JP5000282B2 - 液封防振装置 - Google Patents

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この発明は自動車のエンジンマウント等に使用される液封防振装置に係り、特にキャビテーション現象により発生する異音を効果的に低減できるものに関する。
この種の液封防振装置において、大荷重入力時に主液室内が瞬間的に負圧になることがあり、このとき作動液の一部が気化するキャビテーション現象が発生し、これに伴う異音が発生するので、この異音の伝達を防止できるようにしたものが種々提案されている。
キャビテーション現象による気泡が崩壊するときその振動が仕切部材から第2取付金具へ伝達されると、第2取付金具から車体側へ伝達され、異音として知覚されることになる。そこで、このような異音を阻止するため、車体取付用ブラケットと第2取付金具との間に弾性体を介装させ、液封構造全体を車体へ浮動支持することにより、主液室内から車体への振動伝達を遮断したものがある(一例として特許文献1参照)。また仕切部材を浮動支持する構造も公知である(一例として特許文献2及び3参照)。
特開2006−64069号公報 特開2004−316723号公報 特開平3−107636号公報
上記公知例のように、液封構造全体を車体へ浮動支持すると、主液室内部でキャビテーション現象が発生しても、その振動が車体へ伝達されないので、感知できる異音の発生を阻止できるが、液封構造部全体が車体取付金具(ブラケット)に対して介在する弾性体の変形により横移動等するため、液封防振装置全体の支持が不安定になる。そのうえ装置が大型化し構成部品も増加するためコストアップとなるので、これらの改善が求められている。
また、上記特許文献2はダイヤフラムの外周部で仕切部材を浮動支持する構成ではなく、しかもダイヤフラムの外周部に一体化されたリングをカシメ固定する取付金具を薄い弾性体の層を介して第2取付金具に相当する外筒部へ一体化しているため、キャビテーション現象等によって発生する振動の周波数域のうち異音として感じられる周波数域(以下異音周波数域という)のうち、実用上の考慮対象とすべき範囲として例えば約800〜4000Hz程度を効果的に遮断できるような剛体共振を仕切部材に生じさせることはできず、このようなことを企図したものでもないので、仕切部材の剛体共振を確実に発生させる構造が求められる。
さらに、ダイヤフラムの外周部にインサートされているリングの一端を仕切部材へ直接接触させているため、他端を取付金具の折り曲げにより固定して組み立てるとき、リングの他端が仕切部材を強く押すため、仕切部材を浮動支持する弾性体が大きく圧縮変形されてバネ値が変化するおそれがある。このため、組立時のダイヤフラム固定作業が難しいものになるので、組立作業を容易化することが求められている。
また、特許文献3の例ではダイヤフラム外周部によって形成されるシール部を組立時に弾性変形させるため、良好なシール性能を維持しつつダイヤフラムを固定する組立作業が極めて難しくなる。このため組立時に高いシール性を維持しつつ容易に作業できるようにする必要がある。本願はこのような要請を実現するものである。
上記課題を解決するため液封防振装置に係る請求項1の発明は、取付相手の一方へ取付けられる第1取付金具と、他方へ取付けられる筒状の第2取付金具と、これら第1及び第2取付金具間を防振連結するインシュレータと、
このインシュレータを壁部の一部として作動液体が封入された主液室と、
この主液室と仕切部材により区画され、壁部の少なくとも一部がダイヤフラムで形成される副液室と、
これらの主液室と副液室を連通するよう前記仕切部材に形成されたオリフィス通路とを備え、前記第2取付金具の一部が前記インシュレータの周囲に一体化した外筒金具をなす液封防振装置において、
前記仕切部材の外周部を前記主液室及び副液室側から、前記インシュレータの一部と前記ダイヤフラムの外周厚肉部とで浮動支持し、かつ前記第2取付金具と前記仕切部材の外周部との間に弾性体を介在させることにより、前記仕切部材から前記第2取付金具への振動伝達を遮断するとともに、
前記ダイヤフラムの外周厚肉部は、一体化された剛性のダイヤフラム支持金具と、このダイヤフラム支持金具の内側にて前記仕切部材の外周部を浮動支持する弾性支持部とを備え、
前記ダイヤフラム支持金具は、前記第2取付金具で金属同士の直接接触により固定され、かつ前記仕切部材と離されて配置されるとともに
前記ダイヤフラム支持金具と前記第2取付金具との固定部が前記仕切部材の外周部より径方向外方に位置することを特徴とする。
請求項2の発明は上記請求項1において、前記ダイヤフラム支持金具は剛性リングからなり、前記ダイヤフラムの外周厚肉部を内側の前記弾性支持部と外側のシール部とに分離することを特徴とする。
請求項3の発明は上記請求項2において、前記外周厚肉部には内外に間隔をもって配置された2重リングが一体化され、内側のリングは前記弾性支持部に位置して仕切部材を支持し、外側のリングは前記ダイヤフラム支持金具をなすことを特徴とする。
