JP5463340B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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本発明は、特に、車載用空調装置などに使用されて好適なスクロール圧縮機に関するものである。
一般的なスクロール圧縮機において、ハウジング内に、端板の一面にうず巻状の壁体を立設した固定スクロールが固定されると共に、端板の一面にこの固定スクロールの壁体と実質的に同一形状のうず巻状の壁体を立設した旋回スクロールが支持され、各壁体が組み合わされて収容されている。また、ハウジング内に駆動軸が回転自在に支持され、モータにより駆動回転可能となっている。そして、この駆動軸の端部に形成された偏心部が旋回スクロールの端板の他面に突設されたボス部に嵌合している。
従って、駆動軸が駆動回転すると、回転力が偏心部を介して旋回スクロールに伝達され、この旋回スクロールが自転を阻止されつつ公転運動することで、各壁体間に形成した圧縮室の容積が漸次減少し、この圧縮室に吸入された流体を圧縮し、圧縮流体として吐出することができる。
ところで、このスクロール圧縮機では、駆動軸の軸受部や偏心部と旋回スクロールとの嵌合部に潤滑油を供給する必要があることから、吸入部からハウジング内に吸入する流体として、ミスト状の潤滑油を含むガス用いている。そのため、吸入室に吸入されたミスト状の潤滑油を含むガスを圧縮室で圧縮してから吐出室に送り、この吐出室から外部に吐出すると共に、このガスを駆動軸の軸受部や偏心部と旋回スクロールとの嵌合部に供給することで潤滑したり、オイルセパレータによりガスから潤滑油を分離し、この分離した潤滑油を偏心部や嵌合部に供給している。
このような従来のスクロール圧縮機としては、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載されたスクロール型流体機械は、固定スクロールに噛み合う可動スクロールを設けると共に、端部に偏心軸部を有してその偏心軸部の端面に給油用開口を有する駆動軸を回転自在に支持し、この偏心軸部を軸受部を介して可動スクロールに摺動自在に連結し、駆動軸に対して偏心軸部の偏心方向から駆動軸の反回転方向に所定の範囲内の偏心軸部の外周面に給油用切欠を端面に達するように設けたものである。
特許第3279236号公報
上述した従来のスクロール圧縮機では、遠心ポンプにより容器底部の油溜まりの潤滑油を駆動軸に形成された給油通路中を押し上げ、偏心軸部の給油用開口から吐出し、給油用切欠を通して可動スクロールの摺動部に供給している。ところが、従来のスクロール圧縮機にあっては、容器底部の油溜まりに溜まっている潤滑油を遠心ポンプを用いて駆動軸内の給油通路中を押し上げて摺動部に供給しており、遠心ポンプを装備したり、駆動軸内に給油通路を形成する必要があり、構造が複雑になるばかりでなく、製造コストが上昇してしまうという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するものであって、構造の複雑化及び製造コストの上昇を抑制すると共に必要箇所を確実に潤滑することで信頼性の向上を図ったスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するための請求項1の発明のスクロール圧縮機は、流体を吸入する吸入部及びこの流体を圧縮した圧縮流体を吐出する吐出部を有するハウジングと、うず巻状の壁板を有して端板が前記ハウジングに固定された固定スクロールと、うず巻状の壁体を有して該壁体が前記固定スクロールの壁体に噛み合わされることで圧縮室を形成すると共に自転を阻止されつつ公転可能に前記ハウジングに支持された旋回スクロールと、前記ハウジングに回転自在に支持されると共に前記旋回スクロールに係合することで該旋回スクロールを旋回可能な偏心部を有する駆動軸と、前記偏心部の外周側に連結されて周方向の中間位置に薄肉部を有するバランスウエイトとを具えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明のスクロール圧縮機では、前記バランスウエイトは、連結部を介して前記偏心部に連結された円弧形状をなす重量部を有し、前記薄肉部は、該重量部における円弧方向の中間位置の内周部に切欠部が形成されることで設けられたことを特徴としている。
