JP3142984B2 - スクロール式圧縮装置 - Google Patents
スクロール式圧縮装置Info
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Description
ロール式圧縮機に関し、特に、圧縮した流体を貯蔵する
タンクを備えたスクロール式圧縮装置に関する。
スクロール式圧縮装置として空気圧縮装置を例に挙げて
説明する。
している。
を示し、該圧縮機本体101は図8に示すように構成さ
れている。
し、該ケーシング1は軸方向一端側に位置する円板状の
底部1Aと、該底部1Aの内向きに突出して形成された
小径な円筒状の軸受部1Bと、前記底部1Aの外周側か
ら軸方向他端側に向けて延設された大径な筒部としての
円筒部1Cと、該円筒部1Cの先端側に一体的に形成さ
れた段付筒状のフランジ部1Dとから大略構成されてい
る。また、該フランジ部1Dの内周側には、後述する旋
回スクロール5の背面に摺接してスラスト方向の荷重を
受承するスラスト受部1Eが径方向内向きに突出して一
体形成され、該フランジ部1Dの外周側には、後述する
各取付ボルト9が螺合されるねじ穴1F,1F,…が周
方向に離間して複数個形成されている。
4を介して回転可能に軸支された駆動軸を示し、該駆動
軸2の先端側はケーシング1内へと伸長してクランク2
Aとなり、該クランク2Aの軸線O′−O′は駆動軸2
の軸線O−Oに対して所定寸法dだけ偏心している。ま
た、該駆動軸2の基端側はケーシング1の外部で後述の
電動モータ102に連結部材103を介して連結され、
この電動モータ102によって回転駆動されるものであ
る。
クランク2Aに旋回可能に設けられた旋回スクロールを
示し、該旋回スクロール5は円板状に形成された鏡板5
Aと、該鏡板5Aに中心側が巻始め端となり、外周側が
巻終わり端となって立設されたうず巻き状のラップ部5
Bと、前記鏡板5Aの背面側中央に設けられたボス部5
Cとから構成され、該ボス部5C内にはクランク2Aが
旋回軸受6を介して取付けられている。
の背面外周側には、複数のキー溝が周方向に所定間隔を
もって形成され、該各キー溝には自転防止機構としての
オルダム継手(いずれも図示せず)が配設されている。
そして、旋回スクロール5は駆動軸2が回転駆動する
と、クランク2Aにより寸法dの旋回半径をもった円運
動が与えられ、前記オルダム継手によって自転が防止さ
れることにより、駆動軸2の軸線O−Oを中心にして旋
回(公転)し続けるようになっている。
グ1の軸方向他端側に取付けられた固定スクロールを示
し、該固定スクロール7はその中心が駆動軸2の軸線O
−O上に位置して配設された大径な円板状の鏡板7A
と、該鏡板7Aから旋回スクロール5のラップ部5Bと
同様に立設されたうず巻き状のラップ部7Bと、前記鏡
板7Aの外周側を取囲んで一体的に設けられた大径筒状
の筒部7Cとから大略構成され、該筒部7Cの先端側に
は、ケーシング1のフランジ部1Dに衝合する取付フラ
ンジ7Dが一体形成され、該取付フランジ7Dの内周側
には、旋回スクロール5の他端面側と摺接してスラスト
方向の荷重を受承するスラスト受部7Eが一体形成され
ている。また、前記取付フランジ7Dの外周側には、ケ
ーシング1の各ねじ穴1Fに対応するように複数個の取
付穴7F,7F,…が穿設され、該各取付穴7Fの内径
寸法は、各取付ボルト9の外径寸法よりも後述する調整
代分だけ大径に設定されている。
プ部7Bと旋回スクロール5のラップ部5Bとの間に該
旋回スクロール5の旋回を許す程度のラジアルギャップ
を形成した状態でケーシング1に固定されている。
5Bと固定スクロール7のラップ部7Bとの間に画成さ
れた複数の圧縮室を示し、該各圧縮室8は固定スクロー
ル7のラップ部7Bに対して旋回スクロール5のラップ
部5Bが所定角度だけずらして重なり合うことにより三
日月状に形成され、該旋回スクロール5が旋回運転をす
る間に中央側に移動して順次縮小するようになってい
る。
7Fを介してケーシング1の各ねじ穴1Fに螺合された
複数本の取付ボルトを示し、該各取付ボルト9は固定ス
