JP5000575B2 - キャップによるボトルの封緘構造及び封緘方法 - Google Patents

キャップによるボトルの封緘構造及び封緘方法 Download PDF

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Description

本発明は、飲料・食品等の容器、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PET樹脂ともいう。)で成形されたボトル(以下、PETボトルともいう。)のキャップによる封緘構造に関し、特にボトルが開栓されたことを明示する機能(以下、ピルファープルーフ機能ともいう。)を有するキャップによるボトルの封緘構造及び封緘方法に関する。
従来、飲料・食品用容器にピルファープルーフ機能を付与する方法には、熱収縮性フィルム、改ざん防止用外包装、封緘紙等を未開栓品に装着して、開栓に伴ってそれらが破壊されることによって開栓済みであることを明示する方法(例えば、特許文献1を参照。)や、キャップ本体の天面周縁から垂下したスカート部の下部に切断部とブリッジを交互に設けた弱化線を配置した境界を介してピルファープルーフリング若しくはピルファープルーフバンドと呼ばれる周状のリング部(以下、PPリングともいう。)を設けてボトルを封緘し、開栓時に境界が破断することによって開栓済みであることを明示する方法がある(例えば、特許文献2又は3を参照。)。
特開2005‐250046号公報 特開平6‐99999号公報 特開2005‐112357号公報
しかし、前者の場合は、キャップとボトル以外にピルファープルーフ機能を付与するための包装資材や加工工程が必要であり、後者の場合は、PPリングを形成するためにキャップ素材の使用量を増やす必要がある。図1(a)、(b)に、従来のPPリングを使用したキャップによるボトルの封緘構造の例の側面図を示す。図1において、キャップ3は弱化線5を設けた境界を介してPPリング7を有し、ボトル17の口部15に設けられた突起リング2と咬合されている。開栓によってPPリング7は口部15の突起リング2に咬合されたまま残るため、キャップ3の弱化線5が切断されてピルファープルーフ機能が発揮されるが、突起リング2とPPリング7を形成する材料が必要となる。例えば、特に清涼飲料を収容するPETボトルに多く用いられている内面に雌ネジ部を有するプラスチックキャップにおいては、キャップ全体の質量の20%程度の樹脂がPPリングを付与するために使用されている。環境負荷の軽減と省資源の観点からより少量の材料でキャップにピルファープルーフ機能を付与させることが求められている。
また、従来のPPリングを使用するキャップでは、開栓時にPPリングとキャップ本体との境界を破断するためにはブリッジをキャップの回転動作によって引きちぎって切断する必要があり、例えば90〜180°の回転角度が一般的である。さらに、ブリッジが切断される前はボトルの密封性が維持されている必要があるため、ブリッジの切断後にキャップが開栓されるまでにさらに1回転程度の回転動作が要求され、結局開栓するためにはキャップを約1.5回転させる必要があることから、一捻りでは直ちに開栓できないという不便さがある。また、開栓済みであってもキャップが再度締められているとPPリングが既に分離しているかどうかが不明確な場合もあり、未開栓と開栓済みの識別が容易なピルファープルーフ機能が求められている。
さらに、PETボトルを封緘するためのプラスチックキャップには、従来から主としてポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂が使用されている。この結果、ボトルとキャップは異材質となり、開栓後PPリングがボトルの口部に残留すると、PETボトルをリサイクルする際の障害となる。しかしPETボトル製品の使用後にボトルの口部に残留したPPリングを素手によって取り外すことは困難であり、PPリングとボトルを容易に分離する方法やキャップを構成する部材がボトルに残留することがないピルファープルーフ機能の付与技術が求められている。
そこで、本発明の目的は、従来のPPリングを有するキャップと比べてピルファープルーフ機能を付与するために要する材料使用量を削減し、開栓が容易でありながら開栓済みを明示することができ、且つ未開栓と開栓済みの識別が容易であり、さらに、ピルファープルーフ機能を発揮する部材がボトルから容易に分離できるピルファープルーフ機能を有するキャップによるボトルの封緘構造を提供することである。またキャップやボトルに使用する樹脂に合わせて密着強度の調整ができ、開栓前の封緘状態を確実に保持でき、初めて開栓するときに開栓しやすいキャップによるボトルの封緘構造の提供も目的とする。さらに、開栓済みをキャップとボトルまたピルファープルーフ機能を有する封緘構造を得るための封緘方法の提供も目的とする。
