JP3790953B2 - 回り込みキャンセラ - Google Patents

回り込みキャンセラ Download PDF

Info

Publication number
JP3790953B2
JP3790953B2 JP26656799A JP26656799A JP3790953B2 JP 3790953 B2 JP3790953 B2 JP 3790953B2 JP 26656799 A JP26656799 A JP 26656799A JP 26656799 A JP26656799 A JP 26656799A JP 3790953 B2 JP3790953 B2 JP 3790953B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
frequency characteristic
signal
carrier
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP26656799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001094528A5 (ja
JP2001094528A (ja
Inventor
浩一郎 今村
啓之 濱住
一彦 澁谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Broadcasting Corp filed Critical Japan Broadcasting Corp
Priority to JP26656799A priority Critical patent/JP3790953B2/ja
Publication of JP2001094528A publication Critical patent/JP2001094528A/ja
Publication of JP2001094528A5 publication Critical patent/JP2001094528A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3790953B2 publication Critical patent/JP3790953B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) 信号からマルチパスや回り込み等の伝送路の特性を推定してそれらをキャンセルする回り込みキャンセラに係り、特に、日本における地上デジタル放送方式であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)のようにOFDM信号帯域を複数のブロックに分割してできたOFDMセグメント毎に異なるキャリア変調方式を割り当てることのできる伝送方式においても使用することができる回り込みキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでの回り込み伝送路特性の推定法においては、キャリア変調方式が64QAMのような同期変調の場合、本発明者らの発明に係る回り込みキャンセラ(特願平10−162189号「回り込みキャンセラ」参照)により、同期復調のためにOFDM信号に内挿されたSP(Scattered Pilot signal)などの既知のパイロットキャリアを用いて回り込み伝送路特性を推定するようにしている。また、キャリア変調方式がDQPSKのようなデジタル位相変調の場合、本発明者らの発明に係る回り込みキャンセラ(特願平11−156234号「回り込みキャンセラ」参照)により、各キャリアの位相をキャリアの変調多値数(DQPSKなら4、BPSKなら2)で逓倍して処理することで回り込み伝送路特性を推定するようにしている。
【0003】
上述した種類の回り込み伝送路特性の推定法において、とくに、同期変調におけるSPなどのパイロットキャリアを用いた回り込み伝送路特性推定法では、SPなどのパイロットキャリアの周波数における周波数特性データは直接求めることができるが、それ以外のキャリアの周波数における周波数特性データは直接求めることができない。従って、直接求めることができない周波数特性データをSPなどのパイロットキャリアの周波数における周波数特性データで補間するか、あるいは離散的なSPなどのパイロットキャリアの周波数における周波数特性データだけを用いて回り込み伝送賂特性を推定するようにする。
【0004】
また、デジタル位相変調におけるキャリア位相を逓倍して処理する回り込み伝送路特性推定法では、すべてのデータキャリアを用いて連続した周波数特性を算出することができるが、π/4シフトDQPSKのシンボル毎のπ/4の位相回転などによる絶対位相の不確定性が残る。しかし、この絶対位相の不確定性については、本発明者らの発明に係る回り込みキヤンセラ(特願乎11−147885号「回り込みキヤンセラ」参照)を用いて解消することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、日本における地上デジタル放送方式であるISDB−Tでは、約5.6MHzのOFDM信号帯域を13個のセグメントに分割するBST−OFDM(Band Segmented Transmission Orthrogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用していて、セグメント毎にデータキャリアの変調方式を設定することが可能である。また、セグメント内には、それぞれ特定の位置にCP(Continual Pilot signal)やAC(Auxiliary Channel) やTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration) のような他のキャリアの変調方式とは異なるBPSKで変調されたキャリアが内挿されている。そのため、回り込みキヤンセラにおいてもキャリア変調方式毎に回り込み伝送路特性の推定法を変更する必要がある。
【0006】
ISDB−T方式のようにOFDM信号の異なるキャリア変調方式が混在する伝送方式における回り込みキヤンセラにおいては、キャリア変調方式毎に推定された系の総合伝達関数に相当する周波数特性データをそのまま結合すると、セグメントが同期変調部の場合はSP以外のキャリアの周波数における総合伝達関数に対応する周波数特性データがなく、また、セグメントが差動変調部の場合はDQPSKとBPSKのキャリアから求められた周波数特性データの接続部分でπ/4シフトDQPSKの位相回転などによる位相の不確定性により周波数位相特性に不連続が発生することがあり、結果として、推定した回り込み伝送路特性においても不連続が生じるため、回り込みの複製信号が正確に作り出せなくなり、回り込みをキャンセルすることができなくなることがあった。
【0007】
