JP5016915B2 - 距離継電器 - Google Patents

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Description

本発明は、距離継電器に係り、特に、背後3相事故時の誤動作を防止できるようにした距離継電器に関するものである。
電力系統における送電線路は、変電設備の設置場所の問題や電力供給の安定性を考慮した電力系統網の構築により複雑さを帯びている。近年、土地面積の小さい日本においては長距離送電線路よりも短距離送電線路の設置の方が多く、距離継電器の整定範囲も短距離送電線路を考慮したもの(例えば0.10Ω〜)に変わってきている。一般に、距離継電器においては、事故方向を判別するリレーとしてモーリレーや方向リレーを用いている(例えば、非特許文献1参照)。
モーリレーでは、至近端短絡事故時に極性電圧が零になって方向判定ができなくなることを防ぐために、極性電圧として事故相と直角位相の関係にある線間電圧を、共振特性を利用したメモリ回路で一定時間維持できるようにしている。しかしながら、このメモリ電圧は無制限に延ばすことはできないため、これまでいくつかの極性電圧メモリ消滅対策が行われている(例えば、非特許文献2参照)。
この対策は至近端事故に対して施されているため、通常は距離第一段に対する事故検出能力維持を目的としている。また、極性電圧については、距離継電器が誤動作しない範囲での感度制限(事故時に予め設定した設定電圧以下の電圧しか得られない場合、継電器出力をロックするという機能)を設けている。
この極性電圧の感度は、ディジタル継電器における量子化誤差や位相誤差および演算誤差などの誤差要因を積上げても1V程度までは誤動作することはなく、従来は高感度側(例えば、1V程度)に設定してきた。
しかしながら、GISタンク内で不平衡アーク事故が発生し、これが背後3相事故時である場合には残留電圧の影響で距離継電器が誤動作する事例があり、このときの残留電圧は定格の3〜4%程度発生するとの研究結果が出ている(例えば、非特許文献3、4参照)。
このことから、極性電圧の感度はこの残留電圧を考慮することが望ましく、近年この極性電圧の電圧感度設定値の見直しが図られている。
大浦好文監修「保護リレーシステム工学」、電気学会発行、2002年3月15日、第136頁〜第138頁 電気協同研究第37巻第1号「後備保護継電方式」、社団法人電気協同研究会発行、昭和56年6月、第57頁〜第59頁 栗林英行 他、保護リレーシステム研究会 PSR−98−14、「アーク電圧波形確認試験の結果について」、平成10年9月、第1頁〜第6頁 太田次彦 他、電気学会 電力・エネルギー部門誌 「不平衡アーク事故と距離リレーの応動解析に関する模擬実験」、2000年4月号、第561頁〜第568頁
通常、距離継電器の整定は、距離第1段を線路長の80%程度、距離第2段を120%程度にしている。短距離送電線路の場合は、距離第1段も距離第2段も線路長に比例して短い整定値となる。
このように短距離送電線路で距離第2段を短い整定値とした状況下で、図5に示すような距離第2段の保護領域で3相短絡事故が発生した場合、メモリ電圧が極性電圧の感度以下となり距離継電器が動作できないことが考えられる。なお、メモリ電圧は通常3サイクル程度であり、距離第2段のタイマトリップ時間を満足できない。
ところで、背景技術で述べたように、短距離送電線路などに距離継電器を適用した場合、極性電圧感度を高感度(例えば、1V)に設定すると、背後3相事故時に誤動作する懸念があるため、極性電圧感度を逆に低感度(例えば、5V)に設定すると、図5に示すような1回線短距離送電線路、および図6に示すような平行2回線短距離送電線路に事故が発生した場合、距離第2段の保護ができないという課題が生じる。
