JP5016444B2 - 中継装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直交周波数分割多重変調方式の中継装置に関わり、特にSFN( Single Frequency Network:単一周波数ネットワーク)における中継装置の送受信アンテナ間での信号の回り込みをキャンセルする回り込みキャンセラに関する。
地上デジタル放送等の直交周波数分割多重変調(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing )方式による中継方式には、オンエアの放送波を受信し、受信周波数と同一の周波数で再送伝するSFN( Single Frequency Network )中継方式がある。SFN中継方式では、送受信の周波数が同一であるため、送信信号が受信アンテナに回り込み、信号の劣化や発振を引き起こす可能性がある。そのため、このような信号の回り込み(以下、単に「回り込み」と言う)をキャンセルする回り込みキャンセラを備えた中継方式が採用されており、例えば、特許文献1にその原理が記載されている。
また、親局から中継局までの伝搬路で生じたマルチパスのキャンセル方式に関しても、例えば、特許文献2に記載されている。
特許文献1若しくは特許文献2等に記載のキャンセル方式では、マルチパスや回り込みを受け、キャンセルした後の周波数特性X(ω)(即ち、親局から到来する希望波の周波数特性)を算出し、周波数特性X(ω)から主波Dを抽出し、式(1)に示す回り込み波のキャンセル残差成分E(ω)を算出する。
Figure 0005016444
また、マルチパスの等化に適したキャンセル残差成分E(ω)を式(2)によって算出する。
Figure 0005016444
ここで、主波Dは、暫定的に、周波数特性X(ω)を周波数領域(すべてのサブキャリア領域)で平均化した値としている。仮の算出方式を式(3)に示す。
Figure 0005016444
キャンセル残差E(ω)及びE(ω)は、式(4)または式(5)で示すIFFT(逆フーリエ変換:Inverse Fast Fourier Transform 、又はIDFFT:Inverse Discrete Fast Fourier Transform )処理により、それぞれ、キャンセル残差成分の時間信号e(t)及びe(t)に変換される。そして、式(6)に示すフィルタ係数更新式に適用して、キャンセル動作を実現する。
Figure 0005016444
Figure 0005016444
Figure 0005016444
式(6)において、e(t)はe(t)、e(t)に基づき算出している。その詳細は、特許文献2に記載されている。また、μは0<μ<1の範囲で設定する。
また、受信したOFDM信号から有効シンボル期間に相当する期間の信号をFFT(フーリエ変換:Fast Fourier Transform 、又はDFFT:Discrete Fast Fourier Transform )窓を抽出し、抽出されたOFDM信号の有効シンボル期間(FFT窓期間)をFFT処理することによって伝送回路特性を推定する回り込みキャンセラが、特許文献3に記載されている。
特開平11−355160号公報 特開2002−152065号公報 特開2004−320677号公報
従来技術において、周波数特性X(ω)の算出にはOFDM信号に既知信号として挿入されているパイロットキャリアを用いることが多い。算出した周波数特性X(ω)は、OFDM時間信号に設けるFFT窓位置に起因する回転(位相回転)が生じる。
FFT窓位置が、シンボル(シンボル:OFDM信号の1回の変調で送信する1ビット若しくは複数ビットのデータ)の有効シンボルタイミングに一致する時、周波数特性X(ω)に回転は発生しない。しかし、FFT窓位置が有効シンボルタイミングに一致せず、時間ずれ(FFT窓位置ずれ)が発生すると、有効シンボルからの時間ずれのずれ量τに応じて式(7)に示す回転が発生する(回転した周波数特性をX’(ω)とする)。
Figure 0005016444
前述のように、主波Dは、周波数特性X(ω)に含まれる直流成分としている。しかし、式(7)に示すような回転が生じている場合には、周波数特性X’(ω)を用いて式(3)に示す主波抽出処理を行っても、主波Dを正しく算出することができない。