本発明者らは、キャップの一部とボトルの一部とを溶着させた密着部を形成すると、開栓時に密着部が界面剥離するときのキャップの回転動作に対する抵抗の急激な低下(以下、界面剥離時の反動ともいう。)を生じることに着目し、密着部の構造を鋭意検討して開発を進めた結果、ボトルがこれまで未開栓であったことを確認でき、且つ、開栓後には界面剥離時の反動がなく、既に開栓されていることが容易に確認できることを見出した。さらに、ボトルのネックサポートリング部にローレット構造を採用し、封緘時に溶融したキャップの材料がボトルのローレット構造の凸条間の隙間を埋めて冷却されキャップに凸条が形成されると同時に、ボトルとキャップの凸条同士が係合した状態の密着部が形成されることで、開栓前の封緘構造を確実に保持でき、初めて開栓するときに開けやすいことを見出し、上記の目的を達成できるキャップとボトルの封緘構造とこのための封緘方法を完成するに至った。すなわち、本発明に係るキャップによるボトルの封緘構造は、天面部と該天面部の周縁から垂下した内面に雌ネジ部を有するスカート部とを備えたキャップによって、口部を有し該口部の外周面に雄ネジ部と該雄ネジ部の下方にネックサポートリングを有するボトルを密封するキャップによるボトルの封緘構造であって、前記ネックサポートリングの上面には複数の凸条が配列したローレットが設けられ、前記キャップはスカート部の下端の外周にフランジ部を有し、該フランジ部の下面には封緘時の溶融に伴って前記ローレットの凸条間の凹条を埋めたフランジ部の凸条が形成され且つ前記ネックサポートリングの上面と前記フランジ部の下面の凸条同士が係合して密着部が形成されるここで、第1の本発明は、前記キャップは、天面に向かって前記フランジ部から前記スカート部に至る切れ込みを設けることによって形成された短冊形状の部位を、少なくとも1つ置きの間隔で前記フランジの径方向に曲げて突出させた曲げ短冊を有し、且つ、前記密着部は前記曲げ短冊が曲げられていない状態に戻された状態で密着されてなり、且つ、キャップの開栓時の回転に伴って前記密着部が剥離すると前記曲げ短冊が曲げ状態に復元する。開栓後には、曲げ短冊がキャップの外周から突出しているため開栓済みであることが明確に識別できる。開栓後のキャップは、フランジ部全体がキャップと一体になっている。第2の本発明は、前記キャップは、天面に向かって前記フランジ部から前記スカート部に至る切れ込みを設けることによって形成された短冊形状の部位を、少なくとも1つ置きの間隔で前記フランジ部の下面が天面方向に上がった状態で折り曲げられた折り短冊を有し、且つ、前記密着部は前記折り短冊を折り曲げられていない状態に戻された状態で密着されてなり、且つ、キャップの開栓時の回転に伴って前記密着部が剥離すると前記折り短冊が折り曲げ状態に復元する。開栓後には、折り短冊がフランジ部の下面から持ち上がっているため開栓済みであることが明確に識別できる。開栓後のキャップは、フランジ部全体がキャップと一体になっている。第3の本発明は、前記キャップは、前記スカート部の下端と前記フランジ部の内端の境界が薄肉に形成され、前記ネックサポートリングの上面と前記フランジ部の下面との間には間隙部が形成されており、該間隙部は前記薄肉の境界が弾性変形する範囲内で伸びて密着部を形成できる距離の隙間であり、キャップの開栓時の回転に伴って前記密着部が剥離すると前記間隙部が復元する。開栓後には、フランジ部の下面とネックサポートリングの上面との間に隙間があいているため開栓済みであることが明確に識別できる。また、封緘前に、キャップをボトルにスムースに螺着することができる。さらに開栓後のキャップは、フランジ部全体がキャップと一体になっている。
本発明に係るキャップによるボトルの封緘構造では、前記ボトルがPET樹脂からなり、前記キャップがポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。PET樹脂とポリオレフィン樹脂は異種の材質であるので、互いに溶着させると界面では樹脂の相互の溶け合いが殆ど生じない。このため、密着強度を調整するローレット構造をより利用しやすい。また、ポリオレフィン樹脂の軟化温度はPET樹脂より低いため、封緘時にキャップのフランジ部の下面のポリオレフィン樹脂がボトルのPET樹脂より先に融けて、ボトルのネックサポートリングの上面に設けられた凸条間の凹条に流入され、ボトルとキャップの凸条同士の密着部が形成されやすい。
本発明に係るキャップによるボトルの封緘構造では、前記ネックサポートリングの上面に設けられたローレットの各凸条は、ボトルの上方からみて時計回りの側の傾斜面及び反時計回りの側の傾斜面がいずれも水平を基準として30〜70°傾いた、断面が三角形状に形成されてなることが好ましい。ローレットの凸条の断面形状を三角形にすることによって、キャップのフランジ部の下面の樹脂が封緘時に溶融されて三角形間の谷間である凹条を隙間なく埋めて溶着し、冷却後に固着して、結果として三角形の凸部が互いに係合された状態となって強い密着力が得られやすい。また、フランジ部がネックサポートリングに付いたまま残ってしまうことも防止できる。
本発明に係るキャップによるボトルの封緘構造では、前記キャップは、前記フランジ部と前記スカート部との境界に、切断部とブリッジが交互に設けられた弱化線が形成され、且つ、前記ブリッジのうち1つが他のブリッジより太いブリッジであり、キャップの開栓時の回転に伴って前記密着部が剥離すると前記太いブリッジ以外の前記ブリッジが破断することによってピルファープルーフ機能を発揮する場合が含まれる。キャップが開栓されると、太いブリッジでのみキャップに繋がったままのリング状のフランジ部がボトルから界面剥離して分離するため、開栓済みであることが明確に識別できるとともに、ボトルに異種材料が残留するおそれがない。
本発明に係るキャップによるボトルの封緘構造では、天面部正面視で前記太いブリッジの時計回り側に隣接する切断部から前記フランジ部の外周に向けて径方向に沿って前記フランジ部の切断用の切れ込み溝若しくは切れ込みが設けられている場合が含まれる。フランジ部は、キャップが開栓されるとフランジ部の一端が切れ込み溝若しくは切れ込みによって切断された螺旋状の細片として太いブリッジによってキャップに繋がった状態で分離するため、開栓済みであることが明確に識別できるとともに、ボトルに異種材料が残留するおそれがない。
本発明に係るキャップによるボトルの封緘構造では、前記境界に切断部とブリッジが交互に設けられた弱化線を配置してもよい。弱化線を配置することによって薄肉の境界がさらに弾性変形しやすくなるため、キャップの開栓後はフランジ部の下面とネックサポートリングの上面との隙間を大きくできる。
