JP4999756B2 - 容器 - Google Patents
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Description
この発明では、操作片をヒンジ部回りに上方に向けて回動させると、押下片の先端部が受け板部の上面を押下することにより、蓋体を容器本体に対して上方に向けて移動させる力、すなわち蓋体が容器本体の開口部から外されるような力を発生させることが可能になり、この容器を容易に開けることができる。
また、押下片の先端部がヒンジ部よりも径方向内側に位置するので、梃子の原理における支点と力点との間隔が大きく確保され、押下片の先端部が受け板部の上面を押下する力を増大させることが可能になり、容器をより一層容易に開けることができる。
この場合、操作片が受け板部に着脱可能に係合しているので、例えば容器を開封して内容物の一部を容器本体から取り出した後、容器本体の開口部に再び蓋体を嵌合して残りの内容物を保存していた場合において、この容器に不意の外力が加えられる等しても、蓋体が容器本体の開口部に対して位置ずれし難くなり、これらの間に隙間が生じ易くなるのを防ぐことができ、残りの内容物を長期にわたって保存することができる。
したがって、容器本体に収容される内容物が、容器を一旦開封したら一度に使い切られるものでなく、蓋体を容器本体の開口部に繰り返し着脱して少量ずつ使われるものである場合に好適な容器が得られる。
この場合、受け板部に、操作片上に位置するテンパーエビデンス部材が破断可能な弱化部を介して連結されているので、この容器にいわゆるバージン機能を具備させることが可能になり、店頭で購入者が視認によりこの容器が未開封であるか否かを容易かつ確実に判断することが可能になる。
しかも、前述のように操作片をヒンジ部回りに上方に向けて回動させたときに、操作片からテンパーエビデンス部材にこの部材を上方に引き上げるような力が加えられて、弱化部が破断されることにより、テンパーエビデンス部材が受け板部から分離されることになり、前述のように蓋体を容器本体から取り外す操作と同じ操作で、テンパーエビデンス部材を受け板部から分離することが可能になり、この容器に前記バージン機能を具備させたことによって、開封し難くなるのを防ぐことができる。
この場合、押下片が上方に向けて凸となるように湾曲しているので、前述の湾曲を平坦にする方向に沿った押下片の曲げ剛性を高めることが可能になり、この押下片の先端部で受け板部の上面を押下したときに、押下片が曲げ変形するのを抑制することが可能になる。
容器本体10は、上面視矩形状のカップ状に形成されるとともに、その周壁部12の上端部に全周にわたって径方向外方に向けて突設されたフランジ部13と、フランジ部13の上面にその全周にわたって立設された嵌合筒部14と、を備え、これら12〜14が合成樹脂で一体に形成されている。
さらに、フランジ部13の先端部13aは、その全周にわたって下方に向けて屈曲している。また、嵌合筒部14の外周面のうち少なくとも受け板部15に連なる部分には、第1突起14aが突設されている。
周壁部22は、天壁部21の外周縁に連なる上側周壁部22aと、上側周壁部22aよりも大径に形成されるとともに上側周壁部22aの下端部に下方に向けて延設された下側周壁部22bと、これらの両周壁部22a、22bを連結するフランジ状の連結部22cと、を備えている。
下側周壁部22bの下端部における内周面には、前記嵌合筒部14の第1突起14aにアンダーカット嵌合する第2突起22eが突設されている。
以上の構成において、蓋体20は、下側周壁部22b内に嵌合筒部14が嵌合され、かつ嵌合筒部14内に上側周壁部22aの下端22dが嵌合され、さらに第1突起14aに第2突起22eがアンダーカット嵌合することにより、容器本体10の開口部11に着脱可能に嵌合されている。またこのように、容器本体10の開口部11に蓋体20が嵌合された状態で、蓋体20の下側周壁部22bの下端縁は、フランジ部13の上面に当接している。
さらに、図示の例では、下側周壁部22bにおいて受け板部15上に位置する部分の下端部における外周面には面取り部22fが形成されている。
連結片23は、蓋体20の下側周壁部22bのうち、受け板部15上に位置する部分の外周面に突設され、径方向外方に向かうに従い漸次受け板部15側の下側に向けて延在している。また、この連結片23は、容器1の上面視において、下側周壁部22bのうち受け板部15上に位置する部分の中央部に配設されるとともに、周方向に長い長方形状の板状に形成されている。連結片23およびヒンジ部24それぞれの周方向に沿った長さは互いに同等になっている。
ここで、先端側部分25bの先端部25dは、他よりも厚さが厚く形成されて径方向内方に向けて膨出し、前記フランジ部13の先端部13aのうち受け板部15が位置する部分(以下、受け板部15の先端部15aという)に下側から着脱可能に係合している。また、操作片25、連結片23および押下片26の全体は一体に形成され、操作片25の前記先端部25dを除く全域にわたって同等の厚さで形成されている。
まず、操作片25をヒンジ部24回りに上方に向けて回動させて、操作片25の先端部25dと受け板部15の先端部15aとの係合を解除させるとともに、押下片26の先端26aをヒンジ部24回りに下方に向けて回動させて、この先端26aにより受け板部15の上面を押下させる。以上の過程において、押下片26の突起26bは、蓋体20の下側周壁部22bにおける外周面上を上方から下方に向けて摺動してこの外周面により上側に向けて捲り上げられながら、下側周壁部22bを通過して受け板部15の上面に到達する。
