JPH0758730B2 - ウエーハの表面温度測定方法 - Google Patents

ウエーハの表面温度測定方法

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JPH0758730B2
JPH0758730B2 JP27984289A JP27984289A JPH0758730B2 JP H0758730 B2 JPH0758730 B2 JP H0758730B2 JP 27984289 A JP27984289 A JP 27984289A JP 27984289 A JP27984289 A JP 27984289A JP H0758730 B2 JPH0758730 B2 JP H0758730B2
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克彦 三木
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ウエーハの表面温度を間接的に測定するウエ
ーハの表面温度測定方法に関する。
(従来の技術) CVD装置(気相成長装置)によってウエーハ表面にエピ
タキシャル成長膜を形成する工程においては、膜の成長
速度の制御、不純物ドーピングの制御、埋込拡散ウエー
ハにおけるパターン・シフトの制御等の点から反応炉内
の温度(正確にはウエーハの表面温度)の制御は非常に
重要である。
而して、温度制御のためには、反応炉内の温度(ウエー
ハの表面温度)の正確な測定が不可欠であるが、従来の
温度測定法としては、熱電対を用いる方法、光高温計を
用いる方法が知られている(例えば、特開昭60−10714
号、同62−154636号、同63−169723号公報参照)。
上記熱電対を用いる温度測定法は、反応炉内に収納され
たサセプタに熱電対を埋め込み、加熱系に加えられるパ
ワーとの相関を取って温度を決める方法であり、測定レ
ンジが広く、測定精度が高い(±1%以内)ため、広く
一般的に用いられている。
又、前記光高温計を用いる温度測定法は、赤外線の強度
(輝度)と温度との相関を利用した方法であって、これ
は800℃以上の高温域で使用される。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の熱電対を用いる温度測定法では、
サセプタが回転する反応炉を有するCVD装置への適用が
困難であり、測定はサセプタの回転を停止した状態で行
なわなければならず、実際の反応条件下における真の温
度を測定することが不可能であるという欠点がある。
又、光高温計を用いる温度測定法では、反応炉の石英製
反応管を通して反応炉内のサセプタやウエーハの温度を
測定するため、赤外線の一部は反応管に吸収され、従っ
て反応管の汚れや厚さによて測定温度にバラツキが生
じ、正確な温度測定ができない場合がある。又、測定は
サセプタの回転を停めたり、或いはサセプタを非常にゆ
っくり回転させた状態で行なわなければならないため、
熱電対による温度測定法と同様に実際の反応条件下にお
ける真の温度を測定することができないという問題があ
る。
本発明は従来の温度測定法の上記問題に鑑みてなされた
もので、その目的とする処は、実際の反応条件下におけ
るウエーハの真の表面温度を正確に測定することができ
るウエーハの表面温度測定方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成すべく本発明は、イオン注入法によって
表面に不純物注入層が形成された拡散ウエーハを複数用
意し、これらの拡散ウエーハの各々を反応炉内で異なる
温度条件下で一定時間だけ熱処理した後、各拡散ウエー
ハのシート抵抗を測定してシート抵抗−温度のキャリブ
レーションカーブを作成し、被測定対象たるウエーハと
同じ温度条件下にセットされた拡散ウエーハのシート抵
抗を測定し、このシート抵抗を基に前記キャリブレーシ
ョンカーブから被測定対象たるウエーハの表面温度を求
めるようにしたことをその特徴とする。
(作用) 表面に不純物注入層が形成された拡散ウエーハを熱処理
すると不純物がウエーハに拡散するが、この不純物の拡
散深さは温度と時間に依存する。
一方、熱処理された拡散ウエーハのシート抵抗は拡散深
さに依存する。
そこで、熱処理時間を一定に保ち、異なる温度条件で熱
処理した複数枚の拡散ウエーハの各シート抵抗を測定す
