JP5003612B2 - 体積ホログラム積層体の製造方法、および、体積ホログラム積層体製造装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明の体積ホログラム積層体の製造方法、および体積ホログラム積層体製造装置について順に説明する。
まず、本発明の体積ホログラム積層体の製造方法について説明する。上述したように本発明の体積ホログラム積層体の製造方法は、基材および上記基材上に形成され、かつ少なくとも体積ホログラム層を含む転写用ホログラム積層体を有する体積ホログラム積層体転写箔と、上記転写用ホログラム積層体が転写される被転写体と、上記転写用ホログラム積層体が被転写体に転写される際に切断されるのを補助するための切断補助材と、を準備し、上記転写用ホログラム積層体が被転写体に転写された際に切断される切断部に、被転写体または切断補助材のいずれか一方の端部が配置されるように上記被転写体と上記切断補助材とを積層してなる被転写体側積層体を形成する積層工程と、上記被転写体側積層体の転写面と上記体積ホログラム積層体転写箔の転写用ホログラム積層体とが対向するように配置する配置工程と、上記被転写体側積層体の転写面上に上記体積ホログラム積層体転写箔を熱圧着させる熱圧着工程と、熱圧着させた上記体積ホログラム積層体転写箔の上記基材を剥離する基材剥離工程と、上記被転写体から上記切断補助材を引き剥がすことによって上記転写用ホログラム積層体を切断する切断工程と、を有することを特徴とするものである。
図1に例示するように本発明の体積ホログラム積層体の製造方法は、基材1と、上記基材1上に形成された剥離性保護層2、上記剥離性保護層2上に形成された体積ホログラム層3、および上記体積ホログラム層3上に形成されたヒートシール層4を有する転写用ホログラム積層体5と、を有する体積ホログラム積層体転写箔10、および上記転写用ホログラム積層体5が転写される被転写体20および上記転写用ホログラム積層体5が被転写体20に転写される際に切断されるのを補助するための切断補助材21を準備し、上記転写用ホログラム積層体5が被転写体20に転写された際に切断される切断部に、被転写体20または切断補助材21のいずれか一方の端部(この例では被転写体20の端部)が配置されるように上記被転写体20と上記切断補助材21とを積層してなる被転写体側積層体22を形成する積層工程(図1(a))と、上記被転写体側積層体22の転写面と上記体積ホログラム積層体転写箔10のヒートシール層4とが対向するように配置する配置工程(図1(b))と、上記被転写体側積層体22の転写面上に上記体積ホログラム積層体転写箔10を熱圧着させる熱圧着工程(図1(c))と、熱圧着させた上記体積ホログラム積層体転写箔10の上記基材1を剥離する基材剥離工程(図1(d))と、上記被転写体20から上記切断補助材21を引き剥がすことによって上記転写用ホログラム積層体5を切断する切断工程(図1(e))とを有することにより、被転写体20上に、ヒートシール層4と体積ホログラム層3と、剥離性保護層2とがこの順で積層された体積ホログラム積層体30を製造するものである(図1(f))。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
まず、本発明に用いられる積層工程について説明する。上述したように本工程は、基材と、上記基材上に形成され、かつ少なくとも体積ホログラム層を含む転写用ホログラム積層体を有する体積ホログラム積層体転写箔と、上記転写用ホログラム積層体が転写される被転写体と、上記転写用ホログラム積層体が被転写体に転写される際に切断されるのを補助するための切断補助材と、を準備し、上記転写用ホログラム積層体が被転写体に転写された際に切断される切断部に、被転写体または切断補助材のいずれか一方の端部が配置されるように上記被転写体と上記切断補助材とを積層してなる被転写体側積層体を形成する工程である。
以下、このような積層工程について詳細に説明する。
本発明に用いられる被転写体側積層体は、上記転写用ホログラム積層体が被転写体に転写された際に切断される切断部に、被転写体または切断補助材のいずれか一方の端部が配置されるように上記被転写体と上記切断補助材とを積層されたものである。このような積層態様としては、上記切断補助材が、上記被転写体の非転写面側に積層されている態様(以下、第1積層態様とする)と、上記切断補助材が、上記被転写体の転写面側に積層されている態様(以下、第2積層態様とする)と、を挙げることができる。
以下、このような被転写体側積層体について、各態様ごとに分けて詳細に説明する。
本工程に用いられる第1積層態様は、上記切断補助材が、上記被転写体の非転写面側に積層されている態様である。
