JP2003191981A - タンパーエビデント性を有するヒートシール蓋付きキャップ - Google Patents

タンパーエビデント性を有するヒートシール蓋付きキャップ

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JP2003191981A JP2001397930A JP2001397930A JP2003191981A JP 2003191981 A JP2003191981 A JP 2003191981A JP 2001397930 A JP2001397930 A JP 2001397930A JP 2001397930 A JP2001397930 A JP 2001397930A JP 2003191981 A JP2003191981 A JP 2003191981A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンパーエビデントリングによらないでタン
パーエビデント性を有することができ、容器とキャップ
の分別破棄が容易にでき、且つキャップ及びボトルの使
用材料を従来よりも少なくすることを可能にしたヒート
シール蓋付きキャップを得る。 【解決手段】 キャップ本体2とヒートシール容器口部
を密封するヒートシール蓋15とからなり、キャップ本
体の天壁3の中央部に破断が容易な弱化部6により区画
したタンパーエビデント表示面7を設け、該タンパーエ
ビデント表示面の裏面とヒートシール蓋15とが結合さ
れ、キャップ本体2を開栓方向に回転時に、容器口部と
ヒートシール蓋の密封が破壊される前に弱化部6が破断
することによって、開封の明示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器口部にヒート
シールされる中蓋(ヒートシール蓋)を有するキャッ
プ、特に、従来のタンパーエビデントバンドを不要にし
てタンパーエビデント(以下、TEという)性を有する
ようにしたヒートシール蓋付きキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、TE性を有するキャップは、キャ
ップ本体のスカート下部にブリッジで接続されたTEリ
ング(バンド)を有し、開封時にブリッジが破壊される
ことで、未開封の確認がなされている。しかし、このT
Eリングは、合成樹脂キャップの場合、開封後ボトル口
部のカブラ部を乗り越えることなくボトル口部に残り、
しかも工具によらなければ口部から分離できないため、
使用後のボトルを廃棄する際に分別し難いという欠点が
あった。また、スカートの下部にTEリングを設ける構
造上、キャップ高さが高くなり、その分キャップの使用
材料が増大するとともに、該キャップを装着するボトル
の口部もその分長くしなければならず、ボトルの使用材
料も増えるという問題点があった。さらに、ヒートシー
ル蓋に金属材料等のキャップ本体と違う材質を使用して
いる場合、廃棄に際して分別するためにシール蓋とキャ
ップとが容易に分離できることが必要である。さらにま
た、従来のTEリングを有するヒートシール蓋付きキャ
ップの場合、開封時にリング部を連結しているブリッジ
を破壊するには、相当量のキャップ回転角度を有するの
で、TE性能が不充分な場合もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、容
器口部にヒートシールされた蓋を有するキャップにおい
て、従来のTEリングを有するキャップの上記問題点を
解消しようとするものであり、TEリングによらないで
TE性を有することができ、容器とキャップの分別破棄
が容易にでき、且つキャップ及びボトルの使用材料を従
来よりも少なくすることを可能にしたヒートシール蓋付
きキャップを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決する本
発明のTE性を有するヒートシール蓋付きキャップは、
容器口部に螺合するキャップ本体とヒートシール容器口
部を密封するヒートシール蓋とからなるヒートシール蓋
付きキャップであって、前記キャップ本体の天壁の中央
部に破断が容易な弱化部により区画したTE表示面を設
け、該TE表示面の裏面と前記ヒートシール蓋とが結合
されていることを特徴とするものである。
【0005】前記弱化部は、前記キャップ本体を開栓方
向に回転時に、容器口部とヒートシール蓋の密封が破壊
される前に破断するように、前記ヒートシール蓋と容器
