JP5002472B2 - 走行風巻込み防止装置用保持部材 - Google Patents
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オープンカーの車体に走行風巻込み防止装置を装着するための保持部材において、
前記走行風巻込み防止装置に設けられた突出部分が挿入される挿入孔を有したフランジ部と、前記挿入孔の延長方向へ中空部を形成するように、前記フランジ部の裏面から所定長さ突き出した筒状部と、を備える本体と、
前記挿入孔を塞ぐ形状に形成され、且つ前記筒状部の長さよりも短い可動栓と、を含んでオープンカーの車体側に固定され、
前記可動栓は、前記本体の挿入孔から前記筒状部の中空部内へ弾性部材とともに挿入され、当該弾性部材により前記本体の表面方向へ付勢された状態で、前記筒状部の中空部内を軸方向に摺動自在に組み込まれる構成であり、
前記走行風巻込み防止装置の取付時には、同装置に設けられた前記突出部分が、前記可動栓に接触して当該可動栓を押し込みながら、前記中空部内に挿入保持され、
さらに、前記走行風巻込み防止装置の取外時には、前記弾性部材が前記可動栓を押し出すことで、当該可動栓により前記挿入孔が塞がれることを特徴とする。
前記本体の筒状部には、軸方向に延びる係止開口部が一対形成されるとともに、
前記可動栓は、奥側へ延出する筒状の側壁と、当該側壁の所定位置から奥側方向に向かって外側に広がる係止爪が一対形成されており、
前記本体と前記可動栓の組立状態において、前記係止爪が前記係止開口部内に位置し、且つ当該係止爪が当該係止開口部の端縁に係止されることを特徴とする。
前記可動栓は、前記係止爪の形成位置よりも更に奥側方向に延びた位置に、前記側壁と一体になった連結壁が形成されていることを特徴とする。
前記連結壁は、部品の識別情報が外周面に表示されていることを特徴とする。
前記識別情報は、前記連結壁から浮き出して表示されているとともに、
前記本体の筒状部は、前記可動栓を案内する内側リブが内周面に形成されており、当該内側リブは、前記識別情報と接触しない位置において前記可動栓の外周面に接触することを特徴とする。
前記本体の筒状部の外周面には、前記係止開口部における前記可動栓の移動方向に延びる側縁に沿って外側リブが形成されており、
前記本体と前記可動栓の組立状態において、前記係止爪の先端が前記外側リブから外方へ露出しない構成であることを特徴とする。
図1乃至図10は、本発明の実施形態に係る走行風巻込み防止装置用保持部材の構成を説明するための図であり、図1は、本実施形態に係る走行風巻込み防止装置を適用したオープンカーを概略的に示す斜視図である。
図1に示すように、オープンカー100は、走行風巻込み防止装置200がフロントシート(運転席及び助手席)101の後部に必要に応じて取り付けられる。本実施形態の走行風巻込み防止装置200は、縦横両方向に防風壁201、202を有しており、走行中における後方からの気流を抑制する構成である。より具体的には、縦方向の防風壁201がフロントシート101に直接的に吹き込む気流を防いでおり、横方向の防風壁202がフロントシート101の下方に入り込む気流を防いでいる。
図2に示すように、上記の走行風巻込み防止装置200は、横方向の防風壁202のフレーム203に棒状の突出部分204が形成されている。この突出部分204は、フレーム203の下面において前後左右の4箇所から突き出しており、オープンカー100への取付時に、リアサイドパネル(車体)102に予め設けてある走行風巻込み防止装置用保持部材1に挿入される。このため走行風巻込み防止装置用保持部材1は、走行風巻込み防止装置200の突出部分204に応じて、左右のリアサイドパネル102のフロント側とリア側の4箇所にそれぞれ設けられている。
以降の説明では、特に指示のない限り左側リアサイドパネル102のフロント側に設けられる走行風巻込み防止装置用保持部材について述べていく。
図3は、本実施形態に係る走行風巻込み防止装置用保持部材の全体構成を示す斜視図であり、図4は、同じく全体構成を示す展開図である。また図5は、図4(a)のA−A線断面図である。
図3乃至図5に示すように、走行風巻込み防止装置用保持部材1は、剛性を有する合成樹脂材によって射出成形された本体10及び可動栓30と、任意の弾性力を有したコイルばね(弾性部材)40とを備えている。走行風巻込み防止装置用保持部材1は、本体10の挿入孔12にコイルばね40を介して可動栓30が挿入されることで組み立てられる。
