JP5005031B2 - 湿式紡糸方法 - Google Patents

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Description

本発明は、湿式紡糸装置および湿式紡糸方法に関する。
本願は、2008年4月18日に、日本に出願された特願2008−108972号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
湿式紡糸装置は、有機系高分子重合体を溶媒に溶解して調製した紡糸原液を、ノズルから凝固液中に吐出して繊維状に固化させる装置である。この湿式紡糸装置により、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、その他アクリル系繊維などが製造される。
湿式紡糸装置は、一般的に、凝固液が貯留される紡浴槽と、前記紡浴槽内の一端部に沈設されたノズルおよび他端部に沈設された引き上げロールとを備えており、前記ノズルから吐出された紡糸原液が凝固液により凝固されることで凝固糸条とされた後、前記凝固糸条が引き上げロールにより紡浴槽外に引き取られるようになっている。前記凝固液は、前記ノズルの背面側に配設された凝固液噴出し口から紡浴槽内に吐出され、前記凝固糸条を凝固させつつ前記凝固糸条の走行方向へと流されていき、紡浴槽の他端部に配設された紡浴槽出口より凝固液回収部へと流出される。前記紡浴槽内で固化された繊維(凝固糸条)は、凝固液から分離されて洗浄された後、薬液処理、乾燥、熱処理等の後工程へと送られる。
前記凝固糸条を引き取り紡糸する速度は、一般に紡浴槽内に供給される凝固液の平均流速よりも速く設定される。そのため、凝固糸条の近傍を流れる凝固液は凝固糸条に引き寄せられて随伴され、紡糸速度に近い速さで引き取り方向へと流される(以下、これを「随伴流」という)。そして、紡浴槽内の前記凝固糸条から離れた底壁や側壁付近では、随伴流を補うために凝固液が下流側から上流側へと逆流する現象が起こる。このように、紡浴槽内では随伴流と逆流との相反する方向の流れが同時に隣接して発生するため、それらが相互に干渉し合って凝固液の流れが不規則となり、局所的に渦や滞留が発生していた。
紡浴槽内でこのような渦や滞留が発生すると、紡糸原液の凝固不良により単糸切れした糸屑(ネスト)が紡浴槽内に浮遊し、糸屑溜りが凝固糸条に接触して製品の品質・性能の低下を引き起こすことがあった。また、生産性を向上させるために紡糸速度を上げると、凝固液の乱流がより顕著になり、凝固糸条が紡浴槽内で揺さぶられて繊度斑や単糸切れなどを引き起こすため、安定した生産の妨げとなっていた。
そのため、上記問題を解決するために、以下の湿式紡糸装置が示されている。
凝固糸条の両側に、凝固糸条の走行方向に沿って仕切る整流板を設けた湿式紡糸装置(例えば、特許文献1)。この湿式紡糸装置では、整流板により凝固液の流れが乱れることを抑制することができる。
しかし、このような湿式紡糸装置では、紡浴槽の凝固液の流出部分における凝固液の流速が速くなりすぎて凝固糸条(トウ)に乱れが生じることがあった。
そこで、凝固糸条と、紡浴槽の前記凝固糸条の走行方向に並行する壁面との間に、凝固液を仕切る凝固液仕切り側板(整流板)を設け、前記凝固液仕切り側板に凝固液抜き出し穴(開口)が形成された湿式紡糸装置が示されている(例えば、特許文献2〜4)。この湿式紡糸装置では、紡浴槽内が、凝固液仕切り側板の内側の凝固糸条が走行する内槽と、その両側の外槽とに分けられており、紡浴槽内で発生する随伴流が内槽を下流側へ流れ、逆流が外槽を上流側へ流れるように制御される。また、内槽から外槽に向かって前記開口から凝固液を流出させることにより内槽の凝固液の流速が速くなりすぎることを抑制できる。
特開昭62−33814号公報 特開平9−67714号公報 特実昭41−18091号公報 特開平11−229227号公報
しかし、特許文献2および3のような湿式紡糸装置では、整流板に設けられた開口に凝固糸条から生じたネストが詰まり、そのネストが凝固糸条に再付着することで製品の品質・性能が低下することがあった。
また、特許文献1、2および4のような湿式紡糸装置では、発生した逆流液を整流板の外側からノズル近傍に復流させて新たに供給される凝固液と混合させるため、ノズル近傍において、凝固液の乱流や、凝固液の濃度斑・温度斑が発生して凝固糸条の単糸切れなどを生じさせることがあった。
以上のような理由から、紡浴槽内の凝固液の流れを制御して、品質・性能に優れた合成繊維が得られる湿式紡糸装置が望まれている。
そこで本発明では、紡浴槽内での凝固液の流れを制御することで前記紡浴槽内における凝固液の濃度・温度を均一化し、また凝固液の乱流によって生じる単糸切れや、滞留によって発生して浮遊する糸屑(ネスト)の生成を抑制して、良好な品質の繊維を製造することができ、高速紡糸(高速引取り)にも対応できる湿式紡糸装置および湿式紡糸方法を目的とする。
本発明の湿式紡糸方法は、湿式紡糸装置を用いて紡糸原液を凝固させ凝固糸条にして、合成繊維を紡糸する湿式紡糸方法であって、
前記湿式紡糸装置は、凝固液を貯留する紡浴槽に、断面積が一端部から他端部に向かって徐々に小さくなっている前記紡糸原液を凝固させる凝固浴部と、断面積が一端部から他端部に向かって徐々に大きくなっている前記凝固糸条が走行する糸条走行部とが設けられ
