JP5112684B2 - 基板収納ケース - Google Patents

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Description

本発明は、ケース本体とケースカバーとからなり、遊技機に設けられる制御基板を封止状態で内部に収納可能な基板収納ケースに係わり、特に該制御基板に実装される基板側コネクタに接続される配線側コネクタの抜脱を規制するコネクタ規制部材を備える基板収納ケースに関する。
従来、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機には、遊技の制御を行う遊技制御基板等、多数の制御基板が設けられており、これら制御基板には、CPU、RAM、ROM等の電子素子が多数実装されている。遊技動作を制御するプログラムは、遊技制御基板に実装されたROMに格納されており、該ROMを交換することにより遊技内容を容易に変更できるため、この種の遊技制御基板は、通常、ケース本体とケースカバーとからなる基板収納ケース内に収納した状態で遊技機に設けられる。特にこの基板収納ケースは、ケースカバーを開放した際にはその痕跡が残るように、制御基板を収納した状態でケース本体とケースカバーとを封止できるようになっており、これによりケースカバーの開放を防止してROMの交換等の不正行為を抑制している。
一方、このような制御基板には、ハーネス側コネクタが接続される基板側コネクタが設けられているが、このような基板側コネクタからハーネス側コネクタを容易に抜脱できるようになっていると、正規な部品が接続されたハーネスを抜いて、正規以外の不正部品が接続されたハーネスが接続される虞がある。このように不正なハーネス交換が行われると、遊技機の出球率が不正な値に変更される等の不正行為が行われ、公正な遊技の提供ができなくなる虞があるという問題があった。
そこで、基板側コネクタからのハーネス側コネクタの抜脱を防止するコネクタ抜脱防止装置として、基板収納ケースを構成するケースカバーの内部を延びて該ケースカバーの両側面に形成された孔部から延出する支持本体部と、該支持本体部の両端から延設されてケース本体の後面に係止可能な係止部と、からなり、該係止部に、ハーネス側コネクタの両側に当接するとともに、該ハーネスを内側に挿通可能とした移動規制部材を設けたもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−181031号公報(第6−7頁、第3−5図)
しかしながら、上記特許文献1に記載のコネクタ抜脱防止装置にあっては、前記支持本体部がケースカバーの内部を挿通するように設けられるものであることで、基板側コネクタに接続したハーネス側コネクタのハーネスだけでなく、支持本体部をケース内部から外部に向けて挿通させる必要があるため、ケースカバーの側面に形成する孔部を大きくする必要があった。
また、例えば基板側コネクタが、ハーネス側コネクタとの接続口がケースカバーの上面側を向いた状態で制御基板に実装されている場合にあっては、ケースカバーの側面に支持本体を挿通させる孔部を形成するとともに、この孔部とは別個に、ハーネス側コネクタのハーネスを挿通させるためのハーネス挿通用の孔部を形成する必要がある。さらに、このコネクタ抜脱防止装置は、ケース本体とケースカバーとを封止する前の段階で、基板側コネクタにハーネス側コネクタを接続した状態で装着するものであり、前記ハーネス挿通用の孔部にハーネスを挿通させておく必要があるため、このハーネス挿通用の孔部は、基板側コネクタに接続する一方のハーネス側コネクタと反対側の他方のハーネス側コネクタを挿通可能な大きさに形成するか、あるいはハーネスをケースカバーの側面端部から挿通させるためのスリット等を連設しなければならない。
このようにケースカバーに形成する孔部やスリット等が大きくなると、ケース外部からケース内部に不正器具等を進入させやすくなるため、制御基板に搭載された電子素子に不正な改造等が施される可能性が高まるという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、制御基板に対する不正器具等の進入を防止でき、かつ、基板側コネクタからの配線側コネクタの抜脱を防止することができる基板収納ケースを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の基板収納ケースは、
ケース本体(201)とケースカバー(202)とからなり、遊技機(パチンコ機1)における遊技の制御を行う遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)を有する制御基板(遊技制御基板31)を封止状態で内部に収納可能な基板収納ケース(200)であって、
前記制御基板は、該制御基板とは異なる他の基板から延出された配線(291a〜291c)に設けられた配線側コネクタ(290a〜290c)が接続される基板側コネクタ(238a〜238c)及び電子部品(CPU,RAM,ROMや回路等)が実装される実装面(31a)を有し、
前記ケースカバーは、前記実装面を被覆するように前記制御基板を取り付け可能に形成された基板取付部(取付用支柱240,ネジ孔240a,位置決め用凸部241)と、前記基板取付部に取り付けられた前記制御基板における前記基板側コネクタに対応する箇所に形成され、該基板側コネクタにおける少なくとも前記配線側コネクタとの接続部(接続口238d)をケース外部に開放可能とするコネクタ用開口(236a〜236c)と、を有し、
前記基板側コネクタに接続された配線側コネクタの抜脱を該配線側コネクタとの当接により規制する当接規制部(上板500a)を有するコネクタ規制部材(500)を備え、
前記コネクタ規制部材(500)は、前記封止状態において前記コネクタ規制部材を前記ケースカバーから離脱不能に保持する規制部材保持手段(垂直板500b,下板500c)を有し
記規制部材保持手段は、前記封止状態において前記ケース本体(201)の側壁(205)と前記ケースカバー(202)との間に形成される間隙部(505)に差し込まれて配置される差込片部(垂直板500b)と、該差込片部から垂直方向に延設された前記ケース本体(202)の底板上面に載置され前記実装面(31a)の裏面に配置される係止部(下板500c)と、により構成され、
前記規制部材保持手段の少なくとも一部は、前記封止状態において前記ケース本体(側壁205)及び前記ケースカバーにより被覆される、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、制御基板をケースカバーの基板取付部に取り付けることにより、基板側コネクタがコネクタ用開口を介して外部に開放されるとともに、該開放された基板側コネクタに配線側コネクタを接続した状態で、ケースカバーの外側にコネクタ規制部材を配置して規制部材保持手段により保持することで、配線側コネクタの抜脱が当接規制部により規制される。このように、ケースカバーに基板側コネクタに接続された配線側コネクタと反対側の配線側コネクタを挿通するための大きな挿通口等を形成しなくても、ケースカバーの外側にコネクタ規制部材を装着することができるため、コネクタ規制部材の強度低下が防止される。また、規制部材保持手段は、封止状態とされたケース本体及びケースカバーにより被覆されることで、封止状態を解除するかコネクタ規制部材またはケースの一部を破壊しない限り保持状態を解除することができなくなり、封止状態を解除したりケースを破壊するなどして配線側コネクタを抜脱した際にはその痕跡が残り、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができるようになるとともに、規制部材保持手段として特殊な保持部材等を用いたり、保持構造を複雑化することなく、基板側コネクタに正規以外の不正部品が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。また、ネジ等の保持部材を使用することなく、差込片部を間隙部に差し込んだ状態で封止状態とするだけで、係止部の係止作用により差込片部が抜脱不能に保持されるため、保持作業が容易になり、コネクタ規制部材を安定的の保持できる。
本発明の請求項2に記載の基板収納ケースは、請求項1に記載の基板収納ケースであって、
前記制御基板(遊技制御基板31)の実装面(31a)には、前記基板側コネクタ(238a〜238c)が複数実装されており、
前記当接規制部(上板500aは、前記複数の基板側コネクタそれぞれに対応して複数設けられている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、複数の配線側コネクタそれぞれに対応する複数の当接規制部を個別に形成する必要がないとともに、複数の配線側コネクタをまとめて当接規制することができるため、保持作業の手間が軽減される。
本発明の請求項3に記載の基板収納ケースは、請求項1または2に記載の基板収納ケースであって、
前記コネクタ規制部材(500は、
前記配線側コネクタ(290a〜290c)を被覆可能な被覆面(上板500aと、
前記被覆面に形成され、前記配線側コネクタから延出される配線を外方に向けて挿通可能、かつ前記配線側コネクタを挿通不可能な大きさに形成される配線挿通口(配線挿通用開口503a〜503c)と、
前記被覆面の端部から前記配線挿通口内に前記配線を挿通可能とするスリット(配線挿通用スリット504a〜504c)と、
を有し、
前記当接規制部は、前記被覆面における前記配線挿通口の周縁部にて構成されている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、配線側コネクタが被覆されることで、基板側コネクタと配線側コネクタとの接続部に対する不正行為が困難となるとともに、コネクタ規制部材に配線側コネクタを挿通するための大きな挿通口を形成する必要がないので、不正行為を効果的に防止することができる。
本発明の請求項に記載の基板収納ケースは、請求項に記載の基板収納ケースであって、
前記規制部材保持手段(垂直板500b,下板500cは、前記ケースカバー(202)に形成された係止穴(502)に係止可能な係止爪(501)が形成されている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、係止爪がケースカバーの係止穴に係止されることで、コネクタ規制部材が変形や破損しにくくなるので、抜脱を確実に防止することができる。
本発明の請求項に記載の基板収納ケースは、請求項に記載の基板収納ケースであって、
前記ケースカバー(202)の被覆面(上板220)は、前記実装面(31a)に近接もしくは当接する位置に設けられる第1の被覆面(低被覆面部220a)と、該第1の被覆面よりも前記実装面から離間した位置に設けられる第2の被覆面(高被覆面部220b)と、前記第1の被覆面と前記第2の被覆面とを連設する第3の被覆面(傾斜被覆面部220c)と、を含み、
前記第1の被覆面には前記コネクタ用開口(236a〜236c)が形成されているとともに、
前記第3の被覆面には前記係止穴(502)が形成されている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、コネクタ用開口近傍が第1の被覆面により被覆されることで、コネクタ用開口と基板側コネクタとの間に形成される隙間から不正器具等を挿入しにくくなるので、制御基板に対する不正行為を防止することができる。
本発明の請求項に記載の基板収納ケースは、請求項1〜のいずれかに記載の基板収納ケースであって、
前記コネクタ規制部材(500)における少なくとも一部は、透光性を有する部材(透明な合成樹脂材)にて構成されている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、基板収納ケース内の視認性がコネクタ規制部材により損なわれることがないので、制御基板の監視に支障をきたすことがない。
本発明の請求項に記載の基板収納ケースは、請求項1〜のいずれかに記載の基板収納ケースであって、
前記ケースカバー(202)の側縁(ケースカバー202の側壁230)より外方に向けて突設された連接部(257)を介して設けられる第1被固着部(255,被固着部255a〜255d,筒状部256)と、
前記ケース本体(201)の側縁(ケース本体201の側壁203)に、前記第1被固着部に対応して設けられる第2被固着部(212,ネジ孔211a〜211d,固着片212a,筒状部212b)と、
前記第1被固着部と前記第2被固着部とを固着する部材であって、前記基板収納ケースを破壊するかもしくは前記連接部を切断しない限り前記制御基板の封止状態を解除することができない状態とするために、前記第1被固着部と前記第2被固着部とを固着する固着部材(ワンウェイネジ280)と、
を備え、
前記ケースカバーは、前記第1被固着部が設けられた側縁(230)とは逆の側縁(側壁231側に設けられた係止片261)を中心として前記ケース本体に対して回動自在に設けられている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1被固着部及び第2被固着部同士を固着部材により固着することで制御基板を封止状態とすることができるとともに、基板収納ケースを破壊するかもしくは固着された第1被固着部の連接部を切断することで、封止状態を解除してケースを開放することができる。また、複数の側縁を固着しなくても封止状態を構成することができるので、固着作業が容易になる。
本発明の請求項に記載の基板収納ケースは、請求項1〜のいずれかに記載の基板収納ケースであって、
前記ケースカバー(202)の側縁(ケースカバー202の側壁230)より外方に向けて突設された連接部(257)を介して設けられる複数の第1被固着部(255,被固着部255a〜255d,筒状部256)と、
前記ケース本体(201)の側縁(ケース本体201の側壁203)に、前記複数の第1被固着部それぞれに対応して設けられる複数の第2被固着部(212,ネジ孔211a〜211d,固着片212a,筒状部212b)と、
