本発明の実施例1としての基板収納ケースが設けられた遊技機の一例としてのパチンコ機を図面に基づいて説明すると、まず、図1は、本発明が適用されたパチンコ機を示す正面図であり、図2は、図1のパチンコ機を示す背面図であり、パチンコ機1は、枠状に形成された木製の基枠1a(図2参照)に開閉自在に枢支されているとともに、その上部前面に額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下方には打球供給皿3が設けられている。打球供給皿3の左右側には、内部に設けられるスピーカ27(図3参照)から出力される効果音を放音部29がそれぞれ設けられている。打球供給皿3の下方には、打球供給皿3から溢れたパチンコ球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル5とが設けられている。
ガラス扉枠2の後方には、遊技機の機種により固有とされた機種固有部となる遊技盤6が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。また、ガラス扉枠2の後方には、遊技領域7を除く領域に、詳述する有機EL表示器100a〜dが設けられている。更に、遊技領域7の外周部並びに表示エリア100の外周部には、遊技効果LED28が設けられている。遊技効果LED28には、光の3原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)の発光素子を有するフルカラーLEDが適用されており、赤、緑、青、水、紫、黄、白の7色に発光が可能とされている。
ガラス扉枠2は、略中央に位置し、遊技領域7を視認可能な透視窓としてのガラス板と、該ガラス板を保持するガラス枠とからなる。ガラス枠は、ポリカーボネート等の透明樹脂を成形したものであり、このガラス枠により有機EL表示器100a〜dの表面が被覆されるとともに、ガラス枠を透して有機EL表示器100a〜dの表示内容が視認できるようになっている。これによりガラス扉枠2におけるガラス板を除く領域、すなわちガラス枠の領域のほぼ全域にわたって有機EL表示器100a〜dによる表示内容が表示される表示エリア100(図1参照)が形成される。
遊技領域7の中央付近には、変動表示部9と可変表示器10とを含む可変表示装置8が設けられている。変動表示部9はLCD表示器(液晶表示器)にて形成されており、「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報、具体的には「1」〜「9」の数字を変動表示可能とされているとともに各種の演出映像を表示可能とされている。具体的に、変動表示部9の表示エリアにおいては、横方向に並ぶ態様で3つの可変表示エリアを表示上形成し(図21(a)参照)、それらのエリアにおいて、「左図柄」、「中図柄」、「右図柄」の3つの特別図柄が個々に独立して可変表示できるようになっている。可変表示器10は、7セグメントLEDよりなる1つの図柄表示エリアに、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示可能とされている。
変動表示部9に表示される特別図柄は、後述するように打球が始動入賞口14へ始動入賞することに基づいて変動表示が開始される。一方、可変表示器10に表示される普通図柄は、後述するように打球が通過ゲート11を通過することに基づいて可変開始される。
変動表示部9の下部には、始動入賞口14に入賞した始動入賞球数を記憶して表示する4個の表示部(LED)を有する始動入賞記憶表示器18が設けられている。本実施例では、4個を上限として、始動入賞が記憶される毎に、始動入賞記憶表示器18のLEDが1つ追加して点灯する。そして、変動表示部9において特別図柄の可変表示が開始される毎に、LEDが1つ消灯する。
可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲート11が設けられている。可動片15は、ソレノイド16によって開状態とされる。通過ゲート11には、通過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ12(図3参照)がある。また、始動入賞口14に入賞した打球は、始動入賞口スイッチ17(図3参照)によって検出される。
可動片15の下方には、開閉板20が設けられた可変入賞球装置19が取り付けられている。遊技状態が大当り状態(特定遊技状態)となれば、ソレノイド21(図3参照)によって開閉板20が開成し、可変入賞球装置19の大入賞口が開口する。大入賞口に進入した球のうち特定入賞領域(Vポケット)に入った入賞球はVカウントスイッチ22(図3参照)で検出される。一方、大入賞口内における特定入賞領域以外の通常入賞領域へ入賞した入賞球はカウントスイッチ23(図3参照)で検出される。
遊技領域7には、複数の入賞口24a〜dが設けられている。入賞口24a〜dに入賞した打球は、入賞球検出スイッチ99a〜d(図3参照)で検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を回収するアウト口26が設けられている。
打球操作ハンドル5の操作によって駆動モータ94(図3参照)により揺動されるハンマーによって発射された打球は、発射球検出センサ(図3参照)にて検出された後、打球レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて遊技領域7に達しなかったパチンコ球は、環流経路(図示略)を通じて余剰球受皿4に環流されるようになっている。また、遊技領域7に到達した打球のうちいずれの入賞口にも入賞せずにアウト口26に回収された打球は、アウト球検出スイッチ(図3参照)により検出される。
また、遊技領域7に打ち込まれた打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、可変表示器10に停止表示されている普通図柄が変動を開始する。尚、可変表示器10の可変表示中に打球が通過ゲート11を通過した場合にはその通過が記憶され、可変表示器10が停止して再度変動を開始可能な状態になってから通過記憶を「1」減算して可変表示器10が可変表示制御される。この通過記憶の上限は例えば「4」に定められており、現時点での通過記憶数が通過記憶表示器(図示せず)により表示される。
また、打球が始動入賞口14に入賞し、始動入賞口スイッチ17で検出されると、特別図柄の変動を開始できる状態であれば、変動表示部9に表示される特別図柄がスクロールを始める。例えば、すでに変動表示が開始されて特別図柄が変動中である等の理由によって特別図柄の変動をすぐに開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を一つ増やす。
可変表示器10の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(例えば7)となった場合に、始動入賞口14に設けられた可動片15が所定時間開成して、パチンコ球が始動入賞口14に入賞し易くなる遊技者にとって有利な状態となる。
この始動入賞口14にパチンコ球が入賞して始動入賞口スイッチ17で検出されると、特別図柄の変動を開始できる状態であれば、変動表示部9において全特別図柄が変動表示を開始する。そして、その後、左,中,右の特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(例えば222や777)となった場合に、特定遊技状態(大当り状態)が発生する。このような大当り状態が発生する特定の表示態様は、大当り図柄と呼ばれ、この例では予め複数種類定められている。このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置19の開閉板20が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(例えば30秒間)の経過または打球の所定個数(例えば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている可変入賞球装置19の大入賞口内に進入した打球が特定入賞領域(Vポケット)に入賞してVカウントスイッチ22により検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って再度開閉板20が開成されて第1の状態となる。この第1の状態の繰返し継続制御は、本実施例では最大15回まで実行可能とされている。このような最大15回実行可能である第1の状態となっている時期は、繰返し継続制御のラウンド(回)と呼ばれる。この例では、繰返し継続制御は、第1ラウンドから最大第15ラウンドまで繰返し実行可能である。
また、変動表示部9で変動表示された左,中,右の特別図柄が同じ図柄の種類に一致した大当り図柄の組合せで停止表示されたときには前述したように大当りが発生するが、その大当り図柄が複数種類の大当り図柄のうちの予め定められた種類の大当り図柄(特別の表示態様の図柄)である場合には、前述した特定遊技状態の終了後、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が高く変動した確率変動状態(以下、確変状態ともいい、本実施例では該確変状態を真・侍モードと呼称している)となる。このような確率変動状態の発生のきっかけとなる特別の表示態様の大当り図柄(本実施例では奇数図柄)は、確変図柄とよばれる。以下、確変図柄により発生する大当りを確変大当りといい、確変図柄以外の大当り図柄(普通図柄といい、本実施例では偶数図柄)により発生する大当りである通常大当りと区別している。
通常遊技状態中に、一旦、確変大当りが発生すると、その確率変動状態は、例えば、少なくとも予め定められた確変継続回数(例えば1回)分の大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中にさらに確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する状態、つまり連荘状態となる。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の普通図柄によるものであった場合には、該大当り状態の終了後には、前記確率変動状態とならずに、変動表示部9が変動表示動作を所定回数(例えば100回)行うまでの間、始動入賞口14に設けられた可動片15が、遊技者にとって有利な第1の状態に変化する頻度が向上する時短状態(本実施例では該時短状態を侍モードと呼称している)が発生する。