請求項4の発明は上記請求項1において、前記ダイヤフラム支持金具は断面略L字状の部材であり、前記外周厚肉部の外周部と底部とへ一体化されることを特徴とする。
請求項5の発明は上記請求項において、前記第2取付金具は前記インシュレータの外周部と一体化した連結金具と、その外方を覆う剛性リングとを備え、
前記連結金具は筒状をなし、その筒部の下端は前記仕切部材の上方に間隔を持って位置し、上部はインシュレータ側方へ突出する外フランジをなし、
前記剛性リングは、前記連結金具の筒部と径方向外方にて一部が重なる縦壁部を備え、この縦壁部の上端部を前記連結金具の外フランジと重ねて金属同士の直接接触により前記剛性リングを前記連結金具に連結固定するとともに、前記縦壁部の下部が前記外周厚肉部の側部及び底部へ一体化することにより、前記ダイヤフラム支持金具を兼ね、
前記外周厚肉部は、前記仕切部材を支持する本体部とこの本体部から連続して前記縦壁部の内面に沿って前記連結金具の側方まで延びる弾性筒状部とを一体に備え、
前記弾性筒状部を前記連結金具の外側へ嵌合して弾性筒状部内面と連結金具外面との間にシール部を形成し、かつ前記弾性筒状部を前記仕切部材の外周部と縦壁部の内面との間に介在させたことを特徴とする。
請求項6の発明は上記請求項1〜5のいずれかにおいて、前記仕切部材の外周部とその周囲に位置する弾性体との間に間隙を設けたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、仕切部材をインシュレータとダイヤフラムの外周厚肉部で浮動支持したので、仕切部材による剛体共振を確実に発生させることができるとともに、第2取付金具と仕切部材との間に弾性体を介在させたので、この弾性体の介在層と仕切部材による剛体共振とにより、主液室から仕切部材を介して第2取付金具へ伝達される振動を遮断できる。このため主液室でキャビテーション現象等に基づく振動が発生しても、第2取付金具から車体へ伝達されず、車体側で知覚できる異音の発生を抑制できる。
しかも、ダイヤフラムの外周厚肉部に、仕切部材を浮動支持する弾性支持部を設け、かつ剛性のダイヤフラム支持金具を一体化したので、ダイヤフラム支持金具を第2取付金具で金属同士の直接接触により固定することにより、ダイヤフラム支持金具を介して第2取付金具によりダイヤフラムの外周厚肉部を強固に支持でき、弾性支持部により仕切部材を確実に支持できる。
そのうえ、装置を小型化し従来同様の構成部品で済むためコストダウンも可能になる。また第2取付金具を車体側へ強固に取付けて横移動等を生じさせず、安定支持できる。
さらに、ダイヤフラム支持金具を仕切部材と離して配置したので、第2取付金具によりカシメ等で固定しても、この固定時に加えられる強い力はダイヤフラム支持金具から仕切部材へ伝えられなくなる。このため組立時におけるバネ値の変動を防止できることになり、組立作業を容易化して作業効率を向上させることができる。
また、シール部が設けられているダイヤフラムの外周厚肉部を第2取付金具に対してリジットに固定するので、固定時の入力によりシール部に必要以上な弾性変形を防いでシールの信頼性も高めることができ、仕切部材による振動伝達を遮断しつつも良好なシール性を維持できる。
請求項2の発明によれば、剛性リングからなるダイヤフラム支持金具でシール部と弾性支持部とを内外に分離するので、リジットに固定することが必要なシール部は弾性支持部の動きに影響されない。またダイヤフラム支持金具の固定時に仕切部材との間で圧縮されないから、組立時におけるシール部の弾性変形を防いでシールの信頼性も高めることができる。このため仕切部材による振動伝達を遮断しつつも良好なシール性を維持できる。
さらに弾性支持部はシール部とダイヤフラム支持金具で分離されるから、シール部を強固に固定しても、弾性支持部のバネ値に影響が生じないようになる。
請求項3の発明によれば、外周厚肉部には内外に間隔をもって配置された2重リングが一体化されているので、内側のリングは弾性支持部の補強として仕切部材を強固に支持できるとともに、外側のリングをダイヤフラム支持金具として第2取付金具で固定させることができる。このため外周厚肉部に一体化された内外2重のリングにより、弾性支持部とシール部をそれぞれ強化しつつ確実に機能分化させることができる。
請求項4の発明によれば、ダイヤフラム支持金具をL字状リングとし、一部が外周厚肉部の外周部と一体化して第2取付金具で強固に固定される部分となり、他の部分が外周厚肉部の底部と一体化して弾性支持部を支持する。このため外周厚肉部の剛性支持を1部材で実現できる。
請求項5の発明によれば、第2取付金具はインシュレータの外周部と一体化した連結金具と、その外方を覆う剛性リングを備え、剛性リングにダイヤフラム支持金具を兼ねさせるとともに、インシュレータ側の連結金具と剛性リングのカシメをインシュレータの外側方にて行うことにより、カシメ作業を容易にする。またダイヤフラムの外周厚肉部の一部を延出させて弾性筒状部とし、この弾性筒状部と連結金具との間にシール部を設けたので、弾性支持部と大きく離してシール性能を高めることができる。
