JP5017091B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば空気、窒素等の気体を圧縮する圧縮機等に好適に用いられるスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械としては、例えば電動モータ等の駆動源によって旋回スクロールを固定スクロールに対して旋回駆動することにより、空気等の流体を圧縮するようにしたスクロール式圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−147024号公報
この種の従来技術によるスクロール式圧縮機では、例えば固定スクロールと旋回スクロールのラップ部が鏡板の内径側から外径側に向けて渦巻状に巻回され、その歯先面には、ラップ部の長さ方向に沿って延びる渦巻状のシール溝が開口して設けられている。そして、これらのシール溝内には、各圧縮室の気密性を確保するために所謂チップシールと呼ばれるシール部材が装着されている。
ここで、ラップ部のシール溝内に装着されたシール部材は、圧縮運転時に圧縮室内に発生した圧縮流体の圧力によって前記シール溝内から浮上し、相手方の鏡板(歯底面)に面接触するように摺接することにより、ラップ部の歯先と相手方の鏡板との間を気密にシールするものである。
ところで、上述した従来技術によるスクロール式圧縮機は、例えば空気タンク内に圧縮空気を供給する空気圧縮機として用いる場合に、上限圧力と下限圧力とを予め設定し、圧縮機の運転開始後に圧縮空気の圧力が上限圧力に達すると、運転を停止する。そして、圧縮空気の圧力が下限圧力(再起動圧)まで低下すると、圧縮運転を再開するようにして所謂圧力制御が行われている。
しかし、外部の空気圧機器等で圧縮空気の使用量が多い条件下では、空気タンク内の圧力が長い時間にわたり上限圧力に達しないことがある。そして、このような使用条件下において、例えばラップ部のシール溝内に装着されたシール部材が相手方の鏡板(歯底面)に不均一な片当たり状態になると、圧縮機の連続運転によりシール部材が偏摩耗してしまう原因となる。
また、圧縮運転時にシール部材が相手方の歯底面に摺接できずに、相手方の歯底面とラップ部との間から圧縮空気が漏洩するような状態が続くと、圧縮空気の吐出量が減少して圧縮効率の低下を引き起こすと共に、連続運転時間が長くなってしまう原因となる。しかも、相手方の歯底面とシール部材との間を圧縮空気が流通(漏洩)し、下流側の圧縮室に圧縮空気が流通して再圧縮するため、シール部材の周囲温度が上昇し、シール部材の熱変形や異常摩耗、さらにはスクロール部材の異常変形等を起こし易くなるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、連続運転時間を予め決められた設定時間内に制限することにより、シール部材の摩耗、熱変形等を抑え、耐久性や寿命、圧縮効率を向上することができるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された第1のスクロール部材と、該第1のスクロール部材に対向して設けられ鏡板に該第1のスクロール部材のラップ部と重なり合う渦巻状のラップ部が立設された第2のスクロール部材と、該第1,第2のスクロール部材のうち少なくとも一方のラップ部に設けられ当該ラップ部の歯先に沿って延びるシール溝と、該シール溝内に装着され相手方の鏡板に摺接するシール部材と、前記第1,第2のスクロール部材のうち少なくとも一方のスクロール部材を駆動する駆動源と、該駆動源の起動、停止を制御する運転制御手段とからなるスクロール式流体機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記運転制御手段は、前記駆動源により前記スクロール部材を駆動したときの連続運転時間を計測する計時手段を備え、該計時手段により計測した連続運転時間が前記シール部材の摩耗または熱変形が抑えられるように予め決められた設定時間に達すると、前記駆動源の運転を一時的に停止させる構成としたことにある。
