JP2007205206A - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度センサをスクロールの鏡板の背面側に取付けることにより、センサの取付構造を簡略化し、生産性を向上させる。
【解決手段】 圧縮機1を固定スクロール3、旋回スクロール10、駆動軸19等によって構成し、コントロールユニット30によって制御する。また、固定スクロール3の鏡板4の背面4B側には、その内径側に位置する内径側温度センサ25と、鏡板4の外径側に位置する外径側温度センサ26とを設ける。そして、各センサ25,26の検出信号をコントロールユニット30に入力し、固定スクロール3の温度状態に応じた制御を行う。これにより、温度センサ25,26の取付構造を簡略化することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば空気、冷媒等の圧縮機または真空ポンプ等として好適に用いられるスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械としては、例えばモータ等の駆動源によって2個のスクロールを相対的に旋回運動させることにより、圧縮運転を行うようにしたスクロール式圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−144985号公報
この種の従来技術によるスクロール式圧縮機は、互いに対向して配置された固定スクロールと旋回スクロールとを有し、これらのスクロールは鏡板の表面(歯底面)に渦巻状のラップ部がそれぞれ立設されている。そして、各ラップ部の間には、鏡板の内径側から外径側にわたって複数の圧縮室が画成されている。
また、旋回スクロールの背面側には、これを固定スクロールに対して旋回運動させるモータ等の駆動源が連結されている。そして、圧縮機の運転時には、モータによって旋回スクロールが駆動されることにより、各圧縮室が鏡板の外径側から内径側に向けて移動しつつ連続的に縮小する。この結果、外径側の圧縮室に空気が吸込まれ、この空気は圧縮空気となって内径側の圧縮室から吐出される。
このような圧縮機の運転時には、何らかの異常、故障等によってラップ部等の温度が上昇することがある。このため、従来技術では、固定スクロールの内径側と外径側とにそれぞれ温度センサを設け、これら2個の温度センサにより検出される温度の差が大きくなったり、内径側の検出温度が上昇したときには、コントロールユニットによってモータを強制的に停止させる構成としている。
この場合、旋回スクロールの内径側と外径側には、小径で細長いピン穴がそれぞれ設けられ、これらのピン穴は、鏡板の背面側からラップ部の先端側まで延びている。また、2個の温度センサは、各ピン穴内に挿入されるピン状の部品として形成されている。そして、各温度センサの先端側に位置する検出部は、ラップ部の外径側及び内径側でラップ部内にそれぞれ挿入され、これらの部位の温度を検出するようになっている。
ところで、上述した従来技術では、旋回スクロールの内径側と外径側にピン穴を設け、これらのピン穴内に温度センサを挿入する構成としている。しかし、このピン穴の形成時には、例えばドリル等の工具によって旋回スクロールの背面側からラップ部の先端側まで細くて深い穴加工を施す必要がある。
このため、旋回スクロールの形成時には、ピン穴の穿設作業が難しいものとなり、この穿設作業に時間と手間がかかるため、生産性が低下するという問題がある。また、薄肉な突起物であるラップ部の内部にピン穴を穿設することになるため、ラップ部の強度を確保するのが難しいという問題もある。
一方、従来技術では、温度センサの検出温度が上昇したときに、圧縮機を強制的に停止させるようにしている。しかし、例えば圧縮機の吐出圧(負荷)が低いときには、その構成部品に加わる圧力が比較的小さいから、センサの検出温度が上昇したとしても、必ずしも圧縮機を停止する必要がない場合もある。
このため、従来技術では、例えば圧縮運転を続けることが可能な状態であっても、センサの検出温度が上昇しただけで圧縮機を不必要に停止させてしまうことがあり、圧縮機の取扱いが面倒になるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、温度センサの取付構造を簡略化することができ、この状態でもセンサの検出精度を十分に確保できると共に、生産性を向上できるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、運転停止が必要な状態を正確に判定することができ、不必要な停止動作を減らすことができると共に、取扱いが容易なスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、鏡板の表面に渦巻状のラップ部がそれぞれ立設され互いのラップ部の間に内径側から外径側にわたって複数の圧縮室を画成する2個のスクロールと、これら2個のスクロールを相対的に旋回させて圧縮運転を行う駆動源と、前記2個のスクロールのうち少なくとも一方のスクロールに設けられ温度を検出する温度センサと、該温度センサの検出結果に応じて前記駆動源を制御する制御手段とを備えたスクロール式流体機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記温度センサは、前記一方のスクロールの内径側に位置して前記鏡板の背面側に取付けられた第1の温度センサと、該第1の温度センサよりも外径側に位置して前記鏡板の背面側に取付けられた第2の温度センサとにより構成したことにある。