口部との密封を破壊する破壊荷重よりも低い荷重で破壊
するように構成されている。前記弱化部近傍に、閉栓方
向回転では前記弱化部にせん断力が作用しないようにT
E表示面とその周辺部が係止する、閉栓方向破断防止手
段を設けることが望ましい。
【0006】前記TE表示面はキャップ本体天壁の他の
面と必ずしも同じ肉厚にする必要はなく、TE表示面を
肉薄にすることも可能である。又、キャップ本体天壁を
リング状に形成し、TE表示面をそのリング状天壁にす
ることも可能である。それにより、破断し易い弱化部を
容易に構成することができると共に、キャップ本体の使
用材料をより低減できる。さらに、キャップ本体のTE
表示面となる部分を開口し、該開口部を覆って破断し易
いシートを接着すると共に、該シートの裏面に前記ヒー
トシール蓋の天面を接着させてTE表示面を構成しても
よい。天壁の天面には、前記TE表示面とその周辺部に
跨る印刷を施すことによって、開栓時にキャップ天面の
弱化部が破断した際に、キャップとヒートシール蓋との
位置がずれることにより、未開封状態と天面の印刷のズ
レが生じて開封を明示され、TE性を効果的に発揮する
ことができる。
【0007】前記ヒートシール蓋は、少なくとも下面に
ヒートシール層を有し、外径が容器口外径よりも大きく
て容器口外周から突出する突出部を有する弾性材で構成
し、且つ前記キャップ本体は、そのスカート壁内周面に
前記ヒートシール蓋の突出部と係合する剥離手段を設け
て構成し、前記キャップ本体を容器口部に螺着して加熱
することにより前記ヒートシール蓋が容器口頂部に接着
して密封し、開栓時にキャップ本体の螺合を解くことに
より前記剥離手段が前記ヒートシール蓋を剥離できるよ
うに構成することによって、ヒートシール蓋の開封とキ
ャップ本体の開栓が一動作でできる。本発明のTE性を
有するヒートシール蓋付きキャップは、プラスチック製
に限らず、金属製にも適用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に
係るヒートシール蓋付きキャップをボトル口に装着した
状態での断面図であり、(b)はヒートシール蓋付きキ
ャップの平面図である。本発明者らは、先に、容器口部
にヒートシールして容器口部を密封するヒートシール蓋
と外蓋であるネジキャップ本体の2ピースの組合せから
なり、ネジキャップ本体と一体にヒートシール蓋を容器
口部に装着し、その後外部より加熱することによって容
器口部をヒートシール蓋で自動的に密封することがで
き、且つ開栓時にはキャップ本体を回転させるだけで、
ヒートシール蓋を容器口部から剥離して1動作で開封で
きるヒートシール蓋付きキャップを提案した(特願20
01−325184号)。本実施形態のヒートシール蓋
付きキャップは、前記提案したキャップの改良に係わ
り、キャップ本体の天面の一部をTE表示面とすること
によって、従来のTEリングによらないでTE機能を奏
することができるようにしたものである。
【0009】本実施形態に係るヒートシール蓋付きキャ
ップ1は、図1(a)に示すように、キャップ本体2と
該キャップ本体2の内部に装着されるヒートシール蓋1
5の2部材から構成されている。キャップ本体2の材質
としては、閉栓時に加えられる力で、キャップが大きく
変形しないように剛性のある弾性材料であればよく、金
属、合成樹脂等の中から任意の材料を用いることができ
る。本実施形態ではキャップ本体2は、合成樹脂で形成
され、天壁3と該天壁から垂下し内周面に容器口部30
のネジ31と螺合するネジ部4を有するスカート壁5を
備えている。スカート壁内周面に、ネジ部の上端部と天
壁内面との間に位置するように、開栓時にヒートシール
蓋の剥離手段となる環状突起14が突出形成され、該環
状突起と天壁3との間にヒートシール蓋15が装着され
ている。環状突起14は、天壁面に対して所定の角度
(例えばネジ部4の上面と同じ角度)傾斜して形成され
るのが好ましく、後述するように、開栓時にキャップ本
体を回すことによってその上面のみがヒートシール蓋1
5の突出部16の下面にあたって、回転に応じて円周方
向に沿って容器口部外周側から内周側に向かって次第に
剥離するようにして、開栓トルクの軽減化を図ってい
る。なお、環状突起14は、周方向に間欠的又は部分的
に形成された複数個の突起であってもよく、これによっ
てヒートシール蓋の剥離部に応力を集中させて開栓トル
クを低減することができる。また、環状突起14上面と
天壁3内面との間隔は、少なくともヒートシール蓋15
