JP2009272767A - 干渉波キャンセラ中継装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回り込み波のキャンセルに必要なフィルタ係数の更新が常に正しく得られるようにした干渉波キャンセラ中継装置を提供すること。
【解決手段】受信アンテナ11から入力される受信信号が+入力端子に供給される減算器12と、この減算器12の出力信号が供給される複素FIRフィルタ部18を備え、減算器12の−入力端子に複素FIRフィルタ部18の出力信号を供給することにより、マルチパスと自局の送信信号の回り込み1aによる信号C(ω)がキャンセルされた信号を減算器12の出力端子に得るようにしたものにおいて、位相変動補正型FFT窓位置補償部14を設け、FFT窓位置補正を行うことにより、回り込み波のキャンセルに必要な複素FIRフィルタ部18のフィルタ係数の更新が常に正しく得られるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】受信アンテナ11から入力される受信信号が+入力端子に供給される減算器12と、この減算器12の出力信号が供給される複素FIRフィルタ部18を備え、減算器12の−入力端子に複素FIRフィルタ部18の出力信号を供給することにより、マルチパスと自局の送信信号の回り込み1aによる信号C(ω)がキャンセルされた信号を減算器12の出力端子に得るようにしたものにおいて、位相変動補正型FFT窓位置補償部14を設け、FFT窓位置補正を行うことにより、回り込み波のキャンセルに必要な複素FIRフィルタ部18のフィルタ係数の更新が常に正しく得られるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、受信周波数と送信周波数が同一の無線中継装置に係り、特に、送信信号が受信信号に干渉する回り込み波の除去に好適な干渉波キャンセラ中継装置に関する。
地上デジタル放送における中継方式の一種に、オンエアされた放送波を受信し、受信した放送波の周波数と同一の周波数により再送信するSFN(Single Frequency Network)中継方式があるが、この場合、受信と送信が同一の周波数で行われるため、送信された電波が受信アンテナに回り込み、信号の劣化や発振が引き起こされてしまう可能性がある。
そこで、この場合、回り込み波のキャンセルが得られるようにした、いわゆる回り込みキャンセラ方式について、従来から種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
そこで、この場合、回り込み波のキャンセルが得られるようにした、いわゆる回り込みキャンセラ方式について、従来から種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
そこで、これらの回り込みキャンセラ方式が適用された中継装置の従来技術について、図4により説明する。
ここで、この従来技術は、受信アンテナ11から入力される受信信号に、図示してないが、増幅など中継に必要な処理を施し、送信アンテナ19から送信することにより中継装置としての動作を行うのであるが、このとき受信信号に中継に必要な処理を施しただけで送信アンテナ19から送信するのではなく、この受信信号が+入力端子に供給される減算器12と、この減算器12の出力信号が供給される複素FIR(Finite Impuls Response)フィルタ部18を備え、減算器12の−入力端子に複素FIRフィルタ部18の出力信号を供給することにより、マルチパスと自局の送信信号の回り込み1aによる信号C(ω)がキャンセルされた信号が減算器12の出力端子に得られるようにしたものである。
ここで、この従来技術は、受信アンテナ11から入力される受信信号に、図示してないが、増幅など中継に必要な処理を施し、送信アンテナ19から送信することにより中継装置としての動作を行うのであるが、このとき受信信号に中継に必要な処理を施しただけで送信アンテナ19から送信するのではなく、この受信信号が+入力端子に供給される減算器12と、この減算器12の出力信号が供給される複素FIR(Finite Impuls Response)フィルタ部18を備え、減算器12の−入力端子に複素FIRフィルタ部18の出力信号を供給することにより、マルチパスと自局の送信信号の回り込み1aによる信号C(ω)がキャンセルされた信号が減算器12の出力端子に得られるようにしたものである。