請求項1の発明のスクロール圧縮機によれば、流体を吸入する吸入部及びこの流体を圧縮した圧縮流体を吐出する吐出部を有するハウジングと、うず巻状の壁板を有して端板がハウジングに固定された固定スクロールと、うず巻状の壁体を有して壁体が固定スクロールの壁体に噛み合わされることで圧縮室を形成すると共に自転を阻止されつつ公転可能にハウジングに支持された旋回スクロールと、ハウジングに回転自在に支持されると共に前記旋回スクロールに係合することで旋回スクロールを旋回可能な偏心部を有する駆動軸と、偏心部の外周側に連結されて周方向の中間位置に薄肉部を有するバランスウエイトを設けたので、駆動軸が回転することで偏心部を介して旋回スクロールを旋回させるとき、バランスウエイトにより駆動軸に作用する旋回スクロールの遠心力を打ち消すことができ、且つ、薄肉部によりバランスウエイトに作用する応力を分散することができ、軽量化を可能とすることができると共に、耐久性を向上することができる。
請求項2の発明のスクロール圧縮機によれば、バランスウエイトとして連結部を介して偏心部に連結された円弧形状をなす重量部を設け、この重量部における円弧方向の中間位置の内周部に切欠部を形成して薄肉部を構成したので、簡単な構成で容易にバランスウエイトに作用する応力を分散し、耐久性を向上することができる。
図1は、本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機を表す断面図である。 図2は、本実施例のスクロール圧縮機におけるバランスブッシュの正面図である。 図3は、本実施例のスクロール圧縮機におけるバランスブッシュの斜視図である。
以下に、本発明に係るスクロール圧縮機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機を表す断面図、図2は、本実施例のスクロール圧縮機におけるバランスブッシュの正面図、図3は、本実施例のスクロール圧縮機におけるバランスブッシュの斜視図である。
本実施例のスクロール圧縮機は、主として車両用空調装置の冷媒を圧縮するために用いられるものであり、流体としてミスト状の潤滑油を含有する冷媒ガスを用いている。
本実施例のスクロール圧縮機は、図1に示すように、中空形状をなすハウジング11と、このハウジングに固定された固定スクロール12と、固定スクロール12に組み合わされることで圧縮室を形成するようにハウジングに支持された旋回スクロール13と、ハウジング11に回転自在に支持されて旋回スクロール13に係合することでこの旋回スクロールを旋回可能な偏心部を有する駆動軸14と、この駆動軸14を駆動回転する駆動装置15とから構成されている。
ハウジング11は、横置きに配置されており、スクロール圧縮機全体を包む略円筒形状をなす密閉容器として構成されている。このハウジング11は、略円筒形状をなすハウジング本体21と、このハウジング本体21の開口端部を閉塞する蓋部22とから構成されている。ハウジング本体21は、大径部21aと小径部21bとが一体に形成された形状をなし、このハウジング本体21の開口端部に蓋部22が嵌合した状態で、複数の締結ボルト23により固定されている。