また、請求項2の発明によると、前記鏡板の背面には冷却フィンを設け、前記第1,第2の温度センサは前記冷却フィンに取付ける構成としている。
また、請求項3の発明では、前記圧縮室から外部に吐出される圧縮流体の圧力を検出する圧力センサと、前記第1,第2の温度センサにより検出した温度の温度差が温度閾値よりも大きいか否かを判定する温度差判定手段と、前記圧力センサにより検出した圧力が圧力閾値よりも高いか否かを判定する圧力判定手段と、前記温度差判定手段によって前記温度差が大きいと判定し、かつ前記圧力判定手段によって前記圧力が高いと判定したときに前記駆動源による運転を停止させる運転停止手段とを設ける構成としている。
また、請求項4の発明では、前記温度差が前記温度閾値よりも大きいと判定し、かつ前記圧力が前記圧力閾値以下であると判定したときに警報を発生する警報手段を設ける構成としている。
さらに、請求項5の発明では、前記圧縮流体の圧力を常時監視し前記圧力が所定の高圧となったときに圧縮運転を停止し前記圧力が所定の低圧となったときに圧縮運転を再開する圧力式運転制御手段を設け、該圧力式運転制御手段によって圧縮運転を停止しているときには前記温度差判定手段の判定処理を停止する構成としている。
請求項1の発明によれば、第1,第2の温度センサは、スクロールの内径側と外径側の温度を鏡板の背面側から検出することができ、このような背面側の検出位置でも各温度センサの検出精度を十分に確保することができる。このため、制御手段は、鏡板の内径側と外径側の温度状態(温度分布)等に応じて各種の制御を円滑に行うことができる。
また、スクロール式流体機械の組立時には、例えばねじ止め等の簡単な手段によって第1,第2の温度センサを鏡板の背面側に取付けることができる。このため、従来技術のようにスクロールの鏡板やラップ部にセンサ挿入用の深い穴等を穿設する必要がないから、温度センサの取付構造を簡略化することができ、またラップ部の強度等も十分に確保することができる。そして、センサの取付作業を効率よく行うことができ、生産性を向上させることができる。
また、温度センサを鏡板の背面側に露出した状態で配置することができ、従来技術のように温度センサがスクロールの内部に挿入されていないから、センサの点検、交換等を容易に行うことができ、メンテナンス性を高めることができる。
また、請求項2の発明によれば、第1,第2の温度センサを、鏡板の背面に設けた冷却フィンに取付けることができる。この場合、鏡板側で発生する熱は冷却フィンに短い距離で伝わるから、冷却フィンの位置でもスクロールの温度状態を十分な精度で検出することができる。従って、例えば鏡板の背面側にセンサの取付スペースが少ない場合でも、冷却フィンを利用して温度センサを取付けることができ、スクロールの冷却性能を維持しつつ、温度センサの取付部位を容易に確保することができる。
また、請求項3の発明によれば、温度差判定手段は、第1,第2の温度センサにより検出した温度の温度差が温度閾値よりも大きいか否かを判定することができ、その判定結果に応じて、例えば各スクロールの間をシールするチップシールの摩耗状態等を容易に検出することができる。これにより、チップシールの摩耗等を検出したときには、例えば機械の使用者等に警報を行うことができ、メンテナンスや取扱いが容易なスクロール式流体機械を実現することができる。
また、圧力判定手段は、圧力センサによって検出した圧力が圧力閾値よりも高いか否かを判定することができる。そして、例えば温度差判定手段によって温度差が大きいと判定し、かつ圧力判定手段によって圧力も高いと判定したときには、各スクロールの歪み等によってラップ部同士が接触し易い状態であることを容易に検出でき、運転停止手段によって駆動源を強制的に停止させることができる。従って、例えばチップシールが摩耗した状態で高圧の圧縮運転が行われ、これによってスクロールが連鎖的に損傷するのを確実に防止でき、耐久性や信頼性を高めることができる。
さらに、スクロールの内径側と外径側の温度差が大きくても、圧力が小さい場合には、圧縮運転を続行しつつ、必要に応じて警報等の適切な対処を行うことができる。このため、例えば低圧であれば圧縮運転が可能な軽度の不具合等が生じたときに、圧縮運転が不必要に停止されるのを防止でき、スクロール式流体機械の運転操作性を高めることができる。
また、請求項4の発明によれば、例えばチップシールの摩耗等によってスクロールの内径側と外径側に大きな温度差が生じたとしても、低圧の圧縮運転を行っているときには、警報手段によって機械の使用者等にチップシールが摩耗したことを知らせることができる。
さらに、請求項5の発明によれば、圧力式運転制御手段によって圧縮運転を断続的に行うことにより、例えばタンク内の圧力が所定の範囲内に収まるように制御することができる。この場合、圧縮運転を停止したときには、スクロールの内径側と外径側の温度差が一時的に温度閾値よりも大きくなることがある。しかし、温度差判定手段は、圧縮運転が停止している間は判定処理を行わないので、運転停止時の一時的な温度上昇による誤判定を防止することができ、判定精度を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
ここで、図1ないし図13は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、スクロール式流体機械として空気圧縮装置を例に挙げて述べる。
図中、1は空気圧縮装置の本体部分を構成するスクロール式の圧縮機で、該圧縮機1は、軸方向一側が開口した略筒状のケーシング2と、後述の固定スクロール3、旋回スクロール10、駆動軸19とによって大略構成されている。
