JP2000341852A - ディジタル形方向距離継電器 - Google Patents

ディジタル形方向距離継電器

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JP2000341852A
JP2000341852A JP11145776A JP14577699A JP2000341852A JP 2000341852 A JP2000341852 A JP 2000341852A JP 11145776 A JP11145776 A JP 11145776A JP 14577699 A JP14577699 A JP 14577699A JP 2000341852 A JP2000341852 A JP 2000341852A
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Yukio Sukegawa
行雄 介川
Hideya Amo
秀也 天羽
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Toshiba Corp
Toshiba System Technology Corp
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Toshiba Corp
Toshiba System Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 事故除去時の時間協調に加えて、健全状態か
らの事故発生時、又は背後から前方への進展事故時にお
いても、不要動作のないようにする。 【解決手段】 被保護電力系統から電圧及び電流に関す
る複数の電気量を同一時刻にて周期的にサンプリング
し、ディジタル量に変換した前記各電気量を用いて方向
判別のモー要素M及び距離計測のリアクタンス要素X及
びブラインダ要素Rを備え、これら要素の動作判定から
系統事故点を検出し事故点が特定の動作域に一定時間滞
在しているか否かを識別するディジタル形方向距離継電
器において、前記M要素が不動作であり、かつ前記X要
素及びR要素が動作であることを判定する第1の手段1
1と、前記第1の手段の動作状態が一定期間以上継続し
て成立するか否かを判定する第2の手段12と、前記X
要素及びR要素の整定値が所定値以上か否かを判定する
第3の手段13と、前記第2の手段もしくは第3の手段
の判定結果が成立時には、前記X要素の動作出力時間を
遅延させる手段14とから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リアクタンス要素
の動作時間協調を行ない、不要動作防止を図ったディジ
タル形方向距離継電器に関する。
【0002】
【従来の技術】距離継電器の適用としては、継電器に系
統電圧と電流を導入し、事故点までの電気的な距離、つ
まりインピーダンスを測定し、その値に応じてしゃ断器
動作指令の時限を変えることで各保護区間の各継電器の
動作協調を図るものであり、従来より種々の特性が用い
られている。
【0003】なかでもモー形要素とリアクタンス要素の
組み合わせを基本とした継電器特性が広く一般に適用さ
れており、代表的な例として3段階時限方式が良く知ら
れている。これは系統側の機器誤差,継電器自身の測距
誤差など考慮して確実に内部事故を判別できる区間とし
て、一般に70〜80%までを第1段ゾーンとし、この
範囲の事故は瞬時動作にて事故除去させる。
【0004】又、第1段整定の残り30〜20%の保護
と次電気所母線の後備保護を目的に第2段ゾーンを、更
に次区間遠後備と自区間の最終後備保護として第3段ゾ
ーンの動作を夫々T2,T3のタイマ整定(T2<T
3)として時限差を持たせることで隣接区間との時間協
調を図る装置運用方式である。
【0005】ここで、距離継電器の出力には前記モーM
要素とリアクタンスX要素の演算原理及び特性の異なる
要素の複合化にて動作範囲を定めているため、その動作
時間と復帰時間の差異によっては瞬時動作である第1段
O要素(M要素とX要素の複合特性)の場合には事故発
生又は事故除去時に誤動作する恐れがある。
【0006】インピーダンスがO要素の動作域を過渡的
に通過するような急変ケースであっても、事故点が動作
域外の場合には一瞬でも不要応動しないことは距離継電
器に課せられた責務の1つである。この対策としては、
図23のフローチャート構成とした特公平5−4677
2号がある。
【0007】即ち、図20に示すF1点(次区間事故)
からL点(事故除去)に急変した場合のX要素の動作時
間とM要素の復帰時間差により両要素とも動作となるラ
ップ期間が生じる。この動作を阻止するために前記発明
ではM要素が動作状態と、瞬時動作であるX要素が不動
作状態となる領域に一定期間以上継続するかを判定し、
本条件が成立する時には前記ラップ時間Tpu値を吸収す
るだけの出力遅延タイマTDEをO要素の動作時間に挿
入することで距離継電器の不要動作を回避するものであ
る。
【0008】今、図21のような事故ケースをRY1の
継電器の動作応動で考える。次区間(隣回線)でF1事
故が発生すると、RY1の見るインピーダンスは図のα
ゾーン内となる。F1発生から事故回線側対向端子のR
Y2が事故検出し、CB2のしゃ断器引き外し指令にて
事故除去すると事故反転となってRY1は背後のF2事
故と見る。
【0009】ここでF2事故に移行するまでには、RY
2の動作時間及びCB2の動作時間が必要となるため、
この期間のTzoneは前記αゾーン内にインピーダン
スは停滞する。従って、従来技術ではTchkなる検出
時間を設けておき、Tzone>Tchkであれば継電
器の動作出力を前記TDE分遅らせることにより、F1
→F2急変時にインピーダンスが第1段ゾーンを通過す
る際の不要動作を阻止する構成としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した通りF1点→
L点又はF1点→F2点のような事故除去時の時間協調
は図れる反面、逆のケースにあたる定常状態L点→F1
点のような事故発生時、あるいは背後事故F2点からF
1点への進展事故のような場合には、図22に示すよう
なモー要素の動作時間とリアクタンス要素の復帰時間差
が問題となる関係上、前記発明構成では時間協調の対策
として有効とはならない。