の厚さと、ブリッジが破壊されるまでのキャップ回転に
よってキャップ本体が上昇する上昇量とが加算された距
離となるように形成されている。それにより、開栓時に
は必ずブリッジが破壊されてからヒートシール蓋15の
剥離が開始され、TE性を確実に保証している。
【0010】天壁3の中央部は、破断が容易な弱化部6
を介して円形状に区画されてTE表示面7となってお
り、該TE表示面7の裏面とヒートシール蓋15が結合
され、後述するように少なくとも弱化部6が破断される
までTE表示面7がヒートシール蓋15と一体を維持す
るように接着等により結合されている。TE表示面7の
下面を除くキャップ本体の天壁下面とヒートシール蓋1
5の上面とは接着されてなく自由な状態となっている。
【0011】弱化部6の破断強度は、キャップ開封時の
せん断力で、ヒートシール蓋15と容器口頂部との結合
が破壊されるよりも前(即ち容器の密封が破壊される
前)に弱化部6が破断されるように、ヒートシール蓋1
5と容器口頂部の結合破壊荷重よりも低い荷重で破断さ
れることが条件である。
【0012】弱化部6は、上記条件を満たせば特にその
構成は限定されないが、典型的な例として、図1(b)
に示すように、スリット8とブリッジ9との組み合わせ
で構成することができる。その場合、基本的にはスリッ
ト8とブリッジ9の形状は天壁の厚さ方向に同じでよい
が、キャップ天壁3の肉厚が厚いと弱化部が容易に破断
できないため、ブリッジ9は微小ブリッジにする必要が
あり、加工が困難となる。それを避けるために、図2に
示すように、キャップ天壁の裏面には前記スリットに沿
うようにして、該スリットよりも大きい幅を有する所定
深さの環状溝10を形成し、該環状溝の底部にスリット
8とブリッジ9を形成することによって、ブリッジの肉
厚を薄く形成することができ、破断が容易なブリッジを
安定して形成することができる。
【0013】弱化部6を上記のように構成することによ
って、開栓時にブリッジが容易に破断しTE機能を確実
に果たすことができる。その上、本実施形態では、キャ
ップ閉栓作業時、特に最後の緊締め時にTE表示面7に
強い抵抗力が加わって不用意にブリッジ9が破壊されな
いようにするために、閉栓方向の回転に際してはブリッ
ジにせん断力が作用しないように図2に示すような閉栓
方向破断防止手段が設けられている。即ち、キャップ天
壁内面に形成された前記環状溝10内に突出位置するよ
うに、閉栓方向の回転時互いに係合するTE表示面側係
合突起11をTE表示面7の外周面に突出形成するとと
もに、周辺部の内周面に天壁本体側係合突起12を突出
形成してある。これらの突起11、12は閉栓方向の回
転に際しては、互いに係合するが、開栓方向の回転に際
して互いに離れるような位置関係で設けられており、本
実施形態では2組の係合突起がほぼ180°離れて設け
られている。
【0014】以上のように形成されたヒートシール蓋付
きキャップにおいて、さらに図4(a)に示すようにキ
ャップ本体の天壁外面にTE表示面7と周辺部にまたが
るように図柄や文字等を印刷等した表示13を施すこと
によって、開栓されたとき、周辺部が回転してTE表示
面7とずれる結果、図4(b)に示すように図柄や文字
がずれ、一目して開栓されたことが判別でき、TE機能
をより効果的に発揮することができるようにしてある。
【0015】前記ヒートシール蓋15は、基本的には、
少なくとも下面が容器口部30とヒートシール可能な材
料から形成され、且つ開栓時にキャップ本体2の回転に
伴って環状突起14が該ヒートシール蓋15の突出部1
6の下面に係合して、ネジのリード角に応じて上昇する
ことによって、ヒートシール蓋15の突出部16が上方
に押し上げられる際に、その周縁が弾性変形して容器口
部外周側から内周側に向かって剥がす力が作用するよう
な剛性を有する材料で形成されていることを必要とし、
シール層18とサポート層17から構成されている。サ
ポート層17がヒートシール蓋の天面を構成し、その中
央部がキャップ本体のTE表示面7の下面と接着等の任
意の手段で結合されている。
【0016】図5に、ヒートシール蓋15の代表的な3
つの実施形態が模式的に示されている。図5(a)に示
す実施形態のヒートシール蓋151は、上層部に剛性の
あるサポート層171と下層部にヒートシール可能なシ
ール層181から構成され、層間が接着して一体になっ
ている多層構造である。図5(b)に示すヒートシール
蓋152は、前記サポート層172とシール層182との
間に金属箔層19が介在して一体になっている多層構造
