JP5006128B2 - シートシャッタ - Google Patents

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本発明は、工場や倉庫等建物の出入口や間仕切り部分に設置されるシートシャッタに関する。
従来、工場や倉庫等建物の出入口や間仕切り部分に立設される左右の支柱に、シャッタ用のシート(シャターカーテン)を案内支持し、モータの正逆回転により開閉作動させるシートシャッタは既に公知である(例えば特許文献1。)。
上記特許文献1で示されるシートシャッタは、間口幅方向の真直性を保持する複数の心材(骨材)を、シート繰り出し方向(長さ方向)に心材配置間隔を有して形成される心材袋部(袋状部)内に挿入した状態で、心材の両側に該心材の外径より小径に形成した心材支持具(軸部)を設け、その軸部をシート側辺部の心材袋部と共に支柱のガイド溝内に挿入して案内する構成となっている。
特開2003−148065号公報
上記特許文献1で示されるシートシャッタは、支柱のガイド溝内に心材より小径な軸部を挿入するので、ガイド溝の溝幅を狭くしてシート閉鎖時の気密性を高めることができる利点がある。然し、上記シートシャッタは心材両側の軸部を、心材を収容する径の大きい心材袋部に収容しているので、シートが前後方向の強風を受けたとき、シートの自由端である側辺部が軸部及びガイド溝に対して大きく変動し、シート閉鎖時の気密性を低下させる欠点がある。
またシート下降時に接地部が接当物に接当した場合に、シートの下降によって心材が順次重なり合い左右いずれかの片側に傾斜した状態になる。この時シート側辺部に大きな撓みやめくれを生じ、シート端がガイド溝から外れ易いだけでなくシート開閉時の大きな抵抗を伴いシートを損傷する等の問題がある。
上記課題を解決するためのシートシャッタは、第1に、左右方向の複数の心材7を上下方向に心材配置間隔Hを有してシート2の心材取付部2aに収容して支持し、該シート2の側端を上記心材7の両端に取付けた支持杆21を介してシャッタ取付口を形成する支柱3,3内のガイド溝26に昇降移動可能に収容して開閉作動を行うシートシャッタ1において、上記支持杆21の外径を心材7の外径より小径にし、心材取付部2aにおける心材7を収容支持する心材収容部50の下辺部45に対し、支持杆21を収容する支持杆収容部51の下辺部46を、心材7と支持杆21の外径の差に対応した段差を付して形成し、シート2の左右の側辺部2bの撓みを支持杆21自体によって防止することを特徴としている。
第2に、心材収容部50と支持杆収容部51との間の段差部分に、側方より心材7を抜き差し自在にするスリット52を形成したことを特徴としている。
第3に、心材収容部50と支持杆収容部51とを1枚の帯状シートによって形成することを特徴としている。
第4に、心材支持具9を心材7の端部に着脱自在に設けると共に、支持杆21に該支持杆21より大径で心材7より小径なローラ22を軸支して支柱3のガイドレール3aに転接させることを特徴としている。
第5に、ローラ22を心材7の中心から片側に偏心させて軸支しガイドレール3aに転接させることを特徴としている。
本発明は、以上のように構成したことにより次のような効果を奏する。心材収容部の下辺部に対し、支持杆収容部の下辺部に心材と支持杆の外径の違いに応じた段差を設けたので、支持杆の前後方向の移動を規制し、心材のがたつきを防止したシートの開閉作動をスムーズに行うことができる。また支持杆がシート側辺部を定位置に支持するので、シートが強風を受けても側辺部の大きな撓みやめくれを防止して気密性を高めることができる。
心材収容部と支持杆収容部との間に、心材を抜き差し自在にするスリットを形成することにより、スリットから心材及び心材支持具の挿脱を、袋部を傷めることなく簡単に行うことができる。