れば、シート抵抗−温度の相関が得られ、この相関はキ
ャリブレーションカーブとして描かれる。
而して、被測定対象たるウエーハと拡散ウエーハを例え
ば同じ反応炉内にセットして温度条件を揃え、キャリブ
レーションカーブを得たときと同じ時間経過後に拡散ウ
エーハを取り出してそのシート抵抗を測定すれば、シー
ト抵抗−温度のキャリブレーションカーブから実際の反
応条件下におけるウエーハ(反応炉内にセットされた被
測定対象たるウエーハ)の真の表面温度を正確に求める
ことができる。
(実施例) 以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図(a)、(b)、(c)は拡散ウエーハを得る手
順を示す説明図、第2図はシート抵抗−温度のキャリブ
レーションカーブを示す図、第3図は反応炉の斜視図で
ある。
本発明においては、第1図(a)、(b)、(c)に示
す手順によって複数枚の拡散ウエーハWd′…が用意され
る。即ち、第1図(a)に示すSi単結晶ウエーハWの表
面にイオン注入法によってP,B,As等の不純物を注入して
厚さ0.1μm程度の不純物注入層1を形成し、第2図に
示す拡散ウエーハWdを得る。尚、イオン注入法における
拡散濃度の精度は±1%以内であって、該イオン注入法
は比較的高い精度が得られる。
次に、上記のようにして得られた拡散ウエーハWdを複数
枚用意し、これらの各々を不図示の反応炉内で異なる温
度条件下で一定時間熱処理すると、イオン注入層1の不
純物が拡散して第1図(c)に示すようにその表面に拡
散層2が形成された拡散ウエーハWd′が得られる。
ところで、一般に不純物の拡散深さxjは温度Tと時間t
に依存するが、本実施例では各拡散ウエーハWd′は前述
のように拡散ウエーハWdを一定時間加熱して得られるた
め(即ちt=const.であるため)、各拡散ウエーハWd
における不純物の拡散深さ(拡散層2の厚さ)xjは温度
Tのみに依存することになり、該拡散深さxjは、Dを拡
散係数とすると、次式で表わされるように温度Tの平方
根に比例する。
一方、拡散ウエーハWd′のシート抵抗Rsは、不純物の拡
散深さをxj、平均面抵抗率をρとすると、次式で表わさ
れる。
Rs=ρ/xj……(2) 従って、第(1)、(2)式より、拡散ウエーハWd′の
シート抵抗Rsは温度Tに依存することとなり、シート抵
抗Rsと温度Tとの間には相関があることがわかる。
そこで、加熱時間一定(t=cost.)の下に異なる温度
条件下で熱処理された複数枚の拡散ウエーハWd′…のシ
ート抵抗Rsを測定すればシート抵抗Rs−温度Tのキャリ
ブレーションカーブが得られる。
ここで、具体例を示すと、直径4インチのウエーハにP,
Bを加速電圧150Kev、打込量3×1014ions/cm2の条件で
注入して各々複数枚の拡散ウエーハを得、P,Bを注入し
た拡散ウエーハの何枚かにはその表面にCVD法によって
厚さ0.5μmのSiO2の酸化膜を成長させて不純物注入層
をシールした。
その後、シリンダー型エピタキシャル炉の中央に拡散ウ
エーハを1枚だけセットし、キャリアガスとしてH2ガス
を215l/minの割合で炉内に供給しながら、温度950℃で
1時間だけ熱処理し、熱処理が終了した拡散ウエーハの
中心部におけるシート抵抗を4探針法によって測定し
た。同様にして温度1000℃、1050℃、1100℃、1150℃で
各1時間熱処理した拡散ウエーハのシート抵抗を測定す
ることによって、第2図に示すようなキャリブレーショ
ンカーブA,B,C,Dが得られる。尚、カーブAはBドープ
の非シール(SiO2膜でシールされていない)拡散ウエー
ハ、カーブBはPドープの非シール拡散ウエーハ、カー
ブCはBドープのシール(SiO2膜でシールされた)拡散
ウエーハ、カーブDはPドープのシール拡散ウエーハに
対するキャリブレーションカーブである。
第2図のカーブC,Dから明らかなように、不純物注入層
をSiO2膜でシールされた拡散ウエーハにおいては、熱処
理によってB,Pの不純物が全てウエーハ内へ拡散するた
め、温度Tの増加と共に拡散深さxjが大きくなり、前記
第(2)式より明らかなようにシート抵抗Rsが温度Tの
増加と共に下がる。
一方、カーブA,Bからわかるように、不純物注入層をSiO
2膜でシールしていない拡散ウエーハにおいては逆に温
度Tの増加と共にシート抵抗Rsが増加しているが、これ
は次の理由による。即ち、不純物注入層をシールされて