3はケーシング2の開口側に設けられた固定スクロールで、該固定スクロール3は、例えばアルミニウム等の金属材料、またはその合金等を用いて形成され、図2、図3に示す如く、軸線O−Oを中心として略円板状に形成された鏡板4と、該鏡板4の表面となる歯底面4Aに軸方向に立設された渦巻状のラップ部5と、該ラップ部5を取囲んで鏡板4の外径側に設けられた筒部6と、鏡板4の背面4Bに突設された複数の冷却フィン7とによって大略構成されている。
ここで、鏡板4の背面4Bは、ケーシング2内に配置された歯底面4Aと軸方向の反対側に位置し、ケーシング2の外部に露出している。また、ラップ部5は、例えば最内径端を巻始め端として、最外径端を巻終り端としたときに、内径側から外径側に向けて例えば3巻前,後の渦巻状に巻回されている。そして、ラップ部5の歯先面5Aは、相手方となる旋回スクロール10の鏡板11の歯底面11Aから一定の軸方向寸法だけ離間し、この歯先面5A側には後述のチップシール17が設けられている。
また、各冷却フィン7は、例えば鏡板4の背面4B側に一体形成され、細長い板状をなして背面4Bから突出すると共に、互いに間隔をもってほぼ平行に延びている。そして、一部の冷却フィン7の先端部には、後述の温度センサ25,26が取付けられる2箇所のねじ穴7A(図5参照)が穿設されている。
8は固定スクロール3の外径側に設けられた例えば2個の吸込口で、該各吸込口8は、図2、図3に示す如く、鏡板4の外径側から筒部6にかけて開口し、後述する外径側の圧縮室16に連通している。そして、吸込口8は、例えば空気等の流体を吸込フィルタ8Aを通じて外径側の圧縮室16内に吸込むものである。
9は固定スクロール3の鏡板4の内径側(中心側)に設けられた吐出口で、該吐出口9は、最内径側の圧縮室16に連通し、この圧縮室16内の圧縮空気を吐出パイプ9Aから外部に吐出させるものである。
10はケーシング2内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール10は、例えばアルミニウム等の金属材料、またはその合金等を用いて形成され、図2に示す如く、固定スクロール3の鏡板4と対向して配置された略円板状の鏡板11と、該鏡板11の表面となる歯底面11Aに立設された渦巻状のラップ部12と、鏡板11の背面11Bに突設された複数の冷却フィン13と、該冷却フィン13の先端側に位置して固定された背面プレート14とによって大略構成されている。
ここで、ラップ部12は、固定スクロール3のラップ部5とほぼ同様に、例えば3巻前,後の渦巻状をなしている。そして、ラップ部12の歯先面12Aは、相手方となる固定スクロール3の鏡板4の歯底面4Aから一定の軸方向寸法だけ離間し、この歯先面12A側には後述のチップシール18が設けられている。
また、背面プレート14の中央側には、後述する駆動軸19のクランク部19Aと回転可能に連結される筒状のボス部14Aが一体形成されている。また、背面プレート14の外径側とケーシング2との間には、旋回スクロール10の自転を防止する例えば3個の補助クランク15(1個のみ図示)が設けられている。
16は固定スクロール3と旋回スクロール10との間に設けられた複数の圧縮室で、これらの圧縮室16は、図2に示す如く、ラップ部5,12の間に位置して外径側から内径側にわたって順次形成され、チップシール17,18によって気密に保持されている。そして、各圧縮室16は、旋回スクロール10が旋回運動するときに、ラップ部5,12の外径側から内径側に向けて移動しつつ、これらの間で連続的に縮小される。
これにより、各圧縮室16のうち最外径側の圧縮室16には、吸込口8から例えば空気等の流体が吸込まれ、この空気は最内径側の圧縮室16に達するまでに圧縮されて圧縮空気となる。そして、この圧縮空気は吐出口9から外部に吐出され、後述のタンク24に貯えられる。
17,18は各圧縮室16の気密性を確保する例えば2個のチップシールで、これらのチップ17,18は、例えば耐熱性、耐摩耗性、摺動性に優れた樹脂材料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を含む樹脂材料を用いて渦巻状に形成されている。
そして、一方のチップシール17は、図2に示す如く、固定スクロール3のラップ部5の歯先面5A側に設けられ、旋回スクロール10の鏡板11の歯底面11Aに摺接すると共に、これらの歯先面5Aと歯底面11Aとの間を気密にシールしている。また、他方のチップシール18は、旋回スクロール10のラップ部12の歯先面12A側に設けられ、固定スクロール3の鏡板4の歯底面4Aに摺接すると共に、これらの間を気密にシールしている。
19はケーシング2に軸受等を介して回転可能に設けられた駆動軸で、該駆動軸19は、後述のモータ23によって駆動されることにより、図1中に示す軸線O−Oを中心として回転し、このときに旋回スクロール10を旋回運動させるものである。
ここで、駆動軸19の一端側には、軸線O−Oに対して一定の寸法だけ径方向に偏心したクランク部19Aが設けられ、このクランク部19Aは、旋回軸受等を介して旋回スクロール10の背面プレート14のボス部14Aに回転可能に連結されている。また、駆動軸19の他端側には、ケーシング2の外部に位置してプーリ19Bが設けられ、このプーリ19Bは、モータ23の出力側にベルト(図示せず)等を介して連結されている。
20は駆動軸19のプーリ19Bにボルト等を用いて取付けられた冷却ファンで、該冷却ファン20は、ケーシング2の外側に設けられたファンケーシング21内に収容されている。この場合、ケーシング2の外側には、ファンケーシング21の位置から固定スクロール3の背面側に設けられたカバー22の位置まで延びるダクト(図示せず)が設けられている。
