JP2008068901A - ヒートシール蓋付きキャップ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、割コアやコラプシブルコアなどの特殊なコアを用いることなく、成形時のコアの引き抜き過程における突起部への応力集中をうまく解消して無理抜き成形が実行できるヒートシール蓋付きキャップを提供することにある。
【解決手段】本発明のヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップは、内周面に形成されたねじ部と頂壁との間に、間欠的に内方に突出する複数の突起部を形成し、該突起部の横断面形状を中央部が凹曲面、両端部が凸曲面とし、該突起部と頂壁間にヒートシール蓋を装填するようにし、更に上記突起部の縦断面形状を台形状とするようにした。
また、装填するヒートシール蓋の素材として剛性を付与する素材として可撓性を有するサポート層を積層するようにした。
【選択図】図6
【解決手段】本発明のヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップは、内周面に形成されたねじ部と頂壁との間に、間欠的に内方に突出する複数の突起部を形成し、該突起部の横断面形状を中央部が凹曲面、両端部が凸曲面とし、該突起部と頂壁間にヒートシール蓋を装填するようにし、更に上記突起部の縦断面形状を台形状とするようにした。
また、装填するヒートシール蓋の素材として剛性を付与する素材として可撓性を有するサポート層を積層するようにした。
【選択図】図6
Description
本発明は、プラスチックボトルやチューブ状容器、又はスパウト付きパウチや金属製容器等の容器口部を剥離可能なヒートシール材により密封するヒートシール蓋を有しているネジキャップに関する。
わさび等の高香気性内容物やスパウト付きパウチ詰め食品として近年流通している高機能性レトルト食品等を充填するプラスチックチューブやスパウト付きパウチ等においては、容器口をアルミニウム箔に熱可塑性樹脂をコートしたヒートシール蓋でヒートシールして密封し、より密封性の向上を図るようにしている。この場合、開栓時には外側のネジキャップを外してから、内蓋となるヒートシール蓋を摘んで剥離しなければならない。このため、開封が面倒な上に剥がした内蓋が不要なものとしてキャップと分離してしまうという不便があった。一方、両面がヒートシール可能なヒートシール蓋を、ネジキャップ天面内面と容器口との両方にヒートシールして密封し、開栓時には、ネジキャップの螺合を解くことでヒートシール蓋が容器口から剥離するようにしたもの、あるいは、ヒートシール蓋を容器口にヒートシールしてから、ネジキャップを被せ、ネジキャップの天面内面とヒートシール蓋の上面をホットメルトで接着し、開栓時にはネジキャップの螺合を解くことによって自動的にヒートシール蓋が一体的に剥離されるようにしたものなどが提案されている。
しかし、ヒートシール蓋の剥離がヒートシール蓋上面とネジキャップ天面内面との接着力と容器口天面とのヒートシールによる接着力との差によりなされる従来のものは、剥離に際してヒートシール蓋全体に対する大きな捻じり力を作用させなければならず、大きな開栓トルクを必要とする問題点があった。また、開封が1操作でできるように工夫されているが、密封工程は従来と同様にヒートシール蓋とネジキャップを別々に装着しなければならない他のものは、2工程を必要とする問題点があり、更に、ネジキャップ内にヒートシール蓋があらかじめ装着されている他のものは、ネジキャップを容器口に装着して螺合した後、高周波誘導加熱によりヒートシールできるが、開栓に際しては2工程となる(特許文献1参照)等の問題点があった。本出願人はこれらのことに鑑み、容器口部にヒートシールして容器口部を密封するヒートシール蓋と外蓋であるネジキャップの2ピースの組合せからなるキャップにおいて、ネジキャップの装着及び取外しによりヒートシール蓋の装着及び剥離が同時にでき、且つ大きな開栓トルクを必要とすることなく一工程で開栓できるようにしたもの(特許文献2の発明)を提案した。この発明のヒートシール蓋付きキャップは、容器口頂部に接着して容器口を密封するヒートシール蓋付きキャップであって、頂壁と該頂壁から垂下し内周面に容器口部のネジと螺合するネジ部を有するスカート壁を備えたキャップ本体、該キャップ本体の少なくとも前記ネジ部終端と前記頂壁内周面との間に嵌合支持されたヒートシール蓋からなり、該ヒートシール蓋は少なくとも下面にヒートシール層を有し、外径が容器口外径よりも大きくて容器口外周から突出する突出部を有する弾性材で構成され、且つ前記スカート壁内周面には前記ヒートシール蓋の突出部と係合する剥離手段を有してなり、前記キャップ本体を容器口部に螺着して加熱することにより前記ヒートシール蓋が容器口頂部に接着され、開栓時にキャップ本体の螺合を解くことにより前記剥離手段が前記ヒートシール蓋を剥離できるようにしてなるものである。この発明で提示したヒートシールキャップの構造は、図8(a)に示すネジ部の上部に装着したヒートシール蓋を保持する環状突起部、或いは図8(b)に示す間欠的に複数の部分突起部の形態である。