固定スクロール12は、円盤形状をなすディスク(端板)24と、このディスク24の表面に形成されたうず巻状ラップ(壁体)25とを有している。そして、固定スクロール12は、本体ハウジング21の大径部21a内に配設され、ディスク24の背面が蓋部22の内面に密着し、且つ、外周部が蓋部22の内周面に嵌合した状態で、締結ボルト26によりこの蓋部22に固定されている。一方、旋回スクロール13は、固定スクロール12と同様に、円盤形状をなすディスク(端板)27と、このディスク27の表面に形成されたうず巻状ラップ(壁体)28とを有している。そして、旋回スクロール13は、本体ハウジング21の大径部21a内に配設され、うず巻状ラップ28が固定スクロール12のうず巻状ラップ25に対して噛み合うように組み合わされた状態で、ディスク27の背面がハウジング本体21の壁面部21cに当接することで、軸方向の移動が規制されており、この各うず巻状ラップ25,28の間の空間に圧縮室29が形成されている。
また、ハウジング11内には、固定スクロール12と旋回スクロール13の各うず巻状ラップ25,28とが組み合わされて形成された圧縮室29の外周側に位置して、吸入室30が形成されている。そして、ハウジング本体21には、潤滑油がミスト状に含有された冷媒ガスを吸入する吸入口(吸入部)31が形成され、この吸入口31は吸入室30に開口している。
また、ハウジング11内には、固定スクロール12と蓋22とで区画された吐出室32が形成されており、圧縮室29とこの吐出室32とは、吐出ポート33により連通されている。そして、吐出室32側における固定スクロール12のディスク24の背面には、この吐出ポート33を開閉する吐出弁34が設けられている。この吐出弁34は、図示しないばね部材によりディスク24の背面に密着して吐出ポート33を閉止する方向に付勢されており、圧縮室29の圧力が所定値を超えると、圧縮室29の圧縮ガスがばね部材の付勢力に抗して吐出弁34を移動することで、この吐出弁34がディスク24の背面から離間して吐出ポート33を開放することができる。また、蓋22には、冷媒ガスが圧縮された圧縮ガスを外部に吐出する吐出口(吐出部)35が形成され、この吐出口35が吐出室32に開口している。
ハウジング21の小径部21b内には、駆動軸14が配設されており、玉軸受36及びころ軸受37により回転自在に支持されている。そして、ハウジング21の小径部21bには、各軸受36,37との間にて、玉軸受36側に隣接して軸シール38が装着されており、ハウジング11にある冷媒ガスの外部漏洩を防止している。
そして、駆動装置15において、駆動軸14の一端部には、回転板39が連結ボルト40により固定されており、この回転板39の外周部には、連結リング41を介して支持リング42が複数の連結ピン43,44により連結されている。そして、この支持リング42に従動プーリ45の端面が固定され、軸受46を介してハウジング21の小径部21bの外周部に回転自在に支持されており、この従動プーリ45内に電磁石47が装着されることでマグネットクラッチが構成されている。なお、この従動プーリ45には、図示しない駆動ベルトを介して駆動源(例えば、エンジン)が連結されている。
また、旋回スクロール13におけるディスク27の背面には、ボス48が形成されることで、旋回スクロール13の中心と同一中心を有する嵌合凹部49が設けられている。一方、駆動軸14の他端部には、ころ軸受37により支持される円盤部14aが一体に形成され、この円盤部14aには、駆動軸14の中心O1に対して所定量dだけ偏心した中心O2を有する偏心軸50が設けられている。この偏心軸50の外周部には、バランスブッシュ51が嵌合し、連結軸52が円盤部14aに嵌入することで、バランスブッシュ51は偏心部50と一体に旋回することができる。そして、このバランスブッシュ51の外周部には、浮動ブッシュ53が装着され、この浮動ブッシュ53が嵌合凹部49内に挿入され、両者の間にころ軸受54が介装されている。本実施例では、偏心軸50とバランスブッシュ51により本発明の偏心部が構成されており、この偏心部が浮動ブッシュ53及びころ軸受54を介して旋回スクロール13におけるボス48内に嵌合することで、偏心軸50と旋回スクロール13とが相対回転可能となっている。