そして、冷却ファン20は、ファンケーシング21内で冷却風を発生させ、この冷却風をダクト等に沿ってケーシング2の内部や各スクロール3,10の背面側に送風することにより、ケーシング2、固定スクロール3、旋回スクロール10等を冷却するものである。
次に、図6を参照しつつ、圧縮機1に付設された他の機器について説明すると、まず23は駆動源としてのモータを示している。このモータ23は、後述のコントロールユニット30によって制御されることにより、駆動軸19を回転駆動し、旋回スクロール10を旋回運動させるものである。
24は圧縮機1の吐出口9(吐出パイプ9A)に接続されたタンクで、該タンク24は、圧縮機1から吐出される圧縮空気を貯えるものである。そして、タンク24内の圧縮空気は、必要に応じて外部の機器等に供給される。
25は固定スクロール3の鏡板4の内径側に設けられた第1の温度センサとしての内径側温度センサを示している。この内径側温度センサ25は、圧縮機1の吐出口9に近い内径側の位置(例えばラップ部5の最内周端から2巻以内、好ましくは前記最内周端から1巻以内となる位置)に配置され、この位置で固定スクロール3の中心部の温度t1を検出することにより、温度t1に対応する検出信号をコントロールユニット30に出力するものである。
ここで、内径側温度センサ25は、図3ないし図5に示す如く、例えばシース構造型のセンサ部品として形成され、後述の取付ねじ27を用いて鏡板4の背面4B側に露出した状態で取付けられている。この場合、本実施の形態では、内径側温度センサ25を、鏡板4の背面4B側に位置する冷却フィン7の先端部に取付けた場合を例示している。
また、内径側温度センサ25は、例えば熱伝導性の良好な金属板等によって環状またはフォーク形状に形成されたベース板25A(本実施の形態では、環状のものを例示)と、該ベース板25A上に搭載された感温素子25Bと、該感温素子25Bをベース板25A上に樹脂封止する保護層25Cと、感温素子25Bに接続されて通電、信号出力等を行う配線25Dとによって構成されている。
この場合、ベース板25Aは、圧着端子等のように、取付ねじ27によって冷却フィン7の先端部に密着した状態で固定されている。また、感温素子25Bは、例えばサーミスタ、白金抵抗体等によって構成され、温度を抵抗値の変化によって検出するものである。また、保護層25Cは、例えば耐熱性と絶縁性とを有するイミド系、フェノール系の接着材等によって形成されている。
26は固定スクロール3の鏡板4の外径側に設けられた第2の温度センサとしての外径側温度センサを示している。この外径側温度センサ26は、内径側温度センサ25と同様のセンサ部品等によって構成され、図3に示す如く、内径側温度センサ25よりも外径側の位置(例えばラップ部5の最内周端から2巻以降、好ましくは前記最内周端から3巻以降となる位置)に配置されている。
そして、外径側温度センサ26は、圧縮機1の吸込口8に近い外径側の位置で冷却フィン7の先端部に取付けられ、この位置で固定スクロール3の外径側の温度t2を検出することにより、温度t2に対応する検出信号をコントロールユニット30に出力するものである。
この場合、外径側の温度t2には、吸込口8から吸込まれる外気の温度が反映されるので、固定スクロール3の中心部で検出した温度t1から外径側の温度t2を減算することにより、外気温の影響を補正することができる。
27は各温度センサ25,26をそれぞれ冷却フィン7の先端部にねじ止めする取付ねじで、該取付ねじ27は、図4、図5に示す如く、温度センサ25,26のベース板25A等を介して冷却フィン7のねじ穴7Aに螺着されている。
次に、28は圧縮機1の吐出圧(圧縮空気の圧力)を検出する圧力センサで、該圧力センサ28は、例えばタンク24、または圧縮機1の吐出口9とタンク24との間に接続された吐出パイプ9A等に設けられている。そして、圧力センサ28は、図6に示す如く、圧縮空気の圧力Pに対応する検出信号をコントロールユニット30に出力するものである。
29は警報手段としての警報器で、該警報器29は、後述の如く固定スクロール3の内径側と外径側との温度差Δtが大きくなったときに、コントロールユニット30によって駆動され、例えばランプ、ブザー音、音声等によって警報を発生するものである。
30はマイクロコンピュータ等からなる制御手段としてのコントロールユニットで、該コントロールユニット30の入力側には各センサ25,26,28等が接続され、出力側にはモータ23、警報器29等が接続されている。また、コントロールユニット30には、圧縮機1の運転を制御するプログラムと、後述の閾値t,P、最大値Pmax、最小値Pmin等が予め記憶されている。
そして、コントロールユニット30は、内径側温度センサ25と外径側温度センサ26の検出信号を用いて、固定スクロール3の内径側の温度t1と外径側の温度t2とを検出する。また、内径側の温度t1から外径側の温度t2を減算した値、即ちスクロール中心部の温度t1に対して外気温の影響等を温度t2によって補正した温度差Δtを下記数1のように演算する。
Figure 2007205206
そして、コントロールユニット30は、この温度差Δtと、圧力センサ28によって検出した圧縮空気の圧力Pとに応じてモータ23を運転または停止することにより、圧縮機1が過度の高温・高圧状態で運転されるのを規制する。これにより、圧縮運転時には、高温、高圧状態によって各スクロール3,10に大きな歪みが生じたり、この歪みが原因でラップ部5,12同士の接触(かじり)等が発生するのを防止することができる。