プラスチック材料を用いた射出成形法や圧縮成形法などにおいて、金型から成形品を離型する際に支障となる凹凸部(アンダーカット)を有する成形品を成形する場合においては、金型にスライドコアや傾斜コアなどを取り付けた複雑な構造の金型を用いて、成形品の取り出し前にこれらのコアを動かし、成形品の凹凸部と金型との嵌合部分を事前に引き離すことで、凹凸部を破壊することなく成形品を金型から離型している。また、スクリューキャップのように、ネジ部がアンダーカットとなるような成形品においては、コアやキャップ本体を回転させることで金型から離型している。
一方、ネジ形状が単純で材料が比較的柔らかいプラスチック材料で成形されるキャップにおいては、コアを強制的に引き抜いて離型する「無理抜き」成形が行われている。しかしながら、特許文献3や特許文献4に開示されているキャップのような、ネジ部の上部に内部に装着したパッキン類を保持するための環状の突起部を有するものにおいては、キャップ材料が比較的柔らかいプラスチック材料で成形される場合であっても、無理抜き時のコアの引き抜き抵抗が大きくなるため、無理抜きを上手く行うことは難しい。特に、図8(b)に示されているような、突起部が部分的に形成されるようなアンダーカット形状の場合は、コアの引き抜き時の突起部への応力集中が大きく、一般的な成形条件では無理抜き成形時に突起部を破壊してしまう可能性が高い。
そのため、このようなネジ部の上部に突起部が部分的に形成されるようなスクリューキャップにおいては、割コアやコラプシブルコア(すぼまるコア)などの特殊なコアを用いてコアと突起部を引き離すことが必要であり、金型のコスト高となってしまう問題がある。
実開平5−71155号公報「キャップ」 平成5年9月24日公開
特開2002−205752号公報「ヒートシール蓋付きキャップ及びヒートシール蓋」 平成14年7月23日公開
特開2003−312710号公報 「ヒートシール蓋付きキャップとそのキャップ本体へのヒートシール蓋装着方法」 平成15年11月6日公開
特開平9−175545号公報 「キャップ」 平成9年7月8日公開
一方、ネジ形状が単純で材料が比較的柔らかいプラスチック材料で成形されるキャップにおいては、コアを強制的に引き抜いて離型する「無理抜き」成形が行われている。しかしながら、特許文献3や特許文献4に開示されているキャップのような、ネジ部の上部に内部に装着したパッキン類を保持するための環状の突起部を有するものにおいては、キャップ材料が比較的柔らかいプラスチック材料で成形される場合であっても、無理抜き時のコアの引き抜き抵抗が大きくなるため、無理抜きを上手く行うことは難しい。特に、図8(b)に示されているような、突起部が部分的に形成されるようなアンダーカット形状の場合は、コアの引き抜き時の突起部への応力集中が大きく、一般的な成形条件では無理抜き成形時に突起部を破壊してしまう可能性が高い。
そのため、このようなネジ部の上部に突起部が部分的に形成されるようなスクリューキャップにおいては、割コアやコラプシブルコア(すぼまるコア)などの特殊なコアを用いてコアと突起部を引き離すことが必要であり、金型のコスト高となってしまう問題がある。
本発明の課題は、割コアやコラプシブルコアなどの特殊なコアを用いることなく、成形時のコアの引き抜き過程における突起部への応力集中をうまく解消して無理抜き成形が実行できるヒートシール蓋付きキャップを提供することにある。
本発明のヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップは、内周面に形成されたねじ部と頂壁との間に、間欠的に内方に突出する複数の突起部を形成し、該突起部の横断面形状を中央部が凹曲面、両端部が凸曲面とし、該突起部と頂壁間にヒートシール蓋を装填するようにした。
更に本発明のヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップは、上記構成に加え、上記突起部の縦断面形状を台形状とするようにした。
更に本発明のヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップは、上記構成に加え、突起部のアンダーカット量が、(突起部上方のキャップ内径D−突起部内径d)/D=Aで定義され、Aの値が0.02〜0.15とするようにした。
また、装填するヒートシール蓋の素材として剛性を付与する素材として可撓性を有するサポート層を積層するようにした。
