JP2009286459A - ヒンジキャップと包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒンジキャップの開封バンドに融着不良のウエルドラインを形成しないようにし、容器に取り付けられたヒンジキャップから開封バンドを引き出すときに切断せずに確実に取り外すことができて、適正な開封操作が行なえる包装体を得る。
【解決手段】開封バンド13の外側面または内側面の少なくとも一方に、該開封バンド13の長手方向に亘って、成形金型の粗面により形成された粗面部24を設けた。
【選択図】図5

Description

本発明は容器に被せ付けるためのヒンジキャップと、このヒンジキャップを用いた包装体に関するものである。
従来から多数個の粒菓子、粉物などを収容した形態とする商品にあっては、例えば、小形の容器が用いられている。そして、このような小形の容器では指を挿し入れて中の粒菓子を取り出し易くするために、胴部の径と同じような径とした比較的広く大型の開口部を上面に配し、これをヒンジキャップで開閉可能に閉じるようにしている。また、小売り店舗で一般消費者が取り出し易い商品棚で陳列販売される商品であるため、未開封であることを示す開封バンドが一体となったヒンジキャップとし、この開封バンドを取り除かない限り開口部を開くことができないようにしたものが採用されている。
このような商品において容器を合成樹脂材で成形するとともに、ヒンジキャップも同じように合成樹脂材で成形された部材としたものが多く流通している。そしてヒンジキャップにあっては容器の開口部の外周面に亘って取り付けられる支持リングにヒンジを介してキャップ本体が一体に成形され、ヒンジ及びその両側を除く支持リングの周方向に亘ってキャップ本体と支持リングとの間に上記開封バンドも配置して射出成形法にて一体に成形した構成としていた。
キャップ本体の下面にはインナーリングが設けられていて、キャップ本体で容器の開口部を覆った開口部閉鎖時にはそのインナーリングが開口部の内側に入っていて、インナーリングの基端(キャップ本体の下面に連続する部分)周りと容器の開口部の上端とが密に接して密封性を確保するようにしていた。
また、上記開封バンドは支持リングとキャップ本体との間に位置して支持リングとキャップ本体とを連接しており、開封バンドの一端から捲り起こしてこの開封バンドを取り除くことで、開封バンドを介在させていた支持リングとキャップ本体との接続関係が切れ、このキャップ本体12を起こすことができるようにしているものである。
即ち、この開封バンドは、ヒンジキャップを用いた包装物が一般小売店での陳列販売されていときに、未開封であるか、或いは開封済みであるかが包装物の外観から簡単に目視にて判断でき、キャップ本体を引き起こすいたずらを未然に防止するものである。
この他に、未開封の状態を目視にて確認し易くしていたずらで開封することを防止するキャップに係る同様の技術としては、ネジ式のキャップ本体の下端周辺に分離可能に環状バンドを連接してこの環状バンドを容器側に係止させ、キャップ本体を開封方向に回転操作したときに環状バンドが容器側に残るようにしたり、また、環状バンドの一部が切れてキャップ本体とともに引き上げられるようにしたタンパエビデント機能を有するようにしたものがある(特許文献1、特許文献2参照)。
特開2006−213360号公報 特開2006−213361号公報
ところで近年においては廃棄物中の合成樹脂材の量を削減するために、各種の包装体における合成樹脂材の使用量を少なくすることが求められ、上記菓子類などを収容した商品の包装体においても合成樹脂材の使用量を少なくすることが試みられている。
例えば、上記容器を紙材から成形して開口部のみに合成樹脂成形品を配置した構成のものとしたり、また、ヒンジキャップについても、各部位の肉厚を薄くしたり、キャップ高さを小さくして容器の開口部への被り深さを浅くすることなどが試みられていて、大部分を紙材とした容器に、薄肉薄形化したヒンジキャップを組み合わせることで、包装体での合成樹脂材の使用量を大きく削減することができる。
ヒンジキャップの高さ寸法を小さくするに際して、上記開封バンドもその高さ方向での寸法を小さくすることになり、成形金型としては、開封バンドの形状をヒンジキャップの周方向に沿った細長い紐状にするものを用いることになる。