そのため、上述の特許文献3には、FFT窓の位置ずれの影響を除去する方式が記載されている。しかし、低DU( Desired to Undesired )比のマルチパスが存在する場合には、マルチパスの影響によりFFT窓位置ずれを完全に除去することができない。また、主波よりもマルチパスのレベルの方が大きい場合には、マルチパスを主波と誤検出してしまう。
このように、回転が生じている周波数特性X’(ω)から算出したキャンセル残差E(ω)を時間信号に変換して式(6)によりキャンセル係数を算出した場合には、正しいタップ位置に係数を適用することかできず、信号品質劣化や発振などを引き起こしてしまうことがある。
本発明の目的は、上記のような問題を解決し、低DU比のマルチパスが存在する場合でも高精度な回り込みキャンセル動作を行うことができる回り込みキャンセラを備えた中継装置を提供することにある。
本発明の目的は、また、上記の中継装置において、算出した周波数特性に含まれるFFT窓位置の影響をサンプル時間未満の精度で除去することができる回り込みキャンセラを備えた中継装置を提供する。
上記の目的を達成するために、本発明の中継装置は、マルチパスや自局の送信部の送信信号の回り込み波を受信する受信部、送信部、及び、受信部からの信号が+端子に入力され、適応フィルタの信号が−端子に入力される減算器と、前記適応フィルタとを備え、マルチパスや回り込み波をキャンセルする回り込みキャンセラ、を有する中継装置おいて、前記回り込みキャンセラは、減算器出力信号の周波数特性を算出し、算出した周波数特性と周波数特性の逆数を逆フーリエ変換して時間信号に変換する手段と、時間信号から時間的に先行した成分を主波成分として抽出する手段と、時間信号及び主波成分に基づいて、マルチパスや自局の送信信号の回り込み波をキャンセルするように前記適応フィルタのフィルタ係数を算出する手段を備えたものである。
また好ましくは、上記中継装置は、算出した周波数特性に含まれるFFT窓位置の影響をサンプル時間未満の精度で除去する手段を備えたものである。
また好ましくは、上記中継装置は、算出した周波数特性に含まれるFFT窓位置の影響をサンプル時間未満の精度で除去する手段を備え、周波数特性と周波数特性の逆数をN倍(N≧2)の動作周波数に変換すると共に時分割し、時分割信号を時分割演算処理にて逆フーリエ変換して時間信号に変換する手段を備えたものである。
また、本発明の中継装置は、受信装置からの信号が減算器の+端子に供給され、減算器の−端子には減算器出力が適応フィルタを経由した信号が供給され、適応フィルタはマルチパスや自局の送信信号の回り込み波をキャンセルするように機能する中継装置おいて、減算器出力信号の周波数特性を算出し、算出した周波数特性と周波数特性の逆数を逆フーリエ変換して時間信号に変換し、逆フーリエ変換により算出された時間信号から時間的に先行した成分を主波成分として抽出し、時間信号及び主波成分に基づいて、マルチパスや自局の送信信号の回り込み波をキャンセルするように適応フィルタのフィルタ係数を算出する手段を備えたものである。
本発明によれば、低DU比のマルチパスが存在する場合でも高精度な回り込みキャンセル動作を行うことができる回り込みキャンセラを備えた中継装置が実現できる。
本発明の第一の実施例を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の回り込みキャンセラを備えた中継装置の構成を示すブロック図である。101は回り込みキャンセラ、102は受信アンテナ、103は受信変換部、104は送信変換部、105は送信アンテナ、11は減算器、12は回り込み信号の複製を作るトランスバーサルフィルタ、13は周波数特性算出部、14は回転補正部、15は除算部、16aと16bはIFFT処理部、17aと17bは主波抽出部、18はキャンセル残差算出部、19はSinc信号発生部、1aはイメージ除去部、1bは係数更新部、1cは主波位置制御部である。また、トランスバーサルフィルタ12は、例えば、FIR( Finite Impulse Response )フィルタである。
なお、中継装置の受信アンテナ102と受信変換部103とを、受信部と称し、送信アンテナ105と送信変換部104とを、送信部と称する。