これら時短状態における遊技者にとって有利な第1の状態である可動片15が開成状態となる頻度の向上は、前記確率変動中における可動片15の開成頻度の向上とほぼ同様に、前記可変表示器10の普通図柄の可変表示から停止表示までの時間が通常の遊技状態よりも短縮(本実施例では前記可変表示から停止表示までの時間が通常遊技状態において30秒から3秒へ短縮)されることで向上されるとともに、前記可動片15が開成している期間が通常遊技状態よりも延長(通常遊技状態では0.5秒が3秒に延長)されることで、変動表示部9での変動表示が開始される始動入賞がし易い状態が保持されるとともに、該始動入賞に伴う賞球が払い出されることで、これら時短状態中において、遊技者の持ち玉が大きく減少しないようになっている。
尚、本実施例では、これら時短状態中における遊技者にとって有利な第1の状態である可動片15が開成状態となる頻度の向上を確率変動状態の場合と同一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら頻度の向上の態様を、時短状態中と確率変動中において個別の態様としても良い。
変動表示部9の変動表示においては、リーチ状態が発生する場合がある。ここで、「リーチ状態」とは、変動表示部9の変動表示が開始された後、表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、大当りの表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をいう。すなわち、リーチとは、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。尚、これらリーチ状態としては、特定の表示態様の特定図柄の組合せが揃った状態を維持しながら可変表示を行う状態、具体的には同一の特定図柄が揃って回転する全回転状態等もリーチ表示状態に含まれる。更にリーチ状態の中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいもの、例えば、前出の全回転状態によるリーチ等がある。このようなリーチをスーパーリーチという。更にリーチの中には、相当な低確率ではあるが、それが出現すると、ほぼ確実に大当りが発生するものがある。このようなリーチをプレミアムリーチという。
次に、パチンコ機1の背面の構造について図2に基づき説明する。パチンコ機1の遊技盤6の裏面側には、機構板36が設けられており、該機構板36には、変動表示部9を成す液晶表示器や有機EL表示器100a〜dの表示制御を行う表示制御基板80、後述する遊技制御基板収納ケース200(以下、基板収納ケース200と略称する)に覆われた遊技制御基板31、遊技球(パチンコ玉)の払出制御を行う賞球制御基板37が、図2に示すように配設されている。
さらに、該機構板36には、駆動モータ94(図3参照)の回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、打球発射装置の制御を行う発射制御基板91と、スピーカ27および遊技効果LED28に信号を送るためのLED制御基板35と、スピーカ27から出力する音声制御を行う音声制御基板70と、が設けられている。
また、図2中の90は、前記余剰球受皿4への流下経路に設けられて、前記余剰球受皿4の満タンを検出するための満タンスイッチ13(図3参照)や、払出装置97の上流部に設けられて球切れを検出するための球切れスイッチ33(図3参照)や、カウントスイッチ23(図3参照)、Vカウントスイッチ22(図3参照)等の各種スイッチからの信号を前記遊技制御基板31に中継するための枠用スイッチ中継基板である。
この機構板36の上部には球タンク38が設けられ、前記遊技島の供給樋より導出された供給管(図示略)より遊技球(パチンコ玉)が球タンク38に供給される。球タンク38内の遊技球(パチンコ玉)は、誘導樋39を通って払出装置97に供給される。
この誘導樋39の下流側終端部には、カーブ樋43、球供給樋44を介して2条の球供給通路45が連設されているとともに、この球供給通路45の下端部が、入賞の発生等により付与された賞球の払出や玉貸球の払出を行う払出装置97に連設されており、誘導樋39を流下するパチンコ球は、取付ボスを支点として揺動自在に垂下されて取り付けられている玉ならし部材48により、上下2段となって流下する球が玉ならし部材48により埋設される重錘の作用によって1段とされるとともに誘導樋39にて2条に分流された後、カーブ樋43により左右方向から下方へ流下方向が変換され、球供給樋44並びに球供給通路45を介して、払出装置97に供給されるようになっている。
また、球供給通路45の経路中には球切れスイッチ33が各条に対応して設けられており、この球切れスイッチ33により払出装置97での1回の玉貸球数である25球のパチンコ球が球供給通路45内に準備されているか否かが検出されるようになっている。
この払出装置97には、球供給通路45の各条に対応して球切り用のスプロケット(図示略)が設けられており、これらスプロケットが駆動回転されることでパチンコ球が1球ずつ下方に排出されるようになっている。また、各条に対応したスプロケットが同期回転することで交互にパチンコ球が排出される。尚、これら排出されたパチンコ球は、図示しない賞球用カウントスイッチにて検出された後、賞球通路73に排出されるようになっている。
また、賞球通路73の下流位置には打球供給皿3に連通する図示しない上皿連通口が設けられており、払出装置97から払い出されたパチンコ球は、賞球通路73並びに上皿連通口を通って打球供給皿3に払い出され、貯留されるようになっている。また、この上皿連通口の側方には、最下端部がパチンコ機1の下方に設けられている余剰球受皿4に連通する余剰球通路(図示略)に連設されており、打球供給皿3に貯留されたパチンコ球が満タンの状態であるために上皿連通口から溢れたパチンコ球が、この余剰球通路(図示略)を流下して余剰球受皿4に払い出されるようになっている。
この余剰球通路(図示略)の経路中には、前記余剰球受皿4に流下したパチンコ球が余剰球受皿4に満杯になったことを検知するための満タンスイッチ13が設けられており、これら満タンスイッチ13がONされた場合には、払出装置97の駆動が停止されて賞球及び貸球の払出動作が不能動化される。
また、機構板36の内方面側には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路とアウト球を誘導するアウト球通路とが形成されており、前記遊技盤6の背面を覆うように形成された入賞球誘導カバー体(図示略)にて、遊技盤6の背面から放出される入賞球を収集して受け入れるようになっており、その受け入れた入賞球を入賞球誘導通路が一側方に向かって誘導するとともに、機構板36に形成された連通口から機構板36の背面側に導き、さらにその連通口と球抜き通路46の下流部とを連通する合流通路(図示略)に導くようになっている。
図3は、本実施例のパチンコ機1に設けられた各種基板と各種電気部品との接続状況並びに遊技制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。
本実施例の遊技制御基板31は、プログラムに従ってパチンコ機1を制御する遊技制御用マイコン53と、ゲートスイッチ12、始動入賞口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞球検出スイッチ99a〜d、余剰球受皿4の満タンを検出する満タンスイッチ13からの信号を遊技制御用マイコン53に与えるスイッチ回路58と、可動片15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイコン53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、始動入賞記憶表示器18の点灯および点滅を行うとともに、可変表示器10と装飾ランプ25とを駆動するランプ・LED回路60とを含む。
また、遊技制御基板31は、遊技制御用マイコン53から与えられるデータに従って、大当りが発生中であることを示す大当り中信号、変動表示部9における変動表示が終了、つまり特定図柄の表示結果が導出表示されたことを示す始動信号、確率変動であることを示す確変中信号を外部の装置(例えば、ホールコンピュータ等)に対して出力する第1情報出力回路64を含む。
遊技制御用マイコン53は、ROM54、RAM55、CPU56、I/Oポート57、および、乱数回路49を含む。ROM54は、ゲーム制御用のプログラム等の各種の情報(データ)を記憶するためのものである。RAM55は、CPU56がワークメモリとして使用するためのものである。CPU56は、ゲーム制御用のプログラム等の各種の制御用プログラムに従って遊技制御動作等の制御動作を行う。I/Oポート57は、データおよび信号等の各種情報の入出力用に設けられた複数のポートを有する。遊技制御用マイコン53が動作する場合の基準タイミングとなる動作クロックは、遊技制御基板31のクロック発生部50から供給され、これら動作クロックはCPU56等の遊技制御用マイコン53内の各部に与えられる。
更に、遊技制御基板31には、電源投入時に遊技制御用マイコン53をリセットするための初期リセット回路66と、電源投入後に遊技制御用マイコン53を定期的にリセットするための定期リセット回路65と、遊技制御用マイコン53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。