そこで本発明の目的は、ISDB−Tのように異なるキャリア変調方式が混在するOFDM方式によるデジタル放送やデジタル伝送方式においても、正確な回り込み波の複製信号を作り出し、高精度に回り込みをキャンセルすることが可能な回り込みキヤンセラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明回り込みキャンセラは、受信系統からの入力信号が供給される被減算端子および送受アンテナ間の回り込みをキャンセルするための信号が供給される減算端子を有している減算器と、該減算器の出力信号が入力され受信信号を増幅して再送信するための送信系統の入出力信号のいずれか一方の信号が分岐されて回り込み観測信号として供給され回り込み信号の複製を発生して前記減算器の減算端子に供給するFIRフィルタと、前記回り込み観測信号が分岐されて供給され、入カされた信号を直交復調して複素の等価ベースバンド信号を出力する直交復調回路と、前記回り込み観測信号が分岐されて供給され、入力された信号からISDB−T方式モードおよびガード比を判定して出力するモード判定回路と、該モード判定回路からの信号で決定されるFFTポイント数で前記直交復調回路からの等価ベースバンド信号をFFTして周波数領域の信号に変換して出力するFFT回路と、該FFT回路の出力信号からISDB−T方式の各セグメントにおけるデータキャリアの変調方式の情報を含んだTMCCを復号するTMCC復号回路と、該TMCC復号回路からの信号および前記モード判定回路からの信号に従って、前記FFT回路の出力信号から系全体の総合伝達関数に対応する周波数特性データを算出する周波数特性算出回路と、該周波数特性算出回路からの周波数特性データを、前記TMCC復号回路からの信号に従って連続化する周波数特性連続化回路と、該周波数特性連続化回路からの信号を平均化して主波成分を出力する主波成分抽出回路と、該主波成分抽出回路からの出力と前記周波数特性連続化回路からの周波数特性データから回り込みのキャンセル残差の周波数特性を算出して出力するキャンセル残差演算回路と、該キャンセル残差演算回路から出力される回り込みキャンセル残差の周波数特性を逆フーリエ変換して時間領域の回り込みキャンセル残差のインパルス応答を算出する逆フーリエ変換回路と、該逆フーリエ変換回路から出力された回り込みキャンセル残差のインパルス応答から前記FIRフィルタ制御する部分だけを抽出して逐次更新して前記FIRフィルタに係数として供給する係数抽出回路と、該係数抽出回路から出力された信号が分岐して供給されており、前記FIRフィルタに供給した係数を前記係数抽出回路が次に係数更新するまで遅延させて出力する遅延回路とを少なくとも具えてなることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明回り込みキャンセラは、前記周波数特性算出回路が、ISDB−T方式におけるOFDMセグメントのキャリア変調方式毎に前記FFT回路の出力信号から系全体の総合伝達関数に対応する周波数特性データを算出するように構成したことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明回り込みキャンセラは、前記周波数特性連続化回路が、当該回路入力信号である前記周波数特性算出回路からの周波数特性データの周波数位相特性に生じる不連続を除去して出力する位相連続化回路と、前記周波数特性算出回路において周波数特性データを算出することができたキャリアにおける前記位相連続化回路からの信号を用いて前記周波数特性算出回路において算出することできないキャリアの周波数特性データを内挿補間して出力する周波数特性補間回路とを具えてなることを特徴とするものである。
また、本発明回り込みキャンセラは、前記周波数特性算出回路が、当該回路への入力信号である前記FFT回路からの信号のうちCPとそれ以外のキャリアを分離して出力するCP分離回路と、該CP分離回路からの出力されるCP以外のキャリアが入力されており、入力信号をOFDMセグメント毎に分割して出力するセグメント分割回路と、該セグメント分割回路からの信号を前記TMCC復号回路からの各セグメントにおけるデータキャリアの変調方式に従って、同期変調部のセグメントと差動変調部のセグメントに分割して出力する同期部・差動部ゲート回路と、該同期部・差動部ゲート回路からの同期変調部のセグメントの信号が入力されており、入力信号に含まれるSPを用いて同期変調部のセグメントの周波数特性を算出して出力する同期部周波数特性算出回路と、前記同期部・差動部ゲート回路からの差動変調部のセグメントの信号が入力されており、位相変調されたキャリアを用いて差動変調部のセグメントの周波数特性を算出して出力する差動部周波数特性算出回路と、前記モード判定回路の情報から決定されるCPの送信信号で前記CP分離回路から出力されたCPの信号を複素除算してCPにおける周波数特性を算出して出力する複素除算回路と、前記同期部周波数特性算出回路から出力される周波数特性、および、前記差動部周波数特性算出回路から出力される周波数特性、および、前記複素除算回路から出力される周波数特性をそれぞれもとのセグメントの並びとなるよう合成して出力するセグメント合成回路とを具えてなることを特徴とするものである。
また、本発明回り込みキャンセラは、前記差動部周波数特性算出回路が、当該回路へ入力される前記同期部・差動部ゲート回路からの信号からCPを分離してCPとそれ以外のキャリアの信号に分離して出力する差動部CP分離回路と、前記同期部・差動部ゲート回路からの信号が供給されており、前記CPおよび前記CPと隣り合うDQPSK変調されたデータキャリアの位相差からデータキャリアの位相がπ/4シフトのどの位相にあるかを判定して出力するπ/4シフト判定回路と、前記差動部CP分離回路から出力されるCP以外のキャリア信号が供給されておりDQPSK変調されたキャリアとBPSK変調されたキャリアに分割してそれぞれ出力するDQPSK・BPSKゲート回路と、該DQPSK・BPSKゲート回路からのDQPSK変調されたキャリアの信号が供給されており、前記π/4シフト判定回路からの信号に従ってDQPSK変調されたキャリアの位相変調成分を除去することでDQPSK変調されたキャリアの周波数特性を算出するDQPSKキャリア周波数特性算出回路と、該DQPSK・BPSKゲート回路からのBPSK変調されたキャリアの信号が供給されており、BPSK変調されたキャリアの位相変調成分を除去し、キャリアの振幅を等化することで、BPSK変調されたキャリアの周波数特性を算出するBPSKキャリア周波数特性算出回路と、前記モード判定回路の情報から決定されるCPの送信信号で前記差動部CP分離回路から出力されたCPの信号を複素除算してCPにおける周波数特性を算出して出力する第2の複素除算回路と、前記DQPSKキャリア周波数特性算出回路から出力される周波数特性、および、前記BPSKキャリア周波数特性算出回路から出力される周波数特性、および、前記第2の複素除算回路から出力される周波数特性をそれぞれもとのキャリアの並びとなるよう合成して出力する周波数特性合成回路とを具えてなることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照し、発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