となっている。また、図5(c)に示すヒートシール蓋
153は、サポート層173の下面に通常のキャップにお
けるインナーリングに相当する円筒状の中足20が形成
され、該中足より外側のサポート層下面に容器口部とヒ
ーシール可能なシール層183を有し、層間が接着され
て一体となっている。なお、これらの3つの実施形態に
おける添字を付した引出符号で示す何れの部材も含む場
合は、添字を省いた引出符号で表す。
【0017】前記ヒートシール蓋15において、シール
層18は、単層又は2層以上の多層から構成されてい
る。単層構成の場合は、パラフィン系ワックスを用いた
シール層や容器口部のシール面を構成する樹脂とは異種
の樹脂でシール層を構成することによって、ヒ−トシー
ルされたシール部のヒートシール強度が小さく、易剥離
性シールとなることを利用する。例えば、容器口部30
のシール面を構成する樹脂がポリプロピレンのとき、シ
ール層に線状低密度ポリエチレンを用いる。他方、容器
口部30のシール面を構成する樹脂が線状低密度ポリエ
チレンのとき、シール層にポリプロピレンを用いる。
【0018】あるいは、容器口部30のシール面を構成
する樹脂と同種の樹脂に、非相溶性樹脂を加えたブレン
ド系樹脂でシール層を構成することによって、ヒートシ
ールされたシール部は、ブレンドする非相溶性樹脂の種
類と配合比によって、易界面剥離性、或いは、易凝集破
壊性を有する易剥離性シールとなることを利用する。こ
の場合、例えば、容器口部30のシール面を構成する樹
脂がポリエチレン系樹脂の場合、シール層を構成するブ
レンド系樹脂としては、ポリエチレンとポリプロピレン
系樹脂、ポリエチレンとポリブテン系樹脂、ポリエチレ
ンとプロピレン−αオレフィン共重合体等のフレンド系
樹脂が挙げられる。他方、容器口部30のシール面を構
成する樹脂がポリプロピレン系樹脂の場合、シール層を
構成するブレンド系樹脂としては、ポリプロピレンとポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレンとエチレン−αオレ
フィン共重合体、ポリプロピレンと環状オレフィンコポ
リマー等のブレンド系樹脂が挙げられる。
【0019】しかしながら、以上の例に限らず、低密度
ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン
共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重
合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、ポリブテ
ン、ブテン−αオレフィン共重合体、酸変性オレフィン
系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体、ポリスチレン系樹脂、アイオノ
マー樹脂、エチレン−酢酸ピニル共重合、エチレンー酢
酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂の中から、容器口部
30のシール面を構成する樹脂と非相溶な樹脂を選び、
これらと容器口部30のシール面を構成する樹脂との配
合比を調整しながらブレンドした樹脂系でシール層を構
成することで、容器口部30と易剥離性シールを形成で
きるシール層とすることができる。
【0020】一方、シール層が多層の場合は、シール層
の第一層(最外面)は、容器口部30のシール面を構成
する樹脂と同種の樹脂から構成され、容器口部30と剥
離不能にヒ−トシールされる。第一層の破断及び第一層
と第二層との層間で剥離することで開封する機構とな
る。第二層は、第一層を構成する樹脂とは異種の樹脂か
ら構成されるか、第一層を構成する樹脂と同種の樹脂
に、非相溶性樹脂を加えたブレンド系樹脂から構成され
る。前者の場合、第一層と第二層との問の剥離形態は、
界面剥離である。後者の場合、第一層と第二層との間の
剥離形態は、ブレンドする非相溶性樹脂の種類と配合比
によって、界面剥離から凝集剥離まで任意に調整でき
る。
【0021】また、ヒートシール蓋15のサポート層1
7は、高周波誘導加熱時に、溶けたり変形したりしない
ように、シール層18より耐熱性のあるものを使用す
る。開栓時にヒートシール蓋15が持ち上げられる時
に、ヒートシール蓋15が撓むことでシール部が剥離す
る。このため、サポート層17は可撓性を有する材料で
構成する。具体的には、ポリプロピレン、線状低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン
系樹脂、セロハン、ポリエステル乃至コポリエステル系
樹脂、ポリアミド乃至コポリアミド系樹脂、ポリカーボ
ネイト、ポリステレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、メタク
リル酸樹脂等が用いられる。あるいはこれらの樹脂に、
剛性、寸法安定性、耐熱性等を付与するために、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、カーボン等の無機系充填材が混
合されても良い。
【0022】さらに、ヒートシール蓋15に金属箔層1
9を設けた場合、金属箔層19は高周波加熱時に発熱体
として作用するもので、具体的にはアルミ箔、スチール
箔、ブリキ箔等の金属箔が採用できる。
【0023】一方、本発明のヒートシール蓋付きキャッ
プ1を装着する対象となる容器は、該キャップが螺合す
る容器口部を有していれば良く、ボトル形状、パウチ形
状等容器本体の形状と材質は特に問わないが、少なくと
も容器口部のシール面が、ヒートシール性を有する樹
脂、あるいはヒートシール性樹脂をコーティング又はヒ
ートシール性樹脂フィルムを積層してなる合成樹脂製容
器、金属製容器、ガラス製容器、紙製容器、あるいはセ
ラミック製容器が望ましい。しかしながら、必ずしも容
器口部のシール面がヒートシール性を有する樹脂に限ら
ず、ヒートシール蓋がヒートシール可能であれば、容器
を構成する材質が直接露出していても構わない。
【0024】本実施形態のヒートシール蓋付きキャップ
1は、以上のような構成からなり、キャップ製造工程で
ヒートシール蓋15をキャップ本体2内に環状突起14
を乗り超えて押し込み、ヒートシール蓋上面をキャップ
本体のTE表示面7の下面とのみ接着させて結合する。
接着は接着剤による接着やヒートシール等適宜の手段が
採用できる。このようにして組み立てられたヒートシー
ル蓋付きキャップ1は、通常のキャッピング工程と同様
に内容物が充填された容器の口部30に螺合し、締結が
完了した時点で加熱ステーションでキャップ外面から高
周波等により加熱すると、ヒートシール蓋15のシール
層12と容器口頂部とが溶融してヒートシールされ、容
器口部30が密封される。キャップ締結時には、弱化部
近傍に設けてある閉栓方向破断防止用の係合突起11、
12が互いに係合することによって、天壁のTE表示面
とその外周部間に回転力の差が生じることなく、閉栓時
に不用意に弱化部が破断することがない。
【0025】次に、開封の際の動作を図6に基づき説明
する。図6は、比較例として本発明者らが前に提案した
前記ヒートシール蓋付きキャップとの相違点が分かり易
いように両者をa列とb列に対比させて図示している。
なお、比較例においても本実施形態と同様な部分には同
じ符号を付してある。同図(a−1)は開栓前の状態を
示しており、この状態でキャップ本体2を回転させると
ヒート−シール蓋15とTE表示面7が結合しているた
め、ヒートシール蓋にせん断力が作用する。しかしなが
ら、ヒートシール蓋15のヒートシール破壊荷重よりも
TE表示面7の弱化部の破壊荷重が低くなるように設定
してあるため、天壁のブリッジが先に破断し、ヒートシ
ール蓋15およびTE表示面7は回転せずに、天壁本体
側のみが回転する。その結果、天壁の天面に施した表示
がずれて不自然になるので、一目して開栓されたことが
分かる。したがって、キャップ天面を観察するだけで不
正開栓の有無を確実に判別することができる((a−
1)〜(a−2))。
【0026】(a−1)の状態では、キャップ本体2の
環状突起9の上面とヒートシール蓋15の下面とは所定
距離e離れている。従って、この状態でキャップを開栓
方向に回しても直ぐには剥離手段である環状突起14が
ヒートシール蓋15を剥離することはなく、(a−2)
に示すようにキャップ本体が所定角度回転して軸方向に
距離eだけ上昇して、初めてヒートシール蓋15の剥離
が開始される(a−3)。このときには、すでに弱化線
6のブリッジが破断されているので、密封が破壊される
前に必ず、キャップ本体の天壁面のブリッジが破壊され
る。従って、不正開栓により、キャップ本体の天壁面の
ブリッジを破断せずに密封だけを破壊してしまうという
ことを確実に防止することができる。さらにキャップ本
体2を回転することによって、環状突起9がヒートシー
ル蓋15の突出部16を上方に押し上げ、容器口部外周
側から内周側に向かって次第に剥離していき、キャップ