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、背後3相事故時における誤動作を防止するとともに、短距離送電線路にも保護が可能な距離継電器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、電力系統から入力した電圧および電流を用いて所定の演算を行い測距および方向判別を行うリレー要素と、前記電圧を用いて極性電圧を算出する極性電圧算出手段と、前記極性電圧が所定の電圧感度設定値以上のとき出力信号を発生する極性電圧感度判定手段と、前記極性電圧感度判定手段からの出力信号が発生しているとき、前記リレー要素の演算結果を判定するリレー動作判定手段と、を備えた距離継電器において、前記リレー動作判定手段が動作した結果を受けて前記極性電圧感度判定手段の電圧感度設定値を高感度に切り替えることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、電力系統から入力した電圧および電流を用いて所定の演算を行い測距および方向判別を行うリレー要素と、前記電圧を用いて極性電圧を算出する極性電圧算出手段と、低電圧感度設定値Vk1を有し、前記極性電圧が当該低電圧感度設定値Vk1以上のとき出力信号を発生する第1の極性電圧感度判定手段と、前記第1の極性電圧感度判定手段からの出力信号があるとき、前記リレー要素の演算結果を判定するリレー動作判定手段と、を備えた距離継電器において、前記第1の極性電圧感度判定手段に設定された低電圧感度設定値Vk1よりも高感度の高電圧感度設定値Vk2を有し、前記極性電圧が当該高電圧感度設定値Vk2以上のときに出力信号を発生する第2の極性電圧感度判定手段を設け、前記リレー動作判定手段が動作した結果を受けて前記第2の極性電圧感度判定手段の出力信号を極性電圧の感度判定結果として前記リレー動作判定手段に入力することを特徴とする。
本発明によれば、背後3相事故では誤動作が防止され、また、短距離送電線路へ距離継電器を適用した場合でも、距離第2段以遠の保護領域の事故でも距離継電器による保護が可能である。
以下、本発明に係る距離継電器の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各実施の形態の図面を通して、共通する部分には同一符号を付けることにより、重複する説明は適宜省略する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る距離継電器の構成図である。
(構成)
図1において、一点鎖線枠で囲んだ部分は、一般的な距離継電器1の内部構成を示したものである。距離継電器1は、A−B相短絡保護用距離継電器であり、2は各相電流Ia、Ib、Icを入力して線間電流IΔ(Ia−Ib、Ib−Ic、Iv−Ia)を算出する線間電流手段である。3は各相電流Va、Vb、Vcを入力して線間電圧VΔ(Va−Vb、Vb−Vc、Vc−Va)を算出する線間電圧手段である。
4は各相電流Va、Vb、Vcを入力して極性電圧Vを算出する極性電圧算出手段である。5は極性電圧Vを所定時間(例えば、3サイクル程度)生じさせるメモリ手段である。6は線間電圧VΔおよび線間電流IΔを入力してリレーの見るインピーダンスのリアクタンス分が第1段整定値X以下あるいは第2段整定値X以下のとき動作出力を生じるリアクタンス要素(リアクタンスリレー)である。
7は線間電圧VΔ、線間電流IΔおよび極性電圧Vを入力して距離の測定と方向の判別を行うモー要素(モーリレー)である。8はメモリ手段5から出力された極性電圧Vを入力し、この極性電圧Vが予め設定されている低電圧感度設定値Vk1未満の場合出力信号をカットし、Vk1以上(V≧Vk1)の場合のみ、出力信号を生じるように構成した極性電圧感度判定手段(以下、第1の極性電圧感度判定手段という)である。
これら、リアクタンス要素6、モー要素7、第1の極性電圧感度判定手段8の出力信号X、X、MおよびVは、ロジック信号の「1」または「0」である。
9はリアクタンス要素の出力信号X、X、モー要素の出力信号Mおよびオア回路10を介して出力された第1の極性電圧感度判定手段8の出力信号である極性電圧の感度判定結果V ´を入力し、リレー動作判定を行うリレー動作判定手段であり、各入力信号はボックス中に示すロジックシーケンスになっている。