更に本発明のヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップは、上記構成に加え、上記突起部の縦断面形状を台形状とするようにした。
更に本発明のヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップは、上記構成に加え、突起部のアンダーカット量が、(突起部上方のキャップ内径D−突起部内径d)/D=Aで定義され、Aの値が0.02〜0.15とするようにした。
また、装填するヒートシール蓋の素材として剛性を付与する素材として可撓性を有するサポート層を積層するようにした。
本発明のヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップ、ネジ部の他にもアンダーカットとなる突起部を有するスクリューキャップにおいて、突起部の横断面形状を中央部が凹曲面、両端部が凸曲面となるようにしたことにより、応力集中に起因する欠けが生ずることなく無理抜き成形ができるようにした。この結果、単純な構造の金型を用いて低コストの生産が実現される。
また、上記突起部の縦断面形状を台形状とするようにしたことにより、キャップが外される際この部分がガイドとなってキャップの傾きが防止され蓋が正常に開封される。
更に、装填するヒートシール蓋の素材として剛性を付与する素材として可撓性を有するサポート層を積層したことにより、突起部からのすっぽ抜け防止や押し上げ剥離加重の減少を図ることができ、正常な開封動作を行わせることができる。
また、上記突起部の縦断面形状を台形状とするようにしたことにより、キャップが外される際この部分がガイドとなってキャップの傾きが防止され蓋が正常に開封される。
更に、装填するヒートシール蓋の素材として剛性を付与する素材として可撓性を有するサポート層を積層したことにより、突起部からのすっぽ抜け防止や押し上げ剥離加重の減少を図ることができ、正常な開封動作を行わせることができる。
本発明のヒートシール蓋を装填したキャップを説明する前にこのようなキャップを開発した経緯、ヒートシールキャップに関わる背景についてまず説明しておく。図1の上段はヒートシールキャップが正常に剥離動作した形態を模式的に示したもので、(1)は開封前の状態を示し、シール蓋2はキャップ頂壁3と密着した状態で容器口部1の端部周面をヒートシールしている。キャップを開ける過程ではまず(2)に示すようにタンパーエビデント(以下、TEと表記する。)バンドのブリッジを切り離しネジ溝に沿って回転しながら上昇する。その際、シール蓋2は容器口部1の端部周面にヒートシールされているため、キャップ頂壁3との密着状態が解かれる。更に上昇すると(3)に示すようにキャップの突起部4が容器口部1の端部周縁を越えて延在しているシール蓋2の周縁部と係合し、ヒートシールを剥離する力が加えられる。シール蓋2は適度の剛性を備えた素材が用いられているので、周縁部は撓りながらこの力がヒートシールされた領域に及び剥離させる。(4)に示すように、剥がされたシール蓋2はキャップの突起部4に係合された状態で保持され、人手を煩わせることなく開封される。しかし、このように正常に作動せずに開封不良となる場合が起こる。そのような作動形態例を図1の下段に示している。(a)に示すように上昇するキャップが傾いたとき、その突起部4がシール蓋2の周縁部と偏心して係合し、一方の周縁部とは深く他方側の周縁部とは浅く係合した状態でヒートシールを剥離する力が加えられる。すると、(b)に示すようにシール蓋2の周縁部が撓りながら力をヒートシールされた領域に及ばせて剥離させるものの、シール蓋2の浅い係合の側が突起部4から脱落して開封される。この後シール蓋2はキャップから落下しユーザーはシール蓋2はこれを拾ってゴミとして始末しなければならない。また、(c)に示すようにキャップを回転させつつ上昇させる過程でシール蓋2の周縁部がすっぽりと抜けてしまう場合もある。この場合ヒートシールは未開封のまま残り、ユーザーは手でシール蓋2を開封してこれをゴミとして始末しなければならない。このような開封不良を起す主たる原因はキャップを開ける際のキャップの傾きにあり、そしてシール蓋2が突起部4と係合して力を受けたときの撓り具合にあるものと解される。
