JP4454524B2 - 遅延プロファイル解析回路及びそれを用いた装置 - Google Patents

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本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を用いるデジタル放送やデジタル伝送における受信信号の測定技術に関わり、特にSP(Scattered Pilot:スキャッタードパイロット)を用いて到来する遅延波の遅延時間分布である遅延プロファイルの解析に関する。
図2に、従来の遅延プロファイル解析回路の構成を示す。このプロファイル解析回路は、遅延プロファイル測定装置内に設けられた回路であり、周波数変換手段10、A/D変換手段11、直交復調手段12、GI除去手段13、FFT手段14、伝送路応答算出手段15、シンボル間補間手段16及びIFFT手段17を備えている。伝送路応答算出手段15は、SP抽出部1501、基準SP生成部1502及び除算部1503を備えている。
周波数変換手段10は、被測定信号を入力し、IF帯の信号(IF信号)に周波数変換する。A/D変換手段11は、周波数変換手段10により変換されたIF信号、及び図示しない同期再生部により再生されたサンプリングクロック信号を入力し、当該サンプリングクロック信号を用いて、入力したIF信号をデジタルIF信号にA/D変換する。直交復調手段12は、A/D変換手段11により変換されたデジタルIF信号を入力し、等価ベースバンド信号に直交復調する。GI除去手段13は、直交復調手段12により復調された等価ベースバンド信号、及び図示しない同期再生部により再生されたシンボルタイミング信号を入力し、1つのOFDM伝送シンボル期間のうちGI(Guard Interval:ガードインターバル)に相当する期間を除いた有効シンボル期間に相当する時間長の信号を抽出する。ここで、シンボルタイミング信号とは、図示しない同期再生部から入力されるOFDM信号のシンボル周期及びタイミングを示す信号をいう。FFT手段14は、GI除去手段13によりGIが除去された有効シンボル期間分の時間領域のOFDM信号を入力し、FFT(Fast Fourier Transform)して周波数領域信号であるキャリヤシンボルに変換する。
伝送路応答算出手段15のSP抽出部1501は、FFT手段14により変換されたキャリヤシンボルを入力し、予め決められたシンボル番号及びサブキャリヤ番号のサブキャリヤによって伝送されるSPを抽出する。基準SP生成部1502は、予め決められた振幅及び位相を有する基準SPを生成する。除算部1503は、SP抽出部1501により抽出されたSPを、基準SP生成部1502により生成された基準SPで除算し、伝送路応答として出力する。このようにして、伝送路応答算出手段15は伝送路応答を算出する。シンボル間補間手段16は、SPのシンボル方向の1周期分(ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)の場合は4シンボル)の伝送路応答を保持した後、サブキャリヤ周波数軸上に周波数順に並べて、シンボル間での内挿補間を行う。IFFT手段17は、シンボル間補間手段16により補間して得られた伝送路応答をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)し、時間軸上(時間領域)の遅延プロファイルに変換する。
このような従来の遅延プロファイル解析回路は、例えば、「遅延プロファィル測定装置」(特許文献1を参照)、「OFDM方式の伝送装置」(特許文献2を参照)、「直交周数分割多重変調方式の遅延プロファイルを解析する回路を有する装置」(特許文献3を参照)の特許文献等に記載されている。
特開2000−115087号公報 特開2003−224536号公報 特開2002−300131号公報
前述の遅延プロファイル解析回路において、図示しない同期再生部は、通常、被測定信号からサンプリングクロック信号やシンボルタイミング信号を再生している。しかし、再生されるこれらの信号の周波数には誤差が存在する。