このリレー動作判定手段9の各段の出力信号X−ab、X−ab、M−abは、それぞれ各段のタイマ起動回路を構成するオンディレータイマ(X−abT、X−abTおよびM−abT)11で設定されている計時時間以上継続している場合、トリップ信号を生じるようになっている。
ところで、本実施の形態1では、上述のように構成された一般的な距離継電器1に対して、次のような手段および回路を設けている。すなわち、前記第1の極性電圧感度判定手段8と同様に構成された極性電圧感度判定手段(以下、第2の極性電圧感度判定手段という)12を設け、この第2の極性電圧感度判定手段12にメモリ手段5から出力された極性電圧Vを入力し、この極性電圧Vが予め設定されている高電圧感度設定値Vk2未満の場合出力をカット(「0」信号を出力)し、Vk2以上(V≧Vk2)の場合のみ、出力信号「1」を生じるようにしている。
なお、第1の極性電圧感度判定手段8の低電圧感度設定値Vk1は背後3相事故による残留電圧を回避する電圧感度(例えば、5ボルト程度)に設定され、第2の極性電圧感度判定手段12の高電圧感度設定値Vk2はリレー誤差による誤動作を防止する電圧感度(例えば、1ボルト程度)に設定される。したがって、第1の極性電圧感度判定手段8と第2の極性電圧感度判定手段12との電圧感度設定値間は、Vk1>Vk2の関係になっている。
第2の極性電圧感度判定手段12の出力信号は、アンド回路13の一方の入力端子に入力され、このアンド回路13を経てオア回路10に入力されるように構成されている。
そして、リレー動作判定手段9の各出力信号X−ab、X−ab、M−abは、オア回路14を経てフリップフロップ回路15のセット端子Sに入力されるとともに、ノット回路16を経てリセット端子Rに入力されるようになっている。
このフリップフロップ回路15の出力信号Qは、アンド回路13のもう一方の入力端子に入力されるように構成されている。
(作用)
次に、本実施の形態1の作用について説明する。
図4のような1回線短距離送電線路において、保護対象である送電線路1Lの健全時は、リアクタンス要素6、モー要素7は動作しないので、リレー動作判定手段9からトリップ信号「1」が出ることはない。この結果、フリップフロップ回路15の出力信号Qも「0」である。
ここで、送電線路1Lの背後で3相事故F1が発生した場合、残留電圧によってはリアクタンス要素6、モー要素7から動作出力が生じる場合がある。しかし、この背後3相事故F1時の残留電圧に基づいて算出された極性電圧Vすなわち、メモリ電圧の大きさは、第1の極性電圧感度判定手段8の低電圧感度設定値Vk1を下回ることが確実なので、第1の極性電圧感度判定手段8のロック機能が有効となり、「1」なる極性電圧Vが出力されることはなく、リレー動作判定手段9が誤動作することなない。
一方、図5のような距離第二段Xの保護領域に入る3相事故F2の場合は、事故発生直後の極性電圧Vの大きさは、第1の極性電圧感度判定手段8の低電圧感度設定値Vk1以上(V≧Vk1)であるため、リレー動作判定手段9が動作し、フリップフロップ回路15の出力信号Qが「1」となり、アンド回路13の入力条件が成立し、第2の極性電圧感度判定手段12の出力電圧である極性電圧の判定結果V ´がオア回路10に入力される。
このように、アンド回路13の出力信号と第1の極性電圧感度判定手段8の出力信号とをオア回路10のオア条件とすることで極性電圧Vの電圧感度を、低電圧感度設定値Vk1から高電圧感度設定値Vk2に切り替えることが可能になる。この結果、事故F2の発生直後から3サイクル程度の間は、オア回路10を通してリレー動作判定手段9に第1の極性電圧感度判定手段8および第2の極性電圧感度判定手段12の極性電圧Vの双方が入力され、リレー動作判定手段9から継続してX−ab、X−ab、M−abが出力される。
そして、事故F2が発生してから3サイクル以降になると、メモリ手段5から出力される残留電圧に基づく極性電圧Vの大きさは、第1の極性電圧感度判定手段8の低電圧感度設定値Vk1を下回るようになり、第1の極性電圧感度判定手段8からの極性電圧Vはカットされる。しかし、メモリ手段5から出力される極性電圧Vがカットされた後も残留電圧に基づく極性電圧Vは高電圧感度設定値Vk2以上(V>Vk2)あるので、距離継電器1の動作が継続し、距離第2段Xによる時限トリップが可能となる。