第4の本発明は、前記キャップは、前記フランジ部と前記スカート部の境界に、切断部と非切断部が交互に設けられ、前記フランジ部は前記切断部の外側に天面の方向に頂点を有する弓状に持ち上げられた弓状部分を有し、且つ、前記密着部は前記弓状部分が持ち上げられていない状態で密着されてなり、且つ、キャップの開栓時の回転に伴って前記密着部が剥離すると前記弓状部分が弓状に持ち上げられた状態に復元する。開栓後には、弓状部分が復元して弓状に持ち上がっているため開栓済みであることが明確に識別できる。また、封緘前に、キャップをボトルにスムースに螺着することができる。さらに開栓後のキャップは、フランジ部全体がキャップと一体になっている。
本発明に係る封緘方法では、本発明に係るキャップによるボトルの封緘構造を形成する方法であって、前記キャップを前記ボトルの口部に被せ、前記キャップの雌ネジ部と前記ボトルの雄ネジ部とを回転動作によって螺着し、前記キャップのフランジ部の下面の平滑面と前記ボトルのネックサポートリングの上面のローレットを接した状態とし、次いで先端が開口した筒状の超音波ウェルダのホーンの先端部の内径と前記キャップのスカート部のフランジ部側の末端の外径とをほぼ一致させた前記ホーンを、前記キャップの天面の方向からフランジ部の上面に当て、超音波ウェルダの受冶具を前記ボトルのサポートリングの下面に当て、加圧して挟み、加振することによって前記フランジ部の下面の平滑面の樹脂を溶融させて、前記ネックサポートリングの上面のローレットの凸条間の凹条を埋め、加振終了後前記溶融した樹脂を冷却固化してフランジ部の下面に凸条を形成し且つ前記ネックサポートリングの上面と前記フランジ部の下面の凸条同士を係合させた状態で密着部を形成することを特徴とする。
本発明に係るキャップによるボトルの封緘構造によれば、従来のPPリングを有するキャップと比べてピルファープルーフ機能を付与するために要する材料使用量を削減することができ、またキャップを僅かに回転させると密着部が剥離して開栓が容易であり、開栓済みが明示され、さらに、未開栓と開栓済みの識別が容易であり、且つ、ピルファープルーフ機能を発揮する部材をボトルから容易に分離することができる。また、キャップやボトルに使用する樹脂に合わせて密着強度の調整ができ、開栓前の封緘状態を確実に保持でき、初めて開栓するときに開栓しやすい。さらに、本発明に係る封緘方法によれば、超音波ウェルダを利用した密着部の形成によって本発明に係る封緘構造を得ることができる。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
本発明の実施形態のうち基本形となる基本形態に係るキャップによるボトルの封緘構造を、図2を参照して説明する。図2(a)は、基本形態に係るキャップによるボトルの封緘構造を構成するキャップ3の側面図及び底面図並びにボトル17の口部15の側面図及び平面図を示したものである。キャップ3は、スカート部4の下端の外周にフランジ部8を備えている。フランジ部8の下面6は平滑である。また、上面に開口部を有する口部15は、雄ネジ部11の下方にネックサポートリング9を有し、その上面にはローレット10が設けられている。図2(b)は、図2(a)に示したキャップ3を口部15に被せた状態を示し、キャップ3のフランジ部8の下面6と口部15のネックサポートリング9の上面のローレット10が接している。このときフランジ部8とネックサポートリング9の境界部分では、下面6とローレット10の凸部の頂部が接しているが、まだ密着していない状態である。図2(c)は、基本形態に係るキャップによるボトルの封緘構造が最終的に形成された状態を示す。図2(c)では、フランジ部8の下面6には封緘時の溶融に伴ってローレット10の凸条間の凹条を埋めたフランジ部8の凸条が形成され且つネックサポートリング9の上面とフランジ部8の下面6の凸条同士が係合して密着されており、フランジ部8とネックサポートリング9の接触面には密着部12が形成されている。なお、フランジ部8の下面6に凸条を設けてもよいが、封緘時にローレット10との咬み合わせの精度が厳密に要求される。一方、フランジ部8の下面6が平滑面であるとローレット10と接するときの精度は要求されない利点がある。
基本形態に係るキャップによるボトルの封緘構造の作用について説明する。初回は、キャップ3を開栓するときの回転動作に伴って密着部12が界面剥離し、界面剥離を生じるときのキャップの回転トルクの急激な変化があり、2回目以降は、キャップの回転トルクの急激な変化が起こらないことによってキャップが未開栓であったか、既に開栓されていたかを明確に識別でき、ピルファープルーフ機能が発揮される。密着部12を界面剥離させるためのキャップの開栓トルクは、溶着による密着強度を制御することによって、開栓前に輸送中の衝撃によって界面剥離を生じないが開栓時には容易に開栓できるように調整できる。密着力は、ネックサポートリング9の上面のローレット10の凸条の間にフランジ部8の溶融した樹脂が流入して圧着されることによって発生(以下、アンカー効果ともいう。)する。この結果、密着強度は、溶着による沈み込みシロ(コラプス、若しくは溶着シロ)又は溶着する面積が大きくなると大きくなり、また、ローレット10の凸条の水平を基準とする傾斜面の角度が大きくなりすぎるとネックサポートリング9とフランジ部8の接面で高い圧着力が得られないために低くなる。したがって、密着強度の制御は、ローレット10の凸条の高さ、傾斜面の角度等の形状(以下、ローレットの形状ともいう。)、溶着による沈み込みシロ、超音波ウェルダの出力、加振時間、加圧力等を調整することによって行うことができる。さらにキャップを僅かに回転するだけで密着部12は界面剥離するため、開栓に要する回転動作が従来のPPリングを切断する場合と比べて少なくてよい。