そして、この減算器12の出力端子に上記した中継に必要な処理を施して送信信号とし、送信アンテナ19から送信することにより中継装置としての動作が得られるようにしたものであり、このため、この従来技術では、周波数特性推定部13とFFT窓位置補償部31、残差装算出部15、IFFT部16、係数更新部17を設け、これにより複素FIRフィルタ部18のフィルタ係数が切換えられ、この結果、複素FIRフィルタ部18が回り込み波のレプリカを形成し、減算器12の−入力端子に供給するので、上記した回り込み波のキャンセルが得られるようにしたものである。
そこで、以下、このフィルタ係数の切換処理について説明する。
そこで、以下、このフィルタ係数の切換処理について説明する。
まず、周波数特性推定部13により、減算部12の出力端子からキャンセル後の周波数特性X(ω)を算出する。
このとき説明の便宜上、FFT窓位置補償部31がないものとする。そうすると、周波数特性推定部13により算出された周波数特性X(ω)は残差算出部15に供給され、ここで主波Dを抽出し、(1)式により回り込み波のキャンセル残差成分Ec(ω)を算出する。
Ec(ω)=1−D/X(ω) …… ……(1)
ここで、主波Dは周波数特性X(ω)に含まれる平坦成分のことで、これは、次の(2)式により算出される。
このとき説明の便宜上、FFT窓位置補償部31がないものとする。そうすると、周波数特性推定部13により算出された周波数特性X(ω)は残差算出部15に供給され、ここで主波Dを抽出し、(1)式により回り込み波のキャンセル残差成分Ec(ω)を算出する。
Ec(ω)=1−D/X(ω) …… ……(1)
ここで、主波Dは周波数特性X(ω)に含まれる平坦成分のことで、これは、次の(2)式により算出される。
そして、算出されたキャンセル残差成分Ec(ω)はIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部16において、次の(3)式による逆フーリエ変換処理により時間信号ec(t)に変換され、次いで、係数更新部17において、次の(4)式に示すフィルタ係数更新式に適用して、複素FIRフィルタ部18のフィルタ係数を切換え、キャンセル動作が実現されるようにする。
ec(t)=IFFT[Ec(ω)]…… ……(3)
Wn+1(t)=Wn(t)+μ・e(t) …… ……(4)
この(4)式における係数μについては、0<μ<1の範囲で設定される。
ec(t)=IFFT[Ec(ω)]…… ……(3)
Wn+1(t)=Wn(t)+μ・e(t) …… ……(4)
この(4)式における係数μについては、0<μ<1の範囲で設定される。
ところで、この場合、上記した周波数特性X(ω)の導出には、通常、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重変調)信号に既知の信号として挿入されているパイロットキャリアを用いることが多い。
また、この周波数特性X(ω)には、次の(5)式に示すように、OFDMの時間信号に設けれられるFFT(Fast Fourier Transform:フーリエ変換)時間窓位置に起因する回転が生じる。ここで、X'(ω)が回転を生じている周波数特性を表わしている。
X'(ω)=XD(ω)・exp(−jωτ)…… ……(5)
また、この周波数特性X(ω)には、次の(5)式に示すように、OFDMの時間信号に設けれられるFFT(Fast Fourier Transform:フーリエ変換)時間窓位置に起因する回転が生じる。ここで、X'(ω)が回転を生じている周波数特性を表わしている。
X'(ω)=XD(ω)・exp(−jωτ)…… ……(5)
ここで、このFFT時間窓位置は、それがOFDMシンボルの有効シンボルタイミングに一致している限り周波数特性X(ω)には回転が生じないが、そうでなけれは有効シンボルからの時間ずれτに応じて回転が発生する。
しかし、ここでは、上記したように、主波Dを周波数特性X(ω)に含まれる平坦成分としているので、回転を生じている周波数特性X'(ω)を用いて(2)式に示す主波抽出処理を行ったのでは、主波Dを正しく算出することはできない。
このとき、このFFT窓位置ずれの影響を除去する方式についても、同じく従来から提案されている(例えば特許文献3参照)。
しかし、ここでは、上記したように、主波Dを周波数特性X(ω)に含まれる平坦成分としているので、回転を生じている周波数特性X'(ω)を用いて(2)式に示す主波抽出処理を行ったのでは、主波Dを正しく算出することはできない。
このとき、このFFT窓位置ずれの影響を除去する方式についても、同じく従来から提案されている(例えば特許文献3参照)。
