JPH0633105B2 - 充填表示クロ−ジヤ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、たとえば瓶などの容器のための充填表示クロ
ージヤに関するものである。

製品を充填した容器から内容物である該製品を不正に抜
取るという事件がしばしば起こつている。したがつて、
消費者によつて購入された製品が、製造業者のプラント
からそのままの状態で出たか出荷後に不正開封されたも
のであるかどうかを確実に表示する手段を該製品の容器
に取付けることが重要である。このような表示手段、換
言すれば、製品が確実に容器内に充填されていることを
表示する手段（たとえば不正開封のときに破れてしまう
ような表示手段）を充填表示手段と称し、この手段を備
えたクロージヤを充填表示クロージヤと称する。

製品を充填した瓶などの容器は不正開封され易く、した
がって、不正乃至不法開封を示す多くの充填表示方式が
考案されている。この種の充填表示方式の１つが１９８
５年４月１６日付け発行の米国特許第４，５１１，０５
３号明細書に記載されている。この米国特許は、半径方
向内方の下部スカート部分を備えてこれをプラスチツク
充填表示リングの上部に固定するような金属クロージヤ
を開示している。この不正開封を示す充填表示リングは
下部スカートの周囲に一連の溝部を備えている。なぜな
らば容器首部のネジ付き部分の下に位置する保持フラン
ジに対し充填表示リングを装着するのを容易にするため
である。かように、容器首部に対し充填表示リングの下
部の取付けを容易にするには、従来は特殊な装備が必要
であつた。さらに、充填表示リングの上部を収容するに
は、金属キヤツプスカートを特殊な形状に設計しなけれ
ばならない。クロージヤ除去トルクがこのクロージヤに
加えられると、上方向の力が充填表示リングの下部を容
器におけるフランジの下側に係合させ、かくしてこのリ
ングは弱化した周方向の線に沿つて破壊する。

充填リング-クロージヤ組合体の他の例は、1985年１月
１５日付け発行の米国特許第4,493,427号公報に示され
かつ記載されている。このクロージヤ組合体の充填表示
部分は実質的に「Ｚ」形状であつて、装着位置にある際
下方向トルクが容器仕上部の下のフランジに存在する。
充填表示リングの上部は、半径方向外方に突出したリン
グを備えて、クロージヤ内側の部分と相互作用する。ク
ロージヤの逆方向回転は充填表示リングに張力および剪
断力を発生して、弱化部分に沿つてこれを破壊させる。

1985年３月１２日付け発行の米国特許第4,503,986号公
報はクロージヤおよびこれと組合せた充填表示リングと
を記載している。一連の垂直方向に整列したブリツジ
が、充填表示リングの下部と上部とを合体させる。後に
クロージヤを容器から除去すると、直立ブリツジが剪断
されて充填表示リングを引裂く。

本発明はたとえば瓶などの容器のための充填表示クロー
ジヤに関し、より詳細には本発明はたとえば単一ユニツ
トとして容器に施こしうるクロージヤと充填表示リング
との組合体に関するものであつて、クロージヤを容器か
ら除去した際に充填表示リングが分離してクロージヤが
容器から除去されたことを肉眼表示する。本発明は充填
表示リングを保存クロージヤと共に使用することを可能
にし、換言すれば、クロージヤとリングとが熱合体され
ているので充填表示リングを収容すべくクロージヤ中へ
何ら特殊な手段を設計する必要がない。充填表示リング
の脆い部分を破壊することなく、クロージヤ-リング組
合体を装着するには下方向の力を加えればよい。

本発明の一具体例は、クロージヤフランジに取付けられ
る充填表示リングの上部と下部との間に可撓性の傾斜し
た接続ポストを使用する。

本発明の１つの目的は、クロージヤと充填表示リングと
の組合体の製造コストを低減させることである。

本発明の他の目的は、容器に対するクロージヤの機械的
装着力に耐えうる容易に砕けるような充填表示リングを
提供することである。

クロージヤおよび充填表示リングは、任意の単一プラス
チツク材料から或いはたとえばポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ブタジエンスチレン、アクリル樹脂、たとえばアク
リロニトリル、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリ
カーボネートなどの物質の組合せで加工することができ
る。材料選択における主因子は、たとえば超音波熔接の
ような技術、或いは溶剤の使用によつてクロージヤと充
填表示リングとを容易に合体しうることである。