更に、旋回スクロール13におけるディスク27の裏面には、自転規制穴55が形成されている。一方、ディスク27の裏面に対向するハウジング本体21の壁面21には、自転防止ピン56が固定されており、この自転防止ピン56の先端部がディスク27の裏面には、自転規制穴55に挿入されている。本実施例では、この自転規制穴55と自転防止ピン56により旋回スクロール13の自転阻止機構が構成されており、この旋回スクロール13は、自転が阻止されつつ、半径方向に公転旋回運動が可能となっている。
また、上述したバランスブッシュ51には、旋回スクロール13に生じるアンバランス量を打ち消すためのバランスウェイト57が一体に設けられており、このバランスウエイト57により駆動軸14に作用する旋回スクロール13の遠心力を打ち消すことで、動的なバランスを確保することができる。
ところで、上述したスクロール圧縮機では、吸入口31からミスト状の潤滑油を含む冷媒ガスがハウジング11には吸入され、圧縮室29によってこの冷媒ガスを圧縮して吐出室33に吐出すると共に、この冷媒ガスを駆動軸14の摺動部分に循環させることで、潤滑油を駆動軸14の摺動部に供給し、この摺動部での発熱による温度上昇を抑制し、これに起因する圧縮効率の低下や圧力損失の増大を抑制するようにしている。
即ち、ハウジング11内にて、旋回スクロール13におけるディスク27の背面がハウジング本体21の壁面21cに当接して旋回自在に支持されることで、この壁面21cがスラスト軸受として機能すると共に、吸入室30側と駆動軸14側とを区画している。ここで、この旋回スクロール13におけるディスク27と軸シール38により、駆動軸14をハウジング11に回転自在に支持するころ軸受37と、偏心部としてのバランスブッシュ51が旋回スクロール13のボス48に係合する係合部としての浮動ブッシュ53及びころ軸受54とを、ハウジング11内で区画するメカ室61が設けられている。
そして、旋回スクロール13におけるディスク27の背面には、圧縮室29の圧縮ガスをメカ室61に供給する供給通路62が設けられると共に、メカ室61に充満した圧縮ガスを圧縮室29に排出する排出通路63が設けられている。この場合、排出通路63が開口する圧縮室29aは、吸入室30の近傍に位置してほぼ吸入室30と同圧である一方、供給通路62が開口する圧縮室29bは、旋回スクロール13が旋回してその容積変化により圧縮が開始された状態であり、圧縮室29aより高圧となっている。従って、旋回スクロール13が旋回すると、圧縮室29b内の圧縮ガスが供給通路62を通してメカ室61に供給され、このメカ室61に充満した圧縮ガスは、排出通路63を通して低圧の圧縮室29aに排出される。
また、ハウジング11内を区画されたメカ室61では、駆動軸14を支持するころ軸受37に比べて、バランスブッシュ51とボス48との係合部、つまり、浮動ブッシュ53及びころ軸受54に対して冷媒ガス(潤滑油)が供給されにくい構造となっている。そこで、本実施例では、バランスブッシュ51の外周面に、メカ室61の供給された冷媒ガスを係合部(浮動ブッシュ53及びころ軸受54)に供給する潤滑通路64を形成している。
即ち、バランスブッシュ51において、図2及び図3に詳細に示すように、ブッシュ本体51aは、中央部に偏心軸50が貫通する貫通孔51bが形成されることで略円筒形状をなし、このブッシュ本体51aの外周部の一部が切り欠かれることで、上述した潤滑通路64が形成されている。この潤滑通路64は、ブッシュ本体51aと浮動ブッシュ53との間に位置し、メカ室61側とボス48における嵌合凹部49の奥側を連通するように設けられている。また、潤滑通路64は、バランスブッシュ51における軸受荷重作用範囲外に設けられている。つまり、駆動軸14が回転すると、偏心軸50と共にバランスブッシュ51が偏心回転運動を行い、この動力が嵌合凹部49を介してボス48に伝達されることで、旋回スクロール13は自転を阻止されつつ公転旋回する。このとき、バランスブッシュ51の外周面には、図2に示す角度範囲θ1及びθ2に対して、旋回スクロール13側から軸受荷重が作用する。そのため、バランスブッシュ51における角度範囲θ1及びθ2から外れた範囲を切り欠くことで、バランスブッシュ51本来の機能を損なうことなく潤滑通路64を形成することができる。