遊技制御用マイコン53は、電源投入時において、初期リセット回路66により初期リセットされる。また、電源投入後、遊技制御用マイコン53は、定期リセット回路65により定期的(本実施例では、後述するように2ミリ秒毎)にリセットされ、割込み処理が実行される。これにより、割込み処理が実行される毎に、ゲーム制御用のプログラムが所定位置から再実行されることで、特別図柄プロセス処理が2ミリ秒毎に繰返し実施される。
打球を発射する打球発射装置(図示略)は、発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94は、打球操作ハンドル5に設けられたタッチセンサ5aの検出に応じて駆動され、打球が発射されるように制御される。また、本実施例では、タッチセンサ5aの検出信号(タッチセンサ信号)は分岐して表示制御基板80に対しても入力されるようになっており、表示制御基板80に搭載されている後述するサブCPU81により実施される非稼働監視処理において、これらタッチセンサ信号の入力に応じて非稼働判定タイマがリセットされることにより、非稼働判定タイマがタイマアップすることで非稼働と判定される、つまり、打球操作ハンドルの操作が無くなってから非稼働判定タイマにセットされている所定時間が経過した時点において、非稼働となったことが検出されるようになっている。
また、遊技制御基板31から表示制御基板80には、変動表示部9の表示制御並びに有機EL表示器100a〜dの表示制御に関する指令情報として、表示制御コマンド(変動開始コマンド、最終停止図柄指定コマンド等)が伝送される。表示制御基板80側では、表示制御コマンドの指令内容等にしたがって、変動表示部9の表示制御並びに有機EL表示器100a〜dの表示制御を行う。
遊技制御基板31からLED制御基板35には、LED制御基板35により制御が行われる遊技効果LED28の発光制御に関する指令情報としての発光制御コマンドが伝送される。LED制御基板35側では、発光制御コマンドの指令内容にしたがって、遊技効果LED28の発光制御を行う。尚、本実施例では発光制御コマンドとして表示制御基板80に伝送される表示制御コマンドと同一のコマンドが伝送されるようになっており、これにより、変動表示部9や有機EL表示器100a〜dの表示と連動して遊技効果LED28の発光制御が行われるようになっている。
遊技制御基板31から音声制御基板70には、音声制御基板70によりスピーカ27から出力される効果音等の音声の制御に関する指令情報としての音声制御用コマンドが伝送される。この音声制御用コマンドに応じて、音声制御基板70側では、スピーカ27からの効果音の発生等の音声制御を行う。
また、遊技制御用マイコン53は、入賞球検出スイッチ99a〜dの検出信号と始動入賞口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて、所定個数の賞球を払出装置97により払出させるための指令情報としての払出制御コマンドを賞球制御基板37に伝送する。賞球制御基板37側では、その出力されてきた払出制御コマンドに応じて払出装置97を制御して所定個数の賞球を払出すための制御を行う。
また、満タンスイッチ13からの検出信号が満タン状態を示している場合には、その状況に応じて、払出禁止コマンドを賞球制御基板37へ伝送し、払出装置97による賞球の払出しを停止させる。
また、賞球制御基板37上には、第2情報出力回路部68が設けられており、これら賞球制御基板37における賞球の払い出し制御により所定数(例えば10個)の賞球が払い出される毎に所定幅のパルス信号である賞球信号が外部出力される。
また、賞球制御基板37は、対応して設置されるカードユニット(図示略)と接続され、各種信号の送受が実施可能とされており、対応するカードユニットからの球貸要求に応じて払出装置97を制御して所定個数の貸出球を払出すための制御を行う。
また、本実施例のパチンコ機1は、これら搭載されている各種基板のうち、遊技制御基板31、表示制御基板80を交換することにより、ゲーム性や演出内容を変更できる構成とされている。すなわちこれら各基板を交換することにより機種変更ができる構成とされており、これら遊技制御基板31、表示制御基板80は、本発明の機種固有部を成す一方、発射制御基板91、LED制御基板35、賞球制御基板37、音声制御基板70等は、異なる機種間においても共通に使用される共通部を成している。
表示制御基板80は、遊技制御基板31とは独立して、表示制御を表示制御プログラムに基づいて実施するものであり、遊技制御基板31から送信される前述の表示制御コマンドに基づいて、変動表示部9や有機EL表示器100a〜dの表示制御を実施する。
表示制御基板80には、特に詳細な図示はしないが、表示制御プログラムを実行することにより表示制御基板80における表示制御を行うサブCPUと、該サブCPUのワークメモリ等として使用されるRAMと、サブCPUが実施する表示制御プログラムや各種表示制御データ等を格納するPROMと、サブCPU81からの指示に基づいて変動表示部9に表示する画像の生成等を実施するビデオディスプレイプロセッサ(VDP:Video Display Processor)と、変動表示部9における特図表示や演出表示に使用する各種画像データが記憶された画像ROMと、該画像ROMに記憶された画像データに基づいてVDPにて生成された、変動表示部9に表示する生成画像を記憶するVRAM(Video RAM)等が設けられている。
また、表示制御基板80には、遊技制御基板31からの表示制御コマンドが入力される入力回路と、タッチセンサ5aからのタッチセンサ信号や各スイッチからの操作信号が入力される入力回路と、変動表示部9を表示制御するための液晶駆動回路と、有機EL表示器100a〜dを表示制御するためのEL駆動回路等が搭載されている。
次に、前述した遊技制御基板31を収納する基板収納ケース200の詳細な構造について説明する。図4は、基板収納ケースを示す分解斜視図であり、図5は、(a)は基板収納ケースを示す平面図であり、(b)は基板収納ケースを示す斜視図であり、図6は、(a)はケースカバーを示す底面図であり、(b)はケース本体を示す平面図であり、図7は、(a)はケースカバーの要部を斜め下方から見上げた状態を示す斜視図であり、(b)はケース本体の要部を斜め上方から見た状態示す斜視図であり、図8は、図5(a)のA−A断面図であり、図9は、制御基板の封止状態の基板収納ケースを示す一部破断側面図であり、図10は、(a)は図9のB−B断面図であり、(b)は図9のC−C断面図である。
基板収納ケース200は、図4に示されるように、遊技制御基板31の裏面側を覆うケース本体としてのケース本体201と、遊技制御基板31の実装面31a側を覆うケースカバー202と、から構成され、遊技制御基板31を挟持するように組み付けられるものである。尚、遊技制御基板31は、後述するようにケースカバー202の裏面側に取り付けられた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納されるようになっている。
ケース本体201は、透明な合成樹脂からなり、図4及び図6(b)に示されるように、略長方形状に形成される底板201aと、該底板201aの周囲を囲むように形成された側壁203〜206と、により上面が開放する直方体状に成形されている。側壁205、206の内面には、図5に示される封止状態(閉鎖状態)において遊技制御基板31の裏面周囲を支持する上下方向を向く支持リブ207が複数形成されている。また、側壁203及び後述する閉塞壁216の内面における長手方向の中央位置には、ケースカバー202を位置決めするための上下方向を向く位置決め用リブ270が形成されている。
一方の短辺の側壁203は、特に図6(b)に示されるように、長手方向の略中央に位置する中央側壁203aと、該中央側壁203aの左右側方に位置する膨出壁203b,203cと、中央側壁203aと膨出壁203b,203cとを連接する連接壁203dと、により、平面視で略凹状に形成されている。つまり、これら膨出壁203b,203c及び連接壁203dにより、中央側壁203aの長手方向の左右側には、本体内部側から外側に向けて膨出する平面視略長方形状をなす膨出部208a,208bが形成されている。
膨出部208a,208bの内部は、ケース本体201の内部に形成される平面視略長方形状の基板収納空間S1(図6(b)中2点鎖線で示される領域)にそれぞれ連通する膨出空間S2,S3が形成されており、つまり内部が中空状に構成されており、一方の膨出部208aの膨出空間S2内には、後述する複数(本実施例では3本)の予備用ワンウェイネジ281を収納するネジ収納部209が設けられている。
ネジ収納部209は、図6及び図7(b)に示されるように、ケース本体201の底板201aから立設される側壁203よりも若干低い板状部209aと、該板状部209aの長手方向に向けて所定間隔おきに形成される複数の筒状部209bと、から構成される。各筒状部209bには、予備用ワンウェイネジ281のネジ部の直径よりも若干大径で、かつ、頭部の直径よりも小径の挿入孔209cが上方から所定深さ形成されており、挿入孔209cの上面開口から予備用ワンウェイネジ281を挿通して収納できるようになっている(図10(a)参照)。
板状部209aは、その長手方向の両端が、それぞれ側壁206及び連接壁203dの内面に連設されているとともに、膨出壁203bに対して平行に、基板収納空間S1と膨出空間S2とを区画するように配設されている。また、膨出壁203b,203cの下部には、後述するケースカバー202の係止爪251を係止可能な係止穴210がそれぞれ形成されている(図10(a)参照)。
予備用ワンウェイネジ281は、周知のように、一方向の回転によってネジを螺着することができるが、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのネジを緩めることができない機能を有するネジである(図4参照)。具体的には、外周に雄ねじ部が形成されたネジ部283と、該ネジ部283の上端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ部283の直径よりも頭部284の直径の方が大径になっている。尚、ワンウェイネジ280も予備用ワンウェイネジ281と同様に構成されているため、ここでの詳細な説明及び図示は省略することとする。