前記糸条走行部の断面積の最大値S3と、前記凝固浴部と前記糸条走行部との接続部の断面積S2との比(S3/S2)が1.5以上5.5以下であり、
前記紡浴槽の一端部に、前記紡糸原液を他端部に向けて吐出するノズルと、前記ノズルの上流側から凝固液を噴き出す凝固液噴出し口とが配設され、
前記紡浴槽の他端部側に、前記紡浴槽から流出された凝固液を回収する凝固液回収部が配設されており、
前記接続部での凝固液の流速V(m/min)を、走行糸条トウ速度v(m/min)の0.5倍以上1.5倍以下として紡糸する方法である。
本発明の湿式紡糸装置は、紡浴槽内での凝固液の流れを制御することで前記紡浴槽内における凝固液の濃度・温度を均一化し、また凝固液の乱流によって生じる単糸切れや、滞留によって発生し浮遊する糸屑(ネスト)の生成を抑制して、良好な品質の繊維を製造することができる。また、凝固液の流れを均一にできるため、高速紡糸(高速引取り)にも対応できる。
また、本発明の湿式紡糸装置によれば、単糸切れや糸屑(ネスト)の付着が抑えられた良好な品質の繊維が得られる。また、高速紡糸(高速引取り)にも対応できるため高い生産性で繊維を製造できる。
本発明の湿式紡糸装置の一実施形態例の概略構成を示した平面図である。 図1の湿式紡糸装置を示した側面図である。 図1の湿式紡糸装置において傾斜板を示した側面図である。 図1の湿式紡糸装置のX−X線における断面図である。 図1の湿式紡糸装置のY−Y線における断面図である。 図1の湿式紡糸装置の紡浴槽の他端面の紡浴槽出口を示した図である。 本発明の湿式紡糸装置の他の実施形態例の概略構成を示した平面図である。 本発明の湿式紡糸装置の他の実施形態例の概略構成を示した平面図である。 比較例1の湿式紡糸装置の概略構成を示した平面図である。 比較例2の湿式紡糸装置の概略構成を示した平面図である。 比較例2の湿式紡糸装置の整流板の側面形状を示した図である。 比較例3の湿式紡糸装置の概略構成を示した平面図である。
1 湿式紡糸装置 2 紡浴槽 2a 凝固浴部 2b 糸条走行部 2c 接続部 3 凝固液回収部 4a、4b 凝固液噴出し口 5 ノズル 10 引き上げロール 13 凝固糸条 14a、14b 整流板 51 ノズル背面 C 凝固液 S1 凝固浴部の最大断面積 S2 接続部断面積 S3 糸状走行部の最大断面積
[湿式紡糸装置]
本発明の湿式紡糸装置の実施形態の一例について、図1〜5に基づいて詳細に説明する。
湿式紡糸装置1は、図1に示すように、凝固液Cを貯留する紡浴槽2と、紡浴槽2の下流側(図1における右側)に配設され、紡浴槽2から流出された凝固液Cを回収する凝固液回収部3とを備えている。紡浴槽2には、紡糸原液を凝固させて凝固糸条13とする凝固浴部2aと、凝固糸条13が走行する糸条走行部2bと、凝固浴部2aと糸条走行部2bの間に接続部2cが設けられている。また、紡浴槽2は、図2Aに示すように、凝固液Cの液面CUと紡浴槽2の底面CBとが略平行になるように形成されている。
紡浴槽2の一端部(上流側の端部)には、紡糸原液を他端部(下流側の端部)に向けて吐出するノズル5と、ノズル5の上流側から凝固液Cを噴き出す2つの凝固液噴出し口4a、4bとが配設されている(図1)。
ノズル5は、紡浴槽2の凝固液C内に紡糸原液を吐出することのできるノズルであれば特に限定はなく、例えば、円柱形状のノズルが挙げられる。
ノズル5の背面51(上流側の面。以下、ノズル背面51という。)には、原液供給管11が接続されている。これにより、原液供給管11からノズル背面51を通じて、紡糸原液がノズル5に流通されるようになっている。
ノズル5の吐出面(下流側の面)には、紡出口金52が備えられている。紡出口金52は、その面に、紡浴槽2内で凝固されて凝固糸条13(繊維)となる紡糸原液を紡浴槽2内へと吐出する多数の微細吐出孔(不図示)を備えている。微細吐出孔の形状および数は特に限定はなく、目的の合成繊維の製造に応じて選択できる。
また、紡浴槽2の液面CUと紡浴槽2の底面CBまでの距離L3(液深)はノズル高さz(mm)の1.2倍以上2倍以下の範囲にあることが好ましい。
L3:液深(mm), z:ノズル高さ(mm)
液深(L3)がzの1.2倍以上であれば、ノズル5の吐出面近傍に凝固液Cが充分に供給され、ノズル5近傍での凝固液Cの乱流や滞留を抑制することが容易になる。特にノズル5の上部付近の液面CUで発生しやすい、凝固液の供給不足から生じる渦巻きによる乱流を抑えることが容易になる。
液深(L3)がzの2倍以下であれば、凝固糸条13から離れた位置で凝固液Cの滞留が発生し、その部分でノズル5の上部付近の液面CUにおいて単糸切れした糸屑(ネスト)が浮遊することを防ぎやすく、その後の洗浄・延伸工程が安定して行いやすくなる。液深(L3)は、凝固液Cの逆流を防止する効果が高い点から、前記範囲内にすることが好ましい。
凝固液噴出し口4a、4bは、ノズル5の上流側に、噴き出されるそれぞれの凝固液Cの噴き出し方向が凝固糸条13の走行方向と略平行になるように配設されている。凝固液噴出し口4a、4bのノズル5側の面には多数の微細噴出孔(不図示)が備えられており、これらの微細噴出孔から凝固液Cが下流側へと噴き出される。