図1において、受信部側では、受信アンテナ102は、親局信号X(ω)及びそのマルチパスによる信号、並びに自局回り込み波(即ち、自局の送信部側の送信アンテナ105から出力される放送波の回り込み波)の合成された信号(受信信号)X’(ω)を受信アンテナで受信し、受信変換部103に出力する。受信変換部103は、受信アンテナ102から入力された信号X’(ω)に対して、フィルタ処理、周波数変換処理、等を行いベースバンド帯域に変換した後、その信号を回り込みキャンセラ101の減算器11の被減算端子(+端子)に出力する。
減算器11には、受信変換部103から+端子に入力された信号(Sa)の他に、その減算端子(−端子)にトランスバーサルフィルタ12からの出力信号(Sb)が入力され、出力端子からは、+端子に入力された信号が−端子から入力された信号で減算された信号(Sc=Sa−Sb)が出力される。
この出力信号は、回り込みキャンセラの出力信号として送信部側の送信変換部104に出力されると共に、トランスバーサルフィルタ12、及び周波数特性算出部13に出力される。
トランスバーサルフィルタ12は、入力された信号を、係数更新部1bから入力されるフィルタ係数を適用してフィルタリングした信号を減算器11の−端子に出力する。
また、送信部側の送信変換部104は、入力された出力信号について、周波数変換、フィルタ処理、等を行って送信部側の送信アンテナ105から送信する。
周波数特性算出部13は、入力された信号に挿入されているOFDM信号特有のパイロットキャリアなどを用いて、周波数特性X’(ω)を推定する。
ここで、周波数特性算出部13で算出(推定)した周波数特性X’(ω)は、式(7)に示したように、FFT窓位置ずれにより理想的な周波数特性X(ω)に対して位相回転が生じている。周波数特性算出部13の出力信号X’(ω)は、回転補正部14に出力される。
回転補正部14は、主波位置制御部1cから入力される制御量τに基づいて、式(8)に示すように上記のFFT窓位置ずれによる位相回転成分を除去する。
Figure 0005016444
式(7)に示したFFT窓位置ずれが生じている場合の周波数特性と、式(8)により、回転補正部14への制御量τがFFT窓位置ずれのずれ量τと一致した時、周波数特性X(ω)は理想周波数特性X(ω)に一致させることができる。
回転補正部14は、入力された信号の周波数特性を理想周波数特性X(ω)に一致させた信号を、除算部15及びIFFT処理部16bに出力する。
この制御量τとFFT窓位置ずれのずれ量τを一致させる制御は、主波位置制御部1cにおいて行うが、主波位置制御部lcの動作については後述する。
除算部15からIFFT処理部16aを通って主波抽出部17aに至る経路は、式(1)と式(4)で示した回り込みキャンセル残差に相当する信号を算出する。 また、IFFT処理部16bから主波抽出部17bまでの経路は、式(2)と式(5)に相当する信号を算出する。
従来技術では、低DUのマルチパス環境下においては正しい主波を抽出することできず、誤ったキャンセル残差信号を生成してしまうという問題が挙げられた。これは、周波数領域で主波を抽出しているために発生する問題であるが、本発明では時間領域で主波を高精度に抽出し、時間領域信号からキャンセル残差信号を生成する。
以下に、主波抽出処理とキャンセル残差算出処理について図4に示すマルチパスと回り込みが混在するモデルを用いて説明する。図4は、親局信号のマルチパスと、自局(中継装置)の送信部側の送信アンテナからの送信波の回り込みが混在する伝播路モデルを模式的に示した図である。41は伝播路特性算出部、42は加算器、43は回り込み伝播路特性算出部である。
図4において、主波Dが伝播路特性算出部41に入力し、伝播路特性算出部41が伝播路特性を算出して加算器42の一方の端子に入力する。加算器42は、他方の入力端子に入力される回り込み伝播路特性算出部43からの出力信号と、一方の端子から入力される伝播路特性算出部41の出力信号とを加算して、出力端子からキャンセル動作を行わない場合の周波数特性X(ω)の信号を出力すると共に、回り込み伝播路特性算出部43に出力する。回り込み伝播路特性算出部43は、入力された信号について回り込み伝播路特性を算出して、加算器42の他方の入力端子に入力する。
図4のような伝播路モデルにおいて、親局から中継局(本発明の中継装置)までの伝搬路特性を{1十M(ω)}とし、回り込み伝搬路特性C(ω)とすると、キャンセル動作を行わない場合の周波数特性X(ω)は式(9)で表される。
Figure 0005016444