ここで、圧縮運転時に温度が上昇する原因について述べると、この原因の一例としては、チップシール17,18が大きく摩耗した場合が考えられる。即ち、チップシール17,18の摩耗量が許容限度を超えた場合には、そのシール性が低下し、内径側から外径側の圧縮室16に向けて高い温度の圧縮空気が漏れ易くなる。そして、この圧縮空気は吸込空気と一緒に再圧縮されるから、固定スクロール3の内径側の温度t1は、圧縮空気の漏れがない場合と比べて上昇する。
この結果、固定スクロール3の内径側と外径側の温度差Δtは、例えば図7中の特性線L0,L1に示すように、チップシール17,18が許容限度を超えて摩耗したときに増大する傾向がある。
そこで、コントロールユニット30は、例えば特性線L0,L1の差異等に応じて適切な値に設定された温度閾値tと、温度差Δtとを比較することにより、チップシール17,18の摩耗等による温度上昇を検出する。この場合、本実施の形態では、例えば温度閾値tを27deg程度の値に設定している。
また、コントロールユニット30は、温度差Δt(即ちスクロール中心部の温度)が過度に上昇したときに許容される圧力の最大値を、所定の圧力閾値Pとして予め記憶しており、この圧力閾値Pと圧縮空気の圧力Pとを比較する。この場合、本実施の形態では、例えば圧力閾値Pを0.76MPa程度の値に設定している。
そして、例えば図7中の運転領域A1に示すように、温度差Δtが温度閾値tよりも大きく、かつ圧力Pが圧力閾値Pよりも大きい場合には、例えば特性線L1の仮想線部分に沿った圧縮運転、即ちチップシール17,18が摩耗した状態で高圧の圧縮運転が行われていると判定する。このような運転状態では、例えば各スクロール3,10に大きな歪みが生じることにより、ラップ部5,12同士の接触等が発生し易くなるので、コントロールユニット30によって圧縮機1(モータ23)の運転を強制的に停止する。
また、図7中の運転領域A2に示すように、温度差Δtが温度閾値tを超えた状態でも、圧力Pが圧力閾値P以下である場合には、チップシール17,18が摩耗していたとしても、圧縮機1が低圧で運転されているから、各スクロール3,10の歪みはラップ部5,12同士が接触しない程度に抑えられる。このため、コントロールユニット30は、圧縮機1の運転を続行しつつ、その使用者等にチップシール17,18の摩耗を知らせるために警報器29を作動させる構成となっている。
さらに、図7中の運転領域A0に示すように、温度差Δtが温度閾値t以下である場合には、例えば特性線L0や特性線L1の実線部分に沿って、正常な温度範囲内で圧縮運転が行われていると判定することができる。
一方、コントロールユニット30は、図8に示す如く、圧縮空気の圧力P(即ちタンク24内の圧力)が予め設定された最大値Pmaxと最小値Pminとの間に収まるように、モータ23を断続的に運転または停止し、これによって圧力式運転制御を行う。
この圧力式運転制御によってモータ23を停止させたときには、冷却ファン20の回転が停止することにより、温度差Δtが一時的に増大することがある。この場合、温度閾値tは、一時的に増大した温度差Δtよりも大きな値となるように予め設定されているが、温度環境等によっては、図8中に仮想線で示すように、温度差Δtが温度閾値tを超えることもある。このため、コントロールユニット30は、圧力制御によってモータ23を停止させているときに、前述した温度差Δtの判定処理も停止し、誤判定を防止する構成となっている。
本実施の形態による空気圧縮装置は上述の如き構成を有するもので、次に、圧縮機1の作動について説明する。
まず、モータ23が作動すると、その回転がプーリ19B等を介して駆動軸19に伝達され、駆動軸19が軸線O−Oを中心として回転する。このとき、駆動軸19のクランク部19Aに連結された旋回スクロール10は、補助クランク15によって自転を防止された状態で、軸線O−Oを中心として一定の旋回半径で旋回運動を行う。
これにより、固定スクロール3のラップ部5と旋回スクロール10のラップ部12との間に画成された各圧縮室16は、外径側から内径側に向けて移動しつつ、連続的に縮小する。このため、外径側の圧縮室16には、固定スクロール3の吸込口8から外気が吸込まれ、この空気は個々の圧縮室16内で圧縮されることによって圧縮空気となる。そして、この圧縮空気は、内径側の圧縮室16から吐出口9を介して外部に吐出され、タンク24に貯えられる。
次に、図9ないし図11を参照しつつ、温度センサ25,26の取付位置について説明する。
まず、空気圧縮装置の設計時には、図9に示す如く、温度センサ25,26の取付位置の一例として、固定スクロール3の鏡板4の内径側から外径側にわたって例えば8箇所の検出位置a,b,c,d,e,f,g,hを選定した。そして、圧縮機1を運転しつつ、これらの検出位置a〜hにおいて、鏡板4の歯底面4Aの温度と、冷却フィン7の先端部の温度とをそれぞれ個別に検出すると、図10に示すようになった。
この場合、鏡板4側で発生する熱は、その背面4Bに一体形成された冷却フィン7に短い距離で伝わる。このため、鏡板4の温度と冷却フィン7の温度とは、図10から判るように、検出位置a〜h全体としてほぼ同様の温度分布を示している。従って、固定スクロール3の温度分布を検出するときには、これを鏡板4の歯底面4A、ラップ部5等の位置で検出しなくても、冷却フィン7の位置で十分に精度よく検出可能であることが確認できた。
また、個々の検出位置a〜hにおいて、チップシール17,18が摩耗したときの温度の上昇量(即ち、チップシールの非摩耗時と摩耗時の温度差)を調べると、図11に示すようになった。