中央側壁203aの外側には、後述するワンウェイネジ280が螺入される複数(本実施例では4つ)のネジ孔211a〜211dが形成される第2被固着部212が形成されている。被固着部212は、図4及び図9に示されるように、中央側壁203aの外側における両連接壁203d,203d間に架設されるとともに、ネジ孔211a〜211dが長手方向に向けて所定間隔おきに形成された固着片212aと、該固着片212aの下面における各ネジ孔211a〜211dに対応する箇所から垂下される筒状部212bと、から構成され、ネジ孔211a〜211dは、固着片212aから筒状部212bにかけて所定深さに形成されている。
固着片212aは、中央側壁203a及び両連接壁203dに対向する3辺がそれぞれ側壁203に連設されているとともに、中央側壁203aの反対側の長辺が、膨出壁203b,203dと面一になるように形成されている。つまり、両サイドの膨出部208a,208bよりも外側に突出しないように形成されているため、誤ってケース本体201を落下した場合でも、第2被固着部212が両サイドの膨出部208a,208bにより保護されて損傷しないようになっている。
他方の短寸の側壁204は、図4及び図8に示されるように、その上端から内向きに連設される内向片204aと、該内向片204aの先端から下方に垂設される垂下片204bとが連設されており、これら側壁204、内向片204a及び垂下片204bの内面により、後述するケースカバー202の回動枢支片を係止する下向きに開口する被係止凹部215が長手方向に向けて形成されている。
また、底板201aにおける被係止凹部215の鉛直下方位置には開口が形成されているとともに、該開口端縁部からは、側壁204よりも高さが低い閉塞壁216が立設されており、特に図8に示されるように、封止状態においてケースカバー202の側壁下端と底板201aの上面との間を外側から被覆できるようになっている。
底板201aの下面には、図8に示されるように、パチンコ機1に設けられる基板収納ケース取付板(図示略)に取り付ける際に、該基板収納ケース取付板に係止可能な複数の取付板用係止爪217と、取り付けの際における位置決め用の位置決め片218とが突設されている。
ケースカバー202は、透明な合成樹脂からなり、図4及び図6(a)に示されるように、略長方形状に形成される上板202aと、該上板202aの周囲を囲むように形成された側壁230〜233とにより下面が開放する直方体状に形成されている。上板202aにおける側壁232側の一部は長辺方向に向けて下方に凹設されており、上板202aの一部に所定幅を有する帯状の凹部234が形成されている。この凹部234には、図4に示される遊技制御基板31の実装面31a上に複数実装されるケーブル接続用の各種コネクタ238を挿通可能なコネクタ用開口235,236,237がそれぞれ形成されている(図6(a)参照)。
凹部234の裏面は、後述するように遊技制御基板31が取り付けられた状態で、図4及び図8に示されるように該遊技制御基板31の実装面31aに限りなく近接するようになっており、コネクタ用開口235,236,237を介して各種コネクタ238の接続口239及び側面がケースカバー202の外部に露出されるようになっている。尚、各コネクタ用開口235,236,237は、これら開口端縁と各種コネクタ238の側面との間から針金等の異物や配線等が容易に進入されることがないように、開口端縁と各種コネクタ238の側面との間例えば約1mm以内の隙間となるように形成されている。
上板202aの裏面四隅には、図6(a)に示されるように、遊技制御基板31を取り付けるための基板取付ネジ239が取り付けられるネジ孔240aを有する取付用支柱240(図7(a)参照)が一方の対角線上に2つ突設されているとともに、取り付けの際に位置決め用の位置決め用凸部241(図7(a)参照)が他方の対角線上に2つ突設されており、ケースカバー202の裏面側に遊技制御基板31を取り付けできるようになっている。
遊技制御基板31を取り付けるには、図4に示されるように、遊技制御基板31の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口235,236,237から各コネクタ238が挿通されるように、遊技制御基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、遊技制御基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付ける。
このようにケースカバー202に遊技制御基板31を取り付けた状態において、前述したように、上板202aにおける凹部234の裏面に対向する実装面31aが近接した状態となる(図4及び図8参照)。これにより、各コネクタ用開口235,236,237の開口端縁と各種コネクタ238の側面との間から進入させた針金等の異物や配線等を、遊技制御用マイコン等が実装されている遊技制御基板31の中央部に向けて差し込むことが困難となるため、不正行為が効果的に防止される。
また、上板202aの裏面における凹部234以外の所定箇所には、後述するワンウェイネジ280の頭部284を被覆するキャップ244が複数吊支されたキャップ吊支体245(図4中拡大図参照)を保持する四角柱状のキャップ保持部246が凸設されている。このキャップ保持部246に保持されるキャップ吊支体245に吊支されているキャップ244は、封止の際に使用するワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の頭部284を被覆するものであり、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281と同数(4個)のキャップを有している。
また、キャップ保持部246は、図4に示されるように、各キャップ244を吊支する2つの筒状部245aを有しており、いずれか一方の筒状部245a内に柱状のキャップ保持部246内に嵌合することで保持されるようになっている。
尚、各キャップ244には下端に係止爪が形成された一対の係止片が設けられており、該係止爪を後述する被固着部255a〜255dの内面に形成された段部に係止することで、被固着部255a〜255dの上面開口を閉塞するように保持されるようになっている。
上板202aの上面には、図4に示されるように、パチンコ機1の機種名を記した機種名シール(図示略)を貼着するための機種名表示用凹部247が凹設されているとともに、遊技制御基板31を検査した際に書き込む「検査者」や「検査日」等の各項目が記された検査履歴シール(図示略)を貼着するための検査名表示用凹部248が凹設されている。
側壁230におけるケース本体201側の膨出部208a,208bに対応する箇所には、膨出部208a,208bよりもそれぞれ一回り小さい膨出部カバー250a,250bが外側に向けて膨出するように形成されている。つまり、これら膨出部カバー250a,250bは、封止状態において膨出部208a,208bを構成する膨出壁203b,203c及び連接壁203dよりも内側に入り込み、膨出空間S2,S3の上方を閉塞するように構成されている。
これら膨出部カバー250a,250bは、図6(a)及び図7に示されるように、内部が中空状に形成されており、一方の膨出部カバー250bの内部空間は、側壁230によりケースカバー202における基板収納空間と区画されて独立した空間となっているとともに、他方の膨出部カバー250aの内部空間は、側壁230における膨出部カバー250aに対応する箇所が切り欠かれていることにより、ケースカバー202の基板収納空間と連通している。
膨出部カバー250a,250bにおける膨出部208a,208bに形成された係止穴210に対応する壁部には、下端から上方に向けて切り欠かれた2本のスリットを介して弾性変形自在に構成された係止片252が形成されており、該係止片252の下端には、係止穴210に係止可能な外向きの係止爪251が形成されており、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において係止爪251が係止穴210に係止されるようになっている。
また、前述したネジ収納部209に対応する膨出部カバー250aの上壁裏面254には、膨出部カバー250aの長手方向に向けて延びるネジ規制用リブ253が下方に向けて垂設されている。詳しくは、ネジ規制用リブ253は、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において、ネジ収納部209の板状部209aの直上に該板状部209aと平行をなすように配置されるように、膨出部カバー250aの上壁裏面254における板状部209aとの対向位置から下方に向けて垂設されている。つまり、上壁裏面254における挿入孔209cの上面開口との対向位置から、該挿入孔209cの上面開口に向けて鉛直方向に向けて所定長さ延設されており、その下端が挿入孔209c内に挿入された各予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接する長さを有している(図10(a)参照)。
このように、上記封止状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253により、ネジ収納部209内に収納された予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの逸脱が防止されるようになっているため、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281が逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、基板を損傷させてしまうこと等が確実に防止される。
側壁203における両膨出部カバー250a,250bの間には、複数(本実施例では4つ)の四角筒状の被固着部255a〜255dが、ケース本体201の各ネジ孔211a〜211dに対向する箇所に複数形成されており、これら固着部により第1被固着部255が構成されている。