以下においては、説明中の数式導出の詳細は、本発明者らの発明に係る回り込みキヤンセラ(特願平10−162189号、特願平11−156234号、および特願平11−147885号、いずれも「回り込みキヤンセラ」)の出願明細書の記載を参照されたい。また、地上デジタル放送方式(ISDB−T)については、三木信之、黒田 徹、堀江 力、広瀬慎介、福原黎児、小室憲司、「地上ディジタルテレビジョン放送実証実験用放送設備」,映像情報メディア学会,Vol. 53, No.2,pp. 187−193,1999、または「特集 地上デジタル放送方式の研究」,NHK技研R&D,No. 56,May,1999などを参照されたい。
【0012】
図1は、回り込みキャンセルを説明する図であり、回り込みキャンセラ(ただし、この回り込みキャンセラは、例えば、上述した特願平11−156234号の出願明細書において開示されている回り込みキャンセラであり、本発明によるものではない。)を使用して中継放送所の送受アンテナ間での回り込みをキャンセルする方法の原理的構成の一構成例をブロック図にて示している。
図1において、1は受信変換部、2は回り込みキヤンセラ、3はフィルタ係数生成回路、4はFIR(Finite Impulse Response)フィルタ、5は減算器、6は送信変換部である。
以下の説明における信号や伝達関数の表示については、大文字が複素数、小文字が実数をそれぞれ表すものとする。また、ωは角周波数、tは時間をそれぞれ表すものとする。
【0013】
図1中のX(ω)は親局からの希望波、R(ω)は受信変換部1への入力信号、S(ω)は送信変換部6への入力信号、Gl(ω)は受信変換部1の伝達関数、G2(ω)は送信変換部6の伝達関数、C(ω)は回り込み伝送路特性を示す伝達関数、そして、C′(ω)は回り込みキヤンセラ2中のFIRフィルタ4の伝達関数である。
このような構成において、親局からの希望波X(ω)は、(1)式に示すように、図示の受信アンテナで回り込み波C(ω)G2(ω)S(ω)との合成波として受信され、受信信号R(ω)として受信変換部1に入力される。
【数1】
Figure 0003790953
【0014】
受信変換部1においては、受信信号R(ω)に対してフィルタ処理や周波数変換などが行われ、G1(ω)R(ω)として回り込みキャンセラ2へ出力される。ここで、回り込み波の成分は、受信変換部1の伝達関数G1(ω)が掛け合わされG1(ω)C(ω)G2(ω)S(ω)となっている。
【0015】
回り込みキャンセラ2は、フィルタ係数生成回路3で送信変換部6への入力信号である回り込み観測信号S(ω)から回り込み伝送路特性を推定し、推定した回り込み伝送路特性をフィルタ係数W(t)としてFIRフィルタ4に与える。ここで、フィルタ係数W(t)をフーリエ変換した伝達関数で表すとC′(ω)となり、フィルタ係数生成回路3は、(2)式を満たすようなフィルタ係数W(t)を生成する。
【数2】
Figure 0003790953
【0016】
FIRフィルタ4は、フィルタ係数W(t)で表される回り込み伝送路特性C′(ω)を回り込み観測信号S(ω)に与えることで、回り込み波の複製信号C′(ω)S(ω)を作り出し、減算器5へ送る。減算器5においては、(3)式に示すように、受信変換部1の出力信号G1(ω)R(ω)から回り込み波の複製信号C′(ω)S(ω)が減算され、減算器5の出力は親局波だけの成分となり、従って、回り込みキャンセラ2の出力には親局からの希望波G1(ω)X(ω)だけが出力される。
【数3】
Figure 0003790953
【0017】
図2は、図1と同様、回り込みキャンセルを説明する図であり、回り込みキャンセラ(これも、図1の場合と同様、本発明によるものではない)を使用して中継放送所の送信アンテナ間での回り込みをキャンセルする方法の原理的構成の他の構成例をブロック図にて示している。なお、上記説明した図1と同一符号を付して示されるブロックは、両図(図1と図2)において同一の回路要素を示すものとする。
図2に示した構成においては、回り込みキャンセラ2を動作させるために必要な回り込み観測信号を、図1で送信変換部6の入力側から得ていたのを、送信変換部6の出力側から得ている。この構成の場合、FIRフィルタ4の入力信号がG2(ω)S(ω)(図1の場合は、S(ω))であるため、送信変換部6の伝達関数G2(ω)を考慮して、フィルタ係数生成回路3において、C′(ω)=C(ω)G1(ω)(C(ω)は、回り込み伝送路特性を示す伝達関数)となるようにフィルタ係数W(t)を生成する。このため、図2の構成においては、送信変換部6への入力信号S(ω)をもフィルタ係数生成回路3に入力して、送信変換部6の伝達関数G2(ω)を算出している。このようにして生成したフィルタ係数W(t)をFIRフィルタ4に与えることで、FIRフィルタ4の出力はC(ω)G1(ω)G2(ω)S(ω)となり、減算器5において、回り込み波をキャンセルすることができる。
【0018】
図2に示した構成のものは、たとえ、送信変換部6の増幅器の入出力特性に非線形が生じていても、その非線形の影響を受けた信号をもとに回り込み波の複製信号を作り出すようにしているため、回り込み波を高精度にキャンセルすることができるという利点を有している。
【0019】
以上、図1、図2に基づいて説明した回り込みキャンセル系、また、その回り込みキャンセル系で使用される回り込みキャンセラ2(それぞれの図参照)は、公知のものであるが、本発明による回り込みキャンセラ、およびそれを用いて構成した回り込みキャンセル系と上位概念において同じ原理に基づいて、本発明を理解するためには、まず、上記についての理解が必要であるから説明したものである。
【0020】
以下に、本発明回り込みキャンセラについて説明する。当然のことであるが、以下に説明する本発明回り込みキャンセラは、図1に示す回り込みキャンセル系に適用されるものである。
図3は、本発明による回り込みキャンセラの一実施形態をブロック図に示している。
図3においても、図1、図2に倣って、回り込みキャンセラ、フィルタ係数生成回路、FIRフィルタおよび減算器をそれぞれ符号2,3,4,5で示すものとする。
図3において、7は直交復調回路、8はモード判定回路、9はFFT(Fast Fourier Transform :高速フーリエ変換)回路、10はTMCC復号回路、11は周波数特性算出回路、12は周波数特性連続化回路、13は主波成分抽出回路、14はキャンセル残差演算回路、15は逆フーリエ変換回路、16は係数更新回路、17は遅延回路である。
【0021】
動作について説明する。