また、請求項2の発明によると、前記運転制御手段は、前記駆動源の運転停止後に予め決められた待機時間が経過し、かつ前記スクロール式流体機械の吐出側圧力が再起動圧以下となったときに前記駆動源の運転を再開する構成としている。
上述の如く、請求項1の発明によれば、駆動源によりスクロール部材を駆動する連続運転時間を計時手段で計測するので、例えばシール部材の耐久性等によって予め決められる設定時間に、スクロールの連続運転時間が達するようなときには、前記駆動源の運転を停止させることができ、シール部材の摩耗、損傷を未然に防ぐことができる。従って、シール部材の摩耗、熱変形等を長期にわたって抑えることができ、製品としての耐久性、寿命、圧縮効率を向上することができる。
また、請求項2の発明は、予め決められた待機時間が経過するまで駆動源を停止し続けるので、例えば圧縮室内の圧力(残圧)が低下するのに必要な待機時間を確保することができ、その後にスクロール式流体機械の吐出側圧力が再起動圧以下となったと判断したときに駆動源の運転を再開し、例えば圧縮運転等を円滑に続行することができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械を、例えばスクロール式空気圧縮機に適用した場合を例に挙げ、図1ないし図9に従って詳細に説明する。
図中、1はスクロール式空気圧縮機の筐体で、該筐体1内には、後述の貯留タンク2、電動モータ5、圧力センサ6、コントローラ7および圧縮機本体11等が配置されている。
2は圧縮空気を貯留する貯留タンクを示し、該貯留タンク2は、後述する圧縮機本体11の吐出側に所謂逆止弁からなる吐出弁3等を介して接続され、圧縮機本体11で発生した圧縮空気を一時的に貯留する。そして、吐出弁3は、圧縮機本体11から貯留タンク2に向けて圧縮空気が吐出されるのを許し、貯留タンク2内の圧縮空気が圧縮機本体11に向けて逆流するのを阻止する。
また、貯留タンク2内の圧縮空気は、供給配管4側から外部の空気圧機器(図示せず)等に供給されるものである。そして、この場合の空気圧機器としては、例えばエアシリンダ、エアモータ等の空気圧式アクチュエータに限らず、例えば窒素発生装置の気体分離槽に圧縮空気を供給する場合も含まれるものである。
5は圧縮機本体11の駆動源となる電動モータで、該電動モータ5は、後述するコントローラ7からの制御信号に従って起動、停止される、そして、電動モータ5は、後述の回転軸23(図2参照)を回転駆動することにより、旋回スクロール18を旋回駆動するものである。
6は圧縮空気の圧力を検出する圧力センサで、該圧力センサ6は、圧縮機本体11から吐出された圧縮空気の圧力を、貯留タンク2内の圧力P(図3参照)として検出し、その検出信号を後述のコントローラ7に出力するものである。
7は電動モータ5の起動、停止を制御する運転制御手段としてのコントローラで、該コントローラ7は、例えばマイクロコンピュータ等により構成され、その入力側が圧力センサ6等に接続されている。また、コントローラ7は、その出力側が電動モータ5等に接続され、後述の図3に示すプログラム等に沿って電動モータ5の運転制御を行うものである。
ここで、コントローラ7は、例えばROM,RAM等からなる記憶部7Aと、後述の連続運転時間等を計測する計時手段としてのタイマ7Bとを有している。そして、記憶部7Aには、電動モータ5の運転制御を行うための制御処理用プログラム(図3参照)が格納されると共に、圧縮空気の下限圧力P1 、上限圧力P2 、後述の設定時間Tsおよび待機時間Tw等が格納されている。
この場合、下限圧力P1 (図8参照)とは、例えば貯留タンク2内の圧力Pがこれ以上に低下したときに、圧縮機本体11を起動して圧縮運転を開始させるための基準圧力(再起動圧)を示している。また、上限圧力P2 とは、貯留タンク2内の圧力Pがこれ以上に上昇すると過剰圧力になるので、圧縮運転を停止すべきであると判断される圧力値を示している。
