JP5005562B2 - 壁の開口部内に挿入される合い釘 - Google Patents

Description

本発明は、挿入された状態にて開口部を通って伸びる幹部分と、該幹部分と接続された、第一の材料構成要素にて出来たフランジと、第二の材料構成要素にて出来た密封部分とを含む、特に、車体の壁の開口部内に挿入される合い釘（ｄｏｗｅｌ）に関する。

該当する型式の合い釘は、ドイツ国特許番号１０２ ３１ ２７４ Ａ１から既知である。その密封部分は、リングの形態とされ且つ、壁に面するフランジの下側部に配設されている。密封部分は、加熱することにより自由な流れ状態とすることができる接着剤にて出来ている。合い釘を取り付けた後、合い釘が設けられた構成要素は、燃焼室を通し、これにより接着剤が作動され、また、合い釘は、壁に接着剤にて接着され且つこれにより密封される。

本発明は、特に優れた密封機構を特徴とする合い釘を提供するものである。

本発明に従い、この特徴は、第二の材料構成要素が高温度にて膨脹し且つ膨脹した状態にて開口部を緊密に閉じるプラスチック材料である上述した型式の合い釘にて実現される。特に、その第一の材料構成要素が硬い材料として形成され、その第二の材料構成要素が柔軟な材料として形成された、本発明に従った２構成要素の合い釘は、関係した車体部分を塗装し又はＫＴＬ被覆（ＫＴＬ＝陰極浸漬塗装）する前に、既に、開口部内に挿入されている。第二の材料構成要素は、塗装し又は被覆するときに通った乾燥設備内に存在する温度にて膨脹し、これにより開口部を確実に密封する。例えば、Ｏリング又は一体的に射出成形したＴＰＥシール（ＴＰＥ＝熱可塑性エラストマー材料）のような、密封のための追加的な構成要素は不要である。従来の接着剤と比較して、膨脹する材料は、膨脹したとき、合い釘と開口部との間に存在する全ての空隙を完全に充填し、これにより開口部を実質的に緊密に閉じるという有利な効果を提供する。材料の膨脹のため、製造許容公差は更に、補償することができる。

好ましくは、合い釘の全体は、１つの片部分から成る部品として形成される。特に、密封部分は、幹部分と一体的に形成される。複数の別個の部品から成る合い釘と比較したとき、このことは、容易に且つ迅速に管理できるという有利な効果をもたらす。合い釘は、１回の作業ステップにて全体として壁の開口部内に挿入される。

好ましくは、開口部の内端縁、及びフランジから反対方向を向いた壁の側部、従って、合い釘の挿入方向に対して壁の内側部は、膨脹した状態にてプラスチック材料により密封される。これにより、特に良好な液密な密封効果が実現される。

更に、膨脹した状態において、プラスチック材料は合い釘を壁に接着剤にて接着することを可能にする。この追加的な接着剤効果のため、合い釘を丸穴内にて使用することが可能であり、合い釘は、例えば、合い釘を壁の薄板金属に接着剤にて接着することによりバンパーを車体部分に装着するとき、回転に関与するのが防止される。

１つの好ましい実施の形態において、密封部分は、フランジの下方にて、従って、開口部の領域内にて少なくとも部分的に且つ、フランジから反対方向を向く開口部の側部にて幹部分を取り囲む。

例えば、バンパーを車体部分に装着することを許容するため、フランジ及び幹部分は、ねじ、特に、プラスチックねじ用の穴を含む。
更に、フランジに対向する位置にあるその端部にて、幹部分は、中心点を含むことができ、この中心点は、円錐体、截頭円錐体、角錐又は截頭角錐の形状の形態とされ且つ、合い釘の開口部内への挿入を容易にする。

１つの好ましい実施の形態において、合い釘は、少なくとも開口部領域内にて、矩形、特に、四角形の断面を含み、このため、四角形の開口部内に挿入するのに特に適している。しかし、特に、ねじの低ねじ込みトルクに関して上述したように、丸穴内にて合い釘を使用することが同様に可能である。

