JP5007166B2 - 研削装置のチャックテーブル機構 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物を研削する研削装置に装備される被加工物を保持するためのチャックテーブル機構に関する。
当業者には周知の如く、半導体デバイス製造工程においては、IC、LSI等のデバイスが複数個形成された半導体ウエーハは、個々のチップに分割される前にその裏面を研削装置によって研削して所定の厚さに形成されている。半導体ウエーハの裏面を研削する研削装置は、ウエーハを吸引保持するチャックテーブルと、該チャックテーブル上に吸引保持されたウエーハを研削する研削手段と、該チャックテーブル上で研削されたウエーハを吸引保持して搬出するウエーハ搬出手段を具備している。
このような研削装置においては、先ずチャックテーブル上にウエーハを載置し、吸引手段を作動してチャックテーブル上にウエーハを吸引保持する。そして、チャックテーブルに吸引保持されたウエーハを研削した後、ウエーハをチャックテーブルから搬出する際には、チャックテーブルによるウエーハの吸引保持を解除する。このウエーハの吸引保持を解除する際には、吸引手段による吸引力を遮断するとともに、吸引経路に圧縮空気と水の混合流体からなるブロー流体を供給してチャックテーブルの保持面に噴出することにより、チャックテーブルの吸着面からウエーハを浮き上がらせている。
しかるに、ブロー流体を吸引経路に供給すると、吸引経路が減圧状態であるため、ブロー流体が一時的にチャックテーブルの保持面に勢い良く噴出する。この結果、研削されたウエーハが100μm以下に薄く形成されている場合には、ウエーハが破損したりチャックテーブルから脱落するという問題がある。
このような問題を解消するために、吸引経路内の圧力を大気に開放する大気開放経路を吸引経路に接続して設けるとともに、大気開放経路に電磁開閉弁を配設し、ウエーハの吸引保持を解除する際に吸引手段による吸引力を遮断した後、上記電磁開閉弁を開路して吸引経路内を大気圧にしてから吸引経路にブロー流体を供給するようにした研削装置のチャックテーブル機構が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
特開2003−62730号公報
而して、既存の研削装置に大気開放経路を付設するのは可なり大きな改造工事となる。また、大気開放経路を開路して吸引経路内に大気圧を導入すると、上述したように吸引経路が減圧状態であるため、大気が一時的にチャックテーブルの吸着面に勢い良く噴出し、ウエーハがチャックテーブルから浮上して脱落する危険がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、チャックテーブルに負圧を作用せしめる吸引経路に大気開放経路を付設することなく、ウエーハの吸引保持を解除する際にはウエーハをチャックテーブルの保持面から確実に剥がすことができる研削装置のチャックテーブル機構を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、被加工物を吸引保持する保持面および該保持面に連通する連通路を備えたチャックテーブルと、該連通路に吸引通路を介して接続された吸引源と、該吸引通路に配設された第1の電磁開閉弁と、該連通路にブロー流体供給通路を介して接続されたブロー流体と、該ブロー流体供給通路に配設された第2の電磁開閉弁と、を具備する研削装置のチャックテーブル機構において、
該連通路内の圧力を検出する圧力検出手段と、
該圧力検出手段からの検出信号に基いて該第1の電磁開閉弁および該第2の電磁開閉弁を制御する制御手段と、を具備し、
該制御手段は、該チャックテーブルに吸引保持された被加工物の吸引保持を解除する際には、該第1の電磁開閉弁を閉路するとともに該第2の電磁開閉弁を断続的に開閉し、該圧力検出手段からの検出信号が大気圧に達したら該第2の電磁開閉弁を開路せしめる、
ことを特徴とする研削装置のチャックテーブル機構が提供される。
本発明による研削装置のチャックテーブル機構においては、制御手段がチャックテーブルに吸引保持された被加工物の吸引保持を解除する際には、制御手段が第1の電磁開閉弁を閉路するとともに第2の電磁開閉弁を断続的に開閉し、圧力検出手段からの検出信号が大気圧に達したら第2の電磁開閉弁を開路せしめるので、連通路内の圧力を大気圧まで上昇させるために大気開放経路を設ける必要がない。また、連通路内の圧力が大気圧に達するまでは第2の電磁開閉弁を断続的に開閉するので連通路内の圧力は徐々に上昇するため、ブロー流体が一時的にチャックテーブルの保持面に勢い良く噴出することはなく、チャックテーブル上の被加工物が勢い良く浮上して脱落することはない。
以下、本発明に従って構成された研削装置のチャックテーブル機構の好適な実施形態について、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成されたチャックテーブル機構が装備された研削装置の斜視図が示されている。