本態様に用いられる被転写体としては、被転写体の転写面上が、上記体積ホログラム積層体転写箔が備える転写用ホログラム積層体と熱圧着可能なものであれば特に限定されるものではなく、本発明によって製造される体積ホログラム積層体の用途等に応じて任意に選択して用いることができる。本態様に用いられる被転写体としては、例えば、通帳、パスポート等の冊子や商品券、身分証明書などに使われる紙や各種カード、フィルム、布等を挙げることができる。
なお、上記膜厚とは、例えば被転写体がカード等である場合の厚みも含んでいるものであり、後述する第2実施態様においても同様とする。
本態様に用いられる切断補助材としては、切断補助材の転写面側の表面が、上記体積ホログラム積層体転写箔が備える転写用ホログラム積層体と熱圧着可能なものであれば特に限定されるものではない。このような切断補助材としては、具体的には、紙、樹脂製フィルム、金属フィルム、およびこれらを積層した積層フィルム、厚紙、プラスチック板、木製板、金属板、セラミックス板等を挙げることができる。
切断補助材と被転写体とを積層する際、切断補助材と被転写体とは位置が動かない程度に、かつ後述する切断工程において切断補助材と被転写体とを引き剥がす際に問題とならない程度の接着力で、仮接着されていてもよい。
本工程に用いられる第2積層態様は、切断補助材が、上記被転写体の転写面側に積層されている態様である。したがって、本態様においては、切断補助材の形状によって製造される体積ホログラム積層体における体積ホログラムの形状や貼着位置を決めることが可能となり、所望の体積ホログラムの形状や貼着位置に応じて上記切断補助材の積層態様を決めることができる。
本態様に用いられる被転写体としては、第1実施態様の項において説明したものと同様のものを用いることが可能であり、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる切断補助材としては、切断補助材の転写面側の表面が、上記体積ホログラム積層体転写箔が備える転写用ホログラム積層体と熱圧着可能なものであれば特に限定されるものではない。このような切断補助材としては、上述した第1実施態様で用いられるものが好適に用いられる。これらについては、上記第1実施態様において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
であることが好ましい。本態様では、上記切断部において、体積ホログラム積層体転写箔と切断補助材との間に転写用ホログラム積層体が熱圧着されていない部分が生じ、ここに空隙が生じると推定される。この空隙により、後述する切断工程、すなわち上記切断補助材を被転写体から引き剥がす際、この空隙部分に応力が集中することから転写用ホログラム積層体を良好に箔切れさせることが可能となるのである。しかしながら、上記切断補助材の膜厚が上記範囲よりも小さい場合、上記空隙が生じにくくなり、箔切れ性を低下させるおそれがある。一方、切断補助材の膜厚が上記範囲よりも大きい場合、上記空隙部分が大きくなりすぎることから、上記空隙部分の体積ホログラム積層体転写箔の各部位に応力が分散して応力集中が生じにくくなる。したがって、同様に箔切れ性を低下させるおそれがあるからである。
切断補助材と被転写体とを積層する際、第1積層態様で説明したものと同様に、切断補助材と被転写体とは仮接着されていてもよい。
本工程に用いられる体積ホログラム積層体転写箔は、少なくとも基材と、転写用ホログラム積層体とを有するものである。
以下、本工程に用いられる体積ホログラム積層体転写箔の各構成について順に説明する。
本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は、後述する転写用ホログラム積層体を支持するものである。
次に、本工程に用いられる転写用ホログラム積層体について説明する。本工程に用いられる転写用ホログラム積層体は、基材上に形成され、かつ少なくとも体積ホログラム層を有するものであり、必要に応じて他の層が用いられてもよいものである。
以下、このような転写用ホログラム積層体の各構成について順に説明する。
まず、本発明に用いられる体積ホログラム層について説明する。本発明に用いられる体積ホログラム層は、体積ホログラムが記録されたものであり、本発明に用いられる体積ホログラム積層体転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、被転写体へ転写されるものである。また、本発明に用いられる体積ホログラム層は、上述した基材上に形成されるものである。
以下、このような体積ホログラム層について詳細に説明する。