ボトル17を形成する材料としては、PET樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、シクロオレフィンコポリマ樹脂(COC、環状オレフィン共重合)、アイオノマ樹脂、ポリ‐4‐メチルペンテン‐1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、又は、4弗化エチレン樹脂、アクリロニトリル‐スチレン樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂を例示することができる。この中で、PET樹脂が好ましい。
キャップ3を形成する材料としては、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、シクロオレフィンコポリマ樹脂(COC、環状オレフィン共重合)、アイオノマ樹脂、ポリ‐4‐メチルペンテン‐1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、又は、4弗化エチレン樹脂、アクリロニトリル‐スチレン樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂をあげることができる。この中で、PE、PP等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
基本形態に係るキャップによるボトルの封緘構造では、ボトル17がPET樹脂からなり、キャップ3がPE、PP等のポリオレフィン系樹脂からなる組み合わせが特に好ましい。PET樹脂とポリオレフィン系樹脂は材質が異なるため溶融しても相互に殆ど交じり合わない特性を有している。したがってポリオレフィン系樹脂のキャップのフランジ部8とPETボトルのネックサポートリング9を、例えば超音波ウェルダによって互いに溶着させると界面では樹脂の相互の溶け合いが殆ど生ぜず、ネックサポートリング9の上面のローレット10に存在する微細な凹凸にフランジ部8の溶融した樹脂が流入し、アンカー効果によって密着力を発生し、密着部12が形成される。フランジ部8の下面とネックサポートリング9の上面が共に平坦であると溶着による沈み込みシロ及び溶着する面積が小さいため、密着強度は低く、密着部12は輸送中の軽衝撃等によって容易に界面剥離してしまうおそれがある。しかし、ネックサポートリング9の上面のローレット10とフランジ部8の下面6が接した状態で超音波ウェルダによって加振すると、PET樹脂より軟化温度が低いポリオレフィン樹脂が接したローレット10の凸条より先に溶融して、ローレット10の凸条間の凹条に流入して隙間を埋める。次いで、加振終了後に樹脂が固化するとキャップ3のフランジ部8の下面6に凸部が形成され、ローレット10の凸条と係合して溶着による沈み込みシロ及び溶着面積が増えることによって、より大きいアンカー効果を生じて密着し、軽衝撃等によっては容易に界面剥離せず、且つ、キャップを開栓するときの回転動作に伴って容易に界面剥離させることのできる密着強度が得られる。したがってPETボトルとPP、PE等のポリオレフィン系樹脂製のキャップからなる封緘構造の密着強度は、例えば、ローレット10の凸条の高さを高くし又は、凸条のピッチをせばめることによって、溶着による沈み込みシロ又は接触面積を増大させるように調整して密着強度を高めるように制御することができる。一方、ローレット10の凸条の高さを低くし又は、凸条のピッチを拡げることによって、溶着による沈み込みシロ又は接触面積を減少させるように調整して密着強度を下げるように制御することもできる。この結果、開栓する前に流通過程等での物理的な衝撃で界面剥離をすることがなく、且つ、開栓時には容易に開栓できるようにすることができる。一方、PET樹脂製のキャップによるPETボトルの封緘構造では、同種の樹脂が相互に溶け合って溶着するため開栓時に容易に界面剥離しない場合があり、溶着条件の制御が厳密に要求される。
ローレット10に配列されている複数の凸条は、図2(a)では、ネックサポートリング9の径方向に向かって設けられているが、凸条の向きは径方向から周方向に傾いて設けられていてもよい。また、ローレット10の各凸条は、ボトル17の上方からみて時計回りの側の傾斜面及び反時計回りの側の傾斜面がいずれも水平を基準として30〜70°(それぞれ図2(b)のα及びβ)傾いた、断面が三角形状に形成されてなることが好ましい。ローレットの各凸条の断面形状を三角形にすることによって、キャップのフランジ部の下面の樹脂が封緘時に溶融されて三角形間の谷間を隙間なく埋める。この結果として三角形の凸部が互いに係合された状態となって、より大きいアンカー効果を生じて密着し、強い密着力が得られやすい。密着強度が高くなる傾斜面α,βの角度の範囲は30〜70°が好ましい。角度が30°より小さいと、溶着面積が小さく、アンカー効果が小さいため密着強度が低くなりすぎる場合があり、角度が70°より大きいと、封緘時に溶融された樹脂を超音波ウェルダの受冶具とホーンで上下方向より加圧しても、ネックサポートリングとキャップの接面で高い圧着力が得られないために、密着強度が低くなりすぎる場合がある。