パイロット信号を用いて遅延プロファイルを測定する遅延プロファイル解析回路において、被測定信号におけるパイロット信号がキャリヤシンボル空間に分散して配置されていない場合、1つのOFDMシンボルのパイロット信号から、測定可能な最大遅延時間までの遅延波を測定することができる。この場合、シンボルタイミングのずれは、周波数−位相特性の傾き及びオフセット(以下、線形位相成分という。)として現れる。また、パイロット信号を伝送しているサブキャリヤの周波数における伝送路応答をIFFTし、遅延プロファイルを求めるとき、シンボルタイミングのずれは、時間方向のオフセットとなって現れる。しかし、遅延プロファイルは到来波の遅延時間についての分布を得るためのものであるため、相対時間をずらすことによりシンボルタイミングのずれを吸収することができるので、時間方向のオフセットは大きな問題にはならない。
これに対し、パイロット信号を用いて遅延プロファイルを測定する遅延プロファイル解析回路において、被測定信号におけるパイロット信号がキャリヤシンボル空間に分散して配置されている場合、測定可能な最大遅延時間までの遅延波を測定するためには、パイロット信号のうち、シンボル方向の1伝送周期分におけるOFDMシンボルのパイロット信号を保持し、利用する必要がある。ここで、シンボルタイミングは、パイロット信号を伝送するための周波数の伝送路応答を求める過程において用いられるものである。このため、複数のOFDMシンボルが観測され、それぞれのOFDMシンボル間でシンボルタイミングが異なる場合は、それぞれのOFDMシンボルにおいて、パイロット信号を伝送するサブキャリヤの周波数における伝送路応答の位相特性について、それぞれ異なる線形位相成分が加わることになる。また、複数のOFDMシンボルにおいて求められる周波数方向にオフセットした伝送路応答を、まとめて周波数軸上に並べた場合、その位相特性には不連続が生じる。この位相特性の不連続は、伝送路応答をIFFTして遅延プロファイルに変換した場合、歪みとして現れる。このように、従来の遅延プロファイル解析回路では、その内部の処理過程において、伝送路には存在しない遅延波が観測されてしまうことがあるという問題があった。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、内部で再生されるシンボルタイミングのずれがOFDMシンボル毎に異なる場合、これによって生じる歪み成分を含むことのない遅延プロファイルを測定可能な遅延プロファイル解析回路、及びそれを用いた装置を提供することにある。
本発明による遅延プロファイル解析回路は、OFDM信号を周波数領域のキャリヤシンボルにFFTするFFT手段と、予め決められたシンボル番号及びサブキャリヤ番号のサブキャリヤによって伝送されるSP信号を前記キャリヤシンボルから抽出するSP抽出部、予め決められた振幅及び位相を有する基準SP信号を生成する基準SP生成部、及び、前記SP信号を基準SP信号で除算して、SPが伝送されるサブキャリヤの周波数における伝送絡応答を算出する除算部を有する伝送路応答算出手段と、シンボルタイミングのずれによって生じる位相回転成分を前記伝送路応答から除去して補正する位相補正手段と、該補正された伝送路応答をサブキャリヤの周波数順に並べ、シンボル間の内挿補間を行うシンボル間補間手段と、該内挿補間された伝送路応答を時間領域の遅延プロファイルにIFFTするIFFT手段とを備え、前記位相補正手段は、伝送路応答算出手段により算出された伝送路応答の周波数−位相特性を算出する位相特性算出部と、前記位相特性算出部により算出される当該周波数−位相特性を一次式で近似して、該特性の線形位相成分を抽出する線形位相成分抽出部と、該線形位相成分により、前記伝送路応答算出手段により算出された伝送路応答の位相回転を行って補正する位相回転部と、を有することを特徴とする。
また、本発明による遅延プロファイル解析回路は、前記位相補正手段が、伝送路応答算出手段により算出された伝送路応答の周波数−位相特性を算出する位相特性算出部、該特性の線形位相成分を抽出する線形位相成分抽出部、及び、該線形位相成分を用いて、前記伝送路応答算出手段により算出された伝送路応答の位相回転を行う位相回転部を有することを特徴とする。
また、本発明による装置は、前記遅延プロファイル解析回路を有することを特徴とする。ここで、本発明による装置とは、例えば、回り込みキャンセラ、補償器、中継装置、データ処理装置をいう。