そして、図4において、これまで無いものとして説明したFFT窓位置補償部31は、この提案に基づいて設けたものであり、この場合、周波数特性推定部13で算出された周波数特性X(ω)はFFT窓位置補償部31に供給され、まず、FFT窓位置ずれにより回転を生じた周波数特性X'(ω)を算出し、この周波数特性X'(ω)を次の(6)式により、振幅r(ω)と位相θ(ω)で表わされる極座標系に変換する。
X'(ω)=r(ω)・exp(jθ(ω))…… ……(6)
この後、0から2πで表わされる位相を、次の(7)式に示すようにして連続化する。
X'(ω)=r(ω)・exp(jθ(ω))…… ……(6)
この後、0から2πで表わされる位相を、次の(7)式に示すようにして連続化する。
θdif(ω)=θ(ω+1)−θ(ω)
θcont(ω+1)=θcont(ω)+θ(ω)
但し「0≦θdif(ω)<π」の場合
θcont(ω+1)=θcont(ω)−θ(ω)
但し「π≦θdif(ω)<2π」の場合
…… ……(7)
ここで、θdif(ω)は位相値の変化分で、θcont(ω)は連続化した位相値である。
そして、この後、(2)式に示す主波抽出処理を行って主波Dを算出するのである。
θcont(ω+1)=θcont(ω)+θ(ω)
但し「0≦θdif(ω)<π」の場合
θcont(ω+1)=θcont(ω)−θ(ω)
但し「π≦θdif(ω)<2π」の場合
…… ……(7)
ここで、θdif(ω)は位相値の変化分で、θcont(ω)は連続化した位相値である。
そして、この後、(2)式に示す主波抽出処理を行って主波Dを算出するのである。
ところで、上記した(7)式による算出は、OFDMにおいて隣接キャリアとの差分位相θdif(ω)について−π<θdif(ω)<πの区間で変動しているという条件下では問題ないが、しかし、上記の区間を越えて変動した場合は正しい算出は得られない。例えば周波数選択性の干渉波であるアナログ放送波の場合や、DU(Desired to Undesired)比が0dbに近いマルチパスが混入した場合などの環境においては、周波数特性X'(ω)が、周波数領域(ω)によっては急峻になり、場合によっては±π以上の位相変動を生じてしまうことがある。
このような環境下では、上記(7)式による位相の連続化が正しく得られなくなって、本来の特性に2πもの位相ずれを生じ、この場合、従来技術では、FFT窓位置ずれを精度良く補償することができなくなってしまう虞がある。
例えば、本来の差分θdif(ω)が1.5πの場合、算出される差分θdif(ω)は−0.5πになってしまうので、このときは実際の値と比較して2πのずれが生じてしまうことになる。
例えば、本来の差分θdif(ω)が1.5πの場合、算出される差分θdif(ω)は−0.5πになってしまうので、このときは実際の値と比較して2πのずれが生じてしまうことになる。
そして、このようにFFT窓位置ずれが生じている周波数特性X'(ω)から算出したキャンセル残差E(ω)を時間信号に変換し、(3)式によりキャンセル係数を算出した場合、係数更新部17は、複素FIRフィルタ部18のフィルタ係数を正しく更新することができず、信号の劣化や発振が引き起こされてしまうことになる。
従って、本発明の目的は、回り込み波のキャンセルに必要なフィルタ係数の更新が常に正しく得られるようにした干渉波キャンセラ中継装置を提供することにある。
従って、本発明の目的は、回り込み波のキャンセルに必要なフィルタ係数の更新が常に正しく得られるようにした干渉波キャンセラ中継装置を提供することにある。
上記目的は、+入力端子に受信信号が供給される減算器と、前記減算器の出力信号が供給される複素FIRフィルタを備え、前記減算器の−入力端子に前記複素FIRフィルタの出力信号を供給することにより、前記減算器の出力端子にマルチパスと自局の送信信号の回り込みによる信号がキャンセルされた送信信号を得るようにした干渉波キャンセラ中継装置において、前記減算器の出力信号の周波数特性を算出し、算出した周波数特性を表わす直交座標系の同相成分と直交成分を極座標系の振幅成分と位相成分に変換する極座標変換手段と、前記位相成分を連続化する際、現時点の位相成分に基づいて算出した連続化結果を、過去の時点で算出した位相特性の傾きから推定される推定位相連続結果と比較し、前記算出した連続化結果が前記推定位相連続結果に基づいて定めた所定範囲内にない場合は、前記算出した連続化結果を前記推定位相連続結果に置き換えて位相の連続化を行う位相連続化手段と、前記位相連続化手段によって得られた位相特性から、その