JP5009397B2 - スイッチアジャスタ - Google Patents

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Description

本発明は、トングレールに接続されるスイッチアジャスタに関するものである。
転換装置と鎖錠装置とで構成される転てつ装置は、一般に、図9に示すような構造になっている。すなわち、固定された基本レールRに対して密着かつ移動可能に設けられたトングレールTと、そのトングレールTと基本レールRとの密着状態を保持する鎖錠装置としての電気転てつ機100とから構成されている。
電気転てつ機100は、一対の基本レールR,Rの外側の2本の枕木上、すなわち、軌間外に設置されるように構成されている。この電気転てつ機100は、交流モータMを駆動源とし、その交流モータMの駆動力を図示しない摩擦クラッチ、減速歯車及び転換ローラ付転換歯車の順に伝動し、その転換ローラにより動作かん101を移動するように構成されている。
動作かん101は、この動作かん101に接続されている図示しないカムが転換ローラにより移動されて、基本レールRに対して直交する方向の直線運動が与えられるように構成されている。そして、この動作かん101に接続されるスイッチアジャスタ102及びそのスイッチアジャスタ102の先端側に接続されるタイバー103を介して転換装置のトングレールTが転換されるとともに、その転換されたトングレールTの先端位置が正常な位置にあるか否かが照査され、正常な位置にある場合、動作かん101は、図示していないカムバー(ロックピース)で鎖錠されるように構成されている。
上記した照査は、トングレールTの先端部をフロントロッド104及び接続かん105を介して鎖錠かん106に伝え、その鎖錠かん106に設けられている図示しない切欠にロックピースを挿入できるか否かによって行われ、そのロックピースが切欠に挿入できれば、トングレールTの先端位置が正常と判定されるように構成されている。
トングレールTの先端位置が正常と判定されたとき、動作かん101は、カムバーにより鎖錠され、また、鎖錠かん106もロックピースにより鎖錠されて、トングレールTは、二重に鎖錠された状態、いわゆる間接二重鎖錠状態となる。
このような転てつ換装置の基本的な構成は、例えば、非特許文献1に記載されている。
そして、スイッチアジャスタ102は、動作かん101のストロークを、ポイントストロークに変え、ポイントを転換し、トングレールTを基本レールRに密着させる。そこで、この密着を調整するための密着調整機構が、例えば特許文献1により知られている。
一方、一対の基本レールの間は絶縁されているので、スイッチアジャスタと電気転てつ機との間も絶縁している。すなわち、スイッチアジャスタのロッドと動作かんとの間に、絶縁部材を介在させたり、回り止めを備える調整機構において絶縁を図っている(特許文献2)。
特開2006−265934号公報 特開2009−215727号公報
平成17年6月28日、社団法人日本鉄道電気技術協会発行、「鉄道技術者のための電気概論 信号シリーズ4 転てつ装置」、第7刷 第38〜47頁
しかしながら、スイッチアジャスタは、基本レールの下側に配置されるため、狭い空間における接続・調整作業を強いられていた。そこで、接続作業が容易で、かつスクルージョーの長さ調整が容易な作業性のよいスイッチアジャスタが切望されている。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、作業性に優れたスイッチアジャスタを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、転てつ機の動作かんまたはクランクに連結するジョー部と、転てつ棒のブラケットに連繋させるためのねじ部およびナットと、軌間絶縁部を備えるスイッチアジャスタにおいて、前記ロッドの一端を、前記転てつ機の動作かんにジョー部で連結し、前記ロッドの他端にねじ部を設け、該ねじ部に螺合させて接続部材を接続し、前記軌間絶縁部をオフセットロッドの一端に設け、前記接続部材と前記オフセットロッドの軌間絶縁部とを、ジョーピンにより連結し、前記オフセットロッドの他端にはスクルージョーを設け、該スクルージョーと前記クランクとをジョーピンにより連結するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、スイッチアジャスタを構成するロッドとオフセットロッドとの接続部分におけるジョーピンのメンテナンス性が向上する。また、オフセットロッドにおけるスクルージョーの長さ調整が容易になる。したがって、作業性のよいスイッチアジャスタを提供することができる。
