JP2008267149A - 流体機械 - Google Patents

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正美 根岸
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Abstract

【課題】可動スクロールと固定スクロールの渦巻きラップ同士を適切な押圧力で安定して噛み合わせることの可能な流体機械を提供する。
【解決手段】可動スクロール(34)の周縁(35)と外周壁(19)との最小隙間を微少にするよう、可動スクロールをクランクピン(42)に対し該最小隙間での法線Xに沿う方向でスライド可能なスライダ機構(70)を備え、主軸フレームの上面、固定スクロールの鏡板面、可動スクロールの周縁及び外周壁で形成される空間(46)に非圧縮流体(潤滑油L)を充填する。
【選択図】図3

Description

本発明は、流体機械に係り、詳しくは、冷凍空調機やヒートポンプ式給湯機に好適な流体機械に関する。
この種の流体機械、例えばスクロール型圧縮機には冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットが容器内に備えられている。詳しくは、このユニットは互いに噛み合う固定及び可動の各スクロールを備えており、可動スクロールの背面にはボスが形成され、このボスには回転軸と一体形成されたクランクピンが連結されている。可動スクロールは、ボスを介して回転軸により駆動されることにより、自転することなく主軸フレームに支持されながら固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動する。これにより、各スクロールの渦巻きラップ間に形成される空間の容積が減少し、上記一連のプロセスが行われる。
ところで、この種の流体機械では、各スクロールの渦巻きラップ同士を確実に噛み合わせ、渦巻きラップ間に形成される空間を密閉して冷媒の漏れを防止することが重要であり、一般に各スクロールには高い製造精度が要求される。
しかしながら、各スクロールの製造精度をばらつきなく高く維持することは容易ではなく、また、たとえ高い製造精度が得られたとしても経時劣化により各スクロールの渦巻きラップの表面が摩耗すると渦巻きラップ間に隙間が生じ、上記空間を密閉状態に保持できないという問題がある。
そこで、例えば、揺動スクロール(可動スクロール)の揺動軸部分をスライダに嵌入し、主として揺動スクロールに作用する遠心力を利用して駆動軸の平行溝内で揺動半径が増大する方向に当該スライダがスライドするようにし、これにより揺動スクロールを固定スクロールに押圧して半径方向(渦巻きラップ間)の隙間の密封を維持する構成のスライダ機構が公知である(特許文献1参照)。
特開昭59−120794号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、実際には揺動スクロールに作用する遠心力とガス負圧との合成力を利用して揺動スクロールを固定スクロールに押圧するようにしているが、遠心力は旋回速度によって左右されるものであり、またガス負圧は圧縮流体によるものであって不安定であり、揺動スクロールを常に安定して固定スクロールに押圧できるとは限らないという問題がある。
また一方、スライダによって揺動スクロールがスライド可能であると、揺動スクロールの固定スクロールへの押圧力が強すぎることもあり得、この場合、各スクロールの渦巻きラップの表面が却って摩耗し易くなるという問題もある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、可動スクロールと固定スクロールの渦巻きラップ同士を適切な押圧力で安定して噛み合わせることの可能な流体機械を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、請求項1の流体機械は、容器内を延び、該容器に回転自在に支持される回転軸と、前記回転軸の上端側に偏心して一体形成されたクランクピンと、前記容器内に設けられ、固定スクロール、及び、前記クランクピンが連結されて前記回転軸により駆動されることで該固