傾きを算出する傾き算出手段と、前記極座標変換手段から得られた位相成分の位相特性の傾きを、前記傾き算出手段により得られた位相特性の傾きに基づいて除去した位相補正結果と、前記前記極座標変換手段から得られた振幅成分とに基づいて直交座標系に再変換する直交座標系再変換手段と、前記直交座標系再変換手段により得られた直交座標系の周波数特性に基づいて前記回り込み波のキャンセル残差成分を推定し、当該残差成分が減少するように前記複素FIRフィルタのフィルタ係数を算出する手段とが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、回り込み波をキャンセルする際、アナログ波やマルチパスの混入が避けられない環境においても、FFT窓位置ずれの影響が高精度で除去でき、従って、常に安定した回り込みキャンセル動作が可能になる。
以下、本発明に係る干渉波キャンセラ中継装置について、図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態で、受信アンテナ11と減算器12、周波数特性推定部13、位相変動補正型FFT窓位置補償部14、残差装算出部15、IFFT部16、係数更新部17、複素FIRフィルタ部18、それに送信アンテナ19を備え、減算器12の−入力端子に複素FIRフィルタ部18の出力信号を供給することにより、マルチパスと自局の送信信号の回り込み1aによる信号C(ω)がキャンセルされた信号が減算器12の出力端子に得られるようにしたものであり、従って、この実施形態が、図4で説明した従来技術と異なっている点は、従来技術におけるFFT窓位置補償部31に代えて、位相変動補正型FFT窓位置補償部14が設けられている点にある。
図1は本発明の一実施の形態で、受信アンテナ11と減算器12、周波数特性推定部13、位相変動補正型FFT窓位置補償部14、残差装算出部15、IFFT部16、係数更新部17、複素FIRフィルタ部18、それに送信アンテナ19を備え、減算器12の−入力端子に複素FIRフィルタ部18の出力信号を供給することにより、マルチパスと自局の送信信号の回り込み1aによる信号C(ω)がキャンセルされた信号が減算器12の出力端子に得られるようにしたものであり、従って、この実施形態が、図4で説明した従来技術と異なっている点は、従来技術におけるFFT窓位置補償部31に代えて、位相変動補正型FFT窓位置補償部14が設けられている点にある。
図1において、受信アンテナ11には、本来の中継すべき信号と共に、回り込み1aによる信号C(ω)が受信信号として入力され、この受信信号が、図示してない周波数変換回路などによりベースバンド帯域に変換された上で減算器12の+入力端子に供給される。なお、これは、図4の従来技術の場合も同じである。
一方、この減算器12の−入力端子には、位相変動補正型FFT窓位置補償部14の出力が供給される。
従って、この減算器12の出力信号は、回り込みがキャンセルされた送信信号として送信アンテナ19に供給されると共に、周波数特性推定部13と複素FIRフィルタ部18の入力にも供給されることになる。
一方、この減算器12の−入力端子には、位相変動補正型FFT窓位置補償部14の出力が供給される。
従って、この減算器12の出力信号は、回り込みがキャンセルされた送信信号として送信アンテナ19に供給されると共に、周波数特性推定部13と複素FIRフィルタ部18の入力にも供給されることになる。
周波数特性推定部13では、OFDM信号に挿入されているパイロットキャリアなどを用いて周波数特性X'(ω)が算出されるが、このとき周波数特性推定部13により算出された周波数特性X'(ω)は、上記の(5)式に示されているように、FFT時間窓位置ずれτにより、理想的な周波数特性XD(ω)に対して回転が生じている。
そこで、この周波数特性推定部13から出力された周波数特性X'(ω)は、位相変動補正型FFT窓位置補償部14に供給される。このとき位相変動補正型FFT窓位置補償部14は(8)式に示すように、上記したFFT窓位置による回転成分を除去するように機能する。
X(ω)=X'(ω)・exp(jωτD)…… ……(8)
そこで、この周波数特性推定部13から出力された周波数特性X'(ω)は、位相変動補正型FFT窓位置補償部14に供給される。このとき位相変動補正型FFT窓位置補償部14は(8)式に示すように、上記したFFT窓位置による回転成分を除去するように機能する。
X(ω)=X'(ω)・exp(jωτD)…… ……(8)