前記第1被固着部と前記第2被固着部とを固着する部材であって、前記基板収納ケースを破壊するかもしくは前記連接部を切断しない限り前記制御基板の封止状態を解除することができない状態とするために、前記第1被固着部と前記第2被固着部とを固着する固着部材(ワンウェイネジ280)と、
前記制御基板の封止状態を解除した後、再度前記制御基板の封止状態を実現する際に使用する予備用固着部材(予備用ワンウェイネジ280)と、
を備え、
前記ケース本体(201)の内部には、前記予備用固着部材を収納可能な収納口(209c)を有する予備用固着部材収納部(ネジ収納部209)が設けられているとともに、前記ケースカバー(202)の内面所定箇所には、前記制御基板の封止状態において前記予備用固着部材収納部からの前記予備用固着部材の逸脱を当接規制する固着部材規制部(ネジ規制用リブ253)が、前記予備用固着部材収納部の収納口に向けて延設されている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、複数のうち少なくとも一対の第1被固着部及び第2被固着部同士を固着部材により固着することで制御基板を封止状態とすることができるとともに、基板収納ケースを破壊するかもしくは固着された第1被固着部の連接部を切断することで、封止状態を解除してケースを開放することができる。さらに連接部を切断するなどして封止状態を解除した後でも、未使用の一対の第1被固着部及び第2被固着部同士を予備用固着部材により固着することで、再度制御基板を封止状態で内部に収納することができる。
また、基板収納ケースを開放することにより予備用固着部材収納部の開口が開放されるため、予備用固着部材を予備用固着部材収納部に簡単に収納及び取り出すことができるとともに、予備用固着部材収納部に収納された予備用固着部材は、制御基板の封止状態において予備用固着部材収納部からの逸脱が規制部との当接により規制されるため、逸脱した予備用固着部材により制御基板が損傷することを防止できる。さらに、規制部はケースカバーの内面所定箇所から延設されていることで、予備用固着部材収納部の配設位置がケースカバーやケース本体の形状により制限されたり、あるいはケースカバーやケース本体の形状を予備用固着部材収納部の配設位置に合わせて形成する必要がないので、基板収納ケースの設計が煩雑になることを回避できる。
本発明の実施例を以下に説明する。
まず、本発明の弾球遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1(以下、パチンコ機1と略称する)を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ機を示す背面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ機の前面(表面)側、奥側を背面(裏面)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機の前面(表面)とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び上皿扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられているとともに、下皿枠104が取り付けられている。また、前面枠101の背面側には、機構部品等が取り付けられる機構板105(図2参照)が一側を中心にして開閉可能に取り付けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた上皿扉枠103の前面には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な打球供給皿(上皿とも言う)3が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて膨出するように設けてある。打球供給皿3の下方には、打球供給皿3から溢れたパチンコ球を貯留する余剰球受皿4(下皿とも言う)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて膨出するように設けてあるとともに、その側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、変動表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行なう。
なお、本実施例においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
なお、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
変動表示装置9の下部には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。第3通常入賞口33へのパチンコ球の入賞は、第3入賞口スイッチ33aによって検出される。第4通常入賞口39へのパチンコ球の入賞は、第4入賞口スイッチ39aによって検出される。なお、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a(図3参照)が内蔵される天枠発光部28Hと、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
上皿扉枠103の前面における打球供給皿3の左右側方から打球供給皿3の左右側面にかけて、上皿扉枠103前面における打球供給皿3の左右側方に設けられた供給皿左LED300a及び供給皿右LED300bにより発光する供給皿左発光部300L,供給皿右発光部300Rが設けられているとともに、打球供給皿3の前面には、打球供給皿3の内部に設けられた供給皿前LED301aにより発光する供給皿前発光部301が設けられている。さらに、余剰球受皿4の周縁上面には、余剰球受皿4の内部に設けられた受皿LED302aにより発光する受皿発光部302が設けられている。尚、これら供給皿左発光部300L,供給皿右発光部300R及び受皿発光部302の詳細については後述することとする。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、供給皿左LED300a、供給皿右LED300b、供給皿左右外LED300c、供給皿前LED301a、受皿LED302a等の各種発光手段は、後述するLEDドライバ基板35によって点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27からの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠が設けられている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、たとえば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。なお、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、たとえば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。たとえば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
この実施の形態の場合は、大当りとして、通常大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。尚、遊技制御基板31を収納した状態で設置するための基板収納ケース200の詳細については後述することとする。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、遊技制御基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、遊技制御基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板159が設置されている。ターミナル基板159には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、遊技制御基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
貯留タンク38に貯留されたパチンコ球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、パチンコ球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、遊技制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、LEDドライバ基板35、音声出力基板70、インタフェース基板66、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ560と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a、満タンスイッチ19からの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13,13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
情報出力回路53から出力される情報信号としては、大当り1情報信号、大当り2情報信号、大当り3情報信号、高確率情報信号、時短情報信号、第1始動情報信号、第2始動情報信号、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、および、始動口入賞異常信号が含まれる。
大当り1情報信号、大当り2情報信号および大当り3情報信号のそれぞれは、確変大当り、非確変大当り等の大当りの種類を特定した大当りの発生を示す信号である。高確率情報信号は、確率変動が生じたことを示す信号である。時短情報信号は、時短状態が生じたことを示す信号である。第1始動情報信号は、第1始動口15aへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用されるパチンコ球が検出されたことを示す信号である。第2始動情報信号は、第2始動口15bへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用されるパチンコ球が検出されたことを示す信号である。
第1入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第1入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値よりも大きい第2入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第2入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
第1ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(以下、ベースという)が第1のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第1ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(ベース)が第1のベース異常判定値よりも大きい第2のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第2ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
始動口入賞異常信号は、第2始動口15bを対象として、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球が入賞したことに基づく異常状態が生じたときに、そのような異常状態が生じた旨を示す信号である。
なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、パチンコ球を検出できる遊技媒体検出手段(この例ではパチンコ球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39aへのパチンコ球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへパチンコ球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球がカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球はV入賞スイッチのみで検出されるようにし、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、V入賞スイッチによる検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になるようにしてもよい。また、V入賞領域を設けず、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権が発生するようにしてもよい。また、V入賞領域を設け、1ラウンド目は無条件(V入賞領域への入賞によらず)継続権が発生し、2ラウンド目以降においてV入賞領域への入賞により継続権が発生するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート506を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート506は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、遊技制御基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。なお、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いてもよい。