次に、シール蓋2が突起部4と係合して力を受けたときの応力について検証する。図2はヒートシール蓋の剥離過程についてシミュレーションした結果を示したもので、上段は環状突起による剥離過程を、下段は部分突起による剥離過程をそれぞれ左から右方向に順次剥離の進行に従ってその結果を示してある。図ではシール蓋2と突起部4のシール蓋2と接している部分、そして容器口部1の端部のみが示されていて、シール蓋2に作用している力を青→赤→白と階調的に色表示させたもの(審査資料として別途提出する。)である。図面はカラーではないので青から赤への変化が読みとれないが、最も力の強いところが白であるのでこれは読みとることができる。上段の最も左側の図ではキャップが上昇しその突起部4が容器口部1の端部周縁を越えて延在しているシール蓋2の周縁部に当接した時点でまだ力が及んでいない状態を示している。キャップの上昇に伴い、環状突起の場合、突起部4はシール蓋2の全周縁部と係合して環状にシール蓋2を押し上げるように力が作用する。シール蓋2の全周縁部が撓められ皿状になって容器口部1の端部外周から剥離が進行する。応力集中部位は剥離の進行に伴って徐々に環状の半径を小さくして移行していく。最も右側の図は容器口部1の端部内周位置まで進んだところで、この部分が剥離すると開封状態となる。
図2の下段に示す部分突起による隔離過程では、左から2番目の図から分かるように当初突起部4は突起と当接するシール蓋2の周縁部の一部と係合してシール蓋2を押し上げるように力が作用し、局部的に剥離現象を生じさせる。この力の作用部位は回転しながら上昇するキャップの変位に伴い係合位置を徐々に円周方向に移動させながら、剥離領域を円周方向に広げながら剥離を進行させてゆくこととなる。そのため、シール蓋は波を打った形状に変形する。最も右側の図はシール蓋2の周縁部の数カ所で熱溶着された状態を残した完全剥離寸前の状態を示している。シール蓋2全域に撓みの状態が一様に広がっていることが見て取れる。このように、前者の環状突起の場合の力の作用部位は環状、すなわちシール蓋2の全周縁部となり、後者の部分突起の場合の力の作用部位はシール蓋2の周縁部の数カ所の部分部位になるため、押し上げ剥離荷重は違ったものとなる。この値は上部の傾斜角が45°である環状突起タイプのものと4個部分突起タイプのものを用いた場合、図3に示すように最大荷重では環状突起の場合の約4割程度となる。したがって、キャップの突起部4の形状としては環状突起よりも部分突起の方がシール蓋2に及ぼす変形歪みも小さくなり開封動作が安定で有利であることが分かった。
次に、ネジ部と共にアンダーカットとなるこの突起形状のキャップを、割コアやコラプシブルコアなどの特殊なコアを用いることなく、成形時のコアの引き抜き過程における突起部への応力集中をうまく解消して無理抜き成形で製造するため、この突起形状を持つキャップを無理抜き形態で製造する場合の問題点について検討する。図4に示した従来の部分突起を持ったスクリューキャップについて無理抜き過程で起こる歪み量をシミュレーションした結果を図5に示す。キャップはφ5からφ70タイプのもので、図4に示すように内周面に形成されたねじ部と頂壁との間に、間欠的に内方に突出する複数の突起部を形成したもので、該突起部の横断面形状が22.5°の角度で先端幅が2.08mm、その基部と先端角部の形状はR0.1そして、縦断面形状は上下方向に45°傾斜の山形のものである。この形状のキャップを無理抜きする工程での歪み量を基データでは青→赤→白と階調的に色表示させたもの(審査資料として別途提出する。)である。特許図面はカラーではないので青から赤への変化が読みとれないが特に歪みが大きい白部分を読取ることができる。実際に無理抜き成形で製造した場合、突起部4の角部分が破損する不良品が出てしまうが、その理由はこのシミュレーション結果から容易に理解できる。
本発明では、歪みが大きな部分がなくなるように、すなわち応力集中が起こらない形状として図6に示すような改良突起構造を提案する。この特徴はまず、横断面形状として、キャップ内周面に形成されたねじ部と頂壁との間に、間欠的に内方に突出する複数の突起部を形成し、該突起部の横断面形状を中央部が凹曲面で両端部が凸曲面からなる滑らかな曲面となるようにしたものである。中央部分の凹曲面はその部分の半径寸法が等しくなるようにしており、両端部の凸曲面はそれによって従来の尖った角部を無くして両側に裾野を広げるようにしたものである。
また、本発明のヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップは、図6に示すように、上記突起部の縦断面形状を台形状とするものとした。これは前述したようにキャップを開ける際にキャップが傾くことにより突起位置が偏心するとシール蓋2が突起部4から外れる不具合を生じるとの知見に基づいて想到したものである。上記突起部の縦断面形状を台形状とすることにより、容器口部の外周面との平坦な接触関係によってキャップの傾きを防止することができるようにした。
また、本発明のヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップは、図6に示すように、上記突起部の縦断面形状を台形状とするものとした。これは前述したようにキャップを開ける際にキャップが傾くことにより突起位置が偏心するとシール蓋2が突起部4から外れる不具合を生じるとの知見に基づいて想到したものである。上記突起部の縦断面形状を台形状とすることにより、容器口部の外周面との平坦な接触関係によってキャップの傾きを防止することができるようにした。