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動される可動スクロールを有し、該可動スクロールの公転旋回運動により該可動スクロールの渦巻きラップを前記固定スクロールの渦巻きラップに互いに噛み合わせ、これら渦巻きラップ間に形成される空間の容積を増減させながら作動流体の圧縮または膨張の一連のプロセスを実施するスクロールユニットと、前記容器内に収容され、前記回転軸を支持する軸受けを含む主軸フレームと、前記主軸フレームの上面と前記固定スクロールの鏡板面との間に形成され、前記可動スクロールを囲む円筒状の外周壁と、前記可動スクロールの周縁と前記外周壁との最小隙間を微少にするよう、前記可動スクロールを前記クランクピンに対し該最小隙間での法線に沿う方向でスライド可能なスライダ機構とを備え、前記主軸フレームの上面、前記固定スクロールの鏡板面、前記可動スクロールの周縁及び前記外周壁で形成される空間に、非圧縮流体を充填してなることを特徴とする。
また、請求項2の流体機械では、請求項1において、前記非圧縮流体は潤滑油であることを特徴とする。
また、請求項3の流体機械では、請求項1または2において、前記可動スクロールと前記主軸フレームとの間、または、前記可動スクロールと前記固定スクロールの鏡板面との間に、ピンと円筒穴とで構成されて前記可動スクロールの自転運動を阻止する自転阻止機構をさらに備え、前記円筒穴の内周面には全周に亘り弾性部材が嵌装されていることを特徴とする。
また、請求項4の流体機械では、請求項3において、前記弾性部材は弾性金属であることを特徴とする。
請求項1の流体機械によれば、可動スクロールをクランクピンに対し該最小隙間での法線に沿う方向でスライド可能なスライダ機構を備えるので、可動スクロールの周縁と外周壁との間に隙間が生じたり強当たりが生じたりしても、このような隙間や強当たりをスライダ機構によって良好に吸収し、可動スクロールの周縁と外周壁との片当たりを防止して当該可動スクロールの周縁や外周壁の偏摩耗を抑制することができ、ひいては渦巻きラップ同士の片当たりを防止してこれら渦巻きラップの偏摩耗を抑制することができる。そしてさらに、主軸フレームの上面、固定スクロールの鏡板面、可動スクロールの周縁及び外周壁で形成される空間には非圧縮流体を充填してなるので、可動スクロールが公転旋回運動すると、上記空間の移動に伴って非圧縮流体も可動スクロールに追従するように移動し、この際、非圧縮流体が周縁や外周壁から剥離しないようにこれら周縁と外周壁間で張力が作用することなり、可動スクロールの遠心力に加え、当該張力により、可動スクロールの周縁を常に外周壁に略摺接した状態に維持することができる。
これにより、可動スクロールを適切な押圧力で安定して外周壁に略摺接させ、ひいては渦巻きラップ同士を安定して噛み合わせることができ、流体機械の製造誤差等による個体差があっても、当該個体差を好適に吸収しつつ流体機械の性能を向上させることができ、流体機械の信頼性を高めることができる。
請求項2の流体機械によれば、非圧縮流体は潤滑油であるので、潤滑油を有効に活用しながら可動スクロールの周縁を常に外周壁に略摺接した状態に維持することができる。
請求項3の流体機械によれば、自転阻止機構の円筒穴の内周面には全周に亘り弾性部材が嵌装されているので、可動スクロールの周縁と外周壁との間に隙間が生じた場合であっても、自転阻止機構のピンが弾性部材と当接したのち弾性部材を弾性変形させながら移動することになり、可動スクロールの移動を妨げないようにできるとともに、弾性部材の弾性力によって可動スクロールの遠心力及び上記張力を緩和するようにできる。
これにより、可動スクロールをより一層適切な押圧力で安定して外周壁に略摺接させ、ひいては渦巻きラップ同士をより一層安定して噛み合わせることができ、可動スクロールの周縁と外周壁との片当たりを防止して周縁や外周壁の偏摩耗をさらに抑制でき、ひいては渦巻きラップ同士の片当たりを防止してこれら渦巻きラップの偏摩耗をさらに抑制することができ、故に流体機械の耐久性能を向上させることができ、流体機械の信頼性をより一層高めることができる。