1枚の帯状シートによって心材を収容する心材収容部と心材支持具を収容する支持杆収容部とを形成することにより、シートに対する両収容部のシート部材の基端部と先端部の接合作業を能率よく行うことができる。また心材収容部と支持杆収容部を帯状シートの数を増やすことなく心材支持構造を簡潔で低コストにすることができる。さらにスリットを介して心材収容部と支持杆収容部を袋部に大きな皺を伴うことなく、シートに簡単に接合することができる。
支持杆より大径で心材より小径なローラを支持杆に軸支することにより、ガイドレールに摺接しようとするシートの側辺部を逃し間隔内に撓ませて、ガイドレールとの強い摺接を防止しシート及び支持杆収容部を保護することができる。
ローラを心材の中心からシート側に偏心させて設けガイドレールに転接させることにより、ローラはシート側のガイドレールに転接し、支持杆を介しシートの両側を案内支持しながら一方向回転を促進することができるので、ガイド溝内での抵抗を軽減し昇降作動をスムーズに行うことができる。
以下図示する本発明の一実施形態について説明する。図1,図2において符号1は本発明のシートシャッタであり、建物等の出入口(間口)に立設するシャッタフレームにシート(シャッタ)2を昇降移動させることにより出入口を開閉する。このシートシャッタ1のシャッタフレームは、出入口を形成する建物の支柱又は壁面に沿って立設固定されてシャッタ取付口(シート開閉空間)を形成する左右の支柱(サイドフレーム)3,3と、該支柱3,3の上部を連結して取付支持される中空箱体状のシートケース4とによってゲート状のフレームとして構成される。
上記シートケース4は内部に、シート2を巻取及び繰出しのために回転可能な中空筒状の巻取ドラム5が設置される。支柱3,3は内部にシート2を後述するガイド機構を備えて昇降動作可能に構成される。
以下各部の構成について説明する。先ずシートケース4は従来のものと同様な構成によって、中空状のカバー枠体の両端に端板4a,4aが着脱可能に嵌め込まれ、カバー枠体の下部カバーの端部にシート2の通路(昇降路)4bを全長にわたって開口したボックス型形状に形成されている。
右方の端板4aには、巻取ドラム5の端部内に収容される円柱状のモータ6が取付ネジによって着脱可能に取付られている。
モータ6は巻取ドラム5の右方端部内に挿入された状態で、巻取ドラム5の右方をモータ軸に設けた駆動板6aによって連結されて支持している。また巻取ドラム5の左方は左方の端板4aに軸支した軸支板6bによって支持される。
シート2は透光性及び可撓性を有する長方形の合成樹脂製の幕体からなり、その上端(基部側)を巻取ドラム5の軸芯方向に沿って取付固定し、巻取ドラム5の正逆回転(巻取繰出回転)による繰り出し下降及び巻き上げ上昇によって開閉作動される。またシート2は、幕体の長手方向(繰り出し方向)の略全長にわたり、側面視で袋状に形成された複数の心材取付部2aが所定の心材配置間隔(ピッチ)Hを有して設けられ、各心材取付部2a内に一定の剛性を有するパイプ状の心材7及び下部の重錘心材7a等が挿入される。これによりシート2は巾方向に伸展して保持され、開閉作動時の撓み及び風による撓みが防止される。
図示例のシート2は図2〜図5で示すように、一枚のシート2の一側面に対し心材取付部2aが所定のピッチH毎にシート部材によってチューブ状に形成されている。この心材取付部2a内に袋部の一端側から心材7を挿入し、且つ心材7の両端に後述する心材支持具9を挿入固定する構造になっている。
尚、シート2は上記の製作手段に限定することなく、例えば相隣る上下の心材7と心材7との間隔毎に形成したシート片の上下端を上下に重ね、各重接端を溶着又は接着等の接合手段によって接合させて、心材7を挿入するチューブ状の心材取付部2aを形成することもできる。
また心材7の全長は、その両端が後述する支柱3の内面に取付けたガイドレール3a内に挿入するのに必要な長さである。この図示例では心材7の全長は、間口巾より短い長さの丸パイプ材からなる心材7の左右端に、シート側辺部2bの心材取付部2aから後述する心材支持具9,9を挿入した長さになっている。