請求項6の発明によれば、仕切部材の外周部とその周囲に位置する弾性体との間に間隙を設け、この間隙により仕切部材を振動し易くしたので、仕切部材の剛体共振を確実に行わせることができる。


以下、図面に基づいて自動車用エンジンマウントとして構成された一実施例を説明する。図1はエンジンマウントの縦断面図、図2は構成各部を分解した図である。図1は主たる振動の入力方向Zに沿ってカットした断面でもある。なお、以下の説明において、上下左右等の各方向は図1における図示状態を基準とする。
これらの図において、このエンジンマウントは、振動源であるエンジン(図示省略)側へ取付けられる第1取付金具1と、振動受け側である車体(同)へ取付けられる車体側取付部材である第2取付金具2と、これらの間を連結するインシュレータ3とを備える。インシュレータ3はゴム等の公知の防振用弾性部材で構成され、振動に対する防振主体部材となる弾性体であり、Z方向より第1取付金具1へ入力した振動はまずインシュレータ3の弾性変形により吸収される。
インシュレータ3は略円錐台形断面で内側にドーム状部4を備え、このドーム状部4により図の下方へ開放された凹部が形成され、この凹部内に非圧縮性の作動液が封入されて主液室5をなしている。
主液室5は仕切部材6により副液室7と区画され、仕切部材6の外周部内にZ方向から見て円弧状に形成されたオリフィス通路8により連通されている。オリフィス通路8は、10〜11Hz程度のシェイク振動等からなる低周波数の振動に対して共振するよう設定されている。
副液室7はダイヤフラム10と仕切部材6の間に形成され、ダイヤフラム10を壁部の一部としている。
第2取付金具2は、円筒形の外筒金具11を備え、この外筒金具11を必要により筒状のホルダやブラケット(図示省略)に圧入等をして強固に固定して車体側へ取付けるようになっている。第2取付金具2は、外筒金具11及び必要により設けられる他の車体側取付部材であるホルダやブラケットを含む。
図2に示すように、外筒金具11の内側には、インシュレータ3の延長部12が一体化され、延長部12は仕切部材6の外周面を囲む程度に下方へ延出して外筒金具11の内面を一体に覆っている。延長部12と仕切部材6の外周部との間に若干の間隙13を形成している。延長部12の上部で主液室5に臨む部分は厚肉の段差14をなし、ここで仕切部材6の外周端部の上面側を位置決めしている。
仕切部材6は中空の枠状体であり、上下に分離される上プレート15と下ホルダ16とを備える。上プレート15と下ホルダ16はそれぞれ剛性を有し、軽金属や硬質樹脂等の適宜剛性材料で構成される。
上プレート15は円板状であり、中央が一段低くなった中央段部17をなし、ここに主液室5と連通する中央上開口18が形成されている。
下ホルダ16には外周部にオリフィス通路8を形成するための上方へ開放された円弧状溝22が形成され、その内側壁をなす環状隔壁23を挟んで中央側には上方へ開放された中央凹部24が形成されている。
底部25は図1に示す状態にて中央側が一段高くなった段差部26をなし、この段差部26近傍かつ外周側に環状溝27が形成されている。また、底部25の中央部には副液室7と連通する中央下開口28が形成されている。
仕切部材6の環状隔壁23より内側の空間内には、弾性膜30が収容されている。弾性膜30はゴム等の適宜弾性体からなり、主液室5の内圧変動を弾性変形で吸収するための部材であり、中央薄肉部31と固定部32を一体に有する。
中央薄肉部31は中央段部17及び底部25に設けられている段差部26間へ収容され、主液室5の内圧変動で弾性変形する部分であり、中央上開口18及び中央下開口28から出入りする作動液の液圧により弾性変形できる。固定部32は中央薄肉部31の外周側に形成される厚肉で剛性のある環状壁であり、上部は上プレート15の中央段部17外周部における段差部15aで位置決めされ、下部は環状溝27へ嵌合して位置決めされることにより、上プレート15と下ホルダ16に上下から挟まれて固定される拘束部であり、中央薄肉部31の環状支持部をなしている。
これにより、中央薄肉部31は仕切部材6における環状隔壁23の内側空間を仕切り、中央上開口18及び中央下開口28を介する主液室5と副液室7の連通を遮断する。したがって、中央薄肉部31と中央段部17間に入り込んでいる作動液は中央上開口18を介して主液室5と連通し、中央薄肉部31の弾性変形により、中央上開口18から主液室5へ出入りする。
同様に中央薄肉部31と段差部26間に入り込んでいる作動液は、中央薄肉部31の弾性変形により中央下開口28を介して副液室7へ出入りする。
19は上プレート15に形成されたオリフィス通路8の開口であり、主液室5と連通する。29は下ホルダ16の外周部において円弧状溝22の底部へ形成された開口であり、副液室7と連通する。
下ホルダ16の底部25外周部はダイヤフラム10の外周厚肉部40で支持される。外周厚肉部40はダイヤフラム10を構成する薄肉の本体部41の外周部を囲む比較的剛性のある環状壁であり、本体部41と一体に形成され、本体部41を支持する。
