JP5007582B2 - 半導体基板の熱処理温度測定方法 - Google Patents

半導体基板の熱処理温度測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体基板の熱処理温度を測定する方法に関する。なお、本明細書において熱処理とは、半導体基板を常温以上の温度に加熱して保持することをいう。半導体基板に加工等(例えば、成膜、エッチング等)をする際に半導体基板を加熱して保持することも、熱処理に含まれる。
半導体装置の製造時には、種々の処理が半導体基板に施される。所望の特性の半導体装置を製造するためには、各処理を正確な条件で実施する必要がある。特に、各処理において半導体基板を保持する温度(以下では、熱処理温度という)は、製造する半導体装置の特性に大きく影響する。したがって、熱処理温度を正確に制御することが必要である。そのためには、熱処理時の半導体基板の実際の温度を正確に測定することが重要となる。
特許文献1に、電子線の照射によって結晶欠陥を形成した半導体基板を用いて、熱処理炉内の熱処理温度を測定する技術が開示されている。この技術では、結晶欠陥を形成した半導体基板を熱処理炉で熱処理する。半導体基板を高温に保持すると、半導体基板中の結晶欠陥の数が減少して半導体基板の抵抗が低下する。この抵抗の低下率から、熱処理炉内で半導体基板が保持された温度を特定する。
特許文献2には、AlとTiの積層膜を形成した半導体基板を用いて、半導体熱処理装置の熱処理温度を測定する技術が開示されている。この技術では、Al−Ti積層膜を形成した半導体基板を半導体熱処理装置で熱処理する。半導体基板を高温に保持すると、Al−Ti積層膜の組成が変化してAl−Ti積層膜の抵抗が上昇する。この抵抗の上昇量から、半導体熱処理装置内で半導体基板が保持された温度を特定する。
特許文献3には、イオンの注入によってアモルファス層を形成した半導体基板を用いて、半導体熱処理装置の熱処理温度を測定する技術が開示されている。この技術では、アモルファス層を形成した半導体基板を半導体熱処理装置で熱処理する。半導体基板が高温に保持されると、アモルファス層が再結晶化してアモルファス層の抵抗が低下する。この抵抗の低下量から、半導体熱処理装置内で半導体基板が保持された温度を特定する。
特開平8−22963号公報 特開平9−292285号公報 特開2000−208524号公報
特許文献1の技術では、電子線の照射によって結晶欠陥を形成した半導体基板を利用する。電子線照射装置は、通常の半導体装置の製造工程では用いられない特殊な装置である。したがって、特許文献1の技術は、汎用性が低かった。また、200℃以下の温度では、半導体基板に形成した結晶欠陥の数が減少し難く、半導体基板の抵抗がほとんど変化しない。500℃以上の温度では結晶欠陥が急激に減少してしまう。したがって、特許文献1の技術では、測定可能な温度が200℃〜500℃に限定されてしまう。
特許文献2の技術では、AlとTiの積層膜を形成した半導体基板を利用する。この半導体基板を熱処理すると、半導体熱処理装置内にAlとTiが拡散する。したがって、熱処理後に、半導体熱処理装置内が汚染されてしまう。したがって、この方法は、半導体熱処理装置内にAlとTiが残留しても問題がない場合にしか使用することができず、汎用性が低かった。また、AlとTiの組成変化が起きる温度は400℃〜550℃であるため、この方法によって測定可能な温度は400℃〜550℃に限定されてしまう。
特許文献3の技術では、アモルファス層を形成した半導体基板を利用する。アモルファスが再結晶化する温度は530℃〜720℃であるため、この方法によって測定可能な温度は530℃〜720℃に限定されてしまう。特許文献3の技術は、比較的低い温度を測定することができないという問題があった。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、汎用性が高く、より広い温度範囲を測定可能な熱処理温度の測定方法を提供する。