また、凝固液噴出し口4a、4bは、凝固液噴出し口4aと凝固液噴出し口4bの幅(図1)がノズル5の幅と略同一寸法となるように、間隔を開けて配設されている。これにより、凝固液噴出し口4a、4bから噴き出された凝固液Cがノズル5の背面(ノズル背面51)に衝突して、ノズル5から吐出された直後の凝固糸条13の周囲で凝固液Cの流れが乱れることを抑制することができる。
また、本実施形態における凝固液噴出し口4aは、紡浴槽2の長手方向に沿った側面を形成する紡浴槽側板21に接するように設けられ、凝固液噴出し口4bは、紡浴槽2の長手方向の側面を形成するもう一つの紡浴槽側板22に接するように設けられている。また、凝固液噴出し口4aと凝固液噴出し口4bの間には補助板12が設けられている。補助板12は、凝固液Cを噴き出す微細噴出孔を有していない。
このように、凝固液噴出し口4a、4bおよび補助板12で、紡浴槽2の上流側の短手方向の槽壁面が形成されており、紡浴槽2内に凝固液Cが貯留できるようになっている。
紡浴槽2の他端部には、紡浴槽2から凝固糸条13を引き上げる引き上げロール10が設けられており、その下流側に紡浴槽出口15が設けられている。引き上げロール10の形状は、凝固糸条13を紡浴槽2から引き上げることができるものであればよく、例えば、図2Aに示すようなローラー形状が挙げられる。
ノズル5および引き上げロール10は、ノズル5の吐出面の中心と、引き上げロール10の凝固糸条巻き回し面30の位置とが、紡浴槽2の液深の上下方向の中心位置になるように配設される(図2A)。これにより、ノズル5の吐出面に掛かる凝固糸条13の引き取り張力を、凝固糸条13の中心部から外周部まで均等にすることができ、局所的に生じる過剰な引き取り張力に起因する単糸切れを極力低減することができる。また、これにより凝固糸条13が均一に凝固化されやすくなる効果も得られる。
紡糸原液は紡浴槽2内へ吐出された直後に凝固液Cにより凝固されて凝固糸条13となり、さらに下流側へと送られる。このとき、凝固糸条13は、湿式紡糸装置1の上流側から下流側へと中心軸C1に沿うように走行する。ここで、中心軸C1は、ノズル5の吐出面の中心、および紡浴槽2の凝固液の液深における上下方向の中心位置を通って、紡浴槽2の長手方向に液面CUおよび底面CBと平行となるように延びる軸である。
そして、中心軸C1を通る引き上げロール10の凝固糸条巻き回し面30で凝固糸条13が巻き回されながら矢印Fの向きに方向転換され、湿式紡糸装置1の外部に配設される引取り装置(不図示)によって引き取られるようになっている。
また、紡浴槽2は、図1に示すように、紡浴槽2内の一端部から他端部にわたって形成される2つの整流板14a、14bを備えている。本実施形態では、整流板14a、14bにより、紡浴槽2が凝固糸条13を走行させる内槽23と、内槽23の両側に形成される2つの外槽24とに分けられている。
整流板14aは、その一端が紡浴槽側板21と凝固液噴出し口4aとの当接部付近に接し、他端が紡浴槽出口15に接するように形成されている。整流板14bも同様に、その一端が紡浴槽側板22と凝固液噴出し口4bとの当接部付近に接し、他端が紡浴槽出口15に接するように形成されている。
整流板14a、14bは、整流板14a、14bの間隔により形成される断面積が紡浴槽2の一端部(上流側)から他端部(下流側)に向かって徐々に小さくされた後、徐々に大きくなるように形成されている。本願発明でいう、断面積とは、紡浴槽2の断面積の内、凝固液で満たされている部分の断面積のことをさす。
凝固浴部に浸漬させるノズル5の凝固浴長(L1;ノズル口金52と接続部との接合点との距離)は、凝固浴長(L1)が短いとノズル5と整流板との隙間が狭くなり、凝固液の流速が凝固糸条の引き取り速度以上となり、紡浴液の乱流や紡浴液流による糸切れが生じ、凝固浴長(L1)が長いとノズル5と整流板間との隙間が広くなり、期待される整流効果が得られなくなる。
よって、凝固浴長(L1)は凝固液噴出し口4a、4bから噴出された凝固液Cの液流とノズル面に発生する凝固糸条に引き寄せられて随伴される凝固液Cの液流を制御することが可能となる様に、ノズル5の大きさ,生産量,引き取り速度によって適宜最適長を選択することができる。これにより、ノズル面における凝固液の置換効率が良くなり、均一な凝固が可能となる。
整流板14a、14bの間隔により形成される接続部における幅(L2)は、走行する凝固糸条13に接触しない程度に極力小さくすることが好ましい。走行する凝固糸条13に対して接続部における幅(L2)は、走行する凝固糸条に対して、同じか、もしくはわずかに広く設定する事が好ましい。走行する凝固糸条13に対して接続部における幅(L2)が狭い場合、整流板との接触により凝固糸条が損傷し、糸切れの原因となり、また走行する凝固糸条13に対して接続部における幅(L2)が広い場合、走行する凝固糸条13と整流板14a,14bとの間で逆流や滞留が生じる為、好ましくない。
整流板14a、14bの間隔により形成される接続部における長さ(L4)は、40mmから160mmであることが好ましい。L4の長さがこの範囲にあれば、接続部における逆流や滞留を防ぐことが可能となり、生産量や引き取り速度によって、適宜この範囲内で設定することが出来る。