【0011】つまり、いずれも継電器の動作域外からα
ゾーンに急変するモードであり、この場合は前記Tzo
ne検出は機能しなく、第1段ゾーンをインピーダンス
が通過する時点にTDE遅延制御外となり、動作域外の
事故点にも係わらず、誤って装置動作となるケースが考
えられる。
【0012】これは距離継電器の動作時間が高速動作と
なるにつれ前記Tpu値は大きくなることから、第1段要
素の不要動作を招き易くなることを意味している。従っ
て、出力動作時間制御の構成としては事故除去時のみ注
目した従来技術以外に、事故発生時の急変モードでも不
要動作しない新たなリアクタンス要素の時間協調処理が
別に必要となる。
【0013】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、事故除去時の時間協調に加えて健全状態からの事
故発生時、又は背後から前方への進展事故時においても
不要動作のない安定性と高速性の両立を図った信頼性の
高い方向距離継電器を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】先ず、各発明技術で共通
な点は、前記αゾーンにおけるインピーダンス停滞期間
を検出して、事故除去時の不要動作を阻止する従来技術
の構成に加え、 :通常の方向距離継電器特性として内部方向判別要素
の他に外部(背後)動作ゾーン域を別に設け、両者の動
作条件から背後事故が所定期間以上継続しているか否か
を判定する。
【0015】:リアクタンス要素とブラインダ要素の
整定値より決定される動作域を識別し、両者の整定値が
特定の関係であるか否かを判定する。の2つの構成を有
し、は背後事故から進展事故時に必要な時間協調条件
に、一方、は定常時から事故発生時の時間協調崩れの
条件に夫々適用する。
【0016】つまり図22において、の方式が背後事
故状態から前方進展事故時(F2→F1急変時)の不要
動作対策であり、の方式が健全状態から事故発生時
(L→F1,L→F2急変時)の対策としている。以下
に各請求項の特徴を説明する。
【0017】本発明の[請求項1]は、被保護電力系統
から電圧及び電流に関する複数の電気量を同一時刻にて
周期的にサンプリングし、ディジタル量に変換した前記
各電気量を用いて方向判別のモー要素M及び距離計測の
リアクタンス要素X及びブラインダ要素Rを備え、これ
ら要素の動作判定から系統事故点を検出し事故点が特定
の動作域に一定時間滞在しているか否かを識別するディ
ジタル形方向距離継電器において、前記M要素が不動作
であり、かつ前記X要素及びR要素が動作であることを
判定する第1の手段と、前記第1の手段の動作状態が一
定期間以上継続して成立するか否かを判定する第2の手
段と、前記X要素及びR要素の整定値が所定値以上か否
かを判定する第3の手段と、前記第2の手段もしくは第
3の手段の判定結果が成立時には、前記X要素の動作出
力時間を遅延させる構成とした。
【0018】この[請求項1]では、前記の背後事故
判定方式として、インピーダンス停滞期間をX要素とR
要素の動作及びM要素の不動作条件、即ち、図2に示す
β1ゾーン内で検出する。今、図21をもとに背後から
の進展事故ケースを考える。F1事故発生で事故回線側
(隣回線)対向端のRY2継電器が動作し、しゃ断器C
B2で事故を除去すると、両端子とも事故除去しない場
合には電流反転となり、RY1は前方事故から背後事故
と見る(F1→F2)。
【0019】この事故急変時の時間協調は従来技術によ
るため詳述は省略する。背後事故により、RY1は図2
のβ1ゾーン内にインピーダンスを見る。次にRY2の
再閉路投入指令により仮にCB2が閉路すると、今度は
RY1は背後方向からもとのF1事故、つまり前方事故
と見る。ここで、RY1が見るインピーダンスはβ1ゾ
ーンに入った時点から、RY2が再閉路投入指令時間、
加えてCB2のしゃ断器が閉路するまでに要する時間の
間はβ1ゾーン内にしばらく(一般には数サイクル期
間)停滞することになる。
【0020】この間を前記Tzoneとする。従って、
検出時間として同様に前記Tchkを設けておき、Tz
one>Tchkが成立した場合には、前記出力遅延タ
イマTDEを継電器の動作時間に与えれば、F2→F1
進展時に第1段瞬時動作ゾーンを通過する際も不要動作
を防止できる作用がある。なお、β1ゾーン検出後、第
1段動作ゾーンに移行する事故の場合には、TDEタイ
マ分動作時間が遅れることになるが、保護範囲外の事故
状態から内部進展事故となるケースは通常後備保護的な
扱いとなるため、時間協調面からも応答時間要求は少な
いと言える。
【0021】一方、の定常状態からの事故発生の場合
について考察する。X要素,R要素の整定値が大きくな
るにつれ、当然ながら第1段動作域が広くなる(L点と
動作域が近づく)ため、L点→F1点となる事故発生タ
イミング,インピーダンス軌跡により、急変時に本領域
を通過する頻度,期間とも増大する傾向となる。整定値
の関係から場合によっては、図4に示すようにL点状態
にてM要素が常時動作も考えられる。
【0022】このため、各要素の動作時間特性から、R
要素の動作時間とX要素の復帰時間のラップが生じる限
界値を予め抽出し所定値として用意する。X要素、R要
素の整定値XS ,RS を本所定値kxs,krsと夫々
参照し、所定値以上の整定値である時には、前記同様出
力遅延タイマTDEにより時間協調を図り、過渡応答中
での不要動作を防止することができる。
【0023】又、この整定値条件下にて第1段ゾーン内
に事故が発生した場合には、TDEタイマにより本来の
動作時間が遅延することになるが、動作領域が大きい
(広い)条件での継電器動作は十分高速応答性が期待で
き、時間性能に与える影響は少ない。以下、請求項1か
ら[請求項9]において、の対策である本構成の考え
方はブラインダ要素の実装有無による整定値比較判定の
違いであり、発明の主旨は全ての請求項に適用する。
【0024】以上の述べた構成とすることにより、図5
に示すように定常状態(L点)から背後F2事故発生、
F1事故進展にて事故除去後、L点となるような1段動
作域を介してのインピーダンス軌跡となるケースについ
ても、本距離継電器は不要動作なく安定した応動が期待
できる。
【0025】本発明の[請求項2]は、被保護電力系統
から電圧及び電流に関する複数の電気量を同一時刻にて