本発明の半導体基板の熱処理温度測定方法は、半導体基板の表面部分にドーパント不純物を注入する不純物注入工程と、半導体基板を熱処理することによって不純物注入工程で注入した不純物を活性化させ、半導体基板の表面部分に低抵抗領域を形成する低抵抗領域形成工程と、低抵抗領域にイオンを注入することによって低抵抗領域に結晶欠陥を形成し、低抵抗領域の抵抗を所定抵抗まで上昇させる結晶欠陥形成工程と、結晶欠陥形成工程後に、一定の熱処理温度に保持されている半導体熱処理装置に半導体基板を所定熱処理時間t1だけ投入する熱処理工程と、熱処理工程後に、低抵抗領域の熱処理後抵抗R1を測定する熱処理後抵抗測定工程と、熱処理温度と熱処理時間と熱処理後抵抗との相関関係と、熱処理時間t1と、熱処理後抵抗R1から、熱処理工程における熱処理温度を特定する熱処理温度特定工程を有している。
低抵抗領域に結晶欠陥を形成した半導体基板を熱処理すると、熱処理温度及び熱処理時間t1に応じて低抵抗領域の結晶欠陥の数が減少し、低抵抗領域の抵抗が低下する。したがって、低抵抗領域の熱処理後抵抗R1は、熱処理温度及び熱処理時間t1に応じた抵抗となる。したがって、熱処理温度特定工程において、熱処理温度と熱処理時間と熱処理後抵抗との相関関係と、熱処理時間t1と、熱処理後抵抗R1から、熱処理工程における熱処理温度を特定することができる。
低抵抗領域の結晶欠陥の数は、常温においても減少する。したがって、この熱処理温度測定方法によれば、常温以上の温度を測定することができる。また、この半導体基板は、通常の半導体装置の製造に用いられる装置だけを利用して実施することができる。また、この半導体基板は、通常の半導体装置の製造に用いられる物質のみで構成することができる。したがって、この熱処理温度測定方法は、汎用性が非常に高い。
上述した熱処理温度測定方法では、低抵抗領域の結晶欠陥の数が常温においても減少する。したがって、結晶欠陥を形成してから熱処理工程を開始するまでの間にも結晶欠陥の数が減少し、低抵抗領域の抵抗が低下する。この間の抵抗の低下によって熱処理後抵抗が異なる値となる場合がある。
このような場合には、上述した熱処理温度測定方法は、結晶欠陥形成工程を実施してから熱処理工程を開始するまでの欠陥形成後経過時間t2を計測する欠陥形成後経過時間計測工程をさらに有し、熱処理温度特定工程では、熱処理温度と熱処理時間と熱処理後抵抗と欠陥形成後経過時間との相関関係と、熱処理時間t1と、熱処理後抵抗R1と、欠陥形成後経過時間t2から、熱処理工程における熱処理温度を特定することが好ましい。
このような構成によれば、結晶欠陥形成工程を実施してから熱処理工程を開始するまでの間の欠陥形成後経過時間によって熱処理後抵抗が異なる値となる場合にも、熱処理温度を正確に測定することができる。
上述した熱処理温度測定方法は、熱処理温度測定方法不純物注入工程で第1導電型の半導体基板に第2導電型のドーパント不純物を注入することが好ましい。
このような構成によれば、低抵抗領域の抵抗を測定するときに、低抵抗領域と低抵抗領域外の半導体領域の間を電流が流れることが防止されるので、低抵抗領域の抵抗を正確に測定することができる。
上述した熱処理温度測定方法は、熱処理後抵抗測定工程では熱処理後抵抗R1を低抵抗領域の複数の測定点で測定し、熱処理温度特定工程では各測定点の熱処理後抵抗R1から熱処理工程における各測定点での熱処理温度を特定することが好ましい。
このような構成によれば、半導体基板内における熱処理温度の分布を測定することができる。
上述した熱処理温度測定方法は、結晶欠陥形成工程より前に実施する分離層形成工程と、熱処理工程と熱処理後抵抗測定工程の間に実施する分離層除去工程とをさらに有し、分離層形成工程では半導体基板の表面上に分離層を形成し、結晶欠陥形成工程ではイオンを分離層を貫通させて半導体基板の表面部分に注入し、熱処理工程では分離層上に絶縁層を形成し、分離層除去工程では半導体基板を常温に保持した状態で絶縁層と分離層を除去することが好ましい。