クロール7をケーシング1に固定するものである。ま
た、該各取付ボルト9の外周と各取付穴7Fとの間に
は、旋回スクロール5のラップ部5Bと固定スクロール
7のラップ部7Bとの間に所望のラジアルギャップを形
成するための調整代が設けられている。
に穿設された吸込口、11は鏡板7Aの中央部に穿設さ
れた吐出口をそれぞれ示し、該吸込口10は最外周側
(最低圧側)の圧縮室8と連通し、吐出口11は最中央
部側(最高圧側)の圧縮室8と連通している。また、1
2は駆動軸2に固着されたカウンタウェイトを示し、該
カウントウェイト12は駆動軸2の回転バランスをとる
ものである。
縮機本体101は駆動軸2を電動モータ102によって
回転駆動されると、この回転はクランク2Aから旋回軸
受6を介して旋回スクロール5に伝えられ、該旋回スク
ロール5は駆動軸2の軸線O−Oを中心とし、寸法dの
旋回半径をもって旋回運転する。そして、この旋回運転
によってラップ部5B,7Bの間に画成される圧縮室
8,8,…は連続的に縮小し、吸込口10から吸込んだ
空気を該各圧縮室8内で順次圧縮しつつ、この圧縮空気
を吐出口11から外部に位置した後述のタンク104等
に吐出し、該タンク104に圧縮空気を貯蔵するように
なっている。
よび固定スクロール7のラップ部7Bの高さ寸法はそれ
ぞれ対向する鏡板7A,5Aとの間にスラスト方向ギャ
ップδを有するように形成され、圧縮機本体101が定
格運転時にはラップ部5B,7Bが熱膨張しそれぞれの
対向する鏡板7A,5Aとのスラスト方向ギャップδを
狭めるようになり、ラップ部5B,7Bの外周側から順
次圧縮室8を画成するようになっている。
動モータを示し、該電動モータ102は三相電圧により
駆動される電動機から構成され、該電動モータ102の
回転軸102Aと圧縮機本体101の駆動軸2とはプー
リ103A,103Aおよびベルト103Bからなる連
結部材103により連結されている。
し、該タンク104には前記圧縮機本体101の吐出口
11から吐出される圧縮空気を下限圧力Pmin から上限
圧力Pmax の範囲の圧力をもって貯めるようになってい
る。
5は例えばマイクロコンピュータまたはリレー回路等に
より構成され、入力側には後述の圧力センサ106が接
続され、出力側には電磁開閉器107が接続されてい
る。そして、該制御装置105の記憶エリア105A内
には所定の上限圧力Pmax と下限圧力Pmin とが記憶さ
れると共に、前記圧力センサ106からのタンク104
内の検出圧力Pに基づいて、上限圧力Pmax よりも高く
なったときには電動モータ102の駆動を停止し、下限
圧力Pmin よりも低くなったときには電動モータ102
の再駆動を行う処理が格納されている。
ンサを示し、該圧力センサ106はタンク104内圧力
を検出し、検出圧力Pを制御装置105に出力するもの
である。なお、圧力センサ106は予め設定された圧力
に応じて開閉する接続点を内蔵し、接続点の開閉信号を
制御装置105に出力するものであってもよい。
示し、該三相電源108は電磁開閉器107を介して電
動モータ102と接続されている。そして、該電磁開閉
器107は前記制御装置105からの信号により閉成,
開成され、前記電動モータ102の駆動,停止を行うよ
うになっている。
それぞれの空気使用機器に接続され、その使用時に開弁
するようにしている。
装置においては、起動スイッチ(図示せず)を作動する
ことにより、制御装置105の制御に基づき電磁開閉器
107が閉成され、電動モータ102を駆動する。これ
により、連結部材103を介して圧縮機本体101の駆
動軸2が回転され、該圧縮機本体101で空気を圧縮
し、圧縮した空気をタンク104に吐出して該タンク1
04内に圧縮空気を貯蔵する。一方、タンク104内の
圧力は圧力センサ106により常に監視され、該圧力セ
ンサ106からの検出圧力Pは制御装置105に出力さ
れる。
ンサ106からの検出圧力Pが上限圧力Pmax に達した
ときには電磁開閉器107を開成して圧縮機本体101
の圧縮作動を停止させ、その後にタンク104内の圧力