ここで本発明は、位相変動補正型FFT窓位置補償部14によるFFT窓位置補正を特徴とするものであり、従って、以下、この位相変動補正型FFT窓位置補償部14について、図2と図3により、更に詳細に説明する。
まず、図2は位相変動補正型FFT窓位置補償部14の詳細で、図示のように、極座標変換部21と位相変動補正部22、位相連続化部23、位相傾き算出部24、シンボル方向フィルタ部25、それに位相傾き補正部26で構成されており、このとき図3は各部での特性を表わしている。
まず、図2は位相変動補正型FFT窓位置補償部14の詳細で、図示のように、極座標変換部21と位相変動補正部22、位相連続化部23、位相傾き算出部24、シンボル方向フィルタ部25、それに位相傾き補正部26で構成されており、このとき図3は各部での特性を表わしている。
まず、極座標変換部21には、図4の(a)に示す周波数特性X'(ω)が入力され、ここで(9)式で示すように、直交座標系で表わされた同相成分I(ω)と直交成分Q(ω)から振幅r(ω)と図4の(b)に示す位相θ(ω)に変換される。
X(ω)=r(ω)・exp(j・θ(ω))…………(9)
ここで、θ(ω)については、0≦θ(ω)<2πの範囲にあるものとする。
そして、この変換された結果の中の振幅r(ω)は位相傾き補正部26に供給され、位相θ(ω)は位相変動補正部22に供給される。
X(ω)=r(ω)・exp(j・θ(ω))…………(9)
ここで、θ(ω)については、0≦θ(ω)<2πの範囲にあるものとする。
そして、この変換された結果の中の振幅r(ω)は位相傾き補正部26に供給され、位相θ(ω)は位相変動補正部22に供給される。
このとき、位相変動補正部22には、更にシンボル方向フィルタ部25の出力信号も供給されている。そこで、この位相変動補正部22では、位相θ(ω)とシンボル方向フィルタ部25の出力信号に基づいて、位相θ'(ω)が算出さることになるが、このときシンボル方向フィルタ部25は、位相傾き算出部24の出力信号をフィードバックすることにより出力を算出するため、FFT窓位置補正処理開始後の最初のシンボルT(T=1)では出力信号が不確定であり、位相変動補正部22の出力である位相θ'(ω)は、(10)式で示すように入力信号と同値を出力する。
θ'(ω)=θ(ω) (T=1) …… ……(10)
θ'(ω)=θ(ω) (T=1) …… ……(10)
位相変動補正部22の出力である位相θ'(ω)は位相連続化部23に入力され、ここでFFT窓位置補正処理開始後の最初のシンボルT(T=1)では、上記の(7)式により、図4の(c)に示すように位相の連続化を行い、連続化された位相θcont(ω)を出力する。なお、T=2の場合の処理については後述する。
位相連続化部23からの出力は位相傾き算出部24に入力され、ここで連続化された位相成分からFFT窓位置ずれ量、すなわち位相の傾きθslant を算出する。
このときの位相の傾きの算出方法には、連続化された位相から線形一次特性を算出するという、いわゆる最小二乗法や、M推定等の高精度なロバスト推定方法などが利用可能である。
位相連続化部23からの出力は位相傾き算出部24に入力され、ここで連続化された位相成分からFFT窓位置ずれ量、すなわち位相の傾きθslant を算出する。
このときの位相の傾きの算出方法には、連続化された位相から線形一次特性を算出するという、いわゆる最小二乗法や、M推定等の高精度なロバスト推定方法などが利用可能である。
位相傾き算出部24で算出された位相の傾きθslant は位相傾き補正部26とシンボル方向フィルタ部25に入力される。このとき位相傾き補正部26には、更に位相連続化部23から連続化された位相θcont(ω)が入力されている。
そこで、この位相傾き補正部26では、連続化された位相θcont(ω)に対して、その傾きを表わしている位相の傾きθslant を適用して傾きを除去し、図4の(c)に示す傾きが除去された位相特性θDC(ω)を得る。
更に位相傾き補正部26は、極座標変換部21から入力されている振幅r(ω)と位相傾き除去後の位相特性θDC(ω)を直交座標系に変換する。
そこで、この位相傾き補正部26では、連続化された位相θcont(ω)に対して、その傾きを表わしている位相の傾きθslant を適用して傾きを除去し、図4の(c)に示す傾きが除去された位相特性θDC(ω)を得る。
更に位相傾き補正部26は、極座標変換部21から入力されている振幅r(ω)と位相傾き除去後の位相特性θDC(ω)を直交座標系に変換する。
また、シンボル方向フィルタ部25は、入力された位相の傾きθslant に対してシンボル方向に底域通過方向のフィルタ処理を施す。