各被固着部255a〜255dは、図6及び図9、図10に示されるように、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281を挿通可能な四角柱状の筒状部256と、該筒状部256と側壁230とを連接する連接部257と、から構成されており、連接部257を介して筒状部256が側壁230から所定距離離間した状態で配置されているため、連接部257をニッパ等の工具で切断できるようになっている。
筒状部256は、上面が開口する有底の筒体であり、内部にワンウェイネジ280を収納可能な大きさを有しているとともに、底板258には、ワンウェイネジ280の頭部284の直径よりも小径の取付孔259が形成されている。この取付孔259は、封止状態において、各ネジ孔211a〜211dの対向位置に配置されるようになっている。
また、ケースカバー202の上板202a表面には、各被固着部255a〜255dそれぞれに対応する箇所に、後述するようにワンウェイネジ280及びワンウェイネジ281を用いて第1被固着部255及び第2被固着部212とを固着する順番、つまり、各被固着部255a〜255d及び各ネジ孔211a〜211dの使用順序を示す使用順番号(図4、図5中に示す「1,2,3,4」の白抜き数字参照)が印刷等により表示されている。
ケース本体201側の被係止凹部215が形成されている側壁204に対応する側壁231には、先端に被係止凹部215に係止可能な上向きの係止条260が長手方向に向けて延設された係止片261が外方に向けて延設されている。
また、図6(a)に示されるように、側壁230,231の下端における長手方向の中央位置には、ケース本体201側に設けられた位置決め用リブ270を挿通可能な略山形の切欠部271(図7(a)参照)が形成されており、ケースカバー202を閉鎖した状態において、該切欠部271内に位置決め用リブ270が入り込むことで、ケース本体201に対するケースカバー202の水平方向の位置決めがなされるようになっている。
次に、このように構成されたケース本体201及びケースカバー202により、遊技制御基板31を内部に収納して封止状態とする状況を説明する。
遊技制御基板31を封止状態で収納するには、まず、ケースカバー202の裏面に設けられたキャップ保持部246に、キャップ吊支体245を取り付けた後、遊技制御基板31をケースカバー202の裏面側に取り付ける。具体的には、図4に示されるように、前述したように、遊技制御基板31の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口235,236,237から各コネクタ238が挿通されるように、遊技制御基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、遊技制御基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付ける。
一方、ケース本体201の方は、ネジ収納部209の挿入孔209c内に、予備用ワンウェイネジ281を収納しておく。このとき、図4に示されるように、各挿入孔209cの上面開口の上方からネジ部283を挿入孔209c内に挿通するだけで、簡単に収納することができる。この収納状態において、図10(a)に示されるように、ネジ部283は挿入孔209c内に完全に収納され、頭部284のみが挿入孔209cの上面開口から外部に突出された状態で保持されているため、これら収納された予備用ワンウェイネジ281を使用する際において、頭部284を手で摘むだけで簡単に取り出すことができる。
次いで、遊技制御基板31が一体的に取り付けられたケースカバー202により、ケース本体201の上面開口を閉鎖する。具体的には、図8に示されるように、ケースカバー202の一方の短辺から外方に向けて突設された係止片260が下を向くようにケースカバー202を傾斜させた状態、すなわち、遊技制御基板31の裏面31bをケース本体201に対向させた状態で、ケース本体201における閉塞壁216の上端と垂下片204bの下端との間に係止片260を差し込む。そして、係止条260を被係止凹部215内に係止させた状態で、該係止部を中心としてケースカバー202を図中矢印方向に向けて向けて回転させ、ケースカバー202をケース本体201の側壁203〜206により囲まれた空間内に嵌め込む。
ここで、ケース本体201の膨出部208a,208bの膨出空間S2,S3内に膨出部カバー250a,250bが嵌め込まれて、両係止爪251がそれぞれ係止穴210の開口上端縁に係止される。これにより、ケースカバー202の一方の短辺側が係止条260と被係止凹部215とにより係止されるとともに、他方の短辺側が係止爪251と係止孔251とにより係止され、ケースカバー202がケース本体201に対して仮止めされる。尚、この状態では、係止穴210の外方からそれぞれの係止爪251を内側に向けて押し込むことで係止状態を解除することで、ケースカバー202を簡単に開放させることができる。
また、この状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253の下端が、ネジ収納部209に収納された3本の予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接した状態で配置されるため、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、遊技制御基板31の配線パターン等を傷つけて断線させてしまうこと等が防止される。
また、ケースカバー202の各側壁230〜233の下端が、ケース本体201の側壁203〜206の上端よりも下方に深く入り込んだ状態となるため、ケース本体201とケースカバー202との間から針金等の異物を進入しにくくなる。
また、ネジ収納部209は、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられているため、遊技制御基板31が基板収納空間S1内におけるネジ収納部209の上端よりも下方位置に配置された状態においても(図10参照)、ネジ収納部209と干渉することがない。
そしてこの状態において、ケース本体201の第2被固着部212の上方に、ケースカバー202の第1被固着部255が配置される。詳しくは、固着片212aの上面に各被固着部255a〜255dが載置されると、各ネジ孔211a〜211dと各取付孔259とが合致し、ワンウェイネジ280を挿通可能な状態となる。ここで、4つの被固着部255a〜255dのうち、いずれか1つの筒状部256(ここでは前述したようにケースカバー202に表示されている使用順番号「1」に対応する被固着部255aの筒状部256)の上面開口からワンウェイネジ280を挿入し、ネジ部283の先端を取付孔259に差し込んだ状態で、マイナスドライバー等の工具によりワンウェイネジ280を時計回りにねじ込む。
これにより、ネジ部283の外周に形成された雄ねじのねじ切り作用により、ネジ部283が取付孔259を貫通して、固着片212a及び筒状部212b内に貫通形成されたネジ孔211a内に螺入され、固着片212a及び被固着部255a、つまり第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイネジ280を介して固着(カシメ)される。
すなわち、ケースカバー202は、一方の短辺側が係止条260が被係止凹部215により係止され、他方の短辺側がワンウェイネジ280を介して固着されていることにより、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着されているため、遊技制御基板31は、実装面31a及び裏面31bがこれらケース本体201及びケースカバー202により被覆された状態で、基板収納ケース200内に封止状態で収納される。
尚、ワンウェイネジ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、周縁部に接着剤等を塗布したキャップ244を筒状体255aの上面開口に嵌め込んで(図5(b)参照)、頭部284の上面に形成された溝等を被覆することにより、ワンウェイネジ280を取り外しにくくすることができる。
この封止状態を解除してケースカバー202を開放しようとする場合、前述したようにワンウェイネジ280を反時計回りに回して取り外すことはできないため、ケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、あるいは、連接部257をニッパ等の工具により切断し、固着片212aにワンウェイネジ280を介して固着されている被固着部255aの筒状部256をケースカバー202から切り離すしかない。
つまり、破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、封止状態を解除してケースカバー202を開放した場合には、破壊または切断の痕跡が残ることになるため、例えば不正行為によりケースカバー202が開放された場合でも、早期のうちに不正行為が行われたことを発見することができる。これにより、万が一不正な遊技プログラムが格納されたROMを有する遊技制御基板等にすりかえられた場合でも、早期に発見して対処することができるため、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
次に、第2被固着部212と第1被固着部255とをワンウェイネジ280を介して固着して封止状態を構成した後、遊技制御基板31の故障や検査等により遊技制御基板31を取り出すために封止状態を解除し、再度封止状態とする場合について説明する。