ばね突起として形成された複数の掛け止め要素を幹部分に配設することができる。特に、相互に対向した２つの掛け止め要素が提供される。
好ましくは、掛け止め要素は、フランジに向けて伸びる、すなわち、その自由端は、フランジの方を向いている。挿入された状態において、これらの自由端は、壁の下側部に対して休止し、このため、第二の材料構成要素が膨脹する前、合い釘を開口部内にて固定する作用を果たす。合い釘が開口部から引き抜かれるのを防止するため、掛け止め要素は、外方に向けて角度を付けて伸びており、従って、合い釘の長手方向軸線に沿って鋭角な角度を含む。

好ましい実施の形態に従い、掛け止め要素は、外側にて密封部分を少なくとも部分的に覆う。従って、密封部分は、掛け止め先端内にて「半径方向」に配置され、このことは、第二の材料の構成要素が膨脹したとき、掛け止め先端は、いわば、それらの伸びた位置に係止されるという有利な効果をもたらす。これにより、合い釘は、挿入方向と反対方向に引き抜かれるが効果的に防止される。

本発明の更なる特徴及び有利な効果は、添付図面の助けを受けて、１つの好ましい実施の形態の以下の説明から明らかになるであろう。
図１及び図２には、車体の一部を形成する壁１４の開口部１２内に挿入される１つの片部分から成る合い釘１０が示されている。合い釘１０は、この場合、例えば、バンパーを車体に液密に装着する作用を果たす。合い釘１０は、挿入された状態にて、開口部１２を通って伸び、また、円形のフランジ１８により接続され、該円形のフランジ１８は、合い釘１０の挿入方向Ｅに対して壁１４の外側１９に配設されている。幹部分１６及びフランジ１８は、硬い材料である第一の材料構成要素にて一体的に製造される。開口部１２の領域内にて、合い釘１０は、四角形の穴に挿入するのに特に適した四角形の断面を有する。

フランジ１８のほぼ真下（図面の図に対して）に密封部分２０が配設されており、該密封部分２０は、特定の高さにて幹部分１６を周方向に完全に取り囲み且つ、部分的に開口部１２の下方にて、開口部１２内に部分的に配置されている。密封部分２０の領域内にて、幹部分１６は、隣接する領域と比較して、密封部分２０の厚さだけ減少した断面を有する。幹部分１６を有して１つの片部分から成る部品として具体化された密封部分２０は、第二の材料構成要素、すなわち、高温度にて膨張し且つ、膨張した状態にて開口部１２を緊密に閉じるプラスチック材料から成っている。図面において、柔軟な材料として形成された第二の材料構成要素の非膨脹状態が図示されている。

フランジ１８及び幹部分１６は、例えば、バンパーを壁１４に装着するためのねじ２３を受け入れるため、合い釘の長手方向軸線に沿って伸びる中央穴２２を含む。ねじ２３の一部分は、図２に概略図的に示されている。フランジ１８に対向する位置にあるその端部にて、幹部分１６は、この配置において、截頭円錐形の形状にて形成された中央箇所２４を有している。

フランジ１８と中央箇所２４の間のほぼ半分の高さにて、幹部分１６には、複数の（この場合、２つの）掛け止め要素２６が配設されており、該掛け止め要素２６は、ばね突起として形成され且つ、フランジ１８の方向に向けて外方に角度を付けて伸びている。合い釘１０の挿入した状態において、相互に対向した掛け止め要素の自由端２８は、壁１４の内側部３０に対して休止している。図面から明らかであるように、掛け止め要素２６は、開口部１２から突出する密封部分２０の部分の全高さを渡って伸びている。このことは、掛け止め要素２６は、両側部にて外側で密封部分２０を大部分覆うことを意味する。掛け止め要素に対して内側に位置する密封部分２０は、掛け止め要素２６に面する２つの傾斜外面３２を含む。