また、請求項4の流体機械によれば、弾性部材は弾性金属であるので、弾性部材の耐久性能を高く維持しつつ、可動スクロールの移動を妨げないようにできるとともに、弾性部材の弾性力によって可動スクロールの遠心力及び上記張力を緩和するようにでき、流体機械の耐久性能をさらに向上させることができる。
以下、図面により本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る密閉型圧縮機(流体機械)の縦断面図を示す。
密閉型圧縮機(以下、圧縮機)1は冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれる縦置きタイプのスクロール型圧縮機であって、当該回路は、作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
同図に示すように、この圧縮機1はハウジング(容器)2を備え、ハウジング2の胴部4は、その上側及び下側が上蓋6及び下蓋8によってそれぞれ気密に嵌合されており、胴部4の内部が密閉され、高圧の吐出圧が作用している。また、胴部4には上記回路から取り込んだ冷媒を吸入する吸入管10が接続され、上蓋6の適宜位置には、ハウジング2内の圧縮冷媒を上記回路へ送出する吐出管12が接続されている。
胴部4内には電動モータ14が収容され、このモータ14内には回転軸16が配置されており、回転軸16はモータ14への通電によって駆動される。また、回転軸16の上端側は軸受17を介して主軸フレーム18に回転自在に支持されている。
一方、回転軸16の下端側は軸受20を介して副軸フレーム22に回転自在に支持されている。また、回転軸16の下端側にはオイルポンプ24が装着されており、ポンプ24は下蓋8の内側、すなわちハウジング2の底部に形成された貯油室26内の潤滑油Lを吸引する。この潤滑油Lは、回転軸16の内部に軸線方向に沿って穿設される給油路(油路)28を経て各摺動部分や軸受等の潤滑、並びに、摺動面のシールとして機能する。
なお、貯油室26の潤滑油Lの油面には冷媒の吐出圧が作用しており、この冷媒の吐出圧が潤滑油Lの油面に作用することも給油路28における潤滑油Lの上昇に寄与する。これより、給油路28の出口においては冷媒の吐出圧に略等しい高圧環境となる。
また、副軸フレーム22の適宜位置には潤滑油Lの導入口32が形成されており、圧縮機1内の各摺動部分に供給された潤滑油Lは、導入口32を介して貯油室26に貯留される。
スクロールユニット30は、胴部4内においてモータ14の上方に配置され、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する。
詳しくは、図2にスクロールユニット30を拡大して示すように、当該スクロールユニット30は、可動スクロール34及び固定スクロール36から構成され、各スクロール34,36には、それぞれ対峙する面に渦巻きラップ34a、36aが各々一体形成されており、これら渦巻きラップ34a、36a間に圧縮室を形成している。これより、固定スクロール36に対して可動スクロール34が旋回運動すると、渦巻きラップ34a、36aが互いに噛み合い、協働して可動スクロール34の外周側に形成された吸入室37から吸入管10を介して冷媒が当該圧縮室に吸入され、圧縮室が渦巻きラップ34a、36aの中心に向けて移動しながらその容積が減少され、冷媒の圧縮が行われる。
上述した可動スクロール34に旋回運動を付与するため、可動スクロール34の背面34bにはボス38が凸設して形成され、このボス38は後述する偏心ブッシュ75を介してクランクピン42に連結されている。このクランクピン42は、回転軸16の上端側に偏心して一体形成され、回転軸16の回転に伴い主軸フレーム18上にて可動スクロール34を公転旋回運動させる。
一方、可動スクロール34の自転は自転阻止ピン(ピン)62により阻止されている。当該ピン62は可動スクロール34の背面34bに突設され、ピン62は主軸フレーム18に形成される有底状のホール(円筒穴)64に遊嵌されている。即ち、可動スクロール34の背面34bと主軸フレーム18との間の空隙45には、いわゆるピン−ホール式の回転阻止機構60が形成されている。
詳しくは、図2のA−A線に沿う横断面を図3に示すように、回転阻止機構60は、例えば4組のピン62及びホール64を有して構成されている。