凝固浴部の断面積の最大値S1と、接続部の断面積S2との比(S1/S2)が、1.5以上5以下の範囲であれば、凝固液Cがノズル5近傍へと逆流して、紡浴槽2内における凝固液Cの流れ全体の乱流や浴液抵抗の増大を引き起こすことを防ぎやすく、糸条走行部の断面積の最大値S3と、接続部の断面積S2との比(S3/S2)が、1.5以上5.5以下の範囲であれば、凝固に使用された後の凝固液が、ノズル5の近傍に復流として戻され、逆流や滞留を引き起こすことを防ぐことができ、さらに、ノズル5より発生する単糸切れや、滞留によって発生し浮遊する糸屑(ネスト)が、凝固糸条13に再付着し、製品の品質・性能が低下することを防ぐことが可能となる。なお、接続部において、断面積が変化する場合は、前記断面積の最小値を接続部の断面積S2とする。
すなわち、凝固液Cは従来の湿式紡糸装置のようにノズル5の近傍に復流として戻されることなく、全て出口孔30から凝固液回収部3へと流出され、その間凝固液Cは、紡浴槽2内を上流側から下流側に行くに従って、凝固糸条13が走行する方向に対して垂直方向に拡がっていきながら逆流や滞留を起こすことなく流れていく。
また、整流板14a、14bの凝固糸条13側の面は、凝固糸条13が万一整流板14a、14bに接触した場合に起こる単糸切れを防止するため、極力平滑に形成し、突起等を存在させないことが好ましい。また、整流板14a、14bには、ハードクロムメッキを施したステンレス板を用いたり、フッ素樹脂などの摩擦係数の小さい材料をコーティングしたりすることがより好ましい。
整流板14a、14bの高さは、紡浴槽2の凝固液の液面CUよりも高くなるようにする。
整流板14a、14bは、開口を有さない板である。整流板に開口がある場合、ノズルより発生する単糸切れや、滞留によって発生し浮遊する糸屑(ネスト)が、開口部に詰まり、安定生産が困難となったり、またそのネストが凝固糸条13に再付着したりして、製品の品質・性能が低下する。
紡浴槽出口15における紡浴液の系外への排出方法は、図5に示すような横型矩形孔が上下方向に均等に形成されている出口孔30が複数備えられて排出板を介して、凝固液Cを紡浴槽出口15全体から略均等に排出する方法や凝固液Cを紡浴槽の上部よりオーバーフローさせて排出させる方法などが挙げられる。この場合、紡浴槽出口15付近での凝固液の逆流や滞留を防止するような、傾斜板を設けることが必要となる(図2B参照)。
(湿式紡糸方法)
以下、本実施形態の湿式紡糸装置1を用いて合成繊維を紡糸する方法について説明する。
まず、原液供給装置(不図示)から原液供給管11に紡糸原液が供給され、前記紡糸原液が原液供給管11からノズル背面51を介してノズル5へと送られる(図2A)。ついで、紡糸原液がノズル5の吐出面の紡出口金52から凝固液C内へと吐出され、凝固浴部2aで凝固されて凝固糸条13となる。
凝固浴部2aにおいて凝固された凝固糸条13は、糸条走行部2b内を走行し、糸条走行部2bの他端部に沈設された引き上げロール10により方向転換され、湿式紡糸装置1外部へと送られて引取り装置(不図示)により引き取られ、その後の洗浄・延伸工程へと送られる。
凝固液Cは、凝固液噴出し口4a、4bのノズル5側の面に備えられる多数の微細噴出孔(不図示)から、紡浴槽2の下流側に向かって、かつ凝固糸条13の走行方向と略平行になるように吐出される。これにより、凝固糸条13と凝固液Cとの液抵抗を極力小さくすることができ、凝固液Cの流れの乱れによる凝固糸条13の走行揺れを抑制することにより均一な凝固化が行える。
凝固液Cの噴出量は、接続部(図1:X点)での流速V(m/min)を、走行糸条トウ速度v(m/min)の0.5倍以上1.5倍以下の範囲となるように吐出させ、前記凝固液回収部へ排出させることが好ましい。
V:X点における流速(m/min)
v:引取速度(m/min)
X点:接続部
接合点X(図1)の流速V(m/min)が、走行糸条トウ速度v(m/min)の0.5倍以上であれば、凝固液Cがノズル5近傍へと逆流して、紡浴槽2内における凝固液Cの流れ全体の乱流や浴液抵抗の増大を引き起こすことを防ぎやすく、また1.5倍以下とすれば、走行する凝固糸条13と凝固液Cの随伴流の流速とのバランスが崩れて凝固液Cの流れに乱流が発生して、凝固糸条13の接着や単糸切れが生じることを防ぎやすい。
図1において符号を付していない矢印は、凝固液Cの対流方向を示している。凝固液噴出し口4a、4bから噴き出される凝固液Cは、凝固糸条13が引取り装置(不図示)により引き取られて走行する際に発生する随伴流に伴い、紡浴槽2内の上流側から下流側へ向かって流されていく。
凝固浴部2aにおける凝固液Cは、整流板14a、14bにより凝固浴部2aの断面積が一端部から他端部に向かって徐々に小さくなっているのに伴って、ノズル5近傍に極力乱流を起こすことなく供給されるようになっている。
ノズル5近傍に供給された凝固液Cは、凝固糸条13に略均一に吸入された後、凝固糸条13が引き上げロール10に向かって走行されていくに従って徐々に紡浴槽2内へと搾り出される。