そして、通常のようにヒンジキャップを射出成形する場合、キャビティにおけるキャップ本体形成部分の中央から広がって開封バンド形成部分に流れ込む溶融樹脂が、細長い領域となっている開封バンド形成部分の長手側から同時に、該開封バンド形成部分に直交する方向で流れ込むことが望ましい。
実際の成形に際しては、キャビティでのキャップ本体形成部分の形状などの影響を受けて、開封バンド形成部分の長手側の複数の位置から溶融樹脂が入り込み、入り込んだ溶融樹脂それぞれが開封バンド形成部分の長手方向に沿って流れながら開封バンド形成部分内で突き合って融着している。
図10は矢印Xで示すように、その溶融樹脂が細長い開封バンド形成部分内で長手方向に沿って流れ、反対側からも溶融樹脂が開封バンド形成部分内を長手方向に沿って流れて合流することを示していて、合流した部分には溶融樹脂が融着したウエルドラインが形成される。なお、図10においては、説明を容易にするために、正面側から開封バンドを表しているヒンジキャップの側面図を用いて、成形金型のヒンジキャップ成形部分のキャビティと溶融樹脂の流れを説明している。また、図10での符号は図1〜図9の符号と対応するものであり、1はヒンジキャップ、10は支持バンド、12はキャップ本体、13は開封バンドを示している。
上記ウエルドライン自体は溶融樹脂が適正に融着して、そのウエルドラインの位置でも強度が確保されれば、開封バンドの機能として問題は生じない。しかしながら、射出成形時に、細く長い開封バンド形成部分に溶融樹脂が入ってその開封バンド形成部分の長手方向に沿って流れるが、細長い開封バンド形成部分からの空気の流れ出が悪いとともに、溶融樹脂自体の流れもスムーズに行なわれず、溶融樹脂が途中で温度低下して流れが遅くなっている。この点は、キャビティの開封バンド形成部分の内面が鏡面仕上げされていて、その内面に空気が貼り付くような抵抗を生じさせながら流れ出るようになっていることと、同じく溶融樹脂においても同じ流体として鏡面仕上げされた面に沿って流れる場合にはやはりその面に貼り付くような抵抗を生じさせて流れることが要因であり、これに加えて開封バンド形成部分が長手方向に細長い空間となっていることも、流れスピードが遅い空気が溶融樹脂の動きを更に抑える原因となる。
そして、遅く流れる溶融樹脂が突き合ってウエルドラインが形成されるまでには時間がかかり、そのウエルドラインの位置では融着不良が生じて、またその融着不良によってウエルドラインの位置では強度が低下する。
そのため開封バンドに融着不良のウエルドラインがあると、開封バンドの長手方向で引張り強度において前記融着不良の部分で強度不足となり、開封バンドを取り外すために引き出し操作すると、途中で開封バンドが切断されてしまうという問題があった。
融着不良のウエルドラインが形成されることによる開封バンドの引張り強度の不足を解消するためには、開封バンドの高さ寸法を大きくしたり、厚さを大きくすればよいが、ヒンジキャップ全体の高さ寸法を小さくしたり、ヒンジキャップの各部位の肉厚を可能な限り薄肉にして合成樹脂の量を削減する制限を受けてしまい、開封バンドの高さ寸法を大きくしたり厚肉にしたりすることができず、開封バンドを引き出しする操作でその開封バンドが切断されるという問題が解決できていなかった。
そこで本発明は上記事情に鑑み、ヒンジキャップの開封バンドに融着不良のウエルドラインを形成しないようにすることを課題とし、容器に取り付けられたヒンジキャップから開封バンドを引き出すときに切断せずに確実に取り外すことができて、適正な開封操作が行なえる包装体を得ることを目的とするものである。
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、容器の開口部の外周面に亘って取り付けられて、前記開口部の上端よりリング上端が下位に位置している支持リングと、前記支持リングにヒンジを介して連接されて容器の開口部を開閉可能に覆うキャップ本体と、前記支持リングとキャップ本体との間に分離可能に位置して支持リングとキャップ本体とを連結する開封バンドとを備え、前記支持リングとキャップ本体と開封バンドとが一体に射出成形された合成樹脂製のヒンジキャップであって、前記開封バンドの外側面または内側面の少なくとも一方に、該開封バンドの長手方向に亘って、成形金型の粗面により形成された粗面部が設けられていることを特徴とするヒンジキャップを提供して、上記課題を解消するものである。