乱数回路は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行なうことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラ502は、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ560をシステムリセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路を搭載する。第1の乱数回路は、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路は、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、第2の乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路は、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つの乱数回路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路および16ビット乱数回路を包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路と16ビット乱数回路とのうちいずれかを指す場合に、乱数回路という。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(遊技制御基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力ドライバ回路58に入力される。電源断信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力ドライバ回路58に入力される。クリア信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに入力される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板37を経由して、満タンスイッチ19からの満タン信号が入力されたときに、前述した受皿LED302aを発光させる旨を示す満タン信号を演出制御基板80に送信する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23により球が検出されたとき、すなわち、例えば大当り遊技状態以外の状態において特別可変入賞球装置20の開閉板が前述した不正器具等により遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)とされてカウントスイッチ23により球が検出されたときに、エラーが発生したとして、供給皿左LED300a,供給皿右LED300bを発光させる旨を示すエラー信号を演出制御基板80に送信する。
また、クリア信号は、遊技制御基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの設定状態を示す設定検出信号を受ける。
遊技制御基板31と演出制御基板80との間には、演出制御コマンドを送信するための8本の信号線と、ストローブ信号を送信するための演出制御INT信号の信号線とが設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
演出制御用マイクロコンピュータ81は、表示制御用のプログラム等を記憶するROM84と、ワークメモリとして使用されるRAM85と、プログラムにしたがって表示制御動作を行なうプロセッサであるCPU86と、I/Oポート87とを含む。この演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出制御コマンドに応じて、変動表示装置9の変動表示等の各種表示の演出に関する制御と、賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、供給皿左LED300a、供給皿右LED300b、供給皿前LED301a、受皿LED302aの制御(LED制御)と、スピーカ27を用いた遊技音発生制御(音制御)とを含む各種演出に関する制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ81では、演出制御INT信号により示された取込みタイミングで、演出制御コマンドを受信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ81では、受信した演出制御コマンドが示す演出に対応して行なうべき表示制御、音制御およびLED制御をするために、変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、スピーカ27の駆動信号および各種LEDの駆動信号を出力する。このような構成においては、演出制御コマンドに基づいて演出制御が行なわれるときに、演出制御用マイクロコンピュータ81により、変動表示装置9の表示制御に合せて、音制御およびLED制御が行なわれる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータにおいて、演出制御コマンドに基づいて変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、その表示制御内容に対応する音制御およびLED制御を行なうことにより、変動表示装置9の表示制御の演出に合せた(同期した)音制御およびLED制御が行なわれるのである。
演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ81の他に、VDP、キャラクタROM、および、VRAM(図示省略)が搭載されている。VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、変動表示装置9の表示制御を行なう。CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って、VDPに、表示制御用のコマンドに応じた画像表示をするための制御データを送信する。そして、そのように送信された制御データに従った画像表示をするために、VDPがキャラクタROMから必要なデータを読出す。キャラクタROMは、変動表示装置9に表示する画像データを予め格納しておくためのものである。
VDPは、CPU86とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAMをマッピングしている。VDPは、キャラクタROMの画像データに従って、変動表示装置9に表示するための画像データを生成し、VDPはVRAMに画像データを展開する。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。VRAMに展開された画像データは、変動表示装置9に出力される。
演出制御用マイクロコンピュータ81は、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することにより、スピーカ27から効果音等の音声を出力させる制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、LEDドライバ基板35に各種発光手段の駆動信号を出力することにより、前述のような発光手段の制御を行なう。これにより、変動表示装置9での演出表示に対応して(同期して)、音の制御および発光制御が行なわれる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御基板31から満タン信号を受信したときに、受皿LED302aの駆動信号をLEDドライバ基板35に出力して受皿発光部302を発光させることにより、余剰球受皿4にパチンコ球が満タンになった旨を遊技者に報知する。尚、該満タン報知は、満タン信号の入力がなくなったことに基づいて受皿LED302aを消灯することにより終了する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御基板31からエラー信号を受信したときに、供給皿左LED300a及び供給皿右LED300bの駆動信号をLEDドライバ基板35に出力して供給皿左発光部300L及び供給皿右発光部300Rを発光させることにより、エラーが発生した旨を遊技場の店員等に報知する。尚、該エラー報知は、店員によるリセット操作が行われたことに基づいて供給皿左LED300a及び供給皿右LED300bを消灯することにより終了する。
なお、演出制御コマンドを送信するための信号線としては、前述の8本というようなパラレル信号線を用いる構成に代えて、1本の信号線、すなわち、シリアル信号線を用いる構成を採用してもよい。シリアル信号線を用いる場合には、演出制御コマンドをシリアルデータとし、そのシリアルデータの送信前にローレベル信号のスタートビットを送信し、そのシリアルデータの送信後にハイレベル信号のストップビットを送信する。このようなスタートビットとストップビットとにより演出制御コマンドの取込みタイミングが示されるので、演出制御用マイクロコンピュータ81では、スタートビットとストップビットとの間に送信されたシリアルデータを演出制御コマンドとして受信する。
次に、前述した遊技制御基板31を収納する基板収納ケース200の詳細な構造について説明する。図4は、基板収納ケースを示す分解斜視図であり、図5は、(a)は図4の要部拡大斜視図であり、(b)は(a)のケース本体の要部を示す平面図であり、図6は、基板収納ケース及び遊技制御基板の組み付け状態を示す分解斜視図であり、図7は、ケースカバーに対する遊技制御基板の取り付け状態を示す斜視図であり、図8は、配線側コネクタの接続状況を示す斜視図であり、図9は、コネクタ規制部材の取り付け状況を示す斜視図であり、図10は、ケース本体とケースカバーとを閉鎖した状態を示す縦断面図であり、図11は、基板収納ケースの封止状態を示す斜視図であり、図12は、図11のA−A断面図であり、図13は、基板収納ケースを示す一部破断側面図であり、図14は、(a)は図13のB−B断面図であり、(b)は図13のC−C断面図である。
基板収納ケース200は、図4に示されるように、遊技制御基板31の裏面側を覆うケース本体としてのケース本体201と、遊技制御基板31の実装面31a(図10参照)側を覆うケースカバー202と、から構成され、遊技制御基板31を挟持するように組み付けられるものである。尚、遊技制御基板31の実装面31aには、特に詳細な図示はしないが、CPU56、RAM55、ROM54等の電子素や、他の基板から延出された配線の一端に設けられた配線側コネクタ等が接続される基板側コネクタ238a〜238c等が多数実装されている。尚、本実施例においては、3つの基板側コネクタ238a〜238cが記載されているが、これら実装されるコネクタの実装数量は任意であり、実際には3つ以上のコネクタが実装されることがある。
また、基板収納ケース200は、ケースカバー201の外側に装着され、後述する基板側コネクタ238a〜238cに接続される配線側コネクタ290a〜290cの抜脱を防止するためのコネクタ規制部材500を備えている。尚、遊技制御基板31は、後述するようにケースカバー202の裏面側に取り付けられた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納されるようになっている。
ケース本体201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、該底板201aの周囲を囲むように形成された側壁203〜206と、により上面が開放する直方体状に成形されている。側壁205、206の内面には、図11に示される封止状態(閉鎖状態)において遊技制御基板31の裏面周囲を支持する上下方向を向く支持リブ207が複数形成されている。また、側壁203及び後述する閉塞壁216の内面における長手方向の中央位置には、ケースカバー202を位置決めするための上下方向を向く位置決め用リブ270が形成されている。
一方の短辺の側壁203は、特に図5(a)に示されるように、長手方向の略中央に位置する中央側壁203aと、該中央側壁203aの左右側方に位置する膨出壁203b,203cと、中央側壁203aと膨出壁203b,203cとを連接する連接壁203dと、により、平面視で略凹状に形成されている。つまり、これら膨出壁203b,203c及び連接壁203dにより、中央側壁203aの長手方向の左右側には、本体内部側から外側に向けて膨出する平面視略長方形状をなす膨出部208a,208bが形成されている。
膨出部208a,208bの内部は、ケース本体201の内部に形成される平面視略長方形状の基板収納空間S1(図5(b)中2点鎖線で囲まれる領域)にそれぞれ連通する膨出空間S2,S3が形成されており、つまり内部が中空状に構成されており、一方の膨出部208aの膨出空間S2内には、後述する複数(本実施例では3本)の予備用ワンウェイネジ281を収納するネジ収納部209が設けられている。
ネジ収納部209は、図5(b)に示されるように、ケース本体201の底板201aから立設される側壁203よりも若干低い板状部209aと、該板状部209aの長手方向に向けて所定間隔おきに形成される複数の筒状部209bと、から構成される。各筒状部209bには、予備用ワンウェイネジ281のネジ部の直径よりも若干大径で、かつ、頭部の直径よりも小径の挿入孔209cが上方から所定深さ形成されており、挿入孔209cの上面開口から予備用ワンウェイネジ281を挿通して収納できるようになっている(図14(a)参照)。
板状部209aは、その長手方向の両端が、それぞれ側壁206及び連接壁203dの内面に連設されているとともに、膨出壁203bに対して平行に、基板収納空間S1と膨出空間S2とを区画するように配設されている。また、膨出壁203b,203cの下部には、後述するケースカバー202の係止爪251を係止可能な係止穴210がそれぞれ形成されている(図14(a)参照)。