この図11から判るように、何れの検出位置a〜hにおいても、チップシール17,18が摩耗することによって温度が上昇し、その上昇量は、例えば鏡板4の内径側に位置する検出位置d,e等で大きくなり、外径側に位置する検出位置a,h等で小さくなっている。
この結果、内径側と外径側の温度差によってチップシール17,18の摩耗状態を検出しようとする場合には、シールの摩耗時に出来るだけ大きな温度差が生じるように、検出位置d,eの何れか一方に内径側温度センサ25を設け、検出位置a,hの何れか一方に外径側温度センサ26を設ければよいことが判る。
このため、本実施の形態では、図3、図9に示すように、例えば検出位置eに内径側温度センサ25を設け、検出位置hに外径側温度センサ26を設けることにより、チップシール17,18の摩耗を高い精度で検出する構成としている。
次に、図12及び図13を参照しつつ、コントロールユニット30による圧縮機1の制御について説明する。
まず、図12では圧力式運転制御を行う。この圧力式運転制御は、タンク24内の圧力Pを常時監視しつつ、この圧力Pが所定の最大値Pmaxとなったときに圧縮運転を停止し、圧力Pが所定の最小値Pminとなったときに圧縮運転を再開するものである。
この圧力式運転制御において、まずステップ1では、圧力センサ28の検出信号を用いて圧力Pを検出する。また、ステップ2では、後述の温度・圧力判定処理で圧縮機1が強制停止中であるか否かを判定し、「YES」と判定したときには、後述のステップ7に移る。
また、ステップ2で「NO」と判定したときには、ステップ3で圧力Pが最大値Pmaxよりも低いか否かを判定する。そして、ステップ3で「YES」と判定したときには、ステップ4で圧力Pが最小値Pminよりも低いか否かを判定し、さらに「YES」と判定したときには、ステップ5で圧縮運転を開始し、ステップ6で温度・圧力判定処理を行った後に、ステップ9に移る。
一方、ステップ3で「NO」と判定したときには、圧力Pが最大値Pmax以上であるから、ステップ7で圧縮運転を停止し、ステップ9に移る。また、ステップ4で「NO」と判定したときには、圧力Pが最小値Pminと最大値Pmaxとの間にあるから、ステップ8で圧縮運転中であるか否かを判定する。そして、ステップ8で「YES」と判定したときには、ステップ5で圧縮運転を続行し、「NO」と判定したときには、ステップ7で運転停止の状態を保持する。
このように、圧力式運転制御では、圧縮機1が断続的に運転または停止されることにより、圧力Pが最小値Pminと最大値Pmaxとの間に収まるように制御される。そして、ステップ9では、圧縮機1の電源がOFFされるまでステップ1〜9の処理を繰返し実行する。
次に、図13に示す温度・圧力判定処理について述べると、まずステップ11では、圧力センサ28によって圧力Pを検出し、ステップ12では、内径側温度センサ25の検出信号を用いて固定スクロール3の内径側の温度t1を検出する。また、ステップ13では、外径側温度センサ26の検出信号を用いて外径側の温度t2を検出し、ステップ14では、温度差Δtを演算する。
そして、ステップ15では、温度差Δtが温度閾値tよりも大きいか否かを判定し、「YES」と判定したときには、例えばチップシール17,18の摩耗量が許容限度を超えているために、スクロール中心部の温度t1が通常の圧縮運転時よりも上昇し、温度差Δtが増大していると考えられる。そこで、この場合には、温度と圧力とによる各スクロール3,10の歪み状態を推定するために、後述のステップ16に移る。
また、ステップ15で「NO」と判定したときには、例えば図7中の運転領域A0に示すように、温度差Δtが小さく、チップシール17,18の摩耗等が生じていない正常な運転状態であるから、ステップ19でリターンする。
次に、ステップ16では、圧力Pが圧力閾値Pよりも高いか否かを判定する。そして、ステップ16で「YES」と判定したときには、例えば図7中の運転領域A1に示すように、各スクロール3,10に加わる温度t1及び圧力Pが過大な状態であり、この状態で圧縮運転を続行すると、ラップ部5,12同士の接触等が生じる虞れがある。従って、この場合には、ステップ17でモータ23への通電を遮断することにより、圧縮機1の運転を強制的に停止させ、ステップ19でリターンする。
また、ステップ16で「NO」と判定したときには、例えば運転領域A2に示すように、温度差Δtが大きくても圧力Pが比較的小さい状態であるから、チップシール17,18は摩耗しているものの、このまま圧縮運転を続行してもラップ部5,12同士の接触等は生じない。そこで、この場合には、圧縮機1の運転を続行しつつ、ステップ18で警報器29を作動させることにより、圧縮機1の使用者等にチップシール17,18の摩耗が大きいことを警報し、ステップ19でリターンする。
かくして、本実施の形態によれば、内径側温度センサ25と外径側温度センサ26とは、固定スクロール3の鏡板4の背面4B側に位置する冷却フィン7に取付ける構成としたので、これらの温度センサ25,26によって固定スクロール3の内径側の温度t1と外径側の温度t2とを鏡板4の背面4B側から検出することができる。
この場合、鏡板4側で発生する熱は冷却フィン7に短い距離で伝わるから、冷却フィン7の位置でも固定スクロール3の温度状態(温度分布)を十分な精度で検出することができる。従って、例えば鏡板4の背面4B側にセンサの取付スペースが少ない場合でも、冷却フィン7を利用して温度センサ25,26を取付けることができ、圧縮機1の冷却性能を維持しつつ、温度センサ25,26の取付部位を容易に確保することができる。