もう一つの発明は、上面に合成樹脂製の口部リングを配して開口部を形成した紙製の容器と、前記開口部に被せられた合成樹脂製のヒンジキャップとからなる包装体であり、前記ヒンジキャップは、容器の開口部の外周面に亘って取り付けられて、前記開口部の上端よりリング上端が下位に位置している支持リングと、前記支持リングにヒンジを介して連接されて容器の開口部を開閉可能に覆うキャップ本体と、前記支持リングとキャップ本体との間に分離可能に位置して支持リングとキャップ本体とを連結する開封バンドとを備えて、前記支持リングとキャップ本体と開封バンドとが一体に射出成形された合成樹脂製のキャップであり、前記開封バンドの外側面または内側面の少なくとも一方に、該開封バンドの長手方向に亘って、成形金型の粗面により形成された粗面部が設けられていることを特徴とする包装体であって、この包装体を提供して上記課題を解消するものである。
請求項1の発明では、ヒンジキャップにおける開封バンドの外側面または内側面の少なくとも一方に、該開封バンドの長手方向に亘って、成形金型の粗面により形成された粗面部を設けている。
このように開封バンドの外側面や内側面に粗面部を設けるために、成形金型のキャビティにおける開封バンド形成部分の内面に粗面を構成する。そして、射出成形に際して、細長い開封バンド形成部分の複数の部分から溶融樹脂が入り込んで空気を追い出しながら開封バンド形成部分の長手方向に流れる場合に、粗面となっている面の部分がサラサラな滑り性の良い面であるため、開封バンド形成部分が細長い空間であっても、空気、溶融樹脂がスムーズに流れるようになる。
加えて、溶融樹脂がスムーズに流れることから温度低下が極めて小さく、開封バンド形成部分に沿って流れる溶融樹脂が合流する位置では、肉厚も均一にして適正に融着する。よって適正な融着によるウエルドラインが形成されるようになるが、不良ウエルドラインは形成されない。
そこで、本発明によれば、上述したように開封バンドの外側面や内側面に上記粗面部を設けているため、適正に融着されている樹脂合流位置であるウエルドラインを目立たせることがない。仮に何らかの不具合により、融着不良となるウエルドラインではその位置で肉厚不足による溝が生じて、粗面中に艶やかな面を有する溝が簡単に目視でき、融着不良を判断し易くなる。
そして、成形金型の粗面より形成された粗面部を長手方向に亘って設けたことで、ウエルドラインが生じない適正な方向に溶融樹脂が流動して充填されたことにより成形された開封バンドを有したヒンジキャップとなり、開封バンドの肉厚が均一で引き出し時に切断しない取り扱い良好なヒンジキャップが得られる。
さらに開封バンドの強度(引張り強度)を確保するために高さ寸法を大きくしたり厚肉にしたりする必要もなく、ヒンジキャップの樹脂量の削減に寄与することができる。
また、請求項2の発明によれば、上記効果を有するとともに、包装体全体として合成樹脂材の量が少なくなり、包装体における合成樹脂量の削減に大きく寄与できる。
つぎに本発明を図1から図9に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は合成樹脂製のヒンジキャップを示している。そして、このヒンジキャップ1を用いて開口の閉鎖を行なうようにした容器は、例えば、手のひらに乗せて取り扱える程度の大きさのものであり、容器胴部の径とほぼ同じような径の開口部を上面に有しているカップ状の形状を有している。
(容器)
例えば、図1及び図2にはヒンジキャップ1を容器2に被せ付けて容器2の内部に小物品を収容できる包装体Aを形成した一例が示されていて、前記容器2は紙製の容器本体3と口部リング4とからなり、前記容器本体3は、紙を主体とする積層構成の胴板紙を丸めて端部同士を重ねて貼り合わせることにより筒状の胴部5を得るとともに、容器2の底部6は、前記胴部5の下端側に、胴板紙と同じように紙を主体とする積層構成の底板紙をその周辺を下方に折り下げた状態で配置し、前記胴板紙の下端辺を内側に折り上げて底板紙の周辺を挟み込んで一体にヒートシールして形成されている。
そして、口部リング4は、図8に示すように容器本体3の開口内周面に対応する溶着部7を下段とするとともに、溶着部7の上に外方に僅かに張り出るように厚肉にした係合部8を介して連続する口部9を上段として成形された合成樹脂製の部材であり、容器本体3の上部開口にこの口部リング4を配置し、前記溶着部7を容器本体3の開口内周面に超音波溶着している。このように容器本体3に口部リング4を超音波溶着していて、口部リング4が容器2の上面にある開口部2aを構成する。
(ヒンジキャップ)