予備用ワンウェイネジ281は、周知のように、一方向の回転によってネジを螺着することができるが、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのネジを緩めることができない機能を有するネジである(図5参照)。具体的には、外周に雄ねじ部が形成されたネジ部283と、該ネジ部283の上端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ部283の直径よりも頭部284の直径の方が大径になっている(図14(a)参照)。尚、ワンウェイネジ280も予備用ワンウェイネジ281と同様に構成されているため、ここでの詳細な説明及び図示は省略することとする。
中央側壁203aの外側には、後述するワンウェイネジ280が螺入される複数(本実施例では4つ)のネジ孔211a〜211dが形成される第2被固着部212が形成されている。被固着部212は、図5及び図13に示されるように、中央側壁203aの外側における両連接壁203d,203d間に架設されるとともに、ネジ孔211a〜211dが長手方向に向けて所定間隔おきに形成された固着片212aと、該固着片212aの下面における各ネジ孔211a〜211dに対応する箇所から垂下される筒状部212bと、から構成され、ネジ孔211a〜211dは、固着片212aから筒状部212bにかけて所定深さに形成されている。
固着片212aは、中央側壁203a及び両連接壁203dに対向する3辺がそれぞれ側壁203に連設されているとともに、中央側壁203aの反対側の長辺が、膨出壁203b,203dと面一になるように形成されている。つまり、両サイドの膨出部208a,208bよりも外側に突出しないように形成されているため、誤ってケース本体201を落下した場合でも、第2被固着部212が両サイドの膨出部208a,208bにより保護されて損傷しないようになっている。
他方の短寸の側壁204は、図4及び図10に示されるように、その上端から内向きに連設される内向片204aと、該内向片204aの先端から下方に垂設される垂下片204bとが連設されており、これら側壁204、内向片204a及び垂下片204bの内面により、後述するケースカバー202の回動枢支片を係止する下向きに開口する被係止凹部215(図10参照)が長手方向に向けて形成されている。
また、図10に示されるように、底板201aにおける被係止凹部215の鉛直下方位置には開口が形成されているとともに、該開口端縁部からは、側壁204よりも高さが低い閉塞壁216が立設されており、封止状態においてケースカバー202の側壁下端と底板201aの上面との間を外側から被覆できるようになっている。
底板201aの下面には、パチンコ機1に設けられる基板収納ケース取付板(図示略)に取り付ける際に、該基板収納ケース取付板に係止可能な複数の取付板用係止爪217と、取り付けの際における位置決め用の位置決め片218とが突設されている。
ケースカバー202は、透明な合成樹脂からなり、図4及び図5(a)に示されるように、略長方形状に形成される上板220と、該上板220の周縁辺のうち3つの縁辺を囲むように形成された側壁230〜232とにより下面が開放する直方体状に形成されている。上板220における2つの長辺のうち一方側は、長手方向に向けて下方に凹設されており、上板220の一部に所定幅を有する帯状の凹部234が形成されている。
具体的には、上板220は、図6及び図12に示されるように、実装面31aとの対向面(裏面)が該実装面31にほぼ当接する位置に設けられる低被覆面部220aと、該低被覆面部220aよりも実装面31aから離間した位置に設けられる高被覆面部220bと、低被覆面部220aと高被覆面部220bとを連設する傾斜被覆面部220cと、から構成されており、低被覆面部220a及び傾斜被覆面部220cにより前記凹部234が形成されている。
低被覆面部220aは、図6に示されるように、平面視略長方形状に形成された遊技制御基板31の実装面31aにおける一方の長辺に沿うように形成された帯状のコネクタ実装領域S10(図6中斜線で示される領域)を被覆するとともに、該コネクタ実装領域S10に実装された複数の基板側コネクタ238a〜238cの接続口238d及び本体上部をそれぞれ挿通して外部に露呈(開放)可能とするコネクタ用開口236a〜236cが形成されている。
また、低被覆面部220aの裏面は、後述するように遊技制御基板31が取り付けられた状態で、図12に示されるように該遊技制御基板31の実装面31aにほぼ当接するようになっており、コネクタ用開口236a〜236cを介して各種基板側コネクタ238a〜238cの接続口238d及び本体側面の上部がケースカバー202の外部に露呈されるようになっている。尚、各コネクタ用開口236a〜236cは、これら開口端縁と各種コネクタ238a〜238cの本体側面との間から針金等の異物や配線等が容易に進入されることがないように、開口端縁と各種コネクタ238a〜238cの本体側面との間が例えば約1mm以内の隙間となるように形成されている。
高被覆面部220bは、遊技制御基板31の実装面31aにおけるコネクタ実装領域S10以外のメイン部品実装領域(図中斜線で示される領域以外の領域)、つまり遊技制御用マイクロコンピュータ560等の電子部品や各種回路等が実装される領域の上方を被覆するため、低被覆面部220aよりも高い位置、つまり低被覆面部220aに比べて実装面31aから離れた位置に配置される。
傾斜被覆面部220cは、高被覆面部220bの一側縁から低被覆面部220aの一側縁に向けて下方に傾斜するように設けられているとともに、高被覆面部220b側の上部位置には、後述するコネクタ規制部材500に形成された複数の係止爪501それぞれが係合される複数の係合穴502が長手方向に向けて所定間隔おきに形成されている。
上板220の裏面四隅には、図7に示されるように、遊技制御基板31を取り付けるための基板取付ネジ239が取り付けられるネジ孔240aを有する取付用支柱240が一方の対角線上に2つ突設されているとともに、取り付けの際に位置決め用の位置決め用凸部241が他方の対角線上に2つ突設されており、ケースカバー202の裏面側に遊技制御基板31を取り付けできるようになっている。
遊技制御基板31を取り付けるには、遊技制御基板31の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cから各コネクタ238a〜238cが挿通されるように、遊技制御基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、遊技制御基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付ける。
このようにケースカバー202に遊技制御基板31を取り付けた状態において、前述したように、上板220における低被覆面220aの裏面と実装面31aとが対向してほぼ当接した状態となる(図12参照)。これにより、各コネクタ用開口236a〜236cの開口端縁と各種コネクタ238a〜238cの本体側面との間から進入させた針金等の異物や配線等を、遊技制御用マイコン等が実装されている遊技制御基板31の中央部に向けて差し込むことが困難となるため、ROM54等への不正行為が効果的に防止される。
また、高被覆面220bの裏面所定箇所には、後述するワンウェイネジ280の頭部284を被覆するキャップ244が複数吊支されたキャップ吊支体245(図6中拡大図参照)を保持する四角柱状のキャップ保持部(図示略)が下向きに凸設されている。キャップ吊支体245に吊支されているキャップ244は、封止の際に使用するワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の頭部284を被覆するものであり、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の合計数(4個)のキャップを有している。
尚、各キャップ244には下端に係止爪が形成された一対の係止片が設けられており、該係止爪を後述する被固着部255a〜255dの内面に形成された段部に係止することで、被固着部255a〜255dの上面開口を閉塞するように保持されるようになっている。
上板220の上面には、図4に示されるように、パチンコ機1の機種名を記した機種名シール(図示略)を貼着するための機種名表示用凹部247が凹設されているとともに、遊技制御基板31を検査した際に書き込む「検査者」や「検査日」等の各項目が記された検査履歴シール(図示略)を貼着するための検査名表示用凹部248が凹設されている。
また、上板220表面には、各被固着部255a〜255dそれぞれに対応する箇所に、後述するようにワンウェイネジ280及びワンウェイネジ281を用いて第1被固着部255及び第2被固着部212とを固着する順番、つまり、各被固着部255a〜255d及び各ネジ孔211a〜211dの使用順序を示す使用順番号(図4、図5中に示す「1,2,3,4」の白抜き数字参照)が印刷等により表示されている。
側壁230におけるケース本体201側の膨出部208a,208bに対応する箇所には、膨出部208a,208bよりもそれぞれ一回り小さい膨出部カバー250a,250bが外側に向けて膨出するように形成されている。つまり、これら膨出部カバー250a,250bは、封止状態において膨出部208a,208bを構成する膨出壁203b,203c及び連接壁203dよりも内側に入り込み、膨出空間S2,S3の上方を閉塞するように構成されている。
これら膨出部カバー250a,250bは、内部が中空状に形成されており、一方の膨出部カバー250bの内部空間は、側壁230によりケースカバー202における基板収納空間と区画されて独立した空間となっているとともに(図5参照)、他方の膨出部カバー250aの内部空間は、側壁230における膨出部カバー250aに対応する箇所が切り欠かれていることにより、ケースカバー202の基板収納空間と連通している(図14(a)参照)。
膨出部カバー250a,250bにおける膨出部208a,208bに形成された係止穴210に対応する壁部には、下端から上方に向けて切り欠かれた2本のスリットを介して弾性変形自在に構成された係止片252が形成されており、該係止片252の下端には、係止穴210に係止可能な外向きの係止爪251が形成されており、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において係止爪251が係止穴210に係止されるようになっている。
また、図14(a)に示されるように、前述したネジ収納部209に対応する膨出部カバー250aの上壁裏面254には、膨出部カバー250aの長手方向に向けて延びるネジ規制用リブ253が下方に向けて垂設されている(図5参照)。詳しくは、ネジ規制用リブ253は、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において、ネジ収納部209の板状部209aの直上に該板状部209aと平行をなすように配置されるように、膨出部カバー250aの上壁裏面254における板状部209aとの対向位置から下方に向けて垂設されている。つまり、上壁裏面254における挿入孔209cの上面開口との対向位置から、該挿入孔209cの上面開口に向けて鉛直方向に向けて所定長さ延設されており、その下端が挿入孔209c内に挿入された各予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接する長さを有している。
このように、上記封止状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253により、ネジ収納部209内に収納された予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの逸脱が防止されるようになっているため、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281が逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、基板を損傷させてしまうこと等が確実に防止される。
図5に示されるように、側壁203における両膨出部カバー250a,250bの間には、複数(本実施例では4つ)の四角筒状の被固着部255a〜255dが、ケース本体201の各ネジ孔211a〜211dに対向する箇所に複数形成されており、これら固着部により第1被固着部255が構成されている。
各被固着部255a〜255dは、図13,図14(b)に示されるように、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281を挿通可能な四角柱状の筒状部256と、該筒状部256と側壁230とを連接する連接部257と、から構成されており、連接部257を介して筒状部256が側壁230から所定距離離間した状態で配置されているため、連接部257をニッパ等の工具で切断できるようになっている。また、連設部257は、ケースカバー202の一側縁である側壁230の外面から外方に向けて複数突設されており、各連設部257の先端に被固着部255a〜255dが設けられている。
筒状部256は、上面が開口する有底の筒体であり、内部にワンウェイネジ280を収納可能な大きさを有しているとともに、底板258には、ワンウェイネジ280の頭部284の直径よりも小径の取付孔259が形成されている。この取付孔259は、封止状態において、各ネジ孔211a〜211dの対向位置に配置されるようになっている。
図4及び図10に示されるように、ケース本体201側の被係止凹部215が形成されている側壁204に対応する側壁231には、先端に被係止凹部215に係止可能な上向きの係止条260が長手方向に向けて延設された係止片261が外方に向けて延設されている。