また、設定時間Tsは、後述するチップシール30の耐久性を考慮して試験データ等に基づいて、チップシール30の摩耗または熱変形が抑えられるように決められる時間であり、圧縮機本体11の連続運転時間が設定時間Ts(例えば、15〜25分)を越えたときには、チップシール30の摩耗、損傷を早める原因となる。一方、待機時間Twとは、圧縮運転を停止させた後に圧縮機本体11(後述の圧縮室27)内の残圧を逃がすために設定される時間(例えば、4〜10秒程度)である。
11はスクロール式流体機械を用いて構成された圧縮機本体、12は該圧縮機本体11の外殻を構成するケーシングで、該ケーシング12は、図2に示すように軸方向一側が開口した有底筒状体として形成され、内部に後述の旋回スクロール18、回転軸23等が収容されている。
13はケーシング12の軸方向一側に設けられた固定スクロールで、該固定スクロール13は、例えば第1のスクロール部材を構成し、アルミニウムまたはその合金材料を用いて形成されている。そして、固定スクロール13は、円板状の鏡板14と、該鏡板14の歯底面14Aに軸方向に向けて立設された渦巻状のラップ部15と、該ラップ部15を径方向外側から取囲むように鏡板14の外周側に設けられた筒状の支持部16とにより大略構成されている。
ここで、ラップ部15の歯先面15Aは、後述する旋回スクロール18のラップ部20と同様に、相手方となる鏡板19の歯底面19Aから一定の寸法だけ軸方向に離間して配置される。そして、ラップ部15の歯先面15Aには、後述のシール溝17が図4、図5に示すように形成されている。
17はラップ部15の歯先面15Aに開口して設けられたシール溝で、このシール溝17には、後述のチップシール30が浮上可能に装着されるものである。そして、シール溝17は、例えば図4、図5に示す如く略コ字状または四角形状をなす凹溝として形成され、ラップ部15の長さ方向に渦巻状をなして延びている。
18は固定スクロール13に対向してケーシング12内に旋回可能に設けられた第2のスクロール部材としての旋回スクロールを示している。そして、該旋回スクロール18は、固定スクロール13とほぼ同様に、例えばアルミニウムまたはその合金材料等を用いて形成されている。ここで、旋回スクロール18は、電動モータ5により後述の回転軸23、偏心軸24および旋回軸受25等を介して旋回駆動されるものである。
そして、旋回スクロール18は、その表面側が歯底面19Aとなった円板状の鏡板19と、該鏡板19の歯底面19Aから固定スクロール13の鏡板14に向けて軸方向に立設された渦巻状のラップ部20と、鏡板19の裏面中央に突設され、後述の偏心軸24が旋回軸受25を介して連結されるボス部21等とにより構成されている。
22はラップ部20の歯先面20Aに開口して設けられた旋回スクロール18側のシール溝で、該シール溝22は、前述した固定スクロール13側のシール溝17とほぼ同様に凹溝として形成され、ラップ部20の長さ方向に渦巻状をなして延びている。そして、シール溝22には、後述のチップシール30が浮上可能に装着されている。
23はケーシング12内に軸受等を介して回転可能に設けられた回転軸で、該回転軸23は、基端側が電動モータ5(図1参照)の出力軸に取付けられ、電動モータ5によって回転駆動される。また、回転軸23の先端側には、回転軸23に対して所定寸法(旋回半径)分だけ偏心した偏心軸24が設けられ、この偏心軸24には、旋回軸受25を介して旋回スクロール18のボス部21が旋回可能に連結されている。
ここで、電動モータ5により回転軸23が回転駆動されるときには、その軸線を中心として旋回スクロール18が一定の旋回半径で旋回運動を行う。そして、ケーシング12と旋回スクロール18の背面側との間には、例えばオルダム継手等からなる自転防止機構26が設けられ、該自転防止機構26は、旋回スクロール18が旋回運動時に自転するのを防止するものである。なお、自転防止機構26としては、オルダム継手に限らず、例えば補助クランクまたはボールカップリング機構等を用いてもよい。