基本形態に係るキャップによるボトルの封緘構造を形成する封緘方法の実施形態の例を図3に示す概略工程図を参照して説明する。まずステップS1において、キャップ3をボトル17の口部15に被せる。次いでステップS2において、キャップ3の雌ネジと口部15の雄ネジを螺着して、フランジ部8の下面6とネックサポートリング9の上面のローレット10が接した状態とする。次にステップS3において、キャップ3が螺着したボトル17を超音波ウェルダが組み込まれた装置に搬入する。ここでは先端が開口した筒状超音波ウェルダのホーン20がキャップ3の上方に配置され、超音波ウェルダの受冶具22がネックサポートリング9の下部を挟めるようにボトル17の径の方向に開いた状態で配置されている。なおホーン20の先端部の内径はスカート部4のフランジ部側の末端の外径とほぼ一致させてある。次にステップ4において、ホーン20がキャップ3の天面の方向から下降してフランジ部8に当てられ、受冶具22がネックサポートリング9の下面に当てられるとともに、フランジ部8とネックサポートリング9を上下から挟むように加圧する。次いでステップ5において、加圧した状態でホーン20を加振してフランジ部8の下面6の平滑面の樹脂を溶融させて、ネックサポートリング9の上面のローレット10の凸条間の凹条を埋め、加振終了後前記溶融した樹脂を冷却固化してフランジ部8の下面6に凸条を形成し且つローレット10とフランジ部8の下面6の凸条同士を係合させた状態で密着部を形成し、ステップ6において、超音波ウェルダが組み込まれた装置から搬出される。超音波ウェルダの周波数は、15〜40kHzの範囲が好ましく、例えば、本実施形態では、汎用されている20kHzを使用する。
基本形態のままで十分に実施することができるが、基本形態で示した封緘構造を基本形として、開栓済みであることをさらに明確に識別できるようにした実施形態の例として第1形態から第7形態を説明する。
第1形態に係るキャップによるボトルの封緘構造は、図4(a)に示すように、キャップ3のフランジ部8とスカート部4との境界に、切断部27aとブリッジ27bが交互に設けられた弱化線27が形成され、さらに他のブリッジ27bより太いブリッジ27cが1箇所設けられている他は基本形態と同様である。ブリッジ27bは密着部12が界面剥離するために必要なキャップ3の開栓トルクより小さい力で破断するが、太いブリッジ27cは破断しない強度を有するように十分な幅をもって設けられている。したがって、第1形態では、キャップ3の開栓時の回転に伴って太いブリッジ27c以外のブリッジ27bが破断し、続いてキャップ3の回転に伴って移動する太いブリッジ27cによって密着部12が引っ張られて界面剥離する(図4(b)を参照。)。この結果、開栓後は、太いブリッジ27cでのみキャップ3に繋がったままのリング状のフランジ部8が口部15から界面剥離して分離するため、開栓済みであることを明確に識別できるとともに、ボトルに異種材料が残留するおそれがない(図4(c)を参照。)。また、キャップ3で再度栓をする場合には、キャップ3に繋がったリング状のフランジ部8は手で容易にちぎり取ることができるので邪魔にならない(図4(c)を参照。)。
第2形態に係るキャップによるボトルの封緘構造では、図5(a)に示すように、第1形態と同様の太いブリッジ27cを有する弱化線27が形成され、さらにキャップ3の天面部の正面からみて太いブリッジ27cの時計回り側に隣接する切断部からフランジ部8の外周に向けて径方向に沿ってフランジ部の切断用の切れ込み溝30が設けられている他は基本形態と同様である。切れ込み溝30は切れ込みであってもよい。第2形態では、キャップ3の開栓に伴ってブリッジ27bが切断されるとともに、切れ込み溝30が引き裂かれることによってフランジ部8が切断される(図5(b)を参照。)。この結果、開栓されるとフランジ部の一端が切れ込み溝30によって切断された螺旋状の細片として太いブリッジ27cのみでキャップ3に繋がった状態で分離するため、開栓済みであることを明確に識別できるとともに、ボトルに異種材料が残留するおそれがない(図5(c)を参照。)。また、螺旋状の細片は、手によって容易にキャップ3からちぎり取ることができる(図5(c)を参照。)。切れ込み溝30は、密着部12が界面剥離するために必要なキャップ3の開栓トルクより小さい力で切断するように溝の深さを設けてあるが、最初から切断されている切れ込みであってもよい。
第3形態に係るキャップによるボトルの封緘構造に使用するキャップ3には、図6(a)に示すように、天面に向かってフランジ部8からスカート部4に至る切れ込み32が設けられて、短冊形状の部位が形成され、前記短冊形状の部位を1つ置きの間隔でフランジ部8の径方向に曲げて突出させた曲げ短冊35が設けられている。図6(a)では、曲げ短冊35は1つ置きに設けられているが、曲げ短冊35が連続していなければ、2つ置き以上の間隔で設けられていてもよい。また、ローレット10の形状、フランジ部8の厚み及び溶着時の条件に応じて、曲げ短冊35の個数を選択することによって、密着力の調整をすることができる。第3形態では、図6(b)に示すように、キャップ3に設けた曲げ短冊35が曲げられていない状態に戻された状態で、フランジ部8の下面6には封緘時の溶融に伴ってローレット10の凸条間の凹条を埋めたフランジ部8の凸条が形成され且つネックサポートリング9の上面とフランジ部8の下面の凸条同士が係合して密着され、基本形態と同様の封緘構造を形成する。超音波ウェルダによって溶着する場合には、先端部の内径がスカート部4のフランジ部側の末端の外径とほぼ一致させているホーン20によってフランジ部8を加圧すると曲げ短冊35が曲げられていない状態で溶着することができる。第3形態では、キャップ3の開栓時の回転に伴って密着部12が剥離すると、図6(c)の矢印が示すように、曲げ短冊35が曲げ状態に復元し、図6(c)に示すように、キャップ3のスカート部4の下部は不連続に突出した外周面が形成されるため、開栓済みであることを明確に識別できるとともに、ボトルに異種材料が残留するおそれがない(図6(c)を参照。)。