フィルタ係数生成回路3の入力信号である回り込み観測信号S(ω)は、直交復調回路7において直交復調して等価ベースバンド信号とし、さらに、周波数軸のキャリア信号に変換するため、FFT回路9へ入力される。また、回り込み観測信号S(ω)は、ISDB−T方式のモード判定のためにモード判定回路8へ入力され、モード判定回路8で判定されたモード情報をFFT回路9および周波数特性算出回路11へ出力する。FFT回路9においては、モード判定回路8で判定されたモード情報からFFTのポイント数を決定し、直交復調回路7の出力からFFTのポイント数の有効シンボル期間を抽出してFFTする。
【0022】
TMCC復号回路10においては、FFT回路9の出力であるキャリア信号データからTMCCを復号し、各OFDMセグメントのキャリア変調方式、OFDMフレーム同期ならびにOFDMシンボル番号などの情報を周波数特性算出回路11および周波数特性連続化回路12へ出力する。周波数特性算出回路11においては、モード判定回路8の出力およびTMCC復号回路10の出力から各OFDMセグメントの情報を判定し、FFT回路9の出力についてキャリア変調方式毎に周波数特性データを算出する。さらに、周波数特性連続化回路12において、TMCC復号回路10の出力をもとに、周波数特性算出回路11からの周波数特性データの不連続点を連続化する処理を行い、回り込みキャンセラ系の総合伝達関数を示す周波数特性F(ω)を出力する。
【0023】
主波成分抽出回路13においては、周波数特性連続化回路12の出力である回り込みキャンセラ系の総合伝達関数を示す周波数特性F(ω)から希望波の成分である主波成分Dを算出する。キャンセル残差演算回路14において、周波数特性連続化回路12の出力である周波数特性F(ω)と主波成分抽出回路13の出力である主波成分Dとを用いて、実際の回り込みの伝達関数C(ω)G1(ω)G2(ω)とFIRフィルタ4の伝達関数C′(ω)との差分の伝達関数E(ω)を作り出す。ここでE(ω)は(4)式で求められる。
【数4】
Figure 0003790953
【0024】
逆フーリエ変換回路15においては、伝達関数E(ω)をインパルス応答H(t)に変換する。さらに、係数更新回路16において、逆フーリエ変換回路15の出力であるH(t)と前回係数更新した際の当該回路16の出力である遅延回路17の出力W′(t)を用いて、新しいフィルタ係数W(t)を得る。係数更新回路16の出力であるフィルタ係数W(t)は(5)式で定義する。
W(t)=W′(t)+μH(t) (5)
ここで、μは更新係数であり、通常0<μ≦1の値をとる。
以上が、フィルタ係数回路3(図1,図2中に、同一符号で示す部分に相当する)の処理内容である。
【0025】
FIRフィルタ4においては、図1および図2の場合と同様に係数更新回路16の出力であるフィルタ係数W(t)から回り込み伝送路特性と同じ周波数特性C′(ω)を作り出し、また、同フィルタ4に入力される回り込み観測信号S(ω)と乗算することで、回り込み波の複製C′(ω)S(ω)を出力する。さらに、減算器5において、FIRフィルタ4出力の回り込み波の複製信号C′(ω)S(ω)を受信信号R(ω)から減算することで、回り込み波をキャンセルし、回り込み波がキャンセルされた信号S(ω)を送信変換部6へ送出する。
【0026】
図4は、図3中の周披数特性算出回路11(図3中のフィルタ係数回路3内に示される)の一構成例をブロック図にて示している。
図4において、18はCP分離回賂、19はセグメント分割回路、20は同期部・差動部ゲート回路、21は同期部周波数特性算出回路、22は差動部周波数特性算出回路、23はCP発生器、24は複素除算回路、25はセグメント合成回路である。
【0027】
図5は、ISDB−T方式におけるOFDMセグメントの構成を示している。
【0028】
CP分離回路18においては、モード判定回路8(図3参照)の出力を用いてOFDM信号のキャリア本数を算出し、FFT回路9(図3参照)の出力であるOFDMキャリア信号の最も高い周波数のキャリアであるCPを分離して、CPは複素除算回路24へ、その他のキャリア信号はセグメント分割回路19へそれぞれ出力する。次段のセグメント分割回路19においては、CP分離回路18の出力であるCP以外のキャリア信号をOFDMセグメントに分割して同期部・差動部ゲート回路20へ出力する。さらに、同期部・差動部ゲート回路20においては、TMCC復号回路10(図3参照)からの各OFDMセグメントのキャリア変調方式の情報に基づき、同期変調部(QPSK,16QAM,64QAM)のセグメントは同期部周波数特性算出回路21へ、差動変調部(DQPSK)のセグメントは差動部周波数特性算出回路22へそれぞれ出力する。
【0029】
同期部周披数特性算出回路21においては、同期変調部(QPSK,16QAM,64QAM)のセグメントについて周波数特性データを算出し、また、差動部周波数特性算出回路22においては、差動変調部(DQPSK)のセグメントについて周波数特性データを算出し、ともにセグメント合成回路25へ出力する。なお、CP発生器23においては、モード判定回路8(図3参照)の出力であるモード情報からキャリアの位置で決定するCPの位相情報を得て、親局送信信号と同じ位相と振幅を有するCPを出力する。さらに、複素除算回路24においては、CP分離回路18からのCPをCP発生器23からのCPで複素除算(すなわち、図に分子、分母で示す関係に複素除算)し、除算結果をCPにおける周波数特性データとしてセグメント合成回路25へ出力する。
【0030】
セグメント合成回路25においては、同期部周波数特性算出回路21の出力の周波数特性、差動部周波数特性算出回路22の出力の周波数特性データ、および複素除算回路24の出力の周波数特性データを合成して、周波数特性連続化回路(図3参照)へ出力する。
【0031】
図6は、図4中の同期部周波数特性算出回路21の一構成例をブロック図にて示している。
図6において、26はSP発生器、27は条件付複素除算回路である。
【0032】
図7は、ISDB−TのModel(キャリア間隔は約4kHz)における同期変調部のOFDMセグメントにおけるSPの配置を示している。
【0033】
図6において、SP発生器26は、モード判定回路8(図3参照)の出力とTMCC復号回路10(図3参照)の出力をもとに、親局送信信号と同じ位相と振幅を有するSPを作り出して出力する。
【0034】
SPは、図7に示すように、キャリア方向に12キャリアに1回、シンボル方向に4シンボルに1回それぞれ挿入されていて、SPの挿入位置は1シンボル毎に3キャリアだけシフトしている。また、SPのキャリア位相はSPのキャリア位置で規定されている。条件付複素除算回路27においては、同期部・差動部ゲート回路19(図4参照)の出力キャリア信号をSP発生器26出力のSPで複素除算(すなわち、図に分子、分母で示す関係に複素除算)して出力する。このとき、SP発生器26からの出力中にSPが存在するキャリア位置については複素除算した結果を、また、SPが存在しないキャリア位置については0をそれぞれセグメント合成回路25(図4参照)へ出力する。なお、図7に示すように、同期変調部のセグメントにはSP以外にBPSK(正確にはDBPSK)変調されたTMCCやACのキャリアも存在し、これらのキャリアからも回り込み伝送路特性の推定が可能であるが、SPとTMCCやACでは回り込み伝送路特性の推定方法が異なるため、回路構成が複雑になるという欠点がある。