図3乃至図6に示すように、走行風巻込み防止装置用保持部材1の本体10は、走行風巻込み防止装置200の突出部分204が挿入される挿入孔12を有したフランジ部11と、挿入孔12の延長方向に中空部を形成するように、フランジ部11の裏面から所定長さ突き出た筒状部13と、を含んでいる。
また側壁14の外周面の所定位置には、回転防止用リブ20が設けられている。この回転防止用リブ20は、走行風巻込み防止装置用保持部材1をリアサイドパネル102に取り付けた状態において、取付孔内のリブと当接して本体10の回転を防止する機能を有している(図示せず)。
図3乃至7に示すように、可動栓30は、内部が中空部33となるように側壁31が筒状に形成され、上端においてこの中空部33を閉塞する当接部32が形成されている。また既述したように、可動栓30は走行風巻込み防止装置用保持部材1の組立状態において、本体10の挿入孔12に挿入される。このため可動栓30は、挿入孔12の形状に合わせて外周形状が形成され、且つ筒状部13の長さよりも短くなっている。さらに可動栓30は、当接部32の表面が本体10のフランジ部11の表面に沿って斜めに傾いて形成されている。
走行風巻込み防止装置用保持部材1に組み立てる場合は、まずコイルばね40を本体10の挿入孔12から挿入して棒部21に外装する。さらに、コイルばね40を可動栓30の中空部33内に挿入した状態で、可動栓30を本体10の挿入孔12から筒上部13の中空部15へと押し込む。このとき可動栓30の係止爪34は、凸部34aが挿入孔12の内周面に接触して内側へ撓む。しかし、係止爪34の奥側が広く形成してあることで、内側に撓んでもコイルばね40に干渉することがなく、スムーズに可動栓30を挿入することができる。可動栓30は、係止爪34の凸部34aが本体10の係止開口部17に露出することで、内側に撓んでいた係止爪34が拡開し、係止開口部17に係止される。これにより走行風巻込み防止装置用保持部材1の組立が完了する。
さらに、走行風巻込み防止装置用保持部材1の組立状態では、連結壁35が係止爪34の更に奥側の位置にあることで、ちょうど本体10の係止開口部17から露出した状態となる。よって、組立後でも本体10と可動栓30の組み合わせの正否を確認することができる。
図8は、本実施形態に係る走行風巻込み防止装置用保持部材の取付状態を示す図であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)のAA線断面図である。
図8(a)に示すように、走行風巻込み防止装置保持用部材1のリアサイドパネル102への取付は、リアサイドパネル102の取付孔103に挿入して、本体10の係止部19が孔内のフック部103a等に引っかかることでなされる。このリアサイドパネル102は、既述したように曲面的に形成されているが、フランジ部11及び係止部19が斜めに傾むいて形成されていることで、曲面的なリアサイドパネル102の取付孔103でも確実に係止される。これにより走行風巻込み防止装置保持部材1は、本体10の筒状部13がちょうど延長方向に延びた状態で、リアサイドパネル102に取り付けられる。
図9は、本実施形態に係る走行風巻込み防止装置用保持部材に走行風巻込み防止装置の突出部分を挿入する流れを示す側面断面図である。
走行風巻込み防止装置200をリアサイドパネル102に取り付ける場合、図9に示すように、走行風巻込み防止装置200の突出部分204を走行風巻込み防止装置用保持部材1の挿入孔12に挿入する。このとき突出部分204は、可動栓30の当接部32に当接して、この可動栓30を奥側方向へ押圧する。可動栓30は、コイルばね40を圧縮しつつ奥側方向に押し込まれて、本体10の受け部16に可動栓30の下端部が接触することで摺動が停止する。これにより、突出部分204が走行風巻込み防止装置用保持部材1に保持され、走行風巻込み防止装置200がリアサイドパネル102に取り付けられることになる。
走行風巻込み防止装置200をリアサイドパネルから取り外す場合は、走行風巻込み防止装置200を単純に上方に引き抜くことによってなされる。このとき、走行風巻込み防止装置用保持部材1は、可動栓30がコイルばね40によって押し出されて挿入孔12を自動的に塞ぐ。これにより可動栓30は、表面がフランジ部11の表面とほぼ同一面となる取付前の状態に復元することができる。