また、圧縮機1の組立時には、例えばねじ止め等の簡単な手段によって温度センサ25,26を冷却フィン7に取付けることができる。このため、従来技術のように鏡板4やラップ部5にセンサ挿入用の深い穴等を穿設する必要がないから、温度センサ25,26の取付構造を簡略化することができ、またラップ部5の強度等も十分に確保することができる。そして、センサ25,26の取付作業を効率よく行うことができ、生産性を向上させることができる。
また、温度センサ25,26を鏡板4の背面4B側に露出した状態で配置することができ、従来技術のようにセンサ25,26が固定クロール3の内部に挿入されていないから、温度センサ25,26の点検、交換等を容易に行うことができ、メンテナンス性を高めることができる。
一方、コントロールユニット30は、内径側の温度t1と外径側の温度t2との温度差Δtを演算し、その演算値と温度閾値tとを比較、判定するようにしたので、温度差Δtと温度閾値tとの大小関係に応じてチップシール17,18の摩耗状態等を容易に検出することができる。そして、シール17,18の摩耗を検出したときには、警報等によって適切に対処することができ、メンテナンスや取扱いが容易な圧縮機1を実現することができる。
また、コントロールユニット30は、圧力センサ28によって検出した圧力Pが圧力閾値Pよりも高いか否かを判定するようにしたので、例えば温度差Δtが大きいと判定し、かつ圧力Pも高いと判定したときには、各スクロール3,10の歪み等によってラップ部5,12同士が接触し易い状態であることを容易に検出でき、モータ23を強制的に停止させることができる。従って、例えばチップシール17,18が摩耗した状態で高圧の圧縮運転が行われ、これによって各スクロール3,10が連鎖的に損傷するのを確実に防止でき、耐久性や信頼性を高めることができる。
さらに、内径側と外径側の温度差Δtが大きくても、圧力Pが小さい場合には、圧縮運転を続行しつつ、警報器29を作動させることができる。このため、ラップ部5,12同士の接触等が生じない程度の低圧運転にも拘らず、圧縮運転が不必要に停止されるのを防止でき、圧縮機1の運転操作性を高めることができる。しかも、チップシール17,18の摩耗については、警報器29によって使用者等に確実に知らせることができ、メンテナンス性を高めることができる。
一方、コントロールユニット30は、圧力制御によって圧縮運転を停止したときに、温度差Δtと圧力Pの判定処理を停止するようにしたので、圧縮運転の停止時に温度差Δtが一時的に温度閾値tを超えたとしても、このときに誤判定が行われるのを確実に防止でき、判定精度を高めることができる。
次に、図14は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、温度センサを鏡板の背面に直接取付ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
31は固定スクロールで、該固定スクロール31は、第1の実施の形態とほぼ同様に、鏡板32と、該鏡板32の歯底面32Aに立設されたラップ部33と、筒部34、冷却フィン35、吸込口36、吐出口37とによって大略構成されている。
しかし、内径側温度センサ38と外径側温度センサ39とは、例えば取付ねじ40によって鏡板32の背面32Bに直接的に取付けられ、各冷却フィン35の間に配置されている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、内径側温度センサ38と外径側温度センサ39とを鏡板32の背面32Bに直接的に取付ける構成としたので、これらの温度センサ38,39によって固定スクロール31の温度を圧縮室に近い位置で検出することができ、その検出精度を高めることができる。
なお、前記第1の実施の形態では、図12中のステップ1〜8が圧力式運転制御手段の具体例を示している。また、図13中のステップ15が温度差判定手段の具体例を示し、ステップ16が圧力判定手段の具体例を示し、ステップ17が運転停止手段の具体例を示しているものである。
また、第1の実施の形態では、温度センサ25,26を固定スクロール3の冷却フィン7に取付け、第2の実施の形態では、温度センサ38,39を固定スクロール31の鏡板32の背面32Bに取付ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図2中に二点鎖線で示すように、温度センサ41を旋回スクロール10の冷却フィン13に取付ける構成としてもよい。また、温度センサを固定スクロールと旋回スクロールの両方に取付ける構成としてもよい。
また、本発明では、温度センサの取付部位についても、冷却フィンや鏡板自体だけに限るものではなく、鏡板の背面側に位置する任意の構造物(例えば突起、ボス等)に取付けてよいものである。
さらに、実施の形態では、2個の温度センサ25,26(38,39)を固定スクロール3,31の内径側と外径側とに1個ずつ配置する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第1の温度センサとして複数個の温度センサを用いたり、第2のセンサとして複数個の温度センサを用いることにより、全体として3個以上の温度センサを用いる構成としてもよい。そして、これらの温度センサは、例えば検出位置a〜hのうちの複数個所に適宜配置すればよい。
一方、実施の形態では、温度センサ25,26,38,39の取付位置として、図9に示す検出位置a〜hを例に挙げて説明した。しかし、本発明の温度センサはこれらの検出位置に限らず、鏡板の背面側となる任意の位置に取付けてよいものである。