容器の口部リング4に対して上記ヒンジキャップ1が組み付けられるものであり、後述するように、口部リング4の上記係合部8に係止してヒンジキャップ1全体が容器2に固定させるため構成と、口部リング4の口部9を覆って容器を密封するための構成とを、ヒンジキャップ1が備えている。
ヒンジキャップ1の基本的な構造を先に説明すれば、図3から図5に示されているように支持リング10と、該支持リング10の上端の一部分に設けられたヒンジ11を介して連接されてこの支持リング10の上部に位置するキャップ本体12とを備えている。また、ヒンジキャップ1は、容器2と組み合わせて未開封状態の包装体であるか否かが外観から目視で確認できるようにするために開封バンド13も備えている。
ヒンジキャップ1は合成樹脂材で成形されていて、このヒンジキャップ1を構成する上記支持リング10とキャップ本体12と開封バンド13とは、成形の時点で一体となった状態であり、上述したように支持リング10にヒンジ11を介して連接されるキャップ本体12が、その支持リング10の上部に位置するとともに、前記ヒンジ11及びヒンジ11の両側を含む範囲を除いたヒンジキャップ1の周方向に亘る範囲であって、支持リング10とキャップ本体12との間に上記開封バンド13が位置した状態で成形されている。
成形時の支持リング10とキャップ本体12とは、上記ヒンジ11以外に、キャップ本体12の引き起こしで破断する薄肉部を介して連接されており、その薄肉部としては、例えば、ヒンジ11の両側から上記開封バンド13が位置する部分までの範囲において支持リング10とキャップ本体12との境界部分に設けられている。
また、開封バンド13にあっても、支持リング10でのヒンジ11とは反対側となる部分を中心にして周方向で支持リング10の過半分に亘る領域を段落とし状にした範囲に設けられており(図7参照)、段落としされた部分での上縁と開封バンド13の下縁との境界部分を破断容易な薄肉部として連接され、さらに、開封バンド13の上端10aの高さと、支持リング10のヒンジ11の部分及び段落としされた部分を除く上縁の高さとを揃え、キャップ本体12と支持リング10との境界部分と同じ高さ位置で、そのキャップ本体12と開封バンド13との境界部分が位置し、その境界部分を破断可能な薄肉部にしてキャップ本体12と開封バンド13とを連接させている。
特に、開封バンド13では、この開封バンド13を間にして支持リング10とキャップ本体12とを連接させる役割をしており、開封バンド13を一端から捲り起こしヒンジキャップ周方向に沿って切り取らなければ、キャップ本体12の起こしが不能となるようにしている。
そして、この開封バンド13を取り除くことで、上記ヒンジ11側とは反対側となる部分で支持リング10とキャップ本体12との接続関係が切れ、キャップ本体12のヒンジ11とは反対側からそのキャップ本体12を引き上げ、支持リング10とでの間の上記薄肉部も破断させることで、キャップ本体12を起こすことができる。薄肉部が破断すれば、キャップ本体12はヒンジ11を介して、支持リング10の上部側の位置から後傾可能に傾斜するまでの範囲で回動させることができる。
(開封バンドの役割)
前述したように、容器2にヒンジキャップ1が組み合わされた形態の包装体Aから開封バンド13が取り外されている状態であれば、キャップ本体12を起こして口部リング4を通して容器内に指先などを入れて収容物を取り出すことができる。そして、キャップ本体12が閉じられていて、かつ、開封バンド13が存在していなければ、開封済みであることが包装体Aの外観から簡単に目視にて判断できる。
逆に開封バンド13があれば、この開封バンド13を介してキャップ本体12と支持リング10とが連接しているので、未開封の状態の包装体Aを不注意で取り扱って落下させるようなことがあってもキャップ本体12は開かず、また、キャップ本体12を引き起こすいたずらを抑止できる。
(口部リングの係合部への係止)
上記ヒンジキャップ1を容器2に固定させるために、ヒンジキャップ1の支持リング10の内周に亘って係合部14があり、成形されたヒンジキャップ1を、収容物が充填された容器2の上方から口部リング4に被せ付けて押し込み、前記係合部14に口部リング4の係合部8を係止させることで支持リング10が口部リング4の外周面に亘って位置するようにしている。
このようにして支持リング10が口部リング4の外周面に取り付けられ、この支持リング10の上部にあるキャップ本体12が、容器2の開口部である前記口部リング4を覆うようにしている。