尚、このようにネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを複数形成し、繰り返し封止状態とすることができるようにするのは、例えばメーカーが遊技制御基板31を遊技店等に出荷する際に、遊技制御基板31を基板収納ケース200内に封止状態で収納するために、1つのネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用した後、遊技店において、上記のように遊技制御基板31が故障して交換する場合や検査等を行うために遊技制御基板31を取り出す場合等において、封止状態を解除することがある。その後再度封止状態とする際に他のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用するため、これらが第2被固着部212及び第1被固着部255が複数必要となる。
まず、ケースカバー202を開放したときに、キャップ吊支体245からキャップ244を1つ分離して取り出しておくとともに、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281を1本取り出しておく。そして、前述と同様に、ケース本体201の上面開口をケースカバー202により閉鎖する。ここで、まだ連接部257が切断されていない被固着部255b〜255dのうちいずれかの筒状部(例えば前述した使用順番号「2」に対応する被固着部255b)に予備用ワンウェイネジ281を挿入し、ネジ孔211bに螺入することで、前述と同様に第2被固着部212と第1被固着部255とを固着して封止状態を構成することができる。
このように、第2被固着部212としてのネジ孔211a〜211d及び第1被固着部255としての被固着部255a〜255dが複数設けられているため、ケース本体201やケースカバー202の一部を破壊することなく連接部257を切断するだけで、基板収納ケース200を交換すること等なく、封止状態を解除した後でも、封止状態を複数回繰り返し構成することができる。
以上説明したように、本発明の実施例1としての基板収納ケース200にあっては、複数のうち少なくとも一対の第1被固着部としてのネジ孔211a〜211d及び第2被固着部としての被固着部255a〜255d同士を固着部材としてのワンウェイネジ280により固着することで、遊技制御基板31を封止状態とすることができるとともに、基板収納ケース200を破壊するかもしくは固着されたネジ孔211a〜211dの連接部257を切断することで、封止状態を解除してケースカバー202を開放することができる。さらに連接部を切断するなどして封止状態を解除した後でも、未使用の一対のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255d同士を予備用ワンウェイネジ281により固着することで、再度遊技制御基板31を封止状態でケース内部に収納することができる。
また、基板収納ケース200を開放することにより、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口が開放されるため、予備用ワンウェイネジ281をネジ収納部209に簡単に収納及び取り出すことができるとともに、ネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281は、遊技制御基板31の封止状態においてネジ収納部209からの逸脱が、規制部としてのネジ規制用リブ253の下端との当接により規制されるため、逸脱した予備用ワンウェイネジ281により遊技制御基板31が損傷することを防止できる。
さらに、ネジ規制用リブ253が、膨出部カバー250aの上壁裏面254からネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に向けて下方に延設されていることで、ネジ収納部209の配設位置が、ケースカバー202やケース本体201の形状により制限されたり、あるいはケースカバー202やケース本体201の形状をネジ収納部209の配設位置に合わせて形成する必要がないので、基板収納ケース200の設計が煩雑になることを回避できる。
具体的は、例えばネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281の頭部284からケースカバー202の裏面までの距離が、予備用ワンウェイネジ281の長さよりも大きい場合には、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱する虞がある。そこで、例えばケースカバー202におけるネジ収納部209に対応する箇所を該ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に極力近接させようとすると、ケースカバー202全体の形状、あるいはネジ収納部209の配設位置を設計変更しなければならないが、ケースカバー202の裏面所定箇所からネジ規制用リブ253を延設することで、ケースカバー202全体の形状やネジ収納部209の配設位置を設計変更しないで済む。
また、ネジ規制用リブ253は、3つの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を規制できるように、上壁裏面254の長手方向にわたって延設されていることで、膨出部カバー250aの強度が高まる。これにより、例えばケースカバー202を過って床等に落下させてしまった場合等において、膨出部カバー250aが破壊されにくくなるので、その側方に設けられる第1被固着部255の保護作用が効果的に高まる。
また、第2被固着部212及び第1被固着部255の前後側方に膨出部208a,208bが設けられることで、いずれか一側方のみに設けられている場合に比べて、これら第2被固着部212及び第1被固着部255がより効果的に保護される。
また、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209は、複数本の予備用ワンウェイネジ281をまとめて収納可能であるため、各ネジ孔211a〜211dや各被固着部255a〜255dそれぞれの近傍に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくよりも、ケース本体201の構造を簡素化することができるばかりか、予備用ワンウェイネジ281の管理が容易になる。
また、ケース本体201の側壁203の一部に膨出部208aが形成され、該膨出部208aの側方に第2被固着部212が設けられることにより、過って基板収納ケース200を床等に落下させた場合等においても、ネジ孔211a〜211dや被固着部255a〜255dが容易に破損することが防止されるとともに、膨出部208aの内部に形成された膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくことができるため、膨出部208aを有効に利用することができるばかりか、遊技制御基板31を内部に収納または取り出す際に予備用ワンウェイネジ281が邪魔になることがないように収納しておくことができる。
つまり、膨出部208aと第2被固着部212とが、ケース本体201における一側辺の長手方向に向けて直線状に配設されるとともに、特にネジ孔211a〜211dとネジ収納部209とが一側辺に沿うように配置されることで、ケース本体201外形に凹凸部が形成されることがないので、ケース本体201の構造を簡素化できるばかりか、保管や輸送時における収納性が向上する。
また、ネジ収納部209は、ケース本体201の内部における基板収納空間S1から外側に張り出すように設けられた膨出空間S2内、すなわち、遊技制御基板31の封止状態において遊技制御基板31と上下方向に重合しない位置に配設されているとともに、遊技制御基板31は、膨出空間S2内に張り出さないように設けられていることで、予備用ワンウェイネジ281の収納及び取り出しの際に遊技制御基板31と干渉することがない。
さらに、予備用ワンウェイネジ281は、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口を介して内部に挿入される挿入部であるネジ部283と、該ネジ部283の一端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ収納部209は、予備用ワンウェイネジ281を収納した状態において、頭部284が挿入孔209cの上面開口の外部に突出した状態で保持されるように構成されていることで、予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの取り出しが容易になる。
また、遊技制御基板31は、複数の電子部品及びコネクタ238が実装される実装面31aと該実装面31aと反対側の裏面31bとを有し、ケースカバー202は、コネクタ238に対応する箇所に、該コネクタ238の接続口238aをケース外部に開放するためのコネクタ用開口235,236,237が形成されるとともに、遊技制御基板31を取り付け可能に構成され、遊技制御基板31は、実装面31aをケースカバー202により被覆し、かつ、裏面31bをケース本体201に対向させた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納されるため、基板収納ケース200を開放しても、実装面31aがケースカバー202により覆われた状態で遊技制御基板31が取り付けられていることで、ケースカバー202からの遊技制御基板31の取り外しに時間がかかり、電子部品やコネクタ238等に対する不正行為を行いにくくなる。
次に、本発明の実施例3としての基板収納ケース200’’について、図15〜図20に基づいて説明する。図15は、本発明の実施例3としての基板収納ケースを示す分解斜視図であり、図16は、(a)は基板収納ケースを示す平面図であり、(b)は基板収納ケースを示す斜視図であり、図17は、(a)はケースカバーを示す底面図であり、(b)は(a)のE−E断面図であり、図18は、ケース本体を示す平面図であり、図19は、ケースカバーをスライドさせて閉鎖する状況を示す基板収納ケースの要部斜視図であり、図20は、(a)は図16(a)のF−F断面図であり、(b)は図16(a)のG−G断面図である。