本発明に係るスイッチアジャスタの一実施例を示す斜視図である。 本発明に係るスイッチアジャスタの一実施例を示す分解斜視図である。 スイッチアジャスタにおけるロッドを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 スイッチアジャスタにおけるオフセットロッドを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 スイッチアジャスタの施工状態の説明図であり、(a)および(b)は、トングレールの転換状態を示している。 スイッチアジャスタの施工状態を示す平面図である。 従来のスイッチアジャスタの施工状態の説明図であり、(a)および(b)は、トングレールの転換状態を示している。 従来のスイッチアジャスタの施工状態を示す平面図である。 従来の一般的な転てつ装置の平面図である。
本発明によるスイッチアジャスタについて図面を参照して説明する。図1はスイッチアジャスタの一実施例を示す斜視図、図2は同上の分解斜視図である。また、図3はスイッチアジャスタのロッドを示す平面図および正面図であり、図4はスイッチアジャスタのオフセットロッドを示す平面図および正面図である。
図示の実施例によるスイッチアジャスタ1は、例えば図1および図2に示すように、ジョー部210と、転てつ棒のブラケットに連繋させるためのねじ部220およびナットと、軌間絶縁部とを少なくとも備えている。また、ねじ部220には、腕金具をナットによって位置調整可能に取り付ける。
すなわち、スイッチアジャスタ1は、一端側にジョー部210を有するとともに、外周部にねじ部220を形成したロッド200と、このロッド200の先端に接続部材として取り付けたオフセット継手300とを備えている。また、このオフセット継手300には、軌間絶縁部を形成するように、オフセットロッド400の一端に設けた軌間絶縁材410が接続してある。さらに、このオフセットロッド400の他端にはスクルージョー500が形成されている。そして、各ロッド200、400あるいは各部材が、後述するジョーピンにより連結されている。
ロッド200は、一端にジョー部210が形成され、すなわちスクルージョーを備えている。また、このロッド200は、スクルージョーの基端付近で屈曲しており、スクルージョーの中心とロッド200の中心との間に、例えば90mm程度のオフセットh1を設けている(図3(b)参照)。
また、ロッド200の外周部には、ねじ部220が設けてある。このねじ部220には、後述する腕金具700を取り付けるナットとして、先ず、緩み止めナット231、ナット232、筒ナット233を螺合させ、次いで、転てつ棒と連結するための腕金具700を挿通し、再び、筒ナット233、ナット232、緩み止めナット231の順で螺合させている。
さらに、このロッド200の他端側の先端には、接続部材としてのオフセット継手300が取り付けてある。そこで、このオフセット継手300は、前記したロッド200のねじ部220に螺合可能な雌ねじ部(図示せず)を備えている。すなわち、オフセット継手300の雌ねじ部に、ロッド200のねじ部220を螺合させることにより、オフセット継手300とロッド200とを連結するのである。
このオフセット継手300は、ピン孔311を開設した舌片部材310を備えている。そして、このピン孔311にジョーピン620を挿通し、止め輪621および割ピン622を装着することにより、軌間絶縁材410を介してオフセットロッド400と、前記したロッド200とを連結する。なお、この実施例におけるオフセット継手300は、例えば図2に示すように、舌片部材310の他に、回り止リング320、座金330、および固定ナット340を備えている。そして、回り止リング320に設けた係止片321が、ロッド200の先端部に設けた係止溝221に係止するとともに、舌片部材310に設けた嵌合部(図示せず)に嵌合する。
軌間絶縁部は、軌間絶縁材410を介在させた上プレート421および下プレート422で、オフセットロッド400の内方側の端部を挟み込み、上下に貫通するボルトナット431によって固定することにより構成している。なお、上プレート421および下プレート422には、ジョーピン620を挿通するピン孔441、442が設けてある。
オフセットロッド400は、比較的長尺な棒材からなり、途中で一旦上方へ向けて屈曲し、その後再び水平方向へ向けて屈曲している。すなわち、内端側の棒材の中心と、外端側の棒材の中心との間に、例えば115mm程度のオフセットh2が設けてある。そして、水平方向へ向けた棒材の外周には、雄ねじ部420が設けてある。
この雄ねじ部420には、スクルージョー500が取り付けられている。すなわち、スクルージョー500のねじ孔に雄ねじ部420を螺合させるとともに、雄ねじ部420に予め螺合させておいた一対のダブルナット430により、スクルージョー500を固定している。そして、スクルージョー500のねじ込み量を変更することにより、オフセットロッド400の長さ、言い換えると、スイッチアジャスタ1の全長を調整することができる。
ロッド200の中間部分に臨ませている腕金具700は、両トングレールT、Tに連結させた転てつ棒(タイバー)810のブラケットに取り付けられている。すなわち、腕金具700は、転てつ棒810に対して絶縁状態となるように、絶縁部材710を介在させてボルト721、ナット722によりブラケットに固定してある。また、各ボルト721には、割ピン723が装着してある。