未開封のヒンジキャップ1を容器2の上方から開口部(口部リング4)に被せ付けた時には、キャップ本体12が上述のように口部リング4を覆って容器内を密封する(図8)。また、上記開封バンド13を取り除いて、キャップ本体12を起こして支持リング10と繋いている薄肉部を破断すれば、キャップ本体12はヒンジ11を介して支持リング10に支持された状態で回動可能となり、キャップ本体12を口部リング4に被せ付けたり、ヒンジ11と反対側の部分からキャップ本体12を捲くるように引き起こすことで口部リング4が開放されるようになり、容器2の開口部を開閉可能にした包装体となる。
(支持リングの上端側突条)
支持リング10の上記ヒンジ11の部分及び上記段落としされた部分を除く上記上端10aに沿って支持リング10の内周側には、断面形状がリング中心方向に向けて凸となる突条10bが一体に設けられている。この突条10bは、支持リング10が口部リング4に適正に取り付けられている状態では、上記係合部14のように口部リング4に係合するものではなく、支持リング10のヒンジ11側が単独で下方に位置ずれするような上方からの押圧が加わったときにこの突条10bが口部リング4の上記係合部8に係止するように設けられているものであり、支持リング10の無用な脱落を防止して後述するキャップ本体のインナーリングと口部との必要時の当接が確報されるようにしている。
上記突条10bはヒンジ11の両側の上記上端10aに配しているが、片側の上端10aのみに配してもよい、そして、いずれの場合でもこの突条10bはヒンジ側から開封バンド配設部分側(バンドの開封開始端側、開封終了端側)まで設けられるようにする。
(口部のキャップ本体への密接)
キャップ本体12で口部リング4の口部9を覆って容器を密封するために以下のように構成されている。
図8に示されているように、支持リング10の上端10aの高さ位置は、口部リング4の口部9の上端9aの高さ位置より下位となるように設けられ、上方から見た平面での位置関係では、支持リング10の内側に口部リング4の口部9があり、口部9の上端9aは、キャップ本体12の裏面での周辺に沿って形成された部分に対応するようにしている。
即ち、上記係合部8と係合部14とを係合させるようにヒンジキャップ1を容器2に被せ付ければ、支持リング10が口部リング4の外周面に亘って取付固定されるとともに、支持リング10より内周側で支持リング10より上方に上記口部9の上端9aが突出し、突出した口部9の上端9aがキャップ本体12の下面の周辺に亘って密に接する。
(キャップ本体)
図4、5、8に示すように、上記キャップ本体12の下面には、口部リング4を覆ったときに口部リング4の内側に入るインナーリング15がヒンジキャップ1の高さ方向での下方に向けて下垂するように設けられており、このインナーリング15のキャップ本体12の下面側である基端16と支持リング10側に向けて屈曲したキャップ本体12の外周壁17との間に、上記口部リング4の口部9の上端9aが嵌まり込む嵌合溝18を形成していて、キャップ本体12を口部リング4に被せ付け、前記嵌合溝18に口部9の上端9aが嵌まるようになることでその口部9の上端9aがキャップ本体12に密に接して、容器2を密封するようにしている。
(インナーリング)
図8に示すように、上記インナーリング15は基端16から下垂する部分が縦断面形状を略舌片状に形成されていて、この舌片部19の縦断面形状において、該舌片部19の内周面19aを基端16の内周面位置に揃えているとともに、外周面19bが基端16の外周面位置より内周側に偏倚するように薄肉にしている。
さらに舌片部19の下端縁、即ち、インナーリング15の下端縁は、インナーリング径方向でヒンジ側とは反対側となる反ヒンジ側領域20からヒンジ側のヒンジ側領域21にかけて傾斜している。下端縁の傾斜は舌片部19を含むインナーリング15の下垂長さ寸法が暫時大きくすることで形成されており、その下垂長さ寸法が、前記ヒンジ側領域21の部分で最大となる(図5参照)。
このようにインナーリング15はヒンジ側領域21の下垂長さ寸法に対して反ヒンジ側領域20の下垂長さ寸法を小さくしているので、包装体形態での開封後にキャップ本体12を閉じるときに、反ヒンジ側領域20での下端縁が口部9の上端9aにぶつかる不具合が極めて少なくなり、キャップ本体12の閉鎖操作が簡単になる。
(キャップ本体の起立と倒し込み)