実施例1における基板収納ケース200は、2つのうち一方の短辺側を中心として、ケース本体201に対してケースカバー202を回動させることによりケースカバー202を開閉することができ、実施例2における基板収納ケース200’は、左右の短辺に設けられた第2被固着部212及び第2被固着部により2辺を固着するものであったが、本実施例3の基板収納ケース200’’は、ケース本体201に対して平行に、ケースカバー202を長手方向にスライド移動させることでケースカバー202を開閉するものである。
以下、本実施例3の基板収納ケース200’’において、前記実施例1の基板収納ケース200と相違する点を、図15〜図20に基づいて説明する。尚、本実施例3において、実施例1の基板収納ケース200と同様の構成部位に関しては、同様の符号を付すことでここでの詳細な説明は省略することとする。
図15及び図18に示されるように、ケース本体201の側壁205,206には、ケースカバー202側に設けられる後述するガイド片355をガイドするガイド溝300が、それぞれ長手方向に渡って一定間隔おきに複数(本実施例では3つ)形成されている。ガイド溝300は、ガイド片355を側壁205,206の長手方向に向けて平行にガイドする直線状の水平溝350aと、該溝350aの一端から側壁205,206の上端に向けて形成される水平溝350aよりも幅広の垂直溝350bとから、側面視で略L字形をなすように形成されている。
また、側壁205,206の内側には、底板201aの上面から立設された閉塞壁358が、側壁205,206に沿って長手方向に渡って延設されており、この閉塞壁358と側壁205,206との間に形成される上向きに開口する凹溝内には、後述するケースカバー202のガイドカバー部354における内板354bの下端が嵌合されるようになっており(図20(c)参照)、これにより、内板354bの下端と底板201aの上面との間からの異物の進入を防止している。
側壁203側には、基板収納ケース200と同様に、内部に膨出空間S2,S3を有する膨出部208a,208b、第2被固着部212、ネジ収納部209がそれぞれ形成されている。尚、第2被固着部212の固着片212aは、中央側壁203aの上端と同高さ位置に形成されているとともに、固着片212aの長手方向の一端側が膨出部208bの上方まで延設されており、膨出部208bの膨出空間S3の上方を被覆するカバー部351とされている。
側壁203と反対側の短辺には、側壁204に相当する側壁はなく、側壁203と反対側の短辺は開放されており、ケースカバー202の側壁により閉鎖されるようになっている。底板201aにおける側壁203と反対側の短辺からは、後述するケースカバー202の側壁231の下部に設けられた横長のスリット360(図20(a)参照)に差し込み可能な差込片352,352を先端に有する水平片353が形成されている。
一方、ケースカバー202は、図15及び図17に示されるように、側壁232,233のさらに外側に、ケース本体201の側壁205,206の上端にそれぞれ嵌合可能なガイドカバー部354,354が形成されている。このガイドカバー部354は、特に図14(b)に示されるように、外板354a、内板354b、上板354cにより、縦断面下向き凹状に形成されており、ケースカバー202によりケース本体201を閉鎖する際に、これら外板354a、内板354b、上板354cにより囲まれた内部空間にケース本体201の側壁205,206の上端を嵌合した状態で、ケース本体201に対してケースカバー202を長手方向に向けてスライド移動できるようになっている。
ガイドカバー部354の内部における上記各ガイド溝300に対応する箇所には、ガイド溝300の水平溝300a内に嵌合可能な水平方向を向くガイド片355が、その両端を外板354a及び内板354bの内面における上板354cの下方所定箇所に固着されて設けられている。つまりガイド片355は、上板354cから離間した下方位置に配置されている。尚、上板354cにおける各ガイド片355の直上位置には、ガイド片355を成形するための成形用開口356が形成されている。
側壁230には、4つの被固着部255a〜255dからなる第1被固着部255が設けられているとともに、膨出部208aに対応する箇所には、該膨出部208aの上方を被覆するための膨出部カバー357が突設されている。この膨出部カバー357は、庇片357aと、その前後両端から垂下される垂下片357bと、から構成されており、後述するようにケースカバー202をスライドさせる際に、先端開口からネジ収納部209を挿入できるようになっている。
他方の側壁231は、前述したように、ケース本体201の一方の短辺開口を閉塞可能な上下幅を有しており、その下部には、前述した差込片352,352が差し込まれるスリット360(図20(a)参照)が2箇所に形成されており、ケースカバー202の閉鎖状態において、ケースカバー202の側壁231側が差込片352により係止されて浮き上がりが防止されるようになっている。また、このスリット360の上方には、庇片231a(図20(a)参照)が長手方向に渡り延設されているため、ケースカバー202の上方から差込片352,352を容易に切断してケースカバー202を開放することができないようになっている。
次に、ケース本体201の上面開口をケースカバー202により閉鎖する状況について、図19及び図20に基づいて説明する。
まず、実施例1の基板収納ケース200と同様に、遊技制御基板31をケースカバー202の裏面側に取り付け、かつ、予備用ワンウェイネジ281をネジ収納部209に収納した状態で、ケース本体201に対して遊技制御基板31の裏面31bを対向させた姿勢で、かつ、各ガイド片355を各ガイド溝300の開口直上に配置した状態で、ケースカバー202をケース本体201に向けて下降させる。尚、この際にケースカバー202の上方からは各ガイド片355は見えないが、その直上に配置される成形用開口356を目安としてガイド片355をガイド溝300の開口直上に配置することができる。
そして、図20(a)中2点鎖線で示されるように、ガイド溝300の開口からガイド片355が垂直溝350b内に遊挿された状態において、ケースカバー202は、ケース本体201に対して長手方向に若干ずれた位置に配置される。この状態において、側壁205,206の上端にガイドカバー部354が嵌合する。
この状態から、ケースカバー202を側壁230側に向けて水平に押し込む(図19参照)。このとき、ケースカバー202は、側壁205,206の上端に嵌合されたガイドカバー部354により移動方向に対する左右方向のブレが防止される。そして、図20(a)中実線で示されるように、ケースカバー202の側壁231に形成されたスリット360内に差込片352が差し込まれて水平片353の端面が側壁231の内面に当接し、かつ、図20(b)に示されるように、膨出部カバー357の庇片357aの先端がケース本体201の膨出壁203bの内面にて当接することで、ケース本体201に対するケースカバー202のスライド移動が規制され、該ケースカバー202が閉鎖位置に位置決めされる。
また、ガイド片355は、ケースカバー202のスライド移動に伴い、垂直溝350bから直線溝350a内に入り込むため(図20(a)参照)、閉鎖位置において、直線溝350aの上方の側壁206により上方への移動、つまり浮き上がりが確実に防止される。
また、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209に収納されている予備用ワンウェイネジ281の頭部284の直上に庇片357aが近接配置されるため、ネジ収納部209からの予備用ワンウェイネジ281の逸脱が防止される。
その後、4つの被固着部255a〜255dのうちいずれか1つの筒状部(ここでは被固着部255a)の上面開口からワンウェイネジ280を挿入し(図16(b)参照)、ネジ部283の先端を取付孔259に差し込んだ状態で、マイナスドライバー等の工具によりワンウェイネジ280を時計回りにねじ込み、第2被固着部212と第1被固着部255とをワンウェイネジ280を介して固着(カシメ)する。
このように、本実施例3の基板収納ケース200’’にあっては、ケース本体201に対してケースカバー202を水平方向にスライド移動させることにより、ケースカバー202を簡単に開閉することができる。また、その他の構成部位は前記実施例1の基板収納ケース200と同様であるため、実施例1と同様の作用・効果を奏する。
次に、上記実施例1〜3において適用された遊技制御基板31の配線パターンについて、図21を用いて説明する。図21は、(a)は遊技制御基板の実装面31aの要部を示す図であり、(b)は遊技制御基板の裏面31bの要部を示す図である。
各種コネクタ238は、図21(a)に示されるように、遊技制御基板31の実装面31a上に配設されている。具体的には、接続口238aを上方を向くとともに、コネクタ238の裏面から複数突設された端子(図示略)を、遊技制御基板31に貫通形成された端子挿通孔400内に実装面31a側から挿通し、該端子挿通孔400を介して裏面31b側に突出した端子を半田により溶着して固定するようになっている。
実装面31a上における各種コネクタ238の周囲(具体的には、ケースカバー202に形成されるコネクタ用開口235,236,237に対応する領域)には、各コネクタ238の端子と接続される配線パターン401は形成されておらず、これら配線パターン401は、裏面31bにおける各端子挿通孔400から延設されている(図21(b)参照)。
ここで、例えば各コネクタ238の本体側面とコネクタ用開口235,236,237の開口端縁との間に形成される僅かな隙間から、不正な電子部品から延設された配線等を挿通されて配線パターン401に接続され、不正な信号等が遊技制御用マイコン内に出力される虞があるが、このように配線パターン401を裏面31b側に形成することで、コネクタ用開口235,236,237、すなわちケースカバー202との対向面である実装面31a上に配線パターン401を形成する場合と比較して、不正な電子部品からの配線を配線パターン401に接続される可能性が低くなる。よって、遊技制御用マイコン内に不正な信号等を入力するといった不正行為を効果的に抑制することができる。