また、旋回スクロール18は、固定スクロール13に対し例えば180度ずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部15,20間には、外径側から内径側(中央)にかけて複数の圧縮室27が画成されている。そして、圧縮機本体11の運転時には、固定スクロール13の外周側に設けられた吸込ポート28から外径側の圧縮室27内に空気を吸込みつつ、この空気を各圧縮室27内で順次圧縮するものである。
29は固定スクロール13の鏡板14に設けられた吐出ポートで、この吐出ポート29は、鏡板14の中心側に穿設された吐出穴等を含んで構成される。そして、吐出ポート29は、複数の圧縮室27のうち、その内径側(中心側)の圧縮室27内で最も高い圧力に加圧された圧縮空気を固定スクロール13の外部に吐出するものである。
30,30はシール部材としてのチップシールを示し、該各チップシール30は、固定スクロール13(ラップ部15)のシール溝17と旋回スクロール18(ラップ部20)のシール溝22とにそれぞれ装着されている。そして、チップシール30は、固定スクロール13と旋回スクロール18との間の圧縮室27,27,…間を気密に封止してシール機能を発揮するものである。
ここで、旋回スクロール18のシール溝22に装着されたチップシール30を例に挙げて説明すると、該チップシール30は、旋回スクロール18のラップ部20と、相手方となる固定スクロール13の鏡板14との間をシールするものである。また、固定スクロール13のシール溝17内に装着するチップシール30についても、ほぼ同様なシール機能を発揮するものである。
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、圧縮運転を開始する前の段階では、図4に示すように旋回スクロール18(ラップ部20)側のチップシール30がシール溝22内に装着されたままの状態となる。そして、このような初期状態では、チップシール30がシール溝22から相手方の歯底面14Aに向けて浮上することはない。なお、固定スクロール13(ラップ部15)側のチップシール30についても同様であり、その説明を省略する。
次に、この状態で圧縮機本体11の運転を開始したときには、固定スクロール13と旋回スクロール18のラップ部15,20間に形成した複数の圧縮室27,27,…内で空気が漸次圧縮され、内,外の圧縮室27,27間には圧力差が発生する。そして、チップシール30は、シール溝22の底面側に流入した圧縮空気によってシール溝22内から浮上するように押圧され、図5に示す如く相手方の鏡板14(歯底面14A)に面接触するように摺接する。
これによって、ラップ部20の歯先面20Aと相手方の鏡板14との間をチップシール30により気密にシールすることができる。また、固定スクロール13側のシール溝17内でも、チップシール30が同様に底面側に流入した圧縮空気によって浮上し、図5に示す如く相手方の鏡板19(歯底面19A)に面接触するように摺接することにより、ラップ部15の歯先面15Aと相手方の鏡板19との間を気密にシールすることができる。
そして、固定スクロール13のラップ部15と旋回スクロール18のラップ部20との間に画成された圧縮室27は、旋回スクロール18の旋回動作に伴って外径側から内径側に向け連続的に縮小する。これにより、圧縮機本体11は、吸込ポート28から吸込んだ外気を各圧縮室27で順次圧縮し、吐出ポート29から外部の貯留タンク2(図1参照)に向けて圧縮空気を吐出する。
ところで、このような圧縮運転を行う途中では、例えば図6に示すように、ラップ部20のシール溝22内に装着されたチップシール30が相手方の鏡板14(歯底面14A)に不均一な状態で片当たりすることがある。そして、このような片当たり状態で圧縮運転を長時間にわたり続けると、チップシール30が偏摩耗してしまう。
また、圧縮運転時にチップシール30が、図7に例示するように浮上不良な状態で相手方の歯底面14Aに摺接できずに、相手方の歯底面14Aとラップ部20の歯先面20A(チップシール30)との間から圧縮空気が漏洩するような状態が続くと、圧縮機本体11の圧縮効率が低下し、圧縮空気の吐出量が減少するために連続運転時間が余分に長くなってしまう原因となる。