周期的にサンプリングし、ディジタル量に変換した前記
各電気量を用いて方向判別のモー要素M及び距離計測の
リアクタンス要素X,ブラインダ要素Rを備え、これら
要素の動作判定から系統事故点を検出し事故点が特定の
動作域に一定時間滞在しているか否かを識別するディジ
タル形方向距離継電器において、前記M要素が不動作で
あり、かつ前記R要素が動作であることを判定する第1
の手段と、不足電圧継電器の動作判定を行なう第2の手
段と、前記第1の手段及び第2の手段の動作状態が一定
期間以上継続して成立するか否かを判定する第3の手段
と、前記X要素及びR要素の整定値が所定値以上か否か
を判定する第4の手段と、前記第3の手段もしくは第4
の手段の判定結果が成立時には、前記X要素の動作出力
時間を遅延させる構成とした。
【0026】この[請求項2]では、前記β1ゾーン検
出の有効条件としてR要素の動作とM要素の不動作に、
不足電圧継電器の動作状態をAND条件で付加させた図
7のβ2ゾーンを用いている。この構成について説明す
る。継電器特性上、R要素*M要素の動作領域のみでも
前記β1ゾーン相当となる(但し、X要素の動作域は正
とする)が、次のような演算処理上の処置が必要とされ
る。なお、*印は両者のうちのminの領域を意味す
る。
【0027】一般に距離継電器の動作には、電圧,電流
の入力レベルが極端に小さい場合には正確な動作判定が
期待できないため、クリーピング防止を目的にある一定
の電流、電圧感度を内蔵し、所定値以下の入力時には方
向要素を不動作側に処置し、継電器出力をロックするの
が通常である(これを電力用規格書B−402では電圧
・電流感度特性と称している)。従って、無負荷状態
(電流入力0)では方向要素のモー要素は不動作とな
る。
【0028】更に、マイコンを用いたディジタル計算機
の世界では、分母*0(なお、*印はほゞ等しいことを
意味する)での除算はCPUの暴走に繋がる恐れがある
ため一般には許可しておらず、このようなデータで除算
処理が伴なう場合には、ある設定値に商の値をクランプ
させ割り算処理をバイパス(計算無効)とし、このクラ
ンプされた値を商として代用している。
【0029】既に知られているように、距離継電器の原
理はオームの法則を基本に電圧V÷電流Iでインピーダ
ンスZを算出している。つまり電流0入力ではZが算出
できない。このためV(分子)とI(電流)の符号によ
って、その時点でのZ演算結果は図18に示すような4
点の最大値,最小値の何れかにクランプされる(インピ
ーダンスをR分とX分に分けて図示)。
【0030】ここで、入力条件によっては測距インピー
ダンスR分,X分とも正、即ち、第1象限の最大値Rma
x ,Xmax にクランプした場合には、ブラインダ特性の
傾きθとブラインダ整定値RS の関係によっては、たと
え所定値krs以下となった場合でも(1)式のR要素
の動作判定式のが成立するケースが考えられる。
【数1】 左側(受け側)特性:Rmax >−RS 右側(送り側)特性:Xmax >tanθ(Rmax −RS ) ………………………(1) Rmax ,Xmax :最大値クランプ。 RS :整定値。 θ:特性傾き。
【0031】即ち、電流入力が0近くの状態では、M要
素不動作,R要素動作となり、保護系統が健全状態であ
っても距離継電器はインピーダンスはβ1ゾーン内に停
滞中と誤認する場合が考えらる。この結果、第1段ゾー
ン内の系統事故発時にTDEによる出力動作遅延とな
り、瞬時動作となるはずの距離継電器の動作時間が遅れ
ることを意味する。
【0032】本発明ではこの現象を阻止するために、健
全/事故状態を識別できる電圧感度を有した不足電圧継
電器の動作条件を設け、本不足電圧継電器が動作であれ
ば、事故中のβ2ゾーン内と正しく識別することがで
き、この結果所望の時間協調が行える。又、本構成はβ
2ゾーンの検出にX要素の動作条件を考慮していないた
め、距離継電器特性がM要素とR要素のみであっても時
間協調が可能であり、背後方向からの急変時の不要動作
を防止できる利点も有している。
【0033】本発明の[請求項3]は、[請求項2]に
おいて、入力電圧のレベル判定として前記第2の手段に
は過電圧継電器の不動作判定条件で行なう構成とした。
この[請求項3]では、[請求項2]の構成に対し、β
2ゾーン検出条件の健全/事故の区別に過電圧継電器の
不動作条件を設けており、電圧レベル判定結果をもとに
[請求項2]と同様の作用となる。
【0034】本発明の[請求項4]は、被保護電力系統
から電圧及び電流に関する複数の電気量を同一時刻にて
周期的にサンプリングし、ディジタル量に変換した前記
各電気量を用いて前記方向判別のモー要素M及び距離計
測のリアクタンス要素X及びブラインダ要素Rを備え、
これら要素の動作判定から系統事故点を検出し事故点が
特定の動作域に一定時間滞在しているか否かを識別する
ディジタル形方向距離継電器において、前記M要素が不
動作であり、かつ前記X要素及びR要素が動作であるこ
とを判定する第1の手段と、前記X要素の整定値XS か
らXS ×k1(k1<0の定数)を整定値感度として負
方向のリアクタンス要素XB の動作判定を行なう第2の
手段と、前記第1の手段及び第2の手段の動作状態が一
定期間以上継続して成立するか否かを判定する第3の手
段と、前記X要素及びR要素の整定値が所定値以上か否
かを判定する第4の手段と、前記第3の手段もしくは第
4の手段の判定結果が成立時には前記X要素の動作出力
時間を遅延させる構成とした。
【0035】この[請求項4]では、整定値XS から×
k倍(k<0)した整定値−Xksをもと、負方向のXB
特性を設けて背後事故検出域として図10のβ3ゾー
ンで実現したものである。これは同図に示したような左
/右(送/受)R要素が並行な特性の場合に効果とな
る。つまり、本XB 要素により背後方向を包囲する機能
を持つ。前述のR要素は左右の傾きが異なる特性で説明
したが、同様に本構成としても[請求項1]と同様な作
用,効果となり、背後方向からの時間協調を実現できる
働きを備えている。
【0036】本発明の[請求項5]は、被保護電力系統
から電圧及び電流に関する複数の電気量を同一時刻にて
周期的にサンプリングし、ディジタル量に変換した前記
各電気量を用いて方向判定のモー要素M及び距離計測の
リアクタンス要素X及びブラインダ要素Rを備え、これ