が下限圧力Pmin よりも小さくなったときには電磁開閉
器107を再び閉成し電動モータ102を駆動させ、圧
縮機本体101の圧縮作動を行うように制御している。
これにより、タンク104内の圧力を所定範囲内に維持
することにより、所定量の圧縮空気を貯めるようにして
いる。
装置105の制御処理について説明する。図9と図10
は、開閉弁109の後段に接続された空気使用機器によ
る圧縮空気の使用量の多少による特性の相違を示したも
のである。なお、図中の上段は圧縮機本体101の温度
T、中段はタンク104内の圧力(検出圧力)Pおよび
下段は制御装置105から電磁開閉器107に出力され
るモータ駆動信号をそれぞれ示している。
であり、この場合には中段のタンク104内の圧力Pは
短い周期でPmax ,Pmin の間を往復する。即ち、圧縮
機本体101を駆動し、タンク104内の検出圧力Pが
上限圧力Pmax になると圧縮機本体101は停止され、
停止と同時にタンク104内の圧縮空気は使用されてい
るから、低下率は急激になり、検出圧力Pが下限圧力P
min になったときに、圧縮機本体101を再駆動する。
波数の短いものになる。一方、圧縮機本体101はこの
短い周期で駆動,停止を繰返しているから、温度Tの
上,下方向の変動はあるものの、圧縮機本体101の温
度Tは下限温度Tmin よりも低くはならない。
する。
101は、旋回運転によってスクロール5,7のラップ
部5B,7B間に圧縮室8,8,…が画成されるが、こ
のラップ部5B,7Bと対向する鏡板7A,5Aとの間
にはスラスト方向ギャップδが存在している。また、こ
のスラスト方向ギャップδは温度Tによるラップ部5
B,7Bの熱膨張で決定され、このギャップδを狭める
ことにより、各圧縮室8を確実に画成させるものであ
る。そして、各圧縮室8の画成を確実に行うことのでき
る最低のギャップδとなるときの圧縮機本体101の温
度が、下限温度Tmin である。
ときよりも少ない場合であり、この場合には中段のタン
ク104内の圧力Pは図9のときの使用量よりも少ない
から若干長い周期でPmax ,Pmin の間を往復する。即
ち、下段に示すモータ駆動信号の周波数は若干長いもの
になる。一方、圧縮機本体101の温度Tは停止時間が
若干長くなっている分、温度Tは下限温度Tmin 付近ま
で低下するが下限温度Tmin よりも低くなっていないか
ら、圧縮機本体101内の各圧縮室8の画成動作を低下
させることはない。
を停止してから圧縮機本体101の温度Tが下限温度T
min になるまでの冷却時間を示し、この冷却時間Δtは
外気温度,湿度等の環境により変化するものである。
来技術における空気圧縮装置では、タンク104に貯蔵
された圧縮空気の使用量に応じた該タンク104内の圧
力Pの変化に対応させて、圧縮機本体101の駆動を制
御するようにしているから、図11に示すように圧縮空
気の使用量が極めて少ない場合には次のような問題があ
る。
Pmax になったときに圧縮機本体101の駆動が停止さ
れ、使用される圧縮空気の量が少ないために、圧力Pの
低下率は非常に少なく、圧力Pが下限圧力Pmin になる
までに時間がかかる。このため、圧縮機本体101が再
始動するときには該圧縮機本体101の温度Tは下限温
度Tmin よりも低い温度になっている。そして、この温
度状態では圧縮機本体101内のスクロール5,7のラ
ップ部5B,7Bと対向する鏡板7A,5Aとの間のス
ラスト方向ギャップδが大きくなり、当該圧縮機本体1
01を再駆動させても直ちに圧縮室8を画成することが
できず、しばらく暖気運転してスラスト方向ギャップδ
が小さくなった後に圧縮作業を行うようになる。
が長い場合には、圧縮機本体101の温度Tが下限温度
Tmin よりも低くなり、スラスト方向ギャップδが大き
くなっているため、圧縮動作の開始に時間がかかり、立
上りに長時間を費やすという問題がある。
空気が下限圧力Pmin 以下になるため、下限圧力Pmin
の保証ができなくなり、空気圧縮装置としての信頼性を
低下させるという問題がある。