ここで、Dは親局信号である主波とし、X(ω)にはFFT窓位置ずれ(ずれ量τ)が生じているものとする。除算部15は、検出した周波数特性X(ω)に対して、式(10)に示す複素除算演算を行う。
Figure 0005016444
式(10)に式(9)に示すモデルを代入すると、式(11)となる。
Figure 0005016444
なお、式(10)においてデジタル演算精度を向上させるため、所定係数K(K>1)を乗じても良い。
次に図1に戻って、除算部15からの出力信号Y(ω)は、IFFT処理部16aに出力される。IFFT処理部16aとIFFT処理部16bは同一の構成であり、出力信号Y(ω)とX(ω)の信号を時間軸領域の時間信号y(t)、x(t)に変換する。
式(9)の時間領域変換を考えると、マルチパス特性M(ω)と回り込み特性C(ω)は、それぞれ遅延要素を含んでいる。このため、時間的に最も先行した成分は、主波DをIFFT処理した信号となっている。
また同様に、式(11)の時間領域変換を考えると、先行波成分は、1/DのIFFT処理結果となっている。
この時間信号y(t)とx(t)の一例を図5に示す。図5は、時間を横軸にし、Q成分を縦軸に、I成分を斜軸にした時間信号の一例を示す図である。図5(a) は時間信号y(t)を示す図、図5(b) は時間信号x(t)を示す図である。
図5に示すように、先行波成分以外の成分について、時間信号y(t)に関しては回り込み成分、マルチパス成分の他にマルチパスのイメージ成分が生じている。また、時間信号x(t)にも、同様に回り込み波のイメージ成分が生じている。これらのイメージ成分は、後述するイメージ除去部1aにて除去する。
IFFT処理部16aは、出力信号Y(ω)の信号を時間信号y(t)に変換し、主波抽出部17aとキャンセル残差算出部18に出力する。同様に、IFFT処理部16bは、出力信号X(ω)の信号を時間信号x(t)に変換し、主波抽出部17bとキャンセル残差算出部18に出力する。
主波抽出部17aは、時間信号y(t)から主波成分y(t)を抽出し、キャンセル残差算出部18に出力する。同様に、主波抽出部17bは、時間信号x(t)から主波成分x(t)を抽出し、キャンセル残差算出部18に出力する。
主波抽出部17a、17bの構成を図3に示し、主波抽出部の動作を図6を用いて説明する。図3は、本発明の主波抽出部の一実施例の構成を示すブロック図である。171は絶対値器、172は比較器、173は先行波位置検出部、174は保持器である。また、図6は、本発明の主波抽出部の動作の一例を説明するための図で、時間を横軸にし、信号成分の絶対値を縦軸にした時間信号の一例を示す図である。図6(a) は時間信号y(t)の絶対値|y(t)|を示す図、図6(b) は時間信号x(t)の絶対値|x(t)|を示す図である。
図3において、主波抽出部17a若しくは17bに入力された時間信号y(t)若しくはx(t)は、絶対値器171と保持部174に入力される。絶対値器171は、入力された時間信号y(t)若しくはx(t)の絶対値|y(t)|若しくは|x(t)|を算出し、比較器172に出力する。比較器172は、入力された時間信号の絶対値について、各時間毎に、雑音成分を抽出し、抽出された雑音成分の信号の値を0に置き換え処理を行う。比較器172は、処理後の信号を先行波位置検出部173に出力する。雑音成分の抽出は、例えば図6に示すように、信号成分と雑音成分を区別するための閾値を予め設定しておき、閾値以下の信号は雑音と判断することで実行する。
先行波位置検出部173は、入力された雑音成分を除去された時間信号から、時間的に最も先行しているピーク(先行ピーク)を検出し、検出した先行ピーク波を主波成分によるものであると判断し、先行ピーク波の先行ピーク位置信号POSを保持器174に出力する。
先行ピーク位置信号POSの一例を、図6の矢印の位置で示す。
先行ピークの具体的な検出方法としては、例えば、絶対値が0以外の値となる最も時間的に早いタイミングを検出し、検出したタイミングから数サンプル程度の窓を設け、窓内の最大値を先行ピークとする方法がある。
保持器174は、主波成分を表わす先行ピーク位置信号POSと、時間信号y(t)若しくはx(t)が入力される。保持器174は、先行ピーク位置信号POSのタイミングの時間信号y(POS)、x(POS)の値を保持し、より真に近い主波Dの成分として、それぞれ、キャンセル残差算出部18に出力する。