そして、図2,図3で示すようにシート2は最下端に、上記のような剛性の高い鉄製丸パイプ材を収容しないで、巾方向の通直性を保持しつつ可撓性を有して接地すると共に、シート2が下降するとき接当物や床面と緩衝性を有して接当する接地部11を備えている。
この接地部11は、シート2の下端を折り返してチューブ状に形成される下端の第1の収容部12内に、弾力性を有する棒状の可撓心材13を挿入し、その上方の第2の収容部15内には一定の剛性と重量を有するパイプ材からなる重錘心材7aを挿入している。また重錘心材7aは可撓心材13の上方に、心材7と重錘心材7aの心材間隔Hより短い緩衝間隔Lを設けて保持される。
尚、シート下端を折り返して袋状に形成される収容部12,15は、その接合面を溶着又は接着等の手段によって接合し、可撓性及び耐摩耗性を有する接地カバー16によってチューブ状断面をなすように下方から折り曲げて被覆される。
また図示例の接地部11は接地カバー16内において、第1の収容部12の外周にゴム又はスポンジ材で形成される緩衝部材17を設けて下部及び前後を覆っている。
これによりシート2は、接地部11の可撓心材13並びに緩衝部材17の重量に、重錘心材7aの重量を加えた接地部重量によって下降移動を等速でスムースに行うことができ、また下降に伴い接地部11が床面に接当したとき、可撓性を有する接地カバー16が重量によって押圧され変形しながら、床面に接して気密性を保つように接地する。
尚、接地部11はシート2が巻取ドラム5によって巻き上げられた最上昇位置において、シートケース4の通路4bを下方から塞ぐ状態で待機させ、且つ重錘心材7bを巻取ドラム5の下半部の前方に位置させる。そして、巻取ドラム5が逆転されるとき巻取ドラム5の下半部に位置する重錘心材7bは、接地部11の可撓心材13が軽量構造であるにもかかわらず、可撓心材13の重量によって、シート2を常に伸展させた状態で閉鎖作動を高速度で行うことができる。
また緩衝間隔Lを上方の相隣る心材7,7の心材配置間隔Hより短くし、重量のある重錘心材7aを可撓心材13に近接させているので、重錘心材7aより上位にある複数の心材7の軽量化を図ることができ、シート2の上昇駆動付加を増大させないで、開作動をスムーズに行わせることができる。
次に図3〜図5を参照し、シート2の昇降を案内するシートガイド構造について説明する。前記各心材7と可撓心材13は共に略等しい長さに形成され、それぞれの両端には各支柱3のガイドレール3a内に昇降自在に挿入される心材支持具9又は9aが取付けられている。そしてこの心材支持具9,9aは共にシート2の両端に形成される側辺部2b部分を通ってガイドレール3a内に突出している。
上記心材支持具9,9aは、心材7及び可撓心材13の両端に着脱交換可能に取付けられる棒状の支持杆21と、支持杆21のガイドレール3a内部の突出端に軸支され、ガイドレール3a内面に転接するローラ22とで構成される。
この実施形態では図3,図5で示すように心材支持具9は、丸パイプ材からなる心材7の両端内に、鍔付きの取付部23を所定の深さ嵌合して支持し、該取付部23即ち心材7の中心に対しガイド偏心距離Gを有して偏心させた位置に棒状の支持杆21を突出形成し、該支持杆21の先端に形成した軸部25にローラ22を軸支している。そして、支持杆21は上記取付部23より小径であり、これにより後述する側辺部2bを支柱3側に強く接触させない逃し間隔Kを形成する。尚、ローラ22の外径は心材7の外径より小さくなっており、中心側の軸支部22a側を硬質プラスッチック材とし、その外周の転接部22bを軟質プラスッチック材で形成している。