壁１４により形成された車体部分を塗装し又はＫＴＬ被覆する前に、既に、合い釘１０は、開口部１２内に挿入され且つ、掛け止め要素２６によりその位置に係止されている。塗装し又は被覆したとき、車体の一部は、第二の材料構成要素と共に、乾燥設備を通り、この第二の材料構成要素は、密封部分２０を形成し、乾燥設備内に存在する温度のため膨脹し、これにより開口部１２の内端縁３４及びフランジ１８から反対方向を向いた壁１４の内側部３０を密封する。第二の材料構成要素の選択に依存して、膨脹のため色々な温度範囲が考えられる。更に、膨脹した状態において、密封部分２０のプラスチック材料は、合い釘１０を壁１４に接着剤にて接着する。密封部分２０の膨脹のため、掛け止め要素２６は、更に、「係止」され、このため、旋回運動が阻止される。このようにして、壁１４に対する合い釘１０の液密の接続が実現される。その後、バンパーは、例えば、合い釘１０にねじ止めすることができる。

膨脹したときに生ずる接着剤による接着のため、少なくともねじの低ねじ込みトルクにて、合い釘１０を丸穴内にて使用することが同様に可能である。

本発明に従って挿入された合い釘を含む、壁の一部断面図とした斜視図である。 図１の挿入された合い釘を含む、壁の更なる斜視図である。

符号の説明

１０ 合い釘
１２ 開口部
１４ 壁
１６ 幹部分
１８ フランジ
２０ 密封部分
１９ 壁の外側
２２ 中央穴
２３ ねじ
２４ 中央箇所
２６ 掛け止め要素
２８ 自由端
３０ 壁の内側部
３２ 傾斜外面
３４ 内端縁
Ｅ 合い釘の挿入方向

Claims (9)

1. 挿入された状態にて開口部（１２）を通って伸びる幹部分（１６）と、該幹部分と接続された、第一の材料構成要素にて出来たフランジ（１８）と、
   第二の材料構成要素にて出来た密封部分（２０）とを含む、特に、車体の壁（１４）の開口部（１２）内に挿入される合い釘（ｄｏｗｅｌ）において、
   第二の材料構成要素は、高温度にて膨張し且つ、膨張した状態にて開口部（１２）を緊密に閉じるプラスチック材料であり、
   ばね突起として形成された複数の掛け止め要素（２６）が幹部分（１６）上に配設され、
   掛け止め要素（２６）は、外側にて密封部分（２０）を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、合い釘。
2. 請求項１に記載の合い釘において、
   密封部分（２０）は、幹部分（１６）を有して１つの片部分（ｏｎｅ−ｐｉｅｃｅ ｐａｒｔ）から成る部品の形態とされることを特徴とする、合い釘。
3. 請求項１又は２の何れかの項に記載の合い釘において、
   膨張した状態において、プラスチック材料は、開口部（１２）の内端縁（３４）及びフランジ（１８）から反対方向を向いた壁（１４）の内側部（３０）を密封することを特徴とする、合い釘。
4. 請求項１ないし３の何れか１つの項に記載の合い釘において、
   膨脹した状態において、プラスチック材料は、合い釘（１０）を壁（１４）に接着剤にて接着することを特徴とする、合い釘。
5. 請求項１ないし４の何れか１つの項に記載の合い釘において、
   密封部分（２０）は、フランジ（１８）の下方にて幹部分（１６）を取り囲むことを特徴とする、合い釘。
6. 請求項１ないし５の何れか１つの項に記載の合い釘において、
   フランジ（１８）及び幹部分（１６）は、ねじ（２３）用の穴（２２）を含むことを特徴とする、合い釘。
7. 請求項１ないし６の何れか１つの項に記載の合い釘において、
   幹部分（１６）は、フランジ（１８）に対向する位置にあるその端部にて、中心点（２４）を含むことを特徴とする、合い釘。
8. 請求項１ないし７の何れか１つの項に記載の合い釘において、
   少なくとも開口部（１２）領域内にて、合い釘（１０）は、矩形、特に、四角形の断面を有することを特徴とする、合い釘。
9. 請求項８に記載の合い釘において、
   掛け止め要素（２６）は、フランジ（１８）に向けて伸びることを特徴とする、合い釘。

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