ら要素の動作判定から系統事故点を検出し事故点が特定
の動作域に一定時間滞在しているか否かを識別するディ
ジタル形方向距離継電器において、前記M要素が不動作
であり、かつ前記R要素が動作であることを判定する第
1の手段と、前記X要素の動作量の絶対値と整定値から
正負バンド幅でのリアクタンス要素|X|の動作判定を
行なう第2の手段と、前記第1の手段及び第2の手段の
動作成立結果が一定期間以上継続して成立するか否かを
判定する第3の手段と、前記X要素及びR要素の整定値
が所定値以上か否かを判定する第4の手段と、前記第3
の手段もしくは第4の手段の判定結果が成立時には前記
X要素の動作出力時間を遅延させる構成とした。
【0037】この[請求項5]では、前記XB 要素の整
定値をX要素の整定値XS と連動させて動作判定した|
X|要素にて、背後事故検出域であるβ4ゾーンを図1
2の特性で実現した構成であり、本図の場合でも請求項
4と同様な作用が得られる。又、本|X|要素の動作判
定は(2)式のように動作量は絶対値のみで求めること
ができ、X要素とXB 要素の判定のAND条件が必要な
請求項4に比べ、演算処理負担の軽減となる効果も兼ね
備えている。
【数2】 |X|<XS ……………………………(2) |X|:測距値Xの絶対値。 XS :整定値。
【0038】本発明の[請求項6]は、被保護電力系統
から電圧及び電流に関する複数の電気量を同一時刻にて
周期的にサンプリングし、ディジタル量に変換した前記
各電気量を用いて方向判定のモー要素M及び距離計測の
リアクタンス要素Xを備え、これら各要素の動作判定か
ら系統事故点を検出し事故点が特定の動作域に一定時間
滞在しているか否かを識別するディジタル形方向距離継
電器において、前記M要素が不動作であり、かつ前記X
要素が動作であることを判定する第1の手段と、インピ
ーダンス継電器の動作判定を行なう第2の手段と、前記
第1の手段及び第2の手段の判定結果が一定期間以上継
続して成立するか否かを判定する第3の手段と、前記X
要素の整定値が所定値以上か否かを判定する第4の手段
と、前記第3の手段もしくは第4の手段の判定結果が成
立時には前記X要素の動作出力時間を遅延させる構成と
した。
【0039】この[請求項6]では、図14に示したよ
うに背後事故検出域をβ5ゾーンとして、直線特性のX
要素とR要素で構成した上記各例に対し、インピーダン
ス形継電器特性である円形で実現しており、請求項1と
同等な作用,効果が期待できる。本要素は原点を含む特
性であり、母線事故検出の後備保護方式として併用する
ことも可能である。
【0040】本発明の[請求項7]は、被保護電力系統
から電圧及び電流に関する複数の電気量を同一時刻にて
周期的にサンプリングし、ディジタル量に変換した前記
各電気量を用いて内/外部判別のモー要素MF /MB 及
び前記距離計測のX要素を備え、これら要素の動作判定
から系統事故点を検出し事故点が特定の動作域に一定時
間滞在しているか否かを識別するディジタル形方向比較
距離継電器において、前記内部検出用MF 要素が不動作
であり、かつ前記X要素が動作であることを判定する第
1の手段と、前記外部(背後)検出用のMB要素が動作
であることを判定する第2の手段と、前記第1の手段及
び第2の手段の判定結果が一定時間以上の継続して成立
するか否かを判定する第3の手段と、前記X要素の整定
値が所定値以上か否かを判定する第4の手段と、前記第
3の手段もしくは第4の手段の判定結果が成立時には前
記X要素の動作出力時間を遅延させるように構成した。
【0041】この[請求項7]では、図16に示したよ
うにβ6ゾーンとして、内部事故検出用のモー要素MF
に動作量の極性を反転して実現した後方事故検出用のモ
ー要素MB で構成した方向比較距離継電器特性である。
[請求項1]あるいは[請求項5]と同様、既存の距離
継電器特性要素のみで背後事故検出が可能であり、シン
プルな構成で実現できるメリットがある。
【0042】本発明の[請求項8]は、[請求項6]又
は[請求項7]において、距離計測要素には前記R要素
も装備し、第1の手段にはR要素の動作判定をM要素と
のAND条件で設け、第4の手段にはX要素に加えてR
要素の整定値も設けて判定するように構成した。この
[請求項8]では、ブラインダ要素を有した継電器特性
であり、β5及びβ6ゾーンにR要素がAND条件で重
畳されたものである。
【0043】本発明の[請求項9]は、[請求項1]又
は[請求項2]又は[請求項3]又は[請求項4]又は
[請求項5]又は[請求項8]において、前記方向判別
には直線要素にて実現する四辺形特性のモー要素とし
た。本[請求項9]の場合は、方向判定機能に図19に
示すような直線特性のD要素で実現した距離継電器を対
象としており、複合化特性結果が以上まで説明したモー
要素の円特性から直線で構成された四辺形特性となる。
図からも解るように、R要素で左右動作域を包囲すれ
ば、各請求項と同様の作用,効果となることは言うまで
もない。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は本発明の[請求項1]である
第1の実施の形態を示すブロック図である。図1におい
て、距離継電器特性として前記M要素,R要素及びX要
素を有し、夫々一点鎖線で囲んだ11は前記β1ゾーン
を検出する第1判定手段、12はβ1ゾーン内の停滞期
間を検出する第2判定手段、13は整定値と所定値との
参照比較をする第3判定手段、14は継電器出力カウン
タ値を制御する第4判定手段とから構成される。
【0045】各継電器要素の動作判定をもとに、第1判
定手段の11−1は、M要素不動作,R要素動作かつX
要素動作、即ち、背後事故検出領域である図2のβ1ゾ
ーンにインピーダンスが存在しているかを検出してい
る。又、後述する出力M要素とR要素のAND回路を設
けた出力11−2は、3要素継電器の複合化特性の動作
条件として、X要素とR要素のAND回路を設けた出力
11−3は背後検出ゾーンのリセット条件に使用する。
【0046】第2判定手段12では、まずβ1ゾーンを
検出するとインピーダンスのゾーン内停滞期間をカウン
タにて検知する。このカウンタは11−1の出力有効期
間インクリメントし、Zcntなる設定値以上で判断す
る。カウンタ値はZcnt以上となるとZcntにセッ
トし、又、第1判定手段でβ1ゾーン外と判断時0リセ
ットに夫々制御する。