【0035】
図8は、図4中の差動部周波数特性算出回路22の一構成例をブロック図にて示している。
図8において、28は差動部CP分離回路、29はDQPSK・BPSKゲート回路、30はπ/4シフト判定回路、31はDQPSKキャリア周波数特性算出回路、32はBPSKキャリア周波数特性算出回路、33は差動部CP発生器、34は複素除算回路、35は周波数特性合成回路である。
【0036】
図9は、ISDB−TのModel(キャリア間隔約4kHz)における差動変調(DQPSK)部のOFDMセグメントにおけるキャリアの配置を示している。差動変調部のセグメントの各キャリアのうち最も低い周波数のキャリアはCPであり、CPの位相はOFDM信号におけるキャリアの位置によって規定され、OFDMシンボル番号で変化しない。
【0037】
差勤部CP分離回路28において、差勤変調部のセグメントのキャリアのうち最も低い周波数のキャリアであるCPを分離し、そのCPは複素除算回路34へ、その他のキャリア信号はDQPSK・BPSKゲート回路29へそれぞれ出力する。さらに、DQPSK・BPSKゲート回路29において、DQPSK変調されたデータキャリアはDQPSKキャリア周波数特性算出回路31へ出力し、BPSK変調されたTMCCとACはBPSKキャリア周波数特性算出回路32へ出力する。π/4シフト判定回路30においては、差動変調部のセグメントのキャリアのうち最も低い周波数のキャリアであるCPと隣り合ったデータキャリアとの位相差を割り出し、データキャリアの位相がπ/4シフトによってπ/4、3π/4、5π/4、7π/4の位置にある場合には0を、0、π/2、π、3π/2の位置にある場合には1をそれぞれ出力する。
【0038】
DQPSKキャリア周波数特性算出回路31においては、DQPSK・BPSKゲート回路29の出力のうちDQPSK変調されたデータキャリアについて周波数特性データを算出する。以下に、DQPSKキャリア周波数特性算出回路31におけるDQPSKのキャリアの周波数特性データの算出法について説明する。
【0039】
DQPSKキャリアの実部、虚部信号をそれぞれ、SI(i,k)、SQ(i,k)とする。ここで、iはOFDMのシンボル番号、kはOFDMのキャリア番号をそれぞれ表すものとする。SI(i,k)、SQ(i,k)について極座標変換し、位相項θ(i,k)、振幅項r(i,k)に変換する。θ(i,k)、r(i,k)はそれぞれ(6)式、(7)式で表される。
【数5】
Figure 0003790953
【数6】
Figure 0003790953
【0040】
次に、π/4シフト判定回路30の出力をaとして(8)式の演算を行う。
【数7】
Figure 0003790953
さらに、(9)式の演算を行うことで、DQPSKキャリアの変調成分を除去する。
【数8】
Figure 0003790953
ここで、FLR〔 〕は、小数点以下の数字を切り捨てて整数化する処理を表している。
【0041】
(7)式、(9)式の振幅項、位相項を直交座標変換し、FqI(i,k)、FqQ(i,k)として出力する。ここで、FqI(i,k)、FqQ(i,k)はi番目のシンボル、k番日のキャリアの周波数における周波数特性データであり、これらは(10)式、(11)式でそれぞれ求められる。
【数9】
Figure 0003790953
【0042】
同様に、BPSKキャリア周波数特性算出回路32においては、DQPSK・BPSKゲート回路29出力のうちBPSKキャリアについて周波数特性データを算出する。以下に、BPSKキャリア周波数特性算出回路32におけるBPSKキャリアの周波数特性データの算出法について説明する。
【0043】
各キャリアの実部、虚部信号をそれそれ、SI(i,k)、SQ(i,k)とする。ここでも、iはOFDMのシンボル番号、kはOFDMのキャリア番号をそれそれ表すものとする。SI(i,k)、SQ(i,k)について極座標変換し、位相項θ(i,k)、振幅項r(i,k)に変換する。θ(i,k)、r(i,k)はそれそれ(12)式、(13)式で表される。
【数10】
Figure 0003790953
【0044】
次に、すべてのBSPKキャリアの位相項に対して(14)式の演算を行う。
【数11】
Figure 0003790953
また、BSPK変調されたACおよびTMCCの各キャリアの振幅は、データキャリアに対して4/3倍の振幅を持っているため、これをデータキャリアの振幅と同じにするために(15)式の演算を行い等化する。
【数12】
Figure 0003790953
【0045】
さらに、(16)式の演算を行うことで、BPSKキャリアの変調成分を除去する。
【数13】
Figure 0003790953
ここで、FLR〔 〕は、少数点以下の数字を切り捨てて整数化する処理を表している。
【0046】
(15)式、(16)式の振幅項、位相項を直交座標変換し、FbI(i,k)、FbQ(i,k)として出力する。ここで、FbI(i,k)、FbQ(i,k)はi番目のシンボル、k番目のキャリアの周波数における周波数特性データであり、これらは(17)式、(18)式でそれぞれ求められる。
【数14】
Figure 0003790953
【0047】
図8に示すDQPSKキャリア周波数特性算出回路31およびBPSKキャリア周波数特性算出回路32の例では極座標変換して周波数特性を求める方法について説明したが、これらは、同様の位相処理を直交座標系におけるキャリアの実部、虚部の複素演算によって行うことで、周波数特性を求めることもできる。
【0048】
差動部CP発生器33においては、モード判定回路8(図3参照)およびTMCC復号回路10(同じく図3参照)の各出力をもとに、差動変調部のセグメントのキャリアのうち最も低い周波数のキャリアに挿入された親局送信信号と同じ振幅と位相を有するCPを発生する。さらに、複素除算回路34において、差動部CP分離回路28の出力のCPを差動部CP発生器33の出力で複素除算(すなわち、図に分子、分母で示す関係に複素除算)し、差動変調部のCPにおける周波数特性データを算出して出力する。周波数特性合成回路35においては、上述したDQPSKキャリア周波数特性算出回路31、BPSKキャリア周波数特性算出回路32および複素除算回路34のそれぞれの出力を合成して、差動変調部の周波数特性データとしてセグメント合成回路25(図4参照)へ出力する。
【0049】
図10は、図3中の周波数特性連続化回路12の一構成例をブロック図にて示している。
図10において36は位相連続化回路、37は周波数特性補間回路である。