本発明に用いられる体積ホログラム層を構成する材料としては、体積ホログラムを記録することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に体積ホログラムに用いられる材料を任意に用いることができる。このような材料としては、例えば、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料が挙げることできる。なかでも本発明においては、(i)バインダー樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有する第1の感光材料、または、(ii)カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤系および光カチオン重合開始剤系を含有する第2の感光材料を好適に用いることができる。
このような第1の感光材料および第2の感光材料については、例えば、特開2005−70064号公報に記載されているものと同様のものを用いることができる。
本発明に用いられる体積ホログラム層の厚みは、所定の体積ホログラム像を記録することができる範囲内であれば特に限定されるものではなく、上述した構成材料の種類に応じて適宜調整することができる。なかでも本発明に用いられる体積ホログラム層の厚みは、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。体積ホログラム層の厚みが大きくなると、本発明の体積ホログラム積層体転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する場合であっても、箔切れ不良が生じやすく、バリが生じる可能性があるからである。
本発明に用いられる転写用ホログラム積層体は、少なくとも上記体積ホログラム層を有するものであるが、必要に応じてこれら以外のその他の層を用いることができる。本発明に用いられるその他の層としては、本発明の体積ホログラム積層体転写箔を用いて製造される体積ホログラム積層体に所望の機能を付与することができるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に好適に用いられるその他の層としては、上記基材と上記体積ホログラム層との間に形成される剥離性保護層、上記基材と反対側に位置する上記転写用ホログラム積層体の最表層に形成されるヒートシール層を挙げることができる。また、上記ヒートシール層と上記剥離性保護層との間に形成され、紫外線が照射されることにより発光する蛍光発光層、視認する角度によって色が変化する光学可変インキ層、さらに上記剥離性保護層と上記体積ホログラム層との間に形成され、ホログラム層の紫外線劣化を防止する紫外線吸収層等のいずれの層も好適に用いることができる。
以下、これらの各構成について順に説明する。
まず、本発明に用いられるヒートシール層について説明する。本発明に用いられるヒートシール層は熱可塑性樹脂を含有するものであり、本発明の体積ホログラム積層体転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、体積ホログラム層と被転写体とを接着させる機能を有するものである。また、本発明に用いられるヒートシール層は、上記基材と反対側に位置する上記転写用ホログラム積層体の最表層に形成されるものである。
以下、本発明に用いられるヒートシール層について詳細に説明する。
次に、本発明に用いられる剥離性保護層について説明する。本発明に用いられる剥離性保護層は、上述した基材と体積ホログラム層との間に形成されるものであり、次のような機能を有するものである。
まず第1に、基材と体積ホログラム層との接着力を任意の範囲に調整し、本発明の体積ホログラム積層体転写箔から転写用ホログラム積層体を転写させる際に、体積ホログラム層の基材からの剥離性を向上させる機能を有するものである(剥離機能)。
第2に、本発明の体積ホログラム積層体転写箔を用いて被転写体に転写用ホログラム積層体を転写した際に、体積ホログラム層の表面を覆い、転写された体積ホログラム層を保護する機能を有するものである(保護機能)。
以下、このような剥離性保護層について説明する。
次に、本発明に用いられる蛍光発光層について説明する。
本発明に用いられる蛍光発光層は、紫外線が照射されることにより蛍光を発する蛍光材料を含有するものである。また、本発明に用いられる蛍光発光層は、上記ヒートシール層および上記剥離性保護層と共に用いられ、上記ヒートシール層と上記剥離性保護層との間に形成される。このような蛍光発光層が形成されていることにより、体積ホログラム積層体転写箔を用いて、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができる。
次に、本発明に用いられる紫外線吸収層について説明する。本発明に用いられる紫外線吸収層は、上記剥離性保護層と共に用いられ、上記剥離性保護層と体積ホログラム層との間に形成されるものである。ここで、上述したように体積ホログラム層には光重合成材料が用いられることから、当該体積ホログラム層に紫外線が照射されると体積ホログラム層が経時で劣化してしまうという問題点がある。しかしながら、体積ホログラム層上に紫外線吸収層を形成することにより、このような体積ホログラム層の紫外線劣化を防止することができる。