糸条走行部2bにおける凝固糸条13から搾り出された凝固液Cおよび凝固糸条13の走行によって生じる凝固液Cの随伴流は、整流板14a、14bにより糸条走行部2bの断面積が一端部から他端部に向かって徐々に大きくなっているのに伴って、乱流を起こすことなく紡浴槽2の短手方向に拡がっていきながら、紡浴槽出口15へと流れていく。ついで、紡浴槽出口15において、複数の出口孔30から略均等に凝固液Cが凝固液回収部3へと流出される。
すなわち、凝固液噴出し口4a、4bから噴き出された凝固液Cは、凝固に使用された後に、従来の湿式紡糸装置のようにノズル5の近傍に復流として戻されることなく、全て出口孔30から凝固液回収部3へと流出される。またその間、凝固液Cは、紡浴槽2内を上流側から下流側に行くに従って、凝固糸条13が走行する方向に対して垂直方向に拡がっていきながら逆流や滞留を起こすことなく流れていく。
凝固液回収部3から湿式紡糸装置1の外部へと排出された凝固液Cは、回収タンク(図示せず)により回収された後、DI(脱イオン)水の添加により紡糸条件に適した凝固濃度に調整されて、再びポンプ(図示せず)により凝固液噴出し口4a、4bへと循環される。
以上説明した本発明の湿式紡糸装置および湿式紡糸方法は、紡浴槽内での凝固液の流れを制御することで、紡浴槽内における凝固液の濃度・温度を均一化し、また凝固液の乱流によって生じる単糸切れや滞留によって発生して浮遊する糸屑(ネスト)の生成を抑制して、良好な品質の繊維を製造することができる。また、凝固液の流れを均一にできるため、高速紡糸(高速引取り)にも対応できる。
これは、紡浴槽2に、断面積が一端部から他端部に向かって徐々に小さくなっている凝固浴部2aと、断面積が一端部から他端部に向かって徐々に大きくなっている糸条走行部2bを形成していることが要因であると考えられる。これにより、糸条走行部2bにおいて下流側に行くに従って、凝固液Cが紡浴槽2の短手方向に拡がりながら流れていくため、随伴流が起因となる逆流や滞留を抑えることができ、また凝固液Cの他端部における流速が速くなりすぎてトウ(凝固糸条)が乱れることを抑制でき、さらに、接続部では、凝固液の流速が早く、糸条走行部の凝固液の流速と速度差が生じ、これにより接続部(2c)を介して、糸条走行部(2b)から下流側へと流れる凝固液が凝固浴部(2a)へ逆流することを防ぐことが可能となる。また、従来の湿式紡糸装置とは異なり、凝固液Cをノズル5の近傍に復流として戻さなくても逆流や滞留を抑えることができるため、ノズル5近傍における凝固液Cの濃度および温度に斑が生じることを抑えることができ、また凝固液置換効率を向上させることもできる。
また、本発明の湿式紡糸装置では、開口を有する整流板を必要としないため、開口に糸屑(ネスト)が引っ掛かって凝固糸条に付着することを抑えることができる。
また、噴き出された凝固液Cがノズル背面51に衝突しないように凝固液噴出し口4a、4bが配設されていることも好ましい。これにより、凝固糸条13と凝固液Cとの液抵抗を極力小さくすることができ、凝固液Cの流れの乱れによる凝固糸条13の走行揺れを防止できる。
紡糸原液が吐出された直後の凝固過程は、紡糸される繊維の品質・性能に非常に大きく影響するため、極力乱流を抑制することにより、繊維の接着や単糸切れ、繊度斑や異常繊維の発生を抑制できる。
また、本発明の湿式紡糸装置は、生産性を向上させるために紡糸速度を上げることにより随伴流量が増大した場合であっても、整流板14a、14bの形状を変えて凝固浴部2aと糸条走行部2bの長さおよび幅を調節することで、容易に凝固液Cの流れを上流側から下流側へと一定方向へ均一に制御することができる。そのため、高速紡糸(高速引取り)においても良好な品質の繊維を安定して製造できる。
また、本発明の湿式紡糸方法は、前述の湿式紡糸装置を用いることにより、単糸切れや糸屑(ネスト)の付着が抑えられた良好な品質の繊維が得られる。また、高速紡糸(高速引取り)にも対応できるため高い生産性で繊維を製造できる。
これは、前述の湿式紡糸装置の効果に加え、凝固液を、接続部(図1:X点)での流速V(m/min)を、走行糸条トウ速度v(m/min)の0.5倍以上1.5倍以下の範囲となるように吐出させることにより、凝固液の逆流や滞留を効果的に抑制できるためであると考えられる。
尚、本発明の湿式紡糸装置は、図1〜5に例示した湿式紡糸装置には限定されない。例えば、整流板は、凝固液の逆流および滞留を抑制できる範囲であれば紡浴槽2の他端部(紡浴槽出口15)まで形成されている形態でなくてもよく、図6に示すように、糸条走行部2bの中間部分で整流板14a、14bが紡浴槽側板21、22に接するような湿式紡糸装置6であってもよい。
また、整流板は、湿式紡糸装置1のように2枚には限定されず、例えば、底板と前記底板の両端部から立ち上がる側板とからなる1枚の整流板であってもよい。
また、断面積が一端部から他端部に向かって徐々に小さくなっている凝固浴部2aと、断面積が一端部から他端部に向かって徐々に大きくなっている糸条走行部2bを形成することができれば、図7に示すように、整流板14a、14bを用いずに、紡浴槽2の紡浴槽側板21、22の間隔を調節することにより凝固浴部2a、糸条走行部2bを形成した湿式紡糸装置であってもよい。ただし、既存の湿式紡糸装置を用いることができる点、紡糸条件によって凝固浴部2a、糸条走行部2bの形状を調節することが容易である点から、湿式紡糸装置1のように整流板を用いる方が好ましい。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[紡糸原液の調製]