主波抽出部17aからの出力をy、主波抽出部17bからの出力をxとし、それぞれの出力を算出する式(12)(13)を以下に示す。
Figure 0005016444
Figure 0005016444
これら主波成分y及びxが入力されるキャンセル残差算出部18には、更に、IFFT処理部16a及び16bの出力である時間信号y(t)及びx(t)、並びに、Sinc信号発生部19の出力信号sinc(t)が入力される。
キャンセル残差算出部18は、式(1)(2)で説明したキャンセル残差信号と等化な演算を行う。即ち、式(1)(2)を、式(4)(5)に代入し、変形を行い、キャンセル残差成分の時間信号e(t)及びe(t)を算出し、イメージ除去部1aに出力する。
キャンセル残差成分の時間信号e(t)及びe(t)の算出式を式(14)(15)に示す。また、係数αについては後述する。
Figure 0005016444
Figure 0005016444
ところで、IFFT処理部16a、16bにてIFFT処理する際、IFFTの処理ポイント数より出力信号Y(ω)及びX(ω)のポイント数が少ない場合が多い。このため、出力信号Y(ω)及びX(ω)に、0を付加してポイント数を一致させた後にIFFT処理する。このような処理方法は、例えば、特開2004−153799号公報に記載されている。
このような処理では、IFFT結果に、時間的な拡がりが生じることとなる。式(14)、(15)におけるIFFT[1]も出力信号Y(ω)及びX(ω)のポイント数分のみが1であり、それ以外は出力信号Y(ω)及びX(ω)のIFFT処理と同様に0とする。従って、式(14)、(15)におけるIFFT[1]はsinc関数で表されることになる。
このsinc信号はsinc信号発生器19にて生成する。sinc信号の生成方式としては、例えば、予め計算させておいたsinc信号のデータをROM( Read Only Memory )等のメモリに記憶させることもできる。これにより、直接演算する構成よりハードウェアの規模を削城することができる。
Sinc信号発生器19の出力信号sinc(t)を用いて式(12)(13)を表すと式(16)(17)となる。
Figure 0005016444
Figure 0005016444
係数αは、IFFTのポイント数と出力信号Y(ω)及びX(ω)のポイント数の差異を補償する所定係数を示している。キャンセル残差算出部18では、式(16)及び(17)の演算を行う。以上の処理により、低DUマルチパス環境下であってもキャンセル残差信号e(t)及びe(t)を高精度に算出することができる。
キャンセル残差信号e(t)及びe(t)が入力されたイメージ除去部1aは、イメージ成分を除去した信号e(t)を係数更新部1bに出力する。イメージ成分の除去に関しては、特許文献2の記載の如く行う。従って、ここでは説明を省略する。
キャンセル残差信号e(t)を入力された係数更新部1bは、フィルタ係数を算出し、算出したフィルタ係数をトランスバーサルフィルタ12に出力する。これによって、トランスバーサルフィルタ12は、最適な係数に更新されて、適用される。
上記の説明では、主波Dの検出精度は1サンプル単位である。しかし、高精度なキャンセル動作を行うためにはサンプル単位未満の検出精度が必要となる。これは、前述した回転補正部14において、サンプル単位未満の回転補正を行うことで実現できる。
FFT窓位置ずれのずれ量τと回転補正部14の制御量τが一致した時、周波数特性X(ω)は、理想周波数特性X(ω)に一致させることができる。そして、主波抽出部17a及び17bにおいて算出する主波位置POSは、0となる。
主波位置制御部1cは、τ=τとなるように制御量τを算出して位相回転量を制御する。即ち、主波位置制御部1cには、主波抽出部17a及び17bからの信号が入力され、この信号に基づいて制御を行う。
具体的には、主波抽出部17a及び17bは、主波位置となる先行ピーク位置信号POSを算出すると共に、先行ピーク位置信号POSの前後1サンプルの時間信号y(t)及びx(t)を主波位置制御部1cに出力する。主演位置制御部1cは、制御量τの算出方式として、理想的な制御量τとの誤差errをサンプル未満の精度で算出し、誤差errが0若しくは所定値になるように制御すれば良い。誤差errは、式(18)及び(19)で定義する。
Figure 0005016444
Figure 0005016444