また、押下片26の先端26aがヒンジ部24よりも径方向内側に位置しているので、梃子の原理における支点と力点との間隔が大きく確保され、押下片26の先端26aが受け板部15の上面を押下する力を増大させることが可能になり、容器1をより一層容易に開けることができる。
したがって、容器本体10に収容される内容物が、容器1を一旦開封したら一度に使い切られるものでなく、蓋体20を容器本体10の開口部11に繰り返し着脱して少量ずつ使われるものである場合に好適な容器が得られる。
次に、操作片25の先端側部分25bにおける先端部32は、受け板部15の先端部15aよりも上方に位置し、径方向に延在している。
さらに、先端側部分25bに設けられた押下片26の先端部33は、径方向内方に向かうに従い漸次上方に向けて延在するように屈曲している。
さらにまた、下側周壁部22bの下端部において、押下片26の先端部33が配設されている周方向位置と対応する部分に、この周壁部22bの径方向および下方の双方に開口する収納孔22gが形成されている。なお、本実施形態では、下側周壁部22bに面取り部22fは形成されていない。
まず、操作片25をヒンジ部24回りに上方に向けて回動させて、操作片25の先端部32を架橋部34bの下面に押し当ててテンパーエビデンス部材34にこの部材34を上方に引き上げる力を加えることで、ブリッヂ35を破断してこのテンパーエビデンス部材34を受け板部15から分離させる。そしてさらに継続して操作片25を回動させることにより、押下片26の先端部33をヒンジ部24回りに下方に向けて回動させ、この先端部33により受け板部15の上面を押下させる。以上の過程において、押下片26の先端部33は、蓋体20の下側周壁部22bにおける外周面上を上方から下方に向けて摺動してこの外周面により上側に向けて捲り上げられながら、下側周壁部22bの収納孔22gに到達したときに、自らの弾性復元力により収納孔22g内に進入し、かつ受け板部15の上面に到達する。
ここで、以上のようにして一旦開封された容器2では、押下片26の先端部33を上方に向けてヒンジ部24回りに回動させても、この先端部33が収納孔22gを画成する上面壁に引っ掛かることで、それ以上の回動が規制される。つまり、容器2を一旦開封した後は、この押下片26は容器2の開封前の姿勢には戻れず、これにより、次に蓋体20を容器本体10から取り外すときの、押下片26の回動ストロークが抑えられるようになっている。
例えば、前記第1実施形態では、操作片25の前記先端部25dが受け板部15の先端部15aに着脱可能に係合する構成を示したが、係合させなくてもよい。
また、前記第1実施形態および第2実施形態では、押下片26として、上方に向けて凸となるように湾曲した構成を示したが、これに限らず例えば平板状等に形成してもよい。さらにこのように、押下片26を湾曲させるのに代えて、例えばこの押下片26の厚さを操作片25の厚さよりも厚くする等してもよい。
さらに、前記第1実施形態および第2実施形態では、容器本体10に嵌合筒部14を設け、この嵌合筒部14に蓋体20の周壁部22を嵌合した構成を示したが、嵌合筒部14を設けずに、容器本体10の周壁部12における開口部に直接、蓋体20の周壁部22を嵌合させてもよい。
さらに、前記第1実施形態および第2実施形態では、容器本体10と蓋体20とが連結ヒンジ部27を介して連結された構成を示したが、この連結ヒンジ部27を有しない容器においても適用可能である。
10 容器本体
11 開口部
12 周壁部
15 受け板部
15a 受け板部の先端部
20 蓋体
23、31 連結片
24 ヒンジ部
25 操作片
25c 操作片の外側部分
25d、32 操作片の先端部
26 押下片
34 テンパーエビデンス部材
Claims (4)
- 内容物が収容される容器本体と、この容器本体の開口部に着脱可能に嵌合された蓋体と、を備える容器であって、
前記容器本体の周壁部には径方向外方に向けて受け板部が突設され、
前記蓋体には、径方向外方に向けて延在しその先端が前記受け板部上に位置する連結片が設けられるとともに、この連結片の先端にヒンジ部を介して連結され径方向外方に向けて延びる操作片が前記ヒンジ部回りに上方に向けて回動可能に設けられ、
前記操作片において前記ヒンジ部との連結部分よりも容器本体の周方向における外側に位置する外側部分には、径方向内方に向けて延在しその先端が前記受け板部上に位置する押下片が突設されていることを特徴とする容器。 - 請求項1記載の容器であって、
前記操作片は、受け板部に着脱可能に係合していることを特徴とする容器。 - 請求項1または2に記載の容器であって、
前記受け板部には、前記操作片上に位置するテンパーエビデンス部材が破断可能な弱化部を介して連結されていることを特徴とする容器。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の容器であって、
前記押下片は上方に向けて凸となるように湾曲していることを特徴とする容器。
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