このように構成されたケース本体201及びケースカバー202は、ケース本体201の上面開口をケースカバー202により閉塞した状態において、ケース本体201の側壁205の内面と、ケースカバー202の低被覆面部220aにおける側壁205の内面との対向辺である長辺220d(図8参照)端面との間に、後述する垂直板500bが挿通可能な間隙部505が、側壁205の内面に沿って形成されるようになっている(図12参照)。
次に、コネクタ規制部材500の構造について説明する。図9に示されるように、コネクタ規制部材500は、透明な合成樹脂材からなる板部材にて形成されており、ケースカバー202の外側に装着可能に構成されている。板材の幅寸法は、ケースカバー202の長辺202dにおける長手方向の幅寸法よりも若干短寸の幅寸法を有している。具体的に説明すると、コネクタ規制部材500は、装着時においてケースカバー202における低被覆面220aよりも若干大きめに形成される上板500aと、該上板500aの外端から下方に向けて延設される垂直板500bと、該垂直板500bの下端から上板500aと平行をなすように同方向に延設される下板500cと、から側面視略コ字形に形成されている。
上板500aにおける長辺500dには、前述した複数の係合穴502それぞれに差し込み可能に、かつ、弾性変形可能に構成されるとともに、先端に上向きの係止爪501が形成された係止片が該上板500aとほぼ平行をなすように突設されており、該係止片を係合穴502からケースカバー202内に挿通した状態において、ケースカバー202の裏面における係合穴502の上縁に係止爪501が係止されるようになっている。
上板500aには、前述した各配線側コネクタ290a〜290cから延出された配線291a〜291cを挿通可能な細長長方形状の配線挿通用開口503a〜503cが長手方向に向けて形成されているとともに、各配線挿通用開口503a〜503cからは、各配線291a〜291cを挿通可能な配線挿通用スリット504a〜504cが長辺500dに向けて延設されている。
各配線291a〜291cは、複数本のケーブルを列状に並設することにより帯状に束ねて形成されてなるいわゆるフラットケーブルであるため、配線挿通用開口503a〜503c及び配線挿通用スリット504a〜504cは横長長方形状に形成されている。詳しくは、配線挿通用開口503a〜503cは、長辺及び短辺が、配線側コネクタ290a〜290c本体の長辺及び短辺よりも短寸に形成され、配線側コネクタ290a〜290cを挿通不可能であり、かつ、配線291a〜291cを挿通可能に形成されている。また、配線挿通用スリット504a〜504cは、配線291a〜291cを該配線挿通用スリット504a〜504cに対して平行な姿勢とした状態で長辺500d側から差し込み可能な幅寸法に形成されている。
よって、各配線291a〜291cは、長辺500d側から配線挿通用スリット504a〜504c内に差し込んで配線挿通用開口503a〜503cまで引き込むことで、配線挿通用開口503a〜503c内に配置することができるようになっている。
また、これら配線挿通用スリット504a〜504cは、配線挿通用開口503a〜503cの開口長縁辺に対して傾斜するように、かつ、互いに平行に形成されているとともに、該開口長縁辺における長手方向の中央位置から長辺500d側に向けて斜めに延設されている。これにより、配線挿通用スリット504a〜504cを介して引き込んだ配線291a〜291cを、配線挿通用開口503a〜503c内に斜めに進入させることができるため、配線挿通用開口503a〜503c内にスムーズに進入させることができる。
また、開口長縁辺の長手方向の中央位置から配線挿通用スリット504a〜504cが延設されていることで、配線挿通用開口503a〜503c内に配線291a〜291cを配置した状態において、該配線291a〜291cの列方向の両端が配線挿通用スリット504a〜504cとの連設部から離れるため、配線291a〜291cが配線挿通用スリット504a〜504c内に逆戻りすることがない。すなわち、配線挿通用スリット504a〜504cは、配線挿通用開口503a〜503cの一辺よりも幅狭であることが望ましい。
下板500cは、垂直板500bの下端から上板500aと同方向に向けて延設されており、その延設幅は、遊技制御基板31の短辺の幅寸法よりも若干短寸とされている。つまり、遊技制御基板31の裏面31b(実装面31aの反対面)ほぼ全域を被覆可能な長さとされている(図12参照)。
このように形成されたコネクタ規制部材500は、上記のように、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cから延設される各配線291a〜291cを、配線挿通用スリット504a〜504cを介して配線挿通用開口503a〜503c内を挿通させた後、ケースカバー202に対して側方から近接させ、係止爪501を係合穴502に差し込んで一端をケースカバー202に係止させることで、ケースカバー202に対して仮止めすることができる。
この状態において、上板500aにより低被覆面部220aの上方および外側方が上板500a及び垂直板500bにより被覆されるとともに、遊技制御基板31の裏面31bが下板500cにより被覆される。
次に、このように構成されたケース本体201及びケースカバー202により、遊技制御基板31を内部に収納して封止状態とするとともに、コネクタ規制部材500により配線側コネクタ290a〜290cの抜脱を規制する状況を説明する。
遊技制御基板31を封止状態で収納するには、まず、ケースカバー202の裏面に設けられたキャップ保持部(図示略)に、キャップ吊支体245を取り付けた後、遊技制御基板31をケースカバー202の裏面側に取り付ける。具体的には、図7に示されるように、遊技制御基板31の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cに各基板側コネクタ238a〜238cが挿通されるように、遊技制御基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、遊技制御基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付ける。
図8に示されるように、遊技制御基板31をケースカバー202の裏面側に取り付けた状態において、各コネクタ用開口236a〜236cからは、各基板側コネクタ238a〜238c本体上部がケースカバー202の外部に露呈される。つまり、各基板側コネクタ238a〜238cの本体上面に形成された接続口238dがケースカバー202の外部に上向きに開放されるため、ケースカバー202に配線側コネクタ290a〜290cを挿通させたりすることなく、各基板側コネクタ238a〜238cの接続口238dに各配線側コネクタ290a〜290cを差し込んで接続することができる。
次いで、図9に示されるように、各基板側コネクタ238a〜238cに接続された各配線側コネクタ290a〜290cから延設される各配線291a〜291cを、長辺500d側から配線挿通用スリット504a〜504c内に差し込み、配線挿通用開口503a〜503c内を挿通させた後、ケースカバー202に対して側方から近接させ、係止爪501を係合穴502に差し込んで一端をケースカバー202に係止させることで、ケースカバー202に対して仮止めする。
このように、各基板側コネクタ238a〜238cに各配線291a〜291cの配線側コネクタ290a〜290cを接続した状態で、各配線291a〜291cを配線挿通用開口503a〜503cに簡単に挿通させることができる。また、配線291a〜291cにおける配線側コネクタ290a〜290cとは反対側の端部に設けられる配線側コネクタ(図示略)等を、配線挿通用開口503a〜503cに挿通させる必要がないばかりか、例えば、配線291a〜291cにおける配線側コネクタ290a〜290cとは反対側の端部が図示しない他の基板に対してコネクタ等を介さずに直接接続されている場合であっても、配線側コネクタ290a〜290cを配線挿通用開口503a〜503cに挿通させる必要がなく、上板500aに大きな開口を形成しなくて済むため、コネクタ規制部材500の強度低下が防止される。
一方、ケース本体201の方は、図6に示されるように、ネジ収納部209の挿入孔209c内に、予備用ワンウェイネジ281を収納しておく。このとき、各挿入孔209cの上面開口の上方からネジ部283を挿入孔209c(図5(b)参照)内に挿通するだけで、簡単に収納することができる。この収納状態において、ネジ部283は挿入孔209c内に完全に収納され、頭部284のみが挿入孔209cの上面開口から外部に突出された状態で保持されているため(図14(a)参照)、これら収納された予備用ワンウェイネジ281を使用する際において、頭部284を手で摘むだけで簡単に取り出すことができる。
次いで、遊技制御基板31が一体的に取り付けられるとともに、コネクタ規制部材500が外側に仮止めされたケースカバー202により、ケース本体201の上面開口を閉鎖する。具体的には、図10に示されるように、ケースカバー202の一方の短辺から外方に向けて突設された係止片260が下を向くようにケースカバー202を傾斜させた状態、すなわち、遊技制御基板31の裏面31bをケース本体201に対向させた状態で、ケース本体201における閉塞壁216の上端と垂下片204bの下端との間に係止片260を差し込む。そして、係止条260を被係止凹部215内に係止させた状態で、該係止部を中心としてケースカバー202を図中矢印方向に向けて向けて回転させ、ケースカバー202をケース本体201の側壁203〜206により囲まれた空間内に嵌め込む。
ここで、ケース本体201の膨出部208a,208bの膨出空間S2,S3内に膨出部カバー250a,250bが嵌め込まれて、両係止爪251がそれぞれ係止穴210の開口上端縁に係止される。これにより、ケースカバー202の一方の短辺側が係止条260と被係止凹部215とにより係止されるとともに、他方の短辺側が係止爪251と係止孔251とにより係止され、ケースカバー202がケース本体201に対して仮止めされる。尚、この状態では、係止穴210の外方からそれぞれの係止爪251を内側に向けて押し込むことで係止状態を解除することで、ケースカバー202を簡単に開放させることができる。
この状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253の下端が、ネジ収納部209に収納された3本の予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接した状態で配置されるため、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、遊技制御基板31の配線パターン等を傷つけて断線させてしまうこと等が防止される。
また、ケースカバー202の各側壁230〜233の下端が、ケース本体201の側壁203〜206の上端よりも下方に深く入り込んだ状態となるため、ケース本体201とケースカバー202との間から針金等の異物を進入しにくくなる。
また、ネジ収納部209は、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられているため、遊技制御基板31が基板収納空間S1内におけるネジ収納部209の上端よりも下方位置に配置された状態においても(図14(b)参照)、ネジ収納部209と干渉することがない。
また、図12に示されるように、ケース本体201の側壁205の内面とケースカバー202の低被覆面部220aの長辺220dとの間に形成される間隙部505に、コネクタ規制部材500の垂直板500bが差し込まれた状態で配置されるとともに、下板500cの下面全域がケース本体201の底板201a上面に載置される。これにより、コネクタ規制部材500がケース本体201に対して安定的に保持されるとともに、遊技制御基板31の裏面31bが下板500cにより被覆される。
つまり、ケースカバー202に対して係止爪501を介して一端側が係止されたコネクタ規制部材500は、その一部を構成する他端側の下板500c及び垂直板500bの下部がケース内部に配置されることになる。
さらにこの状態において、ケース本体201の第2被固着部212の上方に、ケースカバー202の第1被固着部255が配置される。詳しくは、固着片212aの上面に各被固着部255a〜255dが載置されると、各ネジ孔211a〜211dと各取付孔259とが合致し、ワンウェイネジ280を挿通可能な状態となる。ここで、4つの被固着部255a〜255dのうち、いずれか1つの筒状部256(ここでは前述したようにケースカバー202に表示されている使用順番号「1」に対応する被固着部255dの筒状部256)の上面開口からワンウェイネジ280を挿入し、ネジ部283の先端を取付孔259に差し込んだ状態で、マイナスドライバー等の工具によりワンウェイネジ280を時計回りにねじ込む(図5参照)。
これにより、図13に示されるように、ネジ部283の外周に形成された雄ねじのねじ切り作用により、ネジ部283が取付孔259を貫通して、固着片212a及び筒状部212b内に貫通形成されたネジ孔211a内に螺入され、固着片212a及び被固着部255d、つまり第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイネジ280を介して固着(カシメ)される。
すなわち、ケースカバー202は、一方の短辺側が係止条260が被係止凹部215により係止され、他方の短辺側がワンウェイネジ280を介して固着されていることにより、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着され、遊技制御基板31は、実装面31a及び裏面31bがこれらケース本体201及びケースカバー202により被覆された状態で、基板収納ケース200内に封止状態で収納される。