力Pmin を上昇させると、図9に示すような圧縮空気の
使用量が多い場合には、圧縮機本体101の駆動,停止
が頻繁に繰返されることになり、電磁開閉器107の接
点摩耗を促進し、空気圧縮装置の寿命を著しく低減させ
るという問題がある。
されたもので、本発明は圧縮空気の使用量に拘らずタン
ク内に一定量の圧縮空気を常に貯蔵することができるス
クロール式圧縮装置を提供することを目的としている。
ために請求項1の発明が採用する構成の特徴は、制御装
置は、タンク内の圧力が所定の上限圧力を越えたときに
駆動源を停止させる駆動停止手段と、前記タンク内の圧
力が第1の下限圧力より低下したときに、前記駆動源を
再駆動させる第1の再駆動手段と、前記駆動停止手段に
より駆動源を停止させた状態で所定時間が経過したか否
かを判定する時間判定手段と、該時間判定手段で前記駆
動源の停止時間が所定時間を経過したと判定したとき
に、前記タンク内の圧力が第1の下限圧力より所定圧力
だけ高い第2の下限圧力まで低下すると、前記駆動源を
再駆動させる第2の再駆動手段とを備える構成としたこ
とにある。
徴は、制御装置は、タンク内の圧力が所定の上限圧力を
越えたときに前記駆動源を停止させる駆動停止手段と、
前記タンク内の圧力が第1の下限圧力より低下したとき
に、前記駆動源を再駆動させる第1の再駆動手段と、前
記駆動停止手段により駆動源を停止させた状態で圧縮機
本体の温度が所定温度よりも低いか否かを判定する温度
判定手段と、該温度判定手段で前記圧縮機本体の温度が
所定温度よりも低いと判定したときに、前記タンク内の
圧力が第1の下限圧力より所定圧力だけ高い第2の下限
圧力まで低下すると、前記駆動源を再駆動させる第2の
再駆動手段とを備える構成としたことにある。
動源の停止時間が所定時間を経過していないと判定し、
かつタンク内の圧力が第1の下限圧力よりも低下した場
合、即ち使用量の多い場合には、第1の再駆動手段によ
り駆動源を再駆動させ圧縮機本体を再駆動させる。一
方、時間判定手段で駆動源の停止時間が所定時間を経過
したと判定し、かつタンク内の圧力が第1の下限圧力よ
りも所定圧力高い第2の下限圧力よりも低下した場合、
即ち使用量の少ない場合には、第2の再駆動手段により
駆動源を再駆動させ圧縮機本体を再駆動させる。これに
より、圧縮機本体の温度が低下したときの状態で、かつ
タンク内の圧力が第1の下限圧力よりも低下した状態で
駆動源を再駆動するのを防止する。
定手段で圧縮機本体の温度が所定温度よりも高いと判定
し、かつタンク内の圧力が第1の下限圧力よりも低下し
た場合、即ち使用量の多い場合には、第1の再駆動手段
により駆動源を再駆動させ圧縮機本体を駆動させる。一
方、温度判定手段で圧縮機本体の温度が所定温度よりも
低いと判定し、かつタンク内の圧力が第1の下限圧力よ
りも所定圧力高い第2の下限圧力よりも低下した場合、
即ち使用量の少ない場合には、第2の再駆動手段により
駆動源を再駆動させ圧縮機本体を駆動させる。これによ
り、圧縮機本体の温度が低下したときの状態で、かつタ
ンク内の圧力が第1の下限圧力よりも低下した状態で駆
動源を再駆動するのを防止する。
づき説明する。なお、実施例では前述した従来技術と同
一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
施例を示す。
し、該制御装置21はマイクロコンピュータまたはリレ
ー回路等により構成され、入力側には起動スイッチ22
および圧力センサ106等が接続され、出力側には電磁
開閉器107を介して電動モータ102等が接続されて
いる。そして、該制御装置21内には図2に示すような
制御処理プログラムおよびタイマt等が格納され、記憶
エリア21A内には所定時間t0 ,上限圧力Pmax ,下
限圧力Pmin 等が記憶されている。
うに、電動モータ102を停止してから圧縮機本体10
1の温度が下限温度Tmin になるまでの冷却時間Δtよ
りも短い時間を示している。そして、電動モータ102
が停止してからの時間が冷却時間Δt以上になると、圧
縮機本体101内のスクロール5,7のラップ部5B,