本発明によれば、シンボル方向のSPについて伝送周期分の複数のOFDMシンボルにおいて求めた伝送路応答に対し、シンボル毎に、周波数−位相特性の線形位相成分を補正し、補正後の伝送路応答を周波数軸上に並べてシンボル間の内挿補間を行った後に、IFFTして遅延プロファイルを求めるようにした。これにより、内部で再生されるシンボルタイミングのずれがOFDMシンボル毎に異なる場合、これによって生じる歪み成分を含むことのない遅延プロファイルを測定することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明による遅延プロファイル解析回路の構成例を示すブロック図である。この遅延プロファイル解析回路は、遅延プロファイル測定装置内に設けられ、周波数変換手段10、A/D変換手段11、直交復調手段12、GI除去手段13、FFT手段14、伝送路応答算出手段15、位相補正手段20、シンボル間補間手段16及びIFFT手段17を備えている。伝送路応答算出手段15は、SP抽出部1501、基準SP生成部1502及び除算部1503を備え、位相補正手段20は、位相回転部2001、位相特性算出部2002及び線形位相成分抽出部2003を備えている。この遅延プロファイル解析回路と図2に示した従来の遅延プロファイル解析回路とを比較すると、この遅延プロファイル解析回路が、図2に示した従来の構成に加えて位相補正手段20を備えている点で相違する。以下、図1の遅延プロファイル解析回路において、図2と共通する部分には図2と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
前述のように、周波数変換手段10が被測定信号を入力し、A/D変換手段11、直交復調手段12、GI除去手段13及びFFT手段14を経て、伝送路応答算出手段15が伝送路応答を算出する。この伝送路応答は2分配され、一方が位相補正手段20の位相回転部2001へ、他方が位相特性算出部2002へ出力される。位相特性算出部2002は、前記伝送路応答を入力し、当該伝送路応答の周波数−位相特性を生成し、線形位相成分抽出部2003へ出力する。線形位相成分抽出部2003は、当該周波数−位相特性からその線形位相成分を抽出する。位相回転部2001は、前記伝送路応答、及び線形位相成分抽出部2003により抽出された線形位相成分を入力し、伝送路応答に線形位相成分の符号を逆にして加え、伝送路応答の位相回転を行い補正する。シンボル間補間手段16は、位相回転部2001により補正された、OFDMシンボル毎の異なるサブキャリヤ周波数における伝送路応答を入力し、SPのシンボル方向の1周期分の伝送路応答を保持した後、サブキャリヤ周波数軸上に周波数順に並べて、シンボル間での内挿補間を行う。そして、IFFT手段17がシンボル間補間手段16により補間された伝送路応答をIFFTすることにより、遅延プロファイルを求めることができる。
次に、図1に示した遅延プロファイル解析回路をISDB−T伝送方式の地上デジタル放送に適用した場合について、詳細に説明する。地上デジタルテレビジョン放送の放送方式であるISDB−T方式やDVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)方式においては、図7に示すように、特定のシンボルの特定のサブキャリヤが、基準信号としてSPに割り当てられている。図7において、SPを黒丸で、データシンボル等その他のキャリヤシンボルを白抜きの丸で示している。以下、SPの配置について、連続するシンボルにおけるサブキャリヤ方向の間隔をNf、同一のサブキャリヤにおけるシンボル方向の間隔をNtとする。SPは、その振幅及び位相が予め決められているため、受信側においても同じ信号を生成することができる。
シンボル番号をi、サブキャリヤ番号をkとし、SP抽出部1501により抽出される被測定信号のSPをY(i,k)、基準SP生成部1502により生成される基準SPをX(i,k)とすると、シンボルiにおける伝送路応答H(i,k)は次式で表される。
Figure 0004454524

ここで、H(i,k)をIFFTすることにより、遅延プロファイルh(i,k)を求めることができる。遅延プロファイルh(i,k)は次式で表される。
Figure 0004454524

ここで、nは遅延プロファイルの離散時間を表す。
SPを用いた遅延プロファイル測定方法において、図7のようにSPがキャリヤシンボル空間に分散配置され、シンボルによってSPを伝送するサブキャリヤが異なる場合、遅延プロファイルを求める方法には、次の2つがある。
1.一つのOFDMシンボルで伝送されるSPのサブキャリヤ周波数における伝送路応答のみを用いて遅延プロファイルを求める方法
