JPH04308382A - 圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機の停止時に吸入
側と吐出側の圧力を速やかにバランスさせて、停止後即
座に再起動を可能とする圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の圧縮機として、停止時に吸入側と
吐出側とを連通させるようにしたものが知られている（
特開昭６２−６８７号）。この種のロータリコンプレッ
サでは、図７に示すように、シリンダ１の両側に主軸受
２および副軸受３が設けられている。尚、図中４は主軸
受カバー、５は副軸受カバーを示す。シリンダ１内には
図示しないローラ（回転ピストン）が配設され、シリン
ダ１にはシリンダ１内を吸入側と圧縮側とに仕切るブレ
ード（図示省略）が出没可能に設けられている。また、
副軸受３、シリンダ１および主軸受２にはこれらを貫通
し上記圧縮側に連通する吐出通路６が設けられている。 吐出通路６は第１貫通孔７、第２貫通孔８、第３貫通孔
９より構成され、第２貫通孔８は第１、第２貫通孔７、
９よりも太径の断面円形に形成されている。更に、上記
シリンダ１には吸入側に連通する吸入孔１０が設けられ
、シリンダ１および主軸受２には、一端が吸入孔１０に
連通し他端が上記第２貫通孔８の一端面で開口する断面
コ字形のバランス通路１１が設けられている。また、上
記第２貫通孔８は内部に連通孔１２を有し、この貫通孔
８内には、上方移動時にその端面によりバランス通路１
１の開口部を閉塞できる円筒体状に形成されたフロート
弁１３が上下移動可能に配設されている。

【０００３】そして、圧縮機駆動時には、フロート弁１
３が吐出通路６を通過する高圧の冷媒ガスにより押上げ
られて、図７に示すように圧力バランス通路１１が閉塞
される。反対に、圧縮機停止時には、フロート弁１３が
自重により副軸受３上に着座し、これにより圧力バラン
ス通路１１が開放され、低圧側である吸入孔１０と高圧
側である吐出通路６とが連通され、これらの圧力が均一
となり、圧縮機の再起動時における圧力差による起動負
荷を低減でき、スムーズな再起動が確保される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の従来技術によれば、多数の部材に貫通孔を設けたり
、また、複雑な形状のバランス通路を形成しなければな
らず、加工が多くてコストが嵩む不具合がある。また、
上述した密閉型圧縮機としては、モータにより駆動する
ものであり、吸入圧と吐出圧の圧力がバランスするまで
再起動ができず、３分、５分等のインターバルタイムを
設け、これらの時間経過後に再起動を行なっており、モ
ータを有する圧縮機では、停止後に瞬時的な再起動はで
きないのが現状であった。

【０００５】そこで、本発明は、簡単な構造により、停
止後瞬時に再起動が可能な圧縮機を提供することを目的
としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の圧縮機は、高圧
の冷媒ガスを吐出する圧縮室に連通する高圧室を設け、
この高圧室と吸入圧側とを連通するバイパスポートを形
成し、前記高圧室内に、圧縮機駆動時には前記バイパス
ポートを閉止する一方、圧縮機停止時には前記バイパス
ポートを開放する開閉弁を設けた構成とされている。

【０００７】

【作用】したがって、圧縮機の駆動時にはバイパスポー
トが開閉弁により閉塞されるが、圧縮機の停止時にはバ
イパスポートが開放されて高圧側と吸入側が連通される
ので、圧力バランスがとれ、再起動がスムーズとなる。 また圧縮室に連通する高圧室を設けたことにより、バイ
パスポートの構造が簡素化し、加工が容易となる。

【０００８】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。本実施例では、圧縮機にスクロールタイプの圧縮
機を用いている。図１は本実施例の圧縮機２０を示して
おり、同図中２１は密閉ケースであり、このケース２１
は筒状部２２と上下の閉塞部２３、２４により形成され
ている。このケース内の下側には、ブラシレスの直流電
動機２５が配設されている。この電動機２５は、上側が
支持ブロック２６に軸受２７を介して支承された駆動軸
２８、駆動軸２８に固着された回転子２９、ケース２１
に固着された固定子３０、固定子３０に設けられた励磁
コイル３１等により構成されている。