第4形態に係るキャップによるボトルの封緘構造に使用するキャップ3には、図7(a)に示すように、第3形態と同様の切れ込み32が設けられて、短冊形状の部位が形成され、前記短冊形状の部位を1つ置きの間隔でフランジ部8の下面6が天面方向に上がった状態で折り曲げられた折り短冊36が設けられている。図7(a)では、折り短冊36は1つ置きに設けられているが、折り短冊36が連続していなければ、2つ置き以上の間隔で設けられていてもよい。また、ローレット10の形状、フランジ部8の厚み及び溶着時の条件に応じて、折り短冊36の個数を選択することによって、密着力の調整をすることができる。第4形態では、図7(b)に示すように、キャップ3に設けた折り短冊36が折り曲げられていない状態に戻された状態で、フランジ部8の下面6には封緘時の溶融に伴ってローレット10の凸条間の凹条を埋めたフランジ部8の凸条が形成され且つネックサポートリング9の上面とフランジ部8の下面6の凸条同士が係合して密着され、基本形態と同様の封緘構造を形成する。第3形態と同様に、超音波ウェルダによって溶着する場合には、先端部の内径がスカート部4のフランジ部側の末端の外径とほぼ一致させているホーン20によってフランジ部8を加圧すると折り短冊36が曲げられていない状態で溶着することができる。第4形態では、キャップ3の開栓時の回転に伴って密着部12が剥離すると、図7(c)の矢印が示すように、折り短冊36が折り曲げられた状態に復元し、フランジ部8の下面6が不連続に上下した形状となるため、開栓済みであることを明確に識別できるとともに、ボトルに異種材料が残留するおそれがない(図7(c)を参照。)。
第5形態に係るキャップによるボトルの封緘構造に使用するキャップ3には、図8(a)に示すように、スカート部4の下端とフランジ部8の内端の境界28が薄肉に形成され、且つ、キャップ3を口部15に螺着したときに、フランジ部8の下面6とネックサポートリング9の上面との間には間隙部36が形成されている。間隙部36の距離Lは、薄肉の境界28が弾性変形する範囲内で伸びることによってフランジ部8の下面6とローレット10が互いに接触して密着部12を形成できる幅である。第5形態では、キャップ3に形成された薄肉の境界28が弾性変形する範囲内で伸ばされた状態で間隙部36をなくすことによって、フランジ部8の下面6には封緘時の溶融に伴ってローレット10の凸条間の凹条を埋めたフランジ部8の凸条が形成され且つネックサポートリング9の上面とフランジ部8の下面の凸条同士が係合して密着され、基本形態と同様の封緘構造が形成される(図8(c)を参照。)。第5形態では、キャップ3の開栓時の回転に伴って密着部12が剥離すると、薄肉の境界28が元の長さに復元し、再び間隙部36が形成されるため、開栓済みであることを明確に識別できるとともに、ボトルに異種材料が残留するおそれがない。また、封緘構造を形成するときに、キャップ3を口部15に螺着した状態ではフランジ部の下面6とローレット10とが接触しないためキャップをスムースに螺着することができる。
第6形態に係るキャップによるボトルの封緘構造に使用するキャップ3には、図8(b)に示すように、第5形態における薄肉の境界28に切断部とブリッジが交互に設けられた弱化線29を配置している。弱化線29を配置することによって薄肉の境界28がさらに弾性変形しやすくなるため、間隙部36の距離Lを容易に大きくすることができ、第5形態と同様に、薄肉の境界28を伸ばされた状態でフランジ部8の下面6には封緘時の溶融に伴ってローレット10の凸条間の凹条を埋めたフランジ部8の凸条が形成され且つネックサポートリング9の上面とフランジ部8の下面の凸条同士が係合して密着され、基本形態と同様の封緘構造が形成される(図8(c)を参照。)。第6形態では、キャップの開栓後に再び形成される間隙部36の距離Lを容易に大きくすることができ、開栓済みであることがより識別しやすい。また、第5形態と同様に、封緘構造を形成するときに、キャップ3を口部15に螺着した状態ではフランジ部の下面6とローレット10とが接触しないためキャップをスムースに螺着することができる。
第7形態に係るキャップによるボトルの封緘構造に使用するキャップ3では、図9(a)に示すように、フランジ部8とスカート部4の境界に、切断部41と非切断部42が交互に設けられ、フランジ部8は水平部分44と弓状部分43を有している。弓状部分43は切断部41の外側に天面の方向に頂点を有する弓状に形成されている。水平部分44は非切断部42の外側に位置している。またフランジ部8は図9(a)では、弓状部分43は3個であるが、交互に設けられていれば、ローレット10の形状、フランジ部8の厚み及び溶着時の条件に応じて、弓状部分43の個数を選択することによって、密着力の調整をすることができる。また弓状部分43を3個設けた場合は、1個の弓状部分43は、フランジ部8の全周に対して60〜100°の角度を占めるのが好ましい。第7形態では、図9(b)に示すように、弓状部分43が持ち上げられていない状態で、フランジ部8の下面6には封緘時の溶融に伴ってローレット10の凸条間の凹条を埋めたフランジ部8の凸条が形成され且つネックサポートリング9の上面とフランジ部8の下面6の凸条同士が係合して密着され、基本形態と同様の封緘構造が形成される。第7形態では、キャップ3の開栓時の回転に伴って密着部12が剥離すると、図9(c)の矢印が示すように、弓状部分43が弓状に持ち上がった状態に復元し、フランジ部8の下面6が弓状に上下した形状となるため、開栓済みであることを明確に識別できる。また、開栓後のキャップは、フランジ部全体がキャップと一体になっているため、ボトルに異種材料が残留するおそれがなく、再度栓をするときにフランジが邪魔にならない(図9(c)を参照。)。