また心材支持具9は心材7が曲げ方向の負荷を受けた際に、心材7に優先して折れ破断を生じるように、より強度の低いプラスッチック材成形されている。これによりシート2が曲げ荷重を受けた際に、高価格な心材7の破損を防止し、摩損したり接当物との接当により変形や破断をした心材支持具9のみを取り替えて、シートシャッタ1の修理や部品交換等のメンテナンス作業を簡単且つ廉価に行うことができる。
図3,図5で示すように、心材支持具9のローラ22を支柱3のガイドレール3aによって形成されるガイド溝26内に挿入し、ガイド溝26の前側ガイド面26aに転接するように偏心支持方向を定めた状態において、上記ガイド偏心距離Gによってローラ22の外周転接面を心材7の前側に位置させ、シート2の側辺部2bをやや後方に位置させることができる。これにより心材支持具9のローラ22は前側ガイド面26aに転接し、シート昇降時に後側ガイド面26bへの転接を規制して不規則に正逆回転することなく昇降をスムーズにガイドする。
さらに、ローラ22は前側ガイド面26aに常時転接しているので、従来のもののようにシート側辺部2bの特定部分を片側のガイド面(前側ガイド面)26aに強く押接することなく非摺接状態でガイド溝26内をスムーズに移動させる。従って、ガイドレール3aとの摺接によるシート2の損傷や破れ等を防止すると共に、前側ガイド面26aの摩耗も防止できる。
また支持杆21は取付部23より径を小さくガイドレール3aの前側ガイド面26aとの間に、前記逃し間隔Kを形成している。この機構により前側ガイド面26aに摺接しようとする側辺部2bを逃し間隔K内に撓ませ、前側ガイド面26aとの強い摺接を防止することができる。
またローラ22の外周面を心材7の外周前面よりやや内側に設けることによっても、前側ガイド面26aとの強い摺接による側辺部2bの損耗を防止することができる。
尚、図4の点線で示すように、シートによる気密性を高めるためにシート2の側辺部2bをローラ22の外側に延長させた場合には、該ローラ22を覆うシート部分を局部的に切開すると、ローラ22の転接を行わせることができる。また上記のような心材支持具9を用いないで、心材7の端部をガイド溝26内に直接挿入させてローラ22を軸支することもできる。この場合、ローラ支持軸部分を心材7の軸心に対して偏心させてローラ22を軸支させる等の構造を採用することができる。
次に図4を参照し可撓心材13側にセットされる最下段の心材支持具9aについて説明する。この最下段の心材支持具9aは前記心材支持具9と互換性を有するように同様な形状にすることが望ましい。そして取付部23と支持杆21を軟鉄で形成し、支持杆21の先端に前記プラスッチック製のローラ22を軸支している。この実施形態による心材支持具9aは、可撓心材13が曲がった状態でさらに所定以上の曲げ負荷が掛かると、支持杆21が塑性変形することによって全体を保護する。
支持杆21が塑性変形しても現場で復元修正することにより再使用することができ、且つ他の心材支持具が破損したときに、代替用品としても利用することができる。
さらに図示例の心材支持具9aにおいては、ローラ22はガイド溝26の中心部に軸支させ又は後側ガイド面26b側に転接するように位置決めしている。しかし図5に示すように前記心材支持具9のローラ22を前側ガイド面26aに転接させる偏心位置に設けることもできる。
上記各ローラ22の位置決め固定は、心材支持具9の場合は図5に示すように、先鋭な取付ネジ27を心材取付部2aの外側から取付部23にねじ込むことにより、心材取付部2aと心材支持具9を心材7に共締めすることによって行われる。また心材支持具9aは取付ネジ28を、心材取付部12の外側から取付部23に形成したネジ穴29にねじ込むことにより、心材取付部12と可撓心材13を着脱自在に共締め固定することができる。尚、最下段の心材支持具9aは鉄製に限定されることなく、心材支持具9より重量が大きく高強度の部材、例えばプラスッチック製の支持杆21内に可撓性を有する重量心材を一体的に挿入形成する等の手段で構成することもできる。