位相連続化回路36においては、TMCC復号回路10(図3参照)の出力を用いて、周波数特性算出回路11(図3参照)から出力されるデータのうち差動変調部のセグメントについて位相連続化処理を行う。この処理はキャリア変調方式毎の周波数特性算出法の違いや、回り込みによる位相の不連続を除去するものである。以下に、位相連続化回路36における位相連続化処理について説明する。
【0050】
差動変調部の各キャリアの実部、虚部信号をそれぞれ、FdI(i,k)、FdQ(i,k)とする。ここで、iはOFDMのシンボル番号、kはOFDMのキャリア番号をそれぞれ表すものとする。FdI(i,k)、FdQ(i,k)について極座標変換し、位相項θd(i,k)、振幅項rd(i,k)に変換する。θd(i,k)、rd(i,k)はそれぞれ(19)式、(20)式で表される。
【数15】
Figure 0003790953
【0051】
次に、差動変調部のセグメント内での位相について、(21)式で隣り合うキャリアとの位相差Δθd(i,k)を算出する。
【数16】
Figure 0003790953
さらに、(22)式に示す演算を行うことで、位相連続化処理を行う。
【数17】
Figure 0003790953
ここで、FLR〔 〕は、小数点以下の数字を切り捨てて整数化する処理を表している。
【0052】
(20)式、(22)式の振幅項、位相項を直交座標変換し、FdI′(i,k)、FdQ′(i,k)として出力する。ここで、FdI′(i,k)、FdQ′(i,k)はi番目のシンボル、k番目のキャリアの周波数における周波数特性データであり、これらは(23)式、(24)式でそれぞれ求められる。
【数18】
Figure 0003790953
【0053】
差動変調部のセグメント内での位相連続化処理は、差動変調部セグメント内の最も周波数の低いキャリアであるCPを基準として位相連続化していくことで、隣り合うセグメントとの接合点においても連続性が保たれた周波数位相特性を得ることができる。また、上述例では、極座標変換して位相を連続化する方法について説明したが、これらは、同様の位相処理を直交座標系におけるキャリアの実部、虚部の複素演算によって行うことで、位相連続化することもできる。
【0054】
図10に示す周波数特性補間回路37においては、同期変調部のSP以外の各キャリアの周波数における周波数特性データをSPなどの周波数特性データを用いて内挿補間して出力する。一例として、周波数特性補間回路37における周波数特性データの内挿補間は次の(1)から(2)のステップで行う。なお、周波数特性データの内挿補間は低い周波数のキャリアから行っていくものとする。
【0055】
(1)同一セグメント内のSP間の周波数特性データについては、隣り合う2つのSPの周波数に対応する周波数特性データを用いて内挿補間する。
(2)セグメント内の最も周波数の高いSPよりも高い周波数のキャリアの周波数に対応する周波数特性データについては、次の条件により内挿補間を行う。
a.周波数の高い側に配置された隣接した次のセグメントが同期変調部の場合には、セグメント内の最も周波数の高いSPと隣接した次のセグメントの最も低い周波数のSPの周波数に対応する周波数特性データを用いて、この間の各キャリアの周波数に対応する周波数特性データを内挿補間する。
b.周波数の高い側に配置された隣接した次のセグメントが差動変調部の場合には、セグメント内の最も周波数の高いSPと隣接した次の差動変調部のセグメントのCPの周波数に対応する周波数特性データを用いて、この間の各キャリアの周波数に対応する周波数特性データを内挿補間する。
c.周波数の高い側に隣接した次のセグメントがない場合、すなわち図5に示すセグメント番号12の場合、セグメント内の最も周波数の高いSPとOFDM信号の各キャリア信号の中で最も周波数の高いキャリアに配置されたCPの周波数特性データを用いて、この間の各キャリアの周波数に対応する周波数特性データを内挿補間する。
【0056】
上述した周波数特性データの内挿補間においては、最も低い周波数のセグメント(図5に、セグメント番号11として示されている)が同期変調部の場合、最も周波数の低いSPより低い周波数の各キャリアの周波数に対応する周波数特性データについては補間を行っていないが、本発明者らの発明に係る特願平11−153430号「回り込みキャンセラ」の出願明細書に記載した処理を行うことで、最も周波数の低いSPより低い周波数の各キャリアの周波数に対応する周波数特性データも外挿補間することができる。
【0057】
最後に、以上説明した本発明による回り込みキャンセラは、その回り込みキャンセラに入力する回り込み観測信号を送信変換部の入力側から得る(すなわち、図1に示す構成例)ものとしたが、これは、送信変換部の出力側から得る(すなわち、図2に示す構成例)ように変更して実施することも極めて容易である。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、OFDMセグメントのキャリア変調方式毎に系の総合伝達関数に対応する周波数特性データを算出し、周波数特性データに不連続がないように周波数特性データを補間する構成となっているので、本発明回り込みキャンセラを用いることにより、日本における地上デジタル放送方式のように複数のキャリア変調方式が混在しているISDB−T方式においても、精度の高い回り込み波のキャンセルを行う回り込みキャンセラを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回り込みキャンセラを説明する図であり、回り込みキャンセラを使用して中継放送所の送受アンテナ間での回り込みをキャンセルする方法の原理的構成の一構成例をブロック図にて示している。
【図2】 回り込みキャンセラを説明する図であり、回り込みキャンセラを使用して中継放送所の送受アンテナ間での回り込みをキャンセルする方法の原理的構成の他の構成例をブロック図にて示している。
【図3】 本発明による回り込みキャンセラの一実施形態をブロック図にて示している。
【図4】 図3中の周波数特性算出回路の一構成例をブロック図にて示している。
【図5】 ISDB−T方式におけるOFDMセグメントの構成を示している。
【図6】 図4中の同期部周波数特性算出回路の一構成例をブロック図にして示している。
【図7】 ISDB−TのModel における同期変調部のOFDMセグメントにおけるSPの配置を示している。
【図8】 図4中の差動部周波数特性算出回路の一構成例をブロック図にて示している。
【図9】 ISDB−TのModel における差動変調部のOFDMセグメントにおけるキャリアの配置を示している。
【図10】 図3中の周波数特性連続化回路の一構成例をブロック図にて示している。
【符号の説明】
1 受信変換部
2 回り込みキャンセラ
3 フィルタ係数生成回路
4 FIRフィルタ
5 減算器
6 送信変換部
7 直交復調回路
8 モード判定回路
9 FFT(高速フーリエ変換)回路
10 TMCC復号回路
11 周波数特性算出回路