基本形態及び第1形態〜第7形態に係るキャップによるボトルの封緘構造を用いた容器は、フランジ部の厚さと径方向の長さがボトルの突起リングとの咬合が必要な従来のPPリングの厚さと長さと比べて十分に小さくすることができ、材料の使用量を削減でき、例えば削減量は15〜25%である。またキャップを僅かに回転させると密着部が剥離して開栓が容易にでき、開栓済みが明示されるため、開栓に要するキャップの回転動作が少なくてすみ、開けやすかった。さらに、未開栓と開栓済みの容器を明確に識別でき、フランジ部は、ボトルの口部から剥離するためボトルのリサイクルの障害になることもなかった。また、基本形態に係る封緘構造を形成するための封緘方法の実施例は、第1形態〜第7形態に係る封緘構造を形成する場合にも適していた。なお、封緘方法の実施例では、溶着手段として超音波ウェルダを使用しているが、レーザー溶接機、例えば、半導体レーザー溶接機を使用してもよい。超音波ウェルダの筒形状のホーンは、特に第3形態〜第7形態のキャップのフランジ部の下面を均一にネックサポートリングに押し付けた状態で溶着する場合に適していた。
従来のPPリングを使用したキャップによるボトルの封緘構造を示す側面図である。(a)は、開栓する前の封緘構造を示す側面図、(b)は、開栓後の状態を示す側面図である。 本発明の基本実施形態を示すキャップによるボトルの封緘構造を示す概略図である。(a)は、封緘構造を形成する前のキャップの側面図と底面図並びにボトルの側面図と平面図である。(b)は、キャップをボトルに螺着した状態を示す側面図、(c)は、キャップとボトルが溶着して密着部が形成された封緘構造を示す側面図である。 本発明に係るキャップによるボトルの封緘構造を形成する封緘方法の一例を示す概略工程図である。 本発明の第1実施形態を示すキャップによるボトルの封緘構造を示す概略図である。(a)は封緘構造が形成されているキャップとボトルの口部の側面図と平面図を示し、(b)はキャップを開栓している状態を示す。(c)は開栓後のキャップの状態を示す。 本発明の第2実施形態を示すキャップによるボトルの封緘構造を示す概略図である。(a)は封緘構造が形成されているキャップとボトルの口部の側面図と平面図を示し、(b)はキャップを開栓している状態を示す。(c)は開栓後のキャップの状態を示す。 本発明の第3形態を示すキャップによるボトルの封緘構造を示す概略図である。(a)は封緘構造を形成する前のキャップの側面図と平面図を示し、(b)は封緘構造が形成された状態を示す。(c)はキャップを開栓後の状態を示す。 本発明の第4形態を示すキャップによるボトルの封緘構造を示す概略図である。(a)は封緘構造を形成する前のキャップの側面図と平面図を示し、(b)は封緘構造が形成された状態を示す。(c)はキャップを開栓後の状態を示す。 本発明の第5形態及び第6形態を示すキャップによるボトルの封緘構造を示す概略図である。(a)は第5形態において封緘構造を形成する前の状態を示し、(b)は第6形態において封緘構造を形成する前の状態を示す。(c)は第5形態及び第6形態の封緘構造が形成された状態を示す。 本発明の第7形態を示すキャップによるボトルの封緘構造を示す概略図である。(a)は封緘構造を形成する前のキャップの側面図と平面図を示し、(b)は封緘構造が形成された状態を示す。(c)はキャップを開栓後の状態を示す。
符号の説明
2 突起リング
3 キャップ
4 スカート部
5 弱化線
6 フランジ部の下面
7 PPリング
8 フランジ部
9 ネックサポートリング
10 ローレット
11 雄ネジ部
12 密着部
15 口部
17 ボトル
20 ホーン
22 受冶具
28 境界
29 弱化線
30 切り欠き溝
32 切り欠き
35 曲げ短冊
36 折り短冊
41 切断部
42 非切断部
43 弓状フランジ部
α、β ローレットの傾斜面の角度

Claims (10)

  1. 天面部と該天面部の周縁から垂下した内面に雌ネジ部を有するスカート部とを備えたキャップによって、口部を有し該口部の外周面に雄ネジ部と該雄ネジ部の下方にネックサポートリングを有するボトルを密封するキャップによるボトルの封緘構造であって、前記ネックサポートリングの上面には複数の凸条が配列したローレットが設けられ、前記キャップはスカート部の下端の外周にフランジ部を有し、該フランジ部の下面には封緘時の溶融に伴って前記ローレットの凸条間の凹条を埋めたフランジ部の凸条が形成され且つ前記ネックサポートリングの上面と前記フランジ部の下面の凸条同士が係合して密着部が形成され
    前記キャップは、天面に向かって前記フランジ部から前記スカート部に至る切れ込みを設けることによって形成された短冊形状の部位を、少なくとも1つ置きの間隔で前記フランジの径方向に曲げて突出させた曲げ短冊を有し、且つ、前記密着部は前記曲げ短冊が曲げられていない状態に戻された状態で密着されてなり、且つ、キャップの開栓時の回転に伴って前記密着部が剥離すると前記曲げ短冊が曲げ状態に復元することを特徴とするキャップによるボトルの封緘構造。
  2. 天面部と該天面部の周縁から垂下した内面に雌ネジ部を有するスカート部とを備えたキャップによって、口部を有し該口部の外周面に雄ネジ部と該雄ネジ部の下方にネックサポートリングを有するボトルを密封するキャップによるボトルの封緘構造であって、前記ネックサポートリングの上面には複数の凸条が配列したローレットが設けられ、前記キャップはスカート部の下端の外周にフランジ部を有し、該フランジ部の下面には封緘時の溶融に伴って前記ローレットの凸条間の凹条を埋めたフランジ部の凸条が形成され且つ前記ネックサポートリングの上面と前記フランジ部の下面の凸条同士が係合して密着部が形成され、