固定スクロール36は主軸フレーム18に固定され、上蓋6に形成される吐出室54側と圧縮室側とを仕切っている。詳しくは、主軸フレーム18には回転軸16と同心円状に円筒状の外周壁19が固定スクロール36に向けて延びており、固定スクロール36は当該外周壁19の上縁に接合されている。
このように固定スクロール36が当該外周壁19の上縁に接合されていることにより、可動スクロール34が当該外周壁19に囲まれ、固定スクロール36と主軸フレーム18との間には、可動スクロール34の摺動する旋回摺動領域が形成されている。そして、可動スクロール34は周縁35が外周壁19と最小隙間を有する一点で潤滑油Lを介し略摺接しながら公転旋回運動するよう構成されており、当該旋回摺動領域のうち主軸フレーム18の上面、固定スクロール36の鏡板面、可動スクロール34の周縁35及び外周壁19との間には空隙(空間)46が形成されている。空隙46は、上記吸入室37と連通するとともに上記空隙45と連通しており、図3に示すように、可動スクロール34が矢印方向に公転旋回運動すると、当該公転旋回運動に連れて移動する。
図1、2に示すように、上記空隙45は、給油路28の出口に連通しており、これにより高圧の潤滑油Lが空隙45を介して空隙46に供給される(図2に矢印で示す)。ここに、空隙46は吸入室37とも連通し且つ吸入室37は低圧であるため、潤滑油Lは吸入室37に流れて各部の潤滑を行うことになるが、空隙46と吸入室37間の隙間は狭く設定され、また潤滑油Lは空隙46に至るまでにある程度減圧されているため、当該潤滑油Lは空隙46に貯留される。つまり、圧縮機1は、作動時には空隙46が潤滑油Lで充填された状態となる。
なお、空隙46内の潤滑油Lの圧力は所定の中間圧に保持するのがよく、固定スクロール36には空隙46内の圧力を調整可能な圧力調整機構48が内蔵されている。
固定スクロール36の中央部分の適宜位置には、圧縮室側に連通する吐出孔56が貫通して穿設されており、この吐出孔56は固定スクロール36の背面側に配置された吐出弁58により開閉される。また、吐出弁58は吐出ヘッド50で覆われており、この吐出ヘッド50により、吐出弁58の開弁時における音が抑制される。
ところで、図1〜3に示すように、上記クランクピン42には、偏心ブッシュ75が外嵌されている。詳しくは、偏心ブッシュ75は、孔74の軸心が外周の軸心と若干ずれて構成されており、孔74にクランクピン42が嵌合されることでクランクピン42回りに偏心回転可能であるとともに、可動スクロール34のボス38内でも自由に回転可能である。
このようにクランクピン42と可動スクロール34のボス38間に偏心ブッシュ75が介装されていることにより、可動スクロール34が旋回摺動領域内で公転旋回運動すると、図3中に矢印で示すように偏心ブッシュ75がクランクピン42回り及びボス38回りで回転し、可動スクロール34は、クランクピン42に対し周縁35と外周壁19との最小隙間での法線Xに沿う方向、即ちボス38の中心と周縁35と外周壁19間の最小隙間を有する一点とを結ぶ線に沿う方向に所定量移動可能である。
つまり、クランクピン42と可動スクロール34のボス38と偏心ブッシュ75とからクランクピン42に対する可動スクロール34のスライド機構70が構成されている。
このように、スライド機構70によって可動スクロール34がクランクピン42に対し周縁35と外周壁19との最小隙間での法線X方向で所定量移動可能になっていると、可動スクロール34の旋回位置に依って可動スクロール34の周縁35と外周壁19との最小隙間が広がったとしても、当該最小隙間を微少にすることが可能であり、また周縁35と外周壁19との強当たりが生じたりしても、当該強当たりを吸収可能である。
一方、上記の如く回転阻止機構60においてピン62はホール64に遊嵌されているが、可動スクロール34が最小隙間での法線X方向で所定量移動可能になっていることに伴い、ピン62がホール64と当接して可動スクロール34の移動の妨げとならないよう、図4に回転阻止機構60を拡大して示すように、ホール64の内周面には所定厚みを有して弾性変形可能な弾性部材66が嵌装されている。