全体的なクロージヤ-充填表示リングの組合体を、一般
的に第１図にて参照番号１０で示す。クロージヤ１１
は、容器１３のネジ付き仕上部１２に対し封止状態で示
されている。クロージヤ１１の内側頂部表面と仕上部１
２の頂部リツプとの間に弾力性クロージヤライナ１４を
設けることにより、液密シールを行なう。

クロージヤ１１は標準形状を有し、かつ充填表示リング
に連結することなく使用することができる。本発明の重
要な特徴の１つは、クロージヤに対し何らの改変または
変更を必要とせずに、標準クロージヤ１１を充填表示リ
ングと共に使用しうることである。

さらに、第１図はクロージヤ１１のリツプ部１６と容器
１３のカラー部１７との間に介装した充填表示リング１
５をも示している。充填表示リング１５は、第２図に最
もよく見ることができる。リング１５を２つの部分、す
なわち上側リング部分１８と下側リング部分２０とに分
割する。これらのリング部分１８および２０は、脆いブ
リツジ２１によつて合体される。この種の脆いブリツジ
２１はリング部分１８と２０とを合体維持するよう機能
すると思われるが、製作工程から容器の装着工程に到る
までリング部分１８と２０との間に連結性を維持するに
は、３個もしくは４個の周方向に離間したブリツジ２１
を用いるのがより実用的である。

上側リング部分１８は軸方向に平行な円筒状外面を有す
る部分２２を備え、該円筒状部分２２はカラー部２３に
合着している。カラー部２３は、容器およびクロージヤ
の軸線並びに円筒状部分２２に対しほぼ垂直な方向に存
在する。円筒状部分２２の内壁部２４は球状突出部３５
（第２図参照）を備えており、しかして球状突出部３５
は、これに対向するクロージヤ外壁部のリツプ部１６を
押圧し、したがつて突出部３５は充填表示リング組合体
を所定の位置に維持する役割を果たす。上側リング部分
１８のカラー部２３は、周方向にほぼ連続的にのびてい
る表面２７を有し、そして該表面２７上に熔接ビード(w
eld bead) ２６が存在する。

下側リング部分２０は直立した円筒状リング２８を備え
る。円筒状リング２８の１端部３０は、カラー部２３の
表面２７に対しほぼ同平面に位置する。

第１図に見られるように、円筒状リング２８の１端部３
０はリツプ部１６の表面に当接する。リツプ部１６と端
部３０との間のこの相互作用は、脆いブリツジ２１を破
裂させる傾向を有するような不当な屈曲なしに、上側リ
ング部分と下側リング部分との両者（１８および２０）
へ荷重を移動させる。

下側リング部分２０の本体部分には可撓性の円錐台状リ
ツプ３１が一体連結される。円錐台状リツプ３１の肉厚
は下側リング部分２０の肉厚よりも薄く、その結果これ
はより可撓性となつて容器仕上部に対しクロージヤと充
填表示リングとの組合体を装着する際に保持リング３２
（第１図参照）に対しスリツプするようリツプ部３１を
半径方向に拡大することができる。

上記したように、本発明に用いられるクロージヤは保存
クロージヤであつて、多くの従来技術により証明される
ように充填表示リングを収容するための特殊な改変を必
要としない。充填表示リング１５は、クロージヤ１１の
下側リツプ部１６に対し入れ子配置で嵌合する。熔接ビ
ード２６の配置はエネルギ案内部として作用し、これら
の部分を合体させるのに超音波エネルギを用いる場合に
はビード２６の全体的領域に熱を集中させる。クロージ
ヤ１１とリング１５との間に熱シールを行なうために用
いる超音波エネルギは慣用のものであつて、１００キロ
ヘルツまでのエネルギレベルにて音波インピダンス変換
器を介して加えることができる。あるいは、溶剤系を用
いてクロージヤ１１およびリング１５の表面を軟化させ
て接着することによつてクロージヤ１１にリング１５を
合体させることもできる。この場合にはビード２６が、
その形状から明らかなように溶剤系で軟化され易く、そ
こで溶剤の軟化作用によつて生じた軟化物が、リング１
５とクロージヤ１１との接着のための“接着剤”として
役立つ。