上記構成によりシート2の下方は、可撓心材13をその両端に設けた最下段の心材支持具9aを支柱3のガイド溝26に挿入支持させる一方で、重錘心材7aの両端には心材支持具類を設けない自由端になっている。これによりシート2の接当緩衝間隔Lの上下幅と心材支持幅Sの左右幅の範囲で側辺部2bのシート材自体によって昇降ガイドされ且つ支持されている。
シート2は、図2の点線で示す可撓性経路Aを形成して、後述する可撓心材13の上方への(湾曲)退避作動並びに前後方向の過負荷を受けた際の心材外し作動をスムーズに行なわせる。またこの機構により同図の1点鎖線で示す剛性経路Bを形成し、シート2の下方部位の左右方向の直線性を保持した開閉作動をスムーズに行うことができる。
次に図2〜図5に基いて支柱3及びシートガイド機構について説明する。建物等のゲート部材に組み付けられる一対の支柱3,3は、内向きに対向する内側壁の上下方向に開口部31を形成しており、この開口部31内にガイド溝26を有するガイドレール3aを着脱可能に取付固定している。そして、支柱3はガイド溝26内に、シート2の両側辺部2b,2b及び各心材支持具9、最下心材支持具9a等を挿入した状態で上下方向に移動案内し、シート2の昇降作動を行わせることができる。また支柱3内の空間部には、電気配線用のハーネス類が収容され、各種のボルトナット等の取付具が突出する。
上記ガイドレール3aは耐摩耗性を有するプラスッチック材により、前側ガイド面26aと後側ガイド面26bと内壁26cとを、平面視コの字状に一体的に成形してガイド溝26を形成している。このガイドレール3aは後側ガイド面26bの端部に沿って、ブラシ方式の気密保持部材32を着脱自在に設置する取付部33を凹入形成している(図3参照)。該取付部33に気密保持部材32を設けることにより、シート2の下降閉鎖時にガイド溝26の開口をブラシ部材によって塞いだ状態にすることができる。
図示例の気密保持部材32は、可撓性を有する多数の刷毛36を帯状の取付部材35に密植させて植立支持したブラシ構造とし、取付部材35を前記取付部33の一端から挿入し位置決めする簡潔な構成にしている。
これにより気密保持部材32としての刷毛36はガイド溝26の開口部を横断して前側ガイド面26a側に至り、閉鎖時のシート側辺部2bを背面から押接して前側ガイド面26aに接当させるように付勢する。
そして、シート2が開閉作動する際に昇降する心材取付部2a等の突起物に接当する刷毛36は、これに倣って大きな抵抗となることなく弾力的に押し倒され、突起物の通過に伴い弾力的に起立復帰し、シート2を押接した状態でガイド溝26を塞ぎ気密保持状態を保つ。
また刷毛36はシート2の側辺部2bを前側ガイド面26a側に付勢するので、前側ガイド面26aへのローラ22の転接を安定させると共に、閉鎖時に図5の点線で示すように側辺部2bを前側ガイド面26aに接当させ、シート2の前後方向の移動による通気を防止し、シートシャッタ1の気密性を高めることができる。
尚、気密保持部材32は上記ブラシ方式のものに限定することなく、例えば刷毛36に代えて弾力性及び可撓性を有する膜体や、該膜体をシート2の開閉作動に伴い自動的に開閉させる等の構成にすることもできる。
次にシート2の進退作動構造を図1を参照し説明する。このシートシャッタ1のモータ6は正逆回転可能なブレーキ付のモータを採用している。モータ6のモータ軸はエンコーダー又はセンサ等の検出装置(不図示)を備え、検出したモータ6の回転数(信号)を制御ボックス37で読みとり判断し、シート2の作動及び停止を設定値に従って行う。
またシートシャッタ1は、制御ボックス37に設けたリモコンスイッチ或いは設定スイッチ等の操作スイッチ類38によって、シート2の開閉動作並びに開閉パターン等のモード設定を任意に行うことができる。
そして、シートシャッタ1は、支柱3,3の高所部位に赤外線センサ等からなる開動センサ(起動センサ)39を正面側中央を向くように設置し、開動センサ39がシート2の前方に人や運搬車等の通過体を検出した際に、その検出信号によって制御ボックス37を介してモータ6を作動し閉鎖中のシート2を自動的に開くことができる。