アクリロニトリル、アクリルアミド、およびメタクリル酸を、過硫酸アンモニウム−亜硫酸水素アンモニウムおよび硫酸鉄の存在下、水系懸濁重合により共重合し、アクリロニトリル単位/アクリルアミド/メタクリル酸単位=96/3/1(質量%比)からなるアクリロニトリル系重合体を得た。このアクリロニトリル系重合体をジメチルアセトアミドに溶解して21質量%の紡糸原液Aを調製した。
[実施例1]
図1〜図5に例示した湿式紡糸装置1において、L1を90mm、L2を90mm、L3を195mm(zの1.5倍の距離)、L4を80mmとして、凝固浴部の最大断面積を26520mm,糸条走行部の最大断面積を26520mm,接続部の断面積を17550mmとした湿式紡糸装置を用いて、接続部におけるX点における流速を7.2m/min(vの0.9倍の速度)となる様に凝固液Cを調整した。
前記湿式紡糸装置1により、紡糸原液Aを孔数24,000、孔径45μmの紡出口金52を通して、濃度60質量%、温度35℃のジメチルアセトアミド水溶液からなる凝固液C中へ吐出して湿式紡糸した。凝固液Cにより凝固された凝固糸条13は、紡糸原液の吐出線速度の0.27倍の速度で引き取った。
使用した紡糸口金装置は、ノズル幅:x=80mm(図3),ノズル厚さ:y=50(図1),ノズル高さ:z=130mm(図1)であった。
ついで、この繊維(凝固糸条)に対して、水洗と同時に5倍の延伸を行い、1.5質量%に調製したアミノシリコン系油剤の第一油浴槽に導き第一油剤を付与した後、この繊維を熱ロールにより乾燥し、熱ロール間による乾熱二次延伸を2.0倍行った。その後、タッチロールにて繊維の水分率を調整し、単繊維繊度1.2dtexの炭素繊維前駆体繊維をワインダーで捲き採った。
[実施例2〜5]
図2Bに例示した湿式紡糸装置1において、凝固浴部の最大断面積(S1),糸条走行部の最大断面積(S3),接続部の断面積(S2)を表1、2に示した通りに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
[実施例6]
図1〜図5に例示した湿式紡糸装置1において、L1を110mm,L2を145mm,L3を252mm(zの1.8倍)として、凝固浴部の最大断面積を60480mm,糸条走行部の最大断面積を36540mm,接続部の断面積を60480mm,とした湿式紡糸装置を用いて、接続部におけるX点における流速を9.6m/min(vの1.2倍の速度)となる様に凝固液Cを調整した。前記湿式紡糸装置1により、紡糸原液Aを孔数24,000、孔径45μmの紡出口金52を通して、濃度60質量%、温度35℃のジメチルアセトアミド水溶液からなる凝固液C中へ吐出して湿式紡糸した。凝固液Cにより凝固された凝固糸条13は、紡糸原液の吐出線速度の0.27倍の速度で引き取った。
使用した紡糸口金装置は、x=140mm,y=70,z=140mmの大きさであった。
引き続き、前記繊維(凝固糸条)に対して、水洗と同時に5倍の延伸を行い、1.5質量%に調製したアミノシリコン系油剤の第一油浴槽に導き、第一油剤を付与した後、この繊維を熱ロールにより乾燥し、熱ロール間で2.0倍の乾熱二次延伸を行った。さらに、タッチロールにて繊維の水分率を調整し、単繊維繊度1.2dtexの炭素繊維前駆体繊維をワインダーで捲き採った。
[実施例7]
図6に示す湿式紡糸装置を用いた以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
[実施例8,9]
図1〜図5に例示した湿式紡糸装置1において、L4を表1、2に示した通りに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
[実施例10]
図1〜図5に例示した湿式紡糸装置1において、L3を299mm(zの2.3倍)とした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
[比較例1]
図8に示す湿式紡糸装置を用いた以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
[比較例2]
図9に示す湿式紡糸装置を用いた以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
[比較例3]
図11に示す湿式紡糸装置を用いた以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
[比較例4]
図1〜図5に例示した湿式紡糸装置1において、接続部における接合X点における凝固液Cの流速を、3.2m/min(vの0.4倍の速度)とした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
[比較例5]
図1〜図5に例示した湿式紡糸装置1において、接続部における接合X点における凝固液Cの流速を、14.4m/min(vの1.8倍の速度)とした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