【0047】ここで設定値Zcntは、事故継続時間の
最小値を意味しており、事故区間の保護継電器の最速動
作時間と、しゃ断器動作の最速値の和として例えば30
msとなるような値にセットしておく。これにより背後
事故発生後、事故除去までの間はインピーダンスは、β
1ゾーン内に少なくとも30ms以上は滞在することに
なる。インピーダンスのゾーン内滞在期間成立を確認す
ると、F/F(フリップフロップ)回路のS端子をセッ
トし、インピーダンスがリセットゾーンから逸脱しない
限りQ端子の出力は保持される。
【0048】一方、事故発生位相等の急変条件によって
はインピーダンスが事故点に推移する過程でβ1ゾーン
に入ることもあるが、この場合には過渡的な変化であり
Zcnt以上のカウンタ値とならず、不要なセット出力
は回避される。この段階で距離継電器の複合化特性とし
て前記3要素のAND条件を判定することになる。3要
素とも動作し得る場合ではF/Fのセット条件により1
2−1、又は12−2が出力がされる。
【0049】即ち、図3のAモード(インピーダンスは
定常時からβ1ゾーンを経由して動作域に移行)時は1
2−1が出力され、同じくBモード(インピーダンスは
背後事故継続から前方次区間事故に進展)時は12−2
が出力される。ここで、本F/F回路のリセット条件は
11−3出力の論理反転、つまりX要素又はR要素の不
動作としている。
【0050】これは、M要素の条件を加えると、M要素
動作時にF/F出力をリセットすると12−1のみ出力
有効となり、逆にM要素不動作時に同出力をリセットし
ても当然ながら12−1,12−2の出力は有り得な
い。M要素の動作条件はF/F出力には無関係であるた
めである。
【0051】よって、12−1,12−2両者の出力時
間協調の制御、つまりAモードでは内部事故が発生した
ものであり高速動作とし、Bモードでは不要動作しない
ように遅延動作させる出力カウンタ制御機能が、第4判
定手段14である。第4判定手段は第2,第3判定手段
のOR回路で構成されており、まず12−1,12−2
の出力で説明する。
【0052】出力12−1の場合には内部事故検出ルー
チンゆえ、通常の出力照合回数としてカウンタm(m≧
0)をセットしている。従って、m回の出力照合で最終
動作信号である14−1が出力される。これに対して、
出力12−2のルーチンでは時間協調の必要性から、通
常の出力照合カウンタ数よりn回多くしたm+n(n>
0)のオンディレイタイマとしてセットする。
【0053】このn値は図に示すラップ期間tpuの最大
値をカバーするだけの期間とし、数値は距離継電器の動
作原理,特性図,動作判定周期等を考慮して決定すれば
良い。これにより時間協調が必要とされる背後方向から
の進展事故ではn回確認期間動作遅延となり、健全状態
から事故発生時には通常のm回確認のみ動作出力が得ら
れ、高速性と安定性の両立を実現した構成であることが
解る。
【0054】前後するが最後に第3判定手段13につい
て説明する。これはX要素及びR要素の整定値XS とR
S と図4で示したラップ期間が生じる限界整定値のX要
素所定値kxs,R要素所定値krsの双方の所定値参
照し、ある特定の整定値条件となる動作域と判定した場
合には第4の判定手段14にて12−2の回路に、又、
整定値判定結果が不成立の場合には、同じく12−1回
路に夫々OR条件で加えた構成である。
【0055】本所定値kxs,krsについても、前述
したように演算アルゴリズムや動作判定周期等により異
なるため、適用する継電器要素に応じて最適値を抽出の
上、設定する。この結果、動作時間協調崩れが生じるよ
うな整定値条件では、前記同様m回確認の出力制御が可
能であり、それ以外の整定値の場合には通常の高速動作
を実現している。
【0056】図6は本発明の[請求項2]である第2の
実施の形態を示すブロック図である。図6において図1
と同一機能部分については同一符号を付して説明を省略
する。図6が第1の実施の形態である図1と異なる構成
は、第1判定手段21と第2判定手段22及び第3判定
手段23のみである。第2判定手段22を追加したこと
により図1の第3判定手段13,第4判定手段14が、
図6の実施の形態では夫々第4判定手段,第5判定手段
に対応するが、構成自体は図1と同一ゆえ、同一符号を
付している。
【0057】以下は、第2判定手段22の追加とこれに
伴なう第1判定手段21,第3判定手段23について説
明する。第1判定手段21はまず、出力21−1として
図7に示すM要素の不動作とR要素の動作のβ2ゾーン
を確認している。この段階では図1に示す第1判定手段
11と異なりX要素の動作条件は考慮していない。又、
一方の出力である11−2は前記図1の第1判定手段1
1の場合と同様目的で具備したものであり、以下全実施
の形態とも出力構成は同一である。
【0058】第2判定手段22は不足電圧継電器の動作
判定を行っており、電圧は距離継電器要素と同一電気
量、即ち、短絡距離継電器の場合には線間電圧VΔを、
地絡距離継電器の場合には相電圧VY として振幅値を求
める。振幅値自体の算出手法は本発明の主旨ではないた
め詳述は避けるが、例えば特公昭61−89561号に
(A)面積法,(B)2乗法,(C)2値加算法などの
基本アルゴリズムが紹介されている。
【0059】電圧振幅値|V|算出後、VK なる感度値
と電圧レベル判定を行なう。これは前述したとおり、健
全状態で負荷電流が無の場合、入力電流0近傍での距離
継電器の不要動作防止を目的としたM要素の不動作処
置、ならび測距値クランプによりR要素動作から前記β
2ゾーン内と誤認するケースを電圧値で判断するための
ものである。
【0060】このため、電圧感度VK としては健全(定
格値相当)か事故かを識別するレベルで考える。実用的
には系統運転電圧、及び事故発生時の電圧降下分と健全
相電圧への誘導分等の影響等を勘案し、例えば定格値の
80%程度とすれば良い。従って、第3判定手段23に
て本継電器要素UVRの動作条件から21−1の出力が
本来意図しておるβ2ゾーンかどうかを判断している。
【0061】事故中のβ1ゾーンであれば第1の実施の
形態の第2判定手段12で説明したとおり、インピーダ
ンス停滞確認カウンタを更新し、UVRが不動作の場合
には、事故なしと認識して21−1の出力を阻止する。
又、前記F/F回路のリセット条件は本実施の形態では