FFT窓位置の時間的な変動は、クロック再生を行うときの時定数に依存するため、シンボル方向フィルタ部25により、クロック再生での変動周波数を通過帯域とするフィルタ処理をすることにより高域の雑音成分を除去して高精度化を図るのである。
シンボル方向フィルタ部25の出力は、上記したように、位相変動補正部22にフィードバックされる。
FFT窓位置の時間的な変動は、クロック再生を行うときの時定数に依存するため、シンボル方向フィルタ部25により、クロック再生での変動周波数を通過帯域とするフィルタ処理をすることにより高域の雑音成分を除去して高精度化を図るのである。
シンボル方向フィルタ部25の出力は、上記したように、位相変動補正部22にフィードバックされる。
次に、FFT窓位置補正処理開始後の2番目以降のシンボルT(T≧2)の処理について説明する。
位相変動補正部22では、T=2のシンボルのとき、T=1のシンボルで得られた位相の傾きθslant に基づいて位相θ(ω)を変換する。
これは、実際の位相変動が±πを越えるような環境下であっても誤った位相連続化が行われてまうことがないようににすることを主な目的とするもので、具体的な処理についは、次に説明する。
位相変動補正部22では、T=2のシンボルのとき、T=1のシンボルで得られた位相の傾きθslant に基づいて位相θ(ω)を変換する。
これは、実際の位相変動が±πを越えるような環境下であっても誤った位相連続化が行われてまうことがないようににすることを主な目的とするもので、具体的な処理についは、次に説明する。
まず、位相連続化部23は、T=1のシンボルのとき、上記した従来技術と同様、(7)式に従って位相の判定を行い、判定結果に基づいて位相の連続化を行っている。
しかし、T≧2のシンボルのときは、領域判定に相当する処理は位相変動補正部22で行い、位相連続化部23は、(11)式に示すように、単に位相変動補正部22で得られた結果に基づいて位相の連続化を行うだけとする。
θdif'(ω)=θ'(ω+1)−θ'(ω)
θcont'(ω+1)=θcont'(ω)+θdif'(ω) …………(11)
しかし、T≧2のシンボルのときは、領域判定に相当する処理は位相変動補正部22で行い、位相連続化部23は、(11)式に示すように、単に位相変動補正部22で得られた結果に基づいて位相の連続化を行うだけとする。
θdif'(ω)=θ'(ω+1)−θ'(ω)
θcont'(ω+1)=θcont'(ω)+θdif'(ω) …………(11)
このとき位相変動補正部23では、(11)式に示す位相の差分値θdif'(ω)が、(12)式に示すように、所定値の係数K0とK1の範囲を越える場合には、FFT窓位置ずれによる位相変動ではなく、干渉波やマルチパスによって大きな位相変動が生じているものと判断し、その位相値θ'(ω)を正しい位相値θest'(ω)として推定する。
θdif'(ω)=θest'(ω)
但し「θdif'(ω)<K0、θdif'(ω)>K1」の場合
θdif'(ω)=θdif(ω)
θdif'(ω)<K0、θdif'(ω)>K1」以外の場合
…………(12)
θdif'(ω)=θest'(ω)
但し「θdif'(ω)<K0、θdif'(ω)>K1」の場合
θdif'(ω)=θdif(ω)
θdif'(ω)<K0、θdif'(ω)>K1」以外の場合
…………(12)
次に、この(12)式における所定値の係数K0、K1と位相推定値θest'(ω)について説明する。
まず、周波数特性X'(ω)の位相成分θ(ω)は、干渉波や雑音などの影響が無い場合、FFT窓位置ずれ量だけで決定される。従って、理想的な状態では、シンボル方向フィルタ部25から与えられる位相の傾きθslant を用いて、(13)式により表わせる。
θ(ω+1)=θ(ω)+θslant
θdif'(ω)=θ'(ω+1)−θ'(ω)
=θslant …… ……(13)
まず、周波数特性X'(ω)の位相成分θ(ω)は、干渉波や雑音などの影響が無い場合、FFT窓位置ずれ量だけで決定される。従って、理想的な状態では、シンボル方向フィルタ部25から与えられる位相の傾きθslant を用いて、(13)式により表わせる。
θ(ω+1)=θ(ω)+θslant
θdif'(ω)=θ'(ω+1)−θ'(ω)
=θslant …… ……(13)
しかし、実際の周波数特性X(ω)には、干渉波などにより、(14)式に示すように、変動成分θerr(ω)が現れてしまう。
θ(ω+1)=θ(ω)+θslant+θerr(ω)
θdif'(ω)=θ'(ω+1)−θ'(ω)