弾性部材66としては、耐久性に優れた部材が選択され、例えば弾性金属(Ni−Ti弾性合金、Zn−Al粘弾性合金等)が採用される。なお、弾性部材66は耐圧、耐熱、耐摩耗性を有した樹脂部材またはゴム部材であってもよいが、弾性金属を用いることで、弾性部材66の耐久性能が高く維持される。
以下、このように構成された本発明に係る密閉型圧縮機(流体機械)の作用について説明する。
上述した圧縮機1によれば、電動モータ14により回転軸16が回転すると、可動スクロール34が公転旋回運動を開始する。この可動スクロール34の公転旋回運動は、吸入管10から冷媒をスクロールユニット30の内部に向けて吸入し、圧縮室の容積を縮小させながら当該冷媒を圧縮する。そして、このように圧縮された高圧の冷媒は、ハウジング2内を循環した後、吐出室54から吐出管12を通じて圧縮機外へ送出される。
ところで、このように可動スクロール34の公転旋回運動が開始されると、可動スクロール34は最小隙間を有する一点で周縁35を外周壁19に略摺接させながら外周壁19に沿い旋回することとなる。
この際、上述したように、スライド機構70が設けられていることから、可動スクロール34は周縁35と外周壁19との最小隙間での法線X方向で適宜移動する。これにより、可動スクロール34の周縁35と外周壁19との最小隙間の隙間が広がったとしても当該最小隙間を微少に維持でき、また周縁35と外周壁19との強当たりが生じたりしても当該強当たりを良好に吸収でき、周縁35と外周壁19との片当たりを防止して周縁35や外周壁19の偏摩耗を抑制することができる。ひいては渦巻きラップ34aと渦巻きラップ36aとの片当たりを防止し渦巻きラップ34a、36aの偏摩耗を抑制することができる。
また、上述したように、圧縮機1の作動時には空隙46は潤滑油Lで満たされた状態となることから、可動スクロール34が公転旋回運動を開始すると、空隙46の移動に伴って潤滑油Lも可動スクロール34に追従するように移動することになる。
このように潤滑油Lが可動スクロール34に追従することになると、潤滑油Lは非圧縮流体であることから、潤滑油Lが周縁35や外周壁19から剥離しないよう、これら周縁35と外周壁19間には、図3に白抜き矢印で示すように、周縁35や外周壁19を引っ張る力、即ち張力Fが作用することなる。故に、可動スクロール34の周縁35は、可動スクロール34の遠心力もさることながら当該張力Fによって常に外周壁19に略摺接した状態を維持することが可能となる。これにより、可動スクロール34を適切な押圧力で安定して外周壁19に略摺接させ、ひいては渦巻きラップ34aを渦巻きラップ36aに安定して噛み合わせることができ、上記片当たりや偏摩耗を抑制しつつ圧縮機1の製造誤差等による個体差を好適に吸収して圧縮機1の性能を向上させることができ、圧縮機1の信頼性を高めることができる。
また、回転阻止機構60において、ホール64の内周面には弾性部材66が嵌装されているので、可動スクロール34の周縁35と外周壁19との間に隙間が生じてスライド機構70により可動スクロール34が移動するような場合であっても、ピン62は弾性部材66と当接したのち弾性部材66を弾性変形させながら移動し、回転阻止機構60が当該可動スクロール34の移動を妨げることが好適に防止される。一方、可動スクロール34の遠心力及び上記張力Fが過剰な場合であっても、弾性部材66の反発力により、これら可動スクロール34の遠心力及び上記張力Fが良好に緩和されることになる。
なお、弾性部材66の弾性力は可動スクロール34の遠心力及び上記張力Fに応じて設定するのがよく、例えば圧縮機1の通常の運転時において弾性部材66の弾性力が可動スクロール34の遠心力及び上記張力Fと釣り合うように弾性部材66を選択し、或いは寸法(厚み等)を設定するのがよい。