7Bと対向する鏡板7A,5Aとの間のスラスト方向ギ
ャップδが大きくなり、電動モータ102を再駆動して
も直ちに圧縮動作を行うことができない。
構成を有するもので、その基本的作動については従来技
術によるものと格別差異はない。
について説明する。
スイッチ22が閉成しているか否かを判定し、起動スイ
ッチ22が閉成するまでステップ1で待機する。ステッ
プ1で「YES」と判定した場合には、ステップ2で電
磁開閉器107を閉成して電動モータ102を駆動し、
圧縮機本体101を始動させ圧縮作業を行いタンク10
4に圧縮空気を吐出する。
出圧力Pが上限圧力Pmax 以上か否かを判定し、検出圧
力Pが上限圧力Pmax 以上になるまでの間待機する。そ
して、ステップ3で「YES」と判定した場合には、ス
テップ4に移り、電磁開閉器107へのモータ駆動信号
の供給を停止し、電動モータ102を停止する。
させ、ステップ6では圧力センサ106からの検出圧力
Pが第2の下限圧力Pmin ′以下であるか否かを判定
し、検出圧力Pが第2の下限圧力Pmin ′以下になるま
で待機する。ステップ6で「YES」と判定した場合に
は、ステップ7でこのときのタイマtが所定時間t0 以
上であるか否かを判定する。
定した場合には、ステップ8に移り、ステップ8では検
出圧力Pが第1の下限圧力Pmin 以下であるか否かを判
定し、「YES」と判定した場合にはステップ9で電動
モータ102を再駆動させ、ステップ3にリターンさせ
る。
合には、ステップ7にリターンされ、タイマtが所定時
間t0 以上になるか、または検出圧力Pが第1の下限圧
力Pmin 以下になるまでの間繰返される。
た場合には、ステップ9に移り、電動モータ102を再
駆動させ、ステップ3にリターンさせる。
施例の電動モータ102の駆動,停止制御について説明
する。
使用量が多い場合、即ち検出圧力Pが下限圧力Pmin に
なっても電動モータ102の停止時間(タイマt)が所
定時間t0 を経過していない場合には、従来技術と同様
にステップ8の検出圧力Pが下限圧力Pmin 以下になる
まで待機し、下限圧力Pmin 以下になったときに電動モ
ータ102を再駆動させるものである。これにより、タ
ンク104内の圧力Pが第1の下限圧力Pmin より低下
するのを防止することができる。
が少ない場合、即ち電動モータ102の停止後に検出圧
力Pが第2の下限圧力Pmin ′よりも低くなったとき
に、未だ停止時間(タイマt)が所定時間t0 を経過し
ていない場合には、所定時間t0 になるまでステップ7
で待機し、所定時間t0 になったときに直ちに電動モー
タ102を再駆動させ、圧縮機本体101内のスクロー
ル5,7のスラスト方向ギャップδが大きくなる前に圧
縮運転をさせる。これにより、タンク104に圧縮空気
を供給すると共に、圧縮機本体101を旋回運動により
暖めるようになっている。そして、前記圧縮機本体10
1の温度Tが下限温度Tmin よりも低くならないように
制御することができ、従来技術のようなタンク104内
の圧力Pが下限圧力Pmin よりも低くなるのを防止する
ことができる。
圧縮空気の使用量が少ない場合、即ち電動モータ102
の停止後に検出圧力Pが第2の下限圧力Pmin ′よりも
低くなったときに、既に停止時間(タイマt)が所定時
間t0 (または冷却時間Δt)を経過している場合に
は、ステップ6で検出圧力Pが第2の下限圧力Pmin ′
以下になるまで待機し、第2の下限圧力Pmin ′以下に
なったときにステップ7,9と進み、電動モータ102
を直ちに再駆動させる。そして、タンク104内の圧力
Pが第1の下限圧力Pmin よりも高い第2の下限圧力P
min ′のときに電動モータ102を再駆動させる。
下限温度Tmin よりも低くなって圧縮動作を直ちに行う
ことができないときでも、第2の下限圧力Pmin ′以下
になったときに圧縮機本体101を再駆動させる。この
結果、タンク104内の圧力Pは第2の下限圧力Pmin
′以下になることがあっても第1の下限圧力Pmin 以
下になる前に圧縮機本体101の圧縮動作開始させるこ