R要素の不動作又はUVR要素の不動作としている。こ
の考えは前記第1の実施の形態の第2判定手段で説明し
たとおり、M要素の動作条件は除外しているためであ
る。これ以降の動作出力信号の制御は前記図1の第3判
定手段13,第4判定手段14によるものとする。
【0062】本実施の形態によれば、電圧振幅値をもと
に事故状態を識別するようにしたので、X要素の動作条
件を参加させることなく、動作時間協調の制御が可能で
あり、図7のような継電器特性がM要素とR要素のみの
場合でも本構成は適用でき、図1に示す実施の形態と同
様の作用,効果を実現できる。
【0063】図8は本発明の[請求項3]である第3の
実施の形態のブロック図である。本実施の形態が図6の
第2の実施の形態と異なる構成は、電圧レベル検出条件
である第2判定手段22の代用として第2判定手段32
を用いた点のみであり、その他の構成は同一であるので
同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0064】以下は第2判定手段32について説明す
る。第2の実施の形態による第2判定手段22では不足
電圧継電器UVR要素を使用したが、本実施の形態では
過電圧継電器OVR要素の不動作条件を適用した。その
理由は事故中の電圧レベルの識別であり、大小比較結果
の判定方法で対応している。
【0065】ここで示す第2判定手段32では電圧感度
VK と求めた電圧振幅値を比べ、OVR要素動作の負論
理、つまり不動作状態で事故発生中とし、前記β2ゾー
ン内のインピーダンスの停滞期間判定に参加させ、OV
R要素の動作状態で健全中と認識し、F/F回路のリセ
ット条件に用いたものである。従って、本実施の形態に
よれば第2の実施の形態と同様の作用,効果が得られ
る。
【0066】図9は本発明の[請求項4]である第4の
実施の形態のブロック図である。本実施の形態が図6の
第2の実施の形態と異なる構成は、図2の第1判定手段
21を第1の実施の形態の第1判定手段11と同じく
し、図2の第2判定手段22を第2判定手段42に置き
換えている点のみであり、その他の構成は図2と同一で
あるので同一部分には同一符号を付している。
【0067】以下は第2判定手段42の実施の形態につ
いて説明する。第2判定手段42はX要素の整定値XS
をもとに負方向の動作域を×−k倍した整定値にて判定
するXB 要素の判定部である。動作量はX要素に同じ測
距値Xを使用している。これは、背後事故検出域を図1
0に示したβ3ゾーンように、R要素が左右特性で平行
するような場合には整定値XS ×kで後方側動作域のリ
ミッタを持つ働きを有している。
【0068】動作域が無限大とならぬようにR要素で左
右,前方をM要素,後方側をXB 要素で包囲すること
で、背後事故継続中のインピーダンス停滞期間をこのβ
3ゾーンにて検出する。前記F/F回路出力はR要素,
X要素及び本Z要素の何れか不動作となった状態でリセ
ットとなる。本実施の形態によれば、第1の実施の形態
と同様な作用,効果となり得る。
【0069】図11は本発明の[請求項5]である第5
の実施の形態のブロック図である。本実施の形態が図1
の第1の実施の形態と異なる構成は、図1の第1判定手
段11を51とし、第2判定手段として52を追加して
いる点のみであり、その他の構成は同一であるので同一
部分には同一符号を付して説明を省略する。以下は変更
部について説明する。
【0070】第2判定手段52はX要素の判定として動
作量を絶対値とする|X|要素の判定部である。従っ
て、|X|要素の動作域は図12に示すようR軸を境に
整定値XS 分のバンドを持つ動作特性となる。この出力
条件をもとに、第1判定手段51にて前記背後事故検出
域を図12のβ4ゾーンに使用している。その他構成に
ついては第1の実施の形態に準じるものとする。
【0071】本実施の形態によれば、他の実施の形態と
同様な作用,効果が実現できる他、X要素の動作判定と
XB 要素の動作判定が必要な第4の実施の形態に比べ、
|X|要素のみで代用できる面がある。このことは、追
加要素を伴なわずシンプルな構成が期待でき、演算負担
軽減となるメリットも備えていると言える。
【0072】図13は本発明の[請求項6]である第6
の実施の形態のブロック図である。本実施の形態が図9
の第4の実施の形態と異なる構成は、距離継電器の特性
としてR要素を持たないことから、図9の11,23,
13で夫々R要素の動作条件を削除することにより図1
3では61,63,64で構成し、第2判定手段22は
第2判定手段62に置き換えている。
【0073】即ち、図13では図9の第1判定手段11
を61に、図9の第2判定手段42を62に、又、第3
判定手段13を64に置き換えている点のみである。そ
の他の構成は同一であるため同一部分には同一符号を付
して説明を省略する。特性上、R要素の動作条件を参加
させないことから、判定手段61では11−1出力が6
1−1出力に、又、11−2出力が61−2出力に、1
1−3出力が61−3出力に夫々変更となるのは明らか
である。以下は変更部の実施の形態について説明する。
【0074】判定部62は原点中心に半径を整定値とす
るインピーダンス形継電器のZ要素を判定する手段であ
る。これは図14に示したように、前記背後こと故検出
域のβ5ゾーンとして本Z要素のみで実現することがで
き、本実施の形態によれば、R要素での包囲を必要とし
ない点で有効となる。
【0075】図15は本発明の[請求項7]である第7
の実施の形態のブロック図である。本実施の形態が図1
3の第6の実施の形態と異なる構成は、図13の第2判
定手段62を第2判定手段72に置き換えている点のみ
である。その他の構成は図13と同一であるため同一部
分には同一符号を付して説明を省略する。以下は変更部
について説明する。
【0076】判定手段72は第6の実施の形態の第2判
定手段62がインピーダンス形継電器要素の判定であっ
たものが、本実施の形態では図16のように背後方向を
検出するモー特性のMB 要素で行なう構成である。動作
判定は前方モー要素(この場合はMF要素と呼称する)
と同様であり、動作量のみ極性反転すれば、β6ゾーン
として前記背後事故検出域が容易に実現できる。本実施
の形態によれば、ゾーン検出する手段として特性要素が
異なるのみであることから他の実施の形態と同様の効果
となる。自端,相手端にて夫々内部/外部方向判定が必