さらに、腕金具700には、回り止め730が装着してある。この回り止め730は、ロッド200に螺合させた第1の筒ナット233および第2の筒ナット233の締着位置の変更により、トングレールTと基本レールRとの密着度の調整を行なった後、不要な回転を阻止するためのものである。なお、回り止め730は、腕金具700のピン741に割ピン742で取り付けてある。
次に、本発明に係るスイッチアジャスタ1の施工法の一例を、図5および図6に基づいて説明する。なお、図5の(a)および(b)は、トングレールTの定位および反位を示している。
腕金具700で転てつ棒810に連結してあるロッド200の一端を、ジョーピン610により電気転てつ機820の動作かん830に連結する。すなわち、ロッド200の一端に形成したジョー部210の二又部分の間に、電気転てつ機820の動作かん830の連結片を位置させ、二又部分の通孔と連結片の通孔とを連通させ、この連通した各通孔にジョーピン610を挿通し、所定の止め輪611および割ピン612を止着して、ロッド200を動作かん830に連結する。
一方、スイッチアジャスタ1の他端を、ジョーピン630により直角クランク840に連結する。すなわち、オフセットロッド400の先端に設けたスクルージョー500のピン孔511と、直角クランク840のピン孔とを一致させ、両ピン孔にジョーピン630を挿通し、所定の止め輪631および割ピン632によって両者を連結する。
このとき、オフセットロッド400には、位置調整可能なスクルージョー500が設けてあるので、スイッチアジャスタ1の長さ調整が容易に可能である。また、この実施例では、オフセットロッド400の基端側に軌間絶縁材410を設け、この軌間絶縁材410とロッド200とを、オフセット継手300を介してジョーピン620によって連結している。このため、ロッド200の中間部分におけるメンテナンス性が、従来のスイッチアジャスタに比べてきわめて向上する。
一方、直角クランク840の他端には、リンク850を連結し、このリンク850の先には、エスケープクランク860が連結されている。そして、エスケープクランク860には、従来の構成を備えるスイッチアジャスタ2が、前記した本発明に係るスイッチアジャスタ1と同様に連結してある。
図7および図8は、従来のスイッチアジャスタ3を用いた転てつ装置を示している。すなわち、従来の転てつ装置においては、スイッチアジャスタ3のロッド200の基端が電気転てつ機の動作かん830に連結され、ロッド20の先端がオフセットロッド40の内端にジョーピン61で連結されていた。そして、オフセットロッド40の外端が軌間絶縁材41を介して直角クランク840の一端に連結されていた。
このため、従来のスイッチアジャスタ3では、例えば、ロッド20の長さ調整が困難であったり、構造上の制約によりオフセット量が大きくなってしまい、レールの下を大きく掘るなど、中間部分のメンテナンス性に問題があった。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、接続部材は、どのような構成を採用してもよい。
1 スイッチアジャスタ
100 電気転てつ機
101 動作かん
102 スイッチアジャスタ
103 タイバー
104 フロントロッド
105 接続かん
106 鎖錠かん
200 ロッド
210 ジョー部
220 ねじ部
221 係止溝
231 緩み止めナット
232 ナット
233 筒ナット
300 オフセット継手
310 舌片部材
311 ピン孔
320 回り止リング
321 係止片
330 座金
340 固定ナット
400 オフセットロッド
410 軌間絶縁材
420 雄ねじ部
421 上プレート
422 下プレート
430 ダブルナット
431 ボルトナット
441 ピン孔
442 ピン孔
500 スクルージョー
511 ピン孔
610 ジョーピン
611 止め輪
612 割ピン
620 ジョーピン
621 止め輪
622 割ピン
630 ジョーピン
631 止め輪
632 割ピン
700 腕金具
710 絶縁部材
721 ボルト
722 ナット
723 割ピン
730 回り止め
741 ピン
742 割ピン
810 転てつ棒
820 電気転てつ機
830 動作かん
840 直角クランク
850 リンク
860 エスケープクランク
M 交流モータ
R 基本レール
T トングレール
h1 オフセット
h2 オフセット

Claims (1)

  1. 転てつ機の動作かんまたはクランクに連結するジョー部と、転てつ棒のブラケットに連繋させるためのねじ部およびナットと、軌間絶縁部を備えるスイッチアジャスタにおいて、
    前記ロッドの一端を、前記転てつ機の動作かんにジョー部で連結し、前記ロッドの他端にねじ部を設け、該ねじ部に螺合させて接続部材を接続し、
    前記軌間絶縁部をオフセットロッドの一端に設け、前記接続部材と前記オフセットロッドの軌間絶縁部とを、ジョーピンにより連結し、
    前記オフセットロッドの他端にはスクルージョーを設け、該スクルージョーと前記クランクとをジョーピンにより連結するようにしたことを特徴とするスイッチアジャスタ。
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