次に、本発明に用いられる光学可変インキ層について説明する。本発明に用いられる光学可変インキ層は、視認する角度によって色が変化する光学可変材料によって画像が形成されたものであり、かつ、上記ヒートシール層および上記剥離性保護層と共に用いられ、上記ヒートシール層と上記剥離性保護層との間に形成されるものである。
ここで、本発明に用いられる光学可変インキ層に形成される画像は、本発明の体積ホログラム積層体転写箔を用いて作製する体積ホログラム積層体の用途に応じて、所望の画像とすることができる。なお、本発明における「画像」とは、パターン、線画、文字、図形、記号等のみならず、単に全面が着色された態様も含むものである。
上述した以外にも、本発明に用いられるその他の層としては、例えば、体積ホログラム層とヒートシール層との接着性、あるいは、体積ホログラム層と、剥離性保護層との接着性を向上させるために用いられるプライマー層を挙げることができる。このようなプライマー層としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニルあるいはアクリル酸等との共重合体、エポキシ樹脂等が用いられたものを挙げることができる。
さらに、本発明においては上記その他の層として、上記ヒートシール層と共に用いられ、上記体積ホログラム層とヒートシール層との間に形成されるバリア層を挙げることができる。体積ホログラム層に用いられる感光材料やヒートシール層に用いられる熱可塑樹脂の組み合わせによっては、経時的に体積ホログラム層から他の層への低分子量成分の移行が起こり、これに起因して体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの再生波長が青側(短波長側)に移行してしまう場合があるが、バリア層を設けることによって、このような問題を解消することができるからである。
本発明の体積ホログラム積層体転写箔の製造方法としては、例えば、上述した剥離性保護層およびヒートシール層を用いる場合は、基材の片面上に剥離性保護層、体積ホログラム層およびヒートシール層を順次積層する方法を用いることができる。このような層を形成する方法としては、一般的に体積ホログラム積層体転写箔を製造する方法を用いることができる。
次に、本発明に用いられる配置工程について説明する。本工程は、上記被転写体側積層体の転写面と上記体積ホログラム積層体転写箔の転写用ホログラム積層体とが対向するように配置する工程である。
次に、本発明に用いられる熱圧着工程について説明する。本工程は、上記被転写体側積層体の転写面上に上記体積ホログラム積層体転写箔を熱圧着させる工程である。
次に、本発明に用いられる基材剥離工程について説明する。本工程は、熱圧着させた上記体積ホログラム積層体転写箔の上記基材を剥離する工程である。
次に、本発明に用いられる切断工程について説明する。本工程は、上記被転写体から上記切断補助材を引き剥がすことによって上記転写用ホログラム積層体を切断する工程である。これにより、転写用ホログラム積層体を切断部において切断することが可能となり、被転写体上の所定の位置に転写用ホログラム積層体が配置された体積ホログラム積層体を得ることができる。
本発明によって製造される体積ホログラム積層体は、本発明の体積ホログラム積層体の製造方法によって製造されたことに起因する特徴を有するものになる。すなわち、本発明によって製造される体積ホログラム積層体は、転写用ホログラム積層体の箔切れ性を向上させることにより、バリの発生を抑制することができるという効果を奏するものとすることができる。
次に、本発明の体積ホログラム積層体製造装置について説明する。
本発明の体積ホログラム積層体製造装置は、基材と、上記基材上に形成され、かつ少なくとも体積ホログラム層を含む転写用ホログラム積層体と、を有する体積ホログラム積層体転写箔を準備し、上記転写用ホログラム積層体が被転写体に転写された際に切断される切断部に、被転写体または切断補助材のいずれか一方の端部が配置されるように上記被転写体と上記切断補助材とを積層してなる被転写体側積層体を、上記被転写体側積層体の転写面と上記体積ホログラム積層体転写箔の転写用ホログラム積層体とが対向するように配置する配置手段と、上記被転写体側積層体の転写面上に上記体積ホログラム積層体転写箔を熱圧着させる熱圧着手段とが、この順で連続して配置されていることを特徴とするものである。
以下、本発明の体積ホログラム積層体製造装置の各構成について説明する。
本発明に用いられる配置手段は、基材と、上記基材上に形成され、かつ少なくとも体積ホログラム層を含む転写用ホログラム積層体と、を有する体積ホログラム積層体転写箔を準備し、上記転写用ホログラム積層体が被転写体に転写された際に切断される切断部に、被転写体または切断補助材のいずれか一方の端部が配置されるように上記被転写体と上記切断補助材とを積層してなる被転写体側積層体を、上記被転写体側積層体の転写面と上記体積ホログラム積層体転写箔の転写用ホログラム積層体とが対向するように配置するものである。