2.SPのシンボル方向の伝送周期分の各OFDMシンボルにおいて、OFDMシンボル毎にSPが伝送されるサブキャリヤ周波数における伝送路応答を求め、得られた複数の伝送路応答を用いてシンボル間の内挿補間を行い、一つの伝送路応答を用いて遅延プロファイルを求める方法
上記第1の方法では、測定が可能な遅延波の最大遅延時間はFFT周期の1/Ntfまでに限られる。一方、第2の方法では、FFT周期の1/Nfまでの遅延波を測定することができる。従って、測定可能な遅延波の遅延時間範囲の点で、第2の方法が優れている。しかし、第2の方法を用いる場合、複数のOFDMシンボルにおいて、SPが伝送されるサブキャリヤの周波数における伝送路応答を用いる必要があり、各OFDMシンボル間のシンボルタイミングのずれの差異が遅延プロファイルに歪みとして現れてしまう。
図4に、各OFDMシンボル間のシンボルタイミングのずれに差異がない場合における伝送路応答の周波数−位相特性の例を示す。また、図5に、各OFDMシンボル間のシンボルタイミングのずれに差異がある場合における伝送路応答の周波数−位相特性の例を示す。図4より、シンボルタイミングのずれに差異がない場合の特性は、右下がりの一定の傾きを有して連続的であることがわかる。一方、図5より、シンボルタイミングのずれに差異がある場合の特性は、全体として右下がりであるが連続的でないことがわかる。図5の特性は、Nt=4,Nf=3とし、1〜4OFDMシンボルのうち3番目のシンボルにおけるシンボルタイミングが、他のシンボルにおけるシンボルタイミングと異なっている場合を示している。図5に示すように、各OFDMシンボル間でシンボルタイミングのずれに差異がある場合は、各OFDMシンボルで求めた伝送路応答を周波数順に並べてシンボル間の内挿補間を行い、SPが伝送される全てのサブキャリヤにおける伝送路応答を求めると、周波数−位相特性に不連続が生じる。
図6に、図5に示した周波数−位相特性をOFDMシンボル毎に求められる周波数−位相特性に分けた特性を示す。図6の(a)は、1〜4OFDMシンボルのうち1番目のシンボルにおける特性である。同様に、(b)は2番目のシンボルにおける特性、(c)は3番目のシンボルにおける特性、(d)は4番目のシンボルにおける特性である。図6の(a)〜(d)に示すように、各OFDMシンボルにおける伝送路応答の周波数−位相特性には不連続点は存在せず、それぞれの特性は、本来の伝送路の特性に、シンボルタイミングのずれによる特性が加わったものとなる。このずれによる特性は、次式で表すことができる。
Figure 0004454524

ここで、nはシンボルタイミングのずれ、NはFFTポイント数、δθは周波数−位相特性のオフセットを示す。図1に示した位相特性算出部2002は、伝送路応答算出手段15により算出された伝送路応答を入力し、図5及び図6に示したような伝送路応答の周波数−位相特性を生成する。線形位相成分抽出部2003は、位相特性算出部2002により算出される当該周波数−位相特性を前述した式(3)で近似し、線形位相成分を抽出する。そして、位相回転部2001は、線形位相成分抽出部2003により抽出された線形位相成分、及び伝送路応答算出手段15により算出された伝送路応答を入力し、当該線形位相成分を用いて、伝送路応答に対して、式(4)に示すように位相回転を行い補正する。
Figure 0004454524

IFFT手段17は、位相補正手段20により位相補正された伝送路応答を、シンボル間補間手段16を経て入力し、IFFTすることにより遅延プロファイルを求める。
以上のように、図1に示した遅延プロファイル解析回路によれば、位相補正手段20が、伝送路応答の周波数−位相特性をシンボルタイミングのずれの特性で近似し、線形位相成分を抽出し、この線形位相成分を用いて伝送路応答に対して位相補正を行うようにした。これにより、不連続な位相特性を補正することができるから、歪み成分を含むことのない遅延プロファイルを測定することが可能となる。