=θslant+θerr(ω) …………(14)
このため理想的な状態で生じるFFT窓位置成分の位相の傾きθslant に対して、それから±αの範囲外にある場合には、干渉波などによる影響が大きいものとして、位相推定値θest'(ω)に置き換える。
θ(ω+1)=θ(ω)+θslant+θerr(ω)
θdif'(ω)=θ'(ω+1)−θ'(ω)
=θslant+θerr(ω) …………(14)
このため理想的な状態で生じるFFT窓位置成分の位相の傾きθslant に対して、それから±αの範囲外にある場合には、干渉波などによる影響が大きいものとして、位相推定値θest'(ω)に置き換える。
従って、所定値の係数K0、K1は、次の(15)式により表わされる。
K0=θslant−α
K1=θslant+α …… ……(15)
ここで、αの値は、0<α<πの範囲であれば良いが、実用的には、α=π/2程度とするのが望ましい。
一方、位相推定値θest'(ω)については、次の(16)式に示すように、位相θ(ω)に位相の傾きθslant を加算した値として外挿推定する。
θest'(ω)=θ(ω−1)+θslant ……(16)
K0=θslant−α
K1=θslant+α …… ……(15)
ここで、αの値は、0<α<πの範囲であれば良いが、実用的には、α=π/2程度とするのが望ましい。
一方、位相推定値θest'(ω)については、次の(16)式に示すように、位相θ(ω)に位相の傾きθslant を加算した値として外挿推定する。
θest'(ω)=θ(ω−1)+θslant ……(16)
従って、以上の処理を必要とするキャリア数分、実行すれば、干渉波により生じた位相変動が除去できることになる。
そこで、位相連続化部23と位相傾き算出部24により、FFT窓位置成分の位相の傾きθslant の算出を行い、算出した位相の傾きθslant を位相傾き補正部26に供給してやれば、FFT窓位置成分が除去された周波数特性X(ω)を得ることができ、この結果、干渉波やマルチパスが混入されてしまう環境下においても、高精度でFFT窓位置成分の除去が得られ、上記(2)式に示した主波抽出処理における主波Dの抽出を高精度で行うことができる。
そこで、位相連続化部23と位相傾き算出部24により、FFT窓位置成分の位相の傾きθslant の算出を行い、算出した位相の傾きθslant を位相傾き補正部26に供給してやれば、FFT窓位置成分が除去された周波数特性X(ω)を得ることができ、この結果、干渉波やマルチパスが混入されてしまう環境下においても、高精度でFFT窓位置成分の除去が得られ、上記(2)式に示した主波抽出処理における主波Dの抽出を高精度で行うことができる。
こうして位相傾き補正部26から得られた周波数特性X(ω)は、位相変動補正型FFT窓位置補償部14の出力として残差装算出部15に供給され、ここで主波Dを抽出し、上記した(1)式により回り込み波のキャンセル残差成分Ec(ω)を算出する。
この後、算出されたキャンセル残差成分Ec(ω)はIFFT部16において、上記の(3)式による逆フーリエ変換処理により時間信号ec(t)に変換され、次いで、係数更新部17において、上記の(4)式に示すフィルタ係数更新式に適用して、複素FIRフィルタ部18のフィルタ係数を切換える。
この後、算出されたキャンセル残差成分Ec(ω)はIFFT部16において、上記の(3)式による逆フーリエ変換処理により時間信号ec(t)に変換され、次いで、係数更新部17において、上記の(4)式に示すフィルタ係数更新式に適用して、複素FIRフィルタ部18のフィルタ係数を切換える。
この結果、複素FIRフィルタ部18が回り込み波のレプリカを形成し、減算器12の−入力端子に供給するので、キャンセル動作が得られることになる。
ここで、この実施形態の場合、上記したように、干渉波により生じた位相変動が精度良く除去された周波数特性X(ω)に基づいて主波Dが抽出されており、従って、この実施形態によれば、アナログ波やマルチパスの混入が避けられない環境においても、FFT窓位置ずれの影響が高精度で除去でき、常に安定した回り込みキャンセル動作を得ることができる。
ここで、この実施形態の場合、上記したように、干渉波により生じた位相変動が精度良く除去された周波数特性X(ω)に基づいて主波Dが抽出されており、従って、この実施形態によれば、アナログ波やマルチパスの混入が避けられない環境においても、FFT窓位置ずれの影響が高精度で除去でき、常に安定した回り込みキャンセル動作を得ることができる。
11:受信アンテナ
12:減算器
13:周波数特性推定部