従って、旋回スクロール13の旋回時に、圧縮室29b内の圧縮ガスが供給通路62を通ってメカ室61に供給されると、ミスト状の潤滑油を含んだこの圧縮ガスは、メカ室61の全域にわたって充満することで、駆動軸14のころ軸受37や駆動軸14と軸シール38との摺動部などに潤滑油を供給することができる。また、メカ室61に供給されたミスト状の潤滑油を含んだこの圧縮ガスは、バランスブッシュ51の潤滑通路64を通って嵌合凹部49の奥側まで流動することで、バランスブッシュ51とボス48との間に介装された浮動ブッシュ53やころ軸受54などに潤滑油を供給することができる。
また、本実施例では、バランスブッシュ51にバランスウエイト57が、例えば、鋳造により一体に設けられている。即ち、バランスウエイト57は、円弧形状をなす重量部57aを有しており、バランスブッシュ51のブッシュ本体51aに扇型をなす板状の連結部57bを介して重量部57aが一体に連結されている。
また、このバランスウエイト57にて、重量部57aは、所定厚さを有する円弧形状をなし、この円弧方向におけるほぼ中間位置の内周部に切欠部57cが形成されることで、ここに薄肉部57dが形成されている。そして、このバランスウエイト57の薄肉部57d(切欠部57c)は、駆動軸14の回転中心に対して潤滑通路64の反対側に設けられている。
ここで、上述した本実施例のスクロール圧縮機の作用について説明する。
駆動源を駆動すると、その駆動力が駆動装置15の従動プーリ45に伝達され、駆動軸14が駆動回転し、この回転力により偏心軸50と共にバランスブッシュ51が自転しながら旋回し、この回転力がボス48を介して旋回スクロール15に伝達される。すると、この旋回スクロール15は、自転阻止機構によって自転が阻止されながら、公転軌道上を旋回する。これによりミスト状の潤滑油を含む低温の冷媒ガスが吸入口31からハウジング11の吸入室30に吸い込まれ、この吸入室30の冷媒ガスが圧縮室29に吸い込まれる。
そして、旋回スクロール13が旋回し続けると、これに伴って圧縮室29が次第に狭められ、容積が減少することで内部の冷媒ガスが圧縮されつつ中央部に流動し、吐出ポート33に至り、吐出弁34が圧縮室29と吐出室32との差圧により開閉する。即ち、圧縮室29の冷媒ガスが圧縮されてその圧力が吐出室32の圧力よりも高くなると、吐出弁34を押し開いて高圧の冷媒ガスが吐出室32に流出する。その後、高圧の冷媒ガスは、吐出室32から吐出口35を経て外部に吐き出される。
このとき、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスが圧縮室29に吸入され、旋回スクロール13が旋回して圧縮室29の容積が漸次減少することで圧縮されるが、その圧縮途中で、圧縮室29b内の冷媒ガスの一部が供給通路62を通してメカ室61に供給される。すると、メカ室61に供給されたミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスは、このメカ室61の全域にわたって充満し、駆動軸14のころ軸受37や駆動軸14と軸シール38との摺動部などに潤滑油を供給する。また、メカ室61に供給されたミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスは、バランスブッシュ51の潤滑通路64を通って嵌合凹部49の奥側まで流動し、バランスブッシュ51とボス48との間に介装された浮動ブッシュ53やころ軸受54などに潤滑油を供給する。その後、このメカ室61に充満した冷媒ガスは、排出通路63を通して低圧の圧縮室29aに排出される。