また、本発明者らは図1の下段に示した開封不良の原因に一つにシール蓋2の弾性が影響するとの知見を得た。それはシール蓋2の周縁部がキャップの突起部4と係合した際に撓りを起すが、その撓り具合はシール蓋2の弾性に依存する。すなわち、キャップの突起部4が容器口部1の端部周縁を越えて延在しているシール蓋2の周縁部と係合し、シール蓋2を剥離する際に、該シール蓋2が力の作用により撓むことになるが、この撓み量はシール蓋の素材の弾性率に依存する。当然のことながら柔らかければ大きく撓み、堅ければ撓みは小さくなる。柔らかすぎれば突起部4との係合が直ぐに外れてしまうし、堅すぎれば環状のシール領域の部分剥離がなされにくくなって、全領域の熱溶着力が部分突起部に作用して押し上げ剥離荷重が大きなものとなってしまう。適度な弾性を備えていれば、撓んだ近傍部分の溶着が剥がれ、徐々に撓みが先に進んで剥離領域を広げていくことになる。環状突起タイプのものも外径側から内径側に剥離が徐々に進むことになが、特に本発明の部分突起タイプのものが図3に示した押し上げ剥離加重が軽減される主たる理由は円周方向に徐々に剥離が進むためである。そのため、シール蓋は適度の弾性を備えることが重要となる。このことに鑑み、本発明のヒートシール蓋付きキャップに用いられるシール蓋は、ヒートシール層に適度の弾性を与える可撓性を有するサポート層(PET系樹脂又はPP系樹脂)を積層して適度の弾性を得るようにした。
本発明のヒートシール蓋付きキャップの最適実施例を図6、図7を参照しながら説明する。図6(a)(b)は部分突起の上方側傾斜を異にするキャップの縦断面図であり、(c)はそのA−AまたはB−B部の横断面図である。このキャップはφ5からφ70タイプのもので、図に示すように内周面に形成されたねじ部と頂壁3との間に、間欠的に内方に突出する90°間隔の4個の突起部を形成したもので、該突起部の横断面形状が22.3°の角度で、該突起部の横断面形状が先端幅が尖った角部とならないように中央部が凹曲面、その両端部が凸曲面となるようにした。中央部分の凹曲面はその部分の半径寸法が等しくなるようにしており、両端部の凸曲面を延在させることにより、従来の尖った角部を無くして両側に裾野を広げるようにした。キャップ内周面との接続部の形状はR0.1そして、縦断面形状は上方向傾斜を30°乃至75°としたものである。また、該突起部の縦断面形状を台形状としており、この台形の平坦幅は0.5〜5mmの値とする。更に、このキャップと共に用いられるシール蓋は、適宜の弾性を持つものとして図7に示すように、7〜15μmの厚さからなるヒートシールの際の高周波加熱材としてのアルミニウム箔の層と30〜50μmの厚さのヒートシール機能のためのPP系易剥離シーラント層を積層したシールに200〜400μmの厚さのPET系樹脂又はPP系樹脂の可撓性を有するサポート層を更に積層したものを使用する。なお、各層の積層は接着剤を使用した。
1 容器口部 2 シール蓋
3 頂壁 4 突起部
TE タンパーエビデント
3 頂壁 4 突起部
TE タンパーエビデント
Claims (6)
- 内周面に形成されたねじ部と頂壁との間に、間欠的に内方に突出する複数の突起部を形成し、該突起部の横断面形状を中央部が凹曲面、両端部が凸曲面とし、該突起部と頂壁間にヒートシール蓋を装填したヒートシールキャップ。
- 該突起部の縦断面形状を台形状とした請求項1に記載のヒートシールキャップ。
- 突起部の上方傾斜部の角度を、30〜75°とした請求項1又は2に記載のヒートシールキャップ。
- 突起部の台形状の平坦部幅をφ5からφ70タイプのキャップにおいては、0.5〜5mmとした請求項2又は3に記載のヒートシールキャップ。
- 突起部のアンダーカット量が、
(突起部上方のキャップ内径D−突起部内径d)/D=A
で定義され、Aの値が0.02〜0.15である請求項1乃至4のいずれかに記載のヒートシールキャップ。 - 装填するヒートシール蓋の素材として剛性を付与する素材として可撓性を有するサポート層を積層したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のヒートシールキャップ。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2006-09-14 JP JP2006249351A patent/JP2008068901A/ja active Pending
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