本体を回転させる1動作のみでヒートシール蓋も同時に
開封させることができる(a−4)。そして、開封後
は、TE表示面とヒートシール蓋が一体となって環状突
起14に係合してキャップ本体に残っている状態にある
が、TE表示面がキャップ本体と分離した事によりキャ
ッブ゜本体天壁に開口19が生じるので、該開口に適宜
の押し具20を挿入して押し出すことにより簡単にヒー
トシール蓋15をキャップ本体2から分離でき、ヒート
シール蓋が金属箔を含む場合等は、分別廃棄がし易い利
点がある。
【0027】これに対し、比較例のヒートシール蓋付き
キャップ40場合は、TEリング41が分離されてから
ヒートシール蓋15の剥離が行われる点、およびキャッ
プ本体を回転させる1動作のみでヒートシール蓋15も
同時に開封させることができる点で本実施形態のものと
同様な作用効果を奏するものであるが、比較例の場合
は、スカート壁42の下端にTEリング41を設けるた
め、ブロー成形係止リング32とネジ部との間にTEリ
ング41がはいるスペースを必要とし、且つ開封時にT
Eリング41の上昇を阻止して弱化部を破断させるため
の環状係止リング33(又は顎部)を設けなければなら
ず、その分容器口部の長さ((b−1)においてhで表
している。)を長くしなければならず、容器口部が本発
明のヒートシール蓋付きキャップが適用されるボトルよ
りも使用材料が多くなる。同様にヒートシール蓋付きキ
ャップもTEリング分だけキャップ高さを高くしなけれ
ばならない。また、開封後は(b−5)に示すようにキ
ャップ本体に残っているヒートシール蓋をキャップ本体
から除去しにくい。
【0028】図7は、本発明の他の実施形態に係るヒー
トシール蓋付きキャップ25を示している。本実施形態
では、天壁26のTE表示面27の肉厚をその周辺部よ
り薄く形成してある点を除いて図1に示す実施形態のも
のと同様であるので、同一符号を付し詳細な説明は省略
する。TE表示面27を薄くすることによって、弱化部
が破断しやすくなるとともに、キャップ本体の使用材料
を節約できるという利点がある。
【0029】図8は、本発明のさらに他の実施形態に係
るヒートシール蓋付キャップ35を示している。本実施
形態ではTE表示面27はリング状天壁に形成される。
リング状天壁にすることによって材料の低減、ヒートシ
ール蓋の外面側に印刷を施すことによって、ヒートシー
ル蓋の表裏誤認装着が防止できるという利点がある。
【0030】図9は、本発明のさらに他の実施形態に係
るヒートシール蓋付きキャップ45を示している。本実
施形態では、天壁36の弱化部および中央部に相当する
部分を完全に開口して開口部37を形成し、該開口部を
覆うように破断し易い合成樹脂、金属箔、紙の単独フィ
ルムあるいはそれらの複合フィルム等からなるシート3
8を天面から接着した構造となっている。シート38の
中央部下面がヒートシール蓋15と接着して一体化して
いる。シート38には、開口部内縁に沿って弱化部39
を必要に応じて適宜設けて開封時にシート38が破壊し
易いようにしてある。それにより、開封の明示を確実に
行うことができるようにしてある。
【0031】図10は、本発明のさらに他の実施形態に
係るヒートシール蓋付きキャップ55を示している。本
実施形態は、アルミニウムなどの金属キャップに適用し
た場合を示し、図はボトル状の金属製容器に装着した場
合を示している。本実施形態のヒートシール蓋付きキャ
ップ55は、キャップ本体がアルミニウムで成形され、
前記実施形態と同様に天壁47の中央部に弱化線48を
介してTE表示面49が形成され、該TE表示面の裏面
にヒートシール蓋50が一体に接着され、開栓時にキャ
ップ本体を回すことによって、天壁の弱化部が破断して
TE表示面とその周辺部がずれ、開栓があったことを表
示する。従来のTEリング付き金属製キャップの場合、
開栓に際してブリッジが破断されると、TEリングの破
断面がエッジとなり、TEリングの一端がスカート壁の
下端に連続して螺旋状に延びてキャップ本体と一体とな
って容器口から分離されるため、取り扱いに注意を要す
る。これに対して、本発明の場合は、天壁にTE表示面
があり、しかも開栓後は天壁から分離されたTE表示面
はキャップ本体内部に係止されるので、TEリングの場
合と比べて安全であるという利点もある。
【0032】以上の各実施形態では、ヒートシール蓋1
5の剥離手段としてキャップ本体2に環状突起9を設け
たが、必ずしも環状突起に限らず、間欠的又は部分的に