[実施例11]
図1〜図5に例示した湿式紡糸装置1において、凝固浴部の最大断面積(S1)を54600mm,糸条走行部の最大断面積(S3)を54600mm,接続部の断面積(S2)を9750mmとした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
[比較例6、実施例12〜15]
図2Bに例示した湿式紡糸装置1において、凝固浴部の最大断面積(S1),糸条走行部の最大断面積(S3),接続部の断面積(S2)を表1、2に示した通りに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維を得た。
Figure 0005005031
Figure 0005005031
[評価方法]
実施例および比較例における評価は、紡浴槽中における凝固液流動状況、滞留部の有無、濃度・温度の評価、および得られた炭素繊維前駆体繊維における繊維断面形状、単糸間の接着糸本数、引取り破断倍率の評価により行った。
(凝固液流動状況)
紡浴槽2内にDI水をスポイトで滴下し、その流動状況を目視にて確認した。
(滞留部有無)
紡浴槽2内の滞留状況を目視にて確認した。
(濃度・温度の測定)
紡出口金52の面の3箇所(図3におけるa、b、c)、凝固浴部2aの一端部の液面CU付近(図2Aにおけるd)、糸条走行部2bの他端部の液面CU付近(図2Aにおけるe)の各箇所において凝固液Cをスポイトで5ml採取し、屈折計(京都電子工業株式会社製、製品名:RA−520)を用いて濃度を測定した。また、温度についても同様の箇所を水銀温度計で測定した。
(繊維断面形状)
内径1mmの塩化ビニル樹脂製のチューブ内に得られた炭素繊維前駆体繊維を通した後、これをナイフで輪切りにして試料を準備した。ついで、前記試料を炭素繊維前駆体繊維の繊維断面が上を向くようにしてSEM試料台に接着し、さらにAuを約10nmの厚さにスパッタリングしてから、走査型電子顕微鏡(PHILIPS社製、製品名:XL20)により、加速電圧7.00kV、作動距離31mmの条件で繊維断面を観察し、単繊維の繊維断面の長径および短径を測定し、長径/短径の比率を求めた。また変動率(CV値)は長径/短径の測定をn=400で測定し、変動率CVを算出した。
(接着糸本数)
単糸間接着の判定は、巻き取った炭素繊維前駆体繊維を約5mmにカットし100mLの水中に分散させ、100rpmで1分間攪拌後、黒色濾紙にて濾過し、単糸繊維の接着個数を測定した。
(引取り破断倍率)
凝固糸条の引き取り速度を、紡糸原液の吐出線速度の0.45倍とする条件を標準引き取り速度とする。そして紡糸原液の吐出線速度を変えることなく凝固糸条の引き取り速度を上げていき、ノズルの吐出面において凝固糸条が破断したときの凝固糸条の引き取り速度を破断引き取り速度とする。これら標準引き取り速度および破断引き取り速度から、下記式により引取り破断倍率を算出した。
(引取り破断倍率)=(破断引き取り速度)/(標準引き取り速度)
実施例および比較例における評価結果を表3、4に示す。ただし、表3、4における濃度および温度は、濃度60質量%、温度35℃を基準としたものを示している。
(総合評価)
凝固液流動状況、滞留部有無、濃度・温度の測定、繊維断面形状、接着糸本数、引取り破断倍率、整流板へのネストの引っ掛かり量の評価結果を総合的に判断して、次の基準に従って、評価した。
○:非常に良い、△:良好、×:不良
Figure 0005005031
Figure 0005005031
表3、4に示すように、本発明の湿式紡糸装置1を用いた実施例1から6では、紡浴槽2内における凝固液Cの濃度および温度が均一化されており、また、凝固液の逆流や滞留も見られなかった。また、整流板に糸屑(ネスト)が付着することもなく、良好な品質の炭素繊維前駆体繊維が安定して得られた。総合評価は非常に良好であった。
また、実施例7では、紡浴槽2内において一部逆流や滞留が見られたものの、凝固液Cの濃度および温度が均一化されており、整流板に糸屑(ネスト)が付着することもなく、良好な品質の炭素繊維前駆体繊維が安定して得られた。総合評価は非常に良好であった。
一方、実施例8から10では、接続部の長さL4,ノズルサイズ(x,y,z)に対するL3(液深),凝固浴部の装置仕様が不適切である為、ノズル面における濃度,温度が不均一となり、凝固液の置換効率が悪くなる。また、目視による凝固液流も乱流や滞留など不均一となったが、総合評価は良好であった。
比較例1では紡浴槽2の他端部における凝固液Cの流速が速くなりすぎて、トウ(凝固糸条)を引き上げロール(10)で引き上げる際に、凝固液(C)の随伴流により、トウ(凝固糸条)の乱れ及び単糸切れが生じ、凝固液Cの濃度および温度を測定を実施したが、安定した紡糸が不可能であり、評価用サンプルが得られなかった。総合評価は不良であった。
比較例2では、整流板14a、14bに形成された開口25にノズル(5)より破断した糸屑(ネスト)が引っ掛かり、開口25が糸屑で閉塞され、安定生産が困難であった。また、得られた炭素繊維前駆体繊維には糸屑(ネスト)の混入が確認され、総合評価は不良であった。