外周厚肉部40内には本体部41との接続部42近傍に内側リング43がインサートされている。内側リング43は環状をなし、上端面のみ下ホルダ16の底部25と剛体同士で直接当接し、下ホルダ16の支持を確実にしている。外周厚肉部40の外周部は外側リング44と接着等により一体化されている。内側リング43と外側リング44は内外に間隔をもって配置され二重リングを構成する。
外側リング44はダイヤフラム10を外筒金具11に対して固定するための部材であって本願のダイヤフラム支持金具に相当し、内側リング43より厚肉で剛性の高い金属製リングである。外側リング44の上端面は延長部12の下端面に当接している。外側リング44の外周面に一体化されたシール部45が外方へ張り出し、外筒金具11の下部内面に密着してシールしている。すなわち、外周厚肉部40とシール部45は外側リング44により明確に分離されている。外側リング44の下端面は露出し、外筒金具11の下端を内側へ折り曲げて形成された固定部46により固定されている。
内側リング43と外側リング44の間は外周厚肉部40の弾性体により内外に離隔しており、下ホルダ16から内側リング43へ伝達された振動が外側リング44へ伝達されないよう遮断するに十分な間隔及び弾性体介在量が保たれている。外周厚肉部40のうち外側リング44の外側がシール部45をなし、外側リング44より内側部分が弾性支持部48をなす。外側リング44はシール部45の剛性支持部材でもある。
外側リング44の上端面は、延長部12の下端面のみに当接し、下ホルダ16とは分離されている。この分離は外側リング44の内周面が間隙13よりも外周側へ配置されることにより確実に行われる。延長部12の外周部は外側リング44の外周よりもシール部45の分だけ径方向外方へ張り出している。
仕切部材6の外周部上端は、延長部12の段差14で支持することにより段差14近傍部におけるせん断及び圧縮変形で支持され、これにより仕切部材6はインシュレータ3の延長部12及び外周厚肉部40により浮動支持されているから、仕切部材6は延長部12と外周厚肉部40からなる2つのゴムバネで支持されることになる。
このバネ値は、ゴムバネを形成する素材やボリュームで異なり、肉厚によっても調整できる。
この例では、外側リング44の肉厚を基準にすると、外周厚肉部40の肉厚を3〜5倍程度、好ましくは3倍程度、外側リング44と内側リング43との間が1.5〜2倍程度、内側リング43の肉厚が外側リング44の1/2程度、外側リング44よりも外周側部分及び内側リング43よりも内周側部分の各肉厚がそれぞれ内側リング43の肉厚以下となっている。
また、延長部12の肉厚は外筒金具11の肉厚の3〜4倍程度、好ましくは3倍程度、段差14からその上方の外筒金具11を内側へ絞ることにより狭くなっている幅狭部12bまでの弾性体層である弾性支持部12aにおける厚みdが外筒金具11の肉厚の2〜4倍程度になっている。
仕切部材6とこれを浮動支持する延長部12の弾性支持部12a及び外周厚肉部40の弾性支持部48における各バネからなる振動系において、仕切部材6をマスとする一種のダイナミックダンパが構成されるので、このマスと支持バネのバネ値を調整することにより、共振周波数をキャビテーション現象に伴う振動周波数域のうち異音として感じられる周波数(異音周波数域)より共振ピークが低くなるようチューニングされている。
このように共振周波数をチューニングすると、仕切部材6及びダイヤフラム10は、延長部12の弾性支持部12a及び外周厚肉部40の弾性支持部48のバネと仕切部材6のマスとによって決定される固有の周波数で剛体共振を行い、剛体共振後のより高い周波数域(具体的には、剛体共振のピーク周波数である固有値周波数のほぼルート2(2の平方根)倍を超えた周波数域)では周波数が高くなるほど剛体の振動が小さくなる。このため液室で発生した振動による剛体の振動は小さくなり、剛体から外部への振動伝達を小さくする。
すなわち、剛体共振の周波数より高い振動は剛体により伝達を遮断されることになるので、この周波数域を振動遮断域ということにする。但し、本願における遮断とは厳密な意味ではなく低減を含む範囲のあるものとし、振動遮断域とは入力振動よりも伝達振動を小さくする領域を意味し、伝達遮断のみならず伝達低減を生じる周波数域を意味するものとする。
そこで、異音周波数域が振動遮断域と重なるようにすれば、主液室5内で発生した異音の振動を、剛体である仕切部材6を介して外部の外筒金具11からさらに車体側へ伝達することを遮断できることになる。具体的には遮断すべき異音周波数域より低い周波数にて剛体共振のピーク周波数が生じるようにチューニングすればよいことになる。
本実施例では、異音周波数域を主液室5で発生したキャビテーション現象に伴う振動の周波数域とし、この周波数域よりも低い周波数を剛体共振のピークとなるようにチューニングして、振動遮断域を異音周波数域と重ねてある。
具体的には、キャビテーション現象に伴う振動の周波数域そのものが広範囲で特定しにくいものであるが、仮にこれを800〜4000Hzとすれば、剛体共振のピーク周波数を600Hz程度に設定することにより、振動遮断域をキャビテーション現象に伴う振動周波数域と重ねることができる。