保存クロージヤは、所定の微小寸法を有するよう作成す
ることができる。特定のクロージヤ用途が充填表示保護
システムを必要とすれば、クロージヤを在庫から取出し
かつ本発明に記載したように充填表示リングと組合せる
ことができる。クロージヤの色を変化させうるだけでな
く、充填表示リングの色をクロージヤの色とは変化させ
ることもできる。

クロージヤ１１と充填表示リング１５とを超音波熔接、
溶剤、或いはその他の接続技術によつて組立てた後、ク
ロージヤをたとえば任意周知の材料（たとえばガラス、
プラスチツクもしくは金属など）で作成された瓶のよう
な容器の仕上部に接着する。クロージヤを接着トルクを
かけて仕上部のネジ部に対し下方向へ移動させると、充
填表示リングも同様に仕上部に対し押圧される。装着力
を上側および下側リング部分の両者に加えて、脆いブリ
ツジ２１の一体性を保持する。円錐台状リツプ３１は仕
上げ輪郭にわたつて屈曲し、かつ最終的に容器保持リン
グ３２の下に位置するようになる。この装着時点で、ク
ロージヤは完全に装着されかつクロージヤと容器との間
のシールがクロージヤライナ１４によつて行なわれる。

上側リング部分と下側リング部分（１８および２０）の
間に位置するブリツジ２１の極めて脆い性質のため、ク
ロージヤに対する全ての除去トルクはクロージヤを容器
の仕上部に対し軸方向に移動させ、円錐台状リツプ３１
の先端を容器保持リング３２の下縁部に固定させる。下
側リング部分２０の上方向移動は制限されるので、クロ
ージヤ１１に加えられる除去トルクは脆いブリツジ２１
を破壊して、リング部分２０をクロージヤ-リング組合
体の残部から離脱させる。

第３図は、本発明の他の具体例を示している。全体的組
合体を参照符号４０で示す。ガスケツトもしくはライナ
４４をクロージヤ４１と容器４３のネジ付き仕上部４２
の頂部との間に位置せしめる。充填表示リング４５が、
クロージヤ４１に対し接触関係でかつ容器４３に装着し
て示されている。充填表示リング４５は、第４図に示し
たように、上側リング部分および下側リング部分（４７
および４８）で構成される。上側リング部分４７は円筒
状部分５０を備えて、クロージヤ４１のリツプ部４６の
円筒状外面に対し入れ子配置で共働作用する。球状突出
部５１が存在するので、クロージヤ４１と上側リング部
分４７とをすべりばめ（snug fit）の形で具合よく嵌合
させることができる。エネルギ集中熔接ビート５２また
は溶剤助剤を、リング部分４７の表面５３に位置せしめ
る。

上側リング部分４７を、複数の脆いブリツジ５４によつ
て下側リング部分４８に接続する。第４図はブリツジ５
４の全体的高さを示しているのに対し、第３図はブリツ
ジ５４がクロージヤ-容器組合体の全垂直軸線に対し傾
斜している様子を示している。ブリツジ５４の傾斜角度
はクロージヤ-容器組合体の長手軸線に対し垂直な平面
に関し３０〜７５゜の範囲で変化する。ブリツジ５４の
実際の角度は、選択される熱可塑性材料およびその脆性
に依存する。ブリツジ５４の傾斜方向が重要である。ク
ロージヤに加える逆方向トルクは、クロージヤ４１およ
び取付けられた上側リング部分４７を下側リング部分４
８から離間移動させる。これは、単にこの逆方向トルク
がブリツジ５４を一層軸方向に整列した位置の方向へ移
動させるためである。逆に、通常のクロージヤ締付けト
ルクは、ブリツジ５４が上側リング部分と下側リング部
分（４７および４８）を互に引付け合うようにする。締
付けトルクをクロージヤ４１にかけた際にプリツジ５４
が破裂しないようにするため、ブロツク５５を下側リン
グ部分４８の上縁部５６に対し周方向に離間して取付け
る。ブロツク５５は、リング４５の一般的形状と同じ円
弧状である。これらブロツク５５は、上側リング部分４
７の下縁部に取付けられれば同等に機能するであろう。
ブロツク５５と隣接する上側リング部分４７との間に
は、0.025インチ程度の小さい空間を設ける。上記した
ように、時計方向のクロージヤトルクは、上側リング部
分４７を下側リング部分４８の方向へ移動させる。リン
グ部分４７および４８の相対的移動はブロツク５５によ
つて停止され、脆いブリツジ５４の一体性を保持する。