尚、ワンウェイネジ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、所定の色に着色された色付接着剤Zを筒状部256内に注入した後、キャップ244を筒状体255dの上面開口に嵌め込んで、頭部284の上面に形成された溝等を被覆することにより、ワンウェイネジ280を取り外しにくくすることができる。
さらに、透明な合成樹脂材からなる筒状部256内に色付接着剤Zが注入されることで、ワンウェイネジ280に対する何らかのアクセスがあった場合において、色付接着剤Zが抉り取られた痕跡等が色により視認しやすくなるため、透明な筒状部256外部からでも不正行為の痕跡を発見しやすくなる。
また、この封止状態を解除してケースカバー202を開放しようとする場合、前述したようにワンウェイネジ280を反時計回りに回して取り外すことはできないため、ケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、あるいは、連接部257をニッパ等の工具により切断し、固着片212aにワンウェイネジ280を介して固着されている被固着部255aの筒状部256をケースカバー202から切り離すしかない。
つまり、破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、封止状態を解除してケースカバー202を開放した場合には、破壊または切断の痕跡が残ることになるため、例えば不正行為によりケースカバー202が開放された場合でも、早期のうちに不正行為が行われたことを発見することができる。これにより、万が一不正な遊技プログラムが格納されたROMを有する遊技制御基板等にすりかえられた場合でも、早期に発見して対処することができるため、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
また、ワンウェイネジ280によりケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着された封止状態とされることで、ケースカバー202の外側に仮止めされたコネクタ規制部材500が、ケースカバー202から離脱不能に保持されるとともに、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cの抜脱が上板500aとの当接により規制される。
具体的には、図12に示されるように、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着された封止状態において、コネクタ規制部材500は、下板500cが遊技制御基板31の裏面31bを被覆するようにその下方に配置されることにより、その上方への移動が、ケース本体201に固着されたケースカバー202の裏面側に取り付けられた遊技制御基板31との当接により規制される。
また、下板500cから上向きに連設された垂直板500bが、ケースカバー202の長辺220dとケース本体201の側壁205内面とに挟持されるとともに、係止爪501が係合穴502に係止されることで、ケース本体201の底板201a上でのスライド移動が規制されるとともに、上板500aの変形も防止される。特に、垂直板500bの外面が側壁205の内面に上下方向にわたり密着した状態で保持されるため、垂直板500bの外側への変形も防止される。つまり、下板500c,垂直板500b,ケースカバー202の長辺220d及び側壁205は、本発明の規制部材保持手段を構成している。
このように、コネクタ規制部材500の上方及び水平方向の移動が規制されることで、コネクタ規制部材500のケースカバー202からの離脱が防止され、安定して基板収納ケース200に保持される。そして、このように基板収納ケース200に保持されたコネクタ規制部材500の上板500aにより、ケースカバー202における低被覆面部220aの上面が被覆されるとともに、垂直板500bの上部,傾斜被覆面部220c,ケースカバー202の一部により低被覆面部220aの上方側周面が被覆されることで、基板側コネクタ238a〜238c及び配線側コネクタ290a〜290cが外部から遮断されるため、これらコネクタの接続部に対する不正行為が防止される。
また、図12に示されるように、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cの上方近傍に上板500aが配置されることで、配線側コネクタ290a〜290cを基板側コネクタ238a〜238cから抜脱しようとする際に、配線側コネクタ290a〜290cの本体上面における配線291a〜291cの延出部周囲が、上板500aの裏面における配線挿通用開口503a〜503cの周囲(当接規制部)に当接される。すなわち、配線側コネクタ290a〜290cの抜脱方向への移動が上板500aにより当接規制されるため、基板側コネクタ238a〜238cに正規以外の不正部品が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。
また、封止状態において、下板500cは遊技制御基板31の裏面31bを被覆可能な大きさに形成されていることで、裏面31bに形成された配線パターン等に対する不正行為も抑制できるとともに、安定性も向上する。尚、このように本実施例では、下板500cは遊技制御基板31の裏面31bを被覆可能な大きさに形成されていたが、コネクタ規制部材500の上方への移動を遊技制御基板31の裏面31bとの当接により規制可能な長さを有していれば、裏面31b全域を被覆可能な大きさに形成されていなくてもよい。
次に、第2被固着部212と第1被固着部255とをワンウェイネジ280を介して固着して封止状態を構成した後、遊技制御基板31の故障や検査等により遊技制御基板31を取り出すために封止状態を解除し、再度封止状態とする場合について説明する。
尚、このようにネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを複数形成し、繰り返し封止状態とすることができるようにするのは、例えばメーカーが遊技制御基板31を遊技店等に出荷する際に、遊技制御基板31を基板収納ケース200内に封止状態で収納するために、1つのネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用した後、遊技店において、上記のように遊技制御基板31が故障して交換する場合や検査等を行うために遊技制御基板31を取り出す場合等において、封止状態を解除することがある。その後再度封止状態とする際に他のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用するため、これらが第2被固着部212及び第1被固着部255が複数必要となる。
まず、ケースカバー202を開放したときに、キャップ吊支体245からキャップ244を1つ分離して取り出しておくとともに、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281を1本取り出しておく。そして、前述と同様に、ケース本体201の上面開口をケースカバー202により閉鎖する。ここで、まだ連接部257が切断されていない被固着部255b〜255dのうちいずれかの筒状部(例えば前述した使用順番号「2」に対応する被固着部255b)に予備用ワンウェイネジ281を挿入し、ネジ孔211bに螺入することで、前述と同様に第2被固着部212と第1被固着部255とを固着して封止状態を構成することができる。
このように、第2被固着部212としてのネジ孔211a〜211d及び第1被固着部255としての被固着部255a〜255dが複数設けられているため、ケース本体201やケースカバー202の一部を破壊することなく連接部257を切断するだけで、基板収納ケース200を交換すること等なく、封止状態を解除した後でも、封止状態を複数回繰り返し構成することができる。
以上説明したように、本発明の実施例1としての基板収納ケース200にあっては、遊技制御基板31をケースカバー202の裏面に取り付けることにより、基板側コネクタ238a〜238cがコネクタ用開口236a〜236cを介してケースカバー202の外部に開放されるとともに、該開放された基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ290a〜290cを接続した状態で、ケースカバー202の外側にコネクタ規制部材500を仮止めして基板収納ケース200に保持することで、配線側コネクタ290a〜290cの抜脱が当接規制部としての上板500aにより当接規制される。このように、ケースカバー202に、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cと反対側の配線側コネクタ(図示略)を挿通するための大きな挿通口等を形成しなくても、ケースカバー202の外側にコネクタ規制部材500を装着することができるため、コネクタ規制部材500の強度低下が防止される。
また、下板500cは、封止状態とされたケース本体201及びケースカバー202により被覆されることで、封止状態を解除するかコネクタ規制部材500またはケース200の一部を破壊しない限りコネクタ規制部材500の保持状態を解除することができなくなり、これにより基板収納ケース200の一部を破壊したり封止状態を解除して配線側コネクタ290a〜290cを抜脱した際にはその痕跡が残り、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができるようになる。
また、本実施例では、封止状態においてケース内部に配置される下板500cが規制部材保持手段として機能するため、例えば前述したワンウェイネジ等の特殊な保持部材等を用いてコネクタ規制部材500をケースカバー202に保持したり、保持構造を複雑化することなく、ケースカバー202及びケース本体201を封止状態とするだけでケースカバー202に簡単に装着できるため、基板側コネクタ238a〜238cに正規以外の不正部品が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。
また、コネクタ規制部材500の一部は、複数の配線側コネクタ290a〜290cを当接規制することが可能な1枚の上板500aにて構成されているため、複数の配線側コネクタ290a〜290cそれぞれに対応する複数の当接規制部を個別に形成する必要がないとともに、複数の配線側コネクタ290a〜290cをまとめて当接規制することができるため、保持作業の手間が軽減される。
さらに、配線側コネクタ290a〜290cの抜脱方向への移動を当接規制するだけでなく、これらの上方が被覆されるため、基板側コネクタ238a〜238cと配線側コネクタ290a〜290cとの接続部に対する不正行為が困難となるとともに、コネクタ規制部材500に配線側コネクタ290a〜290cを挿通するための大きな挿通口等を形成する必要がないので、強度低下が防止される。
また、コネクタ規制部材500の一部は、封止状態において間隙部505に配置される垂直板500bと、離脱方向への移動が遊技制御基板31により当接規制される下板500cと、から構成されることで、ネジ等の保持部材を使用することなく、垂直板500bを間隙部505に差し込んだ状態で封止状態とするだけで、係止部としての下板500cの係止作用により垂直板500bの抜脱方向への移動が規制されてケースに保持されるため、コネクタ規制部材500の装着作業が容易になる。
コネクタ規制部材500には、ケースカバー202に形成された係止穴502に係合可能な係止爪501が形成されているため、係止爪501が係合穴502に係合されることで、コネクタ規制部材500の上板500aが変形や破損しにくくなるので、上板500aを変形させて配線側コネクタ290a〜290cをケースカバー202との間に形成される隙間から抜脱すること等を確実に防止することができる。
また、遊技制御基板31の実装面31aにおけるコネクタ用開口236a〜236c近傍が低被覆面220aにより被覆されることで、コネクタ用開口236a〜236cと基板側コネクタ238a〜238cとの間に形成される隙間から不正器具等を挿入しにくくなるので、遊技制御基板31に対する不正行為を防止することができる。
また、ケースカバー202に凹部234が形成され、コネクタ規制部材500は該凹部234に装着されるようにしたことで、装着状態においてコネクタ規制部材500がケースカバー202から大きく突出することがないので、パチンコ機1に配設された状態等において、コネクタ規制部材500が邪魔になることがない。
また、コネクタ規制部材500は、透明な合成樹脂材にて構成されているため、基板収納ケース200内の視認性がコネクタ規制部材500により損なわれることがないので、遊技制御基板31の監視に支障をきたすことがない。
また、複数のうち少なくとも一対の第1被固着部としてのネジ孔211a〜211d及び第2被固着部としての被固着部255a〜255d同士を固着部材としてのワンウェイネジ280により固着することで、遊技制御基板31を封止状態とすることができるとともに、基板収納ケース200を破壊するかもしくは固着されたネジ孔211a〜211dの連接部257を切断することで、封止状態を解除してケースカバー202を開放することができる。さらに連接部を切断するなどして封止状態を解除した後でも、未使用の一対のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255d同士を予備用ワンウェイネジ281により固着することで、再度遊技制御基板31を封止状態でケース内部に収納することができる。
また、基板収納ケース200を開放することにより、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口が開放されるため、予備用ワンウェイネジ281をネジ収納部209に簡単に収納及び取り出すことができるとともに、ネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281は、遊技制御基板31の封止状態においてネジ収納部209からの逸脱が、規制部としてのネジ規制用リブ253の下端との当接により規制されるため、逸脱した予備用ワンウェイネジ281により遊技制御基板31が損傷することを防止できる。