さらに、支柱3の下側にはシート2が開かれた状態で、該シート2の下方に障害物(接当物)があるとき、モータ6によるシート2の下降を規制する障害物検知用の赤外線或いは光電管等からなる下降規制センサ41を設置している。尚、前記接地部11に設置される図示しない下降停止センサの検知信号によって、モータ6を停止せしめ接当物とシート2を含むシートシャッタ1の損傷や接当トラブルの発生を防止することができる。
この停止信号は接地センサ43と接続する図示しない発信機器又は配線部材を介して制御ボックス37に送られる。これによりモータ6を停止させるか、又は制御ボックス37に設定された制御プログラムによって逆転させることにより、接当時にシート2の下降を即時停止又は上昇退避作動させることができる。
上記心材取付部2aは、左右方向の帯状のシート材の基端部47(の外周面)をシート2(の後面)に接合固着し、先端部49(の内面)を上記接合部の上方に接合固着して全体を左右方向のチューブ状に形成している。そしてこの取付部2aは、心材7を収容支持するために心材7の径に応じて大きい径に形成した心材収容部50と、心材7よりも小さい径の支持杆21の径に応じ小さい径に形成した支持杆収容部51とで構成されている。
図示する例では心材収容部50と支持杆収容部51は同一のシート材で形成されている。そして図6,図7に示すように心材7の下部周面と支持杆21の下部周面は支持状態において両者の径の違いに応じた段差がある。この段差に対応して心材収容部50のシート材下辺部45と支持杆収容部51のシート材下辺部46にもそれぞれ段差が形成され、それぞれが心材7と支持杆21の下部周面に沿って密着することによって心材7及び支持杆21を支持している。
そしてこの段差部分には上下方向のスリット(切目)52が形成されており、スリット52より外側方のシート材は上記段差分だけ上方に引き上げられた状態で先端部49がシート2に接合固定されている。したがって上記スリット52より外側部分がシートの側辺部2b内にあって支持杆収容部51を形成することになる。また支持杆収容部51側のシート材先端部(上端部)49の接合位置は心材収容部50の接合位置と同一高さに揃えられ、段差に応じて引き上げられた部分は切断除去される。
上記構成により心材7は心材収容部50内に融通自在に収容支持することができ、従来のものと同様に例えば、心材収容部50内にゆとりのスペース形成をすることによって、シート2を自由に撓ませることができ、シート2の閉鎖時における風による小範囲の撓みを自由にしたり、シート2の昇降をスムーズにすることができる。また心材7はスリット52から抜き差しすることもできるので、心材収容部50に対する心材7の挿入及び抜き出しが容易で、心材7及び心材支持具9のメンテナンス作業を簡単に行うことができる。
また心材支持具9は支持杆21を小スペースの支持杆収容部51内に収容し、支持杆21を下辺部46に接触させて直接支持するので、心材7のがたつきを防止したシート2の開閉作動をスムーズに行うことができる。また心材支持具9は支持杆21が下辺部46を介して側辺部2bを定位置に支持するので、シート2に強風を受けても側辺部2bの大きな撓みやめくれを防止し、シートシャッタ1の気密性を高めることができる。
さらに、ローラ22を有する支持杆21は心材7の外径より小径にし、心材7の中心からガイド溝26の一側に向けて偏心させて設けているので、支持杆21を側辺部2bに近接させて前後の移動を規制しながら、ローラ22をガイド溝26の一側に確実に転接させることができる。