しかも、図7に例示した圧縮運転時の状態(チップシール30の浮上不良な状態)では、相手方の歯底面14Aとチップシール30との間を圧縮空気が流通(漏洩)し続けるため、チップシール30の周囲温度が上昇し、熱変形や異常摩耗等を起こし易くなる。
そこで、本実施の形態では、このような問題を解消するために、コントローラ7を用いて電動モータ5(圧縮機本体11)の運転制御を、図3に示す制御処理用のプログラムに沿って行い、連続運転によるチップシール30の摩耗、損傷等を抑えるようにしている。
即ち、図3に示す処理動作がスタートすると、ステップ1で圧力センサ6から貯留タンク2内(圧縮空気)の圧力Pを読込む。そして、次のステップ2では、このときの圧力Pが圧縮機本体11を起動すべき下限圧力P1 以下になっているか否かを判定する。ここで、ステップ2で「NO」と判定したときには、圧縮空気の圧力Pが十分に高いので、ステップ1に戻って電動モータ5を停止状態に保つ。
一方、ステップ2で「YES」と判定したときには、圧縮空気の圧力Pが下限圧力P1 以下となっているので、次なるステップ3に移って電動モータ5を起動し、圧縮機本体11の運転を開始する。そして、圧縮機本体11の運転開始後には、次のステップ4に移ってタイマ7Bを作動させ、時間T(連続運転時間)の計測を始める。
次に、ステップ5では、再び圧縮空気の圧力Pを読込み、ステップ6に移って圧力Pが上限圧力P2 以上まで上昇しているか否かを判定する。そして、例えば図8に示す特性線31のように、時点T1 で圧縮空気の圧力Pが上限圧力P2 に達したときには、ステップ6で「YES」と判定されるので、次なるステップ8に移って電動モータ5を止め、圧縮機本体11の運転を停止させる。
そして、その後はステップ9に移って、タイマ7Bによる時間T(待機時間)の計測を開始し、次のステップ10で時間Tが待機時間Tw以上に達したか否かを判定する。そして、ステップ10で「NO」と判定する間は、待機時間Twが経過するのを待ち、「YES」と判定したときにステップ1に戻って、これ以降の処理を、例えば図8中の時点T1 〜T2 間のように繰返す。
一方、図8中の時点T2 で圧縮機本体11の運転を開始した後に、例えばステップ6で「NO」と判定するときには、圧縮空気の圧力Pが上限圧力P2 に達していないので、ステップ7に移ってタイマ7Bで計測した時間Tが、連続運転の設定時間Ts以上となったか否かを判定する。そして、ステップ7で「NO」と判定する間は、ステップ5に戻り、これ以降の処理を繰返す。
しかし、ステップ7で「YES」と判定したときには、例えば図8に示す特性線31のように、時点T2 〜T3 にわたって圧縮機本体11が連続運転され、タイマ7Bで計測した時間Tが設定時間Tsに達した場合であるから、この場合にはステップ8に移って電動モータ5を止め、圧縮機本体11の運転を停止させる(図8中の時点T3 参照)。
次に、ステップ9ではタイマ7Bによる時間T(待機時間)の計測を開始し、次のステップ10では、時間Tが待機時間Tw以上に達したか否かを判定する。そして、ステップ10で「NO」と判定する間は、待機時間Twが経過するのを待ち、「YES」と判定したときにステップ1に戻る。
そして、この場合には再びステップ1で貯留タンク2内の圧力Pを読込み、次のステップ2で、圧力Pが再起動圧である下限圧力P1 以下に低下しているか否かを判定する。そして、ステップ2で「NO」と判定する間は、例えば図8の時点T3 〜T4 のように、待機時間Twの経過後にも圧力Pが下限圧力P1 よりも高い状態にあるので、ステップ1に戻って電動モータ5を停止状態に保つ。
次に、例えば図8中の時点T4 のように、貯留タンク2内の圧力Pが下限圧力P1 まで低下すると、ステップ2で「YES」と判定するので、この場合には、次のステップ3に移って電動モータ5を起動し、圧縮機本体11の運転を開始する。そして、圧縮機本体11の運転開始後には、ステップ4以降の処理を続行し、例えば図8に示す時点T5 まで圧縮機本体11の運転を続けるようにする。