いない拡散ウエーハを熱処理すると、B,Pの拡散は主に
気相中に行なわれ、拡散深さxjの増加率よりも平面抵抗
率ρの増加率の力が大きくなるため、前記第(2)式よ
り明らかなように温度Tの増加と共にシール抵抗Rsが増
大する。
而して、950℃〜1150℃までの温度域において感度の高
いキャリブレーションカーブとしては、カーブA、Dが
選定される。
以上のようにしてシート抵抗Rs−温度Tのキャリブレー
ションカーブが得られると、このキャリブレーションカ
ーブを基にして製品であるウエーハWの表面温度が次の
ように求められる。
即ち、第3図に示すようにCVD装置の反応炉(ベルジ
ャ)3内に水平回転自在に収納された円板状のサセプタ
4上には複数枚の被測定対象たるウエーハW…と共に1
枚の拡散ウエーハWd′がセットされている。尚、この拡
散ウエーハWd′は例えばPの不純物注入層の表面をSiO2
の酸化膜でシールしたものである。
而して、反応炉3内にはサセプタ4の中央に反応ガス供
給管5が開口しており、この反応ガス供給管5からは反
応ガスが供給され、サセプタ4は5〜10rpmの速度で図
示矢印方向に回転せしめられている。この状態で反応炉
3内は所定の温度(約1070℃)に1時間(キャリブレー
ションカーブを得るための熱処理時間と同じ時間)保持
されると、各ウエーハWの表面には所要の拡散層が形成
される。
その後、拡散ウエーハWd′を反応炉3から取り出してそ
の中心位置におけるシート抵抗Rsを四探針法により測定
すれば、第2図に示すキャリブレーションカーブDから
シート抵抗Rs対応する温度T(約1070℃)を求めること
ができる。即ち、第2図に示すように縦軸のシート抵抗
Rsから水平に引いた線がキャリブレーションカーブDと
交わる点aから垂線を立て、この垂線が横軸と交わる点
の目盛を読めば、シート抵抗Rsに対応する温度Tを求め
ることができる。
而して、拡散ウエーハWd′は製品のウエーハW…と同じ
条件下で加熱されるため、この拡散ウエーハWd′の温度
がウエーハW…の実際の反応条件下における真の表面温
度に等しくなる。
斯くて、本実施例によれば、実際の反応条件下における
ウエーハW…の真の表面温度を正確に測定することがで
き、CVD膜の成長速度の制御、不純物ドーピングの制
御、埋込拡散ウエーハにおけるパターン・シフトの制御
等を高精度に行なうことができる。
(発明の効果) 以上の説明で明らかな如く本発明によれば、イオン注入
法によって表面に不純物注入層が形成された拡散ウエー
ハを複数用意し、これらの拡散ウエーハの各々を反応炉
内で異なる温度条件下で一定時間だけ熱処理した後、各
拡散ウエーハのシート抵抗を測定してシート抵抗−温度
のキャリブレーションカーブを作成し、被測定対象たる
ウエーハと同じ温度条件下にセットされた拡散ウエーハ
のシート抵抗を測定し、このシート抵抗を基に前記キャ
リブレーションカーブから被測定対象たるウエーハの表
面温度を求めるようにしたため、実際の反応条件下にお
けるウエーハの真の表面温度を正確に測定することがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)、(c)は拡散ウエーハを得る手
順を示す説明図、第2図はシート抵抗−温度のキャリブ
レーションカーブを示す図、第3図は反応炉の斜視図で
ある。 1…不純物注入層、2…拡散層、3…反応炉、A,B,C,D
…キャリブレーションカーブ、Rs…シート抵抗、T…温
度、W…ウエーハ、Wd,Wd′…拡散ウエーハ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン注入法によって表面に不純物注入層
    が形成された拡散ウエーハを複数用意し、これらの拡散
    ウエーハの各々を反応炉内で異なる温度条件下で一定時
    間だけ熱処理した後、各拡散ウエーハのシート抵抗を測
    定してシート抵抗−温度のキャリブレーションカーブを
    作成し、被測定対象たるウエーハと同じ温度条件下にセ
    ットされた拡散ウエーハのシート抵抗を測定し、このシ
    ート抵抗を基に前記キャリブレーションカーブから被測
    定対象たるウエーハの表面温度を求めるようにしたこと
    を特徴とするウエーハの表面温度測定方法。
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