この熱処理温度測定方法では、分離層形成工程で半導体基板の表面上に分離層を形成し、熱処理工程で分離層上に絶縁層を形成する。したがって、低抵抗領域の熱処理温度が絶縁層の形成による熱影響を受けた温度となる。絶縁層を形成したら、分離層除去工程で絶縁層と分離層を除去し、熱処理後抵抗測定工程で低抵抗領域の熱処理後抵抗R1を測定し、熱処理温度特定工程で熱処理温度を特定する。したがって、この熱処理温度測定方法によれば、絶縁層を形成するときの半導体基板の温度(熱処理温度)を測定することができる。結晶欠陥形成工程より前に分離層を形成することから、分離層形成工程によって熱処理温度の測定が阻害されることがない。また、分離層は常温で除去するので、分離層除去工程によって熱処理温度の測定が阻害されることもない。
上述した熱処理温度測定方法は、熱処理工程を実施する直前に低抵抗領域の熱処理前抵抗R2を測定する熱処理前抵抗測定工程をさらに有し、温度特定工程では、熱処理温度と熱処理時間と熱処理後抵抗と熱処理前抵抗との相関関係と、熱処理時間t1と、熱処理後抵抗R1と、熱処理前抵抗R2から、熱処理工程における熱処理温度を特定してもよい。
このような構成によっても、結晶欠陥形成工程を実施してから熱処理工程を開始するまでの間の欠陥形成後経過時間によって熱処理後抵抗が異なる値となる場合にも、熱処理温度を正確に測定することができる。
下記に詳細に説明する実施例の主要な特徴を最初に列記する。
まず、第1実施例の半導体基板製造方法の特徴を列記する。
(特徴1)不純物注入工程と結晶欠陥形成工程では、同種のイオンを注入する。
(特徴2)結晶欠陥形成工程では、不純物注入工程よりも少量のイオンを注入する。
(特徴3)不純物注入工程では、1×1015ions/cm以上のイオンを注入する。
(特徴4)結晶欠陥形成工程では、1×1013ions/cm以下のイオンを注入する。
(第1実施例)
以下に、本発明の好ましい実施例について、図面を参照しながら説明する。第1実施例では、電気炉によるシリコン基板の熱処理温度を測定する。図1は、本発明の熱処理温度測定方法のフローチャートを示している。図2は、図1の熱処理温度測定方法で使用するシリコン基板10の概略断面図を示している。シリコン基板10は、p型のシリコン基板である。
ステップS2では、上面12側からシリコン基板10にリンイオン(n型不純物)を注入する。リンイオンは、上面12の表面部分で留まるエネルギーで注入する。リンイオンは、1×1015ions/cm以上の濃度で注入する。これによって、上面12の表面部分に多数のリンが存在する領域が形成される。
なお、リンイオンを注入するときには、上面12の表面部分に結晶欠陥が形成される。結晶欠陥には、リンイオンの注入によりシリコン結晶中に生成される格子間シリコン(格子間位置にあるシリコン原子)、空孔(格子点に原子が無い状態)等がある。
ステップS4では、シリコン基板10を熱処理する。これによって、ステップS2でシリコン基板10に注入したリンが活性化し、リンを注入した領域に多数のキャリア(電子)が生成される。すなわち、リンを注入した領域がn型化する。また、熱処理によって、ステップS2で形成された結晶欠陥(リンが注入された領域に形成された結晶欠陥)の略全部が消滅する。これによって、ステップS2でリンを注入した領域が、n型の低抵抗領域20となる。ステップS2ではリンを上面12の表面部分に注入しているので、図3に示すようにシリコン基板10の上面12の表面部分に低抵抗領域20が形成される。
ステップS2でリンイオンを注入する条件とステップS4の熱処理条件を制御することによって、低抵抗領域20のシート抵抗と低抵抗領域20の厚さを正確に制御することができる。本実施例では、ステップS4実施後の低抵抗領域20のシート抵抗を約50Ω/sqに制御する。また、本実施例では、低抵抗領域20の厚さを約5μmに制御する。なお、低抵抗領域20の厚さは、5μm以下にすることが好ましい。
ステップS6では、上面12側からシリコン基板10にリンイオンを注入する。リンイオンは、低抵抗領域20内に留まるエネルギーで注入する。ステップS6では、ステップS2に比べて少量(低濃度)のリンイオンを注入する。本実施例では、1×1013ions/cm程度の濃度でリンイオンを注入する。リンイオンを注入すると、ステップS2と同様にして、低抵抗領域20に結晶欠陥が形成される。結晶欠陥が形成されると、低抵抗領域20のシート抵抗が上昇する。以下では、ステップS6実施後のシート抵抗をシート抵抗R0という。