以上のように構成されるシートシャッタ1は、巻取ドラム5の正逆回転によってシート2の巻取繰出動作による開閉作動を進退作動構造によってスムーズに行い、且つ接地部11及び気密保持部材32等の構成によって、シート2の閉鎖時の気密性を向上させることができる。そして、シート2の開閉時において、シート2の下降時に接地部11が上方から接当物に強く接当したとき、接地部11は接当負荷を先ず接地カバー16を介して緩衝部材17が受けたのち可撓心材13が受け、大きな負荷の場合には可撓心材13が上方に向けて弾力的に撓むことにより衝撃を緩衝する。
然し接当負荷が継続される場合には、可撓心材13がシート2の下降と相俟って接当緩衝間隔Lのシート撓み代を超えて重錘心材7aに接当し、該重錘心材7aを上方に持ち上げるように作動させる。これにより接地部11は、接当緩衝間隔Lを介し剛性部材からなる重錘心材7aを上方に逃がす上方退避作動をさせるので、接当物及び接当物の損傷等を防止することができる。
そして、接当負荷がさらに強く継続され可撓心材13及び重錘心材7aが、また心材7と共に左右に大きく傾いて下降する心材接当傾斜作動をするような場合には、先ず可撓心材13の最下心材支持具9aがガイドレール3aから抜け出して外れ、次いで心材7も心材支持具9を介してガイドレール3aから外すことができるので、この心材外し作動によって過大な接当トラブルを回避することができる。尚、このような接当トラブル時には在来のものと同様に、トラブル検出手段によってモータ6が逆転することによりシート2の下降を止め反転(退避)上昇することができる。
上記のような作用を行う可撓性経路Aを有しながら、可撓心材13の両側に支持される最下心材支持具9aと、短い距離の接当緩衝間隔Lを有して可撓心材13の直上に支持される重錘心材7aとからなる剛性経路Bを形成していることにより、シート2の下方部位の通直性を確保し強風等による前後方向の負荷に対し、シート外れを防止した開閉作動をスムーズに行うことができる。またローラ22を備えた最下心材支持具9a,心材支持具9によって心材7及び可撓心材13を進退作動させるので、開閉作動時の摩擦抵抗を軽減し且つシート2の摺動を抑制した巻取繰出の高速化を図ることができる。
また重錘心材7aそのものが大きな前後方向負荷を受けたとしても、該重錘心材7aは心材支持具類を備えずに側辺部2bを介してガイド溝26に支持しているので、重錘心材7aは変形することなく側辺部2bの心材支持幅Sと接当緩衝間隔Lを介して前後動して負荷を緩衝し、且つシート2下方部の前後方向への大きな撓み(膨らみ)を阻止するので強風にも耐えることができる。
そして、上記のようなシート2の作動時において、シート下降時に接地部11が接当物に接当した場合に、接当物に接当規制された状態でシート2が下降し隣接する心材7が順次接当し合い乱れて左右いずれかの側に傾斜した状態になる。この時心材支持具9は支持杆21を下辺部46に接触させて小スペースの支持杆収容部51内に挿入しているので、支持杆21が下辺部46に接触し側辺部2bに対する支持を確実にする。従って、支持杆21と側辺部2bとが大きくずれたり離間しないので、シート2の復帰作動をスムーズにすることができ、またシート2の損傷も防止することができる。
尚、心材取付部2aは図示例のように、1枚の帯状シートによって心材7を収容する心材収容部50と心材支持具9を収容する支持杆収容部51とを形成することにより、シート2に対する基端部47と先端部49の接合作業を能率よく低コストで行うようにした。
しかし下辺部45と支持杆収容部51との形成手段は上記のものに限定されないものである。即ち、心材収容部50と支持杆収容部51とを各別のシート材で別体に形成すると、両者の間にスリット52を切り加工することなく形成することができる。また支持杆収容部51を耐久性の高いシート材にすることができる。
次に図8を参照し心材支持構造の別実施形態について説明する。尚、前記実施形態のものと同様の構成及び作用に付いては説明を省略する。この実施形態のシート2は心材取付部2aを1枚のシート材によって心材収容部50と支持杆収容部51とを形成している。