式(18)及び(19)は、誤差errが0に収束することを前提とした式である。式(18)及び(19)は、時間信号y(t)、x(t)において、サンプル単位のFFT窓位置誤差として式(18)及び(19)の第一項を主波位置である先行ピーク位置信号POSとしている。また、サンプル単位未満の誤差にとしては、第二項で示した先行ピーク位置信号POSの前後サンプルの絶対値の差分を主波レベルで正規化することにより算出している。
また、式(19)の第一項において、y(POS)にマイナスの符号が付加されている。これは、出力信号Y(ω)が出力信号X(ω)の逆数であるため、FFT窓位置の影響による時間シフト量が、時間信号x(t)と比較して符号反転しているためである。
第二項に関しては、IFFTのポイント数と出力信号Y(ω)及びX(ω)の周波数特性のポイント数が異なること起因する波形の時間拡がりを利用している。 τ=τである場合には、主波成分により生成された先行ピークの前後1サンプルは同値になるが、τ≠τの場合には前後サンプルの絶対値に差が発生するため、この特性を利用してサンプル未満の位置誤差errを算出している。
図7は、FFT窓位置誤差τに対する検出誤差errを示している。図7は、FFT窓位置誤差と検出誤差errの関係の一例を示す図である。横軸がFFT窓位置誤差τ、縦軸が検出誤差errを示す。
図7から分かる様に、ほぼ線形的な特性を有していることか分かる。
この誤差errを用いて、誤差errが0若しくは所定値になるように制御を行う。制御方式としては、一般的なPID( Proportional Integral Derivative )制御やPI( Proportional Integral )制御等のフィードバック制御方式を用いれば良い。
また、FFT窓位置ずれの補償方式は、上記で説明した方式であっても良いが、A/Dコンバータをサンプリングするサンプリングクロックの位相を制御する構成であっても良い。
以上説明した本発明の第一の実施例により低DUのマルチパス環境下であっても、高精度なキャンセル動作を実現できる。
次に本発明の第二の実施例について図2を用いて詳細に説明する。図2は、本発明の中継装置における回り込みキャンセラの一実施例の構成を示すブロック図である。第二の実施例は、第一の実施例における図1の中継装置の回り込みキャンセラー101の別の実施例である。図2の回り込みキャンセラー201は、図2の回り込みキャンセラー101において、IFFT処理部16aと16bを一系統のIFFT処理部16とし、主波抽出部17aと17bを一系統の主波抽出部17とした他、除算部15とIFFT処理部16の間に、時分割MUX(多重:Multiplex )処理部1dを付加し、主波抽出部17とキャンセル残差算出部18の間に時分割DEMUX(多重分離:De Multiplex )処理部1eを付加した構成である。それ以外の同一の符号を付した構成部(処理部)は、第一の実施例と同等の機能を有する。
第一の実施例では、2系統のIFFT処理部16a及び16b、並びに、主波抽出部17a及び17bを用いて構成していた。しかし、IFFT処理では多くの演算が必要であり、IFFT処理を2系統有することはハードウェア規模か大きくなってしまう。
従って、本発明の第二の実施例では、高速の演算を行うことにより、1系統のハードウェアを用いて第一の実施例と等価な処理を実現する。
第二の実施例の動作について、図2と図8を参照して説明する。図8は、本発明の中継装置の、回り込みキャンセラーの一実施例のタイミングチャートである。横軸は時間で、左から右に時間が推移している。図8(a)は、時分割MUX処理部1dに入力される出力信号Y(ω)とX(ω)のタイミングを示す図、図8(b)は、IFFT処理部16に入力される信号のタイミングを示す図で、時分割MUX処理部1dで時分割多重された信号である。図8(c)は、IFFT処理部16で処理された信号が主波抽出部17に入力する信号のタイミングを示す図で、図8(d)は、時分割DEMUX処理部1eに入力される主波成分の信号のタイミングを示す図で、主波抽出部17が、時間信号y(t)及びx(t)からそれぞれ抽出した主波成分y(t)及びx(t)である。また、図8(e)は、キャンセル残差算出部18に入力される信号のタイミングを示す図である。