さらに、ネジ規制用リブ253が、膨出部カバー250aの上壁裏面254からネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に向けて下方に延設されていることで、ネジ収納部209の配設位置が、ケースカバー202やケース本体201の形状により制限されたり、あるいはケースカバー202やケース本体201の形状をネジ収納部209の配設位置に合わせて形成する必要がないので、基板収納ケース200の設計が煩雑になることを回避できる。
具体的は、例えばネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281の頭部284からケースカバー202の裏面までの距離が、予備用ワンウェイネジ281の長さよりも大きい場合には、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱する虞がある。そこで、例えばケースカバー202におけるネジ収納部209に対応する箇所を該ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に極力近接させようとすると、ケースカバー202全体の形状、あるいはネジ収納部209の配設位置を設計変更しなければならないが、ケースカバー202の裏面所定箇所からネジ規制用リブ253を延設することで、ケースカバー202全体の形状やネジ収納部209の配設位置を設計変更しないで済む。
また、ネジ規制用リブ253は、3つの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を規制できるように、上壁裏面254の長手方向にわたって延設されていることで、膨出部カバー250aの強度が高まる。これにより、例えばケースカバー202を過って床等に落下させてしまった場合等において、膨出部カバー250aが破壊されにくくなるので、その側方に設けられる第1被固着部255の保護作用が効果的に高まる。
また、第2被固着部212及び第1被固着部255の前後側方に膨出部208a,208bが設けられることで、いずれか一側方のみに設けられている場合に比べて、これら第2被固着部212及び第1被固着部255がより効果的に保護される。
また、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209は、複数本の予備用ワンウェイネジ281をまとめて収納可能であるため、各ネジ孔211a〜211dや各被固着部255a〜255dそれぞれの近傍に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくよりも、ケース本体201の構造を簡素化することができるばかりか、予備用ワンウェイネジ281の管理が容易になる。
また、ケース本体201の側壁203の一部に膨出部208aが形成され、該膨出部208aの側方に第2被固着部212が設けられることにより、過って基板収納ケース200を床等に落下させた場合等においても、ネジ孔211a〜211dや被固着部255a〜255dが容易に破損することが防止されるとともに、膨出部208aの内部に形成された膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくことができるため、膨出部208aを有効に利用することができるばかりか、遊技制御基板31を内部に収納または取り出す際に予備用ワンウェイネジ281が邪魔になることがないように収納しておくことができる。
つまり、膨出部208aと第2被固着部212とが、ケース本体201における一側辺の長手方向に向けて直線状に配設されるとともに、特にネジ孔211a〜211dとネジ収納部209とが一側辺に沿うように配置されることで、ケース本体201外形に凹凸部が形成されることがないので、ケース本体201の構造を簡素化できるばかりか、保管や輸送時における収納性が向上する。
また、ネジ収納部209は、ケース本体201の内部における基板収納空間S1から外側に張り出すように設けられた膨出空間S2内、すなわち、遊技制御基板31の封止状態において遊技制御基板31と上下方向に重合しない位置に配設されているとともに、遊技制御基板31は、膨出空間S2内に張り出さないように設けられていることで、予備用ワンウェイネジ281の収納及び取り出しの際に遊技制御基板31と干渉することがない。
さらに、予備用ワンウェイネジ281は、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口を介して内部に挿入される挿入部であるネジ部283と、該ネジ部283の一端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ収納部209は、予備用ワンウェイネジ281を収納した状態において、頭部284が挿入孔209cの上面開口の外部に突出した状態で保持されるように構成されていることで、予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの取り出しが容易になる。
また、遊技制御基板31は、複数の電子部品及び基板側コネクタ238a〜238cが実装される実装面31aと該実装面31aと反対側の裏面31bとを有し、ケースカバー202は、コネクタ238a〜238cに対応する箇所に、該コネクタ238a〜238cの接続口238dをケース外部に開放するためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されるとともに、遊技制御基板31を取り付け可能に構成され、遊技制御基板31は、実装面31aをケースカバー202により被覆し、かつ、裏面31bをケース本体201に対向させた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納されるため、基板収納ケース200を開放しても、実装面31aがケースカバー202により覆われた状態で遊技制御基板31が取り付けられていることで、ケースカバー202からの遊技制御基板31の取り外しに時間がかかり、電子部品や基板側コネクタ238a〜238c等に対する不正行為を行いにくくなる。
次に、本発明の実施例2としてのコネクタ規制部材520について、図15〜図17に基づいて説明する。図15は、本発明の実施例2としてのコネクタ規制部材及びケースカバーを示す斜視図であり、図16は、図15のコネクタ規制部材が装着された基板収納ケースを示す平面図であり、図17は、図16のD−D断面図である。
実施例1におけるコネクタ規制部材500は、ケース本体201及びケースカバー202の封止状態においてケース内部に配置される下板500c及び間隙部505に配置される垂直板500bにより基板収納ケース200に保持されるようになっていたが、本実施例2のコネクタ規制部材520は、固定ネジ522によりケースカバー202に保持されるようになっている。
以下、本実施例2のコネクタ規制部材520において、前記実施例1のコネクタ規制部材500と相違する点を図面に基づいて説明する。尚、本実施例2において、実施例1のコネクタ規制部材500と同様の構成部位及び基板収納ケースに関しては、同様の符号を付すことでここでの詳細な説明は省略することとする。
コネクタ規制部材520は、透明な合成樹脂材からなる板部材にて形成されており、図15に示されるように、低被覆面部220aの上方を被覆可能な上板520aと、該上板520aの外端から下方に向けて延設される垂直板520bとにより側面視略L字形に形成されている。つまり、前記実施例1のコネクタ規制部材500における下板500cがない形状に形成されているとともに、垂直板520bの上下幅寸法は垂直板500bの上下幅寸法よりも短寸に形成されている。
上板520aには、配線挿通用開口503a〜503c及び配線挿通用スリット504a〜504cが形成されている。垂直板520bには、固定ネジ522が取り付けられる複数の取り付け孔521が、ケースカバー202の長辺202d端面における長手方向にわたり所定間隔おきに形成された複数(本実施例では3つ)のネジ孔523に対応する箇所に形成されている。
このように形成されたコネクタ規制部材520は、前述したように配線挿通用開口503a〜503cに配線291a〜291cを挿通し、かつ、垂直板520bの外側から各取り付け孔521に固定ネジ522を取り付けた状態で、垂直板520bの内面下部を長辺220d端面に当接させてケースカバー202の外側に配置し、固定ネジ522をネジ孔523に螺入することにより、ケースカバー202の外側に装着保持される。
この状態において、コネクタ規制部材520は、ケースカバー202に対して離脱不能に保持されるため、配線側コネクタ290a〜290cの上方が上板520aにより被覆され、かつ、基板側コネクタ238a〜238cからの抜脱が当接規制される。
また、このようにコネクタ規制部材520が装着されたケースカバー202によりケース本体201の開口を閉鎖した状態(封止状態)においては、図16及び図17に示されるように、各取り付け孔521に螺入された固定ネジ522の頭部が、ケース本体201の側壁205により被覆されるため、ケース本体201及びケースカバー202の封止状態を解除するかケースの一部を破壊しない限り固定ネジ522を取り外すことができない状態となる。
このように、本実施例2のコネクタ規制部材520にあっても、実施例1のコネクタ規制部材500と同様の作用・効果を奏する。また、コネクタ規制部材520は、ケースカバー202に対して固定ネジ522により直接固定され、ケースカバー202に対して安定的に保持されるため、ケースカバー202に対するガタツキ等がコネクタの規制に支障をきたすこと等が防止される。
また、封止状態において側壁205により保持部材としての固定ネジ522の頭部が被覆されることにより、固定ネジ522の取り付け孔523からの取り出しができなくなるため、固定ネジ522に前述したワンウェイネジ等の特殊な部材を用いなくても、取り付け孔523からの取り出しを困難とすることができる。
また、図17に示されるように、上板520aの端面520cは、必ずしもケースカバー202に当接及び係止されていなくてもよく、例えば傾斜被覆面部220cに沿うように近接されていてもよい。
次に、本発明の実施例3としてのコネクタ規制部材550について、図18及び図19に基づいて説明する。図18は、本発明の実施例3としてのコネクタ規制部材及びケースカバーを示す斜視図であり、図19は、図18のコネクタ規制部材が装着された基板収納ケースの要部を示す拡大縦断面図である。
実施例1,2におけるコネクタ規制部材500,520は、ケース本体201及びケースカバー202の封止状態において形成される間隙部505に、垂直板500b,520bが配置されるようになっていたが、本実施例3のコネクタ規制部材550は、垂直板550bの下端が低被覆面部220aの上面に配置されるものである。
以下、本実施例3のコネクタ規制部材550において、前記実施例1のコネクタ規制部材500と相違する点を図面に基づいて説明する。尚、本実施例3において、実施例1のコネクタ規制部材500と同様の構成部位及び基板収納ケースに関しては、同様の符号を付すことでここでの詳細な説明は省略することとする。
コネクタ規制部材550は、透明な合成樹脂材からなる板部材にて形成されており、図18に示されるように、低被覆面部220aの上方を被覆可能な上板550aと、該上板550aの外端から下方に向けて延設される垂直板550bとにより側面視略L字形に形成されている。つまり、前記実施例2のコネクタ規制部材520とほぼ同形状に形成されているとともに、垂直板550bの下部が若干肉厚に形成されている。
上板550aには、配線挿通用開口503a〜503c及び配線挿通用スリット504a〜504cが形成されている。垂直板550bの下端面には、固定ネジ552が螺入される複数のネジ孔551が、ケースカバー202の低被覆面部202aの端縁側に凹設された凹条220eの長手方向にわたり所定間隔おきに形成された複数(本実施例では3つ)の取り付け孔220fに対応する箇所に形成されている。
このように形成されたコネクタ規制部材550は、前述したように配線挿通用開口503a〜503cに配線291a〜291cを挿通し、かつ、ケースカバー202の裏面側から各取り付け孔220fに固定ネジ552を取り付けた状態で、垂直板550bの下端面を凹条220eの上面に当接させてケースカバー202の外側に配置し、固定ネジ552をネジ孔551に螺入することにより、ケースカバー202の外側に装着保持される。
この状態において、コネクタ規制部材550は、ケースカバー202に対して離脱不能に保持されるため、配線側コネクタ290a〜290cの上方が上板550aにより被覆され、かつ、基板側コネクタ238a〜238cからの抜脱が当接規制される。
また、このようにコネクタ規制部材550が装着されたケースカバー202によりケース本体201の開口を閉鎖した状態(封止状態)においては、図19に示されるように、各ネジ孔551に螺入された固定ネジ552の頭部がケース内部に配置され、ケース本体201及びケースカバー202により被覆されるため、ケース本体201及びケースカバー202の封止状態を解除するかケースの一部を破壊しない限り固定ネジ552を取り外すことができない状態となる。
このように、本実施例3のコネクタ規制部材550にあっても、実施例1のコネクタ規制部材500と同様の作用・効果を奏する。また、ケースカバー202に対して固定ネジ552により直接固定され、ケースカバー202に対して安定的に保持されるため、ケースカバー202に対するガタツキ等がコネクタの規制に支障をきたすこと等が防止される。