充填表示リング４５に対するクロージヤ４１の組立てに
際し、エネルギ集中材または熔接ビード５２をクロージ
ヤ４１のリツプ４６と融合させる。かくして、クロージ
ヤの反時計方向のトルクに際し、全充填表示リング４５
はクロージヤ４１と共に反時計方向に運動する。上側リ
ング部分４７の表面５３は、下側リング部分４８のブロ
ツク５５に対し圧縮力を供給する。下側リング部分４８
に加えられる圧縮力は、截頭円錐リツプ部５７をネジ付
き仕上部全体にわたりかつ特に保持リング５８にわたつ
て押圧させる。

クロージヤ４１に加えられる逆方向トルクはブリツジ５
４に張力および剪断力を及ぼして、脆いブリツジ５４の
最終的破裂をもたらす。何故なら、下側リング部分４８
は、リツプ５７が保持リング５８の下に堅固に固定され
ているので、クロージヤ組立体の残部と共に移動しえな
いからである。

以上、本発明を好適実施例につき例示しかつ説明した
が、本発明はこれらのみに限定されず、その思想および
範囲を逸脱することなく多くの設計変更をなしうること
が当業者には了解されよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は容器の仕上部に装着したクロージヤ-充填表示
リング組合体の部分断面側面図であり、 第２図は充填表示リングのみの拡大断面図であり、 第３図はクロージヤと共に容器仕上部に装着した充填表
示リングの実施例の部分断面側面図であり、 第４図は充填表示リングの実施例の拡大断面図である。 １０……組合体、１１……クロージヤ、１２……ネジ付
き仕上部、１３……容器、１５……表示リング。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ネジ付き首仕上部を有する容器を備え、前
   記ネジ付き部分と前記容器の本体との間には保持リング
   を介装し、前記仕上部におけるネジに対し適合しうる内
   側ネジ付きクロージャスカートを設けると共に、前記ク
   ロージャスカートの端部には充填表示リングを入れ子配
   置で設けて固定することにより前記クロージャスカート
   端部と前記充填表示リングとの間に外周接触を生ぜし
   め、該充填表示リングは第１の部分と第２の部分と該リ
   ングの下縁を形成する円錐台部分とからなり、これら第
   １と第２の両部分は、該両部分間に介在する脆いブリッ
   ジ部分により連結されており、そしてこれら両部分の各
   々の一部分がクロージャスカートの末端部に接触し、従
   ってクロージャへの軸方向下方への押圧力はこのリング
   に伝達されて上記円錐台部分が前記保持リングを乗り超
   えて下方に通過し、そして、クロージャを後戻り方向に
   回転させた際に前記脆いブリッジが引裂けることを特徴
   とする充填表示包装。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項に記載の充填表示包
   装において、上記第１の部分はスカートの下部外面の一
   部上に入れ子式に設けた円筒状部分、該第１の部分の円
   筒状部分に固定された半径方向内方のフランジまたはカ
   ラー部を有し、上記第２の部分は本質的に円筒形状でそ
   の一端に接触リングを上記脆いブリッジに隣接して有
   し、そして該接触リングの反対側で第２の部分の下端部
   に取り付けられた円錐台状部分を有し、該第１の部分の
   半径方向内方のフランジまたはカラー部と該第２の部分
   の接触リングの両方が上記クロージャスカートの下端と
   接触関係に配置されている上記包装。
3. 【請求項３】特許請求の範囲第１項及び第２項に記載の
   充填表示包装において、該脆いブリッジ部材が上記半径
   方向内方のフランジまたはカラー部の最内方向縁と該第
   ２の部分の一端間に連結された円周方向に離隔した細長
   いブリッジで、上記クロージャの主軸に関して傾斜した
   ブリッジからなる上記包装。
4. 【請求項４】特許請求の範囲第３項記載の充填表示包装
   において、上記第１と第２の部分間にブロック手段が設
   けられ、それらは両部分の少なくとも一方に固着され
   て、前記脆い手段の破壊なしに、該第１の部分から該第
   ２の部分へ、該ブロック手段を経て、クロージャ装着力
   を伝達できる上記包装。