また、圧縮機本体11の別の運転時には、例えば図9に示す特性線32のように、時点T11〜T13まで図8に示す特性線31(時点T1 〜T3 )の場合とほぼ同様に運転制御を行う。しかし、この場合には、時点T14に達する前で圧縮空気の圧力Pが下限圧力P1 よりも低下しても、図3に示す制御処理ではステップ10の判定処理により、待機時間Twが経過するまでステップ1,2の処理に移行することはない。
このため、ステップ8で圧縮機本体11を一旦は停止した後に、ステップ10で待機時間Twが経過したと判定したときにステップ1に戻る。そして、ステップ1,2を経て圧縮空気の圧力Pが下限圧力P1 以下であると判定したたきには、例えば図9中の時点T14において、圧縮機本体11の運転が再開(ステップ3)され、その後に時点T15で圧縮空気の圧力Pが上限圧力P2 以上になると、圧縮運転を停止(ステップ8)させるものである。
かくして、本実施の形態によれば、圧力センサ6で検出した圧力Pが下限圧力P1 以下になると電動モータ5を起動して圧縮運転を開始し、その後に圧縮空気の圧力Pが上限圧力P2 まで上昇すると電動モータ5(圧縮運転)を停止させ、貯留タンク2内に貯留した圧縮空気の圧力Pを、下限圧力P1 と上限圧力P2 の範囲内に維持できるようにしている。
また、このような圧縮機本体11の圧力制御を行っている途中で、例えば図8に示す特性線31のように、時点T2 〜T3 にわたって圧縮機本体11が連続運転され、この連続運転による時間Tが設定時間Tsに達したときには、圧力Pが上限圧力P2 未満の場合でも、この場合には時間制御により電動モータ5(圧縮機本体11の運転)を一時的に停止させる構成としている。
これにより、設定時間Ts(例えば、20分程度)を越えて圧縮機本体11が連続運転されるのを抑えることができ、圧縮機本体11の各圧縮室27間をシールするチップシール30が、図6に例示した片当たり状態となったまま、または、図7に例示した浮上不良な状態となったままで、圧縮運転が余分に長く続けられるのを防止することができる。
このように、圧縮機本体11の連続運転による時間Tが、チップシール30の耐久性等によって予め決められる設定時間Tsに達するようなときには、電動モータ5による圧縮運転を停止させることができ、チップシール30の摩耗、損傷を未然に防ぐことができる。
また、電動モータ5による圧縮運転を一旦停止させたときには、予め決められた待機時間Twが経過するまで電動モータ5(圧縮機本体11)を停止し続ける構成としている。このため、圧縮機本体11の運転停止後に各圧縮室27内に残った圧縮空気を、例えば吸込ポート28側から大気中に徐々に放出する残圧解除の時間を待機時間Twとして確保することができる。
また、この待機時間Twの間に各圧縮室27内の温度低下も期待できるので、チップシール30の周囲温度等も下げることができ、このようなチップシール30をラップ部15,20のシール溝17,22内に、図4に示す如く安定した初期状態として納めることができる。
そして、その後に貯留タンク2内の圧力が再起動圧(下限圧力P1 )以下となって圧縮運転を再開したときには、チップシール30を図5に示すように圧縮空気によってシール溝22内から浮上させ、相手方の歯底面14A,19Aに均一に面接触するように摺接させることができ、これによって、圧縮運転等を円滑に続行することができる。
従って、本実施の形態によれば、圧縮機本体11の連続運転時間を設定時間Tsの範囲内に制限することにより、ラップ部15,20のシール溝17,20内に装着したチップシール30が偏摩耗したり、圧縮室27内の高温に長い時間さらされたりするのを防ぐことができる。これにより、チップシール30の摩耗、熱変形等を長期にわたって抑えることができ、製品としての耐久性、寿命、信頼性を向上することができる。
なお、前記実施の形態では、スクロール式の圧縮機本体11を運転制御する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば窒素発生装置に用いるスクロール式の圧縮機を運転制御する場合等に適用してもよい。