ステップS6でリンイオンを注入する条件を制御することによって、低抵抗領域20のシート抵抗R0は正確に制御することができる。本実施例では、シート抵抗R0を約300Ω/sqに調整する。
低抵抗領域20に形成した結晶欠陥は、常温下(すなわち、約25℃)においても所定の確率で消滅する。したがって、ステップS6実施後は、低抵抗領域20に存在している結晶欠陥の数が徐々に減少する。すなわち、図4に示すように、低抵抗領域20のシート抵抗(シート抵抗Rt)は、時間の経過とともにシート抵抗R0から低下していく。
ステップS8では、ステップS6を実施してから、後述するステップS10を実施するまでの経過時間t2を計測する。本実施例では、ステップS6を実施してから3時間後にステップS10を実施するので、経過時間t2は3時間となる。
ステップS10では、熱処理温度を測定する対象の電気炉によって、シリコン基板10を熱処理する。ステップS10では、所定の設定温度Ts(本実施例では100℃)に電気炉の熱処理温度を設定し、時間t1(本実施例では30秒)だけシリコン基板10を電気炉に投入する。これによって、シリコン基板10が温度Tsに対応する温度Tx(測定対象の温度)に略時間t1だけ保持される。シリコン基板10を熱処理すると、低抵抗領域20に存在している結晶欠陥の数が大きく減少する。したがって、低抵抗領域20のシート抵抗が大きく低下する。以下では、ステップS10の実施後の低抵抗領域20のシート抵抗を熱処理後シート抵抗R1という。熱処理後シート抵抗R1は、熱処理温度Txと、熱処理時間t1と、経過時間t2に応じたシート抵抗となる。
ステップS12では、低抵抗領域20の表面(上面12)上の所定の測定点で、低抵抗領域20の熱処理後シート抵抗R1を測定する。
ステップS14では、熱処理温度Txと熱処理時間t1と熱処理後シート抵抗R1と経過時間t2との相関関係を示す検量線群を用意する。そして、検量線群と、ステップS8で計測した経過時間t2の実測値ta2と、ステップS10で実施した熱処理の熱処理時間t1の実際値ta1と、ステップS12で測定した熱処理後シート抵抗R1の実測値Ra1から、ステップS10の熱処理工程における熱処理温度を特定する。
図5は、検量線群のうちの一部の検量線A〜Dを例示している。検量線A〜Dは、いずれも、シート抵抗R0が300Ωであるシリコン基板10を30秒間熱処理したときの検量線(すなわち、熱処理時間t1が30秒のときの検量線)である。検量線Aは、経過時間t2が5分のときの検量線である。検量線Bは、経過時間t2が3時間のときの検量線である。検量線Cは、経過時間t2が48時間のときの検量線である。検量線Dは、経過時間が96時間のときの検量線である。例えば、検量線Dの点Hは、シート抵抗R0が300Ωであるシリコン基板10を、ステップS6を実施してから96時間後に80℃で30秒間熱処理すると、熱処理後シート抵抗R1が200Ω/sqになることを示している。各検量線は、熱処理温度Txが既知である電気炉を用いて実施された実験に基づいて作成されている。なお、検量線A〜Dは一例であり、検量線群は熱処理時間t1ごと、経過時間t2ごとに作成された多数の検量線を有している。
ステップS14では、検量線群の中から条件が一致する検量線を選択する。すなわち、熱処理時間t1が熱処理時間ta1と一致し、経過時間t2が経過時間ta2一致する検量線を選択する。本実施例では、熱処理時間ta1が30秒であり、経過時間ta2が3時間であるので、検量線Bを選択する。次に、選択した検量線と、熱処理後シート抵抗Ra1から、熱処理温度Txを特定する。例えば熱処理後シート抵抗Ra1が205Ω/sqである場合、図6に示すように熱処理温度Txが105℃と特定される。これによって、ステップS10で使用した電気炉は、設定温度Tsを100℃に設定するとシリコン基板の実際の熱処理温度Txが105℃となることが分かる。