【０００９】上記駆動軸２８の上端側には駆動軸２８の
軸心から所定寸法だけ偏心したクランク軸３２が形成さ
れ、このクランク軸３２が揺動スクロール部材３３の連
結挿入部３４に軸受３５を介して挿入されている。揺動
スクロール部材３３のスクロール３３ａは、ケース２１
に固設された固定スクロール部材３６のスクロール３６
ａに噛み合っており、これら双方のスクロール３３ａ、
３６ａにより吸入圧室３７、中間圧室３８、吐出圧室３
９が形成され、冷媒ガスが順次圧縮される。尚、揺動ス
クロール部材３３の背面側には、スラストプレート４０
、オルダムリング４１等からなる自転防止機構４２が配
設されている。

【００１０】上記ケース２１の側部には吸入パイプ４３
が取付けられ、このパイプ４３は、電動機２５が配設さ
れた低圧室（吸入側）４４と、支持ブロック２６および
スラストプレート４０等に設けられた吸入ポート４５を
通じて吸入圧室３７に連通されている。また、上記ケー
ス２１内の固定スクロール部材３６の上部には低圧の上
部空間部（吸入側）４６が形成され、この空間部４６内
には固定スクロール部材３６に固着される画成部材４７
が設けられている。この画成部材４７の内部には、固定
スクロール部材３６に設けられた吐出ポート４８に連通
する高圧室４９が形成されている。この画成部材４７の
上部には接続孔５０が設けられ、この接続孔５０にケー
ス２１外に延在する吐出パイプ５１が接続されている。 上記高圧室４９は横断面円筒状に形成され、画成部材４
７の上部にはこの高圧室４９と上部空間４６とを連通す
るバイパスポート５２が設けられており、この高圧室４
９内にはフロート弁（開閉弁）５３が上下移動可能に設
けられている。

【００１１】フロート弁５３は、図２および図３に示す
ように、高圧室４９よりも小さな外径の円板状に形成さ
れており、圧縮機２０の駆動時には、図３に示すように
吐出ポート４８から吐出される冷媒ガスの吐出圧により
上方に移動して上面に圧着し、圧縮機２０の停止時には
、図４に示すように固定スクロール部材３６に着座する
。また、上記フロート弁５３には、冷媒ガスの通行穴５
４が形成されており、この通行穴５４は、本実施例では
それぞれ扇状に形成されて２つの通行穴５４が線対称に
設けられている。これらの通行穴５４の外径は、フロー
ト弁５３の上方移動時にフロート弁５３の周縁部上面で
バイパスポート５２を閉塞できる大きさに形成され、通
行穴５４の内径は、フロート弁５３の上方移動時に吐出
パイプ５１に通行穴５４自体が連通できる寸法に形成さ
れている。尚、通行穴の形状としては扇状に限らず、任
意の形状に形成することが可能である。

【００１２】このような圧縮機２０において、駆動時に
は吸入パイプ４３から導入された冷媒ガスが吸入ポート
４５を通じて吸入圧室３７に吸入され、吸入圧室３７、
中間圧室３８、吐出圧室３９と順次圧縮される。吐出圧
室３９の冷媒ガスは吐出ポート４８から高圧室４９内に
吐出される。このとき、吐出ポート４８から吐出される
高圧の冷媒ガスの圧力により、フロート弁５３は図３に
示すように上方に押付けられ、フロート弁５３の周縁部
によりバイパスポート５２が閉塞される。そして、高圧
室４９内の高圧の冷媒ガスは、通行穴５４を通って吐出
パイプ５１内に導かれる。反対に、圧縮機２０が停止す
ると、吐出ポート４８から高圧の冷媒ガスの吐出がない
ので、フロート弁５３は図４に示すように自重により固
定スクロール部材３６上に着座し、バイパスポート５２
が開放されて高圧室４９と低圧室４６が連通され、これ
により吸入圧Ｐｓと吐出圧Ｐｄがバランスする。

【００１３】したがって、圧縮機の停止時にすぐに吸入
圧と吐出圧とをバランスさせることができるので、圧縮
機の停止後でも直ちに再起動させることが可能となり、
この場合に起動負荷が低減しスムーズな再起動が可能と
なり、また、吐出圧力上昇により非常停止しても圧力が
すぐに下がるため、システム自体が保護される。更に、
電磁弁等も不用であるばかりか、加工が極めて容易とな
るので、製作コストの低減を図ることが可能となった。