次に、本発明に用いられる熱圧着手段について説明する。本発明に用いられる熱圧着手段は、上記被転写体側積層体の転写面上に上記体積ホログラム積層体転写箔を熱圧着させるものである。具体的には、図8(b)に例示されるように、上記被転写体側積層体22の転写面上に上記体積ホログラム積層体転写箔100を加熱ローラー50により熱圧着させる熱圧着手段を挙げることができる。
本発明の体積ホログラム積層体製造装置は、少なくとも、上記配置手段および上記熱圧着手段を有するものであるが、これら以外のその他の手段を有していてもよい。本発明の体積ホログラム積層体製造装置に用いられるその他の手段としては、基材剥離手段および切断手段を挙げることができる。また、基材剥離手段および切断手段は、上記配置手段および上記熱圧着手段に連続して、基材剥離手段と、切断手段とがこの順で配置されて用いられるのが好ましい。
以下、基材剥離手段および切断手段について順に説明する。
本発明に用いられる基材剥離手段について説明する。本発明に用いられる基材剥離手段は、熱圧着させた上記体積ホログラム積層体転写箔の上記基材を剥離するものである。
(2)切断手段
次に、本発明に用いられる切断手段について説明する。本発明に用いられる切断手段は、上記被転写体から上記切断補助材を引き剥がすことによって上記転写用ホログラム積層体を切断するものである。
本発明の体積ホログラム積層体製造装置は、上記被転写体側積層体を、公知の搬送手段、具体的には搬送ローラー、ベルトコンベア等によって、上記配置手段および熱圧着手段の各手段を移動させるものであってもよい。
1.体積ホログラム積層体転写箔の作製
(第1積層体)
第1のフィルムとしてPETフィルム(ルミラーT60(厚み50μm):東レ株式会社製)を準備し、以下の組成からなる体積ホログラム記録材料を、乾燥膜厚5μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(SP−PET(厚み50μm)、トーセロ株式会社製)をラミネートし、第1積層体を作製した。
・バインダー樹脂{ポリメチルメタクリレート系樹脂(分子量200,000)}
…50重量部
・3,9−ジエチル−3‘−カルボキシルメチル−2,2’−チアカルボシアニン沃素塩 …0.5重量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート
…6重量部
・2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン
…80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
…80重量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン/n−ブタノール=1/1(重量比)
…200重量部
第2のフィルム(基材)としてPETフィルム(ルミラーT60(厚み50μm):東レ(株)製)を準備し、剥離性保護層として、以下の組成からなる材料を、乾燥膜厚1μmとなるようにグラビアコートにて塗工した。
・ポリメチルメタクリレート樹脂(分子量;35000) …97重量部
・ポリエチレンワックス(分子量;10000、平均粒径;5μm)
…3重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比))
…400重量部
上記で得た第1のフィルム/体積ホログラム記録用材料の層/剥離性保護層/第2のフィルムから第1のフィルムを剥離し、その体積ホログラム記録用材料の層上に以下の組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工した。乾燥温度は80℃とした。
・ポリエステル樹脂(バイロン550 TOYOBO社製 Tg:-15℃ 分子量28000) …30重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)) …70重量部
被転写体として、厚み125μm、秤量102g/m2であり、サイズが17cm×12cmの偽造防止用紙を複数枚重ねて、中央部分を綴じた冊子体を準備した。切断補助材として、厚み265μm、秤量270g/m2であり、サイズが9.5cm×14cmの合成紙を準備した。冊子体の見開き半分である被転写頁の下に切断補助材である合成紙を挿入した。冊子体の被転写頁の綴じ目以外の周囲1cm外側に切断補助材があるように重ねた。
「1.体積ホログラム積層体転写箔の作製」までは実施例1と同様に行った。その後、被転写体として、厚み1mm、サイズが5.5cm×8.5cmのプラスチックカードを準備した。切断補助材として、厚み25μm、サイズが6cm×9cmのPETフィルムであって、中心部に3cm×4cmの切り抜かれた窓部分があるものを準備した。プラスチックカードの被転写面上にPETフィルムの窓がプラスチックカード中央にくるように重ねた。