以上述べたように、本実施の形態1によれば、図4のような背後3相事故では誤動作が防止され、また、図5のような短距離送電線路へ距離継電器を適用した場合でも距離第2段以遠の保護領域の事故でも距離継電器1による保護が可能である。
(実施の形態1の変形例)
以上説明した実施の形態1の図1では、極性電圧判定手段を低電圧感度Vk1用の第1の極性電圧感度判定手段8と、高電圧感度Vk2用の第2の極性電圧感度判定手段12との2種類用意して、リレー動作判定手段9が動作した結果を受けて第2の極性電圧感度判定手段12の出力信号を極性電圧の判定結果V ´としてリレー動作判定手段9に入力することにより実質的に電圧感度を低電圧感度設定値Vk1から高電圧感度設定値Vk2に切り替えるようにしたが、本発明は、図1の構成に限定されるものではなく、1つの極性電圧感度判定手段に低電圧感度設定値Vk1および高電圧感度設定値Vk2を予め持たせておき、リレー動作判定手段9が動作した結果を受けて低電圧感度設定値Vk1から高電圧感度設定値Vk2に切り替えるように構成してもよい。
(実施の形態2)
図2は、本実施の形態2に係る距離継電器の構成図である。
(構成)
図2において、本実施の形態2は、前述した実施の形態1の図1に対して、事故発生後に各相電流Ia、Ib、Icのいずれかが急変したことを検出するための変化分電流算出手段20を設け、第1の極性電圧感度判定手段8から出力される極性電圧Vが消滅した後でも、変化分電流算出手段20の出力信号を利用することによって第1の極性電圧感度判定手段8から第2の極性電圧感度判定手段12への切り替えが可能なようにしたもので、変化分電流算出手段20のほかに各種の論理回路21−25を追加して設けた構成になっている。その他の構成は図1の回路と同じなので説明を省略する。
図2中、21は変化分電流算出手段20の各相分の出力信号を入力するオア回路、22は第1の極性電圧感度判定手段8から出力された極性電圧Vの極性すなわち、Vのロジックを反転させるノット回路である。また23はノット回路22から出力される起動条件信号、24はオア回路21の出力信号を一定時間遅延復帰させるオフディレータイマ、25はノット回路22の出力信号、オフディレータイマ24の出力信号および前記フリップフロップ回路15のリセット端子Rに入力される信号Aを入力とするアンド回路である。26はこのアンド回路25の出力信号と前記オア回路14の出力信号とを入力とするオア回路である。
(作用)
次に、本実施の形態2の作用について説明する。
図6に示す平行2回線での事故時に第2回線2Lに設置された距離継電器がどのように応動するかについて考察する。第1回線1Lに事故F3が発生した場合、第2回線2Lに設置された距離継電器にとっては、距離第2段(X)保護領域であるが、背後事故と見て不動作となる場合が考えられる。
第1回線1Lが第1回線1L側に設置された継電器によって遮断された場合には、第2回線2Lに設置された距離継電器にとっては、前方事故に進展することになる。この時点においては、事故F3の発生から既に3サイクル以上経過しているため、メモリ電圧である極性電圧Vは消滅しており、事故時の残留電圧が極性電圧Vに対してVk1>Vなる条件になっていると第1の極性電圧感度判定手段8によるロック機能が働いてしまい、実施の形態1で説明した手法では電圧感度Vを低電圧感度のVk1から高電圧感度のVk2に切り替えることはできず、第2回線2Lの距離継電器は距離第2段(X)による保護動作することができない。
本実施の形態2はこの点に鑑みて、図2の距離継電器の構成図で示すように、図6の事故F3において、極性電圧Vが低電圧感度Vk1以下となり第1の極性電圧感度判定手段8の出力信号が「0」になっていることをノット回路22の反転出力「1」より検出し、その検出出力「1」を変化分電流算出手段20の起動条件信号23として起動条件入力端子に入力する。ここで、事故発生後の事故電流をIf(m−n)、事故継続中に第1回線1Lが遮断されたことにより、電流が変化した後の事故電流をIf(m)とする(mは現時点のサンプリング、nは任意のサンプリング、m−nは現時点からnサンプリング前を示す)。
変化分電流算出手段20は、ノット回路22から「1」なる起動条件信号23が入力されて始めてIf(m)−If(m−n)なる変化分電流ΔIfを算出し、この変化分電流ΔIfが所定の電流感度IΔk以上である場合出力信号を生じる(ΔIf=If(m)−If(m−n)≧IΔk)。そしてこの変化分電流算出手段20の出力信号はオア回路21を経てオフディレータイマ24に入力される。変化分電流算出手段20の出力信号は変化分であるため、オフディレータイマ24によって、一定時間連続した出力信号が得られる。
そして、ノット回路22の反転出力信号23と、オフディレータイマ24の出力信号と、前記ノット回路16の反転出力信号Aの3つの信号のアンド条件によりアンド回路25の出力信号を得る。さらに、アンド回路25の出力信号と、オア回路14を介して出力されたリレー動作判定回路9の出力信号とをオア回路26を経て前記フリップフロップ回路15のセット端子Sに取り込むことにより、実施の形態1と同様に、極性電圧Vを低電圧感度設定値Vk1から高電圧感度設定値Vk2に切り替えるためのアンド回路13の出力信号を得ることができる。
以上述べたように、本実施の形態2によれば、隣回線(1L)の至近端3相事故で距離継電器が不動作の状態から、隣回線(1L)が事故遮断し事故電流が変化することによりΔIfを検出し、極性電圧Vが低電圧感度設定値Vk1よりも小さいこと、距離継電器1が不動作(リレー動作判定手段9が不動作)であることの条件で極性電圧Vの電圧感度設定値をVk1からVk2へ切り替えてリレー動作判定手段9の動作を有効にする。これにより、距離第2段以遠の保護が可能となる。
(実施の形態3)
図3は、本実施の形態3に係る距離継電器の構成図である。
(構成)
図3において、本実施の形態3は、実施の形態2における図2の回路に対して、アンド回路25の出力信号をセット信号として入力し、ノット回路16の出力信号であるフリップフロップ回路15のリセット端子Rの入力信号Aをリセット信号として入力するフリップフロップ回路30を設け、このフリップフロップ回路30の出力信号Bと、オア回路26の出力信号とを入力するアンド回路31を設け、前記各段のオンディレータイマ(X−abT、X−abTおよびM−abT)11よりも短い時間に設定された各段の短縮タイマ起動回路として機能する短縮オンディレータイマ(X−abTs、X−abTsおよびM−abTs)32を設け、さらにこの短縮オンディレータイマ(X−abTs、X−abTsおよびM−abTs)32とアンド回路31の出力信号とを入力としトリップ信号を出力するアンド回路33を設けた構成になっている。その他の構成は図2の回路と同じなので説明を省略する。
(作用)
前述した実施の形態2では、距離継電器1の動作タイミングは実施の形態1の場合より遅延する。この遅延時間は、事故が発生してから極性電圧Vの感度が切り替わるまでの時間に相当する。この場合、距離継電器1のタイマトリップにおける時間協調を考えると、通常は実施の形態1の事故ケースを考えた時限整定となっているため、自所の電気所に設置された他の保護継電器や他電気所の遠端後備保護継電器との時間協調に崩れが生じる懸念がある。
このため、本実施の形態3では、図3で示すようにアンド回路25の出力信号をフリップフロップ回路30のセット入力端子Sに入力し、出力信号Bを得る。この出力信号Bをアンド回路31の一方の入力端子に入力し、前記リレー動作判定手段9の出力をオア回路14、26を経てこのアンド回路31の他の入力端子に入力する。そして、このアンド回路31の出力信号と短縮タイマトリップ回路として機能する各段の短縮オンディレータイマ(X−abTs、X−abTsおよびM−abTs)32の出力信号とを各段に設けたアンド回路33に入力し、このアンド回路33の入力条件が成立したときトリップ信号を出力することで自所の電気所に設置された他の保護継電器や他電気所の遠端後備保護継電器との時間協調を図ることができる。
なお、この各段の短縮オンディレータイマ(X−abTs、X−abTsおよびM−abTs)32は、前記各段のオンディレータイマ(X−abT、X−abTおよびM−abT)11より予め短く設定した固定の値、または起動信号23が出力してからアンド回路25が出力するまでの遅延時間を自動的に設定するなどの手段としても良い。
以上述べたように、本実施の形態3によれば、実施の形態2の作用効果に加えて、自所の電気所に設置された他の保護継電器や他電気所の遠端後備保護継電器との時間協調を図ることができる。
本実施の形態1に係る距離継電器の構成図。 本実施の形態2に係る距離継電器の構成図。 本実施の形態3に係る距離継電器の構成図。 1回線短距離送電線路の背後事故時の説明図。 1回線短距離送電線路の距離第2段事故時の説明図。 2回線短距離送電線路の距離第2段事故時の説明図。
符号の説明
1…一般的な距離継電器、2…線間電流手段、3…線間電圧手段、4…極性電圧算出手段、5…メモリ手段、6…リアクタンス要素、7…モー要素、8…第1の極性電圧感度判定手段、9…リレー動作判定手段、10…オア回路、11…各段タイマ起動回路、12…第2の極性電圧感度判定手段、13…アンド回路、14…オア回路、15…フリップフロップ回路、16…ノット回路、20…変化分電流算出手段、21…オア回路、22…ノット回路、23…起動条件信号、24…オフディレータイマ、25…アンド回路、26…オア回路、30…フリップフロップ回路、31…アンド回路、32…オンディレータイマ、33…アンド回路。

Claims (4)

  1. 電力系統から入力した電圧および電流を用いて所定の演算を行い測距および方向判別を行うリレー要素と、前記電圧を用いて極性電圧を算出する極性電圧算出手段と、前記極性電圧が所定の電圧感度設定値以上のとき出力信号を発生する極性電圧感度判定手段と、前記極性電圧感度判定手段からの出力信号が発生しているとき、前記リレー要素の演算結果を判定するリレー動作判定手段と、を備えた距離継電器において、
    前記リレー動作判定手段が動作した結果を受けて前記極性電圧感度判定手段の電圧感度設定値を低感度側から高感度側に切り替えることを特徴とする距離継電器。
  2. 電力系統から入力した電圧および電流を用いて所定の演算を行い測距および方向判別を行うリレー要素と、前記電圧を用いて極性電圧を算出する極性電圧算出手段と、低電圧感度設定値Vk1を有し、前記極性電圧が当該低電圧感度設定値Vk1以上のとき出力信号を発生する第1の極性電圧感度判定手段と、前記第1の極性電圧感度判定手段からの出力信号があるとき、前記リレー要素の演算結果を判定するリレー動作判定手段と、を備えた距離継電器において、
    前記第1の極性電圧感度判定手段に設定された低電圧感度設定値Vk1よりも高感度の高電圧感度設定値Vk2を有し、前記極性電圧が当該高電圧感度設定値Vk2以上のときに出力信号を発生する第2の極性電圧感度判定手段を設け、前記リレー動作判定手段が動作した結果を受けて前記第2の極性電圧感度判定手段の出力信号を極性電圧の感度判定結果として前記リレー動作判定手段に入力することを特徴とする距離継電器。
  3. 前記極性電圧が前記低電圧感度設定値Vk1以下のときに生じる不動作出力信号を起動条件として事故中の事故電流の変化分を検出する事故電流変化検出手段を設け、当該事故電流変化検出手段の出力信号と、前記リレー動作判定手段の不動作出力信号とのアンド条件が成立したとき前記極性電圧判定回路の電圧感度を低設定値Vk1から高設定値Vk2に切り替えることを特徴とする請求項2記載の距離継電器。
  4. 前記極性電圧が前記低電圧感度設定値Vk1以下のときに生じる不動作出力信号を起動条件として事故中の事故電流の変化分を検出する事故電流変化検出手段を設け、当該事故電流変化検出手段の出力信号と、前記リレー動作判定手段の不動作出力信号とのアンド条件が成立したことを維持するアンド条件成立維持手段を設け、前記リレー動作判定手段の出力信号と前記アンド条件成立維持手段とのアンド条件成立によって短縮タイマトリップ回路を起動することを特徴とする請求項3記載の距離継電器。
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