12 周波数特性連続化回路
13 主波成分抽出回路
14 キャンセル残差演算回路
15 逆フーリエ変換回路
16 係数更新回路
17 遅延回路
18 CP分離回路
19 セグメント分割回路
20 同期部・差動部ゲート回路
21 同期部周波数特性算出回路
22 差動部周波数特性算出回路
23 CP発生器
24 複素除算回路
25 セグメント合成回路
26 SP発生器
27 条件付複素除算回路
28 差動部CP分離回路
29 DQPSK・BPSKゲート回路
30 π/4シフト判定回路
31 DQPSKキャリア周波数特性算出回路
32 BPSKキャリア周波数特性算出回路
33 差動部CP発生器
34 複素除算回路
35 周波数特性合成回路
36 位相連続化回路
37 周波数特性補間回路

Claims (5)

  1. 受信系統からの入力信号が供給される被減算端子および送受アンテナ間の回り込みをキャンセルするための信号が供給される減算端子を有している減算器と、
    該減算器の出力信号が入力され受信信号を増幅して再送信するための送信系統の入出力信号のいずれか一方の信号が分岐されて回り込み観測信号として供給され回り込み信号の複製を発生して前記減算器の減算端子に供給するFIRフィルタと、
    前記回り込み観測信号が分岐されて供給され、入カされた信号を直交復調して複素の等価ベースバンド信号を出力する直交復調回路と、
    前記回り込み観測信号が分岐されて供給され、入力された信号からISDB−T方式モードおよびガード比を判定して出力するモード判定回路と、
    該モード判定回路からの信号で決定されるFFTポイント数で前記直交復調回路からの等価ベースバンド信号をFFTして周波数領域の信号に変換して出力するFFT回路と、
    該FFT回路の出力信号からISDB−T方式の各セグメントにおけるデータキャリアの変調方式の情報を含んだTMCCを復号するTMCC復号回路と、
    該TMCC復号回路からの信号および前記モード判定回路からの信号に従って、
    前記FFT回路の出力信号から系全体の総合伝達関数に対応する周波数特性データを算出する周波数特性算出回路と、
    該周波数特性算出回路からの周波数特性データを、前記TMCC復号回路からの信号に従って連続化する周波数特性連続化回路と
    該周波数特性連続化回路からの信号を平均化して主波成分を出力する主波成分抽出回路と、
    該主波成分抽出回路からの出力と前記周波数特性連続化回路からの周波数特性データから回り込みのキャンセル残差の周波数特性を算出して出力するキャンセル残差演算回路と、
    該キャンセル残差演算回路から出力される回り込みキャンセル残差の周波数特性を逆フーリエ変換して時間領域の回り込みキャンセル残差のインパルス応答を算出する逆フーリエ変換回路と、
    該逆フーリエ変換回路から出力された回り込みキャンセル残差のインパルス応答から前記FIRフィルタ制御する部分だけを抽出して逐次更新して前記FIRフィルタに係数として供給する係数抽出回路と、
    該係数抽出回路から出力された信号が分岐して供給されており、前記FIRフィルタに供給した係数を前記係数抽出回路が次に係数更新するまで遅延させて出力する遅延回路とを少なくとも具えてなることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  2. 請求項1記載の回り込みキャンセラにおいて、前記周波数特性算出回路
    ISDB−T方式におけるOFDMセグメントのキャリア変調方式毎に前記FFT回路の出力信号から系全体の総合伝達関数に対応する周波数特性データを算出するように構成したことを特徴とする回り込みキャンセラ。
  3. 請求項1または2記載の回り込みキャンセラにおいて、前記周波数特性連続化回路
    当該回路入力信号である前記周波数特性算出回路からの周波数特性データの周波数位相特性に生じる不連続を除去して出力する位相連続化回路と、
    前記周波数特性算出回路において周波数特性データを算出することができたキャリアにおける前記位相連続化回路からの信号を用いて前記周波数特性算出回路において算出することできないキャリアの周波数特性データを内挿補間して出力する周波数特性補間回路とを具えてなることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項記載の回り込みキャンセラにおいて、前記周波数特性算出回路が、
    当該回路への入力信号である前記FFT回路からの信号のうちCPとそれ以外のキャリアを分離して出力するCP分離回路と、
    該CP分離回路からの出力されるCP以外のキャリアが入力されており、入力信号をOFDMセグメント毎に分割して出力するセグメント分割回路と、
    該セグメント分割回路からの信号を前記TMCC復号回路からの各セグメントにおけるデータキャリアの変調方式に従って、同期変調部のセグメントと差動変調部のセグメントに分割して出力する同期部・差動部ゲート回路と、
    該同期部・差動部ゲート回路からの同期変調部のセグメントの信号が入力されており、入力信号に含まれるSPを用いて同期変調部のセグメントの周波数特性を算出して出力する同期部周波数特性算出回路と、
    前記同期部・差動部ゲート回路からの差動変調部のセグメントの信号が入力されており、位相変調されたキャリアを用いて差動変調部のセグメントの周波数特性を算出して出力する差動部周波数特性算出回路と、
    前記モード判定回路の情報から決定されるCPの送信信号で前記CP分離回路から出力されたCPの信号を複素除算してCPにおける周波数特性を算出して出力する複素除算回路と、
    前記同期部周波数特性算出回路から出力される周波数特性、および、前記差動部周波数特性算出回路から出力される周波数特性、および、前記複素除算回路から出力される周波数特性をそれぞれもとのセグメントの並びとなるよう合成して出力するセグメント合成回路とを具えてなることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  5. 請求項4記載の回り込みキャンセラにおいて、前記差動部周波数特性算出回路が、
    当該回路へ入力される前記同期部・差動部ゲート回路からの信号からCPを分離してCPとそれ以外のキャリアの信号に分離して出力する差動部CP分離回路と、
    前記同期部・差動部ゲート回路からの信号が供給されており、前記CPおよび前記CPと隣り合うDQPSK変調されたデータキャリアの位相差からデータキャリアの位相がπ/4シフトのどの位相にあるかを判定して出力するπ/4シフト判定回路と、
    前記差動部CP分離回路から出力されるCP以外のキャリア信号が供給されておりDQPSK変調されたキャリアとBPSK変調されたキャリアに分割してそれぞれ出力するDQPSK・BPSKゲート回路と、