以上に説明したように、第1実施例の熱処理温度測定方法では、シリコン基板10の表面部分に低抵抗領域20を形成し、その低抵抗領域20に結晶欠陥を形成する。低抵抗領域20の結晶欠陥の数は、時間の経過とともに減少する。また、低抵抗領域20の結晶欠陥の数の減少率は、シリコン基板10が保持されている温度によって異なる。すなわち、低抵抗領域20のシート抵抗の低下率は、シリコン基板10が保持されている温度によって異なる。したがって、シリコン基板10の熱処理後シート抵抗R1を測定することで、シリコン基板の熱処理温度を特定することができる。
低抵抗領域20に形成されている結晶欠陥の数は常温下でも減少する(すなわち、常温下でも低抵抗領域20のシート抵抗が低下する)ので、この熱処理温度測定方法によれば、常温以上の温度を測定することができる。
また、低抵抗領域20に形成されている結晶欠陥の数は、シリコン基板10が800度以上の温度となると急速に減少する。したがって、この熱処理温度測定方法によれば、800℃未満の温度を測定することができる。
また、第1実施例の熱処理温度測定方法では、低抵抗領域20をシリコン基板10の表面部分に薄く形成する。このため、結晶欠陥の数の減少によるシート抵抗の低下量が非常に大きい。したがって、より正確な温度測定が可能となっている。
また、シリコン基板10は、通常のシリコン半導体の製造に用いられる物質のみで構成されている。したがって、熱処理後に、半導体装置の製造を阻害する物質が残留することが無い。
また、第1実施例の熱処理温度測定方法は、シリコン基板10にイオンを打ち込む装置があれば実施することができる。すなわち、半導体装置の製造に一般的に用いられる装置のみを使用して実施することができる。
また、第1実施例の熱処理温度測定方法では、p型のシリコン基板10の表面部分にn型の低抵抗領域20を形成した。このように低抵抗領域20を形成すると、低抵抗領域20(すなわち、n型領域)とシリコン基板10のp型領域との間に電流が流れることが防止される。したがって、低抵抗領域20のシート抵抗をより正確に測定することができる。すなわち、熱処理温度Txをより正確に測定することができる。
なお、n型のシリコン基板10の表面部分にp型の低抵抗領域20を形成するようにしてもよい。
なお、上述した実施例では、ステップS6を実施してからステップS10を実施するまでの経過時間t2を計測した。しかし、経過時間t2の代わりに、ステップS10の熱処理の直前に低抵抗領域20のシート抵抗(熱処理前シート抵抗R2)を測定してもよい。熱処理前シート抵抗R2を用いても、経過時間t2を用いる場合と同様に、検量線から熱処理温度を特定することができる。例えば、熱処理時間t1が30秒である場合、熱処理時間t1が30秒である各検量線の常温時の熱処理後シート抵抗R1(シリコン基板を常温に30秒間保持した後のシート抵抗)を確認する。シリコン基板を常温で30秒間保持した後の熱処理後シート抵抗R1は、熱処理前シート抵抗R2と略変わらない。したがって、熱処理前シート抵抗R2から検量線を特定することができる。例えば、熱処理前シート抵抗R2が265Ω/sqである場合、図5の検量線Bを特定することができる。したがって、検量線Bから熱処理温度Txを特定する。このように、熱処理前シート抵抗R2を測定することによっても、正確に熱処理温度Txを測定することができる。すなわち、図5の検量線は、熱処理温度Txと熱処理時間t1と熱処理後シート抵抗R1と熱処理前シート抵抗R2との相関関係を示しているということもできる。
また、図5に示すように、熱処理時間t1が30秒であり、熱処理温度Txが150℃以上である場合には、検量線A〜Dは略一致する。すなわち、経過時間t2が異なるシリコン基板10であっても、熱処理後シート抵抗R1が略一致する。熱処理時間t1が長くなるほど、経過時間t2の違いによる熱処理後シート抵抗R1の違いは少なくなる。すなわち、熱処理時間t1が30秒以上であって熱処理温度Txが150℃以上である場合は、熱処理後シート抵抗R1は、経過時間t2によって変動しない。したがって、予想される熱処理温度Txが150℃以上である場合(例えば、電気炉の設定温度Tsを150℃より十分に高い温度に設定する場合等)であって熱処理時間t1を30秒以上で熱処理する場合には、経過時間t2を計測する必要はない。検量線群と、熱処理後シート抵抗R1と、熱処理時間t1から、熱処理温度Txを特定することができる。