図示の実施形態における研削装置は、略直方体状の装置ハウジング2を具備している。装置ハウジング2の図1において右上端には、静止支持板21が立設されている。この静止支持板21の内側面には、上下方向に延びる2対の案内レール22、22および23、23が設けられている。一方の案内レール22、22には荒研削手段としての荒研削ユニット3が上下方向に移動可能に装着されており、他方の案内レール23、23には仕上げ研削手段としての仕上げ研削ユニット4が上下方向に移動可能に装着されている。
荒研削ユニット3は、ユニットハウジング31と、該ユニットハウジング31の下端に回転自在に装着されたホイールマウント32に装着された荒研削ホイール33と、該ユニットハウジング31の上端に装着されホイールマウント32を矢印32aで示す方向に回転せしめる電動モータ34と、ユニットハウジング31を装着した移動基台35とを具備している。
上記移動基台35には被案内レール351、351が設けられており、この被案内レール351、351を上記静止支持板21に設けられた案内レール22、22に移動可能に嵌合することにより、荒研削ユニット3が上下方向に移動可能に支持される。図示の形態における荒研削ユニット3は、上記移動基台35を案内レール22、22に沿って移動させ研削ホイール33を研削送りする研削送り機構36を具備している。研削送り機構36は、上記静止支持板21に案内レール22、22と平行に上下方向に配設され回転可能に支持された雄ねじロッド361と、該雄ねじロッド361を回転駆動するためのパルスモータ362と、上記移動基台35に装着され雄ねじロッド361と螺合する図示しない雌ねじブロックを具備しており、パルスモータ362によって雄ねじロッド361を正転および逆転駆動することにより、荒研削ユニット3を上下方向(後述するチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向)に移動せしめる。
上記仕上げ研削ユニット4も荒研削ユニット3と同様に構成されており、ユニットハウジング41と、該ユニットハウジング41の下端に回転自在に装着されたホイールマウント42に装着された研削ホイール43と、該ユニットハウジング41の上端に装着されホイールマウント42を矢印42aで示す方向に回転せしめる電動モータ44と、ユニットハウジング41を装着した移動基台45とを具備している。
上記移動基台45には被案内レール451、451が設けられており、この被案内レール451、451を上記静止支持板21に設けられた案内レール23、23に移動可能に嵌合することにより、仕上げ研削ユニット4が上下方向に移動可能に支持される。図示の形態における仕上げ研削ユニット4は、上記移動基台45を案内レール23、23に沿って移動させ研削ホイール43を研削送りする送り機構46を具備している。送り機構46は、上記静止支持板21に案内レール23、23と平行に上下方向に配設され回転可能に支持された雄ねじロッド461と、該雄ねじロッド461を回転駆動するためのパルスモータ462と、上記移動基台45に装着され雄ねじロッド461と螺合する図示しない雌ねじブロックを具備しており、パルスモータ462によって雄ねじロッド461を正転および逆転駆動することにより、仕上げ研削ユニット4を上下方向(後述するチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向)に移動せしめる。
図示の実施形態における研削装置は、上記静止支持板21の前側において装置ハウジング2の上面と略面一となるように配設されたターンテーブル5を具備している。このターンテーブル5は、比較的大径の円盤状に形成されており、図示しない回転駆動機構によって矢印5aで示す方向に適宜回転せしめられる。ターンテーブル5には、被加工物を吸引保持するチャックテーブル機構6が配設されている。このチャックテーブル機構6は、図示の実施形態においてはそれぞれ120度の位相角をもって配設された3個のチャックテーブル60、60、60を備えている。このように3個のチャックテーブル60、60、60を備えたチャックテーブル機構6について、図2を参照して説明する。
3個のチャックテーブル60は、それぞれチャックテーブル本体61と、該チャックテーブル本体61の上面に配設された吸着保持チャック62とからなっている。チャックテーブル本体61は、ステンレス鋼等の金属材によって円板状に形成されており、上面に円形の嵌合凹部611が形成されており、この嵌合凹部611の底面外周部に環状の載置棚612が設けられている。そして、嵌合凹部611に無数の吸引孔を備えたポーラスなセラミックス等からなる多孔性部材によって形成された吸着保持チャック62が嵌合される。このようにチャックテーブル本体61の嵌合凹部611に嵌合された吸着保持チャック62は、上面が被加工物を吸引保持する保持面として機能する。また、チャックテーブル本体61には、嵌合凹部611に連通する連通路613が形成されている。この連通路613には、吸引手段63およびブロー流体供給手段64が連通されている。