従って、圧縮途中の冷媒ガスをメカ室61に供給することで、駆動軸14のころ軸受37や駆動軸14と軸シール38との摺動部などに冷媒ガスに含まれる潤滑油を適正に供給することができ、また、この冷媒ガスをバランスブッシュ51の潤滑通路64からバランスブッシュ51とボス48との間に介装された浮動ブッシュ53やころ軸受54などに供給することで、冷媒ガスが進入しにくい箇所であっても、潤滑油を確実に供給することができる。その結果、駆動軸14などの摺動部での発熱による温度上昇を抑制し、これに起因する圧縮効率の低下や圧力損失の増大が抑制される。
また、駆動軸14が駆動回転して偏心軸50及びバランスブッシュ51を介して旋回スクロール15を公転旋回するとき、偏心軸50やバランスブッシュ51と共にバランスウエイト57が回転する。そのため、このバランスウエイト57により駆動軸14に作用する旋回スクロール13からの遠心力を打ち消すことができ、動的なバランスを確保することができる。また、このとき、バランスウエイト57の重量部57aに薄肉部57dが設けられているため、この薄肉部57dによりバランスウエイトに作用する応力(遠心力)を重量部57aの円弧方向に沿って分散することができ、耐久性が向上する。
このように本実施例のスクロール圧縮機にあっては、うず巻ラップ25を有する固定スクロール12をハウジング11に固定すると共に、うず巻ラップ28を有する旋回スクロール13のうず巻ラップ28が固定スクロール12のうず巻ラップ25に噛み合わせた状態で自転を阻止されつつ公転旋回可能にハウジング11に支持することで、両者の間に圧縮室29を区画し、ハウジング11に駆動軸14を駆動回転可能に支持し、偏心軸50のバランスブッシュ51が旋回スクロール13に係合することで、この旋回スクロールを旋回可能とし、このバランスブッシュ51の外周面にミスト状の潤滑油を含む冷媒ガスを旋回スクロール13との係合部に供給する潤滑通路64を設けている。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスが吸入口31から圧縮室29に吸入され、旋回スクロール13が旋回して圧縮室29の容積が漸次減少することで、この冷媒ガスが圧縮され、圧縮された冷媒ガスが吐出室32に吐出され、このとき、圧縮室29で圧縮された冷媒ガスは、供給通路32からメカ室61に供給され、バランスブッシュ51の潤滑通路64を通してバランスブッシュ51旋回スクロール13との係合部、つまり、浮動ブッシュ53やころ軸受54に供給されることとなり、冷媒ガスに含有する潤滑油がこの係合部に確実に供給されて潤滑することで、装置の信頼性を向上することができると共に、構造の複雑化及び製造コストの上昇を抑制することができる。
また、駆動軸14の端部に設けられた偏心軸50と、円筒形状をなして偏心軸50の外周に嵌合するバランスブッシュ51とにより偏心部を構成し、バランスブッシュ51を浮動ブッシュ53及びころ軸受54を介して旋回スクロール13のボス48内に嵌合し、潤滑通路64をバランスブッシュ51の外周部を切り欠いて形成している。従って、バランスブッシュ51と浮動ブッシュ53との間に潤滑通路64が設けたことで、このバランスブッシュ51と浮動ブッシュ53ところ軸受54とボス48の嵌合凹部49との摺動部を確実に潤滑することができる。
また、潤滑通路64をバランスブッシュ51における軸受荷重作用範囲外に設けている。従って、旋回スクロール13からバランスブッシュ51に軸受荷重が作用しない範囲に潤滑通路64が形成されていることで、バランスブッシュ51と旋回スクロール13との適正な係合関係を維持することができる。
また、本実施例では、駆動軸14をハウジング11に回転自在に支持するころ軸受37と、バランスブッシュ51が旋回スクロール13のボス48に係合する係合部(浮動ブッシュ53及びころ軸受54)とを区画するメカ室61を設け、圧縮室29の冷媒ガスをメカ室61に供給する供給通路62を設け、圧縮室29から供給通路62を通ってメカ室61に供給された冷媒ガスを潤滑通路64に流動すると共に、メカ室61内の冷媒ガスを圧縮室29に戻す排出通路63を設けている。従って、圧縮室29から供給通路62を通してメカ室61に供給された冷媒ガスを、潤滑通路64に確実に供給することができると共に、メカ室61内の冷媒ガスを排出通路63から圧縮室29に戻すことで、メカ室61内の圧力上昇を防止することができる。