とができる。従って、タンク104内の圧力Pが下限圧
力Pmin 以下になるのを防止できる。
圧縮空気の使用量の違いにより電動モータ102の再駆
動の起因を異なるようにして制御しているから、圧縮機
本体101の温度Tが下限温度Tmin 以下の状態のとき
に、タンク104内の圧縮空気の圧力Pが第1の下限圧
力Pmin 以下になり、電動モータ102を再駆動するの
を確実に防止することができる。そして、圧縮機本体1
01内のスラスト方向ギャップδの大きい状態(再駆動
時に立上りに時間のかかる状態)のときの再駆動は、必
ずタンク104内の圧力が第1の下限圧力Pmin よりも
高い第2の下限圧力Pmin ′のときになっているから、
タンク104内の圧力Pが第1の下限圧力Pmin 以下に
なるのを確実に防止できる。
下限圧力Pmin までの間に十分余裕のあるときには、圧
縮機本体101の温度Tが下限温度Tmin よりも低くな
ってから、電動モータ102を再駆動させることができ
る。
ば、圧縮空気の使用量に基づいて適切な制御を行うこと
ができる。即ち、従来技術では圧縮機本体101の温度
Tに拘らずタンク104の圧力Pに基づいて制御してい
たが、本実施例では使用量の多い場合には第1の下限圧
力Pmin で電動モータ102を再駆動させ、使用量の少
ない場合には所定時間t0 を経過した後に再駆動させる
ようにしているから、第2の下限圧力Pmin ′と第1の
下限圧力Pmin の範囲または第2の下限圧力Pmin ′で
再駆動するものである。これにより、タンク104内の
圧縮空気の圧力Pが第1の下限圧力Pmin 以下になるの
を確実に防止することができる。
開閉器107を頻繁に作動させることがなくなり、空気
圧縮装置の寿命を著しく向上させることができる。
温度Tが低下したときのラップ部5B,7Bの縮みを実
質的に防止すべく、ラップ部5B,7Bの先端にチップ
シールを配設し、スラスト方向ギャップδを小さくする
ようにしたものもあるが、本実施例による制御を用いれ
ばこのチップシールは不要になり、部品点数を削減する
と共に、該チップシールの摩耗粉による寿命低下を防止
することができる。
2を停止してから圧縮機本体101の温度が下限温度T
min になるまでの冷却時間Δtにより設定されるもので
あるから、この冷却時間Δtおよび所定時間t0 は季節
または外気温度,湿度によって設定するようにすればよ
り高精度な制御を行うことができる。
のステップ8,9が第1の再駆動手段の具体例であり、
ステップ7が時間判定手段の具体例であり、ステップ
6,9が第2の再駆動手段の具体例である。
えて、停止時間(タイマt)が所定時間t0 経過したか
否かを判定してから、タンク104内の圧力Pが第2の
下限圧力Pmin 以下になったか否かを判定するようにし
てもよい。
図6に示す。
センサ32を設け、圧縮機本体101の温度Tに基づい
て電動モータ102の再駆動を制御するものである。な
お、前述した第1の実施例と同一の構成要素に同一の符
号を付し、その説明を省略するものである。
し、該制御装置31はマイクロコンピュータ等により構
成され、入力側には起動スイッチ22,圧力センサ10
6および温度センサ32等が接続され、出力側には電磁
開閉器107を介して電動モータ102等が接続されて
いる。そして、該制御装置31内には図6に示すような
制御処理プログラム等が格納され、記憶エリア31A内
には所定温度T0 ,上限圧力Pmax ,下限圧力Pmin 等
が記憶されている。
101のスクロール5,7近傍に配設され、該圧縮機本
体101の温度Tを検出するものである。
に示すように、下限温度Tmin よりも若干高い温度を示
している。そして、この所定温度T0 は第1の実施例の
所定時間t0 に対応するものである。
構成を有するもので、その基本的作動については従来技
術によるものと格別差異はない。
明する。
動スイッチ22が閉成しているか否かを判定し、起動ス
イッチ22が閉成するまでステップ11で待機する。ス
テップ11で「YES」と判定した場合には、ステップ