要な方向比較継電器のような特性への応用に適してい
る。
【0077】図17は本発明の[請求項8]である第8
の実施の形態のブロック図である。本実施の形態が図1
3の第6の実施の形態と異なる構成は、距離継電器の特
性としてR要素を装備したことによるR要素の動作判定
を設けたものであり、図13に示す各判定手段61,6
3,64は、既に説明した各判定手段21,23,13
で置き換えただけである。したがって判定手段を置き換
えているだけであるため構成説明は省略するが、本実施
の形態による効果は他の構成と同様となる。又、判定手
段62は図15の第7の実施の形態の判定手段72で行
なっても同様であることは言うまでない。
【0078】図19は本発明の[請求項9]の実施の形
態の特性図を示したものである。本構成は方向判別に適
用する特性が今まで説明したモー要素の円特性が、モー
要素の感度角と直交する傾きで直線となるD要素で構成
されており、この結果、X要素,R要素,D要素の合成
が四辺形特性となる点が異なる。これは実施の形態とし
て適用範囲を拡大したものであり、構成自体は図13,
図15以外、即ち、R要素が装備している距離継電器の
場合にはM要素をD要素に置き換えれば良い。本実施の
形態によれば、M要素で説明した効果と同等結果とな
る。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば背
後事故からの進展時、あるいは健全状態から事故発生時
にインピーダンスが第1段ゾーンを通過するような進展
事故ケースにおいても、各要素間の時間協調崩れによる
不要動作を防止することができ、安定した距離継電器の
動作が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態を示す機能ブロ
ック図。
【図2】図1の距離継電器の動作特性図と動作応動を示
すタイムチャート図。
【図3】事故形態によるインピーダンスの動作軌跡を示
す図。
【図4】事故急変時のインピーダンス軌跡とタイムチャ
ート。
【図5】事故急変時のインピーダンス軌跡を示す図。
【図6】本発明による第2の実施の形態を示す機能ブロ
ック図。
【図7】本発明による特性図を示す図。
【図8】本発明による第3の実施の形態を示す機能ブロ
ック図。
【図9】本発明による第4の実施の形態を示す機能ブロ
ック図。
【図10】図9による背後事故検出域を示す特性図。
【図11】本発明による第5の実施の形態を示す機能ブ
ロック図。
【図12】図11による背後事故検出域を示す特性図。
【図13】本発明による第6の実施の形態を示す機能ブ
ロック図。
【図14】図13による背後事故検出域を示す特性図。
【図15】本発明による第7の実施の形態を示す機能ブ
ロック図。
【図16】図15による背後事故検出域を示す特性図。
【図17】本発明による第8の実施の形態を示す機能ブ
ロック図。
【図18】測距インピーダンス値のクランプ結果を示す
図。
【図19】本発明による第9の実施の形態の特性図。
【図20】特性図と動作応動を示すタイムチャート。
【図21】系統事故例を示す図。
【図22】定常状態から事故発生時あるいは背後事故か
ら事故進展時の場合のインピーダンス軌跡とタイムチャ
ート。
【図23】従来技術の処理内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
11,21,51,61 第1判定手段 12,22,32,42,52,62,72 第2
判定手段 13 第3又は第4判定手段 23,63 第3判定手段 14 第4又は第5判定手段 64 第4判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天羽 秀也 東京都府中市晴見町二丁目24番地の1 東 芝システムテクノロジー株式会社内 Fターム(参考) 5G058 EE01 EF02 EF03 EG05 EG09 EG13 EH03 FF01 FF02 FF03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被保護電力系統から電圧及び電流に関す
    る複数の電気量を同一時刻にて周期的にサンプリング
    し、ディジタル量に変換した前記各電気量を用いて方向
    判別のモー要素M及び距離計測のリアクタンス要素X及
    びブラインダ要素Rを備え、これら要素の動作判定から
    系統事故点を検出し事故点が特定の動作域に一定時間滞
    在しているか否かを識別するディジタル形方向距離継電
    器において、前記M要素が不動作であり、かつ前記X要
    素及びR要素が動作であることを判定する第1の手段
    と、前記第1の手段の動作状態が一定期間以上継続して
    成立するか否かを判定する第2の手段と、前記X要素及
    びR要素の整定値が所定値以上か否かを判定する第3の
    手段と、前記第2の手段もしくは第3の手段の判定結果
    が成立時には、前記X要素の動作出力時間を遅延させる
    ように構成したことを特徴とするディジタル形方向距離
    継電器。
  2. 【請求項2】 被保護電力系統から電圧及び電流に関す
    る複数の電気量を同一時刻にて周期的にサンプリング
    し、ディジタル量に変換した前記各電気量を用いて方向
    判別のモー要素M及び距離計測のリアクタンス要素X及
    びブラインダ要素Rを備え、これら要素の動作判定から
    系統事故点を検出し事故点が特定の動作域に一定時間滞
    在しているか否かを識別するディジタル形方向距離継電
    器において、前記M要素が不動作であり、かつ前記R要
    素が動作であることを判定する第1の手段と、不足電圧
    継電器の動作判定を行なう第2の手段と、前記第1の手
    段及び第2の手段の動作状態が一定期間以上継続して成
    立するか否かを判定する第3の手段と、前記X要素及び
    R要素の整定値が所定値以上か否かを判定する第4の手
    段と、前記第3の手段もしくは第4の手段の判定結果が
    成立時には、前記X要素の動作出力時間を遅延させるよ
    うに構成したことを特徴とするディジタル形方向距離継
    電器。
  3. 【請求項3】 入力電圧のレベル判定として、前記第2
    の手段には不足電圧継電器の動作判定に代えて過電圧継