即ち、下辺部45はシート2の全幅と等しい長さのものを、前記のものと同様に基端部47を接合したのち先端部49を接合して心材収容部50を一連に構成する。これにより心材収容部50内に心材7と心材支持具9を収容することができる。
この状態において心材支持具9の支持杆21が位置する支持杆収容部51の下辺部46部分を図8の点線53で示すように押圧して側辺部2bにヒートシール又は接着剤等により一体的に接合する。これにより支持杆収容部51の下辺部46は心材収容部50の下辺部45に対して前記同様の段差が形成され、心材支持具9の内部移動を規制した状態で支持することができる。尚、上記点線53と同様に先端部49側も、点線54で示すように支持杆21寄りにシート2に接合すると、支持杆収容部51をより狭めて心材支持具9の側辺部2bに対する支持をより確実にすることができる。
また心材収容部50と支持杆収容部51との間に形成するスリット52は、下辺部46となる部分の押圧を容易にし、袋部に大きな皺の発生を伴うことなく簡単に形成することができる。さらにスリット52を介して心材7及び心材支持具9の挿脱を袋部を傷めることなく行うことができる。
従って、変形又は破損をした心材支持具9は、組み立てとは逆順の作業によって取付ネジ27による固定を解除すると、心材7等を外すことなくスリット52を介して引き抜いて取り外すことができ、心材支持具類の修理或いは交換等のメンテナンス作業を簡単に行うことができる。
本発明を実施したシートシャッタの全体構成を示す正面図である。 図1のシートの構成を模式的に示す正面図である。 図1の接地部及びシートガイド構造を一部破断して示す側面図である。 図3の接地部のシートガイド構造を破断して示す平面図である。 図3の心材のシートガイド構造を破断して示す平面図である。 図5の心材支持構造を示す背面図である。 図6の側面図である。 心材支持構造の別実施形態を示す背面図である。
符号の説明
1 シートシャッタ
2 シート
2a 心材取付部
2b 側辺部
3 支柱
3a ガイドレール
7 心材
9 心材支持具
11 接地部
21 支持杆
22 ローラ
26 ガイド溝
45,46 下辺部
50 心材収容部
51 支持杆収容部
52 スリット
H 心材配置間隔

Claims (5)

  1. 左右方向の複数の心材(7)を上下方向に心材配置間隔(H)を有してシート(2)の心材取付部(2a)に収容して支持し、該シート(2)の側端を上記心材(7)の両端に取付けた支持杆(21)を介してシャッタ取付口を形成する支柱(3),(3)内のガイド溝(26)に昇降移動可能に収容して開閉作動を行うシートシャッタ(1)において、上記支持杆(21)の外径を心材(7)の外径より小径にし、心材取付部(2a)における心材(7)を収容支持する心材収容部(50)の下辺部(45)に対し、支持杆(21)を収容する支持杆収容部(51)の下辺部(46)を、心材(7)と支持杆(21)の外径の差に対応した段差を付して形成し、シート(2)の左右の側辺部(2b)の撓みを支持杆(21)自体によって防止するシートシャッタ。
  2. 心材収容部(50)と支持杆収容部(51)との間の段差部分に、側方より心材(7)を抜き差し自在にするスリット(52)を形成した請求項1のシートシャッタ。
  3. 心材収容部(50)と支持杆収容部(51)とを1枚の帯状シートによって形成する請求項1又は2のシートシャッタ。
  4. 心材支持具(9)を心材(7)の端部に着脱自在に設けると共に、支持杆(21)に該支持杆(21)より大径で心材(7)より小径なローラ(22)を軸支して支柱(3)のガイドレール(3a)に転接させる請求項1のシートシャッタ。
  5. ローラ(22)を心材(7)の中心から片側に偏心させて軸支しガイドレール(3a)に転接させる請求項4のシートシャッタ。
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