そして、バランスブッシュ51にバランスウエイト57を一体に設けている。従って、駆動軸14が回転することでバランスブッシュ51を介して旋回スクロール13を旋回させるとき、このバランスウエイト57により駆動軸14に作用する旋回スクロール13の遠心力を打ち消すことができ、また、例えば、鋳造などの技術によりバランスウエイト57を有するバランスブッシュ51を容易に製造することができ、低コスト化を可能とすることができる。
この場合、バランスウエイト57に円弧形状をなす重量部57aを設け、この重量部57aにおける円弧方向の中間位置の内周部に切欠部57cを形成して薄肉部57dを設けている。従って、この薄肉部57dによりバランスウエイト57に作用する応力を分散することができ、耐久性を向上することができる。また、バランスウエイトの薄肉部57を駆動軸15の回転中心に対して潤滑通路64の反対側に設けている。従って、薄肉部57dと潤滑通路64を対角に形成したことで、バランスウエイト57の機能を損なうことなく、軽量化を可能とすることができる。
なお、上述した実施例において、バランスブッシュ51の外周面にミスト状の潤滑油を含む冷媒ガスを旋回スクロール13との係合部に供給する潤滑通路64を一つ設けたが、複数設けてもよく、この場合、バランスブッシュ51における軸受荷重作用範囲外の角度範囲θ1及びθ2から外れた範囲であれば、どの位置に設けてもよい。
本発明に係るスクロール圧縮機は、内部に吸入したミスト状の潤滑油を含んだ流体を必要箇所を確実に供給して潤滑することで信頼性の向上を図ったものであり、内部に一対のスクロールを有する圧縮機に適用して有用である。
11 ハウジング
12 固定スクロール
13 旋回スクロール
14 駆動軸
15 駆動装置
23,27 ディスク(端板)
24,28 うず巻ラップ(壁体)
29,29a,29b 圧縮室
26,27 吸入口
30 吸入室
31 吸入口(吸入部)
32 吐出室
33 吐出ポート
35 吐出口
37,54 ころ軸受
38 軸シール
48 ボス
49 嵌合凹部
50 偏心部(偏心部)
51 バランスブッシュ(偏心部)
53 浮動ブッシュ(係合部)
57 バランスウエイト(係合部)
57b 重量部
57c 切欠部
57d 薄肉部
61 メカ室
62 供給通路
63 排出通路
64 潤滑通路

Claims (3)

  1. 流体を吸入する吸入部及びこの流体を圧縮した圧縮流体を吐出する吐出部を有するハウジングと、うず巻状の壁板を有して端板が前記ハウジングに固定された固定スクロールと、うず巻状の壁体を有して該壁体が前記固定スクロールの壁体に噛み合わされることで圧縮室を形成すると共に自転を阻止されつつ公転可能に前記ハウジングに支持された旋回スクロールと、前記ハウジングに回転自在に支持されると共に前記旋回スクロールに係合することで該旋回スクロールを旋回可能な偏心部を有する駆動軸と、前記偏心部の外周側に連結されて周方向の中間位置に薄肉部を有するバランスウエイトとを具えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記バランスウエイトは、連結部を介して前記偏心部に連結された円弧形状をなす重量部を有し、前記薄肉部は、該重量部における円弧方向の中間位置の内周部に切欠部が形成されることで設けられたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、前記偏心部の外周面に形成されて前記吸入部から前記ハウジング内に吸入された流体を前記偏心部と前記旋回スクロールとの係合部に供給する潤滑通路を、さらに具え、
    前記バランスウエイトは、前記薄肉部が、前記駆動軸の回転中心に対して前記潤滑通路の反対側に設けられたことを特徴とするスクロール圧縮機。
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