次に、図1に示した遅延プロファイル解析回路を用いる装置の実施例について、詳細に説明する。図3は、回り込みキヤンセラの構成例を示す概略図である。この回り込みキャンセラは、周波数変換手段10、A/D変換手段11、直交復調手段12、減算手段31、適応フィルタ32、直交変調手段33、D/A変換手段34、周波数変換手段35及び回り込み伝搬路特性推定段30を備えている。回り込み伝搬路特性推定段30は、GI除去手段13、FFT手段14、伝送路応答算出手段15、位相補正手段20、シンボル間補間手段16、キャンセル残差算出手段36、IFFT手段17、加算手段37及び遅延手段38を備えている。伝送路応答算出手段15は、SP抽出部1501、基準SP生成部1502及び除算部1503を備え、位相補正手段20は、位相回転部2001、位相特性算出部2002及び線形位相成分抽出部2003を備えている。
図3に示す回り込みキャンセラにおける回り込み伝搬路特性推定段30に、図1に示した遅延プロファイル解析回路を用いることができる。具体的には、回り込みキャンセラは、図1に示した遅延プロファイル解析回路に加えて、減算手段31、適応フィルタ32、直交変調手段33、D/A変換手段34、周波数変換手段35、キャンセル残差算出手段36、加算手段37及び遅延手段38を備えている。図3に示す回り込み伝搬路特性推定段30と、図1に示した遅延プロファイル解析回路とを比較すると、回り込み伝搬路特性推定段30にはシンボル間補間手段16とIFFT手段17との間にキャンセル残差算出手段36が挿入されている点で相違する。
周波数変換手段10は、被測定信号を入力し、IF信号に周波数変換する。A/D変換手段11は、周波数変換手段10により変換されたIF信号、及び図示しない同期再生部により再生されたサンプリングクロック信号を入力し、当該サンプリングクロック信号を用いて、入力したIF信号をデジタルIF信号にA/D変換する。直交復調手段12は、A/D変換手段11により変換されたデジタルIF信号を入力し、等価ベースバンド信号に直交復調する。
減算手段31は、直交復調手段12により復調された等価ベースバンド信号、及び適応フィルタ32からの回り込み波のレプリカ信号を入力し、当該等価ベースバンド信号から回り込み波のレプリカ信号を減算する。減算手段31により減算して出力される等価ベースバンド信号は3分配され、直交変調手段33、GI除去手段13及び適応フィルタ32へそれぞれ出力される。直交変調手段33は、減算手段31からのベースバンド信号を入力し、デジタルIF信号に直交変調する。D/A変換手段34は、直交変調手段33により直交変調されたデジタルIF信号、及び図示しない同期再生部により再生されたサンプリングクロック信号を入力し、当該サンプリングクロック信号を用いてアナログIF信号に変換する。周波数変換手段35は、D/A変換手段34により変換されたアナログIF信号を入力し、送信信号に周波数変換する。このようにして、送信信号は外部へ出力される。
減算手段31から出力される等価ベースバンド信号について、3分配された当該等価ベースバンド信号のうちの一つの信号は、回り込み伝搬路特性推定段30のGI除去手段13へ出力される。GI除去手段13は、前記等価ベースバンド信号、及び図示しない同期再生部により再生されたシンボルタイミング信号を入力し、1つのOFDM伝送シンボル期間のうちGIに相当する期間を除いた有効シンボル期間に相当する時間長の信号を抽出する。FFT手段14は、GI除去手段13によりGIが除去された有効シンボル期間分の時間領域のOFDM信号を入力し、FFTして周波数領域信号であるキャリヤシンボルに変換する。
伝送路応答算出手段15のSP抽出部1501は、FFT手段14により変換されたキャリヤシンボルを入力し、予め決められたシンボル番号及びサブキャリヤ番号のサブキャリヤによって伝送されるSPを抽出する。基準SP生成部1502は、予め決められた振幅及び位相を有する基準SPを生成する。除算部1503は、SP抽出部1501により抽出されたSPを、基準SP生成部1502により生成された基準SPで除算し、伝送路応答として出力する。このようにして、伝送路応答算出手段15は伝送路応答を算出する。