形成された複数個の突起であってもよく、さらには、ス
カート壁内周面に形成されたネジ部終端部が剥離手段を
兼ねるようにしてもよい。また、上記各実施形態では、
開栓と同時にヒートシール蓋も開封できるように工夫し
たキャップについて説明したが、本発明は必ずしもその
ようなキャップに限るものでなく、キャップ本体を取り
外した後に、別工程でヒートシール蓋を開封するように
したキャップにも適用できる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明のヒートシール蓋
付きキャップによれば、開栓に際して最も目立ち易いキ
ャップの天面にTE表示面があり、天面のブリッジ破壊
が密封解除前に起こり、開封されたことを明示するの
で、不正開栓の有無の表示効果が高い。また、TEリン
グが不要となるので、キャップの材料使用量を低減でき
ると共に、該キャップが装着される容器は口部を短く、
且つTEリング係止のための環状突起等の係止突起を不
要とするので、容器口部の使用材料も低減することがで
きる。さらに、ブリッジが破壊されたTE表示面は、キ
ャップ本体内に留まるから、従来のようにTEリングが
ボトルに残る事がなく、ボトルとキャップは完全に分離
して廃棄できる。さらにまた、ヒートシール蓋をキャッ
プ本体と分離する際も、キャップ天面部から、下方開口
部に向けて押すことにより、容易に脱落させることがで
きる。
【0034】また、弱化部近傍に、閉栓方向破断防止手
段が設けることによって、閉栓工程で弱化部が不用意に
破断することを防止でき、歩留まりを向上させることが
できる。さらに、キャップ本体のTE表示面部を肉薄又
は開口にすることによって、キャップ本体の使用材料を
より低減することができる。また、金属キャップに適用
することにより、より安全なTE機能を有するキャップ
を得ることができる。また、請求項7の構成によれば、
ネジキャップと一体にヒートシール蓋が容器口部に装着
でき、その後外部より加熱することによって容器口部を
ヒートシール蓋で自動的に密封することができ、且つ開
栓時にはキャップ本体を回転させるだけで、ヒートシー
ル蓋を容器口部から簡単に剥離して1アクションで開封
でき、開封性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係るヒートシール
蓋付きキャップの容器口部に装着した状態での断面図、
(b)はキャップ本体の平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るヒートシール蓋付きキ
ャップの底面図である。
【図3】(a)は図2のA−A断面図、(b)はB−B
断面図、(c)はC−C断面図、(d)はD−D断面
図、(e)は開栓方向破断防止手段部の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るヒートシール蓋付きキ
ャップの天面の表示を示し、(a)は未開風状態、
(b)は開封された状態を示している。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の本発明に係るヒー
トシール蓋の種々の実施形態を示す断面模式図である。
【図6】(a−1)〜(a−5)は本発明の実施形態に
係るヒートシール蓋付きキャップの開栓工程図、(b−
1)〜(b−5)は比較例のヒートシール蓋付きキャッ
プの開栓工程図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るヒートシール蓋付
きキャップの容器口部に装着した状態での断面図であ
る。
【図8】本発明の他の実施形態に係るヒートシール蓋付
きキャップの容器口部に装着した状態での断面図であ
る。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係るヒートシー
ル蓋付きキャップの容器口部に装着した状態での断面図
である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係る金属製の
ヒートシール蓋付きキャップの金属製ボトル状の容器口
部に装着した状態での断面図である。
【符号の説明】
1、 25、35、45、55 ヒートシール蓋付きキ
ャップ 2、 46 キャップ本体 3、 26、36、47 天壁 7、27、50 TE表示面 10 環状溝 11 TE表示
面側係合突起 12 天壁本体側係合突起 13 表示 14 環状突起 15 ヒートシ