また、第1実施例では、ステップS12で低抵抗領域20の熱処理後シート抵抗R1を一つの測定点で測定したが、熱処理後シート抵抗R1を低抵抗領域20上の多数の測定点で測定してもよい。熱処理後シート抵抗R1を多数の測定点で測定すると、各測定点における熱処理温度Txを測定することができる。すなわち、シリコン基板内における熱処理温度の分布を測定することができる。
(第2実施例)
次に、第2実施例の熱処理温度(成膜処理温度)の測定方法について説明する。第2実施例の熱処理温度測定方法では、CVD装置によってシリコン基板上に絶縁膜を形成するときに、シリコン基板が保持される温度を測定する。
図7は、第2実施例の熱処理温度測定方法のフローチャートを示している。第2実施例においても、第1実施例と同様に、p型のシリコン基板30を使用する。
ステップS20では、図8に示すように、シリコン基板30の上面32上に酸化シリコン膜42を形成する。酸化シリコン膜42は、従来公知の技術を用いて形成することができる。酸化シリコン膜42は、非常に薄く形成する。
ステップS22では、上面32側からシリコン基板30にリンイオンを注入する。このとき、酸化シリコン膜42を貫通してシリコン基板30の表面部分に留まるエネルギーでリンイオンを注入する。リンイオンは、1×1015ions/cm程度の濃度で注入する。
ステップS24では、シリコン基板30を酸化シリコン膜42とともに熱処理する。これによって、図9に示すように、シリコン基板30の上面32側の表面部分に低抵抗領域40が形成される。
ステップS26では、上面32側からシリコン基板30にリンイオンを注入する。このとき、酸化シリコン膜42を貫通してシリコン基板30の表面部分に留まるエネルギーでリンイオンを注入する。リンイオンは、1×1013ions/cm程度の濃度で注入する。これによって、低抵抗領域40のシート抵抗がシート抵抗R0に上昇する。
ステップS28では、温度を測定する対象であるCVD装置によって、酸化シリコン膜42上に絶縁膜を成長させる。CVD装置によって絶縁膜を成長させるときには、シリコン基板30が略一定の成膜温度Txに保持される。ステップS30では、時間t1(成膜処理時間t1)だけ成膜処理を実施する。ステップS28を実施することによって、図10に示すように酸化シリコン膜42上に絶縁膜44が形成される。
ステップS30では、弗酸等によって、常温下で酸化シリコン膜42を選択的にエッチングする。これによって、酸化シリコン膜42と絶縁膜44を除去し、シリコン基板30の上面32を露出させる。
ステップS32では、シリコン基板30の低抵抗領域40の表面(上面32)上の所定の測定点で、シート抵抗(成膜処理後シート抵抗R1)を測定する。
ステップS34では、検量線と、成膜処理後シート抵抗R1と、成膜処理時間t1から、成膜温度Txを特定する。なお、第2実施例では、成膜処理時間t1が30秒以上である。また、成膜処理時の成膜温度Txが150℃よりはるかに高いことが予め分かっている。したがって、経過時間t2を計測することなく、成膜温度Txを特定することができる。
以上に説明したように、第2実施例の熱処理温度測定方法によれば、CVD装置によって絶縁膜を成長させるときの成膜温度Txを測定することができる。この熱処理温度測定方法によれば、半導体装置の製造時と略同じ状態にシリコン基板30を保持することができるので、実際に半導体装置を製造する時のシリコン基板の成膜温度を正確に測定することができる。なお、上述した第2実施例の熱処理温度測定方法では、ステップS20(酸化シリコン膜形成工程)をステップS22(不純物注入工程)の前に実施した。しかしながら、ステップS22は、ステップS26(結晶欠陥形成工程)の前であれば何れのタイミングで実施してもよい。例えば、ステップS22を、ステップS24とステップS26の間に実施してもよい。