除算部1503からの伝送路応答は2分配され、一方が位相補正手段20の位相回転部2001へ、他方が位相特性算出部2002へ出力される。位相特性算出部2002は、前記伝送路応答を入力し、当該伝送路応答の周波数−位相特性を生成する。線形位相成分抽出部2003は、位相特性算出部2002の出力する当該周波数−位相特性からその線形位相成分を抽出する。位相回転部2001は、前記伝送路応答、及び線形位相成分抽出部2003により抽出された線形位相成分を入力し、伝送路応答に線形位相成分の符号を逆にして加え、位相回転を行い補正する。シンボル間補間手段16は、位相回転部2001により補正された、OFDMシンボル毎の異なるサブキャリヤ周波数における伝送路応答を入力し、SPのシンボル方向の1周期分の伝送路応答を保持した後、サブキャリヤ周波数軸上に周波数順に並べて、シンボル間での内挿補間を行う。キャンセル残差算出手段36は、シンボル間補間手段16により補間された伝送路応答を入力し、減算手段31により出力された等価ベースバンド信号に含まれる回り込みのキャンセル残差の伝送路応答を算出する。IFFT手段17は、キャンセル残差算出手段36により算出された回り込みのキャンセル残差の伝送路応答を入力し、当該伝送路応答をIFFTし、回り込み伝搬路のインパルス応答の更新分に変換する。
加算手段37は、IFFT手段17により変換されたインパルス応答の更新分、及び遅延手段38からの前回更新後のフィルタ係数を入力し、両者を加算してフィルタ係数を算出して出力する。加算手段37からのフィルタ係数は2分配され、一方は適応フィルタ32へ、他方は遅延手段38へ出力される。遅延手段38は、加算手段37からフィルタ係数を入力し、次回の係数更新時まで遅延させて保持し、加算手段37へ出力する。適応フィルタ32は、加算手段37からフィルタ係数、及び減算手段31から等価ベースバンド信号を入力し、当該フィルタ係数を用いて等価ベースバンド信号をフィルタリングし、回り込み波のレプリカ信号を生成し、減算手段31へ出力する。
次に、図3に示した回り込みキャンセラの動作について説明する。回り込みキャンセラは、受信信号の周波数と同一周波数で再送信を行うSFN放送波中継局において、受信信号から送受アンテナ間の結合により生じる回り込み波をキャンセルし、親局信号のみを再送信するための装置である。この回り込みは、送信アンテナから放射された電波の一部が回り込み伝搬路を通った後、受信アンテナで受信されて生じるものであるため、回り込みキャンセラの内部で、回り込み伝搬路と同じ伝送特性の回路を実現すれば、回り込み波のレプリカ信号を生成することができる。回り込みキャンセラの動作原理は、回り込み伝搬路と同じ伝送特性の回路を用いて内部で回り込み波のレプリカ信号を生成し、この回り込み波のレプリカ信号を受信信号から減算することにより回り込みをキャンセルし、親局信号のみを取り出すというものである。このような回り込みキャンセラの動作原理の下で、回り込み伝搬路と同じ伝送特性の回路を実現するのが図3に示した適応フィルタ32である。この適応フィルタ32のフィルタ係数は、回り込み伝搬路の遅延プロファイルにより生成される。
回り込みキャンセラの詳細については、特開平11-355160号公報「回り込みキャンセラ」や学会発表論文「地上デジタル放送SFNにおける放送波中継局用回り込みキャンセラの基礎検討」(映像情報メディア学会誌Vol.54,No.11,pp.1568-1575(2000))に記載されているため、詳細な説明は省略する。
以上のように、図3に示した回り込みキャンセラによれば、位相補正手段20が、伝送路応答の周波数−位相特性をシンボルタイミングのずれの特性で近似し、線形位相成分を算出し、この線形位相成分を用いて伝送路応答に対して位相補正を行うようにした。これにより、不連続な位相特性を補正することができるから、回り込み伝搬路特性推定段30により推定されるフィルタ係数にはシンボルタイミングのずれに伴って生じる歪成分を含むことがない。したがって、適応フィルタ32は、回り込み伝搬路特性推定段30により推定された歪成分を含まないフィルタ係数を用いて、回り込み伝搬路と同じ伝送特性の回路を実現することができ、受信信号に含まれる回り込み成分をキャンセルすることができる。図2に示したような従来の遅延プロファイル解析回路を、回り込みキャンセラの回り込み伝搬路特性推定段に用いた場合、内部で再生されるシンボルタイミンクのずれがOFDMシンボル毎に異なるときは、実際には存在しない回り込み伝搬路の特性が観測されてしまう。このため、回り込みキャンセラの内部でそれに対応する回り込みのレプリカ成分を生成し、送信信号の品質を劣化させてしまう。これに対し、図1に示した遅延プロファイル解析回路を用いると、実際の回り込み伝搬路特性のみを観測することができるので、回り込みキャンセラの内部で不要な回り込みのレプリカ成分を生成することなく、受信信号に含まれる回り込み成分を良好にキャンセルすることができる。