吸引手段63は、吸引源631と、該吸引源631と連通路613、613、613とを接続する吸引通路632、632、632と、該吸引通路632、632、632に配設された第1の電磁開閉弁(V1)633、633、633とからなっている。また、ブロー流体供給手段64は、ブロー流体供給源641と、該ブロー流体供給源641と連通路613、613、613とを接続するブロー流体供給通路642、642、642と、該ブロー流体供給通路642、642、642に配設された第2の電磁開閉弁(V2)643、643、643とからなっている。ブロー流体供給源641は、圧縮空気源641aと水源641bとからなり、圧縮空気と水の混合流体からなるブロー流体を供給する。
図示の実施形態におけるチャックテーブル機構6は、上記連通路613、613、613内の圧力をそれぞれ検出する圧力検出手段65、65、65と、該圧力検出手段65、65、65からの検出信号に基いて上記第1の電磁開閉弁(V1)633、633、633および第2の電磁開閉弁(V2)633、633、633を制御する制御手段66を具備している。
図1に戻って説明を続けると、上記チャックテーブル機構6を構成する3個のチャックテーブル60、60、60は、ターンテーブル5にそれぞれ120度の位相角をもって配設され、図示しない回転駆動機構によって矢印5aで示す方向に回転せしめられる。ターンテーブル5に配設された3個のチャックテーブル60、60、60は、ターンテーブル5が適宜回転することにより被加工物搬入・搬出域A、荒研削加工域B、および仕上げ研削加工域Cおよび被加工物搬入・搬出域Aに順次移動せしめられる。
図示の研削装置は、被加工物搬入・搬出域Aに対して一方側に配設され研削加工前の被加工物である半導体ウエーハをストックする第1のカセット7と、被加工物搬入・搬出域Aに対して他方側に配設され研削加工後の被加工物である半導体ウエーハをストックする第2のカセット8と、第1のカセット7と被加工物搬入・搬出域Aとの間に配設され被加工物の中心合わせを行う中心合わせ手段9と、被加工物搬入・搬出域Aと第2のカセット8との間に配設されたスピンナー洗浄手段11と、第1のカセット7内に収納された被加工物である半導体ウエーハを中心合わせ手段9に搬出するとともにスピンナー洗浄手段11で洗浄された半導体ウエーハを第2のカセット8に搬送する被加工物搬送手段12と、中心合わせ手段9上に載置され中心合わせされた半導体ウエーハを被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル60上に搬送する被加工物搬入手段13と、被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6上に載置されている研削加工後の半導体ウエーハを洗浄手段11に搬送する被加工物搬出手段14を具備している。なお、上記第1のカセット7には、半導体ウエーハ15が表面に保護テープ16が貼着された状態で複数枚収容される。このとき、半導体ウエーハ15は、裏面15bを上側にして収容される。
図示の実施形態における研削装置は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
第1のカセット7に収容された研削加工前の被加工物である半導体ウエーハ15は被加工物搬送手段12の上下動作および進退動作により搬送され、中心合わせ手段9に載置され6本のピン91の中心に向かう径方向運動により中心合わせされる。中心合わせ手段9に載置され中心合わせされた半導体ウエーハ15は、被加工物搬入手段14の旋回動作によって被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル60の吸着保持チャック62上に載置される。チャックテーブル60の吸着保持チャック62上に半導体ウエーハ15が載置されたならば、制御手段66は吸引手段63の第1の電磁開閉弁(V1)633を附勢(ON)して開路せしめる。この結果、吸引源631から吸引通路632および連通路613を介してチャックテーブル60を構成するチャックテーブル本体61の嵌合凹部611に負圧が作用し、無数の吸引孔を備えた吸着保持チャック62の上面である保持面に負圧が作用せしめられ、吸着保持チャック62上に載置された半導体ウエーハ15が吸引保持される。次に、ターンテーブル5を図示しない回転駆動機構によって矢印5aで示す方向に120度回動せしめて、半導体ウエーハを載置したチャックテーブル6を荒研削加工域Bに位置付ける。
