バ
   レル部材を硬固に接続するための硬接続手段とを備える
   カラーが設けられていることを特徴とする使い捨て式注
   射器。
2. 【請求項２】 前記接当脚部は、一対の対向する弾性脚
   として構成され、これらの弾性脚は、前記ニードルの不
   意の引退を防止するべく、前記当接部と係合可能な当接
   歯部材を有する請求項ｌに記載の使い捨て式注射器。
3. 【請求項３】 前記バレル部材は、そのニードルに隣接
   する部分に、前記カラーに形成された筒状座と硬固に係
   合可能な筒状本体部を形成する筒状本体を有する請求項
   １又は２に記載の使い捨て式注射器。
4. 【請求項４】 前記固定手段は、前記端部片の外面に対
   して連結するために、前記カラーの内面に形成されると
   ともに前記端部片の外面に形成された対応の環状歯部材
   とスナップ係合可能な環状リムを有する請求項１から３
   のいずれかに記載の使い捨て式注射器。
5. 【請求項５】 前記接当脚部は、その自由端部に形成さ
   れたテーパ部と、前記自由端とは反対側に位置する接当
   歯部材と、前記テーパ部と前記接当歯部材の間に形成さ
   れた切り欠き部を有し、前記テーパ部は、前記プランジ
   ャーピストンアセンブリのプランジャー部に形成された
   固定カラーと係合した時に、前記接当脚部を弾性収縮さ
   せるように構成されている請求項ｌ、３、４のいずれか
   に記載の使い捨て式注射器。
6. 【請求項６】 前記固定カラーは、前記バレル部材の前
   記切り欠き部に係合可能な環状固定歯部材を備えている
   請求項５に記載の使い捨て式注射器。
7. 【請求項７】 前記切り欠き部の内の一つは、前記ニー
   ドルを前記筒状本体内に引退させる時に、前記ニードル
   が傾斜姿勢をとることを容易にするように構成された湾
   曲底部を備えている請求項５と６のいずれかに記載の使
   い捨て式注射器。
8. 【請求項８】 前記筒状本体は、その開放側に、ピスト
   ンの離脱を防止するための縮径部を有している請求項１
   から７のいずれかに記載の使い捨て式注射器
9. 【請求項９】 前記プランジャーピストンアセンブリの
   ピストンは、ピストン折断用ノッチを有している請求項
   １から８のいずれかに記載の使い捨て式注射器。