また、封止状態において固定ネジ552の頭部がケース本体201及びケースカバー202により被覆されることにより、固定ネジ552のネジ孔551からの取り出しができなくなるため、固定ネジ552に前述したワンウェイネジ等の特殊な部材を用いなくても、ネジ孔551からの取り出しを困難とすることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例1〜3では、遊技制御基板31の実装面31aに対して基板側コネクタ238a〜238cが垂直に、つまり、接続口238cを上向きに開口した状態で実装され、コネクタ用開口236a〜236cがケースカバー202の上板220に形成されていたが、接続口238cが側方に向けた状態で実装され、コネクタ用開口236a〜236cがケースカバー202の側面に形成されていてもよい。
また、前記実施例1〜3では、ケースカバー202に形成された凹部234にコネクタ用開口236a〜236cが形成されていたが、必ずしも凹部234にコネクタ用開口236a〜236cを形成しなくてもよい。
また、前記実施例1〜3のコネクタ規制部材500,520,550は、複数の配線側コネクタ290a〜290cを当接規制及び被覆可能に構成されているが、各コネクタを個別に当接規制可能に装着できるようにしてもよい。
また、前記実施例1〜3のコネクタ規制部材500,520,550は、配線側コネクタ290a〜290cの本体上面に当接して抜脱を規制するようになっていたが、当接する部位は本体上面に限定されるものではなく、例えばコネクタの本体であれば、該本体の側面等であってもよい。
また、前記実施例1の基板収納ケース200では、封止状態において、ケース本体201の側壁205の内面とケースカバー202の長辺220dとの間に、該側壁205に沿うように間隙部505が直線状に延設されていたが、側壁205の一部または複数の間隙部505が所定間隔おきに形成されるようにしてもよい。さらに、これら間隙部505に変えて、コネクタ規制部材500の一部である差込片部をケース内部に配置可能とする差込孔等を、ケースカバー202に形成してもよい。
また、前記実施例1のコネクタ規制部材500は、下板500cが遊技制御基板31の裏面31bに当接することにより上方への移動が規制されるようになっていたが、封止状態においてケース内部に配置される下板500cや垂直板500bの一部を、ケース内部における遊技制御基板31以外の所定箇所、例えばケース本体201の側壁205内面やケースカバー202の裏面等に当接されることにより上方への移動が規制されるようにしてもよい。
また、前記実施例2,3では、コネクタ規制部材520,550をケースカバー202に保持するための保持部材として固定ネジが適用されていたが、ラッチ部材あるいはコネクタ規制部材に設けた弾性片等に係止爪を形成し、係止作用によりケースカバー202に保持するようにしてもよい。
また、前記実施例1〜3では、ネジ収納部209からの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を当接規制する規制部としてのネジ規制用リブ253は、封止状態においてケースカバー202におけるネジ収納部209の直上位置、すなわち収納口との対向面から下方に向けて延設されていたが、封止状態においてネジ収納部209からの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を当接規制可能であれば、ネジ規制用リブ253の端部とケースカバー202の内面との連接位置は収納口との対向面に限定されるものではなく、対向面以外の箇所、例えば膨出部カバー250aの内面側方から水平方向に延設されていてもよい。
また、前記実施例1〜3では、ネジ規制用リブ253が、膨出部カバー250aの内面における長手方向にわたって延びる板状に構成されていたが、各予備用ワンウェイネジ281をそれぞれ個別に当接規制可能な柱状部材にて構成されていてもよい。
また、前記実施例1〜3では、ネジ収納部209が予備用ワンウェイネジ281のネジ部283を挿入可能な挿入孔209cにて形成され、収納時において頭部284が外部に突出するようになっていたが、予備用ワンウェイネジ281全体が収納されるように構成されていてもよい。
また、前記実施例1〜3では、膨出部208aは、平面視略長方形状に形成されていたが、形状は種々に変形可能であり、例えば半円形状等に形成されていてもよい。
また、前記実施例1〜3では、膨出部カバー250aは膨出部208aの周壁内側に嵌まり込むように構成されていたが、周壁の外側に嵌まり込むようにしてもよい。
また、前記実施例1〜3の基板収納ケースは、遊技機の一例であるパチンコ機1に設けられるものであったが、スロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
また、前記実施例1〜3では、基板収納ケースは遊技制御基板31を内部に収納可能なケースとして説明してきたが、内部に収納する制御基板は上記遊技制御基板に限定されるものではなく、例えば賞球制御基板37や表示制御基板80等を収納するケースであってもよく、これらにもコネクタ規制部材を適用可能である。
また、前記実施例1〜3では、主に基板収納ケースが開放されて遊技制御基板31が不正な制御基板に交換されること等を防止するための構造を記載してきたが、例えば制御基板を含む基板収納ケースごと遊技機から取り外されて制御基板や基板収納ケースが交換されることを防止することを目的として、例えばケース本体201及びケースカバー202のうちの一方または双方の所定箇所に、製造番号や固有の識別番号(ID)等が記憶されたICタグ等を設けておき、該ICタグに記憶されている正規な製造番号や固有の識別番号(ID)等を所定の読み取り装置により適宜読み出して遊技店側等で確認できるようにすることで、制御基板を含む基板収納ケースそのものが不正に交換されることを防止するようにしてもよい。
さらにこの場合、このようなICタグを、例えばケース本体201とケースカバー202とを跨ぐように貼着され、ケースカバーを開放したときには破断して再封印することができない脆性体からなるいわゆる封印シールに一体的に設けたり、あるいは該封印シールによりケース本体やケースカバーに貼着することが好ましい。このようにすれば、ICタグ自体が不正なICタグに交換されたり、紛失していることを読み取り装置により判定できるため、早期のうちに対処できる。また、製造番号や固有の識別番号(ID)等をこのような封印シールに視認可能に印刷してもよい。
本発明が適用されたパチンコ機を示す正面図である。 図1のパチンコ機を示す背面図である。 本実施例のパチンコ機1に設けられた各種基板と各種電気部品との接続状況並びに遊技制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。 基板収納ケースを示す分解斜視図である。 (a)は図4の要部拡大斜視図であり、(b)は(a)のケース本体の要部を示す平面図である。 基板収納ケース及び遊技制御基板の組み付け状態を示す分解斜視図である。 ケースカバーに対する遊技制御基板の取り付け状態を示す斜視図である。 配線側コネクタの接続状況を示す斜視図である。 コネクタ規制部材の取り付け状況を示す斜視図である。 ケース本体とケースカバーとを閉鎖した状態を示す縦断面図である。 基板収納ケースの封止状態を示す斜視図である。 図11のA−A断面図である。 基板収納ケースを示す一部破断側面図である。 (a)は図13のB−B断面図であり、(b)は図13のC−C断面図である。 本発明の実施例2としてのコネクタ規制部材及びケースカバーを示す斜視図である。 図15のコネクタ規制部材が装着された基板収納ケースを示す平面図である。 図16のD−D断面図である。 本発明の実施例3としてのコネクタ規制部材及びケースカバーを示す斜視図である。 図18のコネクタ規制部材が装着された基板収納ケースの要部を示す拡大縦断面図である。
符号の説明
200 基板収納ケース
201 ケース本体
202 ケースカバー
208a,208b 膨出部
209 ネジ収納部
212 第2被固着部
236a〜236c コネクタ用開口
238a〜238c 基板側コネクタ
253 ネジ規制用リブ
255a〜255d 第1被固着部
280 ワンウェイネジ
290a〜290c 配線側コネクタ
291a〜291c 配線
500,520,550 コネクタ規制部材
503a〜503c 配線挿通用開口
504a〜504c 配線挿通用スリット

Claims (8)

  1. ケース本体とケースカバーとからなり、遊技機における遊技の制御を行う遊技制御手段を有する制御基板を封止状態で内部に収納可能な基板収納ケースであって、
    前記制御基板は、該制御基板とは異なる他の基板から延出された配線に設けられた配線側コネクタが接続される基板側コネクタ及び電子部品が実装される実装面を有し、
    前記ケースカバーは、前記実装面を被覆するように前記制御基板を取り付け可能に形成された基板取付部と、前記基板取付部に取り付けられた前記制御基板における前記基板側コネクタに対応する箇所に形成され、該基板側コネクタにおける少なくとも前記配線側コネクタとの接続部をケース外部に開放可能とするコネクタ用開口と、を有し、
    前記基板側コネクタに接続された配線側コネクタの抜脱を該配線側コネクタとの当接により規制する当接規制部を有するコネクタ規制部材を備え、
    前記コネクタ規制部材は、前記封止状態において前記コネクタ規制部材を前記ケースカバーから離脱不能に保持する規制部材保持手段を有し
    記規制部材保持手段は、前記封止状態において前記ケース本体の側壁と前記ケースカバーとの間に形成される間隙部に差し込まれて配置される差込片部と、該差込片部から垂直方向に延設されて前記ケース本体の底板上面に載置され前記実装面の裏面に配置される係止部と、により構成され、
    前記規制部材保持手段の少なくとも一部は、前記封止状態において前記ケース本体及び前記ケースカバーにより被覆される、
    ことを特徴とする基板収納ケース。
  2. 前記制御基板の実装面には、前記基板側コネクタが複数実装されており、
    前記当接規制部は、前記複数の基板側コネクタそれぞれに対応して複数設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の基板収納ケース。
  3. 前記コネクタ規制部材は、
    前記配線側コネクタを被覆可能な被覆面と、
    前記被覆面に形成され、前記配線側コネクタから延出される配線を外方に向けて挿通可能、かつ前記配線側コネクタを挿通不可能な大きさに形成される配線挿通口と、
    前記被覆面の端部から前記配線挿通口内に前記配線を挿通可能とするスリットと、
    を有し、
    前記当接規制部は、前記被覆面における前記配線挿通口の周縁部にて構成されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板収納ケース。
  4. 前記規制部材保持手段は、前記ケースカバーに形成された係止穴に係止可能な係止爪が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板収納ケース。
  5. 前記ケースカバーの被覆面は、前記実装面に近接もしくは当接する位置に設けられる第1の被覆面と、該第1の被覆面よりも前記実装面から離間した位置に設けられる第2の被覆面と、前記第1の被覆面と前記第2の被覆面とを連設する第3の被覆面と、を含み、
    前記第1の被覆面には前記コネクタ用開口が形成されているとともに、
    前記第3の被覆面には前記係止穴が形成されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の基板収納ケース。
  6. 前記コネクタ規制部材における少なくとも一部は、透光性を有する部材にて構成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の基板収納ケース。
  7. 前記ケースカバーの側縁より外方に向けて突設された連接部を介して設けられる第1被固着部と、
    前記ケース本体の側縁に、前記第1被固着部に対応して設けられる第2被固着部と、
    前記第1被固着部と前記第2被固着部とを固着する部材であって、前記基板収納ケースを破壊するかもしくは前記連接部を切断しない限り前記制御基板の封止状態を解除することができない状態とするために、前記第1被固着部と前記第2被固着部とを固着する固着部材と、
    を備え、
    前記ケースカバーは、前記第1被固着部が設けられた側縁とは逆の側縁を中心として前記ケース本体に対して回動自在に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の基板収納ケース。
  8. 前記ケースカバーの側縁より外方に向けて突設された連接部を介して設けられる複数の第1被固着部と、
    前記ケース本体の側縁に、前記複数の第1被固着部それぞれに対応して設けられる複数の第2被固着部と、
    前記第1被固着部と前記第2被固着部とを固着する部材であって、前記基板収納ケースを破壊するかもしくは前記連接部を切断しない限り前記制御基板の封止状態を解除することができない状態とするために、前記第1被固着部と前記第2被固着部とを固着する固着部材と、
    前記制御基板の封止状態を解除した後、再度前記制御基板の封止状態を実現する際に使用する予備用固着部材と、
    を備え、
    前記ケース本体の内部には、前記予備用固着部材を収納可能な収納口を有する予備用固着部材収納部が設けられているとともに、前記ケースカバーの内面所定箇所には、前記制御基板の封止状態において前記予備用固着部材収納部からの前記予備用固着部材の逸脱を当接規制する固着部材規制部が、前記予備用固着部材収納部の収納口に向けて延設されている、
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の基板収納ケース。
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