尚、図1に示した遅延プロファイル解析回路及び図3に示した回り込みキャンセラにおいては、A/D変換手段11の後方に直交復調手段12を備えるようにしたが、これらの順序を逆にして備えるようにしてもよい。すなわち、周波数変換手段10の後方に直交復調手段12を備え、直交復調手段12の後方に2つのA/D変換手段11を備えるようにしてもよい。具体的には、直交復調手段12が、周波数変換手段10により変換されたIF信号を入力し、I(In-phase component)の等価ベースバンド信号及びQ(Quadrature-phase component)の等価ベースバンド信号に直交復調する。そして、第1のA/D変換手段11が、直交復調手段12により復調されたIの等価ベースバンド信号を入力し、デジタル信号に変換する。また、第2のA/D変換手段11が、直交復調手段12により復調されたQの等価ベースバンド信号を入力し、デジタル信号に変換する。そして、図1のGI除去手段130及び図3の減算手段31が、A/D変換手段11により変換されたデジタル信号を入力する。
また、実施の形態として回り込みキャンセラの例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図1に示した遅延プロファイル解析回路を有する補償器、中継装置、データ処理装置等であってもよい。つまり、この遅延プロファイル解析回路を有する装置であって、当該遅延プロファイル解析回路を用いることにより、伝送路応答の周波数−位相特性をシンボルタイミングのずれの特性で近似し、線形位相成分を算出し、この線形位相成分を用いて伝送路応答に対して位相補正を行い、不連続な位相特性を補正する場合には、前述の補償器等以外の装置にも適用することができる。
本発明による遅延プロファイル解析回路の構成例を示す概略図である。 従来の遅延プロファイル解析回路の構成を示す概略図である。 本発明による遅延プロファイル解析回路を用いた回り込みキャンセラの構成例を示す概略図である。 シンボル間でシンボルタイミングのずれに差異がない場合の位相特性を示す図である。 シンボル間でシンボルタイミングのずれに差異がある場合の位相特性を示す図である。 OFDMシンボル毎の位相特性を示す図である。 SPの配置を示すための図である。
符号の説明
10,35 周波数変換手段
11 A/D変換手段
12 直交復調手段
13 GI除去手段
14 FFT手段
15 伝送路応答算出手段
16 シンボル間補間手段
17 IFFT手段
20 位相補正手段
30 回り込み伝搬路特性推定段
31 減算手段
32 適応フィルタ
33 直交変調手段
34 D/A変換手段
36 キャンセル残差算出手段
37 加算手段
38 遅延手段
1501 SP抽出部
1502 基準SP生成部
1503 除算部
2001 位相回転部
2002 位相特性算出部
2003 線形位相成分抽出部

Claims (2)

  1. OFDM信号を周波数領域のキャリヤシンボルにFFT(高速フーリエ変換)するFFT手段と、
    予め決められたシンボル番号及びサブキャリヤ番号のサブキャリヤによって伝送されるSP信号を前記キャリヤシンボルから抽出するSP抽出部、予め決められた振幅及び位相を有する基準SP信号を生成する基準SP生成部、及び、前記SP信号を基準SP信号で除算して、SPが伝送されるサブキャリヤの周波数における伝送絡応答を算出する除算部を有する伝送路応答算出手段と、
    シンボルタイミングのずれによって生じる位相回転成分を前記伝送路応答から除去して補正する位相補正手段と、
    該補正された伝送路応答をサブキャリヤの周波数順に並べ、シンボル間の内挿補間を行うシンボル間補間手段と、
    該内挿補間された伝送路応答を時間領域の遅延プロファイルにIFFT(逆高速フーリエ変換)するIFFT手段とを備え
    前記位相補正手段は、
    伝送路応答算出手段により算出された伝送路応答の周波数−位相特性を算出する位相特性算出部と、
    前記位相特性算出部により算出される当該周波数−位相特性を一次式で近似して、該特性の線形位相成分を抽出する線形位相成分抽出部と、
    該線形位相成分により、前記伝送路応答算出手段により算出された伝送路応答の位相回転を行って補正する位相回転部と、
    を有することを特徴とする遅延プロファイル解析回路。
  2. 請求項に記載の遅延プロファイル解析回路を有することを特徴とする装置。
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