このようにチューニングすると、主液室5で発生したキャビテーション現象に伴う振動のうち、振動遮断域のものは仕切部材6から外筒金具11への振動伝達が遮断されることになり、主液室5内でキャビテーション現象が発生しても、この振動は車体側への伝達を遮断され、車体側で異音を感じなくなるので、車体側ではキャビテーション現象の異音を体感しにくくなり、キャビテーション現象による異音を無視できるようになる。
しかも、振動遮断域では仕切部材6の振動が抑制され、そのうえ仕切部材6を浮動支持する支持バネのバネ値は、中央薄肉部31のバネ値より遙かに大きいため、必要以上に内圧が低下することを防いで減衰低下を阻止できるようになっている。
このエンジンマウントを組み立てるには、図2に示すように、まず第1取付金具1,外筒金具11及びインシュレータ3が一体化した小組体70を作り、これを図1の状態と上下反転させ、延長部12の内側へ仕切部材6を入れて段差14にて位置決めさせ、続いてダイヤフラム10の外周厚肉部40を外筒金具11の内側へ圧入し、仕切部材6の底部25外周へ当接させ、折り曲げ前のストレート状態になっている外筒金具11の先端46aを内側へ折り曲げて固定部46とすることにより、外側リング44の端部を仕切部材6方向へ押さえつけて固定し、全体を組立一体化する。
このように各構成部材を順次積み重ねて外筒金具11の固定部46を形成するだけで全体を一体化して簡単に組み立てることができる。
なお、図2において明らかなように、シール部45にはシールリップ45aが径方向外方へ突出して一体形成されており、組立時に外筒金具11の内周面へ圧入するとき、外筒金具11の内周面でつぶされることにより、シール部45の外周部が外筒金具11の内周面へ密着し、シール部45と外筒金具11の内周面の間で最終シール部を形成する。最終シール部は作動液の漏れに対する最後のシールとなる場所である。
また、内側リング43と外側リング44の間で、外周厚肉部40側における弾性支持部となる弾性支持部48の底部25に当接する表面には、環状の凹溝49が内側リング43及び外側リング44と同心円状に形成されている。この凹部49の位置は、下ホルダ16の底部25における外周側端部並びに間隙13に臨む位置であり(図1参照)、これにより内側リング43で形状維持される弾性支持部48と外側リング44によるシール部とを分離し、シール部45及び弾性支持部48へ加えられる応力を凹部49で緩和するので、さらにシール部45及び弾性支持部48が互いに相手側から影響されにくくなるように構成されている。
次に、本実施例の作用を説明する。Z方向より第1取付金具1へ入力した振動は、まずインシュレータ3により吸収され、さらに大きな振動は、インシュレータ3が変形して主液室5の容積を変化させることにより、作動液を流動させ、オリフィス通路8の液柱共振及び弾性膜30の中央薄肉部31による弾性変形で吸収される。
さらに大振幅の振動が入力すると、主液室5はまず大きく圧縮され、その後の振動方向反転に伴い主液室5が復元して拡大するとき作動液の戻りが遅れるため、主液室5内は瞬間的に負圧となり、作動液の一部が気化してキャビテーション現象を発生する。このキャビテーション現象に伴う気泡崩壊の振動は仕切部材6へ伝達されるが、仕切部材6は延長部12及び外周厚肉部40で浮動支持されているため、浮動支持する弾性体によって仕切部材6から外筒金具11への伝達が遮断されるとともに、仕切部材6自体の剛体共振後における振動遮断域の周波数帯の異音振動は伝達が低減される。
図5は振動伝達特性を示すグラフであり、横軸に伝達振動を周波数分析した構成周波数(Hz)、縦軸に第1取付部材1から第2取付部材2へ振動が伝わる大きさである伝達力(N)を対数目盛で示したものである。
この例では本実施例に係るエンジンマウント及び同様構造でありながら本願の振動遮断構造を備えない従来例をそれぞれ13Hzで加振したときの伝達振動につき周波数分析したものであり、広範囲の周波数域における成分振動の伝達状況を示し、伝達力が小さい程その周波数の振動が伝達されにくいことを示す。
この図において、本願の振動遮断構造を備えない従来例と、振動遮断構造を備えた本実施例では、約800Hz〜4000Hz程度の周波数域における振動成分に対して伝達力に著しい相違が見られ、実施例ではこの周波数域で伝達力が低減されているから、この周波数域における振動成分を伝達遮断していることが判る。
すなわち、キャビテーション現象による振動のうち異音周波数域として例えば800Hz〜4000Hz程度からなる不特定多数の振動成分を発生することがある場合、この周波数域の振動伝達率が低下すれば、振動伝達が遮断されていることになる。図5のグラフは、この周波数域の伝達率低下を示しているから、キャビテーション現象によって発生した振動のうち異音周波数域の伝達が有効に遮断されていることが判る。
この振動伝達遮断は、従来例との相違点である遮断構造、すなわち延長部12及びダイヤフラム10の外周厚肉部40とによる伝達遮断と仕切部材6の剛体共振によることが明らかである。