また、一方、インナーリング15のヒンジ側領域21の下垂長さ寸法は、包装体形態でキャップ本体12をほぼ起立する角度で起こしたときに、そのヒンジ側領域21が、ヒンジ11側の口部9の上端9aの上方位置となる寸法としている。さらに、このインナーリング15のヒンジ側領域21には舌片部19の外周面側に厚肉部22が一体にして設けられていて、キャップ本体12をほぼ起立する角度で起こしたときに、厚肉部22が前記口部9の上端9aに近接するように設けられている。
このようにヒンジ側領域21の下垂長さ寸法を、キャップ起立状態時に上記口部9の上端9aの上方位置にインナーリング15が存在する寸法とし、さらにそのヒンジ側領域21に厚肉部22を一体にしてインナーリング15と前記上端9aとが近接するようにしているので、以下の効果がある。
まず、キャップ本体12を手操作で起こしてほぼ起立状態、あるいは外側に後倒するように回動させてから手を離すと、ヒンジ11の復元力でそのキャップ本体12が口部リング4側に倒れるように回動し始めるが、起立する位置を僅かに過ぎた時点で直ぐにヒンジ11側の口部9の上端9aに厚肉部22が当接し(図9)、ヒンジ11の復元力のみではキャップ本体12が倒れずにその起立状態が維持される。そして、キャップ本体12の倒れ込みが防止されているため、容器2の収容物の取り出しに際してキャップ本体12が邪魔にならない。
また、ヒンジ側領域21は厚肉部22が設けられていることからその部分のインナーリング15の強度が増して補強された状態となっており、ヒンジ11の復元力で口部9が当接する程度ではインナーリング15が変形しない。
さらに、容器2を閉じるために、起立状態のキャップ本体12を手操作で倒し込むことになり、その場合に口部9の上端9aがヒンジ側領域21のインナーリング15に或る程度強く押圧することになるが、上述したように厚肉部22を備えてヒンジ側領域21の強度が増していることから、厚肉部22を口部9の上端9aに当接しているキャップ本体12を倒し込むに際して、前記ヒンジ側領域21が撓まずに、或いは僅かな撓みが生じる程度の変形が生じている状態となるだけであり、そのヒンジ側領域21が、キャップ本体12の閉じ方向の回動に伴なって前記口部9の上端9aをスムーズに滑るように乗り越えて口部9内に入り込み、このヒンジ側領域21につれてインナーリング全体も適正に口部9内に入り込むこととなり、インナーリングを噛み込むようなことなしに適正にキャップ本体12を閉じることができる。よって、ヒンジ側領域21が損傷したり、開閉操作に伴なう繰り返し変形が累積することによる損傷も生じない。
(開封バンドの粗面部)
上記開封バンド13の外側面23には、該開封バンド13の長手方向に亘って粗面部24が設けられている。この粗面部24は、本ヒンジキャップ1を射出成形にて成形する際の成形金型における開封バンド形成部分の前記外側面23に対応する内面をその開封バンド形成部分の長手方向に亘って粗面としたことにより形成されているものである。
上述のように成形金型の開封バンド形成部分における上記外表面23に対応した内面が粗面であり、その粗面部分がサラサラとした滑り性の高い面となっていて、開封バンド形成部分にある空気が、合成樹脂の射出に際して開封バンドの長手方向などに沿って抜け出るように流れるときには、前記粗面の部分を滑るように移動することとなる。鏡面仕上げされている面に沿って流体などの移動物が移動する場合では、その鏡面仕上げ面に貼り付くような摩擦の抵抗を生じながら移動することになるが、開封バンド形成部分では外側面23に対応する内面がサラサラとした滑りの良い粗面であるため、開封バンド形成部分内を移動する空気は抵抗が小さくなった状態でスムーズに流れるようになる。そのため、合成樹脂の射出が行なわれて溶融樹脂が開封バンド形成部分に流れ込んできたとき、空気は開封バンド形成部分からスムーズに抜け出でて溶融樹脂が開封バンド形成部分内で空気から抵抗を受けることなく流れるようになる。
成形金型の開封バンド形成部分における上記粗面部分がサラサラとした滑り性の高い面となっていることは、上記空気と同様に流体である溶融樹脂を流れ易くする上でも有効である。溶融樹脂が鏡面仕上げされている面に沿って移動する場合も上記空気と同じように、その鏡面仕上げ面に貼り付くような摩擦の抵抗を生じながら移動することになり、スムーズな流れが得られ難い。しかし、サラサラとした滑り性の高い面に沿う場合にはスムーズな流れが得られることから、溶融樹脂が、上記外側面23に対応した面が粗面となっている開封バンド形成部分をその長手方向に沿って流れる際にもスムーズな動きとなり、溶融樹脂がその開封バンド形成部分を適正に充填することとなる。