半導体ウエーハ15を保持したチャックテーブル60は、荒研削加工域Bに位置付けられると図示しない回転駆動機構によって矢印60aで示す方向に回転せしめられる。一方、荒研削ユニット3の研削ホイール33は、矢印32aで示す方向に回転せしめられつつ研削送り機構36によって所定量下降する。この結果、チャックテーブル60上の半導体ウエーハ15の裏面15bに荒研削加工が施される。なお、この間に被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられた次のチャックテーブル60上には、上述したように研削加工前の半導体ウエーハ15が載置される。そして、上述したように制御手段66は吸引手段22の第1の電磁開閉弁(V1)633を附勢(ON)して開路し、吸引源631から吸引通路632および連通路613を通してチャックテーブル60を構成するチャックテーブル本体61の嵌合凹部611に負圧が作用することにより、吸着保持チャック62上に載置された半導体ウエーハ15を吸引保持する。次に、ターンテーブル5を矢印5aで示す方向に120度回動せしめて、荒研削加工された半導体ウエーハ15を保持しているチャックテーブル60を仕上げ研削加工域Cに位置付け、研削加工前の半導体ウエーハ15を保持したチャックテーブル60を荒研削加工域Bに位置付ける。
このようにして、荒研削加工域Bに位置付けられたチャックテーブル60上に保持された荒研削加工前の半導体ウエーハ15の裏面15bには荒研削ユニット3によって荒研削加工が施され、仕上げ研削加工域Cに位置付けられたチャックテーブル60上に載置され荒研削加工された半導体ウエーハ15の裏面15bには仕上げ研削ユニット4によって仕上げ研削加工が施される。次に、ターンテーブル5を矢印5aで示す方向に120度回動せしめて、仕上げ研削加工した半導体ウエーハ15を保持したチャックテーブル60を被加工物搬入・搬出域Aに位置付ける。なお、荒研削加工域Bにおいて荒研削加工された半導体ウエーハ15を保持したチャックテーブル60は仕上げ研削加工域Cに、被加工物搬入・搬出域Aにおいて研削加工前の半導体ウエーハ15を保持したチャックテーブル60は荒研削加工域Bにそれぞれ移動せしめられる。
上述したように、荒研削加工域Bおよび仕上げ研削加工域Cを経由して被加工物搬入・搬出域Aに戻ったチャックテーブル60は、ここで仕上げ研削加工された半導体ウエーハ15の吸引保持を解除する(吸引保持解除工程)。ここで、吸引保持解除工程の制御手順について、図3に示すフローチャートをも参照して説明する。
制御手段66は吸引手段63の第1の電磁開閉弁(V1)633を除勢(OFF)して閉路し、吸引源631とチャックテーブル60を構成するチャックテーブル本体61に形成された連通路613との連通を遮断する(ステップS1)。次に、制御手段66はステップS2に進んで、ブロー流体供給手段64の第2の電磁開閉弁643(V2)に対して附勢(ON)と除勢(OFF)を断続制御し、第2の電磁開閉弁643(V2)を断続的に開閉する。この第2の電磁開閉弁(V2)643に対する附勢(ON)と除勢(OFF)の断続制御は、例えば0.1秒間隔で実施する。この結果、ブロー流体供給源641からブロー流体供給通路642を介してチャックテーブル60を構成するチャックテーブル本体61に形成された連通路613に供給され、これまで負圧であった連通路613内の圧力が徐々に上昇する。この連通路613内の圧力は圧力検出手段65によって検出され、その検出信号が制御手段66に送られる。このようにして第2の電磁開閉弁(V2)643に対する附勢(ON)と除勢(OFF)の断続制御を実行したならば、制御手段66はステップS3に進んで、圧力検出手段65からの検出信号に基いて連通路613内の圧力Pが大気圧P1に達したか否かをチェックする。ステップS3において連通路613内の圧力Pが大気圧P1に達していないならば、制御手段66は上記ステップS2およびステップS3を繰り返し実行する。ステップS3において連通路613内の圧力Pが大気圧P1に達したならば、制御手段66はステップS4に進んで、第2の電磁開閉弁(V2)643に対する附勢(ON)と除勢(OFF)の断続制御を附勢(ON)に切り替える。なお、第2の電磁開閉弁643に対する附勢(ON)と除勢(OFF)の断続制御を2秒間程度実行することにより、連通路613内の圧力が大気圧に達することが望ましい。このように連通路613内の圧力が大気圧に達するまでは第2の電磁開閉弁(V2)643に対する附勢(ON)と除勢(OFF)の断続制御を実行するので、連通路613内の圧力は徐々に上昇するため、ブロー流体が一時的にチャックテーブル60の吸着保持チャック62の上面である保持面に勢い良く噴出することはなく、吸着保持チャック62上の半導体ウエーハ15が勢い良く浮上して脱落することはない。そして、連通路613内の圧力が大気圧に達したら第2の電磁開閉弁(V2)643が附勢(ON)されて所定流量のブロー流体が吸着保持チャック62の上面である保持面に流出するので、吸着保持チャック62上に載置された半導体ウエーハ15が僅かに浮き上がる。このように、図示の実施形態においては、吸着保持解除工程においてはブロー流体供給手段64の第2の電磁開閉弁(V2)643に対して附勢(ON)と除勢(OFF)を断続制御して連通路613内の圧力を徐々に上昇させるので、連通路613に連通する大気開放経路を設ける必要がない。