このような振動伝達が遮断される周波数域は、弾性膜30の打音やキャビテーション現象による振動の領域であり、これらの音や振動を外筒金具11へ伝達しないことにより、異音の発生を阻止できることになる。
その結果、キャビテーション現象に伴う衝撃は外筒金具11及び車体側取付部材2を介して車体側へ伝達されず、乗員側で異音として感知することはないので、キャビテーション現象が発生してもそれに伴う車体側における不快な異音の発生を抑制できる。
また、副液室7のシール部分である外周厚肉部40の外筒金具11に対する固定は強固になるから、浮動支持によりキャビテーション現象を防止できると同時に、外周厚肉部40のシールを確実にし、車体に対する取付を正確にでき、マウント機能を正確に発揮できる。しかも、内側リング43により下ホルダ16を支持するので、下ホルダ16に対する支持も安定する。また、間隙13により組立を容易にできる。
さらに、シール部45が設けられているダイヤフラムの外周厚肉部を第2取付金具に対してリジットに固定するので、シール部45の弾性変形を防いでシールの信頼性も高めることができ、仕切部材による振動伝達を遮断しつつも良好なシール性を維持できる。そのうえ、装置を小型化し従来同様の構成部品で済むためコストダウンも可能になる。また第2取付金具を車体側へ強固に取付けて横移動等を生じさせず、安定支持できる。
しかも、従来の構成部品と同じ、インシュレータ3とダイヤフラム10を用いる構造であるから、従来と異なる特別な部材を用いることなく、構造が簡単で製造も容易になる。また、外筒金具11の下端部を折り曲げて固定部46を形成するだけで全体の組立を完了するので、容易に組み立てることができる。
また、外側リング44と固定部46の金属同士を直接接触させた結合により、外周厚肉部40の固定をより確実・強固にでき、液封防振装置を車体へ安定支持させることができる。
このとき、外側リング44を仕切部材6の外側に配置してその一端部を固定部46で押さえつけるように力を加えるが、外側リング44の他端側は仕切部材6へ当接せず、仕切部材6の外方に位置する浮動支持に関与しない延長部12を若干圧縮するだけである。また外周厚肉部40の浮動支持に関与する弾性支持部48も内側リング43が外側リング44から離れて位置し、固定部46から力を受けず、内側リング43を設けた弾性支持部48と外側リング44による固定部とが相互に影響されないよう機能分化される。しかも凹部49の存在がこの機能分化をさらに助長する。したがって組立時に加えられる強い力は仕切部材6へ伝えられなくなり、組立時におけるバネ値の変動を防止できる。
そのうえ、外側リング44はシール部45の剛性支持部も構成するが、シール部45は外筒11の内周面と密着するため、組立時に固定部46から外側リング44へ大きな力を加えても、この力でシール部45が弾性変形されることはないから、組立時によるシール部45の変形を防止できることになる。また外側リング44を固定部46による金属同士の直接接触で強固に固定することにより、良好なシール性能を維持できる。したがって外側リング44を直接固定することが必要なシール部45と、固定部46で固定されていない内側リング43を有する弾性支持部48とを機能分化できることになるので、固定部46による固定作業が容易になり、組立作業を容易化して作業効率を向上させることができる。
図3は第2実施例に係り、図1と同様部位断面のうち仕切部材6の支持部分を拡大して示す図である。本実施例は前実施例に対して仕切部材6に対する浮動支持構造のみが若干変更されたものであるから、この変形部を中心に説明し、他の部分は前実施例と共通符号を付して説明を省略する(以下同)。
この実施例では、外周厚肉部40に断面L字形をなすL型リング50が一体化されている。L型リング50は、本願のダイヤフラム支持金具をなし、縦壁部51と底部52を備え、縦壁部51は外周厚肉部40の外周部にインサートされ、前実施例の外側リング44と同様に配置されている。底部52は外周厚肉部40の底部に外周側から内周側へ張り出して一体化され、外周厚肉部40の底部を支持している。
外筒金具11の下端開放部内側へ外周厚肉部40を圧入し、縦壁部51の上端面を延長部12の下端面12cへ当接し、縦壁部51より内側の外周厚肉部40の上端面を下ホルダ16の底部外周へ当接させ、外筒金具11の下端部を内側へ折り曲げて、固定部46を縦壁部51と底部52の屈曲部へ押しつければ全体が組立一体化される。
このとき、底部52は外周厚肉部40の下端を支持するので、外周厚肉部40が大荷重入力時にも下ホルダ16から離れることを阻止し、外周厚肉部40を確実に固定することができる。
このようにすると、前実施例の内側リング43を省略でき、その分だけ部品点数を削減でき、より構造を簡単にできる。
図4は第3実施例に係り、図3と同様部位断面を示す。この実施例はインシュレータ3の筒部外周部へ一体化された連結金具64(前実施例の外筒金具11に相当する)の外方を覆う剛性リング60を設け、その縦壁部61の上端に形成された外フランジ63を、インシュレータ3の外周部と一体化されている筒状の連結金具64の外フランジ65に重ね、外フランジ63の先端を巻くように、外フランジ65の先端部を略U字状に折り曲げてカシメ部66とし、このカシメ部66で連結金具64と剛性リング60を結合一体化したものである。