これにより、可動スクロール34をより一層適切な押圧力で安定して外周壁19に略摺接させ、ひいては渦巻きラップ34aを渦巻きラップ36aにより一層安定して噛み合わせることができ、可動スクロール34の周縁35と外周壁19との片当たりを防止して周縁35や外周壁19の偏摩耗をさらに抑制でき、ひいては渦巻きラップ34aと渦巻きラップ36aとの片当たりを防止して渦巻きラップ34a、36aの偏摩耗をさらに抑制することができる。故に、圧縮機1の基本性能のみならず圧縮機1の耐久性能を向上させることができ、圧縮機1の信頼性をより一層高めることができる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、空隙46に潤滑油Lを充填するようにしており、これにより潤滑油Lを有効に用いて圧縮機1の性能を向上させることができるが、潤滑油L以外の他の非圧縮流体を空隙46に充填するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ピン62をホール64ひいては弾性部材66に遊嵌させ、直接弾性部材66に摺接可能としているが、リング部材を介装し、当該リング部材を介してピン62をホール64ひいては弾性部材66に遊嵌させるようにしてもよい。これにより、弾性部材66の耐久性能をさらに向上させることができる。
また、上記実施形態では、回転阻止機構60を可動スクロール34の背面34bと主軸フレーム18との間に形成するようにしたが、回転阻止機構については可動スクロール34と固定スクロール36の鏡板面との間に形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、流体機械として密閉型圧縮機を適用した場合を例に説明したが、これに限られず、流体機械が膨張機その他である場合であっても本発明を好適に適用可能である。
本発明の実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面図である。 図1のスクロールユニット部分を拡大して示す図である。 図2のA−A線に沿う横断面図である。 回転阻止機構周辺を拡大して示す図である。
符号の説明
1 密閉型圧縮機(流体機械)
2 ハウジング(容器)
16 回転軸
18 主軸フレーム
19 外周壁
30 スクロールユニット
34 可動スクロール
34a 渦巻きラップ
35 周縁
36 固定スクロール
36a 渦巻きラップ
42 クランクピン
45 空隙
46 空隙(空間)
60 回転阻止機構
62 自転阻止ピン
64 ホール(円筒穴)
66 弾性部材
70 スライド機構
75 偏心ブッシュ
L 潤滑油(非圧縮流体)
X 法線

Claims (4)

  1. 容器内を延び、該容器に回転自在に支持される回転軸と、
    前記回転軸の上端側に偏心して一体形成されたクランクピンと、
    前記容器内に設けられ、固定スクロール、及び、前記クランクピンが連結されて前記回転軸により駆動されることで該固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動される可動スクロールを有し、該可動スクロールの公転旋回運動により該可動スクロールの渦巻きラップを前記固定スクロールの渦巻きラップに互いに噛み合わせ、これら渦巻きラップ間に形成される空間の容積を増減させながら作動流体の圧縮または膨張の一連のプロセスを実施するスクロールユニットと、
    前記容器内に収容され、前記回転軸を支持する軸受けを含む主軸フレームと、
    前記主軸フレームの上面と前記固定スクロールの鏡板面との間に形成され、前記可動スクロールを囲む円筒状の外周壁と、
    前記可動スクロールの周縁と前記外周壁との最小隙間を微少にするよう、前記可動スクロールを前記クランクピンに対し該最小隙間での法線に沿う方向でスライド可能なスライダ機構とを備え、
    前記主軸フレームの上面、前記固定スクロールの鏡板面、前記可動スクロールの周縁及び前記外周壁で形成される空間に、非圧縮流体を充填してなることを特徴とする流体機械。
  2. 前記非圧縮流体は潤滑油であることを特徴とする、請求項1記載の流体機械。
  3. 前記可動スクロールと前記主軸フレームとの間、または、前記可動スクロールと前記固定スクロールの鏡板面との間に、ピンと円筒穴とで構成されて前記可動スクロールの自転運動を阻止する自転阻止機構をさらに備え、
    前記円筒穴の内周面には全周に亘り弾性部材が嵌装されていることを特徴とする、請求項1または2記載の流体機械。
  4. 前記弾性部材は弾性金属であることを特徴とする、請求項3記載の流体機械。
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