上述したように、第2の電磁開閉弁(V2)643が附勢(ON)されて所定流量のブロー流体が吸着保持チャック62の上面である保持面に流出することにより、吸着保持チャック62上に載置された半導体ウエーハ15が僅かに浮いた状態になったならば、被加工物搬出手段14が作動して吸着保持チャック62上において吸着保持が解除された半導体ウエーハ15を保持して搬出するが、制御手段66はステップS5において被加工物搬出手段14が半導体ウエーハ15を保持したか否かをチェックする。このチェックは、例えば被加工物搬出手段14が半導体ウエーハ15を吸引保持する場合には、吸引経路の圧力が所定値以下になったか否かによって確認することができる。ステップS5において被加工物搬出手段14が半導体ウエーハ15を未だ保持していない場合は、制御手段66は上記ステップS4およびステップS5を繰り返し実行する。そして、ステップS5において被加工物搬出手段14が半導体ウエーハ15を保持した場合には、制御手段66はステップS6に進んで第2の電磁開閉弁(V2)643を除勢(OFF)する。
なお、上述した実施形態においては、ステップS4において第2の電磁開閉弁(V2)643を附勢(ON)して所定流量のブロー流体を吸着保持チャック62の上面である保持面に流出せしめ、吸着保持チャック62上に載置された半導体ウエーハ15を僅かに浮いた状態にしてから被加工物搬出手段14を作動する例を示したが、ステップS4に進む前に被加工物搬出手段14を作動して半導体ウエーハ15を保持してもよい。この場合、ステップS4において第2の電磁開閉弁(V2)643を断続制御から附勢(ON)に切り替えた後所定時間経過したならば第2の電磁開閉弁(V2)643を除勢(OFF)する。
上述した吸引保持解除工程を実施し、吸着保持チャック62上において吸引保持が解除された半導体ウエーハ15を保持した被加工物搬出手段14は、半導体ウエーハ15をスピンナー洗浄手段11に搬送する。スピンナー洗浄手段11に搬送された半導体ウエーハ15は、ここで裏面15a(研削面)および側面に付着している研削屑が洗浄除去されるとともに、スピン乾燥される。このようにして洗浄およびスピン乾燥された半導体ウエーハ15は、被加工物搬送手段12によって第2のカセット8に搬送され収納される。
本発明に従って構成された研削ホイールが装備された研削装置の斜視図。 図1に示す研削装置に装備されるチャックテーブル機構を示す構成ブロック図。 図2に示すチャックテーブル機構を構成する制御手段の吸引保持解除工程の制御手順を示すフローチャート。
符号の説明
2:装置ハウジング
3:荒研削ユニット
33:研削ホイール
4:仕上げ研削ユニット
43:研削ホイール
5:ターンテーブル
6:チャックテーブル機構
60:チャックテーブル
61:チャックテーブル本体
613:連通路
62:吸着保持チャック
63:吸引手段
631:吸引源
632:吸引通路
633:第1の電磁開閉弁
64:ブロー流体供給手段
641:ブロー流体供給源
642:ブロー流体供給通路
643:第2の電磁開閉弁
65:圧力検出手段
66:制御手段
7:第1のカセット
8:第2のカセット
9:中心合わせ手段
11:スピンナー洗浄手段
12:被加工物搬送手段
13:被加工物搬入手段
14:被加工物搬出手段
15:半導体ウエーハ

Claims (1)

  1. 被加工物を吸引保持する保持面および該保持面に連通する連通路を備えたチャックテーブルと、該連通路に吸引通路を介して接続された吸引源と、該吸引通路に配設された第1の電磁開閉弁と、該連通路にブロー流体供給通路を介して接続されたブロー流体と、該ブロー流体供給通路に配設された第2の電磁開閉弁と、を具備する研削装置のチャックテーブル機構において、
    該連通路内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    該圧力検出手段からの検出信号に基いて該第1の電磁開閉弁および該第2の電磁開閉弁を制御する制御手段と、を具備し、
    該制御手段は、該チャックテーブルに吸引保持された被加工物の吸引保持を解除する際には、該第1の電磁開閉弁を閉路するとともに該第2の電磁開閉弁を断続的に開閉し、該圧力検出手段からの検出信号が大気圧に達したら該第2の電磁開閉弁を開路せしめる、
    ことを特徴とする研削装置のチャックテーブル機構。
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