縦壁部61は前第2実施例におけるL型リング50の縦壁部51を延長させたものに相当し、本願のダイヤフラム支持金具をなす。縦壁部61の下部は外周厚肉部40の外周に一体化され、さらにその先端を内側へ折り曲げて内フランジ62とし、この内フランジ62で外周厚肉部40の底部を一体化して支持する。
外周厚肉部40のうち仕切部材6を支持する本体部分からは、縦壁部61の内周面に沿って一体に延出する弾性筒状部67が形成される。この弾性筒状部67は前各実施例における弾性支持部としても機能する部分であって、縦壁部61の内周面に一体化されており、その上部は連結金具64における筒部64aの外側面に重なり、この重なり部からカシメ部66に至る部分が最終シール部になっている。
連結金具64は前実施例の外筒金具に相当する部材であるが、筒部64aは前各実施例のものよりもかなり短くなっており、その下端は段差14より上方に位置し、仕切部材6の浮動支持に十分な弾性支持部12aを形成している。この例では連結金具64と剛性リング60が第2取付金具2を構成することになり、剛性リング60はダイヤフラム10の支持部材と第2取付金具2とを兼ねることになる。
外周厚肉部40における肉厚内には形状維持のための中間リング68がインサートされている。中間リング68はその上端面のうち、中央部が間隙13に臨むように配置され、中央部よりも内周側部分は仕切部材6の底部25外周部に当接し、外周側部分は弾性筒状部67の肉厚内に食い込んでいる。外周厚肉部40の中間リング68より内周となる弾性体部分である内側上部40aは連結金具64と剛性リング60のカシメ固定により仕切部材6との密着支持を維持するよう位置決めされる。
なお、本実施例では弾性膜30は固定部32の外周側に一体形成されたリリーフバルブ33を有する。リリーフバルブ33は固定部32の外周側へ一体に形成され、副液室7側が径方向へ向かって斜め上がりの斜面をなし、副液室7側から主液室5側への作動液を流れやすくしている。リリーフバルブ33の主液室5側には、主液室5へ向かって開放された凹部が形成されている。
リリーフバルブ33は上プレート15及び下ホルダ16の各外周部で、円弧状溝22の内側に形成されたリーク穴34及び35を通して、主液室5内が負圧になると副液室7から主液室5へ作動液をリークし、負圧を解消させてキャビテーション現象の発生そのものを阻止するようにもなっている。
このエンジンマウントを組み立てるには、ダイヤフラム10及びその連続部分である弾性筒状部67とが剛性リング60と一体化された小組体の中に仕切部材6を入れ、下ホルダ16の底部25外周を内側上部40aに乗せ、外筒金具11とインシュレータ3が一体化された小組体を被せ、両外フランジ63及び65を重ねてカシメると、カシメ部66における金属同士の直接接触により結合一体化して全体の組立が完了する。
このようにすると、中間リング68が下ホルダ16の底部25へ剛性部材同士で当接するとともに、内フランジ62で外周厚肉部40の底部が支持されるから、内側上部40aによる仕切部材6の密着支持を維持できる。しかも中間リング68は弾性体である外周厚肉部40及び弾性筒状部67により内フランジ等の剛性リング60側と分離されているので、中間リング68は外周厚肉部40の形状維持のみに機能し、これまで同様にダイヤフラム10の外周厚肉部40で仕切部材6を浮動支持できる。
また、外筒金具11と剛性リング60のカシメ固定は、インシュレータ3の外方にて位置決めを精度よくおこなうことができ、このとき、内フランジ62や中間リング68へ大きな力が加わらないようにできるので、仕切部材6を浮動支持するバネ部となる弾性支持部12aや内側上部40aを圧縮しすぎることがなく、所定のバネ値を維持できる。このため、組立時におけるバネ値の変動を防いで、仕切部材6に所定の剛体振動を生じさせることができ、リリーフ構造とも相まってキャビテーション現象による異音を極力抑制することができる。
さらに、最終シール部である弾性筒状部67と連結金具64の筒部64aとの接合面は、浮動支持部である弾性支持部12aや弾性筒状部67から大きく離れ、かつ中間リング68によっても弾性支持部側とシール部側が分離されており、しかも組立時のカシメによる力が及ばずシール部が弾性変形しないので、組立の前後を通じて良好なシール性を維持できる。また、シール部の外側を縦壁部61が覆うため、シール部の変形を阻止できる。
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、本願発明を適用する対象はエンジンマウント以外でも、サスペンションマウント等種々可能である。
また、防止する異音はキャビテーションに起因するもののみならず、弾性膜30の打音等、設定範囲内の周波数域のものであれば主液室5内で発生する種々な音や振動を対象にできる。