なお、上述した第1及び第2実施例では、シリコン基板を使用して温度を測定したが、他の物質の基板を使用して温度を測定してもよい。例えば、ガリウム砒素基板を熱処理する温度を測定するときには、ガリウム砒素基板を使用して温度を測定してもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例の熱処理温度測定方法を示すフローチャート。 シリコン基板10の概略断面図。 シリコン基板10の概略断面図。 ステップS6実施後の低抵抗領域20のシート抵抗Rの経過時間t2に対する変化を示すグラフ。 シリコン基板10の検量線の例を示すグラフ。 図5の検量線Bの熱処理温度Txが200℃以下の範囲をより詳細に示したグラフ。 第2実施例の熱処理温度測定方法を示すフローチャート。 シリコン基板30の概略断面図。 シリコン基板30の概略断面図。 シリコン基板30の概略断面図。
符号の説明
10:シリコン基板
20:低抵抗領域
30:シリコン基板
40:低抵抗領域
42:酸化シリコン膜
44:絶縁膜

Claims (6)

  1. 半導体基板の熱処理温度を測定する方法であって、
    半導体基板の表面部分にドーパント不純物を注入する不純物注入工程と、
    半導体基板を熱処理することによって不純物注入工程で注入した不純物を活性化させ、半導体基板の表面部分に低抵抗領域を形成する低抵抗領域形成工程と、
    低抵抗領域にイオンを注入することによって低抵抗領域に結晶欠陥を形成し、低抵抗領域の抵抗を所定抵抗まで上昇させる結晶欠陥形成工程と、
    結晶欠陥形成工程後に、一定の熱処理温度に保持されている熱処理装置に半導体基板を所定熱処理時間t1だけ投入する熱処理工程と、
    熱処理工程後に、低抵抗領域の熱処理後抵抗R1を測定する熱処理後抵抗測定工程と、
    熱処理温度と熱処理時間と熱処理後抵抗との相関関係と、熱処理時間t1と、熱処理後抵抗R1から、熱処理工程における熱処理温度を特定する熱処理温度特定工程、
    を有する半導体基板の熱処理温度測定方法。
  2. 結晶欠陥形成工程を実施してから熱処理工程を開始するまでの欠陥形成後経過時間t2を計測する欠陥形成後経過時間計測工程をさらに有し、
    熱処理温度特定工程では、熱処理温度と熱処理時間と熱処理後抵抗と欠陥形成後経過時間との相関関係と、熱処理時間t1と、熱処理後抵抗R1と、欠陥形成後経過時間t2から、熱処理工程における熱処理温度を特定することを特徴とする請求項1に記載の熱処理温度測定方法。
  3. 不純物注入工程では、第1導電型の半導体基板に、第2導電型のドーパント不純物を注入することを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理温度測定方法。
  4. 熱処理後抵抗測定工程では、熱処理後抵抗R1を低抵抗領域の複数の測定点で測定し、
    熱処理温度特定工程では、各測定点の熱処理後抵抗R1から、熱処理工程における各測定点での熱処理温度を特定することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の熱処理温度測定方法。
  5. 結晶欠陥形成工程より前に実施する分離層形成工程と、熱処理工程と熱処理後抵抗測定工程の間に実施する分離層除去工程とをさらに有し、
    分離層形成工程では、半導体基板の表面上に分離層を形成し、
    結晶欠陥形成工程では、前記イオンを分離層を貫通させて半導体基板の表面部分に注入し、
    熱処理工程では、分離層上に絶縁層を形成し、
    分離層除去工程では、半導体基板を常温に保持した状態で絶縁層と分離層を除去することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の熱処理温度測定方法。
  6. 熱処理工程を実施する直前に、低抵抗領域の熱処理前抵抗R2を測定する熱処理前抵抗測定工程をさらに有し、
    熱処理温度特定工程では、熱処理温度と熱処理時間と熱処理後抵抗と熱処理前抵抗との相関関係と、熱処理時間t1と、熱処理後抵抗R1と、熱処理前抵抗R2から、熱処理工程における熱処理温度を特定する請求項1に記載の熱処理温度測定方法。
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