また、実施の形態では、温度センサ25,26,38,39を取付ねじ27,40によって締着する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば接着、リベット止め、かしめ固定等からなる他の取付方法によって温度センサを取付ける構成としてもよい。
また、実施の形態では、ケーシング2に固定された固定スクロール3,31に対して旋回スクロール10を旋回させる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば2個のスクロールが互いに対向した状態で両方とも旋回運動を行う全系回転型のスクロール式圧縮機に適用してもよい。
また、実施の形態では、コントロールユニット30によって圧力式運転制御を行う構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばタンク24内の圧力Pが所定の高圧となったときにモータ23への通電を遮断し、圧力Pが所定の低圧となったときにモータ23への通電を再開する圧力開閉器式の運転制御手段を用いる構成としてもよい。
さらに、実施の形態では、スクロール式流体機械として空気圧縮機装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態による空気圧縮装置の圧縮機を示す縦断面図である。 図1中の固定スクロールと旋回スクロールとを拡大して示す部分拡大断面図である。 固定スクロール、内径側温度センサ、外径側温度センサ等を背面側からみた外観図である。 図3中の内径側温度センサ等を拡大して示す要部拡大図である。 内径側温度センサを図4中の矢示V−V方向からみた拡大断面図である。 空気圧縮装置の全体を示す構成図である。 スクロールの内径側と外径側との温度差、圧縮空気の圧力及びチップシールの摩耗状態の関係を示す特性線図である。 圧縮運転の有無、スクロールの温度差及び温度・圧力判定処理の有無の関係を示す特性線図である。 固定スクロールの背面側で温度を検出するときの検出位置の例を示す外観図である。 図9中の各検出位置で検出した鏡板の温度と冷却フィン先端部の温度とを比較して示す特性線図である。 チップシールが摩耗したときの温度の上昇量を各検出位置毎に示す特性線図である。 コントロールユニットの圧力式運転制御を示す流れ図である。 図12中の温度・圧力判定処理を示す流れ図である。 本発明の第2の実施の形態による空気圧縮装置の圧縮機を図3と同様位置からみた外観図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 ケーシング
3,31 固定スクロール
4,11,32 鏡板
4A,11A,32A 歯底面(表面)
4B,11B,32B 背面
5,12,33 ラップ部
7,13,35 冷却フィン
8,36 吸込口
9,37 吐出口
10 旋回スクロール
16 圧縮室
17,18 チップシール
23 モータ(駆動源)
25,38,41 内径側温度センサ(第1の温度センサ)
25A ベース板
25B 感温素子
25C 保護層
25D 配線
26,39 外径側温度センサ(第2の温度センサ)
28 圧力センサ
29 警報器(警報手段)
30 コントロールユニット(制御手段)
t1,t2 温度
Δt 温度差
P 圧力
温度閾値
圧力閾値

Claims (5)

  1. 鏡板の表面に渦巻状のラップ部がそれぞれ立設され互いのラップ部の間に内径側から外径側にわたって複数の圧縮室を画成する2個のスクロールと、これら2個のスクロールを相対的に旋回させて圧縮運転を行う駆動源と、前記2個のスクロールのうち少なくとも一方のスクロールに設けられ温度を検出する温度センサと、該温度センサの検出結果に応じて前記駆動源を制御する制御手段とを備えたスクロール式流体機械において、
    前記温度センサは、前記一方のスクロールの内径側に位置して前記鏡板の背面側に取付けられた第1の温度センサと、該第1の温度センサよりも外径側に位置して前記鏡板の背面側に取付けられた第2の温度センサとにより構成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記鏡板の背面には冷却フィンを設け、前記第1,第2の温度センサは前記冷却フィンに取付ける構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記圧縮室から外部に吐出される圧縮流体の圧力を検出する圧力センサと、前記第1,第2の温度センサにより検出した温度の温度差が温度閾値よりも大きいか否かを判定する温度差判定手段と、前記圧力センサにより検出した圧力が圧力閾値よりも高いか否かを判定する圧力判定手段と、前記温度差判定手段によって前記温度差が大きいと判定し、かつ前記圧力判定手段によって前記圧力が高いと判定したときに前記駆動源による運転を停止させる運転停止手段とを設けてなる請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  4. 前記温度差が前記温度閾値よりも大きいと判定し、かつ前記圧力が前記圧力閾値以下であると判定したときに警報を発生する警報手段を設けてなる請求項3に記載のスクロール式流体機械。
  5. 前記圧縮流体の圧力を常時監視し前記圧力が所定の高圧となったときに圧縮運転を停止し前記圧力が所定の低圧となったときに圧縮運転を再開する圧力式運転制御手段を設け、該圧力式運転制御手段によって圧縮運転を停止しているときには前記温度差判定手段の判定処理を停止する構成としてなる請求項3または4に記載のスクロール式流体機械。
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