ール蓋 28 リング状天壁 30 容器口部 52 ボトル状金属製容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 AA04 AA12 BA03 BA08 BA09 CA01 CB01 CC02 CC03 DA01 DB12 DC02 DC03 FA09 FB01 FB02 FD13 GA04 GB04 GB08 JA19 KA12 KA15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器口部に螺合するキャップ本体と容器
    口部を密封するヒートシール蓋とからなるヒートシール
    蓋付きキャップであって、前記キャップ本体の天壁に破
    断が容易な弱化部により区画したタンパーエビデント表
    示面を設け、該タンパーエビデント表示面の裏面と前記
    ヒートシール蓋とが結合されていることを特徴とするタ
    ンパーエビデント性を有するヒートシール蓋付きキャッ
    プ。
  2. 【請求項2】 前記弱化部は、前記キャップ本体を開栓
    方向に回転時に、容器口部とヒートシール蓋の密封が破
    壊される前に破断するように構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載のヒートシール蓋付きキャップ。
  3. 【請求項3】 前記弱化部近傍に、閉栓方向回転では前
    記弱化部にせん断力が作用しないようにタンパーエビデ
    ント表示面とその周辺部を係止する閉栓方向破断防止手
    段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のヒートシール蓋付きキャップ。
  4. 【請求項4】 前記タンパーエビデント表示面は、キャ
    ップ本体天壁の他の面よりも肉薄に形成されている請求
    項1、2又は3に記載のヒートシール蓋付きキャップ。
  5. 【請求項5】 前記タンパーエビデント表示面は、中央
    部が開口してリング状に形成されている請求項1、2又
    は3に記載のヒートシール蓋付きキャップ。
  6. 【請求項6】 容器口部に螺合するキャップ本体と容器
    口部を密封するヒートシール蓋とからなるヒートシール
    蓋付きキャップであって、前記キャップ本体の天壁の一
    部が開口し、該開口部を覆って破断し易いシートを接着
    すると共に、該シートの裏面に前記ヒートシール蓋の天
    面を接着させてタンパーエビデント表示面を構成したこ
    とを特徴とするヒートシール蓋付きキャップ。
  7. 【請求項7】 前記ヒートシール蓋は、少なくとも下面
    にヒートシール層を有し、外径が容器口外径よりも大き
    くて容器口外周から突出する突出部を有する弾性材で構
    成され、且つ前記キャップ本体は、そのスカート壁内周
    面に前記ヒートシール蓋の突出部と係合する剥離手段を
    有してなり、前記キャップ本体を容器口部に螺着して加
    熱することにより前記ヒートシール蓋が容器口頂部に接
    着され、開栓時にキャップ本体の螺合を解くことにより
    前記剥離手段が前記ヒートシール蓋を剥離できるように
    してなる請求項1〜6何れかに記載のヒートシール蓋付
    きキャップ。
  8. 【請求項8】 前記天壁の天面には、前記タンパーエビ
    デント表示面とその周辺部に跨る印刷が施され、開栓時
    にキャップ天面の弱化部が破断した際に、キャップとヒ
    ートシール蓋との位置がずれることにより、未開封状態
    と天面の印刷のズレが生じて開封を明示するようにして
    なる請求項1〜7何れかに記載のヒートシール蓋付きキ
    ャップ。
  9. 【請求項9】 前記キャップ本体が合成樹脂製である請
    求項1〜8何れかに記載のヒートシール蓋付きキャッ
    プ。
  10. 【請求項10】 前記キャップ本体が金属製である請求
    項1〜8何れかに記載のヒートシール蓋付きキャップ。
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JP2008068901A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Toyo Seikan Kaisha Ltd ヒートシール蓋付きキャップ

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