図2において、時分割MUX処理部1dには、出力信号Y(ω)とX(ω)が入力される(図8(a))。時分割MUX処理部ldは、後段のIFFT処理部16で時分割処理させるため、出力信号Y(ω)とX(ω)のクロック周波数をN倍(N≧2)すると共に、時分割多重してIFFT処理部16に出力する(図8(b))。
IFFT処理部16は、N倍のクロック周波数で演算を行い、第一の実施例と比較して1/Nの時間で演算を終了する(図8(c))。
主波抽出部17でも同様に、高速演算を行い、主波成分yの算出と主波成分xの算出を行うための演算回路を共用しながら、時分割処理を行う(図8(d))。
このようにして得られた時間信号y(t)及びx(t)、並びに、主波成分y及びxは、時分割DEMUX処理部1eに出力される。
時分割DEMUX処理部1eは、時分割MUX処理部1dと逆に、動作周波数を元に戻す処理を行い、2系統の信号を算出する(図8(e))。
キャンセル残差算出部18及びそれ以降の処理は、第一の実施例と同様であり、説明は省略する。以上の処理により、第一の実施例に対してハードウェア規模を大幅に削減させることができる。
上記実施例では、干渉波をキャンセルするための減算器出力信号の周波数特性を算出し、算出した周波数特性と、その逆数をそれぞれ逆フーリエ変換して時間信号を算出する。更に、算出した時間信号から時間的に最も先行した成分を主波成分と判断して抽出する。そして、時間信号から主波成分を算出することにより低DUのマルチパス環境下でも高精度に主波成分を抽出することかできる。
この時間信号と主波成分に基づいてキャンセル残差成分を算出し、キャンセル残差成分は適応フィルタの係数として使用し、適応フィルタでは干渉波のレプリカを生成する。生成したレプリカ信号を、干渉波が混入している入力信号から減算することにより、低DUのマルチパス環境下でも干渉波を除去することができる。
本発明の中継装置の一実施例の構成を示すブロック図。 本発明の中継装置の回り込みキャンセラの一実施例の構成を示すブロック図。 本発明の主波抽出部の一実施例の構成を示すブロック図。 マルチパスと回り込みが混在する伝播路モデルを模式的に示した図。 時間を横軸にした時間信号の一例を示す図。 本発明の主波抽出部の動作の一例を説明するための図。 FFT窓位置誤差と検出誤差errの関係の一例を示す図。 本発明の一実施例のタイミングチャート。
符号の説明
1a:イメージ除去部、 1b:係数更新部、 1c:主波位置制御部、 11:減算器、 1d:時分割MUX処理部、 1e:時分割DEMUX処理部、 12:トランスバーサルフィルタ、 13:周波数特性算出部、 14:回転補正部、 15:除算部、 16a,16b:IFFT処理部、 17a,17b:主波抽出部、 18:キャンセル残差算出部、 19:Sinc信号発生部、 101:回り込みキャンセラ、 102:受信アンテナ、 103:受信変換部、 104:送信変換部、 105:送信アンテナ、 171:絶対値器、 172:比較器、 173:先行波位置検出部、 174:保持器。

Claims (3)

  1. マルチパスや自局の送信部の送信信号の回り込み波を受信する受信部、送信部、及び、受信部からの信号が+端子に入力され、適応フィルタの信号が−端子に入力される減算器と、前記適応フィルタとを備え、マルチパスや回り込み波をキャンセルする回り込みキャンセラ、を有する中継装置おいて、
    前記回り込みキャンセラは、
    減算器出力信号の周波数特性を算出し、算出した周波数特性と周波数特性の逆数を逆フーリエ変換して時間信号に変換する手段と、
    時間信号から時間的に先行した成分を主波成分として抽出する手段と、
    時間信号及び主波成分に基づいて、マルチパスや自局の送信信号の回り込み波をキャンセルするように前記適応フィルタのフィルタ係数を算出する手段を備えたことを特徴とする中継装置。
  2. 請求項1において、算出した周波数特性に含まれるFFT窓位置の影響をサンプル時間未満の精度で除去する手段を備えたことを特徴とする中継装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、周波数特性と周波数特性の逆数をN倍(N≧2)の動作周波数に変換すると共に時分割し、
    上記時分割信号を時分割演算処理にて逆フーリエ変換して時間信号に変換する手段を備えたことを特徴とする中継装置。
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