よって、射出成形に際して溶融樹脂が開封バンド形成部分に長手側から入り込み、その溶融樹脂が開封バンド形成部分の長手方向に沿って流れるときには、開封バンド形成部分からの空気の追い出しがスムーズであるとともに、溶融樹脂自体も開封バンド形成部分の長手方向に沿ってスムーズに流れて、流れる先端部分などに温度低下を招くようなゆっくりとした流動にはならない。そして、開封バンド形成部分の他方側から流れ進んできた溶融樹脂と合流して適正に融着し、融着不良のウエルドラインを有した開封バンドが形成されることがない。
このようにして開封バンド13は細長い形状となっても長手方向での厚さが均一になり、設計通りの引っ張り強度を確保することが容易である。そのため、ヒンジキャップ1を容器2に被せ付けた包装体においてこれを開封する際に、端部に一体の摘み部25を持って開封バンド13を引き出しても、途中で切断するという不具合がなく、開封操作が簡単な包装体が得られる。
上記開封バンド13には、溶融樹脂が突き合って融着することでウエルドラインが形成されるが、そのウエルドラインの部分での融着自体は上述のように適正に行なわれるため、引張り強度の低下を招くことはない。そして、開封バンド13の外側面23が粗面部24としているため、外側面23に艶やかさが生じるのを抑えてウエルドライン自体を目立たせないようになり、ヒンジキャップ1の外観が損なわれることがない。
なお、上記実施の形態では、開封バンド13の外側面23に粗面部24を設けたが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、内側面に粗面部を設けたり、また、外側面と内側面との両面に粗面部を設けるようにしてもよい。
本発明に係るヒンジキャップの一例を容器に組み付けた状態で示す説明図である。 キャップ本体を開いた状態の一例を示す説明図である。 ヒンジキャップの一例を反ヒンジ側から見た状態で示す説明図である。 ヒンジキャップの一例をヒンジ側から見た側面と断面を示す説明図である。 ヒンジキャップの一例を開封バンドの引き起こし始端側からの側面と断面を示す説明図である。 ヒンジキャップを上方から見た状態で示す説明図である。 開封バンドの配置位置を示す説明図である。 口部リングにヒンジキャップを取り付けた状態を断面で示す説明図である。 キャップ本体のインナーリングと口部との当接を示す説明図である。 従来における開封バンド形成部分に対する溶融樹脂の流れを示す説明図である。
符号の説明
A…包装体
1…ヒンジキャップ
10…支持リング
11…ヒンジ
12…キャップ本体
13…開封バンド
24…粗面部

Claims (2)

  1. 容器の開口部の外周面に亘って取り付けられて、前記開口部の上端よりリング上端が下位に位置している支持リングと、前記支持リングにヒンジを介して連接されて容器の開口部を開閉可能に覆うキャップ本体と、前記支持リングとキャップ本体との間に分離可能に位置して支持リングとキャップ本体とを連結する開封バンドとを備え、前記支持リングとキャップ本体と開封バンドとが一体に射出成形された合成樹脂製のヒンジキャップであって、
    前記開封バンドの外側面または内側面の少なくとも一方に、該開封バンドの長手方向に亘って、成形金型の粗面により形成された粗面部が設けられていることを特徴とするヒンジキャップ。
  2. 上面に合成樹脂製の口部リングを配して開口部を形成した紙製の容器と、前記開口部に被せられた合成樹脂製のヒンジキャップとからなる包装体であり、
    前記ヒンジキャップは、容器の開口部の外周面に亘って取り付けられて、前記開口部の上端よりリング上端が下位に位置している支持リングと、前記支持リングにヒンジを介して連接されて容器の開口部を開閉可能に覆うキャップ本体と、前記支持リングとキャップ本体との間に分離可能に位置して支持リングとキャップ本体とを連結する開封バンドとを備えて、前記支持リングとキャップ本体と開封バンドとが一体に射出成形された合成樹脂製のキャップであり
    前記開封バンドの外側面または内側面の少なくとも一方に、該開封バンドの長手方向に亘って、成形金型の粗面により形成された粗面部が設けられていることを特徴とする包装体。
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