また、前記実施の形態では、固定スクロール13と旋回スクロール18とからなるスクロール式の圧縮機本体11を運転制御する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば2つのスクロール部材間で複数の圧縮室を画成する構成とした種々の型式のスクロール式圧縮機にも適用できるものである。そして、スクロール式流体機械としては、空気、窒素等の圧縮機に限らず、例えば冷媒圧縮機または真空ポンプ等にも広く適用できるものである。
さらに、前記実施の形態では、固定スクロール13と旋回スクロール18のラップ部15,20に形成したシール溝17,22内に、チップシール30をそれぞれ設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、ラップ部15,20のシール溝17,22のうちいずれか一方だけにチップシール30を設け、他方のチップシールを省略する構成としてもよいものである。
本発明の実施の形態によるスクロール式圧縮機を示す全体構成図である。 圧縮機本体の具体的構成を示す縦断面図である。 コントローラによる圧縮機の運転制御処理を示す流れ図である。 シール溝内に装着したチップシールを圧縮運転の開始前の状態で拡大して示す断面図である。 チップシールがシール溝内から浮上した状態を示す図4と同様位置での断面図である。 チップシールが相手方の鏡板に片当たりした状態を示す断面図である。 チップシールがシール溝内で浮上不良になった状態を示す断面図である。 圧縮機の運転,停止制御の特性と、これに伴う圧縮空気の圧力変動状態とを示す特性線図である。 図8の場合とは異なる運転条件で行う圧縮機の運転,停止制御の特性と、これに伴う圧縮空気の圧力変動状態とを示す特性線図である。
符号の説明
1 筐体
2 貯留タンク
3 吐出弁
4 供給配管
5 電動モータ(駆動源)
6 圧力センサ
7 コントローラ(運転制御手段)
11 圧縮機本体
12 ケーシング
13 固定スクロール(第1のスクロール部材)
14,19 鏡板
14A,19A 歯底面
15,20 ラップ部
15A,20A 歯先面
17,22 シール溝
18 旋回スクロール(第2のスクロール部材)
23 回転軸
26 自転防止機構
27 圧縮室
28 吸込ポート
29 吐出ポート
30 チップシール(シール部材)
Ts 設定時間
Tw 待機時間

Claims (2)

  1. 鏡板に渦巻状のラップ部が立設された第1のスクロール部材と、該第1のスクロール部材に対向して設けられ鏡板に該第1のスクロール部材のラップ部と重なり合う渦巻状のラップ部が立設された第2のスクロール部材と、該第1,第2のスクロール部材のうち少なくとも一方のラップ部に設けられ当該ラップ部の歯先に沿って延びるシール溝と、該シール溝内に装着され相手方の鏡板に摺接するシール部材と、前記第1,第2のスクロール部材のうち少なくとも一方のスクロール部材を駆動する駆動源と、該駆動源の起動、停止を制御する運転制御手段とからなるスクロール式流体機械において、
    前記運転制御手段は、前記駆動源により前記スクロール部材を駆動したときの連続運転時間を計測する計時手段を備え、該計時手段により計測した連続運転時間が前記シール部材の摩耗または熱変形が抑えられるように予め決められた設定時間に達すると、前記駆動源の運転を一時的に停止させる構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記運転制御手段は、前記駆動源の運転停止後に予め決められた待機時間が経過し、かつ前記スクロール式流体機械の吐出側圧力が再起動圧以下となったときに前記駆動源の運転を再開する構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
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