14:位相変動補正型FFT窓位置補償部
15:残差算出部
16:IFFT部
17:係数更新部
18:複素FIRフィルタ部
19:送信アンテナ
21:極座標変換部
22:位相変動補正部
23:位相連続化部
24:位相傾き算出部
25:シンボル方向フィルタ部
12:減算器
13:周波数特性推定部
14:位相変動補正型FFT窓位置補償部
15:残差算出部
16:IFFT部
17:係数更新部
18:複素FIRフィルタ部
19:送信アンテナ
21:極座標変換部
22:位相変動補正部
23:位相連続化部
24:位相傾き算出部
25:シンボル方向フィルタ部
Claims (1)
- +入力端子に受信信号が供給される減算器と、前記減算器の出力信号が供給される複素FIRフィルタを備え、前記減算器の−入力端子に前記複素FIRフィルタの出力信号を供給することにより、前記減算器の出力端子にマルチパスと自局の送信信号の回り込みによる信号がキャンセルされた送信信号を得るようにした干渉波キャンセラ中継装置において、
前記減算器の出力信号の周波数特性を算出し、算出した周波数特性を表わす直交座標系の同相成分と直交成分を極座標系の振幅成分と位相成分に変換する極座標変換手段と、
前記位相成分を連続化する際、現時点の位相成分に基づいて算出した連続化結果を、過去の時点で算出した位相特性の傾きから推定される推定位相連続結果と比較し、前記算出した連続化結果が前記推定位相連続結果に基づいて定めた所定範囲内にない場合は、前記算出した連続化結果を前記推定位相連続結果に置き換えて位相の連続化を行う位相連続化手段と、
前記位相連続化手段によって得られた位相特性から、その傾きを算出する傾き算出手段と、
前記極座標変換手段から得られた位相成分の位相特性の傾きを、前記傾き算出手段により得られた位相特性の傾きに基づいて除去した位相補正結果と、前記前記極座標変換手段から得られた振幅成分とに基づいて直交座標系に再変換する直交座標系再変換手段と、
前記直交座標系再変換手段により得られた直交座標系の周波数特性に基づいて前記回り込み波のキャンセル残差成分を推定し、当該残差成分が減少するように前記複素FIRフィルタのフィルタ係数を算出する手段とが設けられていることを特徴とする干渉波キャンセラ中継装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008119907A JP2009272767A (ja) | 2008-05-01 | 2008-05-01 | 干渉波キャンセラ中継装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008119907A JP2009272767A (ja) | 2008-05-01 | 2008-05-01 | 干渉波キャンセラ中継装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009272767A true JP2009272767A (ja) | 2009-11-19 |
Family
ID=41438955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008119907A Pending JP2009272767A (ja) | 2008-05-01 | 2008-05-01 | 干渉波キャンセラ中継装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009272767A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9871542B2 (en) | 2014-03-05 | 2018-01-16 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | Noise canceller device |
-
2008
- 2008-05-01 JP JP2008119907A patent/JP2009272767A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9871542B2 (en) | 2014-03-05 | 2018-01-16 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | Noise canceller device |
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