12で電動モータ102を駆動し、圧縮機本体101を
始動させ圧縮作業を行いタンク104に圧縮空気を吐出
する。
検出圧力Pが上限圧力Pmax 以上か否かを判定し、検出
圧力Pが上限圧力Pmax 以上になるまでの間待機する。
そして、ステップ13で「YES」と判定した場合に
は、ステップ14に移り、電磁開閉器107にモータ駆
動信号を停止し、電動モータ102を停止させる。
6からの検出圧力Pが第2の下限圧力Pmin ′以下であ
るか否かを判定し、検出圧力Pが第2の下限圧力Pmin
′以下になるまで待機する。ステップ15で「YE
S」と判定した場合には、ステップ16で温度センサ3
2からの圧縮機本体101の温度Tが所定温度T0 以上
であるか否かを判定する。
判定した場合には、ステップ17に移り、ステップ17
では検出圧力Pが第1の下限圧力Pmin 以下であるか否
かを判定し、「YES」と判定した場合にはステップ1
8で電動モータ102を再駆動させ、ステップ13にリ
ターンさせる。
場合には、ステップ16にリターンされ、温度Tが所定
温度T0 以上になるかまたは検出圧力Pが第1の下限圧
力Pmin 以下になるまでの間繰返される。
した場合には、ステップ18に移り、電動モータ102
を再駆動させ、ステップ13にリターンさせる。
施例と同様の作用効果を得ることができるものの、特に
本実施例では直接圧縮機本体101の温度Tを温度セン
サ32で検出するようにしているから、電動モータ10
2の再駆動所定をより確実に行うことができ、タンク1
04内の圧力Pが第1の下限圧力Pmin 以下になるのを
確実に防止することができる。
のステップ17,18が第1の再駆動手段の具体例であ
り、ステップ16が温度判定手段の具体例であり、ステ
ップ15,18が第2の再駆動手段の具体例である。
れ替えて、圧縮機本体101の温度が所定温度T0 以下
になったか否かを判定してから、タンク104内の圧力
Pが第2の下限圧力Pmin 以下になったか否かを判定す
るようにしてもよい。
れば、制御装置を駆動源の停止後、タンク内の圧力が第
1の下限圧力より低下したときには、第1の再駆動手段
により駆動源を再駆動させ、時間判定手段で駆動源の停
止時間が所定時間を経過したと判定し、タンク内の圧力
が第1の下限圧力より所定圧力だけ高い第2の下限圧力
まで低下したときに、第2の再駆動手段により駆動源を
再駆動させる構成としたから、タンクからの圧縮空気の
使用量が多いときには、第1の再駆動手段により駆動源
を再駆動させ、使用量が少ないときには第2の再駆動手
段により再駆動させることができ、圧縮機本体の温度が
冷えた後に、第1の再駆動手段により再駆動されるのを
防止し、タンク内の圧力が第1の下限圧力以下になるの
を確実に防止することができる。
を駆動源の停止後、タンク内の圧力が第1の下限圧力よ
り低下したときには、第1の再駆動手段により駆動源を
再駆動させ、温度判定手段で圧縮機本体の温度が所定温
度以下になったと判定し、タンク内の圧力が第1の下限
圧力より所定圧力だけ高い第2の下限圧力まで低下した
ときに、第2の再駆動手段により駆動源を再駆動させる
構成としたから、タンクからの圧縮空気の使用量が多い
ときには、第1の再駆動手段により駆動源を再駆動さ
せ、使用量が少ないときには第2の再駆動手段により再
駆動させることができ、圧縮機本体の下限温度以下に冷
えた後に、第1の再駆動手段により再駆動されるのを防
止し、タンク内の圧力が第1の下限圧力以下になるのを
確実に防止することができる。
ある。
である。
動信号の関係を示す説明図である。
本体の温度,タンク内の圧力,モータ駆動信号の関係を
示す説明図である。
ある。
である。
す全体図である。
る。
タンク内の圧力,モータ駆動信号の関係を示す説明図で
ある。
機本体の温度,タンク内の圧力,モータ駆動信号の関係
を示す説明図である。
の、圧縮機本体の温度,タンク内の圧力,モータ駆動信
号の関係を示す説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 固定スクロールと旋回スクロールとの各