【００１４】尚、バイパスポートを開閉する弁としては
、上記実施例の図４に示すフロート弁に限らず、図５に
示すようなリード弁５６を用いて構成することもできる
。この場合には、図５に示すように、画成部材４７の内
面をリード弁５６に倣う形状に形成し、この面にバイパ
スポート５２を設けることにより、上記実施例と同様な
効果を得ることができる。また、開閉弁としては、ピス
トン型のバルブや他のバルブを用いた構造としてもよい
。

【００１５】次にその他の実施例について図６に基づき
説明する。本実施例の圧縮機２０では、固定スクロール
部材３６の上方の上部空間６０を密閉した高圧側とする
とともに、この空間６０内に画成部材４７が配設され、
この画成部材４７の内部に高圧室４９が形成され、この
高圧室４９は画成部材４７に接続された連通パイプ６１
により上部空間６０に連通されている。また、上部空間
内は固定スクロール部材３６の上側をオイル溜り６２と
している。また、ケース２１の上部には吐出パイプ５１
が接続され、吐出ポート４８から吐出された高圧の冷媒
ガスが高圧室４９、連通パイプ６１、上部空間６０、吐
出パイプ５１を順次介して吐出される。上記吐出パイプ
６１の上側の開口の下方には整流板６３が設けられ、連
通パイプ６１から吐出される冷媒ガス中のオイルを分離
してオイル溜りに導く。また、上記高圧室４９内には上
記実施例と同様の構造のフロート弁５３が配設され、高
圧室４９の上部当接面にバイパスポート５２の一端開口
が設けられている。バイパスポート５２は、画成部材４
７、固定スクロール部材３６等内に形成され、他端開口
が電動機（図示省略）が配設される低圧室４４に連通し
ている。更に、固定スクロール部材３６には、オイル溜
り６２に一端側が連通し、他端側が各潤滑部に連通され
た細孔からなるオイル孔６４が形成されている。

【００１６】したがって、このような圧縮機では、先の
実施例と同様に、圧縮機駆動時にはバイパスポートがフ
ロート弁により閉止され、圧縮機停止時にはバイパスポ
ートが開放されて吸入圧Ｐｓと吐出圧Ｐｄがバランスさ
れ、圧縮機の再起動を速やかに行なうことが可能となる
。また、密閉された固定スクロール部材の上側をオイル
溜りとした場合、圧縮機停止時にも差圧がないため上部
空間内にオイルを維持することが可能となり、再起動時
にも維持されたオイルがオイル孔を通じて各摺接部を潤
滑し、潤滑が良好となり、更に再起動をスムーズなもの
とすることができる。

【００１７】尚、上述した各実施例ではスクロール型の
圧縮機に適用した場合を例に採って説明したが、他のタ
イプの圧縮機に適用することも可能である。また、圧縮
機を駆動する電動機としては、ブラシレスの直流電動機
を用いた場合について説明したが、これに限らず、誘導
電動機など他の電動機を用いてもよい。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、開
閉弁により圧縮機の停止時には高圧側と低圧側とがバイ
パスポートを通じて連通されるので、圧力バランスが確
保されて起動負荷が低減し、圧縮機停止後待ち時間なし
に速やかに再起動を行なうことが可能となる。また、圧
縮室の背面側に当該圧縮室と連通する高圧室を設けると
ともに、この高圧室を形成する部材にバイパスポートを
形成したので、バイパスポートの構造が簡素化し、製作
が簡単となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る圧縮機の縦断面図で
ある。

【図２】開閉弁の平面図である。

【図３】吐出部の拡大断面図である。

【図４】吐出部の拡大断面図である。

【図５】本発明の第２実施例に係る吐出部の拡大断面図
である。

【図６】本発明の第３実施例に係る圧縮機の要部の縦断
面図である。

【図７】従来の圧縮機の圧縮要素の要部を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

２０　　　　圧縮機 ３９　　　　圧縮室 ４９　　　　高圧室 ５２　　　　バイパスポート ５３、５６　　　　開閉弁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　高圧の冷媒ガスを吐出する圧縮室の背
   面側に、前記圧縮室と連通する高圧室を設け、この高圧
   室を形成する部材に当該高圧室と吸入圧側とを連通する
   バイパスポートを形成し、前記高圧室内に、圧縮機駆動
   時には前記バイパスポートを閉止する一方、圧縮機停止
   時には前記バイパスポートを開放する開閉弁を設けたこ
   とを特徴とする圧縮機。