    該DQPSK・BPSKゲート回路からのDQPSK変調されたキャリアの信号が供給されており、前記π/4シフト判定回路からの信号に従ってDQPSK変調されたキャリアの位相変調成分を除去することでDQPSK変調されたキャリアの周波数特性を算出するDQPSKキャリア周波数特性算出回路と、
    該DQPSK・BPSKゲート回路からのBPSK変調されたキャリアの信号が供給されており、BPSK変調されたキャリアの位相変調成分を除去し、キャリアの振幅を等化することで、BPSK変調されたキャリアの周波数特性を算出するBPSKキャリア周波数特性算出回路と、
    前記モード判定回路の情報から決定されるCPの送信信号で前記差動部CP分離回路から出力されたCPの信号を複素除算してCPにおける周波数特性を算出して出力する第2の複素除算回路と、
    前記DQPSKキャリア周波数特性算出回路から出力される周波数特性、および、前記BPSKキャリア周波数特性算出回路から出力される周波数特性、および、前記第2の複素除算回路から出力される周波数特性をそれぞれもとのキャリアの並びとなるよう合成して出力する周波数特性合成回路とを具えてなることを特徴とする回り込みキャンセラ。
JP26656799A 1999-09-21 1999-09-21 回り込みキャンセラ Expired - Lifetime JP3790953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26656799A JP3790953B2 (ja) 1999-09-21 1999-09-21 回り込みキャンセラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26656799A JP3790953B2 (ja) 1999-09-21 1999-09-21 回り込みキャンセラ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001094528A JP2001094528A (ja) 2001-04-06
JP2001094528A5 JP2001094528A5 (ja) 2006-03-23
JP3790953B2 true JP3790953B2 (ja) 2006-06-28

Family

ID=17432629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26656799A Expired - Lifetime JP3790953B2 (ja) 1999-09-21 1999-09-21 回り込みキャンセラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3790953B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3713214B2 (ja) * 2001-03-28 2005-11-09 日本無線株式会社 伝送路特性測定器および回り込みキャンセラ
KR100746577B1 (ko) * 2006-01-02 2007-08-06 최동식 간섭 제거형 무선 중계기
JP4891893B2 (ja) * 2007-12-27 2012-03-07 日本放送協会 回り込みキャンセラ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001094528A (ja) 2001-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4409639B2 (ja) 回り込みキャンセラ
KR102555888B1 (ko) 프리앰블 기반의 ofdm 미세 주파수 오프셋 추정
JP4149044B2 (ja) ディジタル多重搬送波信号の位相及び/又は周波数誤差を訂正する方法及び回路装置
KR101318519B1 (ko) Ofdm 복조 장치 및 방법
TW423241B (en) Orthogonal frequency division multiplex signal demodulating apparatus
GB2470768A (en) Receiver for OFDM symbols in a MISO system with Alamouti-type encoding
WO2007055042A1 (ja) 直交周波数分割多重信号の受信装置および受信方法
JP4311132B2 (ja) Ofdm伝送方式における受信装置
JP4903026B2 (ja) 遅延プロファイル解析回路及びそれを用いた装置
JP3842680B2 (ja) 回り込みキャンセラおよび多段中継方式
JP3787041B2 (ja) 回り込みキャンセラ
JP3790953B2 (ja) 回り込みキャンセラ
JP3842614B2 (ja) 周波数特性算出回路およびそれを用いたキャンセラならびに装置
KR20030010376A (ko) 극좌표계를 이용하여 구현한 오에프디엠 수신장치 및 방법
WO2009107347A1 (ja) 受信装置、集積回路及び受信方法
JPH11275047A (ja) 送信機、受信機および伝送方法
JP4149125B2 (ja) 回り込みキャンセラ
JP2001308820A (ja) 直交周波数分割多重信号受信装置
JP4149302B2 (ja) 伝送路特性推定装置、ofdm信号復調装置及び回り込みキャンセラ
JP3787040B2 (ja) 回り込みキャンセラ
JP4236545B2 (ja) ダイバーシティ受信用回り込みキャンセラ及び中継装置
WO2011086609A1 (ja) デジタル放送受信装置及び遅延プロファイル作成方法
JP3842486B2 (ja) 回り込みキャンセラ
JP6110650B2 (ja) 回り込みキャンセラおよび中継装置
JP2003298548A (ja) 回り込みキャンセラ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050411

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3790953

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100414

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120414

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120414

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130414

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140414

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term