    前記キャップは、天面に向かって前記フランジ部から前記スカート部に至る切れ込みを設けることによって形成された短冊形状の部位を、少なくとも1つ置きの間隔で前記フランジ部の下面が天面方向に上がった状態で折り曲げられた折り短冊を有し、且つ、前記密着部は前記折り短冊を折り曲げられていない状態に戻された状態で密着されてなり、且つ、キャップの開栓時の回転に伴って前記密着部が剥離すると前記折り短冊が折り曲げ状態に復元することを特徴とするキャップによるボトルの封緘構造。
  3. 天面部と該天面部の周縁から垂下した内面に雌ネジ部を有するスカート部とを備えたキャップによって、口部を有し該口部の外周面に雄ネジ部と該雄ネジ部の下方にネックサポートリングを有するボトルを密封するキャップによるボトルの封緘構造であって、前記ネックサポートリングの上面には複数の凸条が配列したローレットが設けられ、前記キャップはスカート部の下端の外周にフランジ部を有し、該フランジ部の下面には封緘時の溶融に伴って前記ローレットの凸条間の凹条を埋めたフランジ部の凸条が形成され且つ前記ネックサポートリングの上面と前記フランジ部の下面の凸条同士が係合して密着部が形成され、
    前記キャップは、前記スカート部の下端と前記フランジ部の内端の境界が薄肉に形成され、前記ネックサポートリングの上面と前記フランジ部の下面との間には間隙部が形成されており、該間隙部は前記薄肉の境界が弾性変形する範囲内で伸びて密着部を形成できる距離の隙間であり、キャップの開栓時の回転に伴って前記密着部が剥離すると前記間隙部が復元することを特徴とするキャップによるボトルの封緘構造。
  4. 前記ボトルがポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、前記キャップがポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のキャップによるボトルの封緘構造。
  5. 前記ネックサポートリングの上面に設けられたローレットの各凸条は、ボトルの上方からみて時計回りの側の傾斜面及び反時計回りの側の傾斜面がいずれも水平を基準として30〜70°傾いた、断面が三角形状に形成されてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のキャップによるボトルの封緘構造。
  6. 前記キャップは、前記フランジ部と前記スカート部との境界に、切断部とブリッジが交互に設けられた弱化線が形成され、且つ、前記ブリッジのうち1つが他のブリッジより太いブリッジであり、キャップの開栓時の回転に伴って前記密着部が剥離すると前記太いブリッジ以外の前記ブリッジが破断することによってピルファープルーフ機能を発揮することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載のキャップによるボトルの封緘構造。
  7. 天面部正面視で前記太いブリッジの時計回り側に隣接する切断部から前記フランジ部の外周に向けて径方向に沿って前記フランジ部の切断用の切れ込み溝若しくは切れ込みが設けられていることを特徴とする請求項に記載のキャップによるボトルの封緘構造。
  8. 前記境界に切断部とブリッジが交互に設けられた弱化線を配置したことを特徴とする請求項に記載のキャップによるボトルの封緘構造。
  9. 天面部と該天面部の周縁から垂下した内面に雌ネジ部を有するスカート部とを備えたキャップによって、口部を有し該口部の外周面に雄ネジ部と該雄ネジ部の下方にネックサポートリングを有するボトルを密封するキャップによるボトルの封緘構造であって、前記ネックサポートリングの上面には複数の凸条が配列したローレットが設けられ、前記キャップはスカート部の下端の外周にフランジ部を有し、該フランジ部の下面には封緘時の溶融に伴って前記ローレットの凸条間の凹条を埋めたフランジ部の凸条が形成され且つ前記ネックサポートリングの上面と前記フランジ部の下面の凸条同士が係合して密着部が形成され、
    前記キャップは、前記フランジ部と前記スカート部の境界に、切断部と非切断部が交互に設けられ、前記フランジ部は前記切断部の外側に天面の方向に頂点を有する弓状に持ち上げられた弓状部分を有し、且つ、前記密着部は前記弓状部分が持ち上げられていない状態で密着されてなり、且つ、キャップの開栓時の回転に伴って前記密着部が剥離すると前記弓状部分が弓状に持ち上げられた状態に復元することを特徴とするキャップによるボトルの封緘構造。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載のキャップによるボトルの封緘構造を形成する方法であって、前記キャップを前記ボトルの口部に被せ、前記キャップの雌ネジ部と前記ボトルの雄ネジ部とを回転動作によって螺着し、前記キャップのフランジ部の下面の平滑面と前記ボトルのネックサポートリングの上面のローレットを接した状態とし、次いで先端が開口した筒状の超音波ウェルダのホーンの先端部の内径と前記キャップのスカート部のフランジ部側の末端の外径とをほぼ一致させた前記ホーンを、前記キャップの天面の方向からフランジ部の上面に当て、超音波ウェルダの受冶具を前記ボトルのサポートリングの下面に当て、加圧して挟み、加振することによって前記フランジ部の下面の平滑面の樹脂を溶融させて、前記ネックサポートリングの上面のローレットの凸条間の凹条を埋め、加振終了後前記溶融した樹脂を冷却固化してフランジ部の下面に凸条を形成し且つ前記ネックサポートリングの上面と前記フランジ部の下面の凸条同士を係合させた状態で密着部を形成することを特徴とする封緘方法。
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