比較例3では紡浴槽の断面積が一定であるため、凝固液Cの流れが不均一になり、それにより凝固液Cの濃度および温度も不均一になることから、品質の劣る炭素繊維前駆体繊維が得られ、総合評価は不良であった。
比較例4では本発明の湿式紡糸装置1を用いているが、凝固浴部と糸条走行部の接合点X点に於ける凝固液Cの流速が遅いため、凝固液Cの流れが不均一になり、それにより凝固液Cの濃度および温度も不均一になることから、品質の劣る炭素繊維前駆体繊維が得られ、総合評価は不良であった。
比較例5では本発明の湿式紡糸装置1を用いているが、凝固浴部と糸条走行部の接合点X点に於ける凝固液Cの流速が速くなるため、ノズル周辺に発生する随伴流の影響により、単糸切れが生じ凝固液Cの濃度および温度を測定を実施したが、安定した紡糸が不可能であり、評価用炭素繊維前駆体繊維サンプルが得られなかった。総合評価は不良であった。
実施例11では本発明の湿式紡糸装置1を用いているが、凝固浴部断面積(S1)と糸条走行部断面積(S3)が接続部断面積(S2)に対して広いため、凝固浴部周辺及び糸条走行部周辺において、凝固液Cの流れが不均一になり、それにより凝固液Cの濃度および温度も不均一になることから、品質の劣る炭素繊維前駆体繊維が得られ、総合評価は良好であった。
比較例6では本発明の湿式紡糸装置1を用いているが、接続部断面積(S2)に対して糸条走行部断面積(S3)が狭くなりすぎている為、紡浴槽2の他端部における凝固液Cの流速が速くなりすぎて、トウ(凝固糸条)を引き上げロール(10)で引き上げる際に、凝固液(C)の随伴流により、トウ(凝固糸条)の乱れ及び単糸切れが生じ、凝固液Cの濃度および温度を測定を実施したが、安定した紡糸が不可能であり、評価用サンプルが得られなかった。総合評価は不良であった。
実施例12では本発明の湿式紡糸装置1を用いているが、接続部断面積(S2)に対して糸条走行部断面積(S3)が狭くなりすぎている為、紡浴槽2の他端部における凝固液Cの流速がやや速くなり、トウ(凝固糸条)を引き上げロール(10)で引き上げる際に、凝固液(C)の随伴流により、トウ(凝固糸条)の乱れが生じ、凝固液Cの濃度および温度も不均一になることから、品質の劣る炭素繊維前駆体繊維が得られ、総合評価は良好であった。
実施例13では本発明の湿式紡糸装置1を用いているが、糸条走行部断面積(S3)が広すぎるため、凝固浴部周辺及び糸条走行部周辺において、凝固液Cの流れが不均一になり、それにより凝固液Cの濃度および温度も不均一になることから、品質の劣る炭素繊維前駆体繊維が得られた。
実施例14では本発明の湿式紡糸装置1を用いているが、凝固浴部断面積(S1)が狭すぎるため、凝固糸引取り速度に対して凝固液Cの流速がやや速くなり、凝固液Cの流れが不均一になり、凝固液Cの濃度および温度も不均一になることから、品質の劣る炭素繊維前駆体繊維が得られ、総合評価は良好であった。
実施例15では本発明の湿式紡糸装置1を用いているが、凝固浴部断面積(S1)が接続部断面積(S2)に対して広いため、凝固浴部周辺及び糸条走行部周辺において、凝固液Cの流れが不均一になり、それにより凝固液Cの濃度および温度も不均一になることから、品質の劣る炭素繊維前駆体繊維が得られ、総合評価は良好であった。
本発明の湿式紡糸装置および湿式紡糸方法は、紡浴槽内における凝固液の流れを制御して品質の優れた合成繊維を製造できることから、炭素繊維などの様々な合成繊維の湿式紡糸に好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 湿式紡糸装置を用いて紡糸原液を凝固させ凝固糸条にして、合成繊維を紡糸する湿式紡糸方法であって、
    前記湿式紡糸装置は、凝固液を貯留する紡浴槽に、断面積が一端部から他端部に向かって徐々に小さくなっている、前記紡糸原液を凝固させる凝固浴部と、断面積が一端部から他端部に向かって徐々に大きくなっている、前記凝固糸条が走行する糸条走行部とが設けられ
    前記糸条走行部の断面積の最大値S3と、前記凝固浴部と前記糸条走行部との接続部の断面積S2との比(S3/S2)が1.5以上5.5以下であり、
    前記紡浴槽の一端部に、前記紡糸原液を他端部に向けて吐出するノズルと、前記ノズルの上流側から凝固液を噴き出す凝固液噴出し口とが配設され、
    前記紡浴槽の他端部側に、前記紡浴槽から流出された凝固液を回収する凝固液回収部が配設されており、
    前記接続部での凝固液の流速V(m/min)を、走行糸条トウ速度v(m/min)の0.5倍以上1.5倍以下として紡糸する湿式紡糸方法。
  2. 前記凝固浴部の断面積の最大値S1と、前記接続部の断面積S2との比(S1/S2)が、1.5以上5以下である請求項1記載の湿式紡糸方法
  3. 前記接続部の長さが、40mm以上160mm以下である請求項1または2に記載の湿式紡糸方法
  4. 前記湿式紡糸装置が、前記凝固浴部と前記接続部と前記糸条走行部の側面及び底面に開口を有さない請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿式紡糸方法
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