また、遊技制御基板31を封止状態で収納する基板収納ケース200,200’,200’’は、図2に示されるように、ケースカバー202を外方に向けた状態でパチンコ機1の背面側に取り付けられる。つまり、遊技制御基板31は、実装面31aが外方を向いた状態で取り付けられるため、実装面31aに対して不正行為を行う場合に比較して、裏面31bに対して不正行為を行う場合の方がより不正行為が困難となるため、不正行為を抑制できる。
次に、本発明の変形例1〜5について、図22〜図26に基づいて説明する。
尚、以下の変形例1〜5において、実施例1の基板収納ケース200と同様の構成部位に関しては、同様の符号を付すことで各変形例での詳細な説明は省略することとする。
(変形例1)
図22は、(a)は本発明の変形例1としての遊技制御基板及び基板収納ケースを示す要部平面図であり、(b)は(a)のI−I断面図である。
本変形例1の基板収納ケース1200は、ケース本体201の側壁203に膨出部等が形成されておらず、平面視長方形状の側壁203〜206が形成されている。従ってネジ収納部209は、側壁203の長手方向の一端側に偏った状態で側壁203に沿って設けられている。このように、ネジ収納部209は膨出部内に設けられていなくてもよく、この場合、遊技制御基板31におけるネジ収納部209に対応する箇所に切欠部31aを形成し、遊技制御基板31とネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281とが上下方向に重合し、互いに干渉することがないようにすることが好ましい。
また、本変形例1におけるネジ規制用リブ253’は、ケースカバー202の裏面所定箇所から下方のネジ収納部209に向けて延設されている。このようにネジ規制用リブ253’は、必ずしも膨出部を覆う膨出部カバーの裏面から延設されているものでなくてもよく、ケースカバー202の本体部裏面から延設されていてもよい。
(変形例2)
図23は、(a)、(b)は本発明の変形例2としての遊技制御基板及び基板収納ケースを示す要部断面図である。
前記実施例1〜3において、ネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281は、ケースカバー202の裏面所定箇所からネジ収納部209に向けて延設された規制部としてのネジ規制用リブ253により、ネジ収納部209からの逸脱が規制されるようになっていたが、例えば図23(a)(b)に示されるように、基板収納ケース200内に収納される遊技制御基板31の一部により規制されるようにしてもよい。
尚、図23(a)の場合、ケースカバー202を開放することで、該ケースカバー202とともに遊技制御基板31もなくなるため、ケースカバー202を開放することで簡単に予備用ワンウェイネジ281を取り出すことができる。
また、前記実施例1〜3において、ネジ収納部209はケース本体201に設けられていたが、図23(b)に示されるように、ネジ収納部209をケースカバー202側に設けてもよい。
(変形例3)
図24は、(a)は本発明の変形例3としてのケース本体及びネジ収納部を示す要部断面図であり、(b)は図1の要部拡大平面図である。
前記実施例1〜3において、ネジ収納部209は、ケース本体201に形成された膨出部208aの膨出空間S2内に固設されていたが、図24(a)に示されるように、板状部209a及び筒状部209bとからなる一体のネジ収納部材を、ケース本体201やケースカバー202に対して取り外し自在に取り付けできるようにしてもよい。
図24(b)に示されるように、側壁206及び連接壁203dそれぞれの内面には、上下方向に向けて一対の垂直条420,420が延設されており、これら一対の垂直条420,420間に形成された凹溝内に、ネジ収納部材の板状部209aの長手方向両端を嵌合可能としておけば、ネジ収納部材を膨出空間S2に対して取り出し及び取り外し自在とすることができる。このようにすることで、例えば複数本の予備用ワンウェイネジ281を収納する際において、ケース本体201から取り出した状態でネジ部283を挿入孔209c内に挿入することができるため、作業性が向上する。
尚、本変形例3では、このようにネジ収納部209を構成するネジ収納部材をケース本体201やケースカバー202に対して着脱自在に設けるために、上下方向を向く一対の垂直条420,420間に形成された凹溝内に嵌合できるようにしていたが、例えば弾性変形可能な係止爪による係止や、ネジ等の取付部材等により着脱自在に設けてもよい。
(変形例4)
図25は、(a)は本発明の変形例4としてのケース本体及びネジ収納部を示す要部断面図であり、(b)は(a)のJ−J断面図である。
前記実施例1〜3において、ケース本体201における第2被固着部212の長手方向の両側には、ネジ収納部209が設けられる膨出部208a及びネジ収納部209を有しない膨出部208bがそれぞれ形成されていたが、図25(a)に示されるように、第2被固着部212が設けられた一側辺に1つの膨出部208aのみを形成し、該膨出部208内にネジ収納部209を設けるようにしてもよい。具体的には、側壁203の長手方向の一端側に第2被固着部212を設け、他端側に膨出部208aを形成する。
また、前記実施例1〜3において、ケース本体201の内部空間は、基板収納空間S1及び該基板収納空間S1に連通する膨出空間S2,S3とを有しており、これら空間は区画されていなかったが、基板収納空間S1内に配設される遊技制御基板31と、膨出空間S2内に配設されるネジ収納部209との間に、図25(a)(b)に示されるように、底板201aの上面から立設され、基板収納空間S1と膨出空間S2とを仕切るように配設される仕切り壁430を形成してもよい。
このように仕切り壁430を立設することにより、万一予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱しても、該予備用ワンウェイネジ281が基板収納空間S1内に入り込むことを防止できる。
(変形例5)
図26は、(a)は本発明の変形例5としてのケース本体及びネジ収納部を示す要部断面図である。
前記実施例1〜3において、ネジ規制用リブ253は、ケースカバー202の膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方のネジ収納部209に向けて延設されていたが、ネジ規制用リブ253は、必ずしも膨出部を覆う膨出部カバー250aの上壁裏面254から延設されているものでなくてもよく、ケースカバー202の本体部内面における傾斜面431等から延設されていてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例1〜3では、ネジ収納部209からの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を当接規制する規制部としてのネジ押さえ片357は、封止状態においてケースカバー202におけるネジ収納部209の直上位置、すなわち収納口との対向面から下方に向けて延設されていたが、封止状態においてネジ収納部209からの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を当接規制可能であれば、ネジ押さえ片357の端部とケースカバー202の内面との連接位置は収納口との対向面に限定されるものではなく、対向面以外の箇所、例えば膨出部カバー250aの内面側方から水平方向に延設されていてもよい。
また、前記実施例1〜3では、ネジ押さえ片357が、膨出部カバー250aの内面における長手方向にわたって延びる板状に構成されていたが、各予備用ワンウェイネジ281をそれぞれ個別に当接規制可能な柱状部材にて構成されていてもよい。
また、前記実施例1〜3では、ネジ収納部209が予備用ワンウェイネジ281のネジ部283を挿入可能な挿入孔209cにて形成され、収納時において頭部284が外部に突出するようになっていたが、予備用ワンウェイネジ281全体が収納されるように構成されていてもよい。
また、前記実施例1〜3では、膨出部208aは、平面視略長方形状に形成されていたが、形状は種々に変形可能であり、例えば半円形状等に形成されていてもよい。
また、前記実施例1〜3では、膨出部カバー250aは膨出部208aの周壁内側に嵌まり込むように構成されていたが、周壁の外側に嵌まり込むようにしてもよい。
また、前記実施例1〜3の基板収納ケースは、遊技機の一例であるパチンコ機1に設けられるものであったが、スロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
また、前記実施例1〜3では、基板収納ケースは遊技制御基板31を内部に収納可能なケースとして説明してきたが、内部に収納する制御基板は上記遊技制御基板に限定されるものではなく、例えば賞球制御基板37や表示制御基板80等を収納するケースであってもよい。
また、前記実施例1〜3では、主に基板収納ケースが開放されて遊技制御基板31が不正な制御基板に交換されること等を防止するための構造を記載してきたが、例えば制御基板を含む基板収納ケースごと遊技機から取り外されて制御基板や基板収納ケースが交換されることを防止することを目的として、例えばケース本体201及びケースカバー202のうちの一方または双方の所定箇所に、製造番号や固有の識別番号(ID)等が記憶されたICタグ等を設けておき、該ICタグに記憶されている正規な製造番号や固有の識別番号(ID)等を所定の読み取り装置により適宜読み出して遊技店側等で確認できるようにすることで、制御基板を含む基板収納ケースそのものが不正に交換されることを防止するようにしてもよい。
さらにこの場合、このようなICタグを、例えばケース本体201とケースカバー202とを跨ぐように貼着され、ケースカバーを開放したときには破断して再封印することができない脆性体からなるいわゆる封印シールに一体的に設けたり、あるいは該封印シールによりケース本体やケースカバーに貼着することが好ましい。このようにすれば、ICタグ自体が不正なICタグに交換されたり、紛失していることを読み取り装置により判定できるため、早期のうちに対処できる。また、製造番号や固有の識別番号(ID)等をこのような封印シールに視認可能に印刷してもよい。