図10は、本実施形態に係る走行風巻込み防止装置において、リアサイドパネルのリア側に取り付ける走行風巻込み防止装置用保持部材を示す図である。
同図に示すように、リアサイドパネル102のリア側に取り付ける走行風巻込み防止装置用保持部材1は、フロント側に取り付ける走行風巻込み防止装置用保持部材1よりもフランジ部11の傾斜が大きくなっている。これはリアサイドパネル102の形状に対応した結果であり、機能や作用効果はフロント側の走行風巻込み防止装置用保持部材と同様である。また、リア側に取り付ける走行風巻込み防止装置用保持部材1は、挿入孔12及び可動栓30の形状を楕円形に形成してある。このように形成することで、フロント側の走行風巻込み防止装置用保持部材1で走行風巻込み防止装置200の位置決めをすることができ、リア側の走行風巻込み防止装置用保持部材1では、突出部分204がその位置決めに応じて余裕をもって挿入されることになり、取付作業が容易になる。
10:本体、11:フランジ部、12:挿入孔、13:筒状部、14:側壁(本体)、15:中空部(本体)、16:受け部、17:係止開口部、18:外側リブ、19:係止部、20:回転防止用リブ、21:棒部、22:内側リブ
30:可動栓、31:側壁(可動栓)、32:当接部、33:中空部(可動栓)、34:係止爪、34a:凸部、35:連結壁、36:ばね座用リブ、37:ばね座、
40:コイルばね、
50:識別情報、
100:オープンカー、101:フロントシート、102:リアサイドパネル、103:取付孔、103a:フック部
200:走行風巻込み防止装置、201:縦方向の防風壁、202:横方向の防風壁、203:フレーム、204:突出部分、
Claims (6)
- オープンカーの車体に走行風巻込み防止装置を装着するための保持部材において、
前記走行風巻込み防止装置に設けられた突出部分が挿入される挿入孔を有したフランジ部と、前記挿入孔の延長方向へ中空部を形成するように、前記フランジ部の裏面から所定長さ突き出した筒状部と、を備える本体と、
前記挿入孔を塞ぐ形状に形成され、且つ前記筒状部の長さよりも短い可動栓と、を含んでオープンカーの車体側に固定され、
前記可動栓は、前記本体の挿入孔から前記筒状部の中空部内へ弾性部材とともに挿入され、当該弾性部材により前記本体の表面方向へ付勢された状態で、前記筒状部の中空部内を軸方向に摺動自在に組み込まれる構成であり、
前記走行風巻込み防止装置の取付時には、同装置に設けられた前記突出部分が、前記可動栓に接触して当該可動栓を押し込みながら、前記中空部内に挿入保持され、
さらに、前記走行風巻込み防止装置の取外時には、前記弾性部材が前記可動栓を押し出すことで、当該可動栓により前記挿入孔が塞がれることを特徴とする走行風巻込み防止装置用保持部材。 - 前記本体の筒状部には、軸方向に延びる係止開口部が一対形成されるとともに、
前記可動栓は、奥側へ延出する筒状の側壁と、当該側壁の所定位置から奥側方向に向かって外側に広がる係止爪が一対形成されており、
前記本体と前記可動栓の組立状態において、前記係止爪が前記係止開口部内に位置し、且つ当該係止爪が当該係止開口部の端縁に係止されることを特徴とする請求項1の走行風巻込み防止装置用保持部材。 - 前記可動栓は、前記係止爪の形成位置よりも更に奥側方向に延びた位置に、前記側壁と一体になった連結壁が形成されていることを特徴とする請求項2の走行風巻込み防止装置用保持部材。
- 前記連結壁は、部品の識別情報が外周面に表示されていることを特徴とする請求項3の走行風巻込み防止装置用保持部材。
- 前記識別情報は、前記連結壁から浮き出して表示されているとともに、
前記本体の筒状部は、前記可動栓を案内する内側リブが内周面に形成されており、当該内側リブは、前記識別情報と接触しない位置において前記可動栓の外周面に接触することを特徴とする請求項4の走行風巻込み防止装置用保持部材。 - 前記本体の筒状部の外周面には、前記係止開口部における前記可動栓の移動方向に延びる側縁に沿って外側リブが形成されており、
前記本体と前記可動栓の組立状態において、前記係止爪の先端が前記外側リブから外方へ露出しない構成であることを特徴とする請求項2乃至5の走行風巻込み防止装置用保持部材。
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