ラップ部間に複数の圧縮室を画成したスクロール式の圧
縮機本体と、該圧縮機本体の旋回スクロールを旋回駆動
する駆動源と、前記圧縮機本体から吐出される圧縮流体
を貯蔵するタンクと、該タンク内の圧力に基づいて、前
記駆動源の駆動,停止を行う制御装置とからなるスクロ
ール式圧縮装置において、前記制御装置は、前記タンク
内の圧力が所定の上限圧力を越えたときに前記駆動源を
停止させる駆動停止手段と、前記タンク内の圧力が第1
の下限圧力より低下したときに、前記駆動源を再駆動さ
せる第1の再駆動手段と、前記駆動停止手段により駆動
源を停止させた状態で所定時間が経過したか否かを判定
する時間判定手段と、該時間判定手段で前記駆動源の停
止時間が所定時間を経過したと判定したときに、前記タ
ンク内の圧力が第1の下限圧力より所定圧力だけ高い第
2の下限圧力まで低下すると、前記駆動源を再駆動させ
る第2の再駆動手段とを備える構成としたことを特徴と
するスクロール式圧縮装置。 - 【請求項2】 固定スクロールと旋回スクロールとの各
ラップ部間に複数の圧縮室を画成したスクロール式の圧
縮機本体と、該圧縮機本体の旋回スクロールを旋回駆動
する駆動源と、前記圧縮機本体から吐出される圧縮流体
を貯蔵するタンクと、該タンク内の圧力に基づいて、前
記駆動源の駆動,停止を行う制御装置とからなるスクロ
ール式圧縮装置において、前記制御装置は、前記タンク
内の圧力が所定の上限圧力を越えたときに前記駆動源を
停止させる駆動停止手段と、前記タンク内の圧力が第1
の下限圧力より低下したときに、前記駆動源を再駆動さ
せる第1の再駆動手段と、前記駆動停止手段により駆動
源を停止させた状態で前記圧縮機本体の温度が所定温度
よりも低いか否かを判定する温度判定手段と、該温度判
定手段で前記圧縮機本体の温度が所定温度よりも低いと
判定したときに、前記タンク内の圧力が第1の下限圧力
より所定圧力だけ高い第2の下限圧力まで低下すると、
前記駆動源を再駆動させる第2の再駆動手段とを備える
構成としたことを特徴とするスクロール式圧縮装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05097285A JP3142984B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | スクロール式圧縮装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05097285A JP3142984B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | スクロール式圧縮装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06288367A JPH06288367A (ja) | 1994-10-11 |
JP3142984B2 true JP3142984B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=14188248
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05097285A Expired - Fee Related JP3142984B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | スクロール式圧縮装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3142984B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP05097285A patent/JP3142984B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06288367A (ja) | 1994-10-11 |
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