「1.体積ホログラム積層体転写箔の作製」までは実施例1と同様に行った。その後、被転写体として実施例1と同様の冊子体を準備した。
「1.体積ホログラム積層体転写箔の作製」までは実施例1と同様に行った。その後、被転写体として実施例2と同様のプラスチックカードを準備した。
実施例1の転写箔について、市販の熱ラミネータを用い150℃、転写スピード1m/minで冊子体へ転写を行った。転写後、基材を手で剥離し、合成紙を手で引き剥がしたところ、バリが発生することなく、冊子体の転写領域に全面転写することができた。実施例2、比較例1および比較例2の転写箔についても実施例1と同様に転写評価をおこなった。実施例2の転写箔についても、バリが生じることなく、プラスチックカード中央に、3cm×4cmの範囲に転写することができた。
また、比較例1の転写箔は、転写領域である被転写頁全面に転写されたが、バリが生じていた。同様に、比較例2の転写箔については、プラスチックカード中央の、3cm×4cmの範囲に転写することができず、バリが生じていた。
2 … 剥離性保護層
3 … 体積ホログラム層
4 … ヒートシール層
5 … 転写用ホログラム積層体
10 … 体積ホログラム積層体転写箔
20 … 被転写体
21 … 切断補助材
22 … 被転写体側積層体
25 … 切断部
30 … 体積ホログラム積層体
40 … 搬送用器具
50 … 加熱ローラー
100 … 体積ホログラム積層体転写箔
Claims (8)
- 基材および前記基材上に形成され、かつ少なくとも体積ホログラム層を含む転写用ホログラム積層体を有する体積ホログラム積層体転写箔と、
前記転写用ホログラム積層体が転写される被転写体と、
前記転写用ホログラム積層体が被転写体に転写される際に切断されるのを補助するための切断補助材と、を準備し、
前記転写用ホログラム積層体が被転写体に転写された際に切断される切断部に、被転写体または切断補助材のいずれか一方の端部が配置されるように前記被転写体と前記切断補助材とを積層してなる被転写体側積層体を形成する積層工程と、
前記被転写体側積層体の転写面と前記体積ホログラム積層体転写箔の転写用ホログラム積層体とが対向するように配置する配置工程と、
前記被転写体側積層体の転写面上に前記体積ホログラム積層体転写箔を熱圧着させる熱圧着工程と、
熱圧着させた前記体積ホログラム積層体転写箔の前記基材を剥離する基材剥離工程と、
前記被転写体から前記切断補助材を引き剥がすことによって前記転写用ホログラム積層体を切断する切断工程と、
を有することを特徴とする、体積ホログラム積層体の製造方法。 - 前記切断補助材が、前記被転写体の非転写面側に積層されていることを特徴とする、請求項1に記載の体積ホログラム積層体の製造方法。
- 前記被転写体の膜厚が、20μm〜500μmであることを特徴とする、請求項2に記載の体積ホログラム積層体の製造方法。
- 前記切断補助材が、前記被転写体の転写面側に積層されていることを特徴とする、請求項1に記載の体積ホログラム積層体の製造方法。
- 前記切断補助材の膜厚が、20μm〜500μmであることを特徴とする、請求項4に記載の体積ホログラム積層体の製造方法。
- 前記基材と反対側に位置する前記転写用ホログラム積層体の最表層にヒートシール層が形成され、前記体積ホログラム層と前記基材との間に剥離性保護層が形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の体積ホログラム積層体の製造方法。
- 基材と、前記基材上に形成され、かつ少なくとも体積ホログラム層を含む転写用ホログラム積層体と、を有する体積ホログラム積層体転写箔を準備し、
前記転写用ホログラム積層体が被転写体に転写された際に切断される切断部に、被転写体または切断補助材のいずれか一方の端部が配置されるように前記被転写体と前記切断補助材とを積層してなる被転写体側積層体を、前記被転写体側積層体の転写面と前記体積ホログラム積層体転写箔の転写用ホログラム積層体とが対向するように配置する配置手段と、
前記被転写体側積層体の転写面上に前記体積ホログラム積層体転写箔を熱圧着させる熱圧着手段と、
を具備することを特徴とする、体積ホログラム積層体製造装置。 - 前記配置手段および前記熱圧着手段が用いられることにより、前記被転写体側積層体に熱圧着された前記体積ホログラム積層体転写箔の前記基材を剥離する基材剥離手段と、
前記被転写体から前記切断補助材を引き剥がすことによって前記転写用ホログラム積層体を切断する切断手段と、
を具備することを特徴とする、請求項7に記載の体積ホログラム積層体製造装置。
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