エンジンマウントの縦断面図 上記の分解図 第2実施例の要部断面図 第3実施例の要部断面図 振動伝達特性を示すグラフ
符号の説明
1:第1取付金具、2:第2取付金具、3:インシュレータ、4:凹部、5:主液室、6:仕切部材、10:ダイヤフラム、11:外筒金具(第2取付金具)、12:延長部、12a:弾性支持部、40:外周厚肉部、48:弾性支持部(本体部)、43:内側リング、44:外側リング(ダイヤフラム支持金具)、50:L字状リング(ダイヤフラム支持金具)、60:剛性リング(ダイヤフラム支持金具)、61:縦壁部、62:内フランジ、63:外フランジ、64:連結金具、65:外フランジ、66:カシメ部、67:弾性筒状部、68:中間リング

Claims (6)

  1. 取付相手の一方へ取付けられる第1取付金具(1)と、他方へ取付けられる筒状の第2取付金具(2)と、
    これら第1及び第2取付金具間を防振連結するインシュレータ(3)と、
    このインシュレータを壁部の一部として作動液体が封入された主液室(5)と、
    この主液室と仕切部材(6)により区画され、壁部の少なくとも一部がダイヤフラム(10)で形成される副液室(7)と、
    これらの主液室と副液室を連通するよう前記仕切部材に形成されたオリフィス通路(8)とを備えた液封防振装置において、
    前記仕切部材(6)の外周部を前記主液室及び副液室側から、前記インシュレータ(3)の一部(14)と前記ダイヤフラム(10)の外周厚肉部(40)とで浮動支持し、
    かつ前記第2取付金具(2)と前記仕切部材(6)の外周部との間に弾性体(12・67)を介在させることにより、前記仕切部材(6)から前記第2取付金具(2)への振動伝達を遮断するとともに、
    前記外周厚肉部(40)は、一体化された剛性のダイヤフラム支持金具(44・50・61)と、このダイヤフラム支持金具(44・50・61)の内側にて前記仕切部材(6)の外周部を浮動支持する弾性支持部(48・40a)とを備え、
    前記ダイヤフラム支持金具(44・50・61)は、前記第2取付金具の一部(11・64)と金属同士の直接接触により固定され、かつ前記仕切部材(6)と離されて配置されるとともに
    前記ダイヤフラム支持金具(44・50・61)と前記第2取付金具との固定部(46・66)が前記仕切部材(6)の外周部より径方向外方に位置することを特徴とする液封防振装置。
  2. 前記ダイヤフラム支持金具(44・50)は剛性リングからなり、前記ダイヤフラムの外周厚肉部(40)を内側の前記弾性支持部(48)と外側のシール部(45)とに分離することを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
  3. 前記外周厚肉部(40)には内外に間隔をもって配置された2重リング(43・44)が一体化され、
    内側のリング(43)は前記弾性支持部(48)に位置して仕切部材(6)を支持し、
    外側のリングは前記ダイヤフラム支持金具(44)をなすことを特徴とする請求項2に記載した液封防振装置。
  4. 前記ダイヤフラム支持金具(50)は断面略L字状の部材であり、
    前記外周厚肉部(40)の外周部と底部とへ一体化されることを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
  5. 前記第2取付金具(2)は前記インシュレータ(3)の外周部と一体化した連結金具(64)と、その外方を覆う剛性リング(60)とを備え、
    前記連結金具(64)は筒状をなし、その筒部(64a)の下端は前記仕切部材(6)の上方に間隔を持って位置し、上部はインシュレータ側方へ突出する外フランジ(65)をなし、
    前記剛性リング(60)は、前記連結金具(64)の筒部(64a)と径方向外方にて一部が重なる縦壁部(61)を備え、この縦壁部(61)の上端部を前記連結金具(64)の外フランジ(65)と重ねて金属同士の直接接触により前記剛性リング(60)を前記連結金具(64)に連結固定するとともに、前記縦壁部(61)の下部が前記外周厚肉部(40)の外周部及び底部へ一体化することにより、前記ダイヤフラム支持金具を兼ね、
    前記外周厚肉部(40)は、前記仕切部材(6)を支持する本体部とこの本体部から連続して前記縦壁部(61)の内面に沿って前記連結金具(64)の側方まで延びる弾性筒状部(67)とを一体に備え、
    前記弾性筒状部(67)を前記連結金具(64)の外側へ嵌合して弾性筒状部(67)内面と連結金具(64)外面との間にシール部を形成し、かつ前記弾性筒状部(67)を前記仕切部材(6)の外周部と縦壁部(61)の内面との間に介在させたことを特徴とする請求項に記載した液封防振装置。
  6. 前記仕切部材(6)の外周部とその周囲に位置する弾性体(12・67)との間に間隙(13)を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載した液封防振装置。
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