    電器の不動作判定を行なう第2の手段を備えたことを特
    徴とする請求項2記載のディジタル形方向距離継電器。
  4. 【請求項4】 被保護電力系統から電圧及び電流に関す
    る複数の電気量を同一時刻にて周期的にサンプリング
    し、ディジタル量に変換した前記各電気量を用いて方向
    判別のモー要素M及び距離計測のリアクタンス要素X及
    びブラインダ要素Rを備え、これら要素の動作判定から
    系統事故点を検出し事故点が特定の動作域に一定時間滞
    在しているか否かを識別するディジタル形方向距離継電
    器において、前記M要素が不動作であり、かつ前記X要
    素及びR要素が動作であることを判定する第1の手段
    と、前記X要素の整定値Xs からXs ×k1(k1<0
    の定数)を整定値感度として負方向のリアクタンス要素
    XB の動作判定を行なう第2の手段と、前記第1の手段
    及び第2の手段の動作状態が一定期間以上継続して成立
    するか否かを判定する第3の手段と、前記X要素及びR
    要素の整定値が所定値以上か否かを判定する第4の手段
    と、前記第3の手段もしくは第4の手段の判定結果が成
    立時には前記X要素の動作出力時間を遅延させるように
    構成したことを特徴とするディジタル形方向距離継電
    器。
  5. 【請求項5】 被保護電力系統から電圧及び電流に関す
    る複数の電気量を同一時刻にて周期的にサンプリング
    し、ディジタル量に変換した前記各電気量を用いて方向
    判別のモー要素M及び距離計測のリアクタンス要素X及
    びブラインダ要素Rを備え、これら要素の動作判定から
    系統事故点を検出し事故点が特定の動作域に一定時間滞
    在しているか否かを識別するディジタル形方向距離継電
    器において、前記M要素が不動作であり、かつ前記R要
    素が動作であることを判定する第1の手段と、前記X要
    素の動作量の絶対値と整定値から正負バンド幅でのリア
    クタンス要素|X|の動作判定を行なう第2の手段と、
    前記第1の手段及び第2の手段の動作成立結果が一定期
    間以上継続して成立するか否かを判定する第3の手段
    と、前記X要素及びR要素の整定値が所定値以上か否か
    を判定する第4の手段と、前記第3の手段もしくは第4
    の手段の判定結果が成立時には前記X要素の動作出力時
    間を遅延させるように構成したことを特徴とするディジ
    タル形方向距離継電器。
  6. 【請求項6】 被保護電力系統から電圧及び電流に関す
    る複数の電気量を同一時刻にて周期的にサンプリング
    し、ディジタル量に変換した前記各電気量を用いて方向
    判別のモー要素M及び距離計測の要素Xを備え、これら
    要素の動作判定から系統事故点を検出し事故点が特定の
    動作域に一定時間滞在しているか否かを識別するディジ
    タル形方向距離継電器において、前記M要素が不動作で
    あり、かつ前記X要素が動作であることを判定する第1
    の手段と、インピーダンス継電器の動作判定を行なう第
    2の手段と、前記第1の手段及び第2の手段の判定結果
    が一定期間以上継続して成立するか否かを判定する第3
    の手段と、前記X要素の整定値が所定値以上か否かを判
    定する第4の手段と、前記第3の手段もしくは第4の手
    段の判定結果が成立時には前記X要素の動作出力時間を
    遅延させるように構成したことを特徴とするディジタル
    形方向距離継電器。
  7. 【請求項7】 被保護電力系統から電圧及び電流に関す
    る複数の電気量を同一時刻にて周期的にサンプリング
    し、ディジタル量に変換した前記各電気量を用いて内、
    外部判別のモー要素MF ,MB 及び距離計測のX要素を
    備え、これら各要素の動作判定から系統事故点を検出し
    事故点が特定の動作域に一定時間滞在しているか否かを
    識別するディジタル形方向比較距離継電器において、前
    記内部検出用MF 要素が不動作であり、かつ前記X要素
    が動作であることを判定する第1の手段と、前記外部
    (背後)検出用のMB 要素が動作であることを判定する
    第2の手段と、前記第1の手段及び第2の手段の判定結
    果が一定時間以上の継続して成立するか否かを判定する
    第3の手段と、前記X要素の整定値が所定値以上か否か
    を判定する第4の手段と、前記第3の手段もしくは第4
    の手段の判定結果が成立時には前記X要素の動作出力時
    間を遅延させるように構成したことを特徴とするディジ
    タル形方向距離継電器。
  8. 【請求項8】 距離計測要素には前記R要素も設けると
    共に、第1の手段にはR要素の動作判定をM要素とのA
    ND条件で設け、第4の手段にはX要素に加えてR要素
    の整定値も設けて判定するように構成したことを特徴と
    する請求項6又は請求項7記載のディジタル形方向距離
    継電器。
  9. 【請求項9】 方向判別には直線要素にて実現した四辺
    形特性のモー要素を備えたことを特徴とする請求項1又
    は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は
    請求項8記載のディジタル形方向距離継電器。
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JP (1) JP2000341852A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008167533A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Toshiba Corp 